JP3540140B2 - 経路探索装置および記憶媒体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路ネットワークを数値情報として格納したディジタル地図を用いて、例えば車両などの位置検出および目的地までの最適経路計算を行う地図データ管理方法、経路探索装置および記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の地図データ管理方法および経路探索装置が適用されたナビゲーション装置は、例えば特開平8−128844号公報に開示されているように、方位および距離検出信号にもとづき自車の現在位置を検出し、CD−ROM等の地図データ記憶手段に記憶された地図データをアクセスし、検出された自車の現在位置付近の地図画像に自車位置を重ねて表示する。また、目的地が入力されると道路ネットワークを検索して目的地までの最適経路を求め、音声や表示により誘導を行う。
【0003】
地図データ記憶手段に記憶される地図データは、メモリ量の低減と読込時間の短縮を図るために、地域毎に適当な大きさに分割して管理され、必要な地域の地図データのみを前記地図データ記憶手段からメインメモリに読み込む。地域分割の方式の例としては、建設省国土地理院の国土数値情報において用いられているメッシュシステムがある。
この方式は、図16に示すように、等間隔の経度線101と緯度線100により区切られた矩形のメッシュ領域を単位として用いるもので、地球全体を連続的に覆うことができ、地図上でメッシュ領域の切れ目を確認しやすいことから最も一般的に用いられている。
【0004】
自車の現在位置を検出する際には、センサにより求められた自車位置座標の周囲の道路ネットワークを検索し、自車が走行している道路を推定し、センサの誤差による位置ずれを補正する。また、目的地が入力された際、目的地の座標付近の道路ネットワークを検索し、目的地の最も近くにある道路を経路の終端とする。
【0005】
ディジタル情報として道路ネットワークを記述する場合には、例えば特開平8−128844号公報に開示されているように、管理区域(メッシュ)内の道路上において、交差点、行き止まり、メッシュの境界線との交点などの特徴的な地点を取り出し、これらを「ノード」とする。また、ノードとノードとを結ぶ道路を「リンク」と呼び、ノードとリンクの組み合わせにより道路ネットワークを構成している。
【0006】
GPSにより車両位置の経度緯度が測位された場合は、測位された座標の周辺の道路を検索して走行中の道路を推定する。また、地図画面上で目的地が設定された場合は、目的地の座標に最も近い道路を求め、目的地までの経路の終端とする。
このようなナビゲーション装置では与えられた座標から一定距離範囲内の道路を検索し、最も近距離にある道路を特定する必要がある。その際、まずメッシュ内の各ノードの座標を調べて、検索範囲内にあるノードを抽出する。次に、抽出された各ノードに接続する各リンクについて基準座標からの距離を調べ、与えられた座標の最も近くを通過するリンクを選択する。前記与えられた座標が検索範囲内にあるかどうかの検索を高速に行う手法としては、2分探索(バイナリサーチ)がある(参照文献、オーム社.データベース編成技法)。2分探索では、座標値のうちの1つ(経度または緯度)をキーとして、ノードをキーの値の昇順または降順にソートして配置する。
【0007】
例えば、図17(a),(b)に示すように、座標値のうちの経度をキーとして、メッシュ領域M内のノードを経度座標の昇順にソートしており、また、図18に示すように同一経度のノードはノードテーブルNTBLにより緯度座標の昇順にソートしている。
メッシュ領域M内の基準点(x,y)から一定範囲の検索範囲p内のノードを取り出す場合、図19に示すように経度座標が検索範囲pの下限と上限にあるノードa,bを前記バイナリサーチで見つけ出し、その範囲内のノードのみを検索対象にすることで検索速度を向上している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の地図データ管理方法および経路探索装置は以上のように構成されていたので、地図データにおいては、道路上の特徴点であるノードは次元の座標を持つので、一方の座標軸を対象にしてソートしたとしても、ソートに用いなかった方の座標については、バイナリサーチによる絞り込みはできない。例えば、図18の場合には、経度座標が検索範囲内にあるノードをバイナリサーチで取り出すことができる一方、緯度座標が検索範囲内にあるかどうかについては、バイナリサーチで取り出したノードの全てについて調べる必要があるという課題があった。
【0009】
また、メッシュ領域内の道路ネットワークが大きな川や湾、山地により分断されている場合には、与えられた座標との間に障害物のある道路を選んでしまう場合がある。例えば、経路探索を行う場合は細街路を除いて幹線道路のみで構成された道路ネットワークを用いる場合があるが、目的地として指定された座標の近くに幹線道路が無く、最も近い幹線道路が川の対岸である場合などは、対岸の道路が経路の終端となり、大回りをしないと目的地へ到達できない経路を計算してしまう場合が発生するという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、与えられた座標から一定範囲内のノードを検索する際の検索速度を向上できる地図データ管理方法、経路探索装置および記憶媒体を得ることを目的とする。
また、管理区域内において道路ネットワークが分断されている場合に、与えられた座標の近辺まで確実に車両の通行ができる道路のみを検索する地図データ管理方法および経路探索装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域毎に地図データを記憶している地図データ記憶手段と、該地図データ記憶手段により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手段と、該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手段と、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手段と、該エリア検出手段により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手段とを備えるようにしたものである。
【0019】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変える分割エリア数可変手段を有し、該分割エリア数可変手段により分割エリア数が変えられたときの分割エリアの幅に対応してエリア検出手段がノードの検索範囲の大きさを変え、基準点を中心とした前記検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するようにしたものである。
【0020】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域について広域階層から狭域階層までの複数の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、順次、上位の階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理するようにしたものである。
【0021】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる2階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理するようにしたものである。
【0022】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの中域階層の各地図データと、該中域階層の各地図データをさらに複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる3階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記中域階層および前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理を行うようにしたものである。
【0023】
この発明に係る記憶媒体は、コンピュータを、地図データ記憶手段により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手順と、該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手順と、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手順と、該エリア検出手順により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置を示すブロック図である。このナビゲーション装置は車両に搭載されているものであり、1は走行距離を検出する距離センサ、2は車両の向きを検出する方位センサ、3は道路ネットワークを含む地図データを格納している外部地図メモリ(地図データ記憶手段)、4は車両の位置と目的地までの最適経路を推定する演算装置(演算手段)、5は目的地等を指定する入力装置、6は表示装置である。また、図示していないGPSなどの自車位置検出手段も備えている。
演算装置4は、距離センサ1および方位センサ2からの入力をもとに、車両が現在走行中である確率がもっとも高いリンクを決定して、走行中のリンクを求める。また、入力装置5より目的地が設定された場合は、演算装置4は前記目的地に最も近いリンクを目的地リンクとして、走行中のリンクから目的地リンクまでの最適経路を計算する。
【0025】
4aはエリア管理手段であり、外部地図メモリ3により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理する。
4bはノードデータ管理手段であり、前記エリア管理手段4aにより分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択された経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理する。
4cはエリア検出手段であり、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択する。また、分割エリア数可変手段41により管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数が可変されたときには、分割エリア数が可変された前記分割エリアの幅に応じて前記検索範囲の大きさを変える。
4dはノード検出手段であり、前記エリア検出手段4cにより選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出す。
41は管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変える分割エリア数可変手段である。
なお、これら、エリア管理手段4a,ノードデータ管理手段4b,エリア検出手段4c,ノード検出手段4dは、プログラムとして記憶媒体に格納することが可能である。
なお、演算装置4をコンピュータで構成し、これらエリア管理手段(手順)4a、ノード検出管理手段(手順)4b、エリア検出手段(手順)4c,ノード検出管理手段(手順)4dはプログラムとして記憶媒体に格納することが可能である。
【0026】
次に、外部地図メモリ3に格納されている地図データの構造について説明する。図2は、道路地図データを読込単位毎に領域分割した状態を示しており、図において3aは道路地図データ、Mは道路地図データ3aによる道路地図を等間隔の経度線12と緯度線11により分割したときの格子状のメッシュ領域(管理区域)を示している。
【0027】
図3および図4は、前記各メッシュ領域M内における領域分割を示しており、一定幅の緯度範囲毎の分割エリア#0〜#nを持っている。メッシュ領域M内の各ノードのデータは、ノードテーブルNTBLとして分割エリア#0〜#nと対に対応したサブテーブル#0〜#nに格納されており、各サブテーブルの中では経度座標昇順にノードデータが格納されている。
【0028】
図4において、pは検索範囲、a,bは検索範囲pの経度最小値を超えた直後のノードおよび経度最大を超える直前のノードである。ノードテーブルNTBLのサブテーブル#mには、メッシュ領域Mの分割エリアmに対応したノードデータが設定されている。
演算装置4は走行中のリンクおよび目的地リンクを決定するために、メッシュ領域M内の道路ネットワークから自車位置または目的地座標の周辺の道路を切り出す。そのために、自車位置または目的地座標を基準座標とし、当該基準座標を中心とした正方形の検索範囲pを設定し、検索対象とすべきノードの経度座標と緯度座標の最小、最大値をそれぞれ求める。ここでは、メッシュ領域Mを分割する分割線の間隔(分割エリアの間隔)は、検索範囲pの辺の長さと等しくなっている。
【0029】
先ず、メッシュ領域M内の各分割エリアのうち、検索範囲と重なりを持つ分割エリアmと分割エリアm+1を選択する。検索範囲pの1辺の長さは分割エリアの間隔と等しいので、重なりを持つ分割エリアは1つまたは2つである。図4では、分割エリアmと分割エリアm+1が検索範囲と重なりを持っている。
選択された分割エリアmと分割エリアm+1に対応するサブテーブル内より、経度座標が検索範囲内にあるノードを取り出す。サブテーブル内のノードデータは経度座標の昇順に並んでいるので、検索範囲pの経度最小値を超えた直後のノードaおよび経度最大を超える直前のノードbをバイナリサーチで見つけ、その間にあるノードすべてを取り出す。このため、分割エリアmにおいてはサブテーブル#m内のノードaからノードbまでが対象となる。分割エリアm+1においても同様とする。
【0030】
取り出されたノードの存在範囲は図4に網掛けにより示した範囲となり、緯度の方向が分割エリアにより限定されているので分割エリアを持たない場合に比べてはるかに小さくなる。例えば、メッシュ領域Mの1辺を10kmとし、検索範囲pの1辺を500mとした場合、分割エリアを設定しないと、メッシュ領域M全体でのバイナリサーチを2回行うことにより、500m×10kmまで範囲を絞り込み、その範囲内のノード全てについて緯度座標の判定を行う。一方、分割エリアを持つ場合には、分割エリア内のバイナリサーチを4回行うことにより、500m×1kmまで範囲を絞り込むので、バイナリサーチの回数を2回増やすことで、緯度座標の判定を行うノード数を10分の1に減らすことができる。また、分割エリア内のノード数はメッシェ領域M全体の20分の1であるので、バイナリサーチ自体も高速となり、回数の増加の影響を相殺できる。
このように、緯度座標の範囲限定を分割エリアを用いて行い、経度座標の範囲限定をバイナリサーチで行うため、多くのノードについて各個に座標を調べる必要がなく、必要な範囲内のノードを素早く取り出すことができる。
【0031】
また、以上の説明では分割エリアの幅と検索範囲pの1辺とを等しくしているが、分割エリアの幅を検索範囲pより狭くしてもよい。その場合、バイナリサーチの回数は更に多くなるが、選択されたノードの存在範囲は検索範囲pとほぼ等しくなる。
【0032】
図5は、1分割エリアの幅を全てのメッシュ領域に対して固定の幅を設定するのではなく、道路密度の高い都市部は分割数を多くし、道路密度の低い郊外では分割数を少なくしたときのメッシュ境界と分割エリアを示している。図5において、15はメッシュ境界、17は分割エリア境界、16a,16bは道路密度の低い郊外での分割数を少なくした分割エリア、17aは道路密度の高い都市部での分割数を多くした分割エリアである。
この場合、分割エリア数可変手段41は管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変え、分割エリアの幅を変える。またエリア管理手段4aは、外部地図メモリ3により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を前記分割数が可変された複数の分割エリアで管理する。
このときエリア検出手段4cは、前記分割エリアの幅に対応して検索範囲pを調整するため、検索範囲pが狭すぎてノードを見つけられなかったり広すぎて大量のノードを処理するような不具合を回避できる。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、検索範囲内の道路ネットワークの交差点、行き止まり、メッシュ領域の境界線との交点などの特徴的な地点などのノードの緯度座標をエリア分割を利用して範囲を特定し、経度座標をバイナリサーチにより範囲を特定するため、前記検索範囲内の処理対象のノードを絞り込んで必要な範囲内のノードを素早く取り出すことができる効果がある。
【0034】
また、分割エリアの幅に対応して検索範囲pを調整することも可能であるから、検索範囲内の処理対象のノードの絞り込み、必要な範囲内のノードの素早い取り出しについて道路密度に応じて柔軟に効率よく行うことができる効果がある。
【0035】
実施の形態2.
ナビゲーション装置に適用されるこの実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置について説明する。
この実施の形態2では、地図データが階層構造になっている場合において、広域レベルのメッシュ領域のエリア分割を狭域レベルのメッシュ領域に合わせる場合について説明する。
図6は、広域レベルと狭域レベルに階層構造になっている地図データを示す説明図である。図7は、広域レベルのメッシュ領域のエリア分割構造を示す説明図である。
図8は、従来の地図データ管理の際に不具合が発生するノードの例を示した説明図である。
図9は、階層レベルが3階層ある地図データの各メッシュ領域を示した説明図、図10は、広域レベルのメッシュ領域を中域レベルのメッシュ領域にて1次分割し、1次分割された中域レベルのメッシュ領域の各エリア内を狭域レベルのメッシュ領域にて2次分割する際の1次分割エリアと2次分割エリアとの関係を示す説明図である。
【0036】
図6において、18は道路地図に対し広域レベルのメッシュ領域を規定するメッシュ、19は狭域レベルのメッシュ領域を規定するメッシュである。
図7において、NTBL0は狭域レベルの各メッシュ領域を集めて構成された広域レベルのメッシュ領域のサブテーブルである。これら狭域レベルのメッシュ領域のサブテーブルを集めて広域レベルのノードテーブルが作成される。NTBL1は狭域レベルの各メッシュ領域における分割エリアのノードについてのノードテーブルである。
【0037】
図9において、121は道路地図に対し広域レベルのメッシュ領域を規定する広域階層メッシュ、122は中域レベルのメッシュ領域を規定する中域階層メッシュ、123は狭域レベルのメッシュ領域を規定する狭域階層メッシュである。
【0038】
図10において、NTBL2は広域レベルのメッシュ領域を中域レベルのメッシュ領域により1次分割したときのノードテーブル、NTBL3は前記1次分割することで得られた中域レベルのメッシュ領域の各エリア内を狭域レベルのメッシュ領域にて2次分割したときのノードテーブルである。
【0039】
ここで、図6および図7を参照して地図データが広域階層と狭域階層の2階層を持っている場合について説明する。
地図データは広域レベルと狭域レベルの2階層を持ち、広域レベルのメッシュ領域は40km×40kmの範囲を持ち、狭域レベルのメッシュ領域は10km×10kmの範囲を持つ。従って、この場合、広域レベルのメッシュ領域内には狭域レベルのメッシュ領域が16枚存在している。
【0040】
図7に示すように、メッシュ18による広域レベルのメッシュ領域を一旦、狭域レベルのメッシュ領域毎に1次分割し、1次分割されたそれぞれのエリアについて更にエリア分割を行う。すなわち、狭域レベルのメッシュ領域の各分割エリアによるノードテーブルNTBL1を一旦、狭域レベルのメッシュ領域毎に集めて狭域レベルのメッシュのサブテーブルとし、それらを更に集めて広域レベルのメッシュ領域のノードテーブルNTBL0を作成する。
このように、分割エリアを設定する前に、広域レベルのメッシュ領域を狭域レベルのメッシュ領域に分割することにより、広域レベルのメッシュ内のノードは自動的に狭域レベルのメッシュ領域毎に分けて管理される。
【0041】
図8に示すように、従来の地図データ管理方法では、広域レベルのメッシュ領域内のノードが狭域レベルのどのメッシュ領域に含まれるかを調べるにはノードの座標を含むメッシュ領域を求める方法が一般的であるが、この場合は図8のような狭域メッシュ領域25,26,27,28の境界上にあるノードAでは、どちらの狭域メッシュ領域に含まれるか判断できない。そのために、データ作成段階においてメッシュ境界上にノードを置かないように座標をずらす処置を行うなどの方法があるが、データの作成・更新の手間が増大する欠点がある。あるいは、また、狭域レベルでどのメッシュ領域に含まれるかをデータ項目として持たせる方法もあるが、データ量が増大する欠点がある。
これに対し、この実施の形態2では、ノードの座標を調べたり狭域レベルのメッシュ領域のデータを調べたりせずとも、ノードが含まれている分割エリアを調べれば、そのノードが狭域レベルのどのメッシュ領域に含まれているのかが容易に判明する。このため、地図データ作成の手間の増大、データ量の増大などが防げる。
【0042】
図9は、階層レベルが3階層ある地図データを示しており、広域レベルのメッシュ領域は中域レベルのメッシュ領域の16枚分の領域を持ち、中域レベルのメッシュ領域は狭域レベルのメッシュ領域の16枚分の領域を持つ。従って、広域レベルのメッシュ領域は狭域レベルのメッシュ領域の256枚分の領域を持つ。
【0043】
図10では、広域レベルのメッシュ領域を中域レベルのメッシュ領域にて1次分割し、1次分割された中域レベルのメッシュ領域の各エリア内を狭域レベルのメッシュ領域にて2次分割する。この場合、たとえば広域レベルのメッシュ領域が40km四方に対して狭域階層のメッシュ領域が2.5km四方とすると、2次分割エリアの1辺は広域レベルのメッシュ領域の1辺の16分の1であり、基準座標の周囲の狭域階層の分割エリアを4個を集めればバイナリサーチをせずとも実用的な検索ができてしまう。また、中域レベルを経由せずとも、広域レベルのノードが狭域レベルのどのメッシュ領域に含まれるかが分かるので、経路探索を行う際などに広域レベルと狭域レベルとのメッシュ領域の対応関係を直接とることができ、中域レベルのメッシュ領域を読み込む手間が省ける。
【0044】
以上のように、この実施の形態2によれば、領域の広い地図データの上位階層レベルのメッシュ領域を細分化した狭い領域についての下位階層レベルのメッシュ領域を、前記上位階層レベルのメッシュ領域に対応させ、検索範囲のノードの緯度座標を前記下位階層レベルのメッシュ領域に対するエリア分割を利用して範囲を特定し、経度座標をバイナリサーチにより範囲を特定するため、前記検索範囲における処理対象のノードを前記エリア分割により絞り込んで必要な範囲内のノードを素早く取り出すことができる地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置が得られる効果がある。
【0045】
参考例1.
ナビゲーション装置に適用されるこの参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置について説明する。
この参考例1では、道路の存在の有無によりエリア分割を行う場合について図11から図13を用いて説明する。
図11から図13は、領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
図11に示すように、領域Aと領域Bとの間に海があるために領域Aと領域Bの間は道路が接続しておらず、直線距離に対してかなりの大回りをしなくては行き来ができない状況である。
図12では、基準点Sは領域Bの中にあるが、基準点Sから最も近い幹線道路を求めた場合は領域Aの道路を選んでしまう。よって、このような基準点Sを目的地として、幹線道路のみを持つネットワークにて探索を行うと、従来のシステムでは目的地付近にて領域Aの基準点Sに接続していない大回りをする経路を探索してしまうという不具合が発生する。
【0046】
図13は、管理区域内を道路の接続状態を考慮した分割エリアにて管理する状態を示している。道路が存在する領域に対しては、互いに道路の接続が無い分割エリアAおよび分割エリアBとに分け、道路が存在しない分割エリアCを別に設けて管理する。周辺の道路を検索するための基準点Sが与えられた場合、基準点Sが含まれる分割エリアを取り出す。取り出された分割エリアが道路を含む場合は、その分割エリア内の道路から最近傍の道路を選択する。取り出された分割エリアが道路を含まない場合は、道路を含む分割エリアの中から基準点Sからの最短距離が最も短い分割エリアを求め、求められた分割エリア内の道路から最近傍の道路を選択する。これにより、基準点Sと接続関係が無い道路を近傍道路として選択することを回避できる。
【0047】
以上のように、この参考例1によれば、海などの道路が存在しない分割エリアを別に設けて管理するため、道路が存在しない通行不可能な海などの前記分割エリアを避けた基準点Sから最も近い幹線道路を求めることができ、基準点Sと接続関係が無い道路を近傍道路として選択することを防ぐことができる地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置が得られる効果がある。
【0048】
参考例2.
この参考例2では、前記実施の形態1のエリア分割に対してさらに道路の有無による分割を加えて、前記参考例1と同様の効果を持たせる場合について図14および図15を用いて説明する。
図14は、前記実施の形態1のエリア分割に対してさらに道路の有無による分割を加えたときのメッシュ領域を示す説明図である。図15は、この参考例2の地図データ管理方法を示すフローチャートである。
【0049】
図14は、前記実施の形態1と同様な分割エリアのそれぞれの内部を、道路の有無により更に矩形分割することにより、道路ネットワークの分断を明示しており、前記実施の形態1と同様のエリア分割に加えて、各分割エリアを「道路が存在するエリア」と「道路が存在しないエリア」に矩形に分割する。
【0050】
図15のフローチャートに従って動作について説明する。
周辺の道路を検索するための基準点Sが与えられると、先ず、基準点Sを含む分割エリアを求める(ステップST1)。図14の場合は、分割エリア20となり、この分割エリアを「検索対象分割エリア」とする。基準点Sを中心とする検索範囲と、前記検索対象分割エリアとの包含関係を調べ(ステップST2)、検索範囲が全て前記検索対象分割エリア内にある場合は、ステップST5へ進む。一方、検索範囲が全て前記検索対象分割エリア内にない場合には、前記検索対象分割エリアに隣接している分割エリアのうち、「道路が存在している分割エリア」があるか判断し(ステップST3)、「道路が存在している分割エリア」があればその分割エリアを、検索対象分割エリアに追加する(ステップST4)。図14の例では、分割エリア20に隣接する分割エリアとしては分割エリア10,分割エリア11,分割エリア21,分割エリア30,分割エリア31があるが、分割エリア11,分割エリア21,分割エリア31は「道路が存在しない分割エリア」であるので、分割エリア10と分割エリア30のみを検索対象分割エリアに追加する。
【0051】
前記ステップST3およびステップST4において、検索対象分割エリアに追加できる分割エリアが存在しない場合は、ステップST5へ進む。それ以外の場合は、ステップST2へ戻る。
検索対象分割エリア内のノードのうち、基準点Sを中心とした検索範囲内にあるものを取り出す(ステップST5)。ステップST5において取り出されたノードに接続する道路のうちから、基準点Sとの距離が最も近い道路を選び出し、最近傍の道路とする(ステップST6)。
従って、基準点Sを含む分割エリアと道路ネットワークの接続関係を持たない分割エリアは、ステップST3おいて検索対象から除外されるため、基準点Sと接続関係のある領域の道路のみが検索対象となり、大回りの経路を探索するような不具合が回避される。
【0052】
以上のように、この参考例2によれば、分割エリアのそれぞれの内部を、道路の有無により更に「道路が存在するエリア」と「道路が存在しないエリア」に矩形分割することにより、道路ネットワークの分断を明示することが可能であるから、基準点Sを有した検索範囲が含まれる「道路の存在する検索対象分割エリア」、または前記検索範囲に隣接する「道路の存在する検索対象分割エリア」から前記検索範囲のノードと接続関係のある道路のみを検索対象とすることができ、道路が存在しない通行不可能な海などの分割エリアを除外して前記分割エリアを迂回した基準点Sから最も近い幹線道路を効率的に求めることができ、基準点Sと接続関係が無い道路を近傍道路として選択することを防ぐことのできる地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置が得られる効果がある。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手段と、該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手段と、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手段と、該エリア検出手段により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手段とを備えるように構成したので、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲に対し対象となるノードは前記検索範囲と重なりを持つ分割エリア内のノードに限られ、この中から前記検索範囲にある各ノードを取り出せばよく、前記指定された基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0061】
また、この発明によれば、エリア検出手段は、分割エリア数可変手段により分割エリア数が変えられたときの分割エリアの幅に対応してノードの検索範囲の大きさを変え、基準点を中心とした前記検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するようにしたので、前記分割エリアの幅に対応してノードの検索範囲の大きさを最適に設定することができ、前記検索範囲内でノードが検索できず、また前記検索範囲内に大量のノードがあり最近傍の道路を特定するのに計算時間を要してしまうことが無く、指定された基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0062】
また、この発明によれば、管理区域について広域階層から狭域階層までの複数の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、順次、上位の階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理するエリア管理手段を備えるようにしたので、階層間のノードデータの対応関係を、データ作成時に座標をずらす手間をかけたり、対応関係を示すデータを付加したりせずに明示することができるとともに、指定された基準点の周囲の狭域階層の分割エリアに限定してノードの検索を行い、前記基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0063】
また、この発明によれば、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる2階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理するエリア管理手段を備えるように構成したので、前記広域階層と前記狭域階層間のノードデータの対応関係を、データ作成時に座標をずらす手間をかけたり、対応関係を示すデータを付加したりせずに明示することができるとともに、指定された基準点の周囲の狭域階層の分割エリアに限定してノードの検索を行い、前記基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0064】
また、この発明によれば、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの中域階層の各地図データと、該中域階層の各地図データをさらに複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる3階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記中域階層および前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理を行うようにしたので、中域階層を介さずに前記広域階層と前記狭域階層間のノードデータの対応関係を取ることができ、指定された基準点の周囲の狭域階層の分割エリアに限定してノードの検索を行うことで、前記基準点の近傍の道路などのノードデータを前記基準点の周囲の狭域階層の大きさに応じて高速に取り出すことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置による道路地図データを読込単位毎に領域分割した状態を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置による各メッシュ領域内における領域分割を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置による各メッシュ領域内における領域分割を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置において道路密度の高い都市部は分割エリアの数を多くし、道路密度の低い郊外では分割エリアの数を少なくしたときのメッシュ境界と分割エリアを示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置において広域レベルと狭域レベルに階層構造になっている地図データを示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置による広域レベルのメッシュ領域のエリア分割構造を示す説明図である。
【図8】地図データ管理の際に不具合が発生するノードの例を示した説明図である。
【図9】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置による階層レベルが3階層ある地図データの各メッシュ領域を示した説明図である。
【図10】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置による1次分割エリアと2次分割エリアとの関係を示す説明図である。
【図11】この発明の参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置による領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
【図12】この発明の参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置による領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
【図13】この発明の参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置による領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
【図14】この発明の参考例2の地図データ管理方法および経路探索装置によるエリア分割に対してさらに道路の有無による分割を加えたときのメッシュ領域を示す説明図である。
【図15】この発明の参考例2の地図データ管理方法および経路探索装置による地図データ管理動作を示すフローチャートである。
【図16】従来の地図データ管理方法および経路探索装置における地域分割の例として、建設省国土地理院の国土数値情報において用いられているメッシュシステムを示す説明図である。
【図17】従来の地図データ管理方法および経路探索装置における与えられた座標が検索範囲内にあるかどうかの検索を高速に行う2分探索を示す説明図である。
【図18】従来の地図データ管理方法および経路探索装置における与えられた座標が検索範囲内にあるかどうかの検索を高速に行う2分探索を示す説明図である。
【図19】従来の地図データ管理方法および経路探索装置におけるメッシュ領域M内の基準点から一定範囲の検索範囲p内のノードを取り出す場合の説明図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路ネットワークを数値情報として格納したディジタル地図を用いて、例えば車両などの位置検出および目的地までの最適経路計算を行う地図データ管理方法、経路探索装置および記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の地図データ管理方法および経路探索装置が適用されたナビゲーション装置は、例えば特開平8−128844号公報に開示されているように、方位および距離検出信号にもとづき自車の現在位置を検出し、CD−ROM等の地図データ記憶手段に記憶された地図データをアクセスし、検出された自車の現在位置付近の地図画像に自車位置を重ねて表示する。また、目的地が入力されると道路ネットワークを検索して目的地までの最適経路を求め、音声や表示により誘導を行う。
【0003】
地図データ記憶手段に記憶される地図データは、メモリ量の低減と読込時間の短縮を図るために、地域毎に適当な大きさに分割して管理され、必要な地域の地図データのみを前記地図データ記憶手段からメインメモリに読み込む。地域分割の方式の例としては、建設省国土地理院の国土数値情報において用いられているメッシュシステムがある。
この方式は、図16に示すように、等間隔の経度線101と緯度線100により区切られた矩形のメッシュ領域を単位として用いるもので、地球全体を連続的に覆うことができ、地図上でメッシュ領域の切れ目を確認しやすいことから最も一般的に用いられている。
【0004】
自車の現在位置を検出する際には、センサにより求められた自車位置座標の周囲の道路ネットワークを検索し、自車が走行している道路を推定し、センサの誤差による位置ずれを補正する。また、目的地が入力された際、目的地の座標付近の道路ネットワークを検索し、目的地の最も近くにある道路を経路の終端とする。
【0005】
ディジタル情報として道路ネットワークを記述する場合には、例えば特開平8−128844号公報に開示されているように、管理区域(メッシュ)内の道路上において、交差点、行き止まり、メッシュの境界線との交点などの特徴的な地点を取り出し、これらを「ノード」とする。また、ノードとノードとを結ぶ道路を「リンク」と呼び、ノードとリンクの組み合わせにより道路ネットワークを構成している。
【0006】
GPSにより車両位置の経度緯度が測位された場合は、測位された座標の周辺の道路を検索して走行中の道路を推定する。また、地図画面上で目的地が設定された場合は、目的地の座標に最も近い道路を求め、目的地までの経路の終端とする。
このようなナビゲーション装置では与えられた座標から一定距離範囲内の道路を検索し、最も近距離にある道路を特定する必要がある。その際、まずメッシュ内の各ノードの座標を調べて、検索範囲内にあるノードを抽出する。次に、抽出された各ノードに接続する各リンクについて基準座標からの距離を調べ、与えられた座標の最も近くを通過するリンクを選択する。前記与えられた座標が検索範囲内にあるかどうかの検索を高速に行う手法としては、2分探索(バイナリサーチ)がある(参照文献、オーム社.データベース編成技法)。2分探索では、座標値のうちの1つ(経度または緯度)をキーとして、ノードをキーの値の昇順または降順にソートして配置する。
【0007】
例えば、図17(a),(b)に示すように、座標値のうちの経度をキーとして、メッシュ領域M内のノードを経度座標の昇順にソートしており、また、図18に示すように同一経度のノードはノードテーブルNTBLにより緯度座標の昇順にソートしている。
メッシュ領域M内の基準点(x,y)から一定範囲の検索範囲p内のノードを取り出す場合、図19に示すように経度座標が検索範囲pの下限と上限にあるノードa,bを前記バイナリサーチで見つけ出し、その範囲内のノードのみを検索対象にすることで検索速度を向上している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の地図データ管理方法および経路探索装置は以上のように構成されていたので、地図データにおいては、道路上の特徴点であるノードは次元の座標を持つので、一方の座標軸を対象にしてソートしたとしても、ソートに用いなかった方の座標については、バイナリサーチによる絞り込みはできない。例えば、図18の場合には、経度座標が検索範囲内にあるノードをバイナリサーチで取り出すことができる一方、緯度座標が検索範囲内にあるかどうかについては、バイナリサーチで取り出したノードの全てについて調べる必要があるという課題があった。
【0009】
また、メッシュ領域内の道路ネットワークが大きな川や湾、山地により分断されている場合には、与えられた座標との間に障害物のある道路を選んでしまう場合がある。例えば、経路探索を行う場合は細街路を除いて幹線道路のみで構成された道路ネットワークを用いる場合があるが、目的地として指定された座標の近くに幹線道路が無く、最も近い幹線道路が川の対岸である場合などは、対岸の道路が経路の終端となり、大回りをしないと目的地へ到達できない経路を計算してしまう場合が発生するという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、与えられた座標から一定範囲内のノードを検索する際の検索速度を向上できる地図データ管理方法、経路探索装置および記憶媒体を得ることを目的とする。
また、管理区域内において道路ネットワークが分断されている場合に、与えられた座標の近辺まで確実に車両の通行ができる道路のみを検索する地図データ管理方法および経路探索装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域毎に地図データを記憶している地図データ記憶手段と、該地図データ記憶手段により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手段と、該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手段と、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手段と、該エリア検出手段により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手段とを備えるようにしたものである。
【0019】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変える分割エリア数可変手段を有し、該分割エリア数可変手段により分割エリア数が変えられたときの分割エリアの幅に対応してエリア検出手段がノードの検索範囲の大きさを変え、基準点を中心とした前記検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するようにしたものである。
【0020】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域について広域階層から狭域階層までの複数の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、順次、上位の階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理するようにしたものである。
【0021】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる2階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理するようにしたものである。
【0022】
この発明に係る経路探索装置は、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの中域階層の各地図データと、該中域階層の各地図データをさらに複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる3階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記中域階層および前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理を行うようにしたものである。
【0023】
この発明に係る記憶媒体は、コンピュータを、地図データ記憶手段により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手順と、該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手順と、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手順と、該エリア検出手順により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置を示すブロック図である。このナビゲーション装置は車両に搭載されているものであり、1は走行距離を検出する距離センサ、2は車両の向きを検出する方位センサ、3は道路ネットワークを含む地図データを格納している外部地図メモリ(地図データ記憶手段)、4は車両の位置と目的地までの最適経路を推定する演算装置(演算手段)、5は目的地等を指定する入力装置、6は表示装置である。また、図示していないGPSなどの自車位置検出手段も備えている。
演算装置4は、距離センサ1および方位センサ2からの入力をもとに、車両が現在走行中である確率がもっとも高いリンクを決定して、走行中のリンクを求める。また、入力装置5より目的地が設定された場合は、演算装置4は前記目的地に最も近いリンクを目的地リンクとして、走行中のリンクから目的地リンクまでの最適経路を計算する。
【0025】
4aはエリア管理手段であり、外部地図メモリ3により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理する。
4bはノードデータ管理手段であり、前記エリア管理手段4aにより分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択された経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理する。
4cはエリア検出手段であり、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択する。また、分割エリア数可変手段41により管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数が可変されたときには、分割エリア数が可変された前記分割エリアの幅に応じて前記検索範囲の大きさを変える。
4dはノード検出手段であり、前記エリア検出手段4cにより選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出す。
41は管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変える分割エリア数可変手段である。
なお、これら、エリア管理手段4a,ノードデータ管理手段4b,エリア検出手段4c,ノード検出手段4dは、プログラムとして記憶媒体に格納することが可能である。
なお、演算装置4をコンピュータで構成し、これらエリア管理手段(手順)4a、ノード検出管理手段(手順)4b、エリア検出手段(手順)4c,ノード検出管理手段(手順)4dはプログラムとして記憶媒体に格納することが可能である。
【0026】
次に、外部地図メモリ3に格納されている地図データの構造について説明する。図2は、道路地図データを読込単位毎に領域分割した状態を示しており、図において3aは道路地図データ、Mは道路地図データ3aによる道路地図を等間隔の経度線12と緯度線11により分割したときの格子状のメッシュ領域(管理区域)を示している。
【0027】
図3および図4は、前記各メッシュ領域M内における領域分割を示しており、一定幅の緯度範囲毎の分割エリア#0〜#nを持っている。メッシュ領域M内の各ノードのデータは、ノードテーブルNTBLとして分割エリア#0〜#nと対に対応したサブテーブル#0〜#nに格納されており、各サブテーブルの中では経度座標昇順にノードデータが格納されている。
【0028】
図4において、pは検索範囲、a,bは検索範囲pの経度最小値を超えた直後のノードおよび経度最大を超える直前のノードである。ノードテーブルNTBLのサブテーブル#mには、メッシュ領域Mの分割エリアmに対応したノードデータが設定されている。
演算装置4は走行中のリンクおよび目的地リンクを決定するために、メッシュ領域M内の道路ネットワークから自車位置または目的地座標の周辺の道路を切り出す。そのために、自車位置または目的地座標を基準座標とし、当該基準座標を中心とした正方形の検索範囲pを設定し、検索対象とすべきノードの経度座標と緯度座標の最小、最大値をそれぞれ求める。ここでは、メッシュ領域Mを分割する分割線の間隔(分割エリアの間隔)は、検索範囲pの辺の長さと等しくなっている。
【0029】
先ず、メッシュ領域M内の各分割エリアのうち、検索範囲と重なりを持つ分割エリアmと分割エリアm+1を選択する。検索範囲pの1辺の長さは分割エリアの間隔と等しいので、重なりを持つ分割エリアは1つまたは2つである。図4では、分割エリアmと分割エリアm+1が検索範囲と重なりを持っている。
選択された分割エリアmと分割エリアm+1に対応するサブテーブル内より、経度座標が検索範囲内にあるノードを取り出す。サブテーブル内のノードデータは経度座標の昇順に並んでいるので、検索範囲pの経度最小値を超えた直後のノードaおよび経度最大を超える直前のノードbをバイナリサーチで見つけ、その間にあるノードすべてを取り出す。このため、分割エリアmにおいてはサブテーブル#m内のノードaからノードbまでが対象となる。分割エリアm+1においても同様とする。
【0030】
取り出されたノードの存在範囲は図4に網掛けにより示した範囲となり、緯度の方向が分割エリアにより限定されているので分割エリアを持たない場合に比べてはるかに小さくなる。例えば、メッシュ領域Mの1辺を10kmとし、検索範囲pの1辺を500mとした場合、分割エリアを設定しないと、メッシュ領域M全体でのバイナリサーチを2回行うことにより、500m×10kmまで範囲を絞り込み、その範囲内のノード全てについて緯度座標の判定を行う。一方、分割エリアを持つ場合には、分割エリア内のバイナリサーチを4回行うことにより、500m×1kmまで範囲を絞り込むので、バイナリサーチの回数を2回増やすことで、緯度座標の判定を行うノード数を10分の1に減らすことができる。また、分割エリア内のノード数はメッシェ領域M全体の20分の1であるので、バイナリサーチ自体も高速となり、回数の増加の影響を相殺できる。
このように、緯度座標の範囲限定を分割エリアを用いて行い、経度座標の範囲限定をバイナリサーチで行うため、多くのノードについて各個に座標を調べる必要がなく、必要な範囲内のノードを素早く取り出すことができる。
【0031】
また、以上の説明では分割エリアの幅と検索範囲pの1辺とを等しくしているが、分割エリアの幅を検索範囲pより狭くしてもよい。その場合、バイナリサーチの回数は更に多くなるが、選択されたノードの存在範囲は検索範囲pとほぼ等しくなる。
【0032】
図5は、1分割エリアの幅を全てのメッシュ領域に対して固定の幅を設定するのではなく、道路密度の高い都市部は分割数を多くし、道路密度の低い郊外では分割数を少なくしたときのメッシュ境界と分割エリアを示している。図5において、15はメッシュ境界、17は分割エリア境界、16a,16bは道路密度の低い郊外での分割数を少なくした分割エリア、17aは道路密度の高い都市部での分割数を多くした分割エリアである。
この場合、分割エリア数可変手段41は管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変え、分割エリアの幅を変える。またエリア管理手段4aは、外部地図メモリ3により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を前記分割数が可変された複数の分割エリアで管理する。
このときエリア検出手段4cは、前記分割エリアの幅に対応して検索範囲pを調整するため、検索範囲pが狭すぎてノードを見つけられなかったり広すぎて大量のノードを処理するような不具合を回避できる。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、検索範囲内の道路ネットワークの交差点、行き止まり、メッシュ領域の境界線との交点などの特徴的な地点などのノードの緯度座標をエリア分割を利用して範囲を特定し、経度座標をバイナリサーチにより範囲を特定するため、前記検索範囲内の処理対象のノードを絞り込んで必要な範囲内のノードを素早く取り出すことができる効果がある。
【0034】
また、分割エリアの幅に対応して検索範囲pを調整することも可能であるから、検索範囲内の処理対象のノードの絞り込み、必要な範囲内のノードの素早い取り出しについて道路密度に応じて柔軟に効率よく行うことができる効果がある。
【0035】
実施の形態2.
ナビゲーション装置に適用されるこの実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置について説明する。
この実施の形態2では、地図データが階層構造になっている場合において、広域レベルのメッシュ領域のエリア分割を狭域レベルのメッシュ領域に合わせる場合について説明する。
図6は、広域レベルと狭域レベルに階層構造になっている地図データを示す説明図である。図7は、広域レベルのメッシュ領域のエリア分割構造を示す説明図である。
図8は、従来の地図データ管理の際に不具合が発生するノードの例を示した説明図である。
図9は、階層レベルが3階層ある地図データの各メッシュ領域を示した説明図、図10は、広域レベルのメッシュ領域を中域レベルのメッシュ領域にて1次分割し、1次分割された中域レベルのメッシュ領域の各エリア内を狭域レベルのメッシュ領域にて2次分割する際の1次分割エリアと2次分割エリアとの関係を示す説明図である。
【0036】
図6において、18は道路地図に対し広域レベルのメッシュ領域を規定するメッシュ、19は狭域レベルのメッシュ領域を規定するメッシュである。
図7において、NTBL0は狭域レベルの各メッシュ領域を集めて構成された広域レベルのメッシュ領域のサブテーブルである。これら狭域レベルのメッシュ領域のサブテーブルを集めて広域レベルのノードテーブルが作成される。NTBL1は狭域レベルの各メッシュ領域における分割エリアのノードについてのノードテーブルである。
【0037】
図9において、121は道路地図に対し広域レベルのメッシュ領域を規定する広域階層メッシュ、122は中域レベルのメッシュ領域を規定する中域階層メッシュ、123は狭域レベルのメッシュ領域を規定する狭域階層メッシュである。
【0038】
図10において、NTBL2は広域レベルのメッシュ領域を中域レベルのメッシュ領域により1次分割したときのノードテーブル、NTBL3は前記1次分割することで得られた中域レベルのメッシュ領域の各エリア内を狭域レベルのメッシュ領域にて2次分割したときのノードテーブルである。
【0039】
ここで、図6および図7を参照して地図データが広域階層と狭域階層の2階層を持っている場合について説明する。
地図データは広域レベルと狭域レベルの2階層を持ち、広域レベルのメッシュ領域は40km×40kmの範囲を持ち、狭域レベルのメッシュ領域は10km×10kmの範囲を持つ。従って、この場合、広域レベルのメッシュ領域内には狭域レベルのメッシュ領域が16枚存在している。
【0040】
図7に示すように、メッシュ18による広域レベルのメッシュ領域を一旦、狭域レベルのメッシュ領域毎に1次分割し、1次分割されたそれぞれのエリアについて更にエリア分割を行う。すなわち、狭域レベルのメッシュ領域の各分割エリアによるノードテーブルNTBL1を一旦、狭域レベルのメッシュ領域毎に集めて狭域レベルのメッシュのサブテーブルとし、それらを更に集めて広域レベルのメッシュ領域のノードテーブルNTBL0を作成する。
このように、分割エリアを設定する前に、広域レベルのメッシュ領域を狭域レベルのメッシュ領域に分割することにより、広域レベルのメッシュ内のノードは自動的に狭域レベルのメッシュ領域毎に分けて管理される。
【0041】
図8に示すように、従来の地図データ管理方法では、広域レベルのメッシュ領域内のノードが狭域レベルのどのメッシュ領域に含まれるかを調べるにはノードの座標を含むメッシュ領域を求める方法が一般的であるが、この場合は図8のような狭域メッシュ領域25,26,27,28の境界上にあるノードAでは、どちらの狭域メッシュ領域に含まれるか判断できない。そのために、データ作成段階においてメッシュ境界上にノードを置かないように座標をずらす処置を行うなどの方法があるが、データの作成・更新の手間が増大する欠点がある。あるいは、また、狭域レベルでどのメッシュ領域に含まれるかをデータ項目として持たせる方法もあるが、データ量が増大する欠点がある。
これに対し、この実施の形態2では、ノードの座標を調べたり狭域レベルのメッシュ領域のデータを調べたりせずとも、ノードが含まれている分割エリアを調べれば、そのノードが狭域レベルのどのメッシュ領域に含まれているのかが容易に判明する。このため、地図データ作成の手間の増大、データ量の増大などが防げる。
【0042】
図9は、階層レベルが3階層ある地図データを示しており、広域レベルのメッシュ領域は中域レベルのメッシュ領域の16枚分の領域を持ち、中域レベルのメッシュ領域は狭域レベルのメッシュ領域の16枚分の領域を持つ。従って、広域レベルのメッシュ領域は狭域レベルのメッシュ領域の256枚分の領域を持つ。
【0043】
図10では、広域レベルのメッシュ領域を中域レベルのメッシュ領域にて1次分割し、1次分割された中域レベルのメッシュ領域の各エリア内を狭域レベルのメッシュ領域にて2次分割する。この場合、たとえば広域レベルのメッシュ領域が40km四方に対して狭域階層のメッシュ領域が2.5km四方とすると、2次分割エリアの1辺は広域レベルのメッシュ領域の1辺の16分の1であり、基準座標の周囲の狭域階層の分割エリアを4個を集めればバイナリサーチをせずとも実用的な検索ができてしまう。また、中域レベルを経由せずとも、広域レベルのノードが狭域レベルのどのメッシュ領域に含まれるかが分かるので、経路探索を行う際などに広域レベルと狭域レベルとのメッシュ領域の対応関係を直接とることができ、中域レベルのメッシュ領域を読み込む手間が省ける。
【0044】
以上のように、この実施の形態2によれば、領域の広い地図データの上位階層レベルのメッシュ領域を細分化した狭い領域についての下位階層レベルのメッシュ領域を、前記上位階層レベルのメッシュ領域に対応させ、検索範囲のノードの緯度座標を前記下位階層レベルのメッシュ領域に対するエリア分割を利用して範囲を特定し、経度座標をバイナリサーチにより範囲を特定するため、前記検索範囲における処理対象のノードを前記エリア分割により絞り込んで必要な範囲内のノードを素早く取り出すことができる地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置が得られる効果がある。
【0045】
参考例1.
ナビゲーション装置に適用されるこの参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置について説明する。
この参考例1では、道路の存在の有無によりエリア分割を行う場合について図11から図13を用いて説明する。
図11から図13は、領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
図11に示すように、領域Aと領域Bとの間に海があるために領域Aと領域Bの間は道路が接続しておらず、直線距離に対してかなりの大回りをしなくては行き来ができない状況である。
図12では、基準点Sは領域Bの中にあるが、基準点Sから最も近い幹線道路を求めた場合は領域Aの道路を選んでしまう。よって、このような基準点Sを目的地として、幹線道路のみを持つネットワークにて探索を行うと、従来のシステムでは目的地付近にて領域Aの基準点Sに接続していない大回りをする経路を探索してしまうという不具合が発生する。
【0046】
図13は、管理区域内を道路の接続状態を考慮した分割エリアにて管理する状態を示している。道路が存在する領域に対しては、互いに道路の接続が無い分割エリアAおよび分割エリアBとに分け、道路が存在しない分割エリアCを別に設けて管理する。周辺の道路を検索するための基準点Sが与えられた場合、基準点Sが含まれる分割エリアを取り出す。取り出された分割エリアが道路を含む場合は、その分割エリア内の道路から最近傍の道路を選択する。取り出された分割エリアが道路を含まない場合は、道路を含む分割エリアの中から基準点Sからの最短距離が最も短い分割エリアを求め、求められた分割エリア内の道路から最近傍の道路を選択する。これにより、基準点Sと接続関係が無い道路を近傍道路として選択することを回避できる。
【0047】
以上のように、この参考例1によれば、海などの道路が存在しない分割エリアを別に設けて管理するため、道路が存在しない通行不可能な海などの前記分割エリアを避けた基準点Sから最も近い幹線道路を求めることができ、基準点Sと接続関係が無い道路を近傍道路として選択することを防ぐことができる地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置が得られる効果がある。
【0048】
参考例2.
この参考例2では、前記実施の形態1のエリア分割に対してさらに道路の有無による分割を加えて、前記参考例1と同様の効果を持たせる場合について図14および図15を用いて説明する。
図14は、前記実施の形態1のエリア分割に対してさらに道路の有無による分割を加えたときのメッシュ領域を示す説明図である。図15は、この参考例2の地図データ管理方法を示すフローチャートである。
【0049】
図14は、前記実施の形態1と同様な分割エリアのそれぞれの内部を、道路の有無により更に矩形分割することにより、道路ネットワークの分断を明示しており、前記実施の形態1と同様のエリア分割に加えて、各分割エリアを「道路が存在するエリア」と「道路が存在しないエリア」に矩形に分割する。
【0050】
図15のフローチャートに従って動作について説明する。
周辺の道路を検索するための基準点Sが与えられると、先ず、基準点Sを含む分割エリアを求める(ステップST1)。図14の場合は、分割エリア20となり、この分割エリアを「検索対象分割エリア」とする。基準点Sを中心とする検索範囲と、前記検索対象分割エリアとの包含関係を調べ(ステップST2)、検索範囲が全て前記検索対象分割エリア内にある場合は、ステップST5へ進む。一方、検索範囲が全て前記検索対象分割エリア内にない場合には、前記検索対象分割エリアに隣接している分割エリアのうち、「道路が存在している分割エリア」があるか判断し(ステップST3)、「道路が存在している分割エリア」があればその分割エリアを、検索対象分割エリアに追加する(ステップST4)。図14の例では、分割エリア20に隣接する分割エリアとしては分割エリア10,分割エリア11,分割エリア21,分割エリア30,分割エリア31があるが、分割エリア11,分割エリア21,分割エリア31は「道路が存在しない分割エリア」であるので、分割エリア10と分割エリア30のみを検索対象分割エリアに追加する。
【0051】
前記ステップST3およびステップST4において、検索対象分割エリアに追加できる分割エリアが存在しない場合は、ステップST5へ進む。それ以外の場合は、ステップST2へ戻る。
検索対象分割エリア内のノードのうち、基準点Sを中心とした検索範囲内にあるものを取り出す(ステップST5)。ステップST5において取り出されたノードに接続する道路のうちから、基準点Sとの距離が最も近い道路を選び出し、最近傍の道路とする(ステップST6)。
従って、基準点Sを含む分割エリアと道路ネットワークの接続関係を持たない分割エリアは、ステップST3おいて検索対象から除外されるため、基準点Sと接続関係のある領域の道路のみが検索対象となり、大回りの経路を探索するような不具合が回避される。
【0052】
以上のように、この参考例2によれば、分割エリアのそれぞれの内部を、道路の有無により更に「道路が存在するエリア」と「道路が存在しないエリア」に矩形分割することにより、道路ネットワークの分断を明示することが可能であるから、基準点Sを有した検索範囲が含まれる「道路の存在する検索対象分割エリア」、または前記検索範囲に隣接する「道路の存在する検索対象分割エリア」から前記検索範囲のノードと接続関係のある道路のみを検索対象とすることができ、道路が存在しない通行不可能な海などの分割エリアを除外して前記分割エリアを迂回した基準点Sから最も近い幹線道路を効率的に求めることができ、基準点Sと接続関係が無い道路を近傍道路として選択することを防ぐことのできる地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置が得られる効果がある。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手段と、該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手段と、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手段と、該エリア検出手段により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手段とを備えるように構成したので、検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲に対し対象となるノードは前記検索範囲と重なりを持つ分割エリア内のノードに限られ、この中から前記検索範囲にある各ノードを取り出せばよく、前記指定された基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0061】
また、この発明によれば、エリア検出手段は、分割エリア数可変手段により分割エリア数が変えられたときの分割エリアの幅に対応してノードの検索範囲の大きさを変え、基準点を中心とした前記検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するようにしたので、前記分割エリアの幅に対応してノードの検索範囲の大きさを最適に設定することができ、前記検索範囲内でノードが検索できず、また前記検索範囲内に大量のノードがあり最近傍の道路を特定するのに計算時間を要してしまうことが無く、指定された基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0062】
また、この発明によれば、管理区域について広域階層から狭域階層までの複数の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、順次、上位の階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理するエリア管理手段を備えるようにしたので、階層間のノードデータの対応関係を、データ作成時に座標をずらす手間をかけたり、対応関係を示すデータを付加したりせずに明示することができるとともに、指定された基準点の周囲の狭域階層の分割エリアに限定してノードの検索を行い、前記基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0063】
また、この発明によれば、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる2階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理するエリア管理手段を備えるように構成したので、前記広域階層と前記狭域階層間のノードデータの対応関係を、データ作成時に座標をずらす手間をかけたり、対応関係を示すデータを付加したりせずに明示することができるとともに、指定された基準点の周囲の狭域階層の分割エリアに限定してノードの検索を行い、前記基準点の近傍の道路のノードデータを高速に取り出すことができる効果がある。
【0064】
また、この発明によれば、管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの中域階層の各地図データと、該中域階層の各地図データをさらに複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる3階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記中域階層および前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルでエリア管理手段が管理を行うようにしたので、中域階層を介さずに前記広域階層と前記狭域階層間のノードデータの対応関係を取ることができ、指定された基準点の周囲の狭域階層の分割エリアに限定してノードの検索を行うことで、前記基準点の近傍の道路などのノードデータを前記基準点の周囲の狭域階層の大きさに応じて高速に取り出すことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置を適用したナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置による道路地図データを読込単位毎に領域分割した状態を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置による各メッシュ領域内における領域分割を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置による各メッシュ領域内における領域分割を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1の地図データ管理方法および経路探索装置において道路密度の高い都市部は分割エリアの数を多くし、道路密度の低い郊外では分割エリアの数を少なくしたときのメッシュ境界と分割エリアを示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置において広域レベルと狭域レベルに階層構造になっている地図データを示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置による広域レベルのメッシュ領域のエリア分割構造を示す説明図である。
【図8】地図データ管理の際に不具合が発生するノードの例を示した説明図である。
【図9】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置による階層レベルが3階層ある地図データの各メッシュ領域を示した説明図である。
【図10】この発明の実施の形態2の地図データ管理方法および経路探索装置による1次分割エリアと2次分割エリアとの関係を示す説明図である。
【図11】この発明の参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置による領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
【図12】この発明の参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置による領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
【図13】この発明の参考例1の地図データ管理方法および経路探索装置による領域Aと領域Bとの間に海が存在しているときの地図データのメッシュ領域を示す説明図である。
【図14】この発明の参考例2の地図データ管理方法および経路探索装置によるエリア分割に対してさらに道路の有無による分割を加えたときのメッシュ領域を示す説明図である。
【図15】この発明の参考例2の地図データ管理方法および経路探索装置による地図データ管理動作を示すフローチャートである。
【図16】従来の地図データ管理方法および経路探索装置における地域分割の例として、建設省国土地理院の国土数値情報において用いられているメッシュシステムを示す説明図である。
【図17】従来の地図データ管理方法および経路探索装置における与えられた座標が検索範囲内にあるかどうかの検索を高速に行う2分探索を示す説明図である。
【図18】従来の地図データ管理方法および経路探索装置における与えられた座標が検索範囲内にあるかどうかの検索を高速に行う2分探索を示す説明図である。
【図19】従来の地図データ管理方法および経路探索装置におけるメッシュ領域M内の基準点から一定範囲の検索範囲p内のノードを取り出す場合の説明図である。
Claims (6)
- 道路ネットワークを数値情報として格納したディジタル地図を用いて、車両の位置検出および目的地までの最適経路計算を行う経路探索装置において、
管理区域毎に地図データを記憶している地図データ記憶手段と、
該地図データ記憶手段により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手段と、
該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手段と、
検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手段と、
該エリア検出手段により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手段とを備えた経路探索装置。 - 管理区域内の道路密度に応じて分割エリア数を変える分割エリア数可変手段を有し、
エリア検出手段は、該分割エリア数可変手段により分割エリア数が変えられたときの分割エリアの幅に対応してノードの検索範囲の大きさを変え、基準点を中心とした前記検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択することを特徴とする請求項1記載の経路探索装置。 - エリア管理手段は、
管理区域について広域階層から狭域階層までの複数の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、順次、上位の階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理することを特徴とする請求項1または請求項2記載の経路探索装置。 - エリア管理手段は、
管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる2階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理することを特徴とする請求項1または請求項2記載の経路探索装置。 - エリア管理手段は、
管理区域が、広域階層の地図データと、該広域階層の地図データを複数に分割したときの中域階層の各地図データと、該中域階層の各地図データをさらに複数に分割したときの狭域階層の地図データとからなる3階層の階層構造を持つ地図データに対し、前記狭域階層の地図データについて作成した前記管理区域内の交差点などであるノードの並びについてソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、該選択した経度または緯度の座標値のうちのいずれかに対して昇順または降順にソートされた前記ノードの情報を、前記ソートのために用いた前記座標値の座標軸と平行な分割線により前記狭域階層の地図データを分割したときの各分割エリアとそれぞれ対応させて保持した第1のサブテーブルと、前記各分割エリアからなる前記狭域階層の地図データを、前記中域階層および前記広域階層の地図データに対応させる第2のサブテーブルとからなるノードテーブルで管理することを特徴とする請求項1または請求項2記載の経路探索装置。 - コンピュータを、地図データ記憶手段により記憶されている管理区域毎の地図データのノードデータのソートを行う際の基準として経度または緯度を選択し、選択した経度または緯度の座標軸と平行な分割線により前記管理区域内を複数の分割エリアに分けて管理するエリア管理手順と、
該エリア管理手段により分けられた前記各分割エリアと対応して、前記選択した経度または緯度の座標値の昇順または降順にノードデータがソートされたサブテーブルを構成し、該サブテーブルで前記ノードデータを管理するノードデータ管理手順と、
検索の基準点となる座標が与えられた場合に、前記基準点を中心とした検索範囲と重なりを持つ分割エリアを選択するエリア検出手順と、
該エリア検出手段により選択された各分割エリアに対応したノードデータの中から前記検索範囲内にあるノードを取り出すノード検出手順とをコンピュータに実行させる
プログラムを記録した記憶媒体。
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