JP3538091B2 - ゼスチャー伝送装置 - Google Patents

ゼスチャー伝送装置

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JP3538091B2 JP33964699A JP33964699A JP3538091B2 JP 3538091 B2 JP3538091 B2 JP 3538091B2 JP 33964699 A JP33964699 A JP 33964699A JP 33964699 A JP33964699 A JP 33964699A JP 3538091 B2 JP3538091 B2 JP 3538091B2
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  • Selective Calling Equipment (AREA)
  • Telephone Function (AREA)
  • Telephonic Communication Services (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話回線を介して
コミュニケーションする場合に、音声以外の情報の伝送
によって効率的なコミュニケーションを実現するための
ゼスチャー伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電話回線を介してコミュニケーションす
る場合には、従来より音声だけを伝送する電話機が用い
られている。また、音声だけでなく画像も伝送するテレ
ビ電話が実用化されつつある。なお、電話回線を介して
コミュニケーションするための技術ではないが、人間の
動きをロボットで再現する技術(第17回日本ロボット
学会学術講演会予稿集、第3分冊p1185〜p118
6)が提案されている。この技術は、人間の首にジャイ
ロを装着し、首の側屈,前後屈,横旋回の角度を検出す
るとともに、眼球運動測定手法の一つであるEOG(El
ectro-OculoGraphy)法を用いて人間の瞬きの有無を検
出し、検出した人間の動作をロボットで再現するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般の電話機を用いて
通話する場合には、音声だけが伝送されるので、うなず
きなどの無音の表現活動が相手に伝わらず、円滑なコミ
ュニケーションができない場合がある。一方、テレビ電
話を用いて通話する場合には、画像から相手の表情やう
なずきなどの無音の表現活動も認識できるため円滑なコ
ミュニケーションが可能になる。しかしながら、テレビ
電話を用いる場合には、画像として通話者などの人物だ
けでなく背景など様々な情報が伝達される。また、通話
者あるいは背景に映った第三者の意志とは無関係に撮影
用のカメラに映った全ての情報が伝送されることにな
る。このため、個人のプライバシーが保てないという問
題点がある。
【0004】また、人間の動きをロボットで再現するた
めの従来技術を電話によるコミュニケーションに適用し
ようとしても、通話者の動きを検出するために各種セン
サを身体に装着しなければならず、実用的ではない。ま
た、電話回線を用いて動きを伝送することができない。
本発明は、電話回線を用いてコミュニケーションする場
合に円滑なコミュニケーションを可能にするとともに、
個人のプライバシーの保護が可能なゼスチャー伝送装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1は、通信網を介
して互いに接続される複数の端末局の間で電話通信する
際に通話者の身振りの情報を伝送するゼスチャー伝送装
置であって、少なくとも1つのアクチュエータを有し、
通話者の身振りを再現するロボットと、前記ロボットが
再現する身振りに関する動作情報を保持するメモリと、
通話者の身振りの情報を送信するタイミングを検出する
送信タイミング検出手段と、前記送信タイミング検出手
段の検出に応答して、通話者の身振りの情報に関する制
御信号を前記通信網を介して相手の端末局に送信する制
御信号送信手段と、前記通信網を介して相手の端末局か
ら受信した制御信号に基づいて相手の端末局の身振りの
情報を認識する制御信号認識手段と、前記制御信号認識
手段が認識した身振りの情報に応じて前記メモリから読
み出した動作情報に基づいて自局の前記ロボットの動作
を制御するロボット制御手段と、前記通信網を介して相
手の端末局から受信した音声信号の音量を検出する音量
検出手段と、前記音量検出手段が検出した音量に応じて
前記ロボットの可動範囲を変更する可動範囲変更手段と
を設けたことを特徴とする。
【0006】請求項1においては、送信タイミング検出
手段が通話者の身振りの情報を送信すべきタイミングを
検出する。この送信タイミング検出手段が送信タイミン
グであることを検出すると、制御信号送信手段は、通話
者の身振りの情報に関する制御信号を通信網を介して相
手の端末局に送信する。この制御信号を受信した相手の
端末局においては、制御信号認識手段が、受信した制御
信号に基づいて相手の端末局の身振りの情報を認識す
る。ロボット制御手段は、制御信号認識手段が認識した
身振りの情報に応じて、メモリから読み出した動作情報
に基づいて自局のロボットの動作を制御する。
【0007】また、音量検出手段は、前記通信網を介し
て相手の端末局から受信した音声信号の音量を検出す
る。可動範囲変更手段は、音量検出手段が検出した音量
に応じてロボットの可動範囲を変更する。例えば、第1
の端末局と第2の端末局との間で電話回線を介して通話
する場合に、第1の端末局の送信タイミング検出手段が
送信タイミングであることを検出すると、第1の端末局
から第2の端末局に対して制御信号が伝送される。第2
の端末局では、受信した制御信号から第1の端末局の身
振りの情報を認識し、第2の端末局のロボットがその動
作を再現する。
【0008】従って、例えばうなづきのような無音の表
現活動についても、第1の端末局から第2の端末局に伝
送する制御信号によってロボットで身振りを表現し、表
現を伝達することができる。しかも、可動範囲変更手段
が、音量検出手段の検出した音量に応じてロボットの可
動範囲を変更するので、通話者は表現する身振りの大き
さを音量により制御することができる。
【0009】請求項2は、請求項1のゼスチャー伝送装
置において、前記ロボットとして人形を用いるととも
に、前記人形の人間の関節の位置にアクチュエータを配
置したことを特徴とする。請求項2においては、ロボッ
トが人間の形に似ているので、通話者の身振りを表現す
るのが容易になる。また、アクチュエータが人間の関節
の位置に配置されているので、人間と同様の動作をロボ
ットで再現できる。
【0010】請求項3は、請求項1のゼスチャー伝送装
置において、前記制御信号送信手段が送信する制御信号
としてPB信号を用いたことを特徴とする。請求項3で
は、PB(Push Button)信号を用いるので、プッシュ
ホン等の電話回線に接続される一般的な電話機の大部分
の機能をそのまま利用して制御信号の送信及び受信を行
うことができる。
【0011】なお、PB信号は低群の4種類の周波数と
高群の4種類の周波数とをそれぞれ1つずつ組み合わせ
て構成したDTMF(Dual Tone-Multiple Frequency)
信号であり、ダイアルボタンの数字などの16種類の符
号のいずれかを表現するものである。請求項4は、請求
項1のゼスチャー伝送装置において、受話器上の通話者
の指が届く部位に配置したボタンを前記送信タイミング
検出手段として設けたことを特徴とする。
【0012】請求項4においては、通話者が受話器に設
けられたボタンを操作することにより、送信タイミング
検出手段が送信タイミングを検出し、制御信号が送信さ
れる。従って、通話者は身振りを相手に伝達したいとき
に、自分の意志でボタンを操作して制御信号を送信する
ことができる。請求項5は、請求項1のゼスチャー伝送
装置において、受話器に内蔵したセンサを前記送信タイ
ミング検出手段として設けたことを特徴とする。
【0013】請求項5においては、受話器に内蔵したセ
ンサが送信タイミングを自動的に検出するので、通話者
が特別な操作を行う必要がない。電話機を用いて通話す
る場合には、一般に、受話器を通話者の耳及び口に近付
けて通話するので、通話者の頭の動きが受話器の動きに
反映される。このため、受話器に内蔵したセンサは通話
者の頭の動きから送信タイミングを自動的に検出するこ
とができる。
【0014】請求項6は、請求項5のゼスチャー伝送装
置において、傾斜角度計,ジャイロ及び加速度計の少な
くとも1つを前記センサとして受話器に内蔵したことを
特徴とする。傾斜角度計,ジャイロ又は加速度計を受話
器に設けることにより、通話者の頭の動きを検出するこ
とができる。
【0015】請求項7は、請求項2のゼスチャー伝送装
置において、人形の首の関節の位置にアクチュエータを
配置したことを特徴とする。請求項7においては、アク
チュエータが人形の首の関節の位置に配置してあるの
で、アクチュエータを動かすことにより、人形(ロボッ
ト)の頭を動かすことができる。
【0016】請求項8は、請求項7のゼスチャー伝送装
置において、人形の首の関節の位置に配置したアクチュ
エータを制御して、人形の頭部の前後屈,側屈及び回転
の少なくとも1つを伴う通話者の身振りを再現すること
を特徴とする。請求項8では、人形の頭部の動きによっ
て、通話者のうなづきなど様々な身振りの再現が可能で
ある。
【0017】請求項9は、請求項1のゼスチャー伝送装
置において、電話機のダイヤルボタンから入力された情
報を送信すべき通話者の身振りの情報として記憶する送
信情報記憶手段を設け、前記制御信号送信手段は、前記
送信情報記憶手段に保持されている情報を制御情報とし
て送信することを特徴とする。請求項9では、送信情報
記憶手段に保持されている情報が制御情報として送信さ
れるので、同じ身振りの制御信号を繰り返し伝送して再
現しようとする場合には、身振りの種類を特定するため
の入力操作を行う必要はない。また、ダイヤルボタンか
らの入力操作によって送信情報記憶手段の保持する情報
を更新すれば、再現する身振りの種類を変更できる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明のゼ
スチャー伝送装置の1つの形態について、図1,図3,
図4及び図6を参照して説明する。この形態は、請求項
1〜請求項4,請求項7〜請求項10に対応する。
【0019】図1はこの形態のゼスチャー伝送装置の構
成を示すブロック図である。図3はゼスチャー伝送装置
の利用例を示すブロック図である。図4は送受話器の外
観を示す斜視図である。図6はロボットの構成及び動作
例を示す正面図である。この形態では、請求項1の通信
網,ロボット,メモリ,送信タイミング検出手段,制御
信号送信手段,制御信号認識手段,ロボット制御手段,
音量検出手段及び可動範囲変更手段は、それぞれ公衆網
5,ロボット40,動作メモリ32,PB信号送信ボタ
ン23,PB信号送信部24,PB信号認識部31,制
御信号算出部35,音量計測部36及び制御指令変換部
34として具体化されている。また、請求項10の送信
情報記憶手段はPB信号メモリ26として具体化されて
いる。
【0020】図1に示すように、この形態のゼスチャー
伝送装置50は通信制御部10,送受話器20,ロボッ
ト制御部30及びロボット40を備えている。通信制御
部10は、一般の電話機の本体(送受話器以外の全ての
要素)と同様の機能を有しており、公衆網(アナログ電
話回線)5と接続されている。送受話器20には、スピ
ーカ21,マイク22,PB信号送信ボタン23,PB
信号送信部24,入力操作読取部25及びPB信号メモ
リ26が備わっている。スピーカ21は通信制御部10
が出力する音声信号71を音声に変換する。音声信号7
1は、通信制御部10が公衆網5を介して相手局から受
信した信号に含まれている。マイク22は、自局の通話
者の声を音声信号72に変換する。この音声信号72
は、通信制御部10を介して公衆網5に送出される。
【0021】PB信号送信部24は、ゼスチャーの再現
を相手局に指示するためのPB信号74を出力する。こ
のPB信号74は、通信制御部10及び公衆網5を介し
て相手局に送信される。PB信号74(73,78も同
様)は、低群の4種類の周波数のいずれか1つと高群の
4種類の周波数のいずれか1つとを重畳したDTMF信
号である。各々のDTMF信号は、ダイアルボタンの数
字などの16種類の符号のいずれか1つに対応付けられ
ている。
【0022】PB信号送信ボタン23は、PB信号送信
部24がPB信号74を送出するタイミングを決定す
る。すなわち、通話者によってPB信号送信ボタン23
が押下されるとPB信号送信部24はPB信号74を出
力する。この例では、図4に示すように、送受話器20
の表面に露出する状態でPB信号送信ボタン23が設け
てある。PB信号送信ボタン23を配置する位置は、こ
の送受話器20を握る通話者の指(例えば親指)が届く
場所に定めてある。従って、通話者は会話の途中で必要
に応じてPB信号送信ボタン23を押下することができ
る。
【0023】PB信号メモリ26は、PB信号送信部2
4が送出するPB信号74の1組の情報を保持してい
る。PB信号メモリ26に保持する情報の内容は、通信
制御部10に備わっているダイヤルボタン(電話機のプ
ッシュボタン:0〜9の数字,#,*で構成される)か
らの入力操作によって変更することができる。例えば、
利用者が通信制御部10のダイヤルボタンから「*12
*」を入力すると、入力操作読取部25はPB信号メモ
リ26の記憶内容を「*12*」の情報に更新する。入
力操作読取部25は、前後が「*」でくくられた数値が
入力された場合にそれをPB信号メモリ26に記憶す
る。従って、1桁又は2桁以上の様々な数値を含む情報
をPB信号メモリ26に記憶することができる。
【0024】PB信号送信部24は、PB信号送信ボタ
ン23が押下されたときに、PB信号メモリ26の内容
をPB信号74として出力する。また、この例では、
「#05#」のように前後が「#」でくくられた数値が
ダイヤルボタンから入力されると、PB信号送信部24
は、PB信号送信ボタン23の押下の有無とは無関係
に、PB信号73の内容を直ちにPB信号74として送
出する。
【0025】一方、ロボット制御部30にはPB信号認
識部31,動作メモリ32,動作情報検索部33,制御
指令変換部34,制御信号算出部35,音量計測部36
及び変化割合算出部37が備わっている。通信制御部1
0が公衆網5を介して相手局から受信した信号に含まれ
るDTMF信号は、PB信号75としてPB信号認識部
31に入力される。PB信号認識部31は、PB信号7
5として入力されるDTMF信号を構成する周波数の組
み合わせから「1」,「2」,「3」,「4」,
「5」,「6」,「7」,「8」,「9」,「0」,
「*」,「#」のいずれかを認識する。例えば、PB信
号75として「*12*」が現れた場合には、PB信号
認識部31は再現すべきゼスチャー(身振り)に割り当
てられた番号として「12」の動作番号を認識する。
【0026】動作メモリ32には、ロボット40によっ
て再現可能な複数種類のゼスチャーの、それぞれの動作
の情報が動作番号に対応付けて予め保持してある。動作
情報検索部33には、PB信号認識部31の認識した動
作番号の情報が入力される。動作情報検索部33は、P
B信号認識部31から入力される動作番号に対応付けら
れたゼスチャーの情報を動作メモリ32から検索し、そ
の情報を動作情報81として制御指令変換部34に与え
る。
【0027】一方、音量計測部36は音声信号71の音
量を計測し、その結果を音量の現在値82として出力す
る。変化割合算出部37は、音量計測部36から入力さ
れる音量の現在値82から音量変化割合値83を生成す
る。音量変化割合値83は、音量の(現在値/最大値)
の割合を表す。この最大値としては、予め定めた値かも
しくは実際に入力された音量の現在値82から検出した
ピーク値を用いればよい。
【0028】制御指令変換部34は、動作情報検索部3
3から入力される動作情報81と変化割合算出部37か
ら入力される音量変化割合値83とに基づいて、規格化
動作情報84を生成する。実際には、各動作を表す1組
の動作情報81は、制御開始時刻tsから制御終了時刻
teまでの各時刻(ts,t1,t2,・・・te)に
おける目標関節角度θ(ts),θ(t1),θ(t
2),・・・θ(te)で構成されている。また、複数
のアクチュエータ41を駆動して1つの身振りを表現す
る場合には、アクチュエータ毎(関節毎)に独立した複
数組の目標関節角度の情報が動作情報81に含まれてい
る。
【0029】制御指令変換部34は、各時刻の目標関節
角度θ(t)について、動作情報81に音量変化割合値
83を乗算し規格化動作情報84を生成する。つまり、
音量変化割合値83をkで表すと、各時刻の規格化動作
情報84は、θ(ts)・k,θ(t1)・k,θ(t
2)・k,・・・θ(te)・kになる。制御信号算出部
35は、制御指令変換部34から入力される規格化動作
情報84を制御信号(電流値,電圧値,パルス幅等)8
5に変換し、制御信号85をロボット40のアクチュエ
ータ41に印加する。
【0030】従って、ロボット40が動く範囲は音量変
化割合値83に応じて変化する。つまり、受信した音声
信号の音量が大きい場合にはロボット40の身振りが大
きくなり、音量が小さい場合にはロボット40の身振り
も小さくなる。この形態では、ロボット40は図6に示
すように人間の形に似た形状に構成してある。また、ロ
ボット40には3組のアクチュエータ41(1),41
(2),41(3)が組み込んである。
【0031】アクチュエータ41(1)は人間の胴体,
首,頭に相当する部分に埋め込んであり、アクチュエー
タ41(2),41(3)は人間の腕に相当する部分に埋め込
んである。各アクチュエータ41の関節J1〜J5は、
人間の首,両肩,両肘の部分に配置されている。従っ
て、このロボット40の関節J1〜J5を動かすことに
よって、図6の(a),(b),(c),(d)のよう
なゼスチャーを再現できる。図6の(a),(b),
(c),(d)は、それぞれ、うなずき動作(首の前後
屈),ランダム動作(肘も用いたランダムな動作),万
歳動作(両手の上下),ばいばい動作(片手の上下)を
表現している。
【0032】この例では、図6に示すような様々な動作
を動作番号に対応付けて予め動作メモリ32に記憶して
ある。従って、ロボット制御部30に入力されるPB信
号75により、いずれかの動作を選択してロボット40
でそれを再現することができる。図1のゼスチャー伝送
装置50は、例えば図3に示すような状況で利用され
る。すなわち、2台のゼスチャー伝送装置50(1),5
0(2)を通話者60(1),60(2)がそれぞれ利用して、
公衆網5を介した電話通信によりコミュニケーションを
行う。また、各ゼスチャー伝送装置50(1),50(2)に
接続されたロボット40(1),40(2)は、それぞれの通
話者60(1),60(2)から見える位置に配置される。
【0033】ここでは、各ゼスチャー伝送装置50の動
作メモリ32に記憶するうなずきの動作について「1
2」の動作番号を割り当てた場合を想定する。また、通
話者60(1)が利用するゼスチャー伝送装置50(1)につ
いては、予めダイヤルボタンから「*12*」を入力し
て、「*12*」の情報をPB信号メモリ26に記憶し
てあるものと仮定する。
【0034】図3に示すように電話回線を接続し、会話
の途中で、通話者60(1)がうなずきの動作をしようと
するときに、通話者60(1)が指で送受話器20のPB
信号送信ボタン23を押下すると、ゼスチャー伝送装置
50(1)のPB信号送信部24から「*12*」のPB
信号74が送出される。このPB信号74は、公衆網5
を通り、ゼスチャー伝送装置50(2)のPB信号認識部
31に「*12*」のPB信号75として入力される。
【0035】この場合、ゼスチャー伝送装置50(2)に
おいては、動作情報検索部33が動作メモリ32から
「12」の動作番号に割り当てたうなずきの動作情報を
取り出し、この情報を制御指令変換部34に与える。従
って、通話者60(2)側のロボット40(2)は、通話者6
0(1)のうなずき動作(図3のAR1の動き)を再現す
ることになり、通話者60(2)は通話者60(1)のうなず
き動作(AR2の動き)を認識できる。このため、音声
だけの通信では不可能な円滑なコミュニケーションが可
能になる。
【0036】うなずき動作を繰り返し伝送する場合に
は、繰り返しのたびにPB信号送信ボタン23を押下す
ればよい。また、うなずき以外の動作を再現する場合に
は、その動作に割り当てられた動作番号を通信制御部1
0のダイヤルボタンから入力してPB信号メモリ26の
内容を更新してからPB信号送信ボタン23を押下すれ
ばよい。
【0037】更に、「#05#」のように前後が「#」
でくくられた数値をダイヤルボタンから入力すれば、そ
の動作番号をPB信号74として直ちに送信することが
できる。
【0038】なお、この例のように動作番号の種類が少
ない場合には、その番号を1桁の数値だけで表現できる
ので、「*」の記号の入力を省略してもよい。その場合
には、1回の数字ボタンの押下だけでPB信号メモリ2
6の内容を更新できる。なお、この形態では、動作番号
の入力には電話機のプッシュボタンを用いて、送信のタ
イミングを単一のPB信号送信ボタン23の押下で決定
しているが、再現する動作数が少ない場合には、2つの
PB信号送信ボタン23を用意することにより、それら
のボタンの押し方(1つ目のボタンのみ,2つめのボタ
ンのみ,両方同時)に応じて3種類の動作番号(「*1
*」,「*2*」,または「*3*」)をPB信号74
として即座に送信する事が可能である。特に、うなずき
動作のみのように、1つの動作の再現だけを行う場合に
は、PB信号送信ボタン23が単一の場合であっても、
PB信号送信ボタン23の押下に例えば「*1*」を予
め割り当てておくことができるので、入力操作読取部2
5及びPB信号メモリ26を省略してもよい。
【0039】(第2の実施の形態)本発明のゼスチャー
伝送装置の1つの形態について、図2及び図5を参照し
て説明する。この形態は、請求項5及び請求項6に対応
する。図2はこの形態のゼスチャー伝送装置の構成を示
すブロック図である。図5はロボットの構成例を示す斜
視図である。
【0040】この形態は第1の実施の形態の変形例であ
り、図2及び図5において第1の実施の形態と対応する
要素は同一の符号を付けて示してある。第1の実施の形
態と同一の部分については、以下の説明を省略する。こ
の形態では、請求項5のセンサはジャイロセンサ27と
して具体化されている。
【0041】図2のゼスチャー伝送装置50は、図1と
同様に通信制御部10,送受話器20,ロボット制御部
30及びロボット40を備えている。但し、送受話器2
0の構成及びロボット40の構成は一部分が変更されて
いる。図2の例では、送受話器20にジャイロセンサ2
7が備わっている。このジャイロセンサ27は、図示し
ないが送受話器20の内部に組み込んである。従って、
ジャイロセンサ27は送受話器20に加わる加速度を検
出することができる。
【0042】例えば、図3に示すように、通話者60
(1)が送受話器20を手に持って通話しながらうなずき
の動作をした場合には、その動作に伴って送受話器20
が動くことになり、ジャイロセンサ27は比較的大きな
加速度を検出する。図2のPB信号送信部24は、ジャ
イロセンサ27が検出した加速度が予め定めた閾値以上
になると、PB信号メモリ26に保持された情報(例え
ば「*1*」)に対応するPB信号74を送出する。
【0043】従って、図3の例では通話者60(1)が送
受話器20を手に持って通話しながらうなずきの動作を
したときに、うなずきの動作を示すPB信号74がゼス
チャー伝送装置50(1)からゼスチャー伝送装置50(2)
に自動的に伝送され、ロボット40(2)がうなずきの動
作を再現する。この形態で用いるロボット40には、図
5に示すように単一のアクチュエータ41だけが組み込
んである。図5の例では、アクチュエータ41の間接4
1aが人間の首に相当する位置に配置されているので、
アクチュエータ41を動かすとロボット40は首から頭
部を前後方向に屈曲させ、うなずきの動作を行う。
【0044】この形態では、ロボット40が再現する動
作がうなずきの1種類だけであるため、PB信号メモリ
26はうなずきに対応する動作番号の情報を常に保持し
ている。なお、ロボット制御部30の構成は図1と同一
であるが、ロボット40が再現する動作がうなずきの1
種類だけであるため、構成を簡略化することも可能であ
る。
【0045】この形態では、通話者が意図的にボタンを
押す必要がないため、第1の実施の形態と比べて、より
自然に会話を行いながら身振りも相手局に伝達すること
ができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では通信網
を介して通話者の身振りの情報を伝達し、相手局のロボ
ットで身振りを再現することができる。しかも、送受信
者の双方が特別な装置を身につける必要がないので、従
来の電話機を扱う場合とほとんど同じ操作で、通信する
ことができる。
【0047】また、本発明では受信した音声の音量に応
じてロボットが表現する身振りの大きさが変わるので、
音声の大きさで伝達したい身振りを制御することができ
る。身振りの伝達により、より円滑なコミュニケーショ
ンが可能になる。また、画像の伝達が不要であるためプ
ライバシーの問題が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のゼスチャー伝送装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】第2の実施の形態のゼスチャー伝送装置の構成
を示すブロック図である。
【図3】ゼスチャー伝送装置の利用例を示すブロック図
である。
【図4】送受話器の外観を示す斜視図である。
【図5】ロボットの構成例を示す斜視図である。
【図6】ロボットの構成及び動作例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
5 公衆網 10 通信制御部 20 送受話器 21 スピーカ 22 マイク 23 PB信号送信ボタン 24 PB信号送信部 25 入力操作読取部 26 PB信号メモリ 27 ジャイロセンサ 30 ロボット制御部 31 PB信号認識部 32 動作メモリ 33 動作情報検索部 34 制御指令変換部 35 制御信号算出部 36 音量計測部 37 変化割合算出部 40 ロボット 41 アクチュエータ 50 ゼスチャー伝送装置 60 通話者 71,72 音声信号 73,74,75 PB信号 81 動作情報 82 音量の現在値 83 音量変化割合値 84 規格化動作情報 85 制御信号 J1,J2,J3,J4,J5 関節
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥平 雅士 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−90872(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03J 9/00 - 9/06 H04M 11/00 - 11/10 H04Q 9/00 - 9/16 B25J 13/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信網を介して互いに接続される複数の
    端末局の間で電話通信する際に通話者の身振りの情報を
    伝送するゼスチャー伝送装置であって、 少なくとも1つのアクチュエータを有し、通話者の身振
    りを再現するロボットと、 前記ロボットが再現する身振りに関する動作情報を保持
    するメモリと、 通話者の身振りの情報を送信するタイミングを検出する
    送信タイミング検出手段と、 前記送信タイミング検出手段の検出に応答して、通話者
    の身振りの情報に関する制御信号を前記通信網を介して
    相手の端末局に送信する制御信号送信手段と、 前記通信網を介して相手の端末局から受信した制御信号
    に基づいて相手の端末局の身振りの情報を認識する制御
    信号認識手段と、 前記制御信号認識手段が認識した身振りの情報に応じて
    前記メモリから読み出した動作情報に基づいて自局の前
    記ロボットの動作を制御するロボット制御手段と、 前記通信網を介して相手の端末局から受信した音声信号
    の音量を検出する音量検出手段と、 前記音量検出手段が検出した音量に応じて前記ロボット
    の可動範囲を変更する可動範囲変更手段とを設けたこと
    を特徴とするゼスチャー伝送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のゼスチャー伝送装置におい
    て、前記ロボットとして人形を用いるとともに、前記人
    形の人間の関節の位置にアクチュエータを配置したこと
    を特徴とするゼスチャー伝送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1のゼスチャー伝送装置におい
    て、前記制御信号送信手段が送信する制御信号としてP
    B信号を用いたことを特徴とするゼスチャー伝送装置。
  4. 【請求項4】 請求項1のゼスチャー伝送装置におい
    て、受話器上の通話者の指が届く部位に配置したボタン
    を前記送信タイミング検出手段として設けたことを特徴
    とするゼスチャー伝送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1のゼスチャー伝送装置におい
    て、受話器に内蔵したセンサを前記送信タイミング検出
    手段として設けたことを特徴とするゼスチャー伝送装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5のゼスチャー伝送装置におい
    て、傾斜角度計,ジャイロ及び加速度計の少なくとも1
    つを前記センサとして受話器に内蔵したことを特徴とす
    るゼスチャー伝送装置。
  7. 【請求項7】 請求項2のゼスチャー伝送装置におい
    て、人形の首の関節の位置にアクチュエータを配置した
    ことを特徴とするゼスチャー伝送装置。
  8. 【請求項8】 請求項7のゼスチャー伝送装置におい
    て、人形の首の関節の位置に配置したアクチュエータを
    制御して、人形の頭部の前後屈,側屈及び回転の少なく
    とも1つを伴う通話者の身振りを再現することを特徴と
    するゼスチャー伝送装置。
  9. 【請求項9】 請求項1のゼスチャー伝送装置におい
    て、電話機のダイヤルボタンから入力された情報を送信
    すべき通話者の身振りの情報として記憶する送信情報記
    憶手段を設け、前記制御信号送信手段は、前記送信情報
    記憶手段に保持されている情報を制御情報として送信す
    ることを特徴とするゼスチャー伝送装置。
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