JP3532838B2 - 超短パルス光源 - Google Patents
超短パルス光源Info
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Description
係り、特に、フェムト秒光パルスを発生する集積型半導
体レーザに関するものである。
が極めて大きいことは周知のとおりである。当然のこと
ながら、光ファイバ通信の将来技術に対する期待は大き
く、2010年には光ファイバ1本あたりの信号伝送容
量は現在の10倍に達するという予測もある。このよう
なテラビット級光ファイバ通信では、波長多重技術のみ
ならず光時間多重技術が重要な役割を果たす。
の最大伝送レートの最高値は640Gbit/sに達し
ている。将来は、このような高ビットレート伝送を光フ
ァイバの波長帯域内の複数チャネルで実現する必要が生
ずると考えられる。
めには、高安定パルス光源が必要不可欠である。そこで
のパルス時間幅は300fs以下が望まれている。現
在、このようなパルスを発生させる手法は限られてお
り、光ファイバの非線形性を利用した光源およびそのパ
ルス圧縮機構を利用する他にない。このような光源の致
命的な欠点として、光ファイバを用いる構成に起因する
不安定性が内在することを挙げることができ、実用化の
ために解決しなくてはならない技術項目が多数存在して
いる。
するモード同期パルス発生方法では、極めてコンパクト
な光源とすることができ、さらに高度な安定性も獲得で
きる。よって、モード同期集積型半導体レーザは、現状
の10Gbit/sから将来の1Tbit/s以上の伝
送レートの(長距離)光ファイバ通信網において重要な
役割を果たす素子であると考えられている。
半導体レーザからの光パルスは、1ps以上の時間幅を
有するに留まっている(下記参照)。上記伝送レートは
最終的には、使用する光パルスの持続時間幅によって制
限されるため、超高速光信号伝送に用いるためには、光
ファイバソリトン効果によるパルス圧縮を利用せざるを
得ない。これは、コンパクト化を阻害する要因となり、
望ましくない。このため、300fs以下の時間幅を有
する光パルスを集積型半導体レーザ単体から直接発生す
る技術が待望されている。
ーザにより得られる典型的なパルス幅は、1〜5psの
範囲にとどまっている。〔参考文献(1):Y.K.C
hen and M.C.Wu,IEEE J.Qua
ntum Electron.28,2176(199
2)、参考文献(2):D.J.Derickson,
R.J.Helkey,A.Mar,J.R.Kari
n,J.G.Wasserbauer,and J.
E.Bowers,IEEE J.Quantum E
lectron.28,2186(1992)、参考文
献(3):D.M.Jones,L.M.Zhang,
J.E.Carroll,and D.D.Marce
nac,IEEE J.Quantum Electr
on.31,1051(1995)、参考文献(4);
S.Arahira,Y.Matsui,and Y.
Ogawa,IEEE J.Quantum Elec
tron.32,1211(1996)。〕これまでに
達成された最小パルス幅は、利得帯域幅のみでなく、能
動モード同期の場合には動的離調に伴う非線形利得によ
っても制限され、受動モード同期の場合には可飽和吸収
体によるパルス成形によっても制限される〔参考文献
(5):P.Vasil’ev 「Ultrafast
Diode Lasers:Fundamental
s and Applications」(Artec
h House,Norwwod,1995),ch.
4〕。
パルス幅500fs以下の光パルスの発生は不可能であ
った。
ード同期固体レーザのアイデア(例えば結合キャビティ
モード同期)を利用しようとすることも試みられたが、
満足な結果は得られなかった〔参考文献(6):E.
M.Dianov and O.G.Okhotnik
ov,IEEE Photon.Tech.Lett.
3,499(1991)、参考文献(7):C−F.L
in,J.Opt.Soc.Am. B14,175(1
977)〕。
体レーザの可飽和吸収領域を全く用いないで、半導体レ
ーザから直接的に300フェムト秒以下の時間幅を有す
るパルスを発生させる受動モード同期動作を実現させ、
超短パルス光源を実現することを目的とする。
成するために、 〔1〕超短パルス光源において、キャビティに組み込ん
だ非線形ミラーと、該非線形ミラー上に形成される受動
導波路部と、該受動導波路部上に形成される利得媒質と
を集積させた半導体レーザ構造を有することを特徴とす
る。
おいて、300fs以下の時間幅を有する光パルスを安
定に発生することを特徴とする。
おいて、前記半導体レーザはMQWレーザであることを
特徴とする。
て詳細に説明する。
だ非線形ミラーによってモード同期動作を得るようにし
たモード同期集積型半導体に基づき、新規なフェムト秒
光パルス発生源を得る。
キャビティと見なすことができる。このようなミラーを
用いた半導体レーザの数値モデルを提供する。
い。そこで必要とするのは、高速性、つまり、100〜
200fs以下の応答時間を有することと、光の強度が
高くなった時にミラーの反射率が増加することである。
て実現するためのいくつかの方法について検討する。
ーザの構造を示す図、図2は光パワーに対するミラー反
射率r1 (P)を非線形係数κの2つの値のそれぞれに
ついて示す図である。
得領域1、受動導波路部2及び非線形ミラー3で構成さ
れる。キャビティの他方のミラーは、反射率r2 を有す
るヘき開面である。受動導波路部2は、キャビティ長
(往復時間)を増加させ、また位相制御部、群速度分散
や自己位相変調の制御のための領域を組み込んで、本レ
ーザの性能をさらに発展させる自由度を持たせるために
設けられている。
損失αを持つと仮定している。利得領域1は300〜7
00μmの範囲で変更される。キャビティ全長Lは1.
1mmであり、これは往復時間27ps、又はパルス繰
り返し周波数約37GHzに相当する。キャビティ長は
300μmから1mmを超える範囲で変更できる。な
お、4は利得電流供給用電極膜、5はアース用電極膜で
ある。
同期ダイオードレーザについての時間領域アプローチに
基づいている〔上記参考文献(3)、参考文献(8):
M.Schell,A.G.Weber,E.Scho
ll,and D.Bimberg,IEEE J.Q
uantum Electron. 27, 1661(1
991)、参考文献(9);P.P.Vasil’e
v, IEEE J. Quantum Electro
n.29,1687(1993)。
後退光電界R(z,t)で表される(ゆっくりと変化す
る)複素包絡線振幅、キャリア密度N(z,t)、物質
利得(material gain)g(z,t)等の
空間的及び時間的な変化を考慮する。結合進行波(co
upled travelling wave)の方程
式は、以下の標準的な形式で示される。
速度であり、自然放出光による雑音(spontane
ous noise)は、sf 及びsr によって引き起
こされる。電界に対する利得は次式で与えられる。
率、gN は微分利得、Ntrは透明状態(transpa
rency)におけるキャリア濃度、Pは規格化パワー
|F|2 +|R|2 で与えられる光子密度である。上記
方程式(3)は、利得圧縮係数εを用いて、非線形利得
の効果を考慮している。達成可能な最小パルス幅を制限
する一要素である利得帯域幅制限要因(finite
gain bandwidth)を考慮することも重要
である。利得g(ω)の周波数拡がりは帯域幅Δωg の
ローレンツ型とする。
た方法〔上記参考文献(3)、上記参考文献(8)参
照〕と同じ方法で数値アルゴリズムの中で扱われる。さ
らに、本構造の受動導波路部2において利得係数は0と
する。キャリアレート方程式は通常通り次式で示され
る。
度、eは電子の電荷、dは活性層の厚さ、A、B、Cは
再結合係数である。左側のファセット(へき開面)にお
いてzの値をz=0とするとき、前進波、後退波の境界
条件は以下の通りである。
整形機構には著しい影響を与えない。上述したように、
この依存性の重要な特徴は、図2に示すように、光パワ
ーが増大するにつれ、反射率が高くなることである。
するInGaAsP/InP量子井戸レーザに関するパ
ラメータを用いた。つまり、gN =1.35×10-15
cm2 、Γ=0.01、Ntr=1.5×1018cm-3、
Vg=0.81×1010cm/s、d=0.03μm、
ε=(1〜3)×10-17 cm3 、導波路部の幅は2μ
m、A=2×108 s-1、B=5×10-11 cm3 /
s、C=1.2×10-29 cm6 /s、r2=0.6、
Δvg =Δωg/2π=(1〜4)THzである。r1
(P)のパラメータは、r0 =0.5〜0.8、rmax
=0.7〜0.9、κ=(1〜10)×10-17 cm3
である。最後の値は、(0.11〜1.1)×103 W
/cm2 のパワーレベルに相当する。
条件は、F(z、0)=R(z,0)=N(z,0)=
0である。しかし、いくつかのケースで、パルス発生の
初期段階をスキップするために、パワーが弱く(μWの
パワー)、時間幅の広いパルスをF(z、0)として用
い、N(z,0)/Ntr=1.3とした。
パルスのピークパワーの変化を示す図、図4は2つの駆
動電流値において発生したパルスのパルス幅の変化を示
す図である。なお、レーザキャビティ内の光パルス往復
時間は27psである。
めには、数百回の往復が必要である。これは、Blow
とWoodによって開発されたモデル〔参考文献(1
0):K.J.Blowand D. Wood,J. O
pt.Soc.Am.B5,629(1988)〕によ
る、非線形外部キャビティを有するモード同期レーザと
類似の特性である。必要な往復回数は電流値に依存し、
電流が小さいと必要な往復回数が多くなることが分かっ
た。
00fsであり、ピークパワーは100mWと200m
Wの間である。電流振幅が小さいほど前者の値は小さ
く、ポンピングが高いほど後者の値は大きくなる。パル
ス幅の下限を決める主なパラメータは、利得帯域幅Δω
g及び利得圧縮係数εである。
利得帯域幅の逆数(reciprocal gain
bandwidth)の関数としてパルス幅(FWH
M)を示す。最小パルス幅はε=0の場合、約150f
sであり、ε=3×10 -17 cm3 の場合、300fs
をわずかに超える。従来の半導体レーザにおけるモード
同期と同様に、利得(キャリア)ダイナミクスが決定的
な役割を演じる。従来のモード同期集積型半導体レーザ
〔上記参考文献(1)、上記参考文献(3)〕に比べ、
ピークパワーが一桁大きい本発明のケースでは、非線形
利得が最も重要な要素となる。GaAlAs/GaAs
レーザよりも、長波長のInGaAsP/InPレーザ
の方が、非線形利得は大きいので、GaAlAs/Ga
Asレーザの方がより短い波長のパルスを発生すると考
えられる。
限に小さい厚さを有し、瞬時に反応するものと仮定して
いる。現実のデバイスでは、ミラーはレーザ構造に埋め
込まれた付加部分でもよく、又は独立した導波構造体で
もよい。以下に非線形ミラーに使用され得る物理機構に
ついて、2、3の例を示す。
8 W/cm2 より小さい特性パワー「感度」を持たなけ
ればならないことはモデル予測から明らかである。
同期と同様、レーザ導波路構造においてエッチングした
開口部と結合した半導体媒質における自己収束性が最初
の選択肢として考えられる。例えば、AlGaAs/G
aAs DHレーザの場合、レーザの活性領域内におけ
るピコ秒パルスの自己収束のための臨界パワーは、10
8 W/cm2 程度であると計測されている。このプロセ
スは、少なくとも3〜5psの光パルスについては十分
速いことが知られている。
光学的非線形性の利用を挙げられる。これは非常に速い
応答性(約100fs)を示し、106 〜107 W/c
m2 の低い光強度によって制御できる〔参考技術文献
(12):A.Neogi,H.Yoshida,T.
Mozume,and O.Wada,J Appl.
Phys.85, 3352(1999)、参考技術文献
(13):A.Neogi,H.Yoshida,T.
Mozume,N.Georgiev,T.Akiya
ma.and O.Wada,PhysicaE7,1
83(2000)〕。実際、QWにおけるサブバンド間
遷移を伴う非線形導波路部を用いた1.55μmフェム
ト秒パルスの全光スイッチング(all−optica
l switching)実験が成功したことが示され
た。さらに、このような構造を有する導波路部の伝搬特
性の光パワーに対する依存性は要求通りである。したが
って、高反射率ミラーを一端に備えたサブバンド間遷移
を伴う非線形MQW導波路部は、本発明のモード同期原
理を実際に実現する最も有望な手段である。ただし、偏
光管理が必要となる。
行う新しい技術を提案した。パルス成形機構はキャビテ
ィに組み込んだ非線形ミラーの効果に基いている。半導
体レーザにおけるエンハンストモード同期は超高速非線
形性の導入により達成されることが示された。半導体レ
ーザの進行波数値モデルを用いて、このような構成の効
率を調べた。150〜300fsの短い継続時間及び3
7GHzの繰り返し速度で100〜200mWのピーク
パワーを有する光パルスが、InGaAs/InP・M
QWレーザにおいて発生できることが示された。レーザ
構造を最適化することにより、100fs程度のパルス
が発生されるものと予測している。非線形利得圧縮係数
及び利得帯域幅が、本発明を用いてより短い波長のパル
スを発生する場合に妨げとなる最も重大なパラメータで
あることが分かった。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、次のような効果を奏することができる。
和吸収領域を有することに起因するパルス幅制限要因、
つまり、この可飽和吸収領域のダイナミクスおよび帯域
制限要因を除去することができる。
善することができる。
とができる。
圧縮機構を得ることができる。
を示す図である。
ワーに対するミラー反射率を非線形係数κの2つの値の
それぞれについて示す図である。
の駆動電流値における発生したパルスのピークパワーの
変化を示す図である。
の駆動電流値における発生したパルスのパルス幅の変化
を示す図である。
の利得圧縮係数εの値における利得帯域幅の逆数の関数
としてFWHMパルス幅を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 キャビティに組み込んだ非線形ミラー
と、該非線形ミラー上に形成される受動導波路部と、該
受動導波路部上に形成される利得媒質とを集積させた半
導体レーザ構造を有することを特徴とする超短パルス光
源。 - 【請求項2】 請求項1記載の超短パルス光源におい
て、300fs以下の時間幅を有する光パルスを安定に
発生することを特徴とする超短パルス光源。 - 【請求項3】 請求項1記載の超短パルス光源におい
て、前記半導体レーザはMQWレーザであることを特徴
とする超短パルス光源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000260304A JP3532838B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 超短パルス光源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000260304A JP3532838B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 超短パルス光源 |
Publications (2)
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---|---|
JP2002072265A JP2002072265A (ja) | 2002-03-12 |
JP3532838B2 true JP3532838B2 (ja) | 2004-05-31 |
Family
ID=18748337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000260304A Expired - Fee Related JP3532838B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 超短パルス光源 |
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JP2014053346A (ja) * | 2012-09-05 | 2014-03-20 | Seiko Epson Corp | 短光パルス発生装置、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置、および計測装置 |
-
2000
- 2000-08-30 JP JP2000260304A patent/JP3532838B2/ja not_active Expired - Fee Related
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