JP3534555B2 - 半溶融成形用金属の製造供給方法および装置 - Google Patents

半溶融成形用金属の製造供給方法および装置

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JP3534555B2 JP30675596A JP30675596A JP3534555B2 JP 3534555 B2 JP3534555 B2 JP 3534555B2 JP 30675596 A JP30675596 A JP 30675596A JP 30675596 A JP30675596 A JP 30675596A JP 3534555 B2 JP3534555 B2 JP 3534555B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半溶融成形用金属の
製造供給方法および装置に係り,半溶融成形に適した微
細な結晶が液相中に分散した半溶融成形用金属を製造
し,そのまま供給し得るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】金型鋳造に使用するアルミニウム合金等
の金属溶湯を冷却して一旦ビレットにし,このビレット
を半溶融温度領域まで昇温させて金型内に鋳込んで成形
するチクソキャスト法は,従来の鋳造法に比べて鋳造欠
陥や偏折が少なく,金属組織が均一で,金型寿命が長い
ことや成形サイクルが短い等の利点があり,最近注目さ
れている半溶融成形技術である。
【0003】一方,一旦ビレットを作り,又,ビレット
を半溶融温度領域まで昇温する手間を除き,球状の初晶
を含む融液を機械撹拌や電磁撹拌等により連続的に生成
し,ビレットとして一旦固化することなく,そのままそ
れを成形するレオキャスト法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】レオキャスト法の場合
も,製造装置と鋳造装置への供給装置は別々であって,
ラドル−初期結晶核発生装置−結晶生成容器−鋳造装置
と溶融又は半溶融金属を移し換える必要があった。ま
た,上述したチクソキャスト法,レオキャスト法のいず
れの方法も,工程が煩雑であり,コスト的に問題があっ
た。
【0005】本発明は,上述の従来の方法の問題点に着
目し,ビレットを使用することなく,また,一旦汲取っ
た溶湯を移し換えることなく,ラドル内で微細な初晶が
液相中に分散した半溶融成形に適した半溶融金属を製造
するとともに,この金属を鋳造装置へ供給することを目
的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては,上述
の課題を解決するために,保持炉からラドルで汲取った
溶湯の中に冷却装置の回転可能な1本又は複数本の冷却
棒を入れ,冷却棒の回転によって溶湯内に結晶核を発生
させ,冷却棒を溶湯内から引上げた後,ラドル内の溶湯
を固液共存状態の成形温度まで緩やかに冷却して結晶を
生成させ,溶湯が成形温度に到達した時,ラドルの給湯
口を鋳造装置の入口に近付け傾転させることによりラド
ル内の固液共存状態の溶湯を鋳造装置に供給するように
した。また,その際,半溶融成形用金属を確実容易に製
造するために,ラドル内における冷却棒の回転数を30
〜100rpmにしたり,溶湯にアルミニウム合金の溶
湯を用い,ラドル内の溶湯を冷却する冷却速度を0.5
〜10℃/秒とし,溶湯を620〜680℃から570
〜620℃の成形温度に冷却するようにした。
【0007】また,上記方法を実施するために,溶湯を
保持炉から汲取って鋳造装置に供給するラドルに,溶湯
を保持する溶湯保持部と,溶湯保持部の上方に設けた溶
湯汲入口と冷却装置の回転可能な1本又は複数本の冷却
棒を出し入れ可能な挿入口を兼ねた入口と,ラドルの傾
転により固液共存状態の溶湯を排出させ得る出口を有す
るラドルを用い,回転によって溶湯内に結晶核を発生さ
せ得る回転可能な1本又は複数本の冷却棒を有する冷却
装置を備えた装置とした。また,溶湯を保持炉から汲取
ったラドルを乗せる供給位置,ラドル内の溶湯に冷却装
置の回転可能な冷却棒を入れ,回転させ,冷却棒を出す
位置,ラドルの溶湯を徐冷させて固液共存状態の溶湯を
得る位置,ラドル内の固液共存状態の溶湯を鋳造装置に
供給する位置,および,溶湯供給後のラドルを掃除する
位置を有する回転テーブルを備えた装置にすることもで
きるようにした。
【0008】また,本発明の他の例としては,前記の基
本的な発明に加えて,(1)溶湯を保持炉からラドルで
汲取った後,ラドルを上昇させ,中間位置で停止させ,
ラドル内の溶湯に冷却装置の回転可能な冷却棒を入れて
回転させ,冷却棒を出す位置,(2)ラドルの溶湯を徐
冷させて固液共存状態の溶湯を得る位置,(3)ラドル
内の固液共存状態の溶湯を鋳造装置に供給する位置,お
よび,(4)溶湯供給後のラドルを掃除する位置を有す
る自動給湯装置を鋳造装置の鋳込スリーブのほぼ中心に
交点を持つ面上で移動する対称形に2台設置し,この2
台の自動給湯装置を交互に動作させるようにした。
【0009】本発明においては,液相線温度に対して過
熱度100℃未満に保持された保持炉内の合金溶湯をラ
ドル内に汲取り,該合金の融点よりも低い回転する冷却
棒に接触させて結晶核を液中に発生させる。冷却棒を引
上げた後,成形温度近くまで冷却降温して結晶を生成さ
せ,鋳造装置へ移送,傾転,供給,鋳造する。したがっ
て,煩雑な方法をとることなく,溶湯は保持炉からラド
ルに汲取られて鋳造装置に供給されるまで同一容器内に
あるので,極めて簡便で半溶融成形に適している。
【0010】
【発明の実施の形態】以下,図面に基づいて,本発明の
実施態様について詳細に説明する。図1(a)〜
(c),図2(a)〜(c)は本発明の作動シーケンス
を示す。図1(a)は,保持炉2内において,溶湯汲出
用のラドル1の中に溶湯3が流入する状態を示す。ラド
ル1としては,溶湯3を保持する溶湯保持部1aと,溶
湯保持部1aの上方後側に設けた溶湯汲入口と後述する
冷却装置4の回転可能な1本又は複数本の冷却棒5を出
し入れ可能な上方の挿入口を兼ねた入口1bと,ラドル
1の傾転により固液共存状態の溶湯3を排出させ得る漏
斗状の出口1cをラドル1の前側斜上部に有するラドル
1を用いた。ラドル1の下部の溶湯保持部1aの断面形
状は,ほぼ円形にするとともに,その直径は若し溶湯3
が冷却凝固した場合でも抜き出せるように底面をわずか
に小さくした。
【0011】溶湯3をラドル1内に流入させるとき,ラ
ドル1の傾きによって給湯量を決めることができる。こ
の場合,規定量より多目の溶湯3を汲み,湯面から上げ
て傾転角度を調整し,ラドル1から余分の溶湯3を排出
して規定の給湯量にすることもできる。図1(b)はラ
ドル1が正常の姿勢になっていることを示す。ラドル1
はこの姿勢で搬送される。冷却装置4の位置に到達した
とき,図1(c)に示すように,冷却装置4を降下さ
せ,回転によって溶湯3内に結晶核を発生させ得る回転
している1本又は複数本の回転する冷却棒5を溶湯3内
に浸入させて溶湯3の冷却を行う。
【0012】溶湯3を早く冷却するために,冷却棒5の
材質には,銅,モリブデンなど熱伝導の良い材料を用
い,かつ,表面に溶融金属が付着しないように窒化ボロ
ン等をコーティングする。冷却棒5は回転しているの
で,表面で冷却した溶融金属は分散して結晶核を作る。
なお,冷却棒5の数を複数個にすれば,冷却棒5相互表
面および冷却棒5とラドル1表面との間に剪断力が働
き,微細な結晶核を形成するのに,より効果的である。
【0013】冷却装置4を溶湯3から引上げた後,ラド
ル1内にて金属8を固液共存状態の成形温度まで冷却し
つつ保持して結晶を生成させる。このとき,図2(a)
に示すように,ラドル1を正常姿勢にして加熱ヒータ6
を有する保温室7内に入れ,5秒〜15分間徐冷し,結
晶を生成させる。なお,ラドル1の材質を断熱材とする
こともできる。また,ラドル1の漏斗状の出口1cは冷
却装置4への出入りに支障のない形状にした。
【0014】ラドル1内の金属8の温度が目標の固液共
存状態の成形温度に近づくと,金属8を鋳造装置に直ち
に供給するために,図2(b)に示すように,ラドル1
を鋳造装置の鋳込スリーブ9の入口近くに搬送する。そ
して,ラドル1の出口1cを鋳込スリーブ9の入口に合
わせ,ラドル1の出口1cの下端を中心にラドル1を傾
転させると,図2(c)に示す形状の配置となり,ラド
ル1内の固液共存の金属8は鋳造装置入口に落下供給さ
れる。これらラドル1の搬送傾転装置としては,図示し
ていないが,従来から用いられている公知の駆動装置を
用いる。
【0015】図3,図4に溶湯冷却装置4の1実施例を
示す。例えば,3本のように複数の冷却棒5を回転させ
ながらラドル1内に挿入すると,冷却棒5表面に接触す
る溶湯3は急冷されて結晶核を生成する。冷却棒5は複
数でそれぞれ回転しているので,冷却棒5とラドル1お
よび冷却棒5相互間の速度差による剪断力が働き,冷却
棒5表面にて生成される結晶核は成長することなく剥離
して溶湯3内に分散する。
【0016】一方,溶融金属により加熱される冷却棒5
の温度は上昇する。特に,金属の凝固熱は大きく,冷却
棒5の顯熱は小さく,冷却位置において凝固比率を高く
する場合は,冷却棒5を大きくしても冷却のための顯熱
は不足する。また,次のサイクルのためにも冷却棒5を
冷却する必要があり,冷却棒5の中心に穴をあけて冷却
媒体を流す。結晶核生成のための冷却時間は短くする必
要があるので,冷却媒体の冷却効果を早く伝達するため
に,冷却棒5には,銅,モリブデンなど熱伝導率の高い
材料を用いる方が良い。
【0017】複数の冷却棒5は各々歯車11aをもった
取付スリーブ11に取付けられている。そして,その歯
車11aは冷却装置4の中心にある回転軸12の歯車1
2aによって駆動されて回転する。13,15はチエン
ホイール,14はチエン,16はモータである。また,
各々の冷却棒5の上部には回転接手22が設置されて,
冷却媒体が冷却棒5の内部に流れるようにしてあり,冷
却棒5を内部から冷却できる。17は冷却媒体入口,1
8は冷却媒体出口,19はパイプ,20は冷却媒体の通
路,21は連結管である。
【0018】成形品の大きさが大きくなり,給湯量が多
くなると,使用するラドル1も大きくなり,冷却速度も
遅くなるので,結晶生成時間も長くなる。この場合,鋳
造機のサイクルタイムを短くして生産性を上げるため
に,ラドル1を複数個用い,順次取換えて動作されるこ
とによって充分な結晶生成時間を確保できる。
【0019】図5にその1実施例を示す。6個のラドル
1を使用し,そのラドル1は回転軸23を中心に回転す
る回転テーブル24上に設置される。給湯位置(A)の
ラドル1は図示されていない別の装置で図1(a)に示
す姿勢で溶湯保持炉2から溶湯を汲取り,図1(b)に
示す姿勢で回転テーブル24の上に置く。回転テーブル
24は60°回転して冷却位置(B)に到達すると,図
1(c),図3に示す冷却装置4が降下し,ラドル1の
溶湯3内に回転している冷却棒5が入ることにより,ラ
ドル1内の溶湯3を冷却し,結晶核を作る。
【0020】初期冷却を完了すると,回転テーブル24
を更に60°回転させ,C位置,D位置でラドル1内の
固液共存金属を徐冷し,結晶を生成させる。この場合,
ラドル1には断熱性の良いセラミックスまたはセラミッ
クスファイバー製を用いることにより,外部からの急冷
を防止するが,図2(a)に示すように,ラドル1の外
部を保温または加熱ヒータ6により加熱することにより
冷却速度を遅くすることもできる。また,図5において
は1例として結晶生成位置をC,D位置と2ヶ所にして
いるが,製品重量が大きいときは長い結晶生成時間を要
するので,回転テーブル24を大きくして,例えば,8
または10ステーションと増やして結晶生成位置を増や
すこともできる。
【0021】初期冷却した固液共存金属8は,先述した
ように結晶生成位置であるC,D位置で結晶を成長させ
た後,回転テーブル24の回転により,ラドル1を供給
位置であるE位置に移動し,固液共存状態すなわち半溶
融金属の成形温度に到達したとき,図示されていない搬
送装置で鋳造装置の鋳込スリーブ9に搬送,傾転で供給
される。このとき,このラドル1の斜上部にはラドル1
と一体になり鋳造装置の入口形状に適合した漏斗状の供
給口である出口1cを有しているので,ラドル1を傾転
させて固液共存金属をこぼすことなく鋳造装置に供給で
きる。
【0022】したがって,本発明では溶湯の汲取りから
固液共存金属の鋳造装置への供給まで,全ての工程を同
一容器内で行うことができ,移し換え作業を全く必要と
しない。なお,鋳込装置では,通常の金型鋳造により鋳
込操作がなされ,半溶融金属を用いた鋳込製品が得られ
る。一方,供給を終えたラドル1は,次のF位置で内部
をエア等によって掃除された後,次のA位置である給湯
位置に再び戻る。
【0023】次に,図6〜図8に本発明の他の実施例を
示す。図6に示すように,A,Bの部分にある保持炉か
ら溶湯3をそれぞれ別のラドル1,1Bで汲取って1つ
の鋳込スリーブ9に供給する2台の自動給湯装置を,鋳
込装置の鋳込スリーブ9のほぼ中心に交点を持つ面上に
互いに対称形に設置し,この2台の自動給湯装置を交互
に動作させるようにした。
【0024】2台の自動給湯装置25は,図6〜図8に
示すように,それぞれ,(1)溶湯3を保持炉2からラ
ドル1,1Bで汲取った後,ラドル1,1Bを上昇さ
せ,中間位置(c)で停止させ,ラドル1,1B内の溶
湯3に冷却装置4の回転可能な冷却棒5を入れて回転さ
せ,冷却棒5を出す位置(c),(2)ラドル1,1B
内の溶湯3を徐冷させて固液共存状態の溶湯3を得る位
置(d),(3)ラドル1,1B内の固液共存状態の溶
湯3を鋳造装置に供給する位置(e),(f),およ
び,(4)溶湯供給後のラドル1,1Bを掃除する位置
(g)を有する。
【0025】次に,ラドル1の作動状態を説明する。図
8における(a)は図1(a)に示したものと同じ姿勢
で,保持炉2から溶湯3を汲取り,図7の(b)および
図1(b)に示す姿勢になった後,図7の(c)の位置
に移動し図1(c)および図3に示す冷却装置4が降下
し,ラドル1内の溶湯3内に回転している冷却棒5が入
ることによりラドル1内の溶湯を冷却し結晶核を作る。
【0026】初期冷却を完了すると,冷却装置を上昇さ
せた後,ラドル1をそのままの位置または図7の(d)
の位置に移動させ,ここでラドル1内の固液共存金属を
徐冷し,結晶を生成させる。この場合,ラドル1には断
熱性の良いセラミックスまたはセラミックスファイバー
製を用いることにより外部からの急冷を防止する。
【0027】また,長い結晶生成時間を要するので,こ
の位置(d)の停止時間を長くし,その間,他の1台の
自動給湯装置を動作させるので,ラドル1,1Bが互い
に衝突しないように設置する。2台の給湯装置を半サイ
クルずらした状態で交互に動作させることにより,結晶
生成時間,冷却棒5の冷却時間を充分に確保できる。
【0028】初期冷却した固液共存金属8が前記したよ
うに結晶生成位置である図7の(d)位置で結晶を成長
させた後,自動給湯装置を作動させてラドル1を供給位
置である図7の(e)位置に搬送し,ここで,図8の
(f)に示すように,固液共存金属8を鋳込スリーブ9
に傾転で供給する。
【0029】このとき,このラドル1の斜上部にはラド
ル1と一体になり鋳造装置入口形状に適合した漏斗状の
供給口である出口1cを有しているので,ラドル1を傾
転させて固液共存金属8をこぼすことなく鋳造装置に供
給できる。図8の(g)は,ラドル1の戻り位置の途中
で,溶湯供給後のラドル1をエア等によって掃除する位
置である。
【0030】本発明では従来から用いられている通常の
ラドル汲取り式の自動給湯装置25を2台交互に用い,
中間停止位置で冷却,結晶生成を行うので,溶湯の汲取
りから固液共存金属の鋳造装置への供給まで全ての工程
を自動給湯装置に取付けられた同一容器内で行うことが
でき,溶湯の移し換え,ラドルの移し換え作業を全く必
要としない。したがって,作業が簡単で,トラブルもな
い。
【0031】
【実施例】半溶融成形用金属を得るための合金として
は,例えば重量%で,Bを0.001〜0.01%,T
iを0.005〜0.3%添加したアルミニウム合金,
または,Srを0.005〜0.1%添加したマグネシ
ウム合金,または,Siを0.01〜1.5%,Srを
0.005〜0.1%添加したマグネシウム合金,また
はCaを0.05〜0.3%添加したマグネシウム合金
等を用いた。これらの添加%は,結晶の微細化効果や鋳
込成形品の延性の低下阻止等を考慮して決めた。
【0032】ラドル1に溶湯3を汲取り,溶湯3を冷却
棒5の回転により,液相線温度に対する過熱度が例えば
30℃のように100℃未満になるようにし,微細球状
の初晶を得た。そのために,例えば,冷却棒5の回転数
を30〜100rpmとし,冷却棒5を約5〜30秒回
転させた。次に,この溶湯を徐冷させ,液相線温度以下
にし,2元共晶温度または固相線温度よりも幾分高い温
度である成形温度まで冷却させ,半溶融成形用金属を得
た。
【0033】アルミニウム合金の場合,例えば,ラドル
1内の溶湯を冷却する冷却速度を0.5〜10℃/秒と
し,溶湯を620〜680℃から570〜620℃まで
冷却しつつ5〜200秒間保持することにより,液中に
微細な初晶を晶出させ,球状化させた所定の液相率の半
溶融成形用金属を得た。所定の液相率とは,加圧成形に
適する液相の量比を意味し,ダイカスト鋳造,スクイズ
鋳造等の高圧鋳造では液相率は20〜90%,好ましく
は30〜70%(30%未満では素材の成形性が劣り,
70%以上では均一な組織が得にくくなる)とした。本
発明においては,150μm以下の微細な球状の初晶を
有する均質な組織が得られ,しかも良好な外観の成形体
が得られた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように,
本発明に係わる半溶融成形用金属の製造供給方法および
装置では,特許請求の範囲に記載したようにしたので,
同一ラドルで溶湯の汲取り,計量,溶湯を冷却棒に接触
させての液中に結晶核を発生させること,断熱ラドル内
で固液共存金属を保持することで結晶を生成させるこ
と,半溶融金属を鋳造装置へ供給させることを行うこと
ができ,煩雑な溶湯移し換えの作業をすることなく,極
めて簡便容易に半溶融金属の製造供給を行うことができ
る。したがって,そのための装置も簡便で設置面積が小
さく,メンテナンスが容易であり,溶湯から直接半溶融
金属を製造するので熱効率も良く,コストが安く且つ良
質の成形品を得ることができる。
【0035】また,本発明においては,請求項6に記載
した回転テーブル方式や請求項7に記載した対称形に配
した2台の自動給湯装置を用いることにより,半溶融成
形用金属の製造供給を能率良く容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の作業シーケンスを示す縦断
面図である。
【図2】本発明の1実施例の図1に続く作業シーケンス
を示す縦断面図である。
【図3】本発明の方法に使用する冷却装置の1実施例を
示す縦断面図である。
【図4】図3のI−I線断面図である。
【図5】本発明の方法を実施するための装置の1実施例
を示す概略平面図である。
【図6】本発明の方法に使用する装置の他の実施例の作
動状態を示す平面図である。
【図7】図6に示した実施例の作動説明図であり,ラド
ルによる給湯状態を示す。
【図8】図7に示した作動の続きを示す作動説明図であ
り,ラドルを保持炉へ戻す時の状態を示す。
【符号の説明】
1,1B ラドル 2 保持炉 3 溶湯 4 冷却装置 5 冷却棒 6 加熱ヒータ 8 固液共存金属(半溶融金属) 9 鋳込スリーブ 20 冷却媒体通路 24 回転テーブル 25 自動給湯装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 1/02 503 C22C 1/02 503J (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/00,17/30 B22D 1/00 - 5/04 B22D 21/00 - 23/06 B22D 25/00 - 25/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持炉からラドルで汲取った溶湯の中に
    冷却装置の回転可能な1本又は複数本の冷却棒を入れ,
    冷却棒の回転によって溶湯内に結晶核を発生させ,冷却
    棒を溶湯内から引上げた後,ラドル内の溶湯を固液共存
    状態の成形温度まで緩やかに冷却して結晶を生成させ,
    溶湯が成形温度に到達した時,ラドルの給湯口を鋳造装
    置の入口に近付け傾転させることによりラドル内の固液
    共存状態の溶湯を鋳造装置に供給するようにした半溶融
    成形用金属の製造供給方法。
  2. 【請求項2】 ラドル内における冷却棒の回転数を30
    〜100rpmにした特許請求の範囲請求項1記載の半
    溶融成形用金属の製造供給方法。
  3. 【請求項3】 溶湯にアルミニウム合金の溶湯を用い,
    ラドル内の溶湯を冷却する冷却速度を0.5〜10℃/
    秒とし,溶湯を620〜680℃から570〜620℃
    の成形温度に冷却するようにした特許請求の範囲請求項
    1記載の半溶融成形用金属の製造供給方法。
  4. 【請求項4】 (1)溶湯を保持炉からラドルで汲取っ
    た後,ラドルを上昇させ,中間位置で停止させ,ラドル
    内の溶湯に冷却装置の回転可能な冷却棒を入れて回転さ
    せ,冷却棒を出す位置,(2)ラドルの溶湯を徐冷させ
    て固液共存状態の溶湯を得る位置,(3)ラドル内の固
    液共存状態の溶湯を鋳造装置に供給する位置,および,
    (4)溶湯供給後のラドルを掃除する位置を有する自動
    給湯装置を鋳造装置の鋳込スリーブのほぼ中心に交点を
    持つ面上で移動する対称形に2台設置し,この2台の自
    動給湯装置を交互に動作させるようにした特許請求の範
    囲請求項1ないし請求項3記載の半溶融成形用金属の製
    造供給方法。
  5. 【請求項5】 溶湯を保持炉から汲取って鋳造装置に供
    給するラドルに,溶湯を保持する溶湯保持部と,溶湯保
    持部の上方に設けた溶湯汲入口と冷却装置の回転可能な
    1本又は複数本の冷却棒を出し入れ可能な挿入口を兼ね
    た入口と,ラドルの傾転により固液共存状態の溶湯を排
    出させ得る出口を有するラドルを用い,回転によって溶
    湯内に結晶核を発生させ得る回転可能な1本又は複数本
    の冷却棒を有する冷却装置を備えた半溶融成形用金属の
    製造供給装置。
  6. 【請求項6】 溶湯を保持炉から汲取ったラドルを乗せ
    る供給位置,ラドル内の溶湯に冷却装置の回転可能な冷
    却棒を入れ,回転させ,冷却棒を出す位置,ラドルの溶
    湯を徐冷させて固液共存状態の溶湯を得る位置,ラドル
    内の固液共存状態の溶湯を鋳造装置に供給する位置,お
    よび,溶湯供給後のラドルを掃除する位置を有する回転
    テーブルを備えた特許請求の範囲請求項5記載の半溶融
    成形用金属の製造供給装置。
  7. 【請求項7】 (1)溶湯を保持炉からラドルで汲取っ
    た後,ラドルを上昇させ,中間位置で停止させ,ラドル
    内の溶湯に冷却装置の回転可能な冷却棒を入れて回転さ
    せ,冷却棒を出す位置,(2)ラドルの溶湯を徐冷させ
    て固液共存状態の溶湯を得る位置,(3)ラドル内の固
    液共存状態の溶湯を鋳造装置に供給する位置,および,
    (4)溶湯供給後のラドルを掃除する位置を有する自動
    給湯装置を鋳造装置の鋳込スリーブのほぼ中心に交点を
    持つ面上で移動する対称形に2台設置し,この2台の自
    動給湯装置を交互に動作させ得るようにした特許請求の
    範囲請求項5記載の半溶融成形用金属の製造供給装置。
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