JP3536727B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3536727B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関においては機関の低速低
負荷運転時、特に機関の暖機運転時には燃焼室内の温度
が低くなり、その結果多量の未燃HCが発生する。そこ
で機関排気通路内に排気制御弁を配置し、機関低速低負
荷運転時に排気制御弁を閉弁すると共に燃料噴射量を大
巾に増量することにより燃焼室内の温度を高めて噴射燃
料を燃焼室内で完全燃焼させ、それによって未燃HCの
発生量を抑制するようにしたディーゼル機関が公知であ
る(特開昭49−80414号公報参照)。
【0003】また、機関排気通路内に排気浄化用触媒を
配置した場合には触媒温度が十分に高くならないと触媒
による良好な排気浄化作用は行われない。そこで機関の
出力を発生させるための主燃料の噴射に加え副燃料を膨
張行程中に噴射し、副燃料を燃焼させることにより排気
ガス温を上昇させ、それによって触媒の温度を上昇させ
るようにした内燃機関が公知である(特開平8−303
290号公報および特開平10−212995号公報参
照)。
【0004】また、従来より未燃HCを吸着しうる触媒
が知られている。この触媒は周囲の圧力が高くなればな
るほど未燃HCの吸着量が増大し、周囲の圧力が低くな
ると吸着した未燃HCを放出する性質を有する。そこで
この性質を利用して触媒から放出された未燃HCにより
NOx を還元するために、機関排気通路内にこの触媒を
配置すると共に触媒下流の機関排気通路内に排気制御弁
を配置し、NOx の発生量の少ない機関低速低負荷運転
時には機関出力の発生のための主燃料に加え少量の副燃
料を膨張行程中又は排気行程中に噴射して多量の未燃H
Cを燃焼室から排出させ、更にこのとき機関の出力低下
が許容範囲内に納まるように排気制御弁を比較的に小さ
な開度まで閉弁することにより排気通路内の圧力を高め
て燃焼室から排出される多量の未燃HCを触媒内に吸着
させ、NOx の発生量の多い機関高速又は高負荷運転時
には排気制御弁を全開にして排気通路内の圧力を低下さ
せ、このとき触媒から放出される未燃HCによってNO
x を還元するようにした内燃機関が公知である(特開平
10−238336号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、現在ディーゼル
機関はもとより火花点火式内燃機関においても機関低負
荷運転時、特に機関の暖機運転時に発生する未燃HCの
量をいかにして低減するかが大きな問題となっている。
そこで本発明者はこの問題を解決すべく実験研究を行
い、その結果機関の暖機運転時等において大気中に排出
される未燃HCの量を大巾に低減するためには燃焼室内
における未燃HCの発生量を低減しかつ同時に排気通路
内における未燃HCの低減量を増大しなければならない
ことが判明したのである。
【0006】具体的に言うと、膨張行程中又は排気行程
中に燃焼室内に副燃料を追加噴射してこの副燃料を燃焼
させ、機関排気ポートの出口からかなり距離を隔てた機
関排気通路内に排気制御弁を設けてこの排気制御弁をほ
ぼ全閉させると、これら副燃料の燃焼と排気制御弁によ
る排気絞り作用との相乗効果によって燃焼室内における
未燃HCの発生量が低減すると共に排気通路内における
未燃HCの低減量が増大し、斯くして大気中に排出され
る未燃HCの量を大巾に低減しうることが判明したので
ある。
【0007】もう少し詳しく言うと、副燃料が噴射され
ると副燃料自身が燃焼せしめられるばかりでなく主燃料
の燃え残りである未燃HCが燃焼室内で燃焼せしめられ
る。従って燃焼室内で発生する未燃HCの量が大巾に低
減するばかりでなく、主燃料の燃え残りである未燃HC
および副燃料が燃焼せしめられるので既燃ガス温がかな
り高温となる。
【0008】一方、排気制御弁がほぼ全閉せしめられる
と機関の排気ポートから排気制御弁に到る排気通路内の
圧力、即ち背圧がかなり高くなる。背圧が高いというこ
とは燃焼室内から排出された排気ガス温がさほど低下し
ないことを意味しており、従って排気ポート内における
排気ガス温はかなり高温となっている。一方、背圧が高
いということは排気ポート内に排出された排気ガスの流
速が遅いことを意味しており、従って排気ガスは高温の
状態で排気制御弁上流の排気通路内に長時間に亘って滞
留することになる。この間に排気ガス中に含まれる未燃
HCが酸化せしめられ、斯くして大気中に排出される未
燃HCの量が大巾に低減されることになる。
【0009】この場合、もし副燃料を噴射しなかった場
合には主燃料の燃え残りの未燃HCがそのまま残存する
ために燃焼室内において多量の未燃HCが発生する。ま
た副燃料を噴射しなかった場合には燃焼室内の既燃ガス
温がさほど高くならないためにこのときたとえ排気制御
弁をほぼ全閉させても排気制御弁上流の排気通路内での
未燃HCの十分な酸化作用は期待できない。従ってこの
ときには多量の未燃HCが大気中に排出されることにな
る。
【0010】一方、排気制御弁による排気絞り作用を行
わない場合でも副燃料を噴射すれば燃焼室内で発生する
未燃HCの発生量は低減し、燃焼室内の既燃ガス温は高
くなる。しかしながら排気制御弁による排気絞り作用を
行わない場合には燃焼室から排気ガスが排出されるや否
や排気ガス圧はただちに低下し、斯くして排気ガス温は
ただちに低下する。従ってこの場合には排気通路内にお
ける未燃HCの酸化作用はほとんど期待できず、斯くし
てこのときにも多量の未燃HCが大気中に排出されるこ
とになる。
【0011】即ち、大気中に排出される未燃HCの量を
大巾に低減するためには副燃料を噴射しかつ同時に排気
制御弁をほぼ全閉にしなければならないことになる。前
述の特開昭49−80414号公報に記載されたディー
ゼル機関では副燃料が噴射されず、主燃料の噴射量が大
巾に増大せしめられるので排気ガス温は上昇するが極め
て多量の未燃HCが燃焼室内で発生する。このように燃
焼室内において極めて多量の未燃HCが発生するとたと
え排気通路内において未燃HCの酸化作用が行われたと
しても一部の未燃HCしか酸化されないので多量の未燃
HCが大気中に排出されることになる。
【0012】一方、前述の特開平8−303290号公
報又は特開平10−212995号公報に記載された内
燃機関では排気制御弁による排気絞り作用が行われてい
ないので排気通路内における未燃HCの酸化作用はほと
んど期待できない。従ってこの内燃機関においても多量
の未燃HCが大気中に排出されることになる。また前述
の特開平10−238336号公報に記載された内燃機
関では機関の出力低下が許容範囲内に納まるように排気
制御弁が比較的小さな開度まで閉弁せしめられる。しか
しながら機関の出力低下が許容範囲内に納まる程度の排
気制御弁の閉弁量では背圧はそれほど高くなっていな
い。
【0013】また、この内燃機関では触媒に吸着すべき
未燃HCを発生させるために少量の副燃料が膨張行程中
又は排気行程中に噴射される。この場合、副燃料が良好
に燃焼せしめられれば未燃HCが発生しなくなるのでこ
の内燃機関では副燃料が良好に燃焼しないように副燃料
の噴射制御を行っているものと考えられる。従ってこの
内燃機関では少量の副燃料が既燃ガス温の温度上昇には
さほど寄与していないものと考えられる。
【0014】このようにこの内燃機関では多量の未燃H
Cが燃焼室内において発生せしめられ、しかも背圧はそ
れほど高くならず既燃ガス温もさほど温度上昇しないと
考えられるので排気通路内においても未燃HCはさほど
酸化されないものと考えられる。この内燃機関ではでき
るだけ多量の未燃HCを触媒に吸着させることを目的と
しており、従ってこのように考えるのが理にかなってい
ると言える。
【0015】ところで前述したように大気中に排出され
る未燃HCの量を大巾に低減するためには副燃料を噴射
しかつ同時に排気制御弁をほぼ全閉にしなければならな
い。しかしながら機関の要求負荷が高くなったときに排
気制御弁をほぼ全閉状態に維持しておくと機関出力が低
下してしまい、従って機関の要求負荷が高くなったとき
には排気制御弁を開弁させる必要がある。
【0016】ところがこの場合、排気制御弁を全開させ
ると機関の発生トルクの低下は阻止されるが排気通路内
における未燃HCの酸化反応は進まず、従って大気中に
排出される未燃HCの量が増大することになる。従って
機関の要求負荷が高くなったときに排気制御弁を全開さ
せることは好ましいことではない。本発明の目的は、機
関の要求負荷を代表する代表値が高くなったときには代
表値が高くなるにつれて排気制御弁の開度を大きくする
ことによって機関の発生トルクの低下を抑制しつつ大気
中への未燃HCの排出を抑制するようにした内燃機関の
排気浄化装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に1番目の発明では、機関排気ポートの出口に接続され
た排気通路内に排気ポートの出口から予め定められた距
離を隔てて排気制御弁を配置し、機関始動後予め定めら
れた期間が経過するまでの間において要求負荷を代表す
る代表値が予め定められた値よりも低いときには排気制
御弁をほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するため
に燃焼室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼
させることに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程
中又は排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追
加噴射し、機関始動後予め定められた期間が経過するま
での間において代表値が予め定められた値よりも高くな
ったときには代表値が大きくなるにつれて排気制御弁の
開度を大きくするようにしている。
【0018】2番目の発明では1番目の発明において、
排気制御弁がほぼ全閉せしめられたときには同一の機関
運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合の
機関の発生トルクに近づくように同一の機関運転状態の
もとで排気制御弁が全開せしめられた場合に比べて主燃
料の噴射量を増量させるようにしている。3番目の発明
では2番目の発明において、機関始動後予め定められた
期間が経過するまでの間では排気制御弁の開度が大きく
なるにつれて主燃料の噴射量の増量値を減少させるよう
にしている。
【0019】4番目の発明では1番目の発明において、
機関始動後予め定められた期間が経過するまでの間では
排気制御弁の開度が大きくなるにつれて副燃料の噴射量
を減少させるようにしている。5番目の発明では1番目
の発明において、機関始動後予め定められた期間が経過
した後では要求負荷が設定負荷よりも低いときに排気制
御弁をほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するため
に燃焼室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼
させることに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程
中又は排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追
加噴射し、機関始動後予め定められた期間が経過した後
では要求負荷が設定負荷よりも高くなったときに排気制
御弁を全開するようにしている。
【0020】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明を成層燃
焼式内燃機関に適用した場合を示している。しかしなが
ら本発明は均一リーン空燃比のもとで燃焼が行われる火
花点火式内燃機関、および空気過剰のもとで燃焼が行わ
れるディーゼル機関にも適用することができる。
【0021】図1を参照すると、1は機関本体を示し、
機関本体1は1番気筒#1、2番気筒#2、3番気筒#
3および4番気筒#4からなる4つの気筒を有する。図
2は各気筒#1,#2,#3,#4の側面断面図を示し
ている。図2を参照すると、2はシリンダブロック、3
はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6はシ
リンダヘッド3の内壁面周縁部に配置された燃料噴射
弁、7はシリンダヘッド3の内壁面中央部に配置された
点火栓、8は吸気弁、9は吸気ポート、10は排気弁、
11は排気ポートを夫々示す。
【0022】図1および図2を参照すると、吸気ポート
9は対応する吸気枝管12を介してサージタンク13に
連結され、サージタンク13は吸気ダクト14およびエ
アフローメータ15を介してエアクリーナ16に連結さ
れる。吸気ダクト14内にはステップモータ17により
駆動されるスロットル弁18が配置される。一方、図1
に示される実施例では点火順序が1−3−4−2とされ
ており、図1に示されるように点火順序が一つおきの気
筒#1,#4の排気ポート11は共通の第1の排気マニ
ホルド19に連結され、点火順序が一つおきの残りの気
筒#2,#3の排気ポート11は共通の第2の排気マニ
ホルド20に連結される。これら第1の排気マニホルド
19と第2の排気マニホルド20は共通の排気管21に
連結され、排気管21は更に別の排気管22に連結され
る。排気管22内には負圧ダイヤフラム装置又は電気モ
ータからなるアクチュエータ23により駆動される排気
制御弁24が配置される。
【0023】図1に示されるように排気管21とサージ
タンク13とは排気ガス再循環(以下EGRと称す)通
路25を介して互いに連結され、EGR通路25内には
電気制御式EGR制御弁26が配置される。燃料噴射弁
6は共通の燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に
連結される。このコモンレール27内へは燃料タンク2
8内の燃料が電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ29
を介して供給され、コモンレール27内に供給された燃
料が各燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27に
はコモンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧
センサ30が取付けられ、燃料圧センサ30の出力信号
に基づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧と
なるように燃料ポンプ29の吐出量が制御される。
【0024】電子制御ユニット40はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス41によって互いに接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッ
サ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備
する。エアフローメータ15は吸入空気量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧は対応するAD変換器4
7を介して入力ポート45に入力される。機関本体1に
は機関冷却水温を検出するための水温センサ31が取付
けられ、この水温センサ31の出力信号は対応するAD
変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に
入力ポート45には燃料圧センサ30の出力信号が対応
するAD変換器47を介して入力される。
【0025】また、アクセルペダル50にはアクセルペ
ダル50の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負
荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は
対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力
される。また、入力ポート45にはクランクシャフトが
例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクラン
ク角センサ52が接続される。一方、出力ポート46は
対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、点火栓
7、スロットル弁制御用ステップモータ17、排気制御
弁制御用アクチュエータ23、EGR制御弁26および
燃料ポンプ29に接続される。
【0026】図4は燃料噴射量Q1,Q2,Q(=Q1
+Q2 )、噴射開始時期θS1,θS2、噴射完了時期
θE1,θE2および燃焼室5内における平均空燃比A
/Fを示している。なお、図4において横軸Lはアクセ
ルペダル50の踏込み量、即ち要求負荷を示している。
図4からわかるように要求負荷LがL1 よりも低いとき
には圧縮工程末期のθS2からθE2の間において燃料
噴射Q2が行われる。このときには平均空燃比A/Fは
かなりリーンとなっている。要求負荷LがL1 とL2
間のときには吸気行程初期のθS1からθE1の間にお
いて第1回目の燃料噴射Q1が行われ、次いで圧縮行程
末期のθS2からθE2の間において第2回目の燃料噴
射Q2が行われる。このときには空燃比A/Fはリーン
となっている。要求負荷LがL2よりも大きいときには
吸気行程初期のθS1からθE1の間において燃料噴射
Q1が行われる。このときには要求負荷Lが低い領域で
は平均空燃比A/Fがリーンとされており、要求負荷L
が高くなると平均空燃比A/Fが理論空燃比とされ、要
求負荷Lが更に高くなると平均空燃比A/Fがリッチと
される。なお、圧縮行程末期にのみ燃料噴射Q2が行わ
れる運転領域、二回に亘って燃料噴射Q1およびQ2が
行われる運転領域および吸気行程初期にのみ燃料噴射Q
1が行われる運転領域は要求負荷Lのみにより定まるの
ではなく、実際には要求負荷Lおよび機関回転数により
定まる。
【0027】図2は要求負荷LがL1 (図4)よりも小
さいとき、即ち圧縮行程末期においてのみ燃料噴射Q2
が行われる場合を示している。図2に示されるようにピ
ストン4の頂面上にはキャビティ4aが形成されてお
り、要求負荷LがL1 よりも低いときには燃料噴射弁6
からキャビティ4aの底壁面に向けて圧縮行程末期に燃
料が噴射される。この燃料はキャビティ4aの周壁面に
より案内されて点火栓7に向かい、それによって点火栓
7の周りに混合気Gが形成される。次いでこの混合気G
は点火栓7により着火せしめられる。
【0028】一方、前述したように要求負荷LがL1
2 との間にあるときには二回に分けて燃料噴射が行わ
れる。この場合、吸気行程初期に行われる第1回目の燃
料噴射Q1によって燃焼室5内に稀薄混合気が形成され
る。次いで圧縮行程末期に行われる第2回目の燃料噴射
Q2によって点火栓7周りに最適な濃度の混合気が形成
される。この混合気が点火栓7により着火せしめられ、
この着火火炎によって稀薄混合気が燃焼せしめられる。
【0029】一方、要求負荷LがL2 よりも大きいとき
には図4に示されるように燃焼室5内にはリーン又は理
論空燃比又はリッチ空燃比の均一混合気が形成され、こ
の均一混合気が点火栓7により着火せしめられる。次に
図5を参照しつつまず初めに本発明による未燃HCの低
減方法について概略的に説明する。なお、図5において
横軸はクランク角を示しており、BTDCおよびATD
Cは夫々上死点前および上死点後を示している。
【0030】図5(A)は本発明による方法によって特
に未燃HCを低減する必要のない場合であって要求負荷
LがL1 よりも小さいときの燃料噴射時期を示してい
る。図5(A)に示されるようにこのときには圧縮行程
末期に主燃料Qmのみが噴射され、このとき排気制御弁
24は全開状態に保持されている。これに対し、本発明
による方法によって未燃HCを低減する必要がある場合
には排気制御弁24がほぼ全閉せしめられ、更に図5
(B)に示されるように機関出力を発生させるための主
燃料Qmの噴射に加え、膨張行程中に、図5(B)に示
される例では圧縮上死点後(ATDC)60°付近にお
いて副燃料Qaが追加噴射される。なおこの場合、主燃
料Qmの燃焼後、副燃料Qaを完全に燃焼せしめるのに
十分な酸素が燃焼室5内に残存するように主燃料Qmは
空気過剰のもとで燃焼せしめられる。また、図5(A)
と図5(B)とは機関負荷と機関回転数が同一であると
きの燃料噴射期間を示しており、従って機関負荷と機関
回転数が同一である場合には図5(B)に示される場合
の主燃料Qmの噴射量の方が図5(A)に示される場合
の主燃料Qmの噴射量に比べて増量せしめられている。
【0031】図6は機関排気通路の各位置における排気
ガス中の未燃HCの濃度(ppm )の一例を示している。
図6に示す例において黒三角は排気制御弁24を全開に
した状態で図5(A)に示す如く圧縮行程末期において
主燃料Qmを噴射した場合の排気ポート11出口におけ
る排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm )を示している。
この場合には排気ポート11出口における排気ガス中の
未燃HCの濃度は6000ppm 以上の極めて高い値とな
る。
【0032】一方、図6に示す例において黒丸および実
線は排気制御弁24をほぼ全閉とし、図5(B)に示さ
れるように主燃料Qmおよび副燃料Qaを噴射した場合
の排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm )を示している。
この場合には排気ポート11出口における排気ガス中の
未燃HCの濃度は2000ppm 以下となり、排気制御弁
24の付近においては排気ガス中の未燃HCの濃度は1
50ppm 程度まで減少する。従ってこの場合には大気中
に排出される未燃HCの量が大巾に低減せしめられるこ
とがわかる。
【0033】このように排気制御弁24上流の排気通路
内において未燃HCが減少するのは未燃HCの酸化反応
が促進されているからである。しかしながら図6の黒三
角で示されるように排気ポート11出口における未燃H
Cの量が多い場合、即ち燃焼室5内での未燃HCの発生
量が多い場合にはたとえ排気通路内における未燃HCの
酸化反応を促進しても大気中に排出される未燃HCの量
はさほど低減しない。即ち、排気通路内における未燃H
Cの酸化反応を促進することによって大気中に排出され
る未燃HCの量を大巾に低減しうるのは図6の黒丸で示
されるように排気ポート11出口における未燃HCの濃
度が低いとき、即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量が
少ないときである。
【0034】このように大気中に排出される未燃HCの
量を低減させるためには燃焼室5内での未燃HCの発生
量を低下させかつ排気通路内における未燃HCの酸化反
応を促進させるという二つの要求を同時に満たす必要が
ある。そこでまず初めに2番目の要求、即ち排気通路内
における未燃HCの酸化反応を促進させることから説明
する。
【0035】本発明によれば大気中に排出される未燃H
Cの量を低減すべきときには排気制御弁24がほぼ全閉
とされる。このように排気制御弁24がほぼ全閉にされ
ると排気ポート11内、排気マニホルド19,20内、
排気管21内、および排気制御弁24上流の排気管22
内の圧力、即ち背圧はかなり高くなる。背圧が高くなる
ということは燃焼室5内から排気ポート11内に排気ガ
スが排出されたときに排気ガスの圧力がさほど低下せ
ず、従って燃焼室5から排出される排気ガス温もさほど
低下しないことを意味している。従って排気ポート11
内に排出された排気ガス温はかなり高温に維持されてい
る。一方、背圧が高いということは排気ガスの密度が高
いことを意味しており、排気ガスの密度が高いというこ
とは排気ポート11から排気制御弁24に至る排気通路
内における排気ガスの流速が遅いことを意味している。
従って排気ポート11内に排出された排気ガスは高温の
もとで長時間に亘り排気制御弁24上流の排気通路内に
滞留することになる。
【0036】このように排気ガスが高温のもとで長時間
に亘り排気制御弁24上流の排気通路内に滞留せしめら
れるとその間に未燃HCの酸化反応が促進される。この
場合、本発明者による実験によると排気通路内における
未燃HCの酸化反応を促進するためには排気ポート11
出口における排気ガス温をほぼ750℃以上、好ましく
は800℃以上にする必要があることが判明している。
【0037】また、高温の排気ガスが排気制御弁24上
流の排気通路内に滞留している時間が長くなればなるほ
ど未燃HCの低減量は増大する。この滞留時間は排気制
御弁24の位置が排気ポート11出口から離れれば離れ
るほど長くなり、従って排気制御弁24は排気ポート1
1出口から未燃HCを十分に低減するのに必要な距離を
隔てて配置する必要がある。排気制御弁24を排気ポー
ト11出口から未燃HCを十分に低減するのに必要な距
離を隔てて配置すると図6の実線に示されるように未燃
HCの濃度は大巾に低減する。なお、本発明者による実
験によると未燃HCを十分に低減するためには排気ポー
ト11出口から排気制御弁24までの距離を1メートル
以上とすることが好ましいことが判明している。
【0038】ところで前述したように排気通路内におけ
る未燃HCの酸化反応を促進するためには排気ポート1
1出口における排気ガス温をほぼ750℃以上、好まし
くは800℃以上にする必要がある。また、大気中に排
出される未燃HCの量を低減するためには前述した1番
目の要求を満たさなければならない。即ち燃焼室5内で
の未燃HCの発生量を低下させる必要がある。そのため
に本発明では機関出力を発生するための主燃料Qmに加
え、主燃料Qmの噴射後に副燃料Qaを追加噴射して副
燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめるようにしている。
【0039】即ち、副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せし
めると副燃料Qaの燃焼時に主燃料Qmの燃え残りであ
る多量の未燃HCが燃焼せしめられる。また、この副燃
料Qaは高温ガス中に噴射されるので副燃料Qaは良好
に燃焼せしめられ、従って副燃料Qaの燃え残りである
未燃HCはさほど発生しなくなる。斯くして最終的に燃
焼室5内で発生する未燃HCの量はかなり少なくなる。
【0040】また、副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せし
めると主燃料Qm自身および副燃料Qa自身の燃焼によ
る発熱に加え、主燃料Qmの燃え残りである未燃HCの
燃焼熱が追加的に発生するので燃焼室5内の既燃ガスは
かなり高くなる。このように主燃料Qmに加え副燃料Q
aを追加噴射して副燃料Qaを燃焼させることにより燃
焼室5内で発生する未燃HCの量を低減しかつ排気ポー
ト11出口における排気ガス温を750℃以上、好まし
くは800℃以上にすることができる。
【0041】このように本発明では副燃料Qaを燃焼室
5内で燃焼せしめる必要があり、そのためには副燃料Q
aの燃焼時に燃焼室5内に十分な酸素が残存しているこ
とが必要であり、しかも噴射された副燃料Qaが燃焼室
5内で良好に燃焼せしめられる時期に副燃料Qaを噴射
する必要がある。そこで本発明では副燃料Qaの燃焼時
に燃焼室5内に十分な酸素が残存しうるように主燃料Q
mは空気過剰のもとで燃焼せしめられる。また、図2に
示される成層燃焼式内燃機関において噴射された副燃料
Qaが燃焼室5において良好に燃焼せしめられる噴射時
期は図5において矢印Zで示される圧縮上死点後(AT
DC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程であり、従
って図2に示される成層燃焼式内燃機関においては副燃
料Qaは圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ
90°の膨張行程において噴射される。なお、圧縮上死
点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程
において噴射された副燃料Qaは機関の出力の発生には
寄与しない。
【0042】ところで本発明者による実験によると図2
に示される成層燃焼式内燃機関では副燃料Qaが圧縮上
死点後(ATDC)60°付近において噴射されたとき
に大気中に排出される未燃HCの量は最も少なくなる。
従って本発明による実施例では図5(B)に示されるよ
うに副燃料Qaの噴射時期はほぼ圧縮上死点後(ATD
C)60°付近とされる。
【0043】副燃料Qaの最適な噴射時期は機関の型式
によって異なり、例えばディーゼル機関では副燃料Qa
の最適な噴射時期は膨張行程中か又は排気行程中とな
る。従って本発明では副燃料Qaの燃料噴射は膨張行程
中又は排気行程中に行われる。一方、燃焼室5内の既燃
ガス温は主燃料Qmの燃焼熱と副燃料Qaの燃焼熱の双
方の影響を受ける。即ち、燃焼室5内の既燃ガス温は主
燃料Qmの噴射量が増大するほど高くなり、副燃料Qa
の噴射量が増大するほど高くなる。更に、燃焼室5内の
既燃ガス温は背圧の影響を受ける。即ち、背圧が高くな
るほど燃焼室5から既燃ガスが流出しにくくなるために
燃焼室5内に残留する既燃ガス量が多くなり、斯くして
排気制御弁24がほぼ全閉せしめられると燃焼室5内の
既燃ガス温が上昇せしめられる。
【0044】ところで排気制御弁24がほぼ閉弁せしめ
られ、それによって背圧が高くなると機関の発生トルク
が最適な要求発生トルクに対して減少する。そこで本発
明による実施例では図5(B)に示されるように排気制
御弁24がほぼ全閉せしめられたときには図5(A)に
示されるように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁
24が全開せしめられた場合の機関の要求発生トルクに
近づくように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁2
4が全開せしめられた場合に比べて主燃料Qmの噴射量
が増量せしめられる。なお、本発明による実施例では排
気制御弁24がほぼ全閉せしめられたときにはそのとき
の機関の発生トルクが同一の機関運転状態のもとで排気
制御弁24が全開せしめられた場合の機関の要求発生ト
ルクに一致するように主燃料Qmが増量される。
【0045】図7は要求負荷Lに対して機関の要求発生
トルクを得るのに必要な主燃料Qmの変化を示してい
る。なお、図7において実線は排気制御弁24がほぼ全
閉せしめられた場合を示しており、破線は排気制御弁2
4が全開せしめられた場合を示している。一方、図8は
排気制御弁24をほぼ全閉せしめた場合において排気ポ
ート11出口における排気ガス温をほぼ750℃からほ
ぼ800℃にするのに必要な主燃料Qmと副燃料Qaの
関係を示している。前述したように主燃料Qmを増量し
ても燃焼室5内の既燃ガス温は高くなり、副燃料Qaを
増量しても燃焼室5内の既燃ガス温は高くなる。従って
排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃
からほぼ800℃にするのに必要な主燃料Qmと副燃料
Qaとの関係は図8に示されるように主燃料Qmを増大
すれば副燃料Qaは減少し、主燃料Qmを減少すれば副
燃料Qaは増大する関係となる。
【0046】ただし、主燃料Qmおよび副燃料Qaを同
一量増大した場合には副燃料Qaを増量した場合の方が
主燃料Qmを増量した場合に比べて燃焼室5内の温度上
昇量がはるかに大きくなる。従って燃料消費量の低減と
いう観点からみると副燃料Qaを増大させることによっ
て燃焼室5内の既燃ガス温を上昇させることが好ましい
と言える。
【0047】従って本発明による実施例では排気制御弁
24をほぼ全閉せしめたときに機関の発生トルクを要求
発生トルクまで上昇させるのに必要な分だけ主燃料Qm
を増量し、主として副燃料Qaの燃焼熱によって燃焼室
5内の既燃ガス温を上昇させるようにしている。このよ
うに排気制御弁24をほぼ全閉せしめ、排気ポート11
出口における排気ガスをほぼ750℃以上、好ましくは
ほぼ800℃以上とするのに必要な量の副燃料Qaを噴
射すると排気ポート11から排気制御弁24に至る排気
通路内において未燃HCの濃度を大巾に減少することが
できる。このとき排気ポート11から排気制御弁24に
至る排気通路内において図6に示されるように未燃HC
の濃度をほぼ150p.p.m 程度まで低下させるには排気
制御弁24上流の排気通路内の圧力をゲージ圧でもって
ほぼ80KPa 以上にする必要がある。このときの排気制
御弁24による排気通路断面積の閉鎖割合はほぼ95パ
ーセント以上である。
【0048】従って図1に示される実施例では大気中へ
の未燃ガスの排出量を大巾に低減すべきときには排気制
御弁24による排気通路断面積の閉鎖割合がほぼ95パ
ーセント以上となるように排気制御弁24がほぼ全閉せ
しめられる。なお、この場合、図3に示すように排気制
御弁24の弁体に貫通孔24aを穿設しておき、排気制
御弁24を完全に閉鎖することもできる。
【0049】排気ポート11から排気制御弁24に至る
排気通路内において未燃HCを600p.p.m から800
p.p.m 程度まで減少せしめれば十分な場合には排気制御
弁24上流の排気通路の圧力をゲージ圧でもってほぼ3
0KPa 程度とすれば十分であり、このときの排気制御弁
24による排気通路断面積の閉鎖割合はほぼ90パーセ
ントとなる。
【0050】内燃機関において多量の未燃HCが発生す
るのは燃焼室5内の温度が低いときである。燃焼室5内
の温度が低いときは機関の始動および暖機運転時、およ
び機関低負荷時であり、従って機関の始動および暖機運
転時、および機関低負荷時に多量の未燃HCが発生する
ことになる。このように燃焼室5内の温度が低いときに
はたとえ排気通路内に酸化機能を有する触媒を配置して
おいても触媒温度が低く触媒が活性化していないのでこ
のときに発生する多量の未燃HCを触媒により酸化させ
ることは困難である。
【0051】そこで本発明による実施例では機関の始動
および暖機運転時、および機関低負荷時には排気制御弁
24をほぼ全閉せしめ、主燃料Qmを増量すると共に副
燃料Qaを追加噴射し、それによって大気中に排出され
る未燃HCの量を大巾に低減せしめるようにしている。
図9は機関始動および暖機運転時における主燃料Qmの
変化の一例および排気制御弁24の開度を示している。
なお、図9において実線Xは排気制御弁24をほぼ全閉
にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示しており、
破線Yは排気制御弁24を全開にした場合の最適な主燃
料Qmの噴射量を示している。図9からわかるように機
関始動および暖機運転時には排気制御弁24がほぼ全閉
せしめられ、同一の機関運転状態のもとで排気制御弁2
4が全開せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射量
Yよりも主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめられ、更に
副燃料Qaが追加噴射される。
【0052】ところでこのように排気制御弁24がほぼ
全閉せしめられ、主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめら
れ、副燃料Qaが追加噴射されると機関の発生トルクが
落ち込むことなく大気中に排出される未燃HCの量を大
巾に低減することができる。ところが暖機運転中におい
て機関の要求負荷が高くなったときに排気制御弁24を
ほぼ全閉状態に保持しておくと機関の発生トルクが要求
値に対して低下してしまう。そこで本発明では要求トル
クを代表する代表値が予め定められた値よりも高くなっ
たときには代表値が大きくなるにつれて排気制御弁24
の開度を大きくするようにしている。
【0053】本発明による実施例では要求トルクを代表
する代表値としてアクセルペダル50の踏込み量Lが用
いられており、この場合のアクセルペダル50の踏込み
量Lと排気制御弁24の開度との関係が図10に示され
ている。図10に示されるように本発明による実施例で
はアクセルペダル50の踏込み量Lが予め定められた第
1の踏込み量Lmよりも小さいときには排気制御弁24
がほぼ全閉せしめられ、アクセルペダル50の踏込み量
Lが予め定められた第2の踏込み量Ln(>Lm)より
も大きくなると排気制御弁24が全開せしめられ、アク
セルペダル50の踏込み量Lが第1の踏込み量Lmと第
2の踏込み量Lnとの間にあるときにはアクセルペダル
50の踏込み量Lが増大するにつれて排気制御弁24の
開度が大きくされる。
【0054】即ち、第1の踏込み量Lmと第2の踏込み
量Lnとの間では排気制御弁24の開度は、機関の発生
トルクが要求発生トルクに対しほとんど低下することな
く背圧が最も高くなる最も小さな開度に定められてい
る。従ってアクセルペダル50の踏込み量Lが第1の踏
込み量Lmと第2の踏込み量Lnとの間にあるときに排
気制御弁24の開度がアクセルペダル50の踏込み量L
に対応した図10に示される開度にされると機関の発生
トルクはほとんど落ち込まず、排気通路内における未燃
HCの酸化反応が促進されるので大気中に排出される未
燃HCの量を低減することができることになる。
【0055】なお、図10からわかるようにアクセルペ
ダル50の踏込み量LがL<LmからLm<L<Lnと
なる緩加速運転時には排気制御弁24はアクセルペダル
50の踏込み量Lに応じた開度まで開弁せしめられる
が、アクセルペダル50の踏込み量LがL<LmからL
>Lnとなる急加速運転時には排気制御弁24は全開せ
しめられる。従って本発明による実施例では加速の度合
に応じて排気制御弁24の開度が変化し、加速の度合が
高くなるほど排気制御弁24の開度が大きくなる。
【0056】同一の機関運転状態において排気制御弁2
4が全開している場合の要求発生トルクに対する発生ト
ルクの落ち込み量は排気制御弁24の開度が大きくなる
ほど小さくなる。従って本発明による実施例では第1の
踏込み量Lmと第2の踏込み量Lnとの間では図10に
示されるように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁
24が全開せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射
量Yに対する主燃料Qmの噴射量Xの増量値がアクセル
ペダル50の踏込み量Lの増大に伴ない減少せしめられ
る。
【0057】また、図10に示されるように副燃料Qa
の噴射量はアクセルペダル50の踏込み量Lが増大する
ほど減少し、図10に示される実施例ではL>Lnにな
ると副燃料Qaの噴射が停止される。図11は暖機運転
が完了した後の機関低負荷時における主燃料Qmの変化
の一例および排気制御弁24の開度を示している。な
お、図11において実線Xは排気制御弁24をほぼ全閉
にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示しており、
破線Yは排気制御弁24を全開にした場合の最適な主燃
料Qmの噴射量を示している。図11からわかるように
機関低負荷時には排気制御弁24がほぼ全閉せしめら
れ、同一の機関運転状態のもとで排気制御弁24が全開
せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射量Yよりも
主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめられ、更に副燃料Q
aが追加噴射される。次いで機関低負荷運転状態でなく
なると排気制御弁24はただちに全開せしめられる。
【0058】図12は運転制御ルーチンを示している。
図12を参照するとまず初めにステップ100において
機関始動および暖機運転時であるか否かが判別される。
機関始動および暖機運転時であるときにはステップ10
1に進んで機関の始動後、予め定められた設定期間が経
過したか否かが判別される。設定期間が経過していない
ときにはステップ102に進む。一方、ステップ100
において機関始動および暖機運転時でないと判別された
とき、又はステップ101において設定期間が経過した
と判別されたときにはステップ105に進んで機関負荷
が設定負荷よりも低いか否か、即ち低負荷運転時である
か否かが判別される。低負荷運転時にはステップ102
に進む。
【0059】ステップ102では排気制御弁24の開度
が制御される。即ち、機関始動および暖機運転時である
ときには排気制御弁24の開度が図10に示されるアク
セルペダル50の踏込み量Lに応じた開度とされる。こ
れに対しステップ105において低負荷運転時であると
判断されたときには排気制御弁24がほぼ全閉せしめら
れる。次いでステップ103では主燃料Qmの噴射制御
が行われる。即ち、機関始動および暖機運転時であれば
主燃料Qmの噴射量が図9に示されるXとされ、ステッ
プ105において低負荷時であると判断されたときには
主燃料Qmの噴射量が図11に示されるXとされる。次
いでステップ104では副燃料Qaの噴射制御が行われ
る。
【0060】一方、ステップ105において機関低負荷
時でないと判断されたときにはステップ106に進んで
排気制御弁24が全開せしめられ、次いでステップ10
7に進んで主燃料Qmの噴射制御が行われる。このとき
副燃料Qaの噴射は行われない。図13に別の実施例を
示す。この実施例では排気制御弁24上流の排気管22
内に触媒60が配置される。このように排気制御弁24
上流の排気管22内に触媒60が配置されている場合に
は副燃料Qaが追加噴射され、排気制御弁24がほぼ全
閉とされているときに触媒60は高温の排気ガスによっ
て強力に加熱される。従って機関始動および暖機運転時
に触媒60を早期に活性化することができる。
【0061】排気管22内に配置された触媒60として
は酸化触媒、三元触媒、NOx 吸収剤又はHC吸着触媒
を用いることができる。NOx 吸収剤は燃焼室5内にお
ける平均空燃比がリーンのときにNOx を吸収し、燃焼
室5内における平均空燃比がリッチになるとNOx を放
出する機能を有する。このNOx 吸収剤は例えばアルミ
ナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリ
ウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカ
リ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカ
リ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類
から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金
属とが担持されている。
【0062】一方、HC吸着触媒では例えばゼオライ
ト、アルミナAl2 3 、シリカアルミナSiO2 ・A
2 3 、活性炭、チタニアTiO2 のような多孔質担
体上に白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh、イリ
ジウムIrのような貴金属、または銅Cu、鉄Fe、コ
バルトCo、ニッケルNiのような遷移金属が担持され
ている。
【0063】このようなHC吸着触媒では排気ガス中の
未燃HCが触媒内に物理吸着し、未燃HCの吸着量は触
媒の温度が低いほど増大し、触媒を流通する排気ガスの
圧力が高くなるほど増大する。従って図13に示される
実施例では触媒60の温度が低くかつ排気制御弁24の
排気絞り作用により背圧が高められているとき、即ち機
関始動および暖機運転時、および機関低負荷時に排気ガ
ス中に含まれる未燃HCがHC吸着触媒に吸着される。
従って大気中に放出される未燃HCの量を更に低下させ
ることができる。なお、HC吸着触媒に吸着された未燃
HCは背圧が低くなったとき、或いはHC吸着触媒の温
度が高くなったときにHC吸着触媒から放出される。
【0064】図14に更に別の実施例を示す。この実施
例では排気制御弁24上流の排気管22内にNOx 吸収
剤又はHC吸着触媒からなる触媒60が配置され、第1
排気マニホルド19と排気管21間、および第2排気マ
ニホルド20と排気管21間には夫々酸化触媒や三元触
媒のような酸化機能を有する触媒61,62が配置され
る。
【0065】
【発明の効果】機関の発生トルクの落ち込みを抑制しつ
つ大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】燃焼室の側面断面図である。
【図3】排気制御弁の一実施例を示す図である。
【図4】噴射量、噴射時期および空燃比を示す図であ
る。
【図5】噴射時期を示す図である。
【図6】未燃HCの濃度を示す図である。
【図7】主燃料の噴射量を示す図である。
【図8】主燃料の噴射量と副燃料の噴射量との関係を示
す図である。
【図9】主燃料の噴射量と排気制御弁の開度を示す図で
ある。
【図10】アクセルペダルの踏込み量と排気制御弁の開
度等の関係を示す図である。
【図11】主燃料の噴射量と排気制御弁の開度を示す図
である。
【図12】運転制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図13】内燃機関の別の実施例を示す全体図である。
【図14】内燃機関の更に別の実施例を示す全体図であ
る。
【符号の説明】
6…燃料噴射弁 22…排気管 24…排気制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301H 301Z (56)参考文献 特開 平10−238336(JP,A) 特開 平10−212995(JP,A) 特開 昭49−80414(JP,A) 特開 平7−63104(JP,A) 特開 平8−296485(JP,A) 実開 平4−111540(JP,U) 実開 昭58−156132(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 9/00 - 11/10 F01N 1/00 - 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気ポートの出口に接続された排気
    通路内に排気ポートの出口から予め定められた距離を隔
    てて排気制御弁を配置し、機関始動後予め定められた期
    間が経過するまでの間において要求負荷を代表する代表
    値が予め定められた値よりも低いときには排気制御弁を
    ほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するために燃焼
    室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼させる
    ことに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程中又は
    排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追加噴射
    し、機関始動後予め定められた期間が経過するまでの間
    において上記代表値が予め定められた値よりも高くなっ
    たときには該代表値が大きくなるにつれて排気制御弁の
    開度を大きくするようにした内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 排気制御弁がほぼ全閉せしめられたとき
    には同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せし
    められた場合の機関の発生トルクに近づくように同一の
    機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場
    合に比べて主燃料の噴射量を増量させるようにした請求
    項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 機関始動後予め定められた期間が経過す
    るまでの間では排気制御弁の開度が大きくなるにつれて
    上記主燃料の噴射量の増量値を減少させるようにした請
    求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 機関始動後予め定められた期間が経過す
    るまでの間では排気制御弁の開度が大きくなるにつれて
    上記副燃料の噴射量を減少させるようにした請求項1に
    記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 機関始動後予め定められた期間が経過し
    た後では要求負荷が設定負荷よりも低いときに排気制御
    弁をほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するために
    燃焼室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼さ
    せることに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程中
    又は排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追加
    噴射し、機関始動後予め定められた期間が経過した後で
    は要求負荷が設定負荷よりも高くなったときに排気制御
    弁を全開するようにした請求項1に記載の内燃機関の排
    気浄化装置。
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