JP3538661B2 - インクジェット記録用インク及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法

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JP3538661B2
JP3538661B2 JP2001390865A JP2001390865A JP3538661B2 JP 3538661 B2 JP3538661 B2 JP 3538661B2 JP 2001390865 A JP2001390865 A JP 2001390865A JP 2001390865 A JP2001390865 A JP 2001390865A JP 3538661 B2 JP3538661 B2 JP 3538661B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用インク及び該インクジェット記録用インクを用いたイ
ンクジェット記録方法に関するもので、詳しくは、光沢
度劣化を抑えることができるインクジェット記録用イン
ク及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジ
ェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルカメラあるいはコンピュ
ータの普及に伴い、それらの画像を紙面などに記録する
ためのハードコピー画像記録技術が急速に発達してい
る。これらのハードコピーの究極の目標は、その画質を
いかに銀塩写真に近づけるかにあり、特に、色再現性、
色濃度、質感、解像度、光沢性、耐光性、耐擦過性等を
銀塩写真に近づけることが開発の目標となっている。
【0003】この様なハードコピー記録方式として、イ
ンクジェット方式によるプリンタは、フルカラー化が容
易であることや印字騒音が少ないと言う利点を有してい
るので、近年急速に普及している。
【0004】インクジェット記録方法は、比較的簡単な
装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急
速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐に
わたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはイン
クが使用される。
【0005】インクジェット記録方法で形成されたイン
クジェット画像は、銀塩写真に替わって用いられること
が考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録方
法で形成されたインクジェット画像は、上述したように
銀塩写真に近づけるために、光沢性を向上させる研究開
発が行われている。しかしながら、インクジェット画像
は、画像形成時に高い光沢性を有していても、時間が経
過するにつれて光沢感が失われていくという課題を有す
る。
【0007】また、インクジェット記録方法で形成され
たインクジェット画像は、銀塩写真に近づけるために、
高い光沢性を有していることも要求される。
【0008】また、インクジェット記録方法で形成され
たインクジェット画像は、銀塩写真に近づけるためには
十分な耐擦過性を有していることも要求される。
【0009】さらに、インクジェット記録用インクは、
できるだけ有機溶媒の使用を抑え、環境に優しいことも
必要である。
【0010】本発明は、係る課題に鑑みてなされたもの
であって、本発明の第1の目的は、環境に優しく、時間
経過により光沢性が失われず、かつ十分な耐擦過性を有
するインクジェット画像を形成することができるインク
ジェット記録用インク、該インクジェット記録用インク
を用いたインクジェット記録方法を提供するものであ
る。
【0011】本発明の第2の目的は、高い光沢性を有し
ているインクジェット画像を形成することができるイン
クジェット記録用インク、該インクジェット記録用イン
クを用いたインクジェット記録方法を提供するものであ
る。
【0012】本発明は、上記目的の少なくとも一つを解
決するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記構成
によって達成された。
【0014】(1) 50〜90質量%が水であり、前
記一般式Aで表される化合物の少なくとも1種を10〜
1000ppm含有するインクジェット記録用インク。
【0015】(2) 前記一般式Aで表される化合物の
少なくとも1種を10〜100ppm含有することを特
徴とする(1)に記載のインクジェット記録用インク。
【0016】(3) ラテックスを含有することを特徴
とする(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用
インク。
【0017】(4) 色材として顔料を含有することを
特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のイン
クジェット記録用インク。
【0018】(5) インク吸収層を有する記録媒体に
インクで記録を行うインクジェット記録方法において、
前記インクが(1)〜(4)のいずれか1項に記載のイ
ンクジェット記録用インクであることを特徴とするイン
クジェット記録方法。
【0019】以下に本発明を詳細に説明する。本発明者
らは、鋭意研究した結果、50〜90質量%が水であ
り、下記一般式Aで表される化合物の少なくとも1種を
10〜1000ppm含有するインクジェット記録用イ
ンクは、環境に優しく、さらに、該インクジェット記録
用インクを用いて形成したインクジェット画像は、画像
の光沢度の経時変化が抑えられ、かつ耐擦過性を有して
いることを見出した。
【0020】
【化2】
【0021】式中、R1、R2は置換又は無置換のアルキ
ル基を表す。R1、R2は好ましくはアルキル基、2−エ
チルヘキシル基、ドデシル基、ベンジル基又はブトキシ
カルボニルメチル基である。
【0022】本発明において一般式Aで表される化合物
は、具体的には、下記化合物が挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】本発明のインクジェット記録用インクに
は、一般式Aで表される化合物の少なくとも1種が10
〜100ppm含有されていることが好ましく、これに
より形成されるインクジェット画像は、時間経過による
光沢度の低下が一段と抑えられ、さらに、一段と耐擦過
性を有するようになる。
【0025】本発明のインクジェット記録用インクは、
水、インク溶剤、及び色材を含有する。
【0026】本発明のインクジェット記録用インクは、
インクジェット記録用インクの50〜90質量%が水で
あるため、有機溶媒の使用が抑えられ、環境に優しい。
【0027】本発明に使用できるインク溶剤としては水
溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類
(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカン
ダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルア
ルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタン
ジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグ
リコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、
アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノール
アミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、
N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレン
ジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、
アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素
環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オ
キサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシ
ド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホ
ン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩
等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられ
る。
【0028】ここでインク溶剤として、下記一般式
(1)で表される化合物を用いることが更に好ましい。
【0029】一般式(1) A−B 式中、Aは親水性置換基を含む基を表し、Bは疎水性基
を表す。
【0030】ここでAで表される親水性置換基としては
ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホキシド基、スル
ホン基、スルホン酸基、2−ケト−1−ピロリジニル基
等が挙げられる。中でもヒドロキシ基が好ましい。
【0031】Bは疎水性基を表し、好ましくは炭素原子
数3〜10の脂肪族或いは芳香族炭化水素基である。更
にBは炭素原子数4〜8の脂肪族基であることが好まし
い。
【0032】この一般式(1)で表される化合物は一般
的な界面活性剤と類似の構造を有しているが、界面活性
剤のような強力な界面活性作用を有さないことが好まし
い。一般的な界面活性剤は水溶液中で、低濃度でミセル
を形成する特徴を示す。上記一般式(1)で表される化
合物は、このようなミセル形成能力を有していないこと
が好ましい。これは強い界面活性作用を有する場合、分
子間の相互作用が強いため、1%を超え濃度が上昇する
と、インクの粘度を著しく増加させてしまう欠点がある
ためである。
【0033】上記一般式(1)で表される化合物のう
ち、好ましい例としては多価アルコールエーテル誘導体
及び炭素原子数4〜8の脂肪族1,2−ジオールが挙げ
られ、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチル
セロソルブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、1,2−ヘキサ
ンジオール、或いは1,2−ペンタンジオールから選ば
れる化合物であることがより好ましい。更に好ましくは
トリエチレングリコールモノブチルエーテル或いは1,
2−ヘキサンジオールである。
【0034】本発明において用いられるインク溶剤は、
上記一般式(1)で表される化合物を、インク溶剤の5
〜50%以上を用いることがデキャップ耐性やドット径
を拡大させて画質を向上させるため好ましい。インク溶
剤量を増加すればデキャップ耐性を向上することがで
き、インク溶剤のインク中における構成比率を45%よ
りも大きくすることで実用上の問題を減少することがで
きる。ただしドット径を拡大させて画質を向上させるた
めには、一般式(1)で表されるインク溶剤を含有させ
ることが好ましい。これらのインク溶剤は単独で用いて
も、又併用して用いても良い。
【0035】本発明において使用できる色材としては、
水溶性染料、分散染料、油性染料及び顔料が挙げられ、
特に顔料が好ましい。
【0036】本発明で用いることのできる水溶性染料と
しては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染
料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染
料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等
を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。
ただし、これら例示した化合物に限定されるものではな
い。
【0037】〔C.I.アシッドイエロー〕1、3、1
1、17、18、19、23、25、36、38、4
0、42、44、49、59、61、65、67、7
2、73、79、99、104、110、114、11
6、118、121、127、129、135、13
7、141、143、151、155、158、15
9、169、176、184、193、200、20
4、207、215、219、220、230、23
2、235、241、242、246 〔C.I.アシッドオレンジ〕3、7、8、10、1
9、24、51、56、67、74、80、86、8
7、88、89、94、95、107、108、11
6、122、127、140、142、144、14
9、152、156、162、166、168 〔C.I.アシッドレッド〕1、6、8、9、13、1
8、27、35、37、52、54、57、73、8
2、88、97、106、111、114、118、1
19、127、131、138、143、145、15
1、183、195、198、211、215、21
7、225、226、249、251、254、25
6、257、260、261、265、266、27
4、276、277、289、296、299、31
5、318、336、337、357、359、36
1、362、364、366、399、407、415 〔C.I.アシッドバイオレット〕17、19、21、
42、43、47、48、49、54、66、78、9
0、97、102、109、126 〔C.I.アシッドブルー〕1、7、9、15、23、
25、40、62、72、74、80、83、90、9
2、103、104、112、113、114、12
0、127、128、129、138、140、14
2、156、158、171、182、185、19
3、199、201、203、204、205、20
7、209、220、221、224、225、22
9、230、239、249、258、260、26
4、278、279、280、284、290、29
6、298、300、317、324、333、33
5、338、342、350 〔C.I.アシッドグリーン〕9、12、16、19、
20、25、27、28、40、43、56、73、8
1、84、104、108、109 〔C.I.アシッドブラウン〕2、4、13、14、1
9、28、44、123、224、226、227、2
48、282、283、289、294、297、29
8、301、355、357、413 〔C.I.アシッドブラック〕1、2、3、24、2
6、31、50、52、58、60、63、107、1
09、112、119、132、140、155、17
2、187、188、194、207、222 〔C.I.ダイレクトイエロー〕8、9、10、11、
12、22、27、28、39、44、50、58、7
9,86、87、98、105、106、130、13
2、137、142、147、153 〔C.I.ダイレクトオレンジ〕6、26、27、3
4、39、40、46、102、105、107、11
8 〔C.I.ダイレクトレッド〕2、4、9、23、2
4、31、54、62、69、79、80、81、8
3、84、89、95、212、224、225、22
6、227、239、242、243、254 〔C.I.ダイレクトバイオレット〕9、35、51、
66、94、95 〔C.I.ダイレクトブルー〕1、15、71、76、
77、78、80、86、87、90、98、106、
108、160、168、189、192、193、1
99、200、201、202、203、218、22
5、229、237、244、248、251、27
0、273、274、290、291 〔C.I.ダイレクトグリーン〕26、28、59、8
0、85 〔C.I.ダイレクトブラウン〕44、106、11
5、195、209、210、222、223 〔C.I.ダイレクトブラック〕17、19、22、3
2、51、62、108、112、113、117、1
18、132、146、154、159、169 〔C.I.ベイシックイエロー〕1、2、11、13、
15、19、21、28、29、32、36、40、4
1、45、51、63、67、70、73、91 〔C.I.ベイシックオレンジ〕2、21、22 〔C.I.ベイシックレッド〕1、2、12、13、1
4、15、18、23、24、27、29、35、3
6、39、46、51、52、69、70、73、8
2、109 〔C.I.ベイシックバイオレット〕1、3、7、1
0、11、15、16、21、27、39 〔C.I.ベイシックブルー〕1、3、7、9、21、
22、26、41、45、47、52、54、65、6
9、75、77、92、100、105、117、12
4、129、147、151 〔C.I.ベイシックグリーン〕1、4 〔C.I.ベイシックブラウン〕1 〔C.I.リアクティブイエロー〕2、3、7、15、
17、18、22、23、24、25、27、37、3
9、42、57、69、76、81、84、85、8
6、87、92、95、102、105、111、12
5、135、136、137、142、143、14
5、151、160、161、165、167、16
8、175、176 〔C.I.リアクティブオレンジ〕1、4、5、7、1
1、12、13、15、16、20、30、35、5
6、64、67、69、70、72、74、82、8
4、86、87、91、92、93、95、107 〔C.I.リアクティブレッド〕2、3、5、8、1
1、21、22、23、24、28、29、31、3
3、35、43、45、49、55、56、58、6
5、66、78、83、84、106、111、11
2、113、114、116、120、123、12
4、128、130、136、141、147、15
8、159、171、174、180、183、18
4、187、190、193、194、195、19
8、218、220、222、223、228、235 〔C.I.リアクティブバイオレット〕1、2、4、
5、6、22、23、33、36、38 〔C.I.リアクティブブルー〕2、3、4、5、7、
13、14、15、19、21、25、27、28、2
9、38、39、41、49、50、52、63、6
9、71、72、77、79、89、104、109、
112、113、114、116、119、120、1
22、137、140、143、147、160、16
1、162、163、168、171、176、18
2、184、191、194、195、198、20
3、204、207、209、211、214、22
0、221、222、231、235、236 〔C.I.リアクティブグリーン〕8、12、15、1
9、21 〔C.I.リアクティブブラウン〕2、7、9、10、
11、17、18、19、21、23、31、37、4
3、46 〔C.I.リアクティブブラック〕5、8、13、1
4、31、34、39 等が挙げられ、これら上記に列挙した染料は、「染色ノ
ート第21版」(出版;色染社)等に記載されている。
【0038】これら水溶性染料のなかでもフタロシアニ
ン染料が好ましい。フタロシアニン染料としては、無置
換あるいは中心元素を有するものが挙げられ、中心元素
としては金属、非金属のものが挙げられ、好ましくは銅
であり、より好ましくはC.I.ダイレクトブルー19
9が挙げられる。
【0039】上記分散染料として、特に好ましい具体例
を以下に示す。特に好ましい具体例としては、C.I.
ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、8
2、83、93、99、100、119、122、12
4、126、160、184:1、186、198、1
99、204、224及び237;C.I.ディスパー
ズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、
55、66、73、118、119及び163;C.
I.ディスパーズレッド54、60、72、73、8
6、88、91、92、93、111、126、12
7、134、135、143、145、152、15
3、154、159、164、167:1、177、1
81、204、206、207、221、239、24
0、258、277、278、283、311、32
3、343、348、356及び362;C.I.ディ
スパーズバイオレッド33;C.I.ディスパーズブル
ー56、60、73、87、113、128、143、
148、154、158、165、165:1、16
5:2、176、183、185、197、198、2
01、214、224、225、257、266、26
7、287、354、358、365及び368;並び
にC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げ
られる。一方、上記油性染料としては、以下に限定され
るものではないが、特に好ましい具体例としては、例え
ば、C.I.ソルベント・ブラック3、7、27、29
及び34;C.I.ソルベント・イエロー14、16、
19、29、56及び82;C.I.ソルベント・レッ
ド1、3、8、18、24、27、43、51、72、
73、132及び218;C.I.ソルベント・バイオ
レット3;C.I.ソルベント・ブルー2、11及び7
0;C.I.ソルベント・グリーン3及び7;並びに
C.I.ソルベント・オレンジ2等が挙げられる。
【0040】本発明に使用できる顔料としては、従来公
知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料
等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペ
リレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、
ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリ
ノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性
染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニ
トロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光
顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙
げられる。
【0041】具体的な有機顔料を以下に例示する。マゼ
ンタ又はレッド用の顔料としては、C.I.ピグメント
レッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグ
メントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.
I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド1
5、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:
1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド122、C.I.ピグメントレッド12
3、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメ
ントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメント
レッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.
I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0042】オレンジ又はイエロー用の顔料としては、
C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメント
オレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.
I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエ
ロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.
ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー
74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグ
メントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー12
8、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられ
る。
【0043】グリーン又はシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0044】ブラック用の顔料としては、カーボンブラ
ック(C.I.Pigment Black 7、ケッ
チェンブラックEC、デンカブラックHS−100、ア
セチレンブラック等)がある。
【0045】本発明のインクジェット記録用インクは、
色材として顔料を用いた場合に、時間経過による光沢度
の低下を特に抑えることができる。
【0046】水性インクに用いられる顔料の含有量は、
インク全質量に対して1〜10質量%であるのが好まし
い。
【0047】本発明においては必要に応じて顔料分散剤
を使用してもよく、使用できる顔料分散剤としては、例
えば高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル
硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナ
フタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシ
アルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアル
キレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステ
ル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド、アミンオキシド等の活性剤、或いはスチレン、ス
チレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、
アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イ
タコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導
体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重
合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることが
できる。
【0048】顔料の分散方法としては、ボールミル、サ
ンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘ
ンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザ
ー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカ
ー等各種を用いることができる。
【0049】前記顔料と顔料分散剤を用い、前記分散方
法によって得られた顔料分散体の粗粒分を除去する目的
で遠心分離装置を使用することも、フィルターを使用す
ることも好ましく用いられる。
【0050】水性インクに使用する顔料分散体の平均粒
径は10〜200nmであることが好ましく、10〜1
50nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ま
しい。これにより記録媒体に記録した画像の光沢感が増
し、トランスペアレンシーメディアに記録した画像では
顕著に透明感がでるため画像品質が向上する。
【0051】顔料分散体の粒径測定は、レーザードップ
ラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めること
が出来る。又、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少
なくとも100粒子以上に対して行い、この像をIma
ge−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像
解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求
めることが可能である。
【0052】本発明のインクジェット記録用インクは、
ラテックスを含有することが好ましい。これにより、イ
ンクジェット画像の光沢度を向上させることができる。
さらに耐擦過性を向上させることができる。
【0053】本発明におけるラテックスとは媒質中に分
散状態にあるポリマー粒子のことを指す。ポリマーの種
類の例としてはスチレン−ブタジエン共重合体、ポリス
チレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アク
リル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−ア
クリル共重合体及びアクリル変性フッ素樹脂等がある
が、中でもアクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン
共重合体、シリコン−アクリル共重合体が好ましい。
【0054】ラテックスの製造に用いられる乳化剤とし
ては低分子量の界面活性剤が用いられるのが一般的であ
るが、中には高分子量の界面活性剤(例えば可溶化基が
ポリマーにグラフト結合しているタイプや可溶化基を持
つ部分と不溶性の部分を連結させたブロックポリマーの
タイプ等がある)を乳化剤として用いたり、或いは可溶
化基をラテックスの中心ポリマーに直接結合させること
により乳化剤を用いずに分散されているラテックスも存
在する。この乳化剤に高分子量の界面活性剤を用いるラ
テックス及び乳化剤を使用しないラテックスはソープフ
リーラテックスと呼ばれている。本発明に使用するラテ
ックスとしては乳化剤の種類、形態を問わないが、イン
クの保存安定性に優れるソープフリーラテックスを用い
ることがより好ましい。
【0055】又、最近はポリマー粒子が均一であるラテ
ックス以外にポリマー粒子の中心部と外縁部で組成を異
にしたコア・シェルタイプのラテックスも存在するが、
このタイプのラテックスも好ましく用いることができ
る。
【0056】本発明におけるラテックスの平均粒径は1
50nm以下が好ましく、80nm以下がより好まし
い。
【0057】ラテックスの平均粒子径は光散乱方式やレ
ーザードップラー方式を用いた市販の測定装置を使用し
て簡便に計測することが可能である。
【0058】本発明におけるラテックスの固形分添加量
はインクの全質量に対して0.1〜10質量%であり、
0.3〜5質量%であることが特に好ましい。この範囲
であると、インクジェット画像の光沢の時間による変化
を一段と抑えることができる。また、インクジェット画
像の光沢度を一段と向上させることができる。
【0059】本発明におけるインクジェット記録用イン
クにはこの他に防腐剤、防黴剤、粘度調整剤等を必要に
応じて含有しても良い。
【0060】本発明のインクジェット記録方法に用いら
れる記録媒体は、通常インクジェットの記録に用いられ
る記録媒体であれば何でもよいが、支持体上にインク吸
収層を有する記録媒体が好ましい。インク吸収層は、親
水性バインダーと微粒子を含有する水溶性塗布液を支持
体上に塗布し、空隙を有する層を形成したものであるこ
とが好ましい。
【0061】本発明で用いることのできる微粒子として
は、無機微粒子や有機微粒子を用いることができるが、
特には、高発色濃度が得られ、更に微粒子が容易に得や
すいことから無機微粒子が好ましい。そのような無機微
粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロ
タルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カル
シウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイ
ダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマ
イト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水
酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることがで
きる。上記無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、ま
た、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもでき
る。
【0062】本発明においては、光沢感のある高品位な
プリントを得る観点から、無機微粒子として、アルミ
ナ、擬ベーマイト、コロイダルシリカもしくは気相法に
より合成された微粒子シリカが好ましく、気相法で合成
された微粒子シリカが、特に好ましい。
【0063】上記無機微粒子の粒径は、いかなる粒径の
ものも用いることができるが、平均粒径が1μm以下で
あることが好ましい。1μm以下とすることで印字ムラ
が発生しにくくなる。特には、0.2μm以下が好まし
く、0.1μm以下が最も好ましい。粒径の下限は特に
限定されないが、無機微粒子の製造上の観点から、概ね
0.003μm以上、特に0.005μm以上が好まし
い。
【0064】上記無機微粒子の平均粒径は、多孔質層の
断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒
子の粒径を求めて、その単純平均値(個数平均)として
求められる。ここで、個々の粒径は、その投影面積に等
しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0065】また、微粒子の分散度は、高品位の画像を
得る観点から0.5以下が好ましい。特に、0.3以下
が好ましい。ここで、微粒子の分散度とは、上記平均粒
径を求めるのと同様に電子顕微鏡でインク吸収層の微粒
子を観察し、その粒径に標準偏差を平均粒径で割ったも
のを示す。
【0066】上記微粒子は、1次粒子のままで、あるい
は2次粒子もしくはそれ以上の高次凝集粒子でインク吸
収層中に存在していても良いが、上記の平均粒径は、電
子顕微鏡で観察したときにインク吸収層中で独立の粒子
を形成しているものの粒径を言う。
【0067】上記微粒子の水溶性塗布液における含有量
は、5〜40質量%であり、特に7〜30質量%が好ま
しい。
【0068】インク吸収層に含有される親水性バインダ
ーとしては、特に制限はなく、従来公知の親水性バイン
ダーを用いることができ、例えば、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール等を用いることができる
が、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
【0069】ポリビニルアルコールは、無機微粒子との
相互作用を有しており、無機微粒子に対する保持力が特
に高く、更に、吸湿性の湿度依存性が比較的小さなポリ
マーであり、塗布乾燥時の収縮応力が比較的小さい。本
発明で好ましく用いられるポリビリルアルコールとして
は、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリ
ビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリ
ビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性
ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも
含まれる。
【0070】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好
ましく用いられ、特に平均重合度が1000〜5000
のものが好ましく用いられる。ケン化度は、70〜10
0%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に
好ましい。
【0071】カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号に記載されてい
るような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基
を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、これらはカチオン性基
を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重
合体をケン化することにより得られる。
【0072】ポリビニルアルコールは、重合度や変性の
種類違いなどの2種類以上を併用することもできる。特
に、重合度が2000以上のポリビニルアルコールを使
用する場合には、予め、無機微粒子分散液に重合度が1
000以下のポリビニルアルコールを無機微粒子に対し
て0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%
添加してから、重合度が2000以上のポリビニルアル
コールを添加すると、著しい増粘が無く好ましい。
【0073】インク吸収層の親水性バインダーに対する
微粒子の比率は、質量比で2〜20倍であることが好ま
しい。質量比が2倍未満である場合には、多孔質層の空
隙率が低下し、充分な空隙容量が得にくくなるだけでな
く、過剰の親水性バインダーがインクジェット記録時に
膨潤して空隙を塞ぎ、インク吸収速度を低下させる要因
となる。一方、この比率が20倍を越える場合には、イ
ンク吸収層を厚膜で塗布した際に、ひび割れが生じやす
くなり光沢が失われるので好ましくない。特に好ましい
親水性バインダーに対する微粒子の比率は、2.5〜1
2倍、最も好ましくは3〜10倍である。
【0074】インク吸収層を形成する水溶性塗布液中に
は、各種の添加剤を添加することができる。そのような
添加剤としては、例えば、架橋剤、界面活性剤(カチオ
ン、ノニオン、アニオン、両性)、白地色調調整剤、蛍
光増白剤、防黴剤、粘度調整剤、低沸点有機溶媒、高沸
点有機溶媒、ラテックスエマルジョン、退色防止剤、紫
外線吸収剤、多価金属化合物(水溶性もしくは非水溶
性)、マット剤、シリコンオイル等が挙げられるが、中
でもカチオン媒染剤は、印字後の耐水性や耐湿性を改良
するために好ましい。
【0075】架橋剤としては、従来公知の架橋剤を使用
することができ、無機系架橋剤(例えば、クロム化合
物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、ホウ酸
類など)や有機系架橋剤(例えば、エポキシ系架橋剤、
イソシアネート系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、N−メ
チロール系架橋剤、アクリロイル系架橋剤、ビニルスル
ホン系架橋剤、活性ハロゲン系架橋剤、カルボジイミド
系架橋剤、エチレンイミノ系架橋剤等)等を使用するこ
とができる。
【0076】これらの架橋剤は、親水性バインダーに対
して、概ね1〜50質量%であり、好ましくは2〜40
質量%である。
【0077】親水性バインダーがポリビニルアルコール
類であり、微粒子がシリカである場合、架橋剤として
は、ホウ酸類やジルコニウム化合物などの無機系架橋剤
およびエポキシ系架橋剤が、特に好ましい。
【0078】特に好ましい態様として、ポリビニルアル
コールとシリカ微粒子を用いた場合には、ほう酸または
その塩を用いることにより、水溶性塗布液の温度を低下
させた際に、その粘度が大きく上昇し、塗膜面に強い風
を吹き付けても塗膜の乱れが大幅に抑制され、高速塗布
が容易になることから好ましい。ほう酸またはその塩と
しては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩
のことを示し、具体的には、オルトほう酸、メタほう
酸、次ほう酸、四ほう酸、五ほう酸およびそれらの塩
(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
など)が含まれる。
【0079】ホウ酸またはその塩の使用量は、塗布液の
無機微粒子やポリビニルアルコールの濃度、pH等によ
り広範に変わり得るが、ポリビニルアルコールに対して
概ね5〜60質量%、好ましくは10〜40質量%であ
る。
【0080】本発明のインクジェット記録方法に用いら
れる記録媒体に用いることができる支持体としては、吸
水性支持体(例えば、紙など)や非吸水性支持体を用い
ることができるが、より高品位なプリントが得られる観
点から、非吸水性支持体が好ましい。
【0081】好ましく用いられる非吸水性支持体として
は、例えば、ポリエステル系フィルム、ジアセテート系
フィルム、トリアテセート系フィルム、ポリオレフィン
系フィルム、アクリル系フィルム、ポリカーボネート系
フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリイミド系フ
ィルム、セロハン、セルロイド等の材料からなる透明ま
たは不透明のフィルム、あるいは基紙の両面をポリオレ
フィン樹脂被覆層で被覆した樹脂被覆紙、いわゆるRC
ペーパー等が用いられる。
【0082】本発明のインクジェット記録方法で用いる
ことができるインクジェットプリンタのインクジェット
ヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式で
も構わない。
【0083】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表
す。
【0084】[記録媒体1の作製] 〔シリカ分散液D1、D2の調製〕予め均一に分散され
ている1次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法
シリカ(日本アエロジル社製:A200)を25%、水
溶性蛍光増白剤UVITEXNFW LIQUID(チ
バスペシャリティーケミカルズ社製)を0.3%含むシ
リカ分散液B1(エタノール1質量%含有)の400L
を、カチオン性ポリマーP−1を12%、n−プロパノ
ールを10%およびエタノールを2%含有する水溶液C
1(サンノブコ社製の消泡剤SN381を2g含有)の
110Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加
した。次いで、ホウ酸とほう砂の1:1質量比の混合水
溶液A1(各々3%の濃度)の54Lを攪拌しながら徐
々に添加した。
【0085】次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジ
ナイザーで、3000N/cm2の圧力で分散し、全量
を純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液
D1を得た。
【0086】一方、上記シリカ分散液B1の400L
を、カチオン性ポリマーP−2を12%、n−プロパノ
ール10%およびエタノールを2%含有する水溶液C2
の120Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添
加し、次いで、上記混合水溶液A1の52Lを攪拌しな
がら徐々に添加した。
【0087】次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジ
ナイザーで3000N/cm2の圧力で分散し、全量を
純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液D
2を得た。
【0088】上記シリカ分散液D1、D2を、30μm
の濾過精度を有するアドバンテック東洋社製のTCP−
30タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
【0089】〔オイル分散液の調製〕ジイソデシルフタ
レート20kgと酸化防止剤(AO−1)20kgとを
45kgの酢酸エチルに加熱溶解し、酸処理ゼラチン8
kg、カチオン性ポリマーP−1を2.9kgおよびサ
ポニン10.5kgとを含有するゼラチン水溶液210
Lと55℃で混合し、高圧ホモジナイザーで乳化分散し
た後、全量を純水で300Lに仕上げて、オイル分散液
を調製した。
【0090】
【化4】
【0091】〔塗布液の調製〕上記調製した各分散液を
使用して、以下に記載の各添加剤を順次混合して、塗布
液を調製した。なお、各添加量は塗布液1L当たりの量
で表示した。
【0092】 (第1層用塗布液:最下層) シリカ分散液D1 580ml ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA203)10%水溶液 5ml ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%) 6.5%水溶液 290ml オイル分散液 30ml ラテックス分散液(昭和高分子社製 AE803) 42ml エタノール 8.5ml 純水で全量を1000mlに仕上げる (第2層用塗布液) シリカ分散液D1 600ml ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA203)10%水溶液 5ml ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%) 6.5%水溶液 270ml オイル分散液 20ml ラテックス分散液(昭和高分子社製:AE803) 22ml エタノール 8ml 純水で全量を1000mlに仕上げる (第3層用塗布液) シリカ分散液D2 630ml ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA203)10%水溶液 5ml ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%) 6.5%水溶液 270ml オイル分散液 10ml ラテックス分散液(昭和高分子社製 AE803) 5ml エタノール 3ml 純水で全量を1000mlに仕上げる (第4層用塗布液:最上層) シリカ分散液D2 660ml ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA203)10%水溶液 5ml ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%) 6.5%水溶液 250ml ベタイン型界面活性剤−1の4%水溶液 3ml サポニンの25%水溶液 2ml エタノール 3ml 純水で全量を1000mlに仕上げる
【0093】
【化5】
【0094】上記の様にして調製した各塗布液を、20
μmの濾過精度を持つアドバンテック東洋社製のTCP
D−30フィルターで濾過した後、TCPD−10フィ
ルターで濾過した。
【0095】〔記録媒体の塗布〕次に、上記の各塗布液
を下記に記載の湿潤膜厚となるよう、40℃で両面にポ
リエチレンを被覆した紙支持体上に、スライドホッパー
型コーターを用いて4層同時塗布した。
【0096】〈湿潤膜厚〉 第1層:42μm 第2層:39μm 第3層:44μm 第4層:38μm なお、上記紙支持体は、幅が約1.5m、長さが約40
00mのロール状に巻かれた下記の支持体を用いた。
【0097】使用した紙支持体は、含水率が8%で、坪
量が170gの写真用原紙表面を、アナターゼ型酸化チ
タンを6%含有するポリエチレンを厚さ35μmで押し
出し溶融塗布し、鏡面ロールで型付けした。裏面には厚
さ40μmのポリエチレンを押し出し溶融塗布した。表
面側は、コロナ放電した後、ポリビニルアルコール(ク
ラレ社製 PVA235)を記録媒体1m2当たり0.
05gになるように下引き層を塗布し、裏面側にはコロ
ナ放電加工した後、Tgが約80℃のスチレン・アクリ
ル酸エステル系ラテックスバインダー約0.4g、帯電
防止剤(カチオン性ポリマー)0.1gおよび約2μm
のシリカ0.1gをマット剤として含有するバック層を
塗布した。
【0098】インク受容層用塗布液の塗布後の乾燥は、
5℃に保った冷却ゾーンを15秒間通過させて膜面の温
度を13℃にまで低下させたあと、複数設けた乾燥ゾー
ンの温度を適宜設定して乾燥を行った後、ロール状に巻
き取って記録媒体1を得た。
【0099】〔インク1の作製〕以下に記載の方法に従
って、インク1を作製した。 (マゼンタ顔料分散液) C.I.ピグメントレッド122 105g ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) 60g グリセリン 100g イオン交換水 130g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼ
ンタ顔料分散液を得た。得られた顔料分散物の平均粒径
は85nmであった。 (インク1) マゼンタ顔料分散液 140g エチレングリコール 150g ジエチレングリコールモノエチルエーテル 120g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g 水酸化ナトリウム 0.1g 硝酸カリウム 1.8g ペレックスOT−P(花王(株)製) 2.0g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を2度通過させ、インク1を得た。 〈インク2の作製〉インク1に化合物A−5を含有量が
8ppmとなるように添加してインク2を作製した。 〈インク3の作製〉インク1に化合物A−5を含有量が
1200ppmとなるように添加してインク3を作製し
た。 〈インク4の作製〉インク1に化合物A−5を含有量が
500ppmとなるように添加してインク4を作製し
た。 〈インク5の作製〉インク1に化合物A−5を含有量が
50ppmとなるように添加してインク5を作製した。 〈インク6の作製〉インク1に化合物A−8を含有量が
50ppmとなるように添加してインク6を作製した。 〈インク7の作製〉インク5にNipol SX150
3(日本ゼオン(株)製;固形分45%、粒径80n
m)56gを添加してインク7を作製した。
【0100】
【表1】
【0101】〈画像記録試料1〜7の作製〉セイコーエ
プソン社製インクジェットプリンタ(PM780C)に
インク1〜7をそれぞれセットし、記録媒体には記録媒
体1をセットして画像を出力し、画像記録試料1〜7を
作製した。画像は、ベタチャート(1m2あたりのイン
ク付着量20g)画像データに基づいてプリントした。
【0102】画像記録試料1〜7について光沢性の評価
を行った。 〈光沢性の評価〉画像記録試料のベタチャート部の画像
を写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機械社製)で
反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値
%)を測定した。評価は、以下の基準によって行った。 4.C値%が61以上 3.C値%が60〜51 2.C値%が50〜41 1.C値%が40以下 上記評価ランクにおいて、4,3が実用上好ましいラン
クと判断した。
【0103】さらに、画像記録試料1〜7について、室
温60℃、湿度20%の環境で30日放置した後に、室
温23℃、湿度20%の環境で3日間放置してから上記
の光沢性の評価を再度行った。
【0104】結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】表2の結果より、本発明のインクを用いて
作製した画像記録試料は、光沢度の時間による変化が十
分に抑えられていることが分かり、光沢度を維持してい
ることが分かった。また、画像記録試料7は、画像形成
時から高い光沢度を有していることが分かった。
【0107】さらに、画像記録試料1〜7について耐擦
過性の評価を行った。 〈耐擦過性の評価〉画像記録試料の画像面をキムワイプ
S−200(クレシア製)にて5回こすり画像濃度低下
の程度を以下のようにグレード分類した。
【0108】 ◎:色落ちが全くなし ○:若干の色落ちはみられるが、画像としては気になら
ない △:色落ちが確認でき、画質が低下 結果を表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】表3の結果より、一般式Aで表される化合
物の含有量が1000ppm以下のインクを用いて作製
した画像記録試料は、耐擦過性が良好であることが分か
った。
【0111】
【発明の効果】本発明の少なくとも一つによって、環境
に優しく、時間経過により光沢性が失われず、かつ、十
分な耐擦過性を有するインクジェット画像を形成するこ
とのできるインクジェット記録用インク、該インクジェ
ット記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提
供することができた。
【0112】本発明の少なくとも一つによって、高い光
沢性を有しているインクジェット画像を形成することが
できるインクジェット記録用インク、該インクジェット
記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提供す
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 博人 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 西尾 さおり 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平1−242672(JP,A) 特開 平4−50268(JP,A) 特開 平8−157760(JP,A) 特開 平9−124989(JP,A) 特開 平10−140058(JP,A) 米国特許5594044(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜90質量%が水であり、下記一般
    式Aで表される化合物の少なくとも1種を10〜100
    0ppm含有するインクジェット記録用インク。 【化1】 [式中、R1、R2は置換又は無置換のアルキル基を表
    す。]
  2. 【請求項2】 前記一般式Aで表される化合物の少なく
    とも1種を10〜100ppm含有することを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 ラテックスを含有することを特徴とする
    請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 色材として顔料を含有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェッ
    ト記録用インク。
  5. 【請求項5】 インク吸収層を有する記録媒体にインク
    で記録を行うインクジェット記録方法において、前記イ
    ンクが請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェ
    ット記録用インクであることを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
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