JP3537471B2 - 新規蛋白質sp38および避妊ワクチン - Google Patents

新規蛋白質sp38および避妊ワクチン

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JP3537471B2 JP26168593A JP26168593A JP3537471B2 JP 3537471 B2 JP3537471 B2 JP 3537471B2 JP 26168593 A JP26168593 A JP 26168593A JP 26168593 A JP26168593 A JP 26168593A JP 3537471 B2 JP3537471 B2 JP 3537471B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト及び動物の避妊ワ
クチンに使用される、ヒト及び動物の体内において抗原
性を有する新規なタンパク質(sp38)並びにそのペ
プチドフラグメントおよびその製造法に関する。更に、
本発明はそのような抗原に対する抗体およびその避妊薬
としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、避妊法としては、ピル、IUD
(子宮内避妊器具)、コンドーム、不妊手術、精子の数
や運動性を低下させる低分子合成物質の経口投与などが
試みられてきた。しかし、これらの避妊法は、副作用や
処置の煩雑性などの点で問題がある。
【0003】これに対し、免疫学的な避妊法が試みられ
ており、例えばhCGワクチンなどにより受精卵の着床
を阻止する方法が知られている。
【0004】また、これより更に早い段階で受精自体を
阻止する方法がより望ましいと考えられることから、卵
透明帯蛋白質や精子の蛋白質を避妊ワクチンとして用い
たり、またこれらに対する抗体を投与することによっ
て、受精を阻止し、避妊の目的を達成する方法が試みら
れてきている。この方法を簡単に説明すれば次の通りで
ある。
【0005】哺乳類の受精は、卵巣内で成熟し排卵され
た卵が、雌の性管を通過する過程で受精能を獲得した精
子と、卵管膨大部で遭遇することによって開始される。
卵の細胞膜の外側には卵の細胞外マトリックスである透
明帯(zona pellucida:ZP)と呼ばれる糖蛋白質の層
があり、精子は、卵の細胞膜と融合する前に、このZP
に特異的に結合し、これを貫通しなければならない。ヒ
トを含むいくつかの種では、いわゆる先体反応(acroso
me reaction)を起こした精子のみがZPに結合し貫通す
る。この反応は精子前頭部の先体の外膜と細胞膜とが融
合し、それが離脱するものであり、これらの種では、こ
の先体反応後に露出される精子抗原が透明帯との結合の
主役を担っていると考えられる。従って、このようなZ
P結合性を持つ精子抗原に対する抗体を効率良く誘導す
ることにより、適格な避妊効果が期待できるものと考え
られる。
【0006】先体反応後に精子表面に露出しZP結合活
性を持つ蛋白質としては、ブタ精子中のプロアクロシン
(proacrosin)が知られている。プロアクロシンは、セ
リンプロテアーゼの一種であるアクロシン(acrosin)の
酵素前駆体である。この分子はトリプシンなどの他の臓
器に豊富に存在するセリンプロテアーゼ群と30〜40
%のアミノ酸のホモロジーがあり、精子特異的な抗体を
産生させるための免疫原としては問題がある。
【0007】更に例えば、避妊ワクチンとして、ブタ卵
透明体の糖蛋白質ZP4や、ハムスター輸卵管由来のZ
P0を含むものなどが考えられている。しかし、これら
はいずれもヒトでのこれらに相当する分子構造が不明で
あるため、適格な抗原とはなりえない。また、ヒト精子
先体内蛋白質sp10を抗原とするワクチン法も考えら
れているが、sp10の生理機能が全く不明であるた
め、作用機序が明らかでない。
【0008】また、免疫学的避妊法として、精子不動化
抗体の利用も考えられている。しかし、これに対応する
抗原が不明であったり、また特異性に欠けるため長期的
効果を期待できる能動免疫原には利用できないなどの欠
点がある。
【0009】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、避妊
ワクチンとして用いることのできる、作用機序の明らか
な新規な抗原としてのペプチドおよびそれをコードする
DNA配列の提供をその目的としている。さらに本発明
は、そのようなペプチドの配列を知ることによって、そ
のペプチドの全部または一部を含んでなる避妊ワクチン
の提供をその目的としている。さらにまた本発明は、そ
のペプチドに対する抗体を含んでなる避妊薬の提供をそ
の目的としている。今般、我々は、ZP結合能を有する
蛋白質を探索した結果、従来知られたZP結合能を有す
る蛋白質(例えば、プロアクロシン)とは異なる新規な
蛋白質を見出し、その配列を決定した。本発明は、この
知見に基づいてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明により
提供される新規蛋白質sp38の第一は、図1に示され
る配列を有するブタ由来のsp38(以下、ブタsp3
8という)である。また、本発明により提供される新規
蛋白質の第二は、図3に示される配列を有するヒト由来
のsp38(以下、ヒトsp38という)である。さら
に本発明によるDNA配列は、上記ブタsp38または
ヒトsp38の全部または一部をコードするもの、であ
る。さらにまた本発明による避妊ワクチンは上記本発明
による新規蛋白質の全部またはその部分ペプチドであっ
て、ZP蛋白質への結合活性および/または精子とZP
蛋白質との結合を阻止する抗体を生体内で産生し得る抗
原性を有するものを含んでなるもの、である。また、本
発明による避妊薬は、上記本発明による新規蛋白質の全
部に対する抗体、または、その部分ペプチドであってZ
P蛋白質への結合活性および/または精子とZP蛋白質
との結合を阻止する抗体を生体内で産生し得る抗原性を
有する部分に対する抗体を含んでなるもの、である。
【0011】[発明の具体的説明]sp38のペプチド配列およびそれをコードする塩基配
本発明により提供されるブタsp38は、ブタの精巣上
体尾部より採取された精子から、ZP結合能を指標とす
ることによって単離された蛋白質である。このブタsp
38は、先体反応誘導前には表出されず、先体反応後に
精子表面に露出する蛋白質であり、このsp38が精子
とZPとの結合を担い、その後、精子はZPを通過し、
受精に至ると考えられる。
【0012】この蛋白質は、後記のする実施例から明ら
かなように、ZP蛋白質に対し特異的な結合活性を有
し、それはプロアクロシンと競合的である。さらに、こ
のブタsp38に対する抗体は、精子に特異的に作用し
て、精子とZP蛋白質との結合を阻害し、また精子を凝
集させる作用を有することが確認された。
【0013】従って、このブタsp38をヒトを含む動
物に投与することによって、ブタsp38に対する抗体
を産生させ、その結果、精子と卵細胞との結合を阻害す
ることができる。これはすなわち、避妊ワクチンとして
の用途を有することを意味する。また、ブタsp38に
対する抗体をヒトを含む動物に投与することにより、精
子とZP蛋白質の結合を阻害することができ、避妊効果
が期待できる。
【0014】また、本発明により提供されるヒトsp3
8は、前記ブタsp38の配列を参考にしてプローブを
得て、そのプローブを用いてヒト精巣cDNAライブラ
リーより得られたcDNAの発現産物の分析からその存
在が確認された蛋白質である。このヒトsp38も、ブ
タsp38と同様に、先体反応後に精子表面に露出する
蛋白質と思われ、このsp38が精子とZPとの結合を
担い、その後、精子はZPを追加し、受精に至ると考え
られる。従って、ヒトsp38も、ブタsp38と同様
にZP蛋白質対し特異的な結合活性を有し、またそれに
対する抗体は精子に特異的に作用して、精子とZP蛋白
質との結合を阻害する。よって、ヒトsp38も上記ブ
タsp38と同様に避妊ワクチンとしての用途を有し、
またそれに対する抗体についても避妊効果が期待でき
る。
【0015】なお、ZP蛋白質への結合活性、および/
または、精子とZP蛋白質との結合を阻止する抗体を生
体内で産生し得る抗原性を保持する、図1または図3に
記載の配列の一部を含んでなるペプチドも、本発明の範
囲に包含されるものとする。とりわけ、後記する実施例
から明らかなように、図1に示される配列の少なくとも
253番から269番の配列を有する部分ペプチドは、
sp38とZP蛋白質との結合を阻害し、またこの部分
ペプチドに対する抗体は精子−卵結合を阻害する。以下
の理論に拘束されるわけではないが、下記の通り、この
部分ペプチドのさらに256番から266番には、プロ
アクロシンの365番から372番の配列とホモロジー
が見られる。さらにヒトsp38についてこれらの配列
とのホモロジーは257番から267番に見られる。 ブタsp38 KRLSKAKNLIE (K256
−E266残基) ヒトsp38 KRLFKAKNLIE (K257
−E267残基) プロアクロシン KRLQQLIE (K365
−E372残基) よって、これらの部分ペプチドを抗原として得られた抗
体についても避妊効果が期待できる。
【0016】また、ZP蛋白質への結合活性、または、
精子とZP蛋白質との結合を阻止する抗体を生体内で産
生し得る抗原性を保持する限り、アミノ酸の付加、挿
入、削除、欠失または置換が生じたブタsp38および
ヒトsp38も本発明の範囲に包含される。
【0017】本発明によれば、さらにブタsp38およ
びヒトsp38をコードするDNAが提供される。これ
らの蛋白質をコードするDNAの典型的な配列はそれぞ
れ図2および図4に示される塩基配列の全部または一部
を有する。
【0018】図2および図4に示される塩基配列は、ブ
タまたはヒトのmRNA由来のライブラリーから得られ
たクローンの遺伝子に相補的な配列、すなわちcDNA
である。図2に示される塩基配列中には、配列の15−
17番のATGコドンからはじまり1065−1067
のTAG終始コドンで終わるコーディング領域が存在し
ている。この配列は、図1に示されるアミノ酸配列、す
なわちブタsp38をコードする。また同様に図4に示
される配列には37−1092番のコーディング領域が
存在しており、この配列が図3に示されるアミノ酸配
列、すなわちヒトsp38をコードする。
【0019】さらにまた、蛋白質のアミノ酸配列が与え
られれば、それをコードする塩基配列は容易に定まり、
その結果、図1または図3に示される配列の全部または
一部をコードする種々の塩基配列を適宜選択することが
できる。従って、本発明による図1または図3に示され
る配列の全部または一部をコードする塩基配列とは、そ
の塩基配列が図2または図4に示される塩基配列の全部
または一部に加え、縮退(degeneracy)関係にあるコド
ンが使用されている以外はその塩基配列が同一であっ
て、同一のペプチドをコードする配列も意味するものと
する。さらに、上記のようにその一部のアミノ酸の付
加、挿入、削除、欠失または置換が生じたブタsp38
およびヒトsp38をコードする塩基配列も本発明の範
囲に包含されるものとする。
【0020】本発明によるDNAは、天然物由来のもの
でも、全合成したものでも、あるいは、天然物由来のも
のの一部を利用して合成を行ったもの(すなわち半合
成)ものものであってもよい。このようなDNAの典型
的な取得法の一つは、ブタまたはヒトの精子由来のゲノ
ムライブラリーから、この遺伝子を切り出す方法であ
る。この方法の具体例としては、ブタまたはヒトの精子
由来のゲノムライブラリーから、遺伝子工学の分野で慣
用されている方法、例えば適当なプローブを用いてスク
リーニングを行う方法、が挙げられる。この方法の具体
例については後記する実施例において詳述する。
【0021】また、本発明によれば、前記の本発明によ
るDNA配列を、宿主細胞内で複製可能でかつそのDN
A配列がコードする蛋白質を発現可能な状態で含んでな
る発現ベクターが提供される。さらに、本発明によれ
ば、この発現ベクターによって形質転換された宿主細胞
が提供される。この宿主−ベクター系は特に限定され
ず、例えば、大腸菌、枯草菌、放線菌、酵母、動物細
胞、ウィルスなどを用いた系、および、それらを用いた
他の蛋白質との融合蛋白質発現系などを用いることが出
来る。本発明によるベクター構築の手順および方法は、
遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることが
できる。本発明による発現ベクターは、これを実際に宿
主細胞に導入して所望の蛋白質を発現させるためには、
前記の本発明によるDNA配列の他に、その発現を制御
するDNA、すなわちプロモーター、転写開始信号、リ
ボソーム結合部位、翻訳停止シグナル、転写終結信号な
どの転写調節信号や翻訳調製信号など、を有するのが好
ましい。これらは常法に従い発現ベクターに存在させて
よい。また、このベクターによる宿主細胞の形質転換の
方法も、この分野で慣用されているものを用いることが
できる。
【0022】この形質転換体を適当な培地で培養し、そ
の培養物から上記した本発明による蛋白質を単離して得
ることができる。従って、本発明の別の態様によれば、
前記の本発明による新規蛋白質の製造法が提供される。
形質転換体の培養およびその条件は、使用する宿主につ
いてのそれと本質的に同様であってよい。また、培養液
からの本発明による新規蛋白質の回収、精製も常法に従
って行うことが出来る。
【0023】避妊ワクチンおよび避妊薬 前記のように、ブタsp38およびヒトsp38に対す
る抗体は、精子とZP蛋白質との結合を阻害する。従っ
て、本発明の別の態様によれば、図1または図3に示さ
れるペプチドの全部または一部と、薬学的に許容される
担体とを含んでなる避妊ワクチンが提供される。さら
に、本発明の更に別の態様によれば、図1または図3に
示されるペプチドの全部または一部を抗原として生産さ
れた抗体と、薬学的に許容される担体とを含んでなる、
避妊薬が提供される。
【0024】避妊ワクチンの有効成分としての本発明に
よる蛋白質は、ヒトに投与される場合には、ヒトsp3
8、または、その部分ペプチドであって精子とZP蛋白
質との結合を阻止する抗体を生体内で産生し得る抗原性
を保持するものであるのが好ましい。
【0025】本発明による避妊ワクチンは、経口および
非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、経皮投与)の
いずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投
与することができる。従って、本発明による避妊ワクチ
ンは、その投与経路に応じて、適当な薬学的に許容され
る担体と、さらに所望により安定化剤、防腐剤などのと
もに適当な剤形とされる。
【0026】避妊ワクチンの投与量、投与回数は、最終
的には専門医の指導のもとに決定されるが、有効成分と
しての蛋白質10μgから10mg/個体を1回の投与
量として、2週間ないし4週間の間隔で数回投与するこ
とが可能である。
【0027】また、本発明による避妊薬の有効成分とし
ての抗体は、ヒトに投与される場合には、ヒトsp38
に対する抗体、または、その部分ペプチドであって精子
とZP蛋白質との結合を阻止する抗体を生体内で産生し
得る抗原性を保持するものに対する抗体であるのが好ま
しい。
【0028】有効成分としての抗体としては、動物を免
疫して得られる抗血清、それを精製して得られたポリク
ローナル抗体、さらにはモノクローナル抗体を用いるこ
とができ、モノクローナル抗体が好ましい。モノクロー
ナル抗体はこの分野で常法とされている方法に従って得
ることができる。
【0029】本発明による避妊薬は、経口および非経口
(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投
与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動
物に投与することができる。従って、本発明による避妊
薬は、その投与経路に応じて、適当な薬学的に許容され
る担体と、さらに所望により安定化剤、防腐剤などのと
もに適当な剤形とされる。
【0030】避妊薬の有効成分としての抗体の量は最終
的には専門医の指導のもとに決定されるが、作用部(卵
管)において十分な抗体価が得られ、かつ副作用のない
量の範囲であることが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の実施はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1.ブタ精子からのsp38の精製 ブタ精巣上体尾部の精子(2.5ml)よりディタージ
ェントを含む緩衝液で蛋白質を抽出した(1)。この抽
出物をプロアクロシン精製法(2)に従ってゲルろ過カ
ラムにかけ、その溶出画分について固相結合アッセイを
用いてZP結合活性を評価した。ZP結合活性を有する
蛋白画分(蛋白10mg)を回収し、HClにてpH3
に調製した7M尿素液に対して透析した。この透析液を
7M尿素、0.2M NaCl、pH3にてあらかじめ
平衡化しておいた陽イオン交換HPLCカラムTSK gel
SP-5PW(7.5×75mm:東ソー)に添加し、室温に
て200分間かけてpH3、7M尿素中、0.2〜1M
NaClの直線濃度勾配により流速0.5ml/分で
各フラクション1mlにて溶出した(図5)。
【0032】ZP結合活性を有する全ての蛋白画分
(1.2mg)を回収し、逆相HPLCカラムBakerbon
d Wide Pore Butyl 5μm(4.6×250mm:J.T.
Baker)に添加し、0.1%トリフルオロ酢酸存在下、ア
セトニトリルの濃度勾配を最初の5分間で0〜38%
に、次の120分で43%にして、流速0.5ml/
分、各フラクション1mlにて溶出した(図6)。この
カラムクロマトグラフィーによってZP結合活性は明白
な2つのピークに分離した(図6:ピークa、ピーク
b)。各溶出フラクション番号14〜24に関してSD
S−PAGEを用いて解析した結果、主な蛋白としてピ
ークaには分子量55KDaと53KDa、ピークbに
は38KDa(sp38)のものが存在することが分か
った(図7)。
【0033】ZP結合蛋白画分に該当するこれらの蛋白
の結合活性を確認するために、 125Iで標識されたZP
蛋白質をプローブとしてウェスタンブロッティング解析
を行なった(図8)。その結果、55KDa及び53K
Da蛋白のみならずsp38にもプローブとの結合能が
確認された(レーン1、2)。フラクション番号15中
に存在する55KDa及び53KDa蛋白は抗ブタ精子
プロアクロシン抗体と免疫反応性があるためプロアクロ
シンと同定された(レーン3)。sp38には同抗体と
の免疫反応性は無かった(レーン4)。このことにより
sp38はプロアクロシンの分解産物ではないことが分
かった。フラクション番号20、21をsp38のサン
プルとして回収した。2.5mlのパックした精子から
約40μgのこの蛋白質が得られた。sp38は精巣上
体液中には存在せず、この蛋白質が精管浸出液から精子
の表面に吸着したものではないことが明らかにされた。
【0034】なお、固相結合アッセイによる「ZP結合
活性の測定方法」は次の通りである。ZP糖蛋白質を常
法(3)に従い、卵巣の卵胞卵子から調製し、ビオチン
化した(1)。溶出した精子由来の蛋白各フラクション
を、0.1M NaHCOおよび2mM p-aminoben
zamidine(p−AB)の存在下、ELISAプレートの
各ウエルにそれぞれコーティングした。洗浄緩衝液(1
0mM Tris−HCl、pH7.4、0.15M
NaCl、2mM CaCl、2mM p−AB、
0.05%Tween−20)にて洗浄した後、37
℃、1時間、ブロッキング緩衝液(5%BSA、10m
M Tris−HCl、pH7.4、0.15M Na
Cl、2mM CaCl、2mM p−AB)にてブ
ロッキングした。更に希釈緩衝液(2%BSA、10m
M Tris−HCl、pH7.4、0.15M Na
Cl、2mM CaCl、2mM p−AB、0.0
5%Twenn−20)にて250ng/mlに調整し
たビオチン化ZP蛋白質を、1時間室温にてインキュベ
ートした後、1000倍希釈したストレプトアビジン
(ZYMED)を37℃にて1時間インキュベートし
た。丁寧に洗浄した後発色させて、492nmの吸光度
を測定した。
【0035】また、「抗プロアクロシン抗体との結合性
試験」は次の通り行なった。抗プロアクロシンウサギ抗
血清(10000倍希釈)と抗ウサギIgG F(a
b′)(CAPPEL、5000倍希釈)をプローブ
として用いる他は、前述の「ZP結合活性の測定方法」
に準じた固相結合アッセイを行なった。
【0036】更に、「sp38の電気泳動とウェスタン
ブロッティング」は次の通り行なった。常法に従い、S
DS−PAGEとエレクトロブロッティングを行なっ
た。非特異的結合をブロックした後、 125Iで標識され
たZP蛋白質を結合させ丁寧に洗浄し、Kodack X-Omat
ARにてオートラジオグラフィーをとるか、あるいは抗プ
ロアクロシンウサギ抗血清(2000倍希釈)を結合さ
せた後、パーオキシダーゼが結合した抗ウサギIgG
F(ab′)(1000倍希釈)と3,3,′‐ジア
ミノベンチジンテトラクロライドを用いて発色させ、目
的のバンドを同定した。洗浄緩衝液、ブロッキング緩衝
液、及び希釈緩衝液は、前述の「ZP結合活性の測定方
法」において用いたものと同様のものを使用した。な
お、ZP蛋白質とsp38の 125Iによる標識はクロラ
ミンT法を用いた。
【0037】実施例2.精製されたsp38の部分アミ
ノ酸配列の解析 3μgのsp38を10%SDS−PAGEにかけ、目
的のバンドをpolyvinilidenedifluoride(PVDF)膜
にエレクトロブロットを行なった。転写した蛋白質をヨ
ード酢酸にてS‐カルボキシメチル化後、プロテアーゼ
Achromobacter protease I-和光)を用いてin situ
的に酵素消化を行なった(4)。酵素消化によって膜よ
り遊離してきたペプチド断片を逆相HPLC(μ−Bond
asphere5uC8-300A 2.1×150mm−WATER
S)カラムにより分離した。この際のペプチド断片の溶
出は40分間、2〜50%の溶媒B、流速0.25ml
/分の条件下濃度勾配分離法を用い行なった(溶媒A:
0.05%トリフルオロ酢酸水、溶媒B:0.02%ト
リフルオロ酢酸含2‐プロパノール/アセトニトリル
(7/3、V/V))。
【0038】アミノ酸配列の解析には気相シークエンサ
ー(Applied Biosystems model 470A)を用いた。得られ
たPTH−アミノ酸の同定は、均一濃度HPLCを用い
て行なった。これらのペプチドの逆相HPLCによる溶
出パターンは図9に示される通りである。ペプチドフラ
グメントのAP−1〜AP−6とN末のアミノ酸配列は
同様に図9に示される通りであった。AP−3のアミノ
酸配列はN末のアミノ酸配列と一致した。また、AP−
3のC末端とAP−4のN末端とは連続するものである
ことがわかった。これらいずれのペプチドのアミノ酸配
列にもthe National Biochemical Research Foundation
(NBRF)における既知のアミノ酸配列とのホモロジ
ーは見られなかった。
【0039】実施例3.sp38のZP結合特性(プロ
アクロシンとの比較) 固相結合アッセイにおいて、sp38とZP蛋白質との
結合が特異的に行なわれることは、100倍過剰の未標
識のZP蛋白質を添加することによって、ビオチン標識
したZP蛋白質のsp38に対する結合が完全に阻害さ
れることにより確かめられた。更にこの結合は、デキス
トラン硫酸(分子量範囲=5000〜7000)によっ
て効果的に阻害(ID50=1μg/ml)され、またウ
シ角膜由来のケラタン硫酸でわずかながら阻害(ID50
=0.5mg/ml)された。
【0040】ブタのZP蛋白質は3種の硫酸化糖蛋白質
群、90KDa、55KDaαおよび55KDaβの各
群から成り、それぞれの群に属する分子は共通のペプチ
ド配列で異なった糖鎖を有している(5)。sp38、
及びプロアクロシンが、これらのZP糖蛋白質のどの群
に特異的に結合するのかを調べるために、ビオチン化Z
P糖蛋白質を逆相HPLCで各コンポーネントに分離
し、これを固相結合アッセイに用いた。ZP蛋白質をコ
ンポーネントに分離するためには、ZP蛋白質25μg
を7M尿素に溶解し、Bakerbond Wide Pore Butyl 5μ
mに添加し、室温で、60分間、0〜100%アセトニ
トリルの濃度直線勾配にて、流速0.5ml/分各フラ
クション1mlにて溶出した。この操作で、90KDa
の蛋白質群のほとんどは55KDaα及び55KDaβ
蛋白質群から分離された(図10および図11)。この
分離されたZP蛋白質コンポーネントを固相結合アッセ
イに用いることによって、sp38とプロアクロシンが
いずれも90KDaの糖蛋白質群と特異的に結合するこ
が分かった(図11)。興味深いことにCa2+非存在下
においてはZP蛋白質のsp38、およびプロアクロシ
ンへの結合能は消失した。
【0041】以上より、sp38とプロアクロシンはZ
P蛋白質に対する結合特性が非常に類似していることが
分かり、それはsp38とプロアクロシンが90KDa
型のZP蛋白質の同じ結合部位に結合していることを示
唆している。
【0042】この可能性はプロアクロシンとsp38と
の拮抗阻害実験により確認された。つまり、ZP蛋白質
50μg/mlにてコートしたプレートに、 125Iで標
識されたsp38(5×10cpm/ウエル)を様々
の濃度の未標識のsp38あるいはプロアクロシンの存
在下で1時間、室温にてインキュベートした。丁寧にプ
レートを洗浄した後、ZP蛋白質に結合している標識s
p38を10%SDSにて溶離し、その放射能活性をγ
線測定装置にて定量した。なお、この結合アッセイにお
いて洗浄緩衝液、ブロッキング緩衝液、及び希釈緩衝液
は「ZP結合活性の測定法」で使用したものと同じもの
を用いた。
【0043】その結果、 125Iで標識されたsp38の
ZP蛋白質への結合がプロアクロシンを添加することに
よsp38それ自身を添加した場合と同じように効果的
に阻害されることが確認された(図12)。
【0044】実施例4−1.cDNAライブラリーの構
築とスクリーニング及び配列決定 オスブタ睾丸poly(A)+ RNAを逆転写酵素で処
理する前に10mMのmethylmercury hydroxide で5分
間変性させること以外はPharmacia LKB Biotechnology
のmanufactures.protocol(Pharmacia LKB Biotechnolog
y)に従い、ホストとして大腸菌Y1090R- を、ベク
ターとしてλgt11を用いて二重鎖cDNAを調製
し、ライブラリーを構築した。プローブとしてアミノ酸
配列KVYVMLHQKに相当するオリゴヌクレオチド
の混合物を用いたプラークハイブリダイゼイション法
(6)により、cDNAライブラリーよりの目的のcD
NAのスクリーニングを行なった。ハイブリダイゼーシ
ョンは50℃で行なった(7)。陽性クローンを単一化
し、その挿入ブタsp38cDNA断片をM13mp1
8、M13mp19あるいはpUC19にサブクローニ
ングし、プラスミドpPSP38−13を得た。このプ
ラスミドからダイデオキシ法によりM13シークエンス
キット(東洋紡)あるいは7−deazaシークエンス
キット(宝酒造)を用いてDNA塩基配列を決定した
(8)。cDNAの塩基配列から演算されるアミノ酸配
列は図1に示される通りである。
【0045】ペプチドマッピングにより解析されたK7
1(Lys)からK79(Lys)のアミノ酸配列をコ
ードするオリゴヌクレオチドの混合物をプローブとし
て、オスブタ精巣poly(A)+ RNAに関してノー
ザンプロット解析を行なった。その結果、完全なオープ
ンリーディングルームを含む完全長のメッセンジャーは
約1400塩基対であることが分かった。疎水性領域の
解析をKyte and Doolittle法を用いて行なった結果、N
末の領域(アミノ酸残基21〜37)のみが疎水性の高
い領域であることが分かった。von Heijine の開発した
シグナル配列切断部位予想法によると、もっともそれら
しい切断部位はA39(Ala)とP40(Pro)の
間であった。cDNAより推測されたアミノ酸配列より
計算した分子量は39KDa、シグナル配列を除いた分
子量は35KDaだった。N末のアミノ酸配列解析の結
果はS52(Ser)からはじまっていた。S52(S
er)からL350(Leu)までのポリペプチドの分
子量は34KDaと計算された。これは精巣上体由来の
sp38をN‐グリカナーゼでN結合型糖鎖を切断し、
SDS−PAGEにかけたもの(分子量34KDa、図
13)と一致している。N113(Asn)、N186
(Asn)およびN339(Asn)がアスパラギン結
合型糖鎖結合可能部位あった。sp38に関してNBR
F中の既知のアミノ酸配列と重要なホモロジーは見いだ
されなかった。
【0046】実施例4−2.大腸菌におけるsp38c
DNAの発現、及び発現されたsp38融合蛋白質に対
する抗体の作成 sp38蛋白質のS65(Ser)からL350(Le
u)までをコードするsp38のcDNAのSauIII
AI制限酵素消化断片を、バクテリオファージT7プロ
モーター発現プラスミドpGEMEX−1(プロメガ)
(9)のBamHI制限酵素部位に挿入し、ブタsp3
8蛋白質発現ベクターpGEMX/PSD38を得た。
このプラスミドで大腸菌を形質転換し、IPTGにより
発現の誘導を行なった。発現したsp38とT7gen
e10の融合蛋白とZPとの結合性は、ビオチン化ZP
をプローブとしたウェスタンブロット解析により確認さ
れた(図14)。SDS−PAGEによって精製したs
p38融合蛋白に対するポリクローナル抗体を、Freund
s complete adjuvant(Gibco.NY)を用いて免疫したNew
Zealand white ウサギより調製した。IgG画分をプロ
ティンGセファロースカラムにより精製した後、更に抗
原特異的抗体をPVDF膜に固定したブタ精子sp38
抗原を用いて精製した(10)。このようにして得られ
た抗体は精巣上体精子より精製したsp38と反応する
(図15;レーン1)。これによってsp38(の融合
蛋白質)が大腸菌にて発現されていることが確認され
た。
【0047】実施例4−3.ウェスタンブロット解析 精巣上体尾部より得られた精子を直接SDS−PAGE
にかけ、精製した抗ブタsp38融合蛋白質ウサギ抗体
を用いて染色されるバンドを調べた。図15のレーン2
に示す様にHPLCより精製したsp38と同様のサイ
ズを示す38KDaのバンドが得られた。このことは、
精巣上体の精子においてsp38は38KDa型として
発現されていること、および、蛋白質のN末端P40
(Pro)からR51(Arg)までのproteolytic な
切断は蛋白質精製中に起こる人工的なものでなく蛋白質
のマチュレイションによるものであることを示してい
る。
【0048】実施例4−4.ノーザンブロット解析 オスブタの精巣、肝臓、腎臓および脾臓由来のトータル
RNAよりオリデオキシTカラム(Pharmacia LKB Biot
echnology)を用いて各臓器のpoly(A)+RNAを
調製した。poly(A)+ RNAはglyoxal で変性後
(10)、1.2%のアガロースゲルに電気泳動し、Ge
neScreen Plus TM膜に転写した。プローブとして上記と
同様のオリゴヌクレオチド混合物を用いてハイブリダイ
ゼーション(7)を行なった。その結果、sp38のm
RNAは精巣でのみ強く発現されていた(図16;レー
ン1)。
【0049】実施例5.精子細胞の免疫染色 精巣上体尾部から回収したオスブタ精子に受精能獲得さ
せた(12)。一部の精子は先体反応を誘導するために
カルシウムイオノホアー(A23187:Sigma 社)を
終濃度5μMになるように添加し、37℃にてCO
ンキュベーターに30分、あるいは60分間静置した。
これらの精子をPBSで洗浄し、精子溶液を20分間か
けて1%パラホルムアルデヒド含有PBSで固定した。
精子懸濁液を0.5mlのFCSに上層し、遠心操作を
行なった。FCS中で遠心沈降した精子を数回PBSで
洗浄した後、非特異的染色を避けるために2%FCS含
有PBSで、4℃オーバーナイトプレインキュベートし
た。また、抗原特異的に精製した抗sp38融合蛋白質
ウサギ抗体あるいは感作していないウサギIgGを2%
BSA−PBSで10μg/mlに希釈して加え、1時
間37℃にてインキュベートした。この精子懸濁液を
0.5mlのFCSに上層し遠心した。遠心沈降した精
子をPBSで洗浄した後、2%BSA−PBSで200
倍に希釈したペルオキシダーゼ標識されたヤギ抗ウサギ
IgGF(ab′)(cappel)で1時間37℃
にてインキュベートし、その後FCSに上層し、遠心し
た。FCS中で遠心沈降した精子を何段階かにわけPB
Sで洗浄後、3,3′‐ジアミノベンチジンテトラクロ
ライドを用いて発色させ、光学顕微鏡下で観察した。ま
た、受精能獲得操作後の精子にメタノールで透過処理を
行ない、同様に免疫染色を施したものについても鏡見し
た。抗sp38融合蛋白抗体を用いた場合、図17Aに
示されるように、先体反応前精子にはいずれの部分にも
陽性染色は見られなかった。カルシウムイオノホアーを
加えて30分後には典型的な染色パターンとして前頭部
において強い染色が見られた(図17B)。60分後に
は、赤道部において多少の染色を残しながらも強い発色
はほとんどの精子細胞から衰微していった。精子細胞を
メタノールによって透過生処理を行なった際にはカルシ
ウムイオノホアーを加える前でも前頭部において陽性染
色パターンが得られた(図17C)。一方非感作ウサギ
IgGを用いた場合は、いずれの操作を施した精子も全
く染色されなかった。これらの結果は、sp38は先体
内蛋白質として存在し、先体反応の誘導に伴なって表面
に発現してくることを示している。
【0050】実施例6−1.ZPとの結合に関与するs
p38のアミノ酸配列の特定化 ZP結合特性の類似性にもかかわらずプロアクロシンの
アミノ酸配列とsp38のcDNA塩基配列から推定さ
れるアミノ酸配列の間には重要なホモロジーは見いださ
れなかった。しかし、短いアミノ酸配列に関して考慮し
てみると部分的ホモロジーがsp38の256から26
6番目のアミノ酸配列に相当するKRLSKAKNLI
(K256−E266残基)とプロアクロシンの36
5から372番目のアミノ酸配列に相当するKRLQQ
LIE(K365−E372残基)の間で観察された。
このプロアクロシンの塩基配列の中のK365(Ly
s)とR366(Arg)との間のペプチド結合はプロ
アクロシンからアクロシンへのマチュレイションの際切
断されることは報告されているとおりである(7)。プ
ロアクロシンからアクロシンへの変換の際、これらへの
ZPの結合活性を固相結合アッセイを用いて評価した結
果、図18に示されるように、pH8でインキュベート
している間に自己活性化機構によってプロアクロシンか
ら成熟アクロシンへ変化していく過程において、ZPの
プロアクロシンへの結合は時間依存的に減少した。この
結果は、前述のようなsp38と部分的にホモロジーの
あるプロアクロシンのアミノ酸配列の中に、ZP結合活
性に関与している配列が含まれている可能性を示唆して
いる。
【0051】実施例6−2.sp38、プロアクロシン
の各合成ペプチドフラグメントの固相結合アッセイ この可能性を調べるために次の表1に示すsp38とプ
ロアクロシンの部分アミノ酸配列をそれぞれ合成し、こ
の合成ペプチドフラグメントのZP結合活性、並びにs
p38とZP蛋白質との結合に対する阻害活性を固相結
合アッセイによって調べた。
【0052】 表 1 合成ペプチドのアミノ酸配列 ESSKRLSKAKNLIERFFC: sp38の253番Eから269番FにCを付加 SFAKRL QQ LIEALKC: プロアクロシンの362番Sから375番KにC を付加
【0053】その結果、ELISAプレートのウエル上
に固定化したプロアクロシンの合成ペプチドフラグメン
ト、sp38の合成ペプチドフラグメントのいずれも、
ビオチンで標識されたZP蛋白質と結合した。また、こ
れらの合成ペプチドフラグメントの阻害活性は、ZP糖
蛋白質(50μg/ml)をELISAプレートに固定
化し、様々の濃度の合成ペプチドフラグメント存在下、
125I標識sp38(5×10cpm/ml)のZP
蛋白質への結合を調べることによって測定した。その結
果、どのペプチドフラグメントもELISAのプレート
上に固定化されたZP蛋白質への 125I標識sp38の
結合を阻害した(図19)。これらの結果は、プロアク
ロシンのK365−E372のみでなくsp38のK2
56−E266のアミノ酸配列がこれら2つの蛋白のZ
P蛋白質への結合に関与していることを示唆している。
【0054】実施例6−3.sp38、プロアクロシン
の各合成ペプチドフラグメントに対する抗体の作成 表1に示すsp38及びプロアクロシンの部分アミノ酸
配列を有する各合成ペプチドフラグメントは、C末端に
付加したシスティン残基を介してブタ由来チログロブリ
ンに結合させた。これをFreunds complete adjuvant を
用いて家兎に免疫した。抗体価の上昇は、表1に示され
る各合成ペプチドを高吸着性ELISAプレートに吸着
させたものを用いてELISA法にて確認した。IgG
画分の精製はプロティンGセファロースカラムより行な
い、更に特異抗体を、PVDF膜に固定したブタ精子s
p38抗原、あるいはプロアクロシン抗原を用いて精製
した(10)。
【0055】実施例7.精子‐卵結合アッセイ 各々抗原特異的に精製した抗ブタsp38融合蛋白質ウ
サギ血清(抗体I)、表1に示されるsp38の部分ア
ミノ酸配列を持つペプチドフラグメントに対するウサギ
抗体(抗体II)、及び、表1に示されるプロアクロシン
の部分アミノ酸配列を持つペプチドフラグメントに対す
るウサギ抗体(抗体III)それぞれについて、その精子‐
卵結合に対する阻害効果を、非感作ウサギIgGと比較
して次の方法で調べた。ブタ精子を精巣上体尾部から回
収し、改変したKrebs-Ringer-bicarbonate溶液(m−K
RB)で受精能力を与えた(12)。一方、ブタ卵巣卵
は高塩保存溶液に保存し(13)、使用前にm−KRB
の数段階のステップを経て脱塩した。m−KRBで30
μg/mlに希釈した各抗体50μlを受精能力を与え
た精子の懸濁液(5×10個/ml)50μlに加
え、その後10個から20個の卵を加え、60分間37
℃にてCOインキュベータの中に静置した。インキュ
ベーション後、結合されなかった精子をパイペットを用
いて前後に数回パイペッティングすることによって洗浄
除去した。卵のZP蛋白質に結合した精子の個数を顕微
鏡下で数えた。まず、抗体I、抗体II、抗体III および
非感作ウサギIgG画分の添加が実験に用いられた濃度
(最終濃度で15μg/ml)ではこの状態の精子の運
動性に影響を与えないだけではなく、精子の凝集も引き
起こさないことを確認した。非感作IgG画分を添加し
たところ、各々の卵に対して50以上の精子細胞が結合
した(図20、a)がそれに対し、抗体Iを添加した場
合には、卵に対して精子の結合がほとんど認められなか
った(図20,b)。抗体II、III についても、同様に
強い結合阻害効果が見られた。これらの結果をまとめて
表2に示す。
【0056】 表 2 抗体による精子‐卵結合の阻害 抗 体(15μg/ml) 精子/卵細胞 非感作ウサギIgG >50 (13)a) 抗体 I 1.6b)± 1.2c)(19) 抗体 II 2.7 ± 1.2 (13) 抗体 III 4.1 ± 2.2 (13) a) 観察した卵の数 b) 卵に結合した精子数の平均 c) 標準偏差
【0057】実施例8.精子の凝集試験 抗sp38融合蛋白質ウサギ抗体が先体反応を誘導した
精子に結合することが免疫染色法により示されたことか
ら、この抗体の精子に対する凝集活性を調べた。精子の
凝集試験は(14)の報告を若干改変したマイクロトレ
イテスト法を用いた。精巣上体尾部より回収したオスブ
タ精子に受精能力を与え、更にカルシウムイオノファア
で先体反応を誘導した後、これをPBSに3×10
mlになるように懸濁した。精製した抗sp38融合蛋
白質ウサギ抗体あるいは非感作IgGをPBSで様々な
濃度に希釈し、この溶液5μlを精子の懸濁液1μlに
添加し、パラフィンオイル被膜下37℃にてインキュベ
ートした。60分後、プレートを位相差顕微鏡で観察
し、凝集の有無を調べた。結果は、表3に示される通り
である。
【0058】 表 3 sp38抗体による先体反応精子の凝集 抗体の希釈度 1(20μg/ml) 1/2 1/4 1/8 1/16 1/32 1/64 sp38 +++ +++ +++ +++ ++ + - 非感作IgG + - - - - - - +++) 100−90%の精子が凝集。 ++) 90−70%の精子が凝集。 +) 70−50%の精子が凝集。 -) 50%未満の精子が凝集。
【0059】表3に示される最終濃度2.5μg/ml
以上のように、抗sp38融合蛋白質抗体で90%以上
の精子の凝集が起こった。これに比べ同濃度の非感作I
gGの場合は明らかに凝集が弱かった。
【0060】 実施例9−1.ヒトsp38cDNAのクローニング ヒトsp38のクローニングは、ホストとして大腸菌Y
1090R- を、ベクターとしてλgt11を用いたヒ
ト精巣由来cDNAライブラリー(クローンテック社)
から、ブタsp38cDNAクローニングプラスミドp
PSP38−13のN末側の翻訳領域を含むEcoRI
断片(1030bP)をプローブとし、プラークハイプ
リダイゼイション法を用いて行なった。ハイプリダイゼ
ーションは60℃にて行ない、陽性クローンを単一化
し、そのヒトsp38cDNA挿入断片をpUC19に
サブクローニングして、プラスミドpHSP38−4を
得た。
【0061】実施例9−2.ヒトsp38cDNAの大
腸菌における発現 ヒトsp38cDNAを大腸菌発現ベクターpGEX−
3T (Pharmacia LKBBiotechnology)を用いてグルタチ
オンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質
として発現させた。制限酵素部位BamHIおよびHi
ndIIIを負荷したcDNA断片を得るために、成熟
蛋白質のN末端と思われる52残基目からのペプチドA
FRLTK及びC末端GAKTCLをそれぞれ含むDN
A部位に、各々BamHIおよびHindIII制限酵
素部位を付加したプライマー5′−ATAGGATCC
GCTTTTCGCTTGACCAAAG−3′と5′
−AATAAGCTTTTATAAGCACGTTTT
TGCTCC−3′を用いてpHHSP38−4を鋳型
にPCRを行なった。なおPCRはGeneAmp (商品名)
PCRSystem9600(PERKINELMERCETUS 社)を用い、94
℃1分間、58℃5秒間、72℃2分間で22サイクル
の条件下で行なった。得られたPCR産物をBamHI
およびHindIIIにて切断し、pGEX−3TのB
amHIおよびHindIII部位に挿入し、ヒトsp
38とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合蛋
白質発現ベクターpGEX/HSP38を得た。このp
GEX/HSP38で大腸菌DH5形質転換し、IPT
Gにより発現の誘導を行なった。形質転換体DH5のS
DS−PAGEパターンを図21として示す。図21に
おいてレーン1は発現誘導前であり、レーン2は発現後
についてである。更にこの融合蛋白質の発現は、抗原特
異的に精製した抗ブタsp38融合蛋白抗体がヒトsp
38融合蛋白と交叉反応性を示すことにより確認され
た。図15、レーン4,5は各々ヒトsp38融合蛋白
質発現、非発現の大腸菌を可溶化しウェスタンブロット
解析を行なったもので、レーン4に示されるヒトsp3
8融合蛋白質のみがこの抗体と交叉反応性を示した。
【0062】参考文献 1 Topfer-Pertersen,E.,and Henschen,A.(1988) Bio
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1-29。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブタsp38のアミノ酸配列である。
【図2】ブタsp38をコードするDNA配列であっ
て、15−1067番のコーディング領域を含む。
【図3】ヒトsp38のアミノ酸配列である。
【図4】ヒトsp38をコードするDNA配列であっ
て、37−1092番のコーディング領域を含む。
【図5】ブタ精巣上体尾部の精子の蛋白質成分のHPL
C分析結果およびその画分蛋白質のZP結合活性を表す
図である。
【図6】ZP結合活性を有する画分の逆相HPLC分析
結果およびその画分のZP結合活性を示す図であって、
ZP結合活性について明確な2つのピークaおよびbが
観察された。
【図7】図6の溶出フラクション番号14〜24につい
てのSDSポリアクリルアミド電気泳動図(SDS−P
AGE)の結果を示す写真である。
【図8】ウェスタンブロッティング解析結果を示す写真
であって、レーン1および2:ZP結合蛋白質画分(ピ
ークb)とZP蛋白質との結果、レーン3:フラクショ
ン15(55kDaおよび53kDa蛋白質)と抗ブタ
精子プロアクロシン抗体との結果、レーン4:ZP結合
蛋白質画分(ピークb)と抗ブタ精子プロアクロシン抗
体とについての結果である。
【図9】sp38の酵素消化によって得られたペプチド
断片の逆相HPLC分析結果およびそのペプチド断片の
アミノ酸配列を示す図である。
【図10】ビオチン化ZP蛋白質を逆相HPLCで90
kDa、55kDaαおよび55kDaβの各コンポー
ネントに分離した結果を示す図であって、sp38、プ
ロアクロシンいずれにも結合活性を有する画分が得られ
たことを示している。
【図11】図10の溶出フラクション番号19〜24の
SDS−PAGEの結果を表す写真であって、sp3
8、プロアクロシンがいずれも90kDaのZP蛋白質
の同じ結合部位に結合していることを示唆する。
【図12】プロアクロシンとsp38の拮抗阻害実験結
果を示す図であって、●−●はsp38についてであ
り、○−○はプロアクロシンについてである。
【図13】sp38のN−グリカナーゼ消化物のSDS
−PAGEの結果を示す写真であって、レーン1は消化
後であり、レーン2は消化前を示す。
【図14】sp38およびT7gene10の融合蛋白
質のSDS−PAGEの結果を示す写真(レーン1:C
BB染色)、および、ビオチン化ZP蛋白質をプローブ
としたウェスタンブロット解析(レーン2)の結果を示
す写真である。
【図15】ブタsp38融合蛋白質抗体を用いたウェス
タンブロット解析の結果を示す写真であって、レーン
1:精製したsp38、レーン2:ブタ精子細胞、レー
ン3:ブタsp38とT7gene10の融合蛋白質を
発現させた大腸菌、レーン4:ヒトsp38とGSTの
融合蛋白質を発現させた大腸菌、レーン5:コントロー
ルとしての大腸菌である。
【図16】ノーザンブロット解析結果を示す写真であっ
て、レーン1〜4はそれぞれオスブタの精巣、肝臓、腎
臓または脾臓由来のpoly(A)RNAである。
【図17】精子細胞の免疫染色結果を示す写真であっ
て、A:先体反応誘導前の精子、B:先体反応誘導後の
精子、および、C:先体反応誘導前にメタノール透過処
理を施した精子である。
【図18】プロアクロシンからアクロシンへの成熟に伴
うZP結合活性の減少を示す図である。
【図19】表1に記載の部分アミノ酸配列を有する合成
ペプチドのsp38とZP蛋白質との結合の阻害を示す
図であって、●−●はsp38の部分ペプチドの場合
を、○−○はプロアクロシンの部分ペプチドの場合を示
す。
【図20】抗体による精子−卵結合の阻害の様子を示す
写真であって、a:非感作IgGの存在下における卵細
胞の様子であり、多数の精子細胞の結合が観察され、
b:抗sp38融合蛋白質抗体の存在下における卵細胞
の様子であり、この場合精子細胞の結合が観察されな
い。
【図21】形質転換体DH5のSDS−PAGEの結果
を示す図であって、レーン1は発現前を、レーン2は発
現後を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 5/00 A 5/10 15/00 A 15/09 A61K 37/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/47 C07K 16/18 A61P 15/18 A61K 38/00 - 38/02 BIOSIS(DIALOG) SwissProt/PIR/GeneS eq

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】図1に記載のアミノ酸配列の一部または全
    部を含んでなるペプチドであって、図1の256番から266番の配列を少なくとも含んで
    なり、かつ、 ZP蛋白質への結合活性、および/または、精子とZP
    蛋白質との結合を阻止する抗体を生体内で産生し得る抗
    原性を有する、ペプチド。
  2. 【請求項2】図3に記載のアミノ酸配列の一部または全
    部を含んでなるペプチドであって、図3の257番から267番の配列を少なくとも含んで
    なり、かつ、 ZP蛋白質への結合活性、および/または、精子とZP
    蛋白質との結合を阻止する抗体を生体内で産生し得る抗
    原性を有する、ペプチド。
  3. 【請求項3】図1の256番から266番の配列を有す
    る、請求項1に記載のペプチド。
  4. 【請求項4】図3の257番から267番の配列を有す
    る、請求項2に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のペプチドをコードする塩
    基配列を含んでなる、DNA配列。
  6. 【請求項6】請求項2に記載のペプチドをコードする塩
    基配列を含んでなる、DNA配列。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載のDNA配列を含
    んでなる、発現ベクター。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の発現ベクターによって形
    質転換された、原核生物または真核生物宿主細胞。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の宿主細胞を培養し、その
    培養物から請求項1または2に記載のペプチドを単離す
    ることを含んでなる、請求項1または2に記載のペプチ
    ドの製造法。
  10. 【請求項10】請求項1〜4のいずれか一項に記載のペ
    プチドと、薬学的に許容される担体とを含んでなる、避
    妊ワクチン。
  11. 【請求項11】請求項1〜4のいずれか一項に記載のペ
    プチドに対する、抗体。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の抗体と、薬学的に許
    容される担体とを含んでなる、避妊薬。
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