JP3534893B2 - 小検体病理組織検査用カセット - Google Patents

小検体病理組織検査用カセット

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JP3534893B2
JP3534893B2 JP11933795A JP11933795A JP3534893B2 JP 3534893 B2 JP3534893 B2 JP 3534893B2 JP 11933795 A JP11933795 A JP 11933795A JP 11933795 A JP11933795 A JP 11933795A JP 3534893 B2 JP3534893 B2 JP 3534893B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小検体病理組織検査用カ
セットに関する。更に詳しくは、微小な検体から標本を
作成する場合に標本作成にかかる時間の短縮化を図り、
また、カセット内のパラフィンとカセット外のパラフィ
ンブロックとの連結強化を図った小検体病理組織検査用
カセットに関する。
【0002】
【従来技術】現在行われている病理学的検査において
は、剖検検査と生検検査がある。前者の剖検検査は死体
解剖により臓器などを摘出して組織学的に死因等を研究
検査するものであり、後者の生検検査は患者から必要な
検査部位の組織を採取し、組織学的に病状を診断するも
のである。
【0003】検査に使用される検体の大きさを比べてみ
ると、剖検検査の場合は摘出する対象が死体であるから
カセットに収容できる範囲内で適当な大きさに切り出し
が出来る。つまり検体は大きく採取できる。これに対し
て生検検査の場合は生存している人体が対象であり、し
かも内視鏡を利用したり、生検針等を臓器等に直接刺入
して検体を採取するため採取出来る検体の量は極めて少
ないし、且つ小さい。
【0004】以上のような理由で剖検と生検とでは検査
する検体の大きさが異なっており、病理組織を検査する
場合に使用されるカセットにおいても透孔の大きさが使
い分けられている。
【0005】上記した生検検査標本は次のような工程を
経てつくられる。 1. 検体を病理組織検査用カセット(以下、カセットと
いう)に収容し、組織にホルマリン等の固定液を浸透さ
せ組織の腐敗を防止する。 2. 1.の固定液を水道水で除去する。 3. 濃度の異なる数種のアルコールに浸して組織細胞内
に含まれる水分を除去する。 4. アルコールと、最終的に浸透させるパラフィンとは
混合しないので、仲介剤として、その双方に混合するこ
との出来るキシレンやクロロホルム等を浸透させる。 5. 溶融パラフィンに浸して、パラフィンを組織内に浸
透させる。 6. 薬液処理した検体をカセットから取り出し、パラフ
ィンブロックをつくる。 7. 検体を薄切しスライドガラスに貼付する。
【0006】上記6.の工程でパラフィンブロックをつく
るには、検体を薬液処理した後、パラフィンで包埋する
ために補助器具としてステンレス製の包埋皿を使用す
る。パラフィンブロックの製造方法は次のとおりであ
る。まず、包埋皿に溶融パラフィンを少量注ぎ、カセッ
トから薬液処理完了後の検体を取り出して包埋皿内部に
配置する。その上方にこのカセットを被せ、再び溶融パ
ラフィンをカセットの上方から注ぎ、カセットの上面ま
で満たす。
【0007】冷却して完全にパラフィンが硬化した後、
包埋皿を取り外すと、カセットの内外に硬化したパラフ
ィンが設けられ、カセット外のパラフィンには検体が埋
め込まれている、いわゆるパラフィンブロックが成型さ
れる。その後、このパラフィンブロックを機械にセット
し、スライドガラスに貼付するための薄切を行なう。以
上の工程を経て検査標本は作成され、その標本を顕微鏡
で観察することにより病状等の診断が行われる。
【0008】 従来の小検体病理組織検査用カセットの
一例が実開昭63−135166号公報が開示されてい
る。また他の例が実開平1−61659号公報に開示さ
れている。更に他の例が実開平4−18342号公報に
開示されている。
【0009】上記各公報に開示されているものは、何れ
も耐薬液性を有する合成樹脂からなる容器本体と、その
容器本体に係止、係脱する平板状の蓋体を備えたもの
で、容器本体には複数の検体収容部が設けてある。容器
本体の底板と蓋体板とは向かい合う平面を構成してい
る。検体収容部の底壁および検体収容部を閉塞する蓋体
には、上記したような標本を作成する過程において使用
する薬液等が検体収容部内を透過できるように、多数の
透過孔が設けられている。
【0010】ところで、小検体病理組織検査用カセット
は上記したように検体が小さいことから紛失しないよう
に透過孔はできるだけ小さくする必要があり、しかも緊
急な検査の発生に対応できるように標本作製までの時間
も短縮できるものでなければならない。また、パラフィ
ンブロックを機械にセットし、スライドガラスに貼付す
るための薄切を行なう場合に、パラフィンブロックがカ
セットから取り外れないことも要請される。更には検体
取り出しの作業も簡単であることが必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のカセットは、上記観点から見ると必ずしも満足できる
ものではない。即ち、 (a)カセットに収容する生検検体の中には、微小のも
の、細長いもの、寒天状のものなど様々な形態を有する
ものがある。それらの検体は薬液処理中に容器本体と蓋
体に多数設けてある薬液の透過孔を通り抜け、カセット
の外に出ないように透過孔は小さく形成する必要があ
る。しかし従来のカセットの構造では透過孔を小さくす
ると薬液等の透過性能が低下して薬液の入れ替わりが不
十分となり、処理時間や標本の出来具合に悪影響を及ぼ
す。
【0012】(b)薬液透過孔が大きいカセットであれ
ば、透過孔の厚み内にあるパラフィンが、カセット内で
硬化したパラフィンと包埋皿内で硬化したカセット外に
あるパラフィンとの連結を行なう柱のような機能を有す
るため、双方は比較的強固に連結される。しかし、上記
(a)で説明したように検体がカセットから外部へ出な
いように透過孔が小さく形成してあると、透過孔にパラ
フィンが透過して多数の連結柱ができていても、これら
はごく小さいのでカセット内のパラフィンとカセット外
のパラフィンとの連結力が不足し、カセット外のパラフ
ィンはカセット底面にただ付着した状態に近くなる。そ
のため、検体部分の薄切工程において、カセット外のパ
ラフィンが薄切作業中に切断刃の圧力に耐え切れずに剥
がれ落ちる恐れがある。なお、この点に関しては従来の
カセットにおいてもその可能性が否定できない。
【0013】(c)検体収容部の側壁部は検体収容部底
面に対して垂直に立ち上がっており、その隅に壁面が直
角になった角部が生じる。従って、検体をカセットから
取り出すときに、この角部に検体が位置していた場合は
検体が取出しにくくなる。また角部での検体の引っ掛か
り等が起こることがあり、検体を損傷する場合がある。
【0014】
【発明の目的】そこで本発明の目的は、小さな検体がカ
セット外部へ出ないよう透過孔の大きさを小さくした場
合でもカセット内の薬液の入れ替わりが速やかにしかも
十分に行なわれるようにし、これにより信頼性の高い標
本が迅速に得られるカセットを提供することにある。ま
た本発明の他の目的は、パラフィンブロックをつくった
ときにカセット内のパラフィンとカセット外のパラフィ
ンの連結を強固にして、検体部分の薄切作業においてカ
セット外のパラフィンがカセットから剥がれ落ちにくい
カセットを提供することにある。更に本発明の他の目的
は、薬液処理済みの検体がカセットから取り出しやすい
カセットを提供することにある。
【0015】
【目的を達成するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の手段
にあっては、小検体病理組織検査用カセットであって、
所要数の検体収容部が形成されている容器本体と、多数
の透過孔を有し、容器本体に着脱可能な蓋体と、を備え
ており上記検体収容部は、下方に向けて膨出形成され
多数の透過孔を有する収容部壁で構成されており、膨出
形成されている検体収容部は、実質的に半球面状または
側部から底部にかけて収束する斜面を有する多角形断面
状に形成され、下側にパラフィンブロックをつくっ たと
き、パラフィンブロックに対し凸面となってパラフィン
ブロックに埋没して薄切作業時の横方向の力に強いよう
にしてあり、閉蓋時には蓋体の内側と検体収容部の口縁
部とは対向して密接または実質的に密接し互いに独立し
た検体収容空間部が形成されるよう構成されていること
を特徴とする、小検体病理組織検査用カセットである。
【0016】第2の発明にあっては、小検体病理組織検
査用カセットであって、所要数の検体収容部が形成され
ている容器本体と、上記検体収容部に対向する所要数の
閉蓋部が形成されており、上記容器本体に着脱可能な蓋
体と、を備えており、上記検体収容部は、下方に向けて
膨出形成され多数の透過孔を有する収容部壁で構成され
ており、上記蓋体の閉蓋部は、上方に向けて膨出形成さ
れ多数の透過孔を有する閉蓋部壁で構成されており、膨
出形成されている検体収容部と閉蓋部は、実質的に半球
面状または側部から底部または頂部にかけて収束する斜
面を有する多角形断面状に形成され、下側にパラフィン
ブロックをつくったとき、パラフィンブロックに対し凸
面となってパラフィンブロックに埋没して薄切作業時の
横方向の力に強いようにしてあり、閉蓋時には閉蓋部の
口縁部と検体収容部の口縁部とは対向して密接または実
質的に密接し、上記検体収容部と閉蓋部とから互いに独
立した検体収容空間部が形成されるよう構成されている
ことを特徴とする、小検体病理組織検査用カセットであ
る。
【0017】第3の発明にあっては、容器本体に薬液等
の透過孔と当該透過孔より大きいパラフィンブロック連
結強化用の貫通孔が設けてあることを特徴とする、第1
または第2の発明に係る小検体病理組織検査用カセット
である。
【0018】
【作用】容器本体に設けてある検体収容部は下方に向け
て膨出形成されている収容部壁と、当該収容部壁に形成
されている多数の透過孔と、を含んで構成されている。
このため平板状の薬液透過の壁面を有する従来のカセッ
トと異なり、同じ投影面積であれば下方に膨出している
分壁面と薬液等との接触面積は広くなり、膨出壁に形成
される透過孔の数を増やすことができる。また、蓋体に
閉蓋部を有し、閉蓋部は、上方に向けて膨出形成されて
いる閉蓋部壁と、当該閉蓋部壁に形成されている多数の
透過孔と、を含んで構成されているカセットの場合は、
検体収容部に加えて閉蓋部にも透過孔を有するので、よ
り多くの透過孔を有することができる。
【0019】従って、透過孔の数を増やすことによって
膨出壁に形成される透過孔の大きさを小さくした場合に
生じる検体収容部内への薬液等の透過性能の低下を防止
できる。つまり、薬液処理工程において検体収容部には
薬液の十分な入れ替わりが確保でき、微小な検体から生
検標本を作成する場合にも、標本作成にかかる時間の短
縮化を図ることができる。
【0020】検体収容部が実質的には半球面状または側
部から底部または頂部にかけて収束する斜面を有する多
角形断面状に形成されている場合は、壁面に従来のカセ
ットのような直角の角部が形成されないので、薬液処理
後の検体が取り出しやすい。また、角部での検体の引っ
掛りなどが起こりにくくなり、これによる検体の損傷を
防止できる。
【0021】容器本体にパラフィンブロック連結強化用
の貫通孔を設けることによって、上記した工程でパラフ
ィンブロックをつくったときに、透過孔だけで連結する
場合に比べてカセット内のパラフィンとカセット外のパ
ラフィンをより堅固に連結することができる。なお、カ
セット内のパラフィンとカセット外のパラフィンの境界
面すなわち検体収容部の壁面は凹凸面となるので、薄切
作業時の横方向の力に特に強く、カセット外のパラフィ
ンの脱落は防止できる。
【0022】
【実施例】本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図1は本発明に係るカセットの一実施例
を示す蓋を開けた状態の斜視図、図2は図1におけるA
−A断面図、図3は本発明に係るカセットの蓋を閉じた
状態の断面図、図4は閉蓋時に形成される検体収容空間
部の構造を示す拡大断面図である。
【0023】符号Cは本発明に係るカセットであり、耐
薬液性を有する合成樹脂により形成されている。カセッ
トCは、容器本体1と、容器本体1に着脱可能な蓋体2
を備えている。容器本体1の開口部側には周縁部10よ
りやや低く形成された上面板11が設けてある。上面板
11には検体収容部12が片側三箇所ずつ、合計六箇所
に設けてある。検体収容部12は下部へ向けてほぼ半球
面状に膨出形成された収容部壁120を有している。収
容部壁120には、薬液等を透過する多数の透過孔12
1が設けてある。なお、本実施例では透過孔121は成
形工程を短縮する観点から全てが垂直方向に形成されて
いるが、これに限定されない。
【0024】片側三個ずつ設けられている検体収容部1
2の列の間には、薬液やパラフィンを多量に通過でき
る、貫通された透孔13が形成されている。更にその透
孔13の内部には、パラフィンとの固着を補強するため
のクロスした補強梁130を備えている。また、容器本
体1の裏面には補強用の剛性板14(図2参照)を備え
ている。なお、符号15、16は被検者名、番号等を記
入するための記入部、17は後述する蓋体2の係合爪を
係合する係合部である。
【0025】蓋体2は、軸着手段3を介し基部を容器本
体1の基部に回動可能に取り付けてある。軸着手段3の
構造は公知の一般的な手段が使用されており、ここでは
説明を省略する。蓋体2の裏面には、蓋体2を閉じたと
きに上記容器本体1の上面板11に接面する下面板21
が基板20から突出して設けてある。下面板21の裏側
には容器本体1の検体収容部12と対応する位置に同数
及び実質的に同サイズの扁平な半球面状の閉蓋部壁22
0を有する閉蓋部22が設けてある。
【0026】閉蓋部壁220には検体収容部12の収容
部壁120と同様に多数の透過孔221が設けてある。
また、蓋体2には上記容器本体1の透孔13と対応する
位置に透孔13と同サイズに形成された蓋体透孔23が
設けてある。蓋体透孔23にはクロスした補強梁230
が設けてある。なお、蓋体2の先部には容器本体1の係
合部17に係脱可能な係合爪24を備えている。そし
て、図1、図2の状態から蓋体2を閉じると、閉蓋部2
2と検体収容部12とで検体収容空間部4(図3参照)
が設けられる。
【0027】(作 用) 図5は本発明に係るカセットを使用して作られるパラフ
ィンブロックの構造を示す断面図である。図1ないし図
5を参照して本実施例の作用を説明する。容器本体1と
蓋体2はいずれも耐薬液性を有する合成樹脂により形成
されているため、カセットCは検査標本完成までの間に
用いられる薬液による影響を受けない。また、閉蓋によ
り容器本体1と蓋体2が係合され一体化することによ
り、六個の検体収容空間部4が通液性を持ちながら独立
する。
【0028】検体収容部12の収容部壁120は球面状
であるため単に平板状のものと比較して同じ投影面積で
あれば面積が広くなる。これにより、透過孔121の数
を増やすことができ、薬液の透過性が向上し、透過量も
増える。
【0029】また、容器本体1の裏面に剛性板14を備
えていることにより、容器本体1の曲がりや、ねじれな
どの歪を防止することができる。また、パラフィン硬化
時にはパラフィンと容器本体1を強固に連結させるため
の連結具としての機能も有する。
【0030】パラフィンブロックBをつくるときには、
透孔13が溶融パラフィンの湯道としての機能を果た
し、包埋皿の隅々にまで溶融パラフィンが流れ込みやす
くなる。更に、透孔13内部の補強梁130はパラフィ
ン硬化時にはパラフィン内部に埋設された状態で固着さ
れる。これにより、パラフィンと容器本体1が強固に固
着され、更に容器本体1内のパラフィンP1と容器本体
1外のパラフィンP6の連結力が向上する。
【0031】パラフィンブロックBの容器本体1内のパ
ラフィンP1と容器本体1外のパラフィンP6の境界面
すなわち検体収容部12の収容部壁120は凹凸面とな
るので、薄切作業時の横方向の力に強く、この点でも容
器本体1外のパラフィンP6の脱落は防止できる。な
お、符号6は検体である。また、補強梁130、230
は剛性板14と同様に、薬液処理中の容器本体1の補強
用としても有効である。
【0032】検体収容部12は収容部壁120の側部か
ら底部にかけて収束する球面状斜面を有し、角部がない
ので収容部壁120まわりの薬液の流れがスムーズにな
り、薬液の透過効率が向上し、薬液処理の時間が短縮で
きる。また、検体が狭い角部に入り込むこともなく、薬
液処理後の検体が取り出しやすい。更には、従来のよう
な角部での検体の引っ掛りなどが起こりにくく、これに
よる検体の損傷を防止できる。
【0033】図6は閉蓋時に形成される検体収容空間部
の第2実施例の構造を示す拡大断面図である。なお、図
6から後述する図7、図8においては図4に示したもの
と同一または同等箇所には同一の符号を付して示してい
る。本実施例では、収容部壁120と閉蓋部壁220は
四角錐台状である。作用効果については図4に示したも
のとほぼ同様である。
【0034】図7は閉蓋時に形成される検体収容空間部
の第3実施例の構造を示す拡大断面図である。本実施例
では、図4に示したものの閉蓋部22の口縁部を全周に
わたり突出させて嵌合縁222が設けてあるものであ
る。閉蓋時には嵌合縁222は検体収容部12の口縁部
に嵌入される。作用効果については、図4に示したもの
とほぼ同様であるが、嵌合縁222の作用により密着性
がより優れており、検体漏出の防止効果が高い。
【0035】図8は閉蓋時に形成される検体収容空間部
の第4実施例の構造を示す拡大断面図である。本実施例
では図6に示したものの検体収容部12の口縁部を全周
にわたり突出させて嵌合縁122が設けてあるものであ
る。作用効果については図7に示したものとほぼ同様
で、嵌合縁122の作用により密着性がより優れてお
り、検体漏出の防止効果が高い。
【0036】図9は本発明に係るカセットの検体収容部
の他の形状を示す説明図である。図面では、半球面以外
の検体収容部12の収容部壁120の形状を示してい
る。なお、検体収容部12と対応する閉蓋部23の閉蓋
部壁230の形状は、通常はそれぞれ同様の構造のもの
が設けられるが、他の組み合わせでもよく、限定はされ
ない。
【0037】図においてaは上記図6、図8に示した四
角錐台状である。bは口縁部は八角形で底面は四角形に
形成してあり、四箇所の三角面51には透過孔が設けら
れていない。cはbとほぼ同様の構造のものの近傍に通
液孔52が四箇所に設けてある。dはbとほぼ同様の構
造で、三角面53にも透過孔が設けてある。eは四角錐
状である。fは円錐台状である。なお、本発明は図示の
実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記
載内において種々の変形が可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記構成を備えており、次の効
果を有する。 (a)容器本体に設けてある検体収容部は下方に向けて
膨出形成されている収容部壁と、当該収容部壁に形成さ
れている多数の透過孔と、を含んで構成されている。こ
のため平板状の薬液透過の壁面を有する従来のカセット
と異なり、同じ投影面積であれば下方に膨出している分
壁面と薬液等との接触面積は広くなり、膨出壁に形成さ
れる透過孔の数を増やすことができる。また、蓋体に閉
蓋部を有し、閉蓋部は、上方に向けて膨出形成されてい
る閉蓋部壁と、当該閉蓋部壁に形成されている多数の透
過孔と、を含んで構成されているカセットの場合は、検
体収容部に加えて閉蓋部にも透過孔を有するので、より
多くの透過孔を有することができる。従って、透過孔の
数を増やすことによって膨出壁に形成される透過孔の大
きさを小さくした場合に生じる検体収容部内への薬液等
の透過性能の低下を防止できる。つまり、薬液処理工程
において検体収容部には薬液の十分な入れ替わりが確保
でき、微小な検体から生検標本を作成する場合にも、標
本作成にかかる時間の短縮化を図ることができる。
【0039】(b)検体収容部が実質的には半球面状ま
たは側部から底部または頂部にかけて収束する斜面を有
する多角形断面状に形成されている場合は、壁面に従来
のカセットのような直角の角部が形成されないので、薬
液処理後の検体が取り出しやすい。また、角部での検体
の引っ掛りなどが起こりにくくなり、これによる検体の
損傷を防止できる。
【0040】(c)容器本体にパラフィンブロック連結
強化用の貫通孔を設けることによって、上記した工程で
パラフィンブロックをつくったときに、透過孔だけで連
結する場合に比べてカセット内のパラフィンとカセット
外のパラフィンをより堅固に連結することができる。な
お、カセット内のパラフィンとカセット外のパラフィン
の境界面すなわち検体収容部の壁面は凹凸面となるの
で、薄切作業時の横方向の力に特に強く、カセット外の
パラフィンの脱落は防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカセットの一実施例を示す蓋を開
けた状態の斜視図。
【図2】図1におけるA−A断面図。
【図3】本発明に係るカセットの蓋を閉じた状態の断面
図。
【図4】閉蓋時に形成される検体収容空間部の構造を示
す拡大断面図。
【図5】本発明に係るカセットを使用して作られるパラ
フィン包埋ブロックの構造を示す断面図。
【図6】閉蓋時に形成される検体収容空間部の第2実施
例の構造を示す拡大断面図。
【図7】閉蓋時に形成される検体収容空間部の第3実施
例の構造を示す拡大断面図。
【図8】閉蓋時に形成される検体収容空間部の第4実施
例の構造を示す拡大断面図。
【図9】本発明に係るカセットの検体収容部の他の形状
を示す説明図。
【符号の説明】
C カセット 1 容器本体 10 周縁部 11 上面板 12 検体収容部 120 収容部壁 121 透過孔 13 透孔 130 補強梁 14 剛性板 15、16 記入部 17 係合部 2 蓋体 20 基板 21 下面板 22 閉蓋部 220 閉蓋部壁 221 透過孔 23 蓋体透孔 230 補強梁 24 係合爪 3 軸着手段 4 検体収容空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/28 G01N 33/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小検体病理組織検査用カセットであっ
    て、 所要数の検体収容部が形成されている容器本体と、 多数の透過孔を有し、容器本体に着脱可能な蓋体と、 を備えており上記検体収容部は、下方に向けて膨出形成され多数の透
    過孔を有する収容部壁で構成されており、膨出形成され
    ている検体収容部は、実質的に半球面状または側部から
    底部にかけて収束する斜面を有する多角形断面状に形成
    され、下側にパラフィンブロックをつくったとき、パラ
    フィンブロックに対し凸面となってパラフィンブロック
    に埋没して薄切作業時の横方向の力に強いようにしてあ
    り、 閉蓋時には蓋体の内側と検体収容部の口縁部とは対向し
    て密接または実質的に密接し互いに独立した検体収容空
    間部が形成されるよう構成されていることを特徴とす
    る、 小検体病理組織検査用カセット。
  2. 【請求項2】 小検体病理組織検査用カセットであっ
    て、 所要数の検体収容部が形成されている容器本体と、 上記検体収容部に対向する所要数の閉蓋部が形成されて
    おり、上記容器本体に着脱可能な蓋体と、 を備えており、 上記検体収容部は、下方に向けて膨出形成され多数の透
    過孔を有する収容部壁で構成されており、 上記蓋体の閉蓋部は、上方に向けて膨出形成され多数の
    透過孔を有する閉蓋部壁で構成されており、 膨出形成されている検体収容部と閉蓋部は、実質的に半
    球面状または側部から底部または頂部にかけて収束する
    斜面を有する多角形断面状に形成され、下側にパラフィ
    ンブロックをつくったとき、パラフィンブロックに対し
    凸面となってパラフィンブロックに埋没して薄切作業時
    の横方向の力に強いようにしてあり、 閉蓋時には閉蓋部の口縁部と検体収容部の口縁部とは対
    して密接または実質的に密接し、上記検体収容部と閉
    蓋部とから互いに独立した検体収容空間部が形成される
    よう構成されていることを特徴とする、 小検体病理組織検査用カセット。
  3. 【請求項3】 容器本体に薬液等の透過孔と当該透過孔
    より大きいパラフィンブロック連結強化用の貫通孔が設
    けてあることを特徴とする、 請求項1または2記載の小検体病理組織検査用カセッ
    ト。
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