JP3538339B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP3538339B2
JP3538339B2 JP15654799A JP15654799A JP3538339B2 JP 3538339 B2 JP3538339 B2 JP 3538339B2 JP 15654799 A JP15654799 A JP 15654799A JP 15654799 A JP15654799 A JP 15654799A JP 3538339 B2 JP3538339 B2 JP 3538339B2
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義人 加藤
文浩 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用交流電圧を一
旦直流電圧に平滑した後、この直流電圧を高周波電圧に
変換して負荷に供給するインバータ装置に関し、より詳
細には、商用電源側に流れる入力電流の高調波成分の低
減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の小型化された家電製品やOA機器
においては高性能化・高効率化のため高周波インバータ
装置が搭載されている。
【0003】また、家庭用蛍光灯器具や施設用蛍光灯器
具においては、蛍光灯を点灯させる回路方式として、従
来はチョーク限流型・漏洩変圧器型等の銅鉄型安定器と
称されるものが使用されてきたが、形状・重量および効
率の面で限界があることから、今日の蛍光灯器具には高
周波点灯式安定器(インバータ式電子安定器)といわれ
るランプ点灯装置が使用されるようになり、HIDラン
プ(水銀灯、メタルハライドランプ等)器具、電球型蛍
光ランプ等にも使用されている。
【0004】このインバータ式電子安定器は、効率がよ
く省電力化が図れること、ランプのチラツキや安定器の
騒音を少なくできること、軽量化が図れること等の利点
があることから、上記蛍光灯器具のインバータ化が急激
に進んでいる。以下、高周波インバータ装置やインバー
タ式電子安定器を総称して、インバータ装置という。
【0005】インバータ装置としては、種々の回路方式
があるが、一般には、商用交流電圧を整流する整流回路
と、整流された脈流電圧を平滑して平滑電圧を得る平滑
回路と、平滑電圧を高周波電圧に変換する変換回路とか
ら構成される。例えば図12に示す特許第275420
5号に記載のもののように、商用交流電圧を整流する全
波整流回路20の出力に、(完全)平滑コンデンサの代
わりに、ダイオード31,32とコンデンサ33とから
なる部分平滑回路30を平滑回路として設けたものがあ
る。この部分平滑回路30は、全波整流回路20から出
力された脈流電圧が所定電圧より低い区間では、ダイオ
ード31とコンデンサ33とからなる整流平滑回路によ
り得た部分平滑電圧を、選択的に動作するスイッチとし
てのダイオード32を介して変換回路40に供給するこ
とによって、脈流電圧の谷が補なわれた平滑電圧を得る
ようにしたものである。平滑回路として部分平滑回路3
0を用いる場合には、変換回路40として、全波整流回
路20に接続されたインダクタ49と、インダクタ49
に接続され、商用交流電圧の周波数よりも高い周波数で
オンオフするスイッチング回路43とを有する定電流プ
ッシュプル型変換器が用いられる。
【0006】また、図13に示すように、図12に示し
た回路構成と基本構成を同様としつつ、部分平滑回路3
0の代わりに、ダイオード71,72,73とコンデン
サ74,75とからなる部分平滑回路70を採用した方
式も知られている。この部分平滑回路70は、全波整流
回路20の正側脈流出力端子DC+から出力された脈流
電圧をコンデンサ74,75とダイオード72とにより
平滑して、両コンデンサ74,75の夫々に脈流電圧の
略半分の大きさの電圧を部分平滑電圧として蓄電し、選
択的に動作するスイッチとしてのダイオード71を介し
てコンデンサ74による部分平滑電圧を変換回路40に
供給すると共に、選択的に動作するスイッチとしてのダ
イオード73を介してコンデンサ75による部分平滑電
圧を変換回路40に供給することによって、部分平滑回
路30と同様に、脈流電圧の谷が補なわれた平滑電圧を
得るようにしたものである。
【0007】上記図12および図13に示した2つの回
路方式は、商用交流電圧を整流する全波整流回路即ちメ
インの整流回路に(完全)平滑コンデンサが接続されて
いないため、商用電源側の入力電流の休止期間を(完
全)平滑コンデンサを用いた場合よりも短くすることが
でき、結果として入力力率を高くすることができる。し
かも全波整流回路の出力電圧が所定電圧より低い区間で
は部分平滑回路を構成するコンデンサから変換回路に直
流電圧を供給する構成であるため、変換回路から出力さ
れる高周波の出力電圧としては、休止期間がなく、リッ
プルの少ない包絡線を持ったものとなり、この高周波の
出力電圧によって負荷としての放電灯を点灯すれば良好
な発光効率で点灯され、また、この高周波の出力電圧を
整流すれば、リップルの少ない直流電圧を得ることもで
きる回路方式である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
つの回路方式を採用したインバータ装置においても、商
用電源側の入力電流に休止期間が依然として存在するた
め、結果として高調波成分(高調波電流)が流れること
による入力電流の高調波歪(高調波障害)が発生し、何
れの回路方式によっても、高調波規制値(例えばIEC
1000−3−2等)を満足することができないという
問題がある。
【0009】一方、入力電流の高調波歪を低減する、即
ち入力電流に流れる高調波成分を抑制するための回路方
式として、例えば図14に示すように、全波整流回路2
0とコンデンサ84との間に、チョークコイル81、ス
イッチとしてのトランジスタ82、トランジスタ82を
制御する不図示のスイッチ制御回路、およびダイオード
83からなるチョッパ回路(昇圧チョッパ)80を採用
した平滑回路がよく知られている。この回路方式は、ア
クティブフィルタ方式の一態様であって、高力率である
ことと高調波電流を低減できることから、例えばインバ
ータ式電子安定器に多く利用されている。
【0010】そこで、図12および図13に示した回路
方式を採用したインバータ装置において、入力電流に流
れる高調波成分を抑制する方法として、図14に示した
チョッパ回路80を適用することも考えられる。
【0011】しかしながら、この場合、部分平滑回路3
0や変換回路40とは別個にチョッパ回路80を設けな
ければならず、回路構成が複雑化したり回路効率が低下
する等の新たな問題が生じる。また、変換回路のスイッ
チング素子やコンデンサの耐電圧を高くする必要もあ
る。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、上記図12や図13に示した従来のインバータ装
置の構成を基本としながら、入力電流の高調波成分を低
減することができると共に、従来回路に対する変更を最
小限に抑えて、回路の複雑化問題を解決することができ
るインバータ装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によるインバータ
装置は、従来のインバータ装置に使用されているインダ
クタをタップ付きインダクタに変更すると共に、全波整
流回路の交流入力側に2つのコンデンサの直列回路を設
け、タップ付きインダクタのスイッチ手段側の端子に発
生する高周波電圧を他方の端子或いはタップ端子を介し
てコンデンサの接続点に印加し、該高周波電圧に応じて
各コンデンサに流れる充放電電流を商用電源側に流すこ
とによって、商用電源側の入力電流を高周波の断続電流
とするようにしたものである。
【0014】即ち、本発明による第1のインバータ装置
は、複数の交流入力端子および脈流出力端子を有すると
共に、交流入力端子に入力された商用交流電圧を全波整
流して脈流出力端子に脈流電圧を出力する整流手段と、
脈流電圧を平滑して平滑電圧を得る平滑手段と、整流手
段に接続されたインダクタおよび該インダクタに接続さ
れたスイッチ手段を有すると共にスイッチ手段が商用交
流電圧の周波数よりも高い周波数でオンオフすることに
よって平滑電圧を高周波電圧に変換する定電流プッシュ
プル型変換手段とを備えて成るインバータ装置におい
て、整流手段の交流入力端子間に接続された第1および
第2のコンデンサから成る直列回路を更に備えたものと
すると共に、インダクタを、タップ付きインダクタと
し、該タップ付きインダクタの両端の内の一方がスイッ
チ手段に接続され、他方が第1および第2のコンデンサ
の接続点に接続され、タップ(端子)が整流手段に接続
された構成としたことを特徴とするものである。即ち、
この第1のインバータ装置は、スイッチ手段側からタッ
プ付きインダクタの両側の端子の内の1つを介して高周
波電圧を両コンデンサの接続点に印加する構成としたも
のである。
【0015】上記において、両コンデンサの接続点と、
タップ付きインダクタの1つの端子或いはタップとを接
続するに際しては、直接接続してもよいし、コンデンサ
等の電子部品を介して接続するようにしてもよい。
【0016】また、本発明による第2のインバータ装置
は、タップ付きインダクタのタップ(端子)を介して高
周波電圧が両コンデンサの接続点に印加されるように第
1のインバータ装置の接続態様を変更したものであっ
て、タップ付きインダクタの両端の内の一方が整流手段
に接続され、他方がスイッチ手段に接続され、タップ
(端子)が第1および第2のコンデンサの接続点に接続
された構成としたことを特徴とするものである。
【0017】上記本発明による第1および第2のインバ
ータ装置においては、タップ付きインダクタを、1次巻
線および2次巻線を有するトランスとし、この1次巻線
の一方の端子と2次巻線の一方の端子との接続点をタッ
プとすることができる。
【0018】また、上記本発明による第1および第2の
インバータ装置においては、平滑手段を部分平滑回路と
することが望ましい。即ち、脈流出力端子から出力され
た脈流電圧を平滑して部分平滑電圧を得るコンデンサお
よび部分平滑電圧により脈流電圧の谷が補なわれた平滑
電圧を得るように選択的に動作するスイッチからなるも
の、または、スイッチ手段側に発生する高周波電圧を整
流するダイオード、整流された高周波の整流電圧(高周
波の脈流電圧)を平滑して部分平滑電圧を得るコンデン
サおよび部分平滑電圧により脈流電圧の谷が補なわれた
平滑電圧を得るように選択的に動作するスイッチからな
るものとすることが望ましい。
【0019】なお、本発明による第1および第2のイン
バータ装置における定電流プッシュプル型変換手段とし
ては、例えば、スイッチ手段としての2つのトランジス
タを含むと共に、該2つのトランジスタのコレクタ間に
接続された1次巻線を有する変圧器と、該1次巻線と並
列接続されたコンデンサとを有するものを用いることが
できる。
【0020】
【発明の効果】本発明によるインバータ装置によれば、
従来の定電流プッシュプル型変換回路を備えたインバー
タ装置に使用されているインダクタをタップ付きインダ
クタに変更すると共に、全波整流回路の交流入力側に第
1および第2のコンデンサの直列回路を設け、タップ付
きインダクタのスイッチ手段側の端子に発生する高周波
電圧を他方の端子或いはタップ端子を介してコンデンサ
の接続点に印加する構成としたので、印加された高周波
電圧の極性および大きさに応じて、商用電源を介して各
コンデンサに充放電電流が流れるようになり、商用電源
側の入力電流を高周波の断続電流とすることができるよ
うになる。
【0021】この高周波の断続電流は、商用電源の基本
周波数成分を通過し高調波成分を遮断する低域通過フィ
ルタ(ローパスフィルタ)を介して商用電源から全波整
流器に商用交流電圧を入力する構成とすることによって
容易に除去することができ、この結果、商用電源側の入
力電流の高調波成分を低減することができるようにな
り、入力電流の高調波歪みを高調波規制値以下にするこ
とも可能となる。
【0022】また、入力電流の高調波成分を低減するた
めに追加、変更する素子が非常に少なく、回路損失の低
下が殆どなく、従来の定電流プッシュプル型変換回路を
用いたインバータ装置を略そのまま利用することもでき
る。
【0023】さらに、本発明によるインバータ装置に使
用されるタップ付きインダクタとしても、トランス等種
々の形態のものを利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明によるインバ
ータ装置の第1の実施の形態の回路図であり、負荷とし
て接続された蛍光灯を点灯させるインバータ式電子安定
器を構成するものである。なお、図1においては、図1
2に示した、従来のインバータ装置と対応する構成の部
分については、同一番号を付して示す。
【0025】図1に示したインバータ装置1は、図12
に示したインバータ装置を改良したものである。最初
に、従来のインバータ装置と共通する部分の構成につい
て説明する。
【0026】商用電源Vsが、4個のダイオード(整流
素子)21〜24をブリッジ接続した整流手段としての
全波整流器20の2つの交流入力端子AC1,AC2間
に接続されている。
【0027】全波整流器20の正側脈流出力端子DC+
は、変換回路40を構成する出力トランス45の1次巻
線46の中点(センタータップ)46cと接続され、負
側脈流出力端子DC−は、後述する変換回路40を構成
するタップ付きインダクタ50のタップ50cと接続さ
れている。
【0028】変換回路40は、定電流プッシュプル型変
換回路であって、出力トランス45の1次巻線46の両
端子46a,46bに、該1次巻線46と並列に共振用
コンデンサ44を接続し、端子46aにはトランジスタ
41のコレクタを接続し、端子46bにはトランジスタ
42のコレクタを接続し、両トランジスタ41,42の
エミッタを互いに接続すると共に、タップ付きインダク
タ50の両端の内の一方の端子50aに接続した構成で
ある。トランジスタ41,42により、本発明によるス
イッチ手段としてのスイッチング回路43が構成され
る。
【0029】この接続態様から明らかなように、タップ
付きインダクタ50の端子50aとタップ50cとの間
に形成されるインダクタ成分が、図12に示した従来の
インバータ装置におけるインダクタ49に対応する。
【0030】トランジスタ41,42のベースは、不図
示の駆動回路に接続されている。この駆動回路として
は、自励式および他励式の内の、何れのものを用いても
よい。
【0031】また、図示しないが、出力トランス45の
2次巻線47には、負荷として、例えば蛍光灯等の放電
灯が接続されている。
【0032】なお、両トランジスタ41,42のエミッ
タを互いに接続した点を負極性側入力端子40bとい
い、出力トランス45の1次巻線46の中点46cを正
極性側入力端子40aという。
【0033】一方、このインバータ装置1には、ダイオ
ード31,32およびコンデンサ33からなる部分平滑
回路30が設けられている。部分平滑回路30は、ダイ
オード31のアノードをタップ付きインダクタ50の端
子50aに接続し、このダイオード31のカソードとタ
ップ付きインダクタ50のタップ端子50cとの間にコ
ンデンサ33を接続し、ダイオード31のカソードを更
にダイオード32のアノードに接続し、ダイオード32
のカソードを全波整流器20の正側脈流出力端子DC+
に接続した構成である。
【0034】他方、このインバータ装置1には、本願発
明に係る構成部分として、全波整流器20の交流入力端
子AC1,AC2間に、第1のコンデンサ11および第
2のコンデンサ12からなる直列回路10が接続されて
いる。また、タップ付きインダクタ50の他方の端子5
0bが第1のコンデンサ11と第2のコンデンサ12と
の接続点10aと接続されている。両コンデンサ11,
12の耐圧は、接続点10aに印加される高周波電圧
(詳細は後述する)および商用電源電圧に耐え得るもの
であればよく、さほど大きなものでなくてもよい。
【0035】図1と図12とを比較すると明らかなよう
に、本願発明による構成と従来技術による構成との相違
点は、定電流プッシュプル型変換回路には必須とされて
いるインダクタ49をタップ付きインダクタ50に変更
した点と、全波整流器20の商用電源Vs側に第1のコ
ンデンサ11と第2のコンデンサ12の直列回路10を
設けると共に、両者の接続点10aをタップ付きインダ
クタ50の端子50bに接続した点である。
【0036】以下、上記構成の回路の動作について、図
2(A)〜(C)に示す波形図、および図3(A),
(B)に示す動作説明図を参照して説明する。なお、図
3(A),(B)は、商用電源Vsの電圧の極性が図に
矢印で示す向き(以下商用電源Vsが正極性という)の
期間である場合を示している。
【0037】商用電源Vsから商用交流電圧が入力さ
れ、インバータ装置1が起動すると、全波整流器20の
脈流出力端子DC+,DC−から、図2(A)に点線で
示す脈流電圧(全波整流出力電圧)V1が出力され、該
脈流電圧V1が変換回路40に印加される。
【0038】トランジスタ41,42は、不図示の駆動
回路によって同時にオンせず交互にオンオフするように
制御される。トランジスタ41,42のオンオフの繰返
し周波数(スイッチング周波数)は、商用電源Vsの周
波数(電源周波数;例えば50Hzまたは60Hz)に
対して十分に高い周波数に設定されている。したがっ
て、変換回路40を構成する出力トランス45の1次巻
線46と共振コンデンサ44との共振により高周波電圧
が発生する。このとき、全波整流回路20とスイッチン
グ回路43との間に挿入されているタップ付きインダク
ク50は定電流を流すように働く。
【0039】一方、タップ付きインダクク50の端子5
0a,50c間には、トランジスタ41,42のオンオ
フの繰返し周波数に応じた高周波電圧V2が発生し、該
高周波電圧V2が部分平滑回路30に印加される。部分
平滑回路30においては、印加された高周波電圧V2を
ダイオード31とコンデンサ33とにより整流平滑し、
該整流平滑により得た部分平滑電圧をコンデンサ33に
蓄電する。
【0040】全波整流回路20の正側脈流出力端子DC
+とダイオード31のカソードとの間には、選択的動作
が可能なスイッチとしてのダイオード32が設けられて
おり、電源周波数の半サイクル毎に、全波整流回路20
から出力される脈流電圧V1が略部分平滑電圧以下にな
ると、ダイオード32がオンして、コンデンサ33に蓄
電した電荷が放電され、この放電出力が変換回路40に
印加される。したがって、第1のコンデンサ11と第2
のコンデンサ12との接続点10aに高周波電圧を印加
する構成としない場合には、商用電源Vsとしては、ダ
イオード32がオフしている間が入力電流の導通期間と
なり、ダイオード32がオンしている間が入力電流の休
止期間となる。
【0041】この作用によって、結果的には、図2
(A)に実線で示すように、脈流電圧V1が部分平滑電
圧以下となる部分、即ち脈流電圧V1の谷が部分平滑電
圧により補なわれた平滑電圧V4が変換回路40に印加
されるようになり、これに応じて、タップ付きインダク
タ50の端子50a,50c間の高周波電圧は、図2
(B)に示すような高周波電圧V2となり、また、端子
50b,50c間には、図2(C)に示すように、図2
(B)とは逆極性の高周波電圧V3が発生する。なお、
図2(B),(C)は簡略化して示したものであり、包
絡線内の比較的周波数の高い成分が、高周波電圧成分を
示す。
【0042】他方、本発明によるインバータ装置1にお
いては、タップ付きインダクク50の端子50bが第1
のコンデンサ11と第2のコンデンサ12との接続点1
0aに接続されているので、タップ付きインダクク50
の端子50b,50c間に発生した高周波電圧V3が接
続点10aに印加される。
【0043】各コンデンサ11,12は、タップ付きイ
ンダクタ50の端子50bから印加された高周波電圧V
3のタップ(端子)50cに対する極性に応じて、充放
電を繰り返す。即ち、端子50bが負極性のときには、
図3(A)に示すように、タップ50c→ダイオード2
4→商用電源Vs→コンデンサ11→端子50bという
経路を通って電流+IC1が流れてコンデンサ11が充
電されると共に、タップ50c→ダイオード24→コン
デンサ12→端子50bという経路を通って電流+IC
2が流れてコンデンサ12が充電される。また、端子5
0bが正極性のときには、図3(B)に示すように、端
子50b→コンデンサ11→ダイオード21という経路
を通って電流−IC1が流れてコンデンサ11が放電さ
れると共に、端子50b→コンデンサ12→商用電源V
s→ダイオード21という経路を通って電流−IC2が
流れてコンデンサ12が放電される。
【0044】これより明らかなように、商用電源Vsが
正極性の間のほぼ全域に亘って、高周波電圧V3に応じ
た大きさを有する、高周波の断続電流が商用電源Vsに
流れることになる。
【0045】なお、上記動作説明は、商用電源Vsが正
極性の場合についてのものであるが、商用電源Vsの電
圧の極性が図の矢印の向きとは反対向き(以下商用電源
Vsが負極性という)の期間である場合にもほぼ同様に
動作する。だだし、商用電源Vsが負極性の場合には、
整流回路20のダイオード21をダイオード23に置き
換え、ダイオード24をダイオード22に置き換えた経
路を通って、コンデンサ11,12に充放電電流が流
れ、商用電源Vsが負極性の間のほぼ全域に亘って、高
周波の断続電流が商用電源Vsに流れるようになる。
【0046】したがって、上記構成のインバータ装置1
によれば、部分平滑回路30を採用した従来の装置にお
いても存在していた、入力電流の休止期間と導通期間が
生じるという問題が解決され、商用電源Vsの電源周期
のほぼ全域に亘って、高周波の断続電流を入力電流とし
て流すことができる。この高周波の断続電流は、低減通
過フィルタ(LPF)を用いることにより低減すること
ができる、換言すれば、高調波電流成分が低減された擬
似正弦波電流にすること、即ち入力電流歪を小さくする
ことができる。これにより、商用電源側に流れる入力電
流の高調波規制値(IEC1000−3−2等)を満足
することができるようになる。
【0047】また、上記説明で明らかなように、本願発
明に係るインバータ装置1は、従来の構成のインバータ
装置に対して、全波整流器20の交流入力側にコンデン
サ11,12の直列回路10を設けると共に、両者の接
続点10aに高周波電圧V3を印加するという極めて簡
易な変更を施したもの、即ち回路の複雑化を招くことの
ないものでありながら、商用電源側に流れる入力電流の
高調波成分を低減し高調波規制値を満足することができ
るという、優れた効果を有するものである。
【0048】また、上記構成のインバータ装置1におい
ては、上述した特許第2754205号に記載の部分平
滑回路30を採用しているので、該部分平滑回路30の
特徴を享有することもできる。即ち、コンデンサ33へ
の充電電荷は、高周波で動作する変換回路40の起動後
に得られるため、商用電源Vsによって直接コンデンサ
33を充電することによる突入電流(ピーク電流)の発
生と、電源投入による突入電流の発生を生じる虞が少な
い。
【0049】次に、本発明によるインバータ装置の他の
実施の形態について、図4〜図11を参照して、簡単に
説明する。なお、図4〜図11においては、図1に示す
第1の実施の形態によるインバータ装置と同一構成の部
分については、同一番号を付すと共に、特徴部分の接続
態様のみを示し、特に必要のない限り、説明を省略す
る。
【0050】図4〜図11に示す回路は、上述の図1に
示した回路におけるタップ付きインダクタと周辺回路と
の接続態様を変更したり、タップ付きインダクタそのも
のの構成を変更したものであって、何れの回路において
も、その作用効果は、図1に示した回路と略同様であ
る。以下、順に説明する。
【0051】図4に示した回路は、タップ付きインダク
タ50の端子50b,50cと、整流回路20およびコ
ンデンサ11,12の接続点10aとの接続態様を変更
したものであり、該タップ付きインダクタ50の端子5
0aを負極性側入力端子40bに接続したままの状態
で、端子50bを全波整流回路20の負側脈流出力端子
DC−に接続し、タップ50cをコンデンサ11,12
の接続点10aに接続するようにしたものである。
【0052】図5に示したタップ付きインダクタ60
は、上述の図1に示した回路におけるタップ付きインダ
クタ50の巻線方向を変えたインダクタ60としたもの
であり、該インダクタ60としては、1次巻線61およ
び2次巻線62を有するトランスを利用するものとし、
その1次巻線61の一方の端子61aと2次巻線62の
一方の端子62aとの接続点をタップ60cとして使用
するようにすればよい。この図5に示したタップ付きイ
ンダクタ60を図1に示した回路に適用する場合、端子
50aを端子60aに、端子50bを端子60bに、端
子50cを端子60cに、それぞれ置き換えた接続態様
とすれば良い。
【0053】図6に示した回路は、図1に示した回路に
おける、整流回路20の負側脈流出力端子DC−と変換
回路40の負極性側入力端子40bとの間に挿入された
タップ付きインダクタ50を、整流回路20の正側脈流
出力端子DC+と変換回路40の正極性側入力端子40
aとの間に挿入し、これに応じて、部分平滑回路30を
構成するダイオード32のカソードをタップ付きインダ
クタ50の端子50aに接続したものである。
【0054】図7に示したタップ付きインダクタ50
は、図6に示した回路において、その接続態様を、図4
に示した回路に準じて変更したものであり、端子50a
を変換回路40の正極性側入力端子40aに接続し、端
子50bを全波整流回路20の正側脈流出力端子DC+
に接続し、タップ50cをコンデンサ11,12の接続
点10aに接続したものである。
【0055】図8に示したタップ付きインダクタ60
は、図5に示したタップ付きインダクタ60を、図6に
示した回路に適用するものであり、図5と同様に、図6
における端子50aを端子60aに、端子50bを端子
60bに、端子50cを端子60cに、それぞれ置き換
えた接続態様とすれば良い。
【0056】図9に示した回路は、図1に示した回路に
おける部分平滑回路30を、図13に示した装置と同様
に、ダイオード71,72,73とコンデンサ74,7
5とからなる部分平滑回路70に置き換えたものであ
り、ダイオード71のアノードとコンデンサ75との接
続点と、タップ付きインダクタ50のタップ50cとを
接続したものである。
【0057】図10に示した回路は、図6に示した回路
における部分平滑回路30を、図13に示した装置と同
様に、ダイオード71,72,73とコンデンサ74,
75とからなる部分平滑回路70に変更したものであ
り、該変更に対応して、ダイオード73のカソードとコ
ンデンサ74との接続点とタップ付きインダクタ50の
タップ50cとを接続したものである。
【0058】なお、図9および図10に示した回路のよ
うに、部分平滑回路30を部分平滑回路70に変更する
手法は、上述した図1および図6に限らず、例えば図1
に示した回路のタップ付きインダクタ50の接続態様を
図4に示した接続態様のものに変更した回路において、
部分平滑回路30を部分平滑回路70に変更する等、そ
の他の回路にも適用することができる。
【0059】図11に示した回路は、図1に示した回路
におけるタップ付きインダクタ50の端子50bとコン
デンサ11,12の接続点10aとの間に、コンデンサ
13を挿入した構成のものであり、高周波電圧V3が、
直接ではなく、コンデンサ13を介して接続点10aに
印加されるものである。
【0060】なお、このように、高周波電圧V3を、コ
ンデンサ13を介して接続点10aに印加する手法は、
上述した図1の回路に限らず、例えば図4に示した回路
等、その他の回路にも適用することができる。
【0061】上述した本発明によるインバータ装置の各
実施の形態は、何れも全波整流回路20と変換回路40
との間に部分平滑回路30或いは70を設けたものであ
るが、本発明はこれに限定されず、部分平滑回路30或
いは70を設ける代わりに、全波整流回路20の正側脈
流出力端子DC+と負側脈流出力端子DC−との間に、
いわゆる完全平滑コンデンサを設けたものとしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインバータ装置の第1の実施の形
態の回路図
【図2】上記第1の実施のインバータ装置における電圧
波形図;脈流電圧および整流電圧(A)、タップ付きイ
ンダクタの端子間電圧(B),(C)
【図3】上記第1の実施のインバータ装置における、商
用電源Vsが正極性の場合の動作説明図
【図4】図1に示したタップ付きインダクタの接続態様
を変更した例を示す図
【図5】タップ付きインダクタの他の実施の形態を示す
【図6】図1に示した回路の接続態様を変更した回路図
【図7】図6に示したタップ付きインダクタの接続態様
を変更した図
【図8】図5に示したタップ付きインダクタを、図6に
示した回路に適用した図
【図9】部分平滑回路の他の実施の形態を示す図
【図10】図9に示した部分平滑回路を、図6に示した
回路に適用した図
【図11】高周波電圧を、コンデンサを介して2つのコ
ンデンサの接続点に印加する方式を示す図
【図12】従来のインバータ装置の例を示す図
【図13】従来のインバータ装置の他の例を示す図
【図14】チョッパ回路を採用したインバータ装置を示
す図
【符号の説明】
Vs 商用電源 11,12 コンデンサ 20 全波整流器 30 部分平滑回路 31,32 ダイオード 33 コンデンサ 40 変換回路 43 スイッチング回路 44 共振コンデンサ 45 トランス 50,60 タップ付きインダクタ 70 部分平滑回路 71,72,73 ダイオード 74,75 コンデンサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−275684(JP,A) 特許2754205(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の交流入力端子および脈流出力端子
    を有すると共に、前記交流入力端子に入力された商用交
    流電圧を全波整流して前記脈流出力端子に脈流電圧を出
    力する整流手段と、前記脈流電圧を平滑して平滑電圧を
    得る平滑手段と、前記整流手段に接続されたインダクタ
    および該インダクタに接続されたスイッチ手段を有する
    と共に該スイッチ手段が前記商用交流電圧の周波数より
    も高い周波数でオンオフすることによって前記平滑電圧
    を高周波電圧に変換する定電流プッシュプル型変換手段
    とを備えて成るインバータ装置において、 前記整流手段の交流入力端子間に接続された第1および
    第2のコンデンサから成る直列回路を更に備え、 前記インダクタが、タップ付きインダクタであり、該タ
    ップ付きインダクタの両端の内の一方が前記スイッチ手
    段に接続され、他方が前記第1および第2のコンデンサ
    の接続点と接続され、タップが前記整流手段に接続され
    ていることを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 複数の交流入力端子および脈流出力端子
    を有すると共に、前記交流入力端子に入力された商用交
    流電圧を全波整流して前記脈流出力端子に脈流電圧を出
    力する整流手段と、前記脈流電圧を平滑して平滑電圧を
    得る平滑手段と、前記整流手段に接続されたインダクタ
    および該インダクタに接続されたスイッチ手段を有する
    と共に該スイッチ手段が前記商用交流電圧の周波数より
    も高い周波数でオンオフすることによって前記平滑電圧
    を高周波電圧に変換する定電流プッシュプル型変換手段
    とを備えて成るインバータ装置において、 前記整流手段の交流入力端子間に接続された第1および
    第2のコンデンサから成る直列回路を更に備え、 前記インダクタがタップ付きインダクタであり、該タッ
    プ付きインダクタの両端の内の一方が前記整流手段に接
    続され、他方が前記スイッチ手段に接続され、タップが
    前記第1および第2のコンデンサの接続点と接続されて
    いることを特徴とするインバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記タップ付きインダクタが、1次巻線
    および2次巻線を有するトランスであり、該1次巻線の
    一方の端子と2次巻線の一方の端子との接続点を前記タ
    ップとするものであることを特徴とする請求項1または
    2記載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】 前記平滑手段が、前記脈流電圧を平滑し
    て部分平滑電圧を得るコンデンサおよび該部分平滑電圧
    により前記脈流電圧の谷が補なわれた前記平滑電圧を得
    るように選択的に動作するスイッチからなるものである
    ことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のイ
    ンバータ装置。
  5. 【請求項5】 前記平滑手段が、前記高周波電圧を整流
    するダイオード、整流された高周波の整流電圧を平滑し
    て部分平滑電圧を得るコンデンサおよび該部分平滑電圧
    により前記脈流電圧の谷が補なわれた前記平滑電圧を得
    るように選択的に動作するスイッチからなるものである
    ことを特徴とする請求項1から3いずれか1記載のイン
    バータ装置。
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