JP3539353B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭や事務所等で使用される電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の電気湯沸かし器は図5に示すようなものである。以下発明の内容と直接に関係のない部分は省略して説明する。1は本体で本体1内部に上方を開口し底部に加熱手段であるヒータ3を設けた容器を備えている。1Aは本体1の上部と容器2の開口部を閉じる蓋で後方のヒンジを介して開閉する。4は容器2底部に一端を連通し他端を本体1の外に開口した連通管5と連通したポンプである。
【0003】
19は外部より電気を供給する接続部である。8は容器2底部のほぼ中央に接触して設けた温度検知手段、7は温度検知手段8からの信号と操作部21からの信号によりたとえば保温温度、再沸騰など設定切り替えなどを制御する制御装置である。そしてたとえばインスタントコーヒーなどに適した摂氏95度と煎茶に適した摂氏80度のように使用目的により保温温度が設定できる。
【0004】
以上のように構成された電気湯沸かし器において動作を説明する。容器2内に水が供給され容器2内に水が満たされると連通管5、ポンプ4等が同じ水位となる。つぎに接続部19から電気が供給されると、温度検知手段8は容器2の底部から湯温を検知してヒータ3へ通電して湯沸かしを開始する。やがて容器2内全体の水温が上昇して加熱された容器2内の水は温度が上昇して比重が小さくなり容器2内を上昇する。自然対流による容器2内の湯は撹拌されて均一な温度になるとともに約摂氏100度で停止する。温度検知手段8はこの温度を検知または温度上昇に変化がなくなっったことを検知して制御装置7はヒータ3への通電を停止させる。さらにヒータ3への通電を制御して設定した保温温度を維持する。このとき容器2内の湯は容器2内のすべての場所でほぼ均一になる。これは底部にヒータ3があり自然対流で容器2内で撹拌されるからである。
【0005】
沸騰した湯がほしいときには操作部21を操作してヒータ3に通電して容器2内の湯全体を加熱する。加熱され比重が軽くなった湯は容器2内を上昇し撹拌されながら均等に温度上昇する。
【0006】
また摂氏95度で保温中に煎茶に適した摂氏80度の湯が欲しいときには80度保温に設定し自然放熱により数時間後に80度になる。逆の場合はたとえ少量の湯が必要でも容器2内の湯全体を沸騰させなければならない。
【0007】
湯が少なくなると容器2に給水する。そして湯沸かし設定した温度に保温する。このように湯沸かしと保温と給湯給水をくり返して使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の構成では保温は容器内の全ての湯を加熱しなければならなく使用する量がたとえ少量でも全体を保温しなければならなかった。さらに湯温を設定すると設定温度に低下するまでの時間が長時間必要になる。特に最近は省エネルギー効果を得るため容器の周囲に断熱材を巻いたりいろいろな工夫がなされるため設定温度まで低下させるためにはさらに長時間が必要になる。
【0009】
ほんの少しの沸騰した湯が必要なときでも容器内の全てを再加熱する必要があり使い勝手も悪く消費電力の無駄が多いといった問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した課題を解決するため液体を収納する容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する椀状の隔離部材と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器の底部で連通し前記容器の外へ連通管を介して送水するポンプと、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段とポンプを制御する制御装置と、前記容器の底部と連通した前記ポンプへの連通管の連通口に接続し上方に突設した受水管とを備え、前記隔離部材は椀状の開口部を前記容器の底側にして前記上部収納部と下部収納部とを連通する通水部を前記隔離部材の下部に、さらに上面には逆止弁を設け、前記受水管の受水口は前記隔離部材の椀状の天面近傍に設けさらに前記隔離部材の一部には椀状の内部から外側に向かって容積を増大させた膨室部を設け、前記膨室部へ下部収納部内のより高い温度の湯が集まるように椀状の内部に傾斜を設け、前記受水管の受水口は前記膨室部内に設けたものである。
【0011】
上記発明によればたとえ少量の沸騰した湯が欲しいときでも従来のように容器内全体の湯を暖める必要もなく非常に短時間で必要とする湯をすぐに得ることができるため使い勝手の向上と消費電力の無駄が少なくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は液体を収納する容器と、前記容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する椀状の隔離部材と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器の底部で連通し前記容器の外へ連通管を介して送水するポンプと、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段と前記ポンプを制御する制御装置と、前記容器の底部と連通した前記ポンプへの連通管の連通口に接続し上方に突設した受水管とを備え、前記隔離部材は椀状の開口部を前記容器の底側にして前記上部収納部と下部収納部とを連通する通水部を前記隔離部材の下部に、さらに上面に逆止弁を設け、前記受水管の受水口は前記隔離部材の椀状の内側の天面近傍に設けたものである。そして受水管の受水口が隔離部材の内面の上部に位置させているので温度の高い沸騰した湯が欲しいときには容器内の水を全て温度をあげる必要もなく必要量だけでよいのでエネルギーの無駄もなく使い勝手が向上する。
【0013】
また隔離部材の一部には椀状の内部から外側に向かって容積を増大させた膨室部を設け、前記膨室部へ下部収納部内のより高い温度の湯が集まるように椀状の内部に傾斜を設け、受水管の受水口は前記膨室部内に設けたものである。
【0014】
そのため温度の高い湯が膨室部に自然と集まってくるのでより短時間で必要とする湯を得ることができる。
【0015】
さらに受水管は受水口の開口と連設した前記受水口側を広く下方へは次第に狭くなるように第2の受水口を設けたものである。
【0016】
そのため容器内の残留水が少なく高い温度の湯が出やすくなる。
【0017】
さらに隔離部材の膨室部の外側には、上部収納部側から着脱容易になるよう手がかり部を設けたものである。
【0018】
手がかり部を設けたことにより容易に隔離部材を取り出してたとえば洗浄した後再度容易に取りつけることができる。
【0019】
また受水管は容器底部の連通口と着脱自在としたものである。そのため隔離部材をはずして従来例のように使用することも可能である。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の実施例1を図1を参照しながら説明する。従来の技術で説明した構成機能と同じものは同じ符号をもちいている。なお電気湯沸かし器の基本となる機能は従来例で説明したものと同じであるので省略し本実施例では要点のみの説明とする。容器2は直径185mm深さ210mmのステンレス鋼板の比較的大きな円筒状で底面にヒータ3がとりつけられている。ヒータ3の定格消費電力は1200Wで保温時は100Wである。9は隔離部材で上方に凸で下部を開口した椀を伏せた形状で厚さ方向の内部は中空で均等な間隔をもたせ断熱性をもたせ、樹脂材料からなり比重は1以上である。そして上部中央には逆止弁17をもうけ直径約30mmの蒸気ぬき穴16に遊かんさせ直径40mmで下部にフックのためのつめが伸設されている。つめ部15は蒸気ぬき穴16内に上方から差し込まれ上下に遊びを有している。逆止弁17は自重により蒸気抜き穴16を閉塞している。容器2底部と隔離部材9で下部収納部13を形成し、下部収納部13で発生した気体は上部に集まり逆止弁17を持ち上げて上部収納部12へぬける。容器2の下部の内方向に設けられた突起11は隔離部材9を着脱自在に固定する。容器2の底部と連通したポンプ4への連通管5の連通口6には受水管10を接続し上部の受水口10Aは隔離部材9の内部天面付近に開口させている。
【0021】
次に動作を説明する。容器2の上部より水を入れると、内部の空気が抜けて下部収納部13、上部収納部12が水で満たされる。接続部19から電力を供給しヒータ3で加熱され水温が上昇すると水の比重が小さくなり下部収納部13内で上昇するが蒸気ぬき穴16は最初は逆止弁17で閉塞されているため加熱された水は隔離部材9の内部の上部に集まる。そして隔離部材9の内部の上部付近に受水口10Aの開口を有した受水管10を介してポンプ4により連通管5を導通させて湯が供給される。このとき下部収納部13は比較的水を収容する量は少量であるので短時間で高い湯の温度となり目的が達成できる。なお下部収納部13内で沸騰が継続すると逆止弁17は開き上部収納部12内へ高い温度の湯が噴出するとともに隔離部材9の底部の通水部18から低温度の水が供給される。
【0022】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の隔離部材の設置状態を示す断面図である。実施例1の構成に加え椀状の隔離部材9の一部に内部から外側に向かって容積を拡大するように膨室部9Aを設けている。さらに下部収納部13内のより高い温度の湯が膨室部9A内に集まりやすいように内部に傾斜を設けている。そのためより早くより多くの必要とする湯が得られる。
【0023】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の受水管の形状の一例を示す外観斜視図である。図に示すように受水管10は受水口10Aの開口と連設した上方が広く下方に狭くなるように第2の受水口10Bを設けている。そのため使われない残留水が少なくなるとともに上部の温度の高い方から湯を得ることができる。図ではスリット状であるが機能が同じであれば形状には拘らない。
【0024】
(実施例4)
図4は本発明の実施例4の隔離部材の上面図である。隔離部材9の膨室部9Aの外側の表面は角部を明確にして手がかり部分22としたものである。手がかり部分22は蒸気ぬき穴16から外周に向かって略平行な側面23により構成されこの平行な側面23に挟まれて膨室部9Aが位置している。手がかり部分22すなわち側面23をつかんで容器2内壁部に手が触れることがなく容易に着脱できる。なお隔離部材9の外周部の切欠き部9Bは容器2の下方の凸部11に遊かんした後回転させて固定させる。
【0025】
(実施例5)
図示はしないが図3の受水管10の下部にねじを形成させ容器2の底部の連通口6に接続するようにすると用途に応じて受水管10をはずして使用することが可能となりたまにしか使用しない個人使用と頻繁に使用される事務所使用とが選択できる。接続方法はねじには限定しない。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば少量の高い温度の湯であれば従来のように全体の水を暖める必要がなく短時間で必要とする湯の量が得られるので時間、エネルギーの節約となる。
【0027】
隔離部材の形状を変えることにより、より効率的な湯沸かしと容器からの着脱が容易となる。
【0028】
受水管の受水口の形状、取りつけの選択を選ぶことが可能であるので使用の用途に応じて選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電気湯沸かし器の要部断面図
【図2】同実施例2の隔離部材の設置状態を示す断面図
【図3】同実施例3の受水管の形状例を示す外観斜視図
【図4】同実施例4の隔離部材の上面図
【図5】従来の湯沸かし器の外観と要部断面図
【符号の説明】
1 本体
2 容器
3 加熱手段(ヒータ)
4 ポンプ
5 連通管
6 連通口
7 制御装置
8 温度検知手段
9 隔離部材
9A 膨室部
10 受水管
10A 受水口
12 上部収納部
13 下部収納部
17 逆止弁
18 通水部
Claims (5)
- 液体を収納する容器と、前記容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する椀状の隔離部材と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器の底部で連通し前記容器の外へ連通管を介して送水するポンプと、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段と前記ポンプを制御する制御装置と、前記容器の底部と連通した前記ポンプへの連通管の連通口に接続し上方に突設した受水管とを備え、前記隔離部材は椀状の開口部を前記容器の底側にして前記上部収納部と下部収納部とを連通する通水部と、さらに上面に逆止弁を設け、前記受水管の受水口は前記隔離部材の椀状の内側の天面近傍に設けた電気湯沸かし器。
- 隔離部材の一部には椀状の内部から外側に向かって容積を増大させた膨室部を設け、前記膨室部へ下部収納部内のより高い温度の湯が集まるように椀状の内部に傾斜を設け、受水管の受水口は前記膨室部内に設けた請求項1記載の電気湯沸かし器。
- 受水管は受水口の開口と連設した前記受水口側を広く下方へは次第に狭くなるように第2の受水口を設けた請求項1または請求項2のいずれか一項記載の電気湯沸かし器。
- 隔離部材の膨室部の外側には、上部収納部側から着脱容易になるよう手がかり部を設けた請求項2、3のいずれか一項記載の電気湯沸かし器。
- 受水管は容器底部の連通口と着脱自在とした請求項1〜4のいずれか一項記載の電気湯沸かし器。
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