JP3535620B2 - 液体燃料の気化式燃焼装置 - Google Patents

液体燃料の気化式燃焼装置

Info

Publication number
JP3535620B2
JP3535620B2 JP21596695A JP21596695A JP3535620B2 JP 3535620 B2 JP3535620 B2 JP 3535620B2 JP 21596695 A JP21596695 A JP 21596695A JP 21596695 A JP21596695 A JP 21596695A JP 3535620 B2 JP3535620 B2 JP 3535620B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion
cylinder
combustion cylinder
combustion air
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP21596695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0960816A (ja
Inventor
孝一 松井
則行 古谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takuma KK
Original Assignee
Takuma KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takuma KK filed Critical Takuma KK
Priority to JP21596695A priority Critical patent/JP3535620B2/ja
Publication of JPH0960816A publication Critical patent/JPH0960816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3535620B2 publication Critical patent/JP3535620B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure-Spray And Ultrasonic-Wave- Spray Burners (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ等における
燃焼室に使用される燃焼装置であって、灯油,A重油等
の液体燃料を気化燃焼させる気化式燃焼装置に関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】この種の気化式燃焼装置としては、灯油
をヒータ内蔵の気化器により気化させて燃焼させるよう
にした灯油暖房器がよく知られているが、本発明者の知
る限りにおいて、ボイラ等の産業用燃焼室に使用できる
ものについては全く実用化されていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みてなされたもので、ボイラ等の産業用燃焼室に
好適に使用することができる実用的な液体燃料の気化式
燃焼装置を提供することを目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の液体燃料の気化
式燃焼装置は、上記の目的を達成すべく、液体燃料の噴
霧ノズル、点火電極及び保炎板を内装配置した一次燃焼
筒と、一次燃焼筒にこれと軸線を一致させて截頭円錐状
の第1連結筒を介して連通接続された、一次燃焼筒より
大径の二次燃焼筒と、二次燃焼筒にこれと軸線を一致さ
せて截頭円錐状の第2連結筒を介して連通接続されてお
り且つ燃焼室に連通接続された、二次燃焼筒より大径の
三次燃焼筒と、一次燃焼筒に形成されて、一次燃焼筒内
に一次燃焼空気を旋回流をなして供給する一次燃焼空気
供給口と、少なくとも第1連結筒に形成されて、二次燃
焼筒内に二次燃焼空気を供給する複数の二次燃焼空気供
給口と、第2連結筒又は二次燃焼筒に形成されて、三次
燃焼筒内に三次燃焼空気を供給する三次燃焼空気供給口
と、を具備して、噴霧ノズルからの噴霧燃料を燃焼筒内
に形成される火炎を熱源として気化させつつ段階的に燃
焼させるように構成したものである。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を図1〜図3に基づいて具体的に説明する。 【0006】図1は、本発明に係る気化式燃焼装置1を
出力200,000kcal/h程度の比較的小容量の
ボイラの燃焼室2に設置した例を示している。なお、以
下の説明においては、便宜上、左右とは図1における左
右を意味するものとする。 【0007】すなわち、この気化式燃焼装置1は、図1
〜図3に示す如く、液体燃料の噴霧ノズル4、点火電極
5及び保炎板6を内装した燃焼筒3を、燃焼室2のバー
ナスロート2aに設置して、燃焼空気供給機構10によ
り燃焼筒3にこれに形成した各燃焼空気供給口17,1
8,19から燃焼空気8a,8b,8cを供給させるよ
うに構成されている。なお、バーナスロート2aを開口
する側壁部分を含む燃焼室2の周壁は中空構造とされて
いて、その内部を缶水領域2bとなしている。 【0008】燃焼筒3は、図1〜図3に示す如く、一次
燃焼筒11とその右端部に第1連結筒14を介して連通
接続された二次燃焼筒12とその右端部に第2連結筒1
5を介して連通接続された三次燃焼筒13とからなる。
各燃焼筒11,12,13は同心状をなす断面円形のも
のであり、二次燃焼筒12の内径D2 は一次燃焼筒11
の内径D1 より大きく、三次燃焼筒13の内径D3 は二
次燃焼筒12の内径D 2 より大きく設定されている(D
1 <D2 <D3 )。一次燃焼筒11と二次燃焼筒12と
は、右方向に拡がる截頭円錐状の第1連結筒14を介し
て一体連結されている。一方、三次燃焼筒13は、一次
燃焼筒11及び二次燃焼筒12のような格別の独立部材
(金属筒)で構成せず、バーナスロート2aを利用して
構成されている。すなわち、図1に示す如く、二次燃焼
筒12の右端部に右方向に拡がる截頭円錐状の第2連結
筒15を一体形成して、この第2連結筒15の右端部を
バーナスロート2aの左端部に軸線方向挿脱可能に嵌合
させることにより、この嵌合箇所より右側のバーナスロ
ート2a部分を、二次燃焼筒12に第2連結筒15を介
して連通接続された三次燃焼筒13に構成してある。な
お、燃焼筒11,12及び連結筒14,15は耐熱鋼等
の耐熱金属で構成されている。 【0009】一次燃焼筒11の左端部にはバーナプレー
ト16が取付けられており、このバーナプレート16に
は、図1〜図3に示す如く、噴霧ノズル4、点火電極
5、保炎板6及び火炎検知器9が取付けられている。保
炎板6は、図3に示す如く、中心に円形孔6aを有し且
つその外周部分に適当数のスリット(8個程度)を形成
した円環状板であり、一次燃焼筒11内にその内周面と
の間に環状隙間6bを形成した状態で同心状に配置され
ている。なお、以下の説明においては、一次燃焼筒11
における保炎板6より左側の部分を「第1燃焼筒部分1
1 」といい、右側の部分を「第2燃焼筒部分112
という。この保炎板6の内外径d1 ,d2は、一般に、
その中心孔6aの面積S1 (=π(d1 2 /4)と一
次燃焼筒11の内周面との間の環状隙間6bの面積S2
(=π((D1 2 −(d2 2 )/4)とがS1
(S1 +S2 )<0.4となり且つ中心孔6a及び環状
隙間6bを通過する空気流速が12m/s以上となるよ
うに、設定しておくことが好ましい(図3参照)。この
ようにしておけば、一次燃焼筒11の内径D1 を比較的
小さくすることができ、一次燃焼筒11からの放熱量を
小さくし得て、一次燃焼部11aにおける火炎の安定化
をより図ることができるからである。すなわち、一次燃
焼筒11の内径D1 が必要以上に大きくなると、放熱量
が多くなるため、保炎板6の下流側(右側)において高
温の火炎を形成し難く、噴霧ノズル4からの噴霧燃料を
ガス化させる熱源機能を発揮させ得ない。また、空気流
速が12m/s未満であると、火炎が噴霧ノズル4側に
戻る虞れがある。噴霧ノズル4は、油圧ポンプ等により
加圧供給される灯油等の液体燃料を微粒子状に噴霧する
油圧噴霧式のものであり、保炎板6に近接し且つその中
心孔6aと同心状に配置されている。なお、噴霧ノズル
4としては、油圧噴霧式のものの他、戻り式油圧噴霧ノ
ズルを使用するようにしてもよい。噴霧ノズル4と保炎
板6との軸線方向間隔hは、一般に、2〜10mmとし
ておくのが好ましい。点火電極5は、その放電部を噴霧
ノズル4の噴霧口近傍に位置させて配設されており、噴
霧燃料を放電により着火させるものである。 【0010】ところで、各燃焼筒11,12,13の内
径等は、燃焼条件に応じて適宜に設定される。例えば、
第2燃焼筒部分112 の軸線方向長さL1 は、後述する
ように、噴霧ノズル4から二次燃焼空気8bの供給箇所
までの軸線方向距離を決定するものであるが、この距離
は青炎(ブルーフレーム)を形成する上で重要であり、
この距離が短すぎると青炎が形成されず、逆に長すぎる
と火炎が不安定となる。したがって、第2燃焼筒部分1
2 の長さL1 は、かかる点も考慮して設定しておく必
要があり、一般には、第2燃焼筒部分112 の軸線方向
長さL1 を一次燃焼筒11の内径D1 との関係において
0.9D1 ≦L1 ≦1.3D1 となるように設定してお
くことが好ましい。その他、二次燃焼筒12の内径等も
このような燃焼条件に応じて設定しておく必要があり、
一般には、二次燃焼筒12の内径D2 及び軸線方向長さ
2 を、一次燃焼筒11の内径D1 との関係において
1.3D1 ≦D2 ≦1.7D1 となるように且つ内径D
2 との関係において0.6D 2 ≦L2 ≦1D2 となるよ
うに設定し、三次燃焼筒13の内径D3 (ないし第2連
結筒15の最大径部たる右端部の外径)を二次燃焼筒1
2の内径D2 との関係において1.3D2 ≦D3 ≦3.
0D2 となるように設定しておくことが好ましい。 【0011】一次燃焼筒11の左端部には、図1及び図
2に示す如く、放射状の旋回ベーン17a…を内装した
一次燃焼空気供給口17が設けられていて、一次燃焼空
気8aを旋回流をなして一次燃焼筒11内に供給するよ
うになっている。すなわち、一次燃焼空気供給口17か
ら供給された一次燃焼空気8aは、一次燃焼筒11の内
周面に沿う旋回流をなして、第1燃焼筒部分111 から
保炎板6を通過して第2燃焼筒部分112 へと供給され
るようになっている。なお、一次燃焼空気供給口17
は、一次燃焼筒11の全周に亘って開口されている。ま
た、旋回ベーン17a…を含む一次燃焼空気供給口17
の構造は、噴霧ノズル4からの微細な噴霧燃料と一次燃
焼空気の旋回流との混合及び一次燃焼部11aにおける
循環流の形成をより効果的に行わしめるために、理論燃
焼空気量の1/2程度の旋回空気流を12m/s以上で
噴霧ノズル4及び保炎板6に向けて供給しうるようなも
のとしておくことが好ましい。 【0012】このように、理論燃焼空気量より少ない一
次燃焼空気8aが第1燃焼筒部分111 に旋回流をなし
て供給されると、これと噴霧ノズル4からの噴霧燃料と
が混合されると共に保炎板6による負圧部の形成と相俟
って循環流が形成される。噴霧燃料のうち小径のものは
この循環流に巻き込まれることになる。したがって、噴
霧ノズル4からの噴霧燃料に点火電極5の放電により着
火させると、保炎板6上に高温の火炎を形成して噴霧燃
料を気化させ、第2燃焼筒112 内に気化燃焼による一
次燃焼部11aを形成する。すなわち、一次燃焼部11
aに形成される火炎を噴霧燃料の気化熱源とする。この
とき、一次燃焼空気8aが供給量過多の場合、一次燃焼
部11aにおける燃焼形態が通常の液体燃料バーナによ
る燃焼形態に近づいて、NOxの発生量が多くなる。逆
に、供給量過少の場合、一次燃焼部11aにおける適正
な火炎形成が困難となる。このため、一般には、一次燃
焼空気8aの供給量を理論燃焼空気量の30〜50%
(全燃焼空気供給量の空気比をλ=1.3とする場合)
となるようにしておくことが好ましい。なお、NOxの
発生量は、保炎板6の外周端と一次燃焼筒11の内周面
との間に環状隙間6bがなく、一次燃焼空気8aが保炎
板6の中心孔6aからのみ一次燃焼部11aへと供給さ
れる場合にも多くなることから、この環状隙間6の存在
はNOx低減上重要である。 【0013】第1連結筒14には、図1〜図3に示す如
く、周方向に等間隔を隔てて適当数の円形孔たる二次燃
焼空気供給口18…が穿設されていて、二次燃焼空気8
bを二次燃焼筒12内に供給するようになっている。な
お、二次燃焼空気供給口18…の径及び設置数は、二次
燃焼空気8bの供給量が理論燃焼空気量より少なくなる
ように設定しておく。一般には、径を5〜10mmとし
た複数の二次燃焼空気供給口18…を周方向に等間隔を
隔てて形成しておくこと、及び全二次燃焼空気供給口1
8…からの二次燃焼空気供給量が理論燃焼空気量の30
〜50%(全燃焼空気供給量の空気比をλ=1.3とす
る場合)となるようにしておくことが好ましい。 【0014】このように、理論燃焼空気量より少ない二
次燃焼空気8bが二次燃焼筒12に供給されると、二次
燃焼筒12内に二次燃焼部12aを形成される。この二
次燃焼部12aにおいては、一次燃焼部11aにおける
燃焼の継続と一次燃焼部11aにおいて気化された噴霧
燃料の燃焼及びより有効な気化作用が行われる。このと
き、二次燃焼筒12が一次燃焼筒11より大径であり且
つ両筒11,12が截頭円錐状の第1連結筒14で連結
されていて、一次燃焼部11aから二次燃焼部12aへ
の領域拡大が緩やかなものとなっていることから、この
拡大部分においては、その周方向に均等配置された二次
燃焼空気供給口18…から二次燃焼空気8bが均一に供
給されることとも相俟って、循環流の形成が抑制される
と共に煤の付着を良好に防止され、且つ二次燃焼空気8
aによる急激な燃焼が抑制されて、NOxの発生が可及
的に防止される。しかも、二次燃焼部12bの下流側
(右側)では、燃焼の活性化により燃焼筒3自体の温度
が上昇して、噴霧燃料の気化が促進される。すなわち、
一次燃焼部11aを気化されることなく通過した大径の
噴霧燃料の気化並びに未燃ガスの更なる気化が促進され
る。 【0015】ところで、二次燃焼空気供給口18…から
二次燃焼筒12内への二次燃焼空気8bの供給角度(燃
焼筒軸線に対する供給角度であり、以下同じ)α1 と第
1連結筒14の拡がり角度(燃焼筒軸線に対する傾斜角
度であり、以下同じ)β1 との間には一定の関係(α1
=90°−β1 )があるが、かかる角度α1 ,β1 は上
記した作用を効果的に行わしめるべく、二次燃焼筒12
の内径D2 ,長さL2等を考慮して設定しておく必要が
ある。例えば、第1連結筒14の拡がり角度β 1 や軸線
方向長さが必要以上に大きくなると、燃焼筒11,12
間において煤が付着し易くなる。したがって、一般に
は、α1 =30°±10°,β1 =60°±10°とし
ておくことが好ましい。 【0016】第2連結筒15には、図1〜図3に示す如
く、周方向に等間隔を隔てて複数の円形孔たる三次燃焼
空気供給口19…が穿設されていて、三次燃焼空気8c
を三次燃焼筒13内に供給するようになっている。な
お、三次燃焼空気供給口18の径及び設置数並びに第2
連結筒15の拡がり角度β2 及び三次燃焼空気8cの供
給角度α2 は、前記した二次燃焼空気口18及び第1連
結筒15における場合と同様の範囲で適宜に設定してお
くことが好ましい。すなわち、三次燃焼空気供給口18
の径を5〜10mm、供給角度α2 を20〜40°、拡
がり角度β2 を50〜70°としておくことが好まし
い。また、三次燃焼空気8cの供給量も理論燃焼空気量
より少なくなるように設定するが、一般には、理論燃焼
空気量の30〜50%(全燃焼空気供給量の空気比をλ
=1.3とする場合)となるようにしておくことが好ま
しい。 【0017】而して、理論燃焼空気量より少ない三次燃
焼空気8cの三次燃焼筒13への供給により、三次燃焼
筒13内に三次燃焼部13aが形成されることになる。
この三次燃焼部13aにおいては、二次燃焼部12aに
おいて充分に気化されない噴霧燃料の気化も含めて、二
次燃焼部12aにおける燃焼の継続と二次燃焼部12a
において噴霧燃料,未燃ガスの完全燃焼が行われる。し
かも、燃焼筒3が赤熱されることとも相俟って、青炎が
より良好に形成されることになる。また、截頭円錐状の
第2連結筒15の存在により一次燃焼部11aから二次
燃焼部12aへの領域拡大が緩やかなものとなっている
ことから、この拡大部分においては、その周方向に均等
配置された三次燃焼空気供給口19…から三次燃焼空気
8cが均一に供給されることとも相俟って、煤の付着を
良好に防止されると共に、三次燃焼空気8cによる急激
な燃焼が抑制されて、燃焼炉2による吸熱効果と相俟っ
て、NOxの生成が極めて良好に抑制される。このよう
なNOxの低減効果は、主として、一次燃焼部11aか
ら三次燃焼部13aに亘って燃焼空気8a,8b,8c
を段階的に供給させて、局所的な急激燃焼を抑制するこ
とによって発揮されるものである。 【0018】燃焼空気供給機構10は、図1〜図3に示
す如く、燃焼室2の周壁を構成する缶板2cに取付けら
れた風箱20とこれに燃焼空気8を供給する燃焼空気供
給管21とを具備する。風箱20は、左端部に燃焼用空
気供給管21を接続した円筒状の外周壁20aと、その
左右端部に固着された円環板状の左右側壁20b,20
cと、外周壁20bと同心をなして右側壁20cに固着
された円筒状の第1整流20dと、外周壁20aと内側
整流壁20dとの中間に同心状に配して左側壁20bに
固着された円筒状の第2整流壁20eとからなり、燃焼
筒3を同心状に囲繞する状態で、右側壁20cを円環状
の耐熱シール材22を介して缶板2cに取付けてある。
したがって、風箱20内には、外周壁20aと第2整流
壁20eとの間に形成された第1通路7aと、第2整流
壁20eと第1整流壁20dとの間に形成されており、
第2整流壁20eと右側壁20cとの間隙を介して第1
通路7aに連通された第2通路7bと、第1整流壁20
dと燃焼筒3との間に形成されており、第1整流壁20
dと左側壁20bとの間隙を介して第2通路7bに連通
された第3通路7cとからなる、左右方向に蛇行する一
連の燃焼空気整流通路7が形成されている。 【0019】而して、燃焼空気供給管21は燃焼空気供
給源から導かれていて、所定流量の燃焼空気8を風箱2
0内に供給しうるようになっており、燃焼空気供給管2
1から第1通路7aの左端部に供給された燃焼空気8
は、第1通路7aから第2通路7bを経て第3通路7c
に至り、第3通路7cに連通する各燃焼空気口17,1
8…,19…から燃焼筒3内に供給されることになる。
したがって、燃焼空気8は通路7を蛇行状に流動する間
に整流されて、各燃焼空気供給口17,18,19から
燃焼筒3内に均一に供給されることになる。このように
燃焼空気8を整流させた上で燃焼筒3に供給させるよう
にしておくことによって、低酸素燃焼となった場合にも
良好な火炎が形成される。すなわち、燃焼空気8を整流
させることなく各燃焼空気供給口17,18,19から
燃焼筒3内に供給させた場合、低酸素燃焼となったとき
火炎が偏る等の不都合が生じる虞れがある。 【0020】ところで、第3通路7c内を流動する燃焼
空気は、各燃焼空気供給口17,18,19から燃焼筒
3内に供給されることになる。すなわち、第3通路7c
に導入された燃焼空気は、一次燃焼空気供給口17から
第1燃焼筒部分111 及び保炎板6を経て第2燃焼筒部
分112 つまり一次燃焼部11aに一次燃焼空気として
供給され、二次燃焼空気供給口18…から二次燃焼部1
2aに二次燃焼空気として供給され、更に三次燃焼空気
供給口19…から三次燃焼部13aに三次燃焼空気とし
て供給される。したがって、燃焼空気8a,8b,8c
が全燃焼空気供給口17,18…,19…に連通する共
通の燃焼空気整流通路7から供給される構造とされてい
ても、これら燃焼空気供給口17,18…,19…の開
口面積を適当に設定しておくことにより、各燃焼空気供
給口17,18…,19…からの燃焼空気供給量を上記
した如く各燃焼部11a,12a,13aにおける燃焼
形態に応じたものとしておくことができる。 【0021】なお、バーナプレート16は、風箱20の
左側壁20bにその中心孔を閉塞する状態で着脱自在に
取付けられている。したがって、バーナプレート16を
風箱20に脱着させることにより、三次燃焼筒13を除
く燃焼筒3及び噴霧ノズル4,点火電極5,保炎板6を
一体として容易に脱着できるようになっている。また、
第2連結筒15の右端部の外径は、そのバーナスロート
2aへの嵌合形態つまり二次燃焼筒12とバーナスロー
ト2aで構成される三次燃焼筒13との接続形態が所定
の燃焼を妨げないことを条件として、三次燃焼筒13を
除く燃焼筒3が軸線方向においてバーナスロート2aに
容易に脱着できるように設定されている。一般には、第
2連結筒15の右端部とこれが嵌合するバーナスロート
2aとの間隙が全体として1mm以下となるようにして
おくことが好ましい。 【0022】本発明は上記した形態に限定されるもので
はなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適
宜に変更,改良することができる。 【0023】例えば、二次燃焼空気供給口18…は、図
4に示す如く、二次燃焼筒12の適所(例えば、第1連
結筒14寄りの部位)及び第1連結筒14に夫々周方向
に均等間隔を隔てて形成するようにしてもよい。この場
合、各二次燃焼空気供給口18は5〜10mm径の円形
孔としておくことが好ましく、全二次燃焼空気供給口1
8…からの二次燃焼空気8bの供給量は理論燃焼空気量
の30〜50%とし且つ各二次燃焼空気供給口18から
の二次燃焼空気8bの供給量は理論燃焼空気量の15%
以上としておくことが好ましい。 【0024】また、三次燃焼筒13は、図5に示す如
く、風箱20の第1整流壁20dを利用して構成するよ
うにしてもよい。すなわち、第2連結筒15を第1整流
壁20dに軸線方向挿脱可能に嵌合させて、その嵌合箇
所より燃焼室2側の第1整流壁部分を三次燃焼筒13に
構成する。勿論、三次燃焼筒13は、図1又は図5に示
す如く燃焼室2や風箱20等の一部を利用して構成せ
ず、独立した耐熱金属製の円筒体として、二次燃焼筒1
2に第2連結筒15を介して一体連結するようにしても
よい。また、図5に示すものでは、5〜10mm径の円
形孔である三次燃焼空気供給口19…を、第2連結筒1
5に形成せず、二次燃焼筒12の適所(例えば、第2連
結筒15寄りの部位)に周方向及び軸線方向に均等に並
列配置させた状態で形成している。このように多数の三
次燃焼空気供給口19…を二次燃焼筒12に形成した場
合、三次燃焼空気供給口19…を第2連結筒15に形成
する場合に比して、NOx値が多少高くなるものの高負
荷燃焼が可能となる。実験により確認したところでは、
火炉負荷6,000,000kcal/m3 hにおいて
も良好な燃焼が得られた。 【0025】また、本発明に係る気化式燃焼装置1は、
ボイラの燃焼室2に限らず、他の産業用燃焼室にも同様
に使用することができ、灯油以外のA重油等の液体燃料
を使用することもできる。 【0026】 【実施例】図1〜図3に示すものにおいて、第1及び第
2連結筒14,15に夫々10mm径の円形孔たる燃焼
空気供給孔18,19を周方向に等間隔で10個づつ穿
設すると共に、D1 =68mm,D2 =96mm,D3
=140mm,β1 =β2=60°,d1 =26mm,
2 =60mm,h=6mmとした。このように構成し
た気化式燃焼装置1を図1に示す如く燃焼室2に設置し
た上、空気比1.3において、理論空気量の50%の一
次燃焼空気8aを一次燃焼空気供給口17から12m/
s以上の旋回流となして一次燃焼筒11に供給させると
共に理論空気量の40%の二次燃焼空気8b及び三次燃
焼空気8cを二次燃焼空気供給口18…及び三次燃焼空
気供給口19…からα1 =α2 =30°で二次燃焼筒1
2及び三次燃焼筒13に供給させ、且つ8kg/cm2
に加圧した灯油を噴霧ノズル4に供給して、噴霧ノズル
から18kg/hの灯油を噴霧させて、点火電極5の放
電により着火させ、気化燃焼を行った。 【0027】而して、燃焼状況を観察したところ、燃焼
筒3の中心に僅かな黄炎が認められたものの、燃焼筒3
の内部,出口部では良好な青炎の形成が確認された。 【0028】また、燃焼筒3の軸線方向における三箇所
A,B,Cにおいて、夫々、燃焼筒3の半径方向におけ
る5位置a,b,c,d,eでの温度(℃)及びNOx
発生量(ppm(O2 =0%換算))を測定した(位置
eについてはC箇所における温度のみ測定した)。その
結果は図6に示す通りであり、前述した気化燃焼作用が
行われていること、特に局部的な急激燃焼を抑制してN
Ox発生量が極めて少ないことが確認された。なお、図
6において、各NOxについて括弧を付した数字はO2
%である。また、位置aは燃焼筒3の中心線上の位置で
あり、位置b〜eは二次燃焼筒12の半径を5等分する
位置である。また、各箇所A,B,Cにおける温度及び
NOx発生量の目盛(縦軸)は、当該箇所における軸線
方向位置を基準(0℃,0ppm(O2 =0%換算))
とするものである。 【0029】さらに、燃焼室2の出口部における排ガス
について、O2 %に対するNOx発生量(ppm(O2
=0%換算))、CO発生量(ppm)及びスモールス
ケールナンバー(煤塵発生度の主たる指標であり、以下
「SSNo.」という)を測定した。その結果は図7に
示す通りであり、排ガス特性上、全く問題がないことが
確認された。なお、図7において、実線はNOx発生量
を、鎖線はCO発生量を、また破線はSSNo.を夫々
示している。ところで、NOx値はO2 %増加に従って
下がる傾向を示しているが、かかるNOx特性はガス燃
料の予混合(元混合)に見られるものであり、このこと
からも良好な気化燃焼が行われていることが理解され
る。 【0030】 【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の液体燃料の気化式燃焼装置は、灯油,A重油等の液
体燃料を気化燃焼させるものであるから、高負荷燃焼を
可能として、産業用燃焼室、特に出力1,000,00
0kcal/h程度以下の比較的小容量のボイラ等の燃
焼室にも好適に使用することができる。また、自己燃焼
熱を液体燃料の気化熱源として利用していることから、
格別の気化器を必要とせず、負荷変動に対して液体燃料
を使用する一般的な産業用燃焼装置(バーナ)と同様の
取扱いが可能となる。しかも、一次燃焼空気,二次燃焼
空気,三次燃焼空気を段階的に供給して燃焼させるもの
であるから、燃焼自体の局部的な急激反応を抑制して、
NOx発生量を低減させることができる。さらに、気化
器を別途必要しないこととも相俟って、構造簡単にして
小型化することができるものであって、その実用的価値
極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る液体燃料の気化式燃焼装置を示す
縦断側面図である。 【図2】図1の要部(二次燃焼筒を除く燃焼筒)を拡大
して示す詳細図である。 【図3】図1のIII−III線に沿う横断平面図である。 【図4】変形例を示す図2相当の縦断側面図である。 【図5】他の変形例を示す図1相当の縦断側面図であ
る。 【図6】燃焼筒内における温度及びNOx発生量の測定
結果とその測定位置との関係を示す説明図である。 【図7】燃焼室の出口部における排ガス特性を示すグラ
フである。 【符号の説明】 1…液体燃料の気化式燃焼装置、2…ボイラの燃焼室、
3…燃焼筒、4…液体燃料の噴霧ノズル、5…点火電
極、6…保炎板、7…燃焼空気整流通路、8…燃焼空
気、8a…一次燃焼空気、8b…二次燃焼空気、8c…
三次燃焼空気、10…燃焼空気供給機構、11…一次燃
焼筒、111 …第1燃焼筒部分、112 …第2燃焼筒部
分、11a…一次燃焼部、12…二次燃焼筒、12a…
二次燃焼部、13…三次燃焼筒、13a…三次燃焼部、
14…第1連結筒、15…第2連結筒、17…一次燃焼
空気供給口、18…二次燃焼空気供給口、19…三次燃
焼空気供給口、20…風箱。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平7−12706(JP,U) 実開 平7−2708(JP,U) 実開 平4−108120(JP,U) 実開 昭58−122819(JP,U) 実開 昭57−150319(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 11/24 F23C 11/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 液体燃料の噴霧ノズル、点火電極及び保
    炎板を内装配置した一次燃焼筒と、一次燃焼筒にこれと
    軸線を一致させて截頭円錐状の第1連結筒を介して連通
    接続された、一次燃焼筒より大径の二次燃焼筒と、二次
    燃焼筒にこれと軸線を一致させて截頭円錐状の第2連結
    筒を介して連通接続されており且つ燃焼室に連通接続さ
    れた、二次燃焼筒より大径の三次燃焼筒と、一次燃焼筒
    に形成されて、一次燃焼筒内に一次燃焼空気を旋回流を
    なして供給する一次燃焼空気供給口と、少なくとも第1
    連結筒に形成されて、二次燃焼筒内に二次燃焼空気を供
    給する複数の二次燃焼空気供給口と、第2連結筒又は二
    次燃焼筒に形成されて、三次燃焼筒内に三次燃焼空気を
    供給する三次燃焼空気供給口と、を具備して、噴霧ノズ
    ルからの噴霧燃料を燃焼筒内に形成される火炎を熱源と
    して気化させつつ段階的に燃焼させるように構成したこ
    とを特徴とする液体燃料の気化式燃焼装置。
JP21596695A 1995-08-24 1995-08-24 液体燃料の気化式燃焼装置 Expired - Lifetime JP3535620B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21596695A JP3535620B2 (ja) 1995-08-24 1995-08-24 液体燃料の気化式燃焼装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21596695A JP3535620B2 (ja) 1995-08-24 1995-08-24 液体燃料の気化式燃焼装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0960816A JPH0960816A (ja) 1997-03-04
JP3535620B2 true JP3535620B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=16681194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21596695A Expired - Lifetime JP3535620B2 (ja) 1995-08-24 1995-08-24 液体燃料の気化式燃焼装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3535620B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101272380B1 (ko) 2013-01-18 2013-06-07 박종헌 펠릿연료 연소장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101272380B1 (ko) 2013-01-18 2013-06-07 박종헌 펠릿연료 연소장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0960816A (ja) 1997-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5451160A (en) Burner configuration, particularly for gas turbines, for the low-pollutant combustion of coal gas and other fuels
US4899670A (en) Means for providing oxygen enrichment for slurry and liquid fuel burners
US4520741A (en) Waste disposal
US4860695A (en) Cyclone combustion apparatus
JP2008309411A (ja) 多層排ガス再循環バーナ及びその制御方法
JP3535620B2 (ja) 液体燃料の気化式燃焼装置
WO1987002756A1 (en) Radiant tube burner
JP3835957B2 (ja) 三位置制御バーナ
JPS59145442A (ja) 熱交換装置
JP2604933Y2 (ja) ガスタービン用燃焼器
JP2759306B2 (ja) 窒素酸化物低減バーナ
JPH0717932Y2 (ja) 燃焼量可変石油バーナ、および該バーナを備えた給湯機または給湯付風呂釜
JP2561382B2 (ja) 低NOxバーナ
JP2019211095A (ja) 油焚きバーナおよび多管式貫流ボイラ
JP2769439B2 (ja) 高ターンダウンバーナ
US11421872B2 (en) Premixing method, combustion principle using said method and premixing device and burner provided therewith
JP3171703B2 (ja) バーナ
JP2582266Y2 (ja) バーナ部が缶水面下に位置する二段燃焼式の燃焼室を有するボイラ
JPS59185907A (ja) 窒素酸化物の生成を抑制した高負荷燃焼水管ボイラ−
JP2568713Y2 (ja) 燃焼量可変石油バーナ及び該バーナを備えた給湯機又は給湯付風呂釜
JPS6021607Y2 (ja) 予混合燃焼バ−ナ
JP3129858B2 (ja) 希薄燃焼バーナ
JPS59195011A (ja) 微粉炭バ−ナ
SU1280271A1 (ru) Горелка
RU2042085C1 (ru) Смеситель горелочного устройства

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term