JP3531637B2 - 連続鋳造鋳片の形状測定装置、その使用方法及び連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の形状測定装置、その使用方法及び連続鋳造方法

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JP3531637B2
JP3531637B2 JP2001328070A JP2001328070A JP3531637B2 JP 3531637 B2 JP3531637 B2 JP 3531637B2 JP 2001328070 A JP2001328070 A JP 2001328070A JP 2001328070 A JP2001328070 A JP 2001328070A JP 3531637 B2 JP3531637 B2 JP 3531637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続鋳造設備に
おける鋳片のブレークアウトを防止するために、鋳片の
形状を測定する装置及びその使用方法、並びに、この装
置を用いた連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造の操業中に発生する重大事故の
ひとつにブレークアウトがある。これは、鋳造中の凝固
シェル(凝固殻)の一部が破断し、凝固シェル内部の溶
鋼が外部に噴出する現象である。ブレークアウトが発生
すると、直ちに鋳造不能となるだけでなく、事後処理に
長時間を要し生産性に重大な支障を来す。このため、連
続鋳造設備においてはブレークアウトの予知・防止は非
常に重要である。
【0003】ブレークアウトの要因は、モールド内で凝
固シェルがモールドの水冷銅板に焼きついて引き抜きを
阻害し、凝固シェルが破断して発生する、あるいは、モ
ールド短辺と鋳片短辺との接触が悪く、鋳片短辺が溶鋼
静圧により外側へ膨らむことにより、鋳片短辺面の長辺
面との境界部(コーナー部)の凝固が遅れ、当該部位で
凝固シェルが破断して発生する等々である。
【0004】鋳片短辺面が外側に膨らんで発生するブレ
ークアウトを予知する従来技術としては、実開昭58-192
10号公報に開示された技術がある。図11は、連続鋳造
鋳片の横断面図であり、図11において、1は鋳片であ
り、短辺面1′の凹量をdで示している。鋳片短辺面
1′とモールド短辺との接触状態が良好な場合には、鋳
片短辺面1′の形状は図11に示すような凹状になって
いる。図12は、実開昭58-19210号公報に開示された、
鋳造長さと鋳片短辺面1′の凹量dとの関係を示す図で
あり、図12で示すように、凹量dが1〜1.5mmまで
減少した時にブレークアウトが発生している。これは、
モールド短辺と鋳片短辺面1′との接触が十分でなく、
鋳片短辺面1′での凝固が不充分であり、溶鋼静圧によ
って短辺面1′が外部へ押し出され、短辺面1′が歪ん
だものである。従って、鋳造中に鋳片短辺面1′の形状
を示す凹量dを監視すれば、ブレークアウトの発生を未
然に防止できる。
【0005】図13は、実開昭58-19210号公報に開示さ
れた鋳片の形状測定装置の構成を示す図である。水柱ノ
ズル2a、2b、2cから鋳片1の短辺面1′に冷却水
を加圧供給して、水柱6を形成し、これと同時に3個の
超音波プローブ3から超音波を水柱6に向けて送信す
る。超音波は水柱6を伝播し、短辺面1′で反射して再
び水柱6を伝播して超音波プローブ3に戻る。この送受
信信号は、送受信器4を経て演算装置5に送られる。演
算装置5では、各超音波プローブ3と短辺面1′間との
距離L1 、L2 、L3 を演算し、さらに短辺面1′の凹
量dを演算する。
【0006】この場合、鋳造終了時において鋳片1の端
部(上端部)が通過する際に水柱6を構成する水を停止
しなければ、鋳片1の端部に水が侵入して水蒸気爆発を
起こす虞がある。従って、この水蒸気爆発を防止するた
めに、従来、鋳造終了時に鋳片の端部が形状測定装置の
前を通過する以前から水柱を構成する水(兼冷却用の冷
却水)を停止する構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の装
置では、鋳造終了時に鋳片の端部が形状測定装置の前を
通過する以前から水柱を構成する水(兼冷却用の冷却
水)を停止するため、超音波プローブを冷却している冷
却水が水冷箱から流出し、超音波プローブの水浸状態が
維持できなくなる。その結果、超音波プローブは、外気
と触れて急速に高温となり、超音波プローブを焼損する
ことが生じる。通常、鋳片までの水柱の長さは十数mmと
短く、鋳片の温度は千数百℃と高い。
【0008】また、このような劣悪な環境下にある超音
波計測器では、ゼロ点校正は計測精度維持のために非常
に重要であり、従来、鋳造が終了した時に校正板を鋳片
のあった位置にモールド鋳床から降ろして校正してい
た。この校正作業は、非常に保全性が悪く、かつ危険を
伴う作業である。
【0009】この発明は、以上の問題点を解決するため
になされたものであって、超音波プローブの焼損による
トラブルを起こすことなく、連続鋳造設備におけるモー
ルド直下の鋳片の形状測定を行うことが可能であり、し
かも、危険な作業を伴うことなく鋳造終了毎または任意
のタイミングで自動校正を容易に行うことが可能な鋳片
形状測定装置及びその使用方法、並びに、この形状測定
装置を用いた連続鋳造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明に
より解決される。
【0011】本願第1の発明は、鋳片幅方向に複数個並
べて配置され、水柱を介して距離計測を行う超音波プロ
ーブと、水供給管が接続され、前記超音波プローブをそ
の内部に配設する水冷箱と、該水冷箱に配置され、前記
水柱を形成する水柱ノズルと、該水柱ノズルに接続して
配置され、前記超音波プローブから発生する超音波を射
出する超音波射出口と、前記水柱ノズルまたは超音波射
出口に配置されたシャッターと、を具備することを特徴
とする連続鋳造鋳片の形状測定装置である。
【0012】本願第2の発明は、第1の発明において、
前記水冷箱には、圧力放散弁を有する水抜き管が設置さ
れていることを特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置
である。
【0013】本願第3の発明は、第1の発明または第2
の発明において、前記シャッターの開閉を検出するため
のシャッター開閉検出器が設置されていることを特徴と
する連続鋳造鋳片の形状測定装置である。
【0014】本願第4の発明は、第1の発明ないし第3
の発明の何れかにおいて、前記シャッターを閉じた時に
超音波プローブ側に面することになる、前記シャッター
の一端面は、平面に加工されて超音波プローブの校正面
になることを特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置で
ある。
【0015】本願第5の発明は、第1の発明ないし第4
の発明の何れかにおいて、前記シャッター以降から超音
波射出口先端までの超音波通路には段差が設けられ、該
段差の端面は、平面に加工されて超音波プローブの校正
面になることを特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置
である。
【0016】本願第6の発明は、第1の発明ないし第5
の発明の何れかにおいて、前記超音波プローブ以降から
シャッターまでの超音波通路には段差が設けられ、該段
差の端面は、平面に加工されて超音波プローブの校正面
になることを特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置で
ある。
【0017】本願第7の発明は、第1の発明ないし第6
の発明の何れかにおいて、前記水冷箱には複数の水柱ノ
ズル及び超音波射出口が配置されており、複数の水柱ノ
ズルまたは超音波射出口を貫通するようにシャッター取
付孔が形成され、該シャッター取付孔には、各水柱ノズ
ルまたは超音波射出口の位置に径方向に貫通孔を有する
軸体からなるロータリーシャッターが嵌入され、該ロー
タリーシャッターが回転することにより前記複数の水柱
ノズルまたは超音波射出口を同時に開閉するようにした
ことを特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置である。
【0018】本願第8の発明は、第7の発明において、
前記ロータリーシャッターを回転させるためのロータリ
ーアクチュエータが前記水冷箱内に設置されていること
を特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置である。本願
第9の発明は、第8の発明において、前記ロータリーア
クチュエータの駆動源には水圧が用いられていることを
特徴とする連続鋳造鋳片の形状測定装置である。
【0019】本願第10の発明は、第1の発明ないし第
9の発明の何れかの連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用
方法であって、鋳造終了時の鋳片の端部が当該形状測定
装置の前を通過する直前に、シャッターを閉じることを
特徴とする、連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用方法で
ある。
【0020】本願第11の発明は、第1の発明ないし第
9の発明の何れかの連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用
方法であって、シャッターを閉じている時に、シャッタ
ー面を利用して超音波プローブによる距離計測の校正を
行うことを特徴とする、連続鋳造鋳片の形状測定装置の
使用方法である。
【0021】本願第12の発明は、第1の発明ないし第
9の発明の何れかの連続鋳造鋳片の形状測定装置による
距離計測出力に基づいて連続鋳造鋳片の短辺形状を計測
する計測工程と、該計測工程の出力に基づく鋳片短辺凹
量が所定値以下になる場合は、鋳片の引き抜き速度を下
げ及びまたはモールドの冷却量を大きくするように制御
する制御工程とを有することを特徴とする連続鋳造方法
である。
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。先ず、第1の実施の形態につ
いて説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施の
形態を示す図であり、図1は本発明による形状測定装置
の全体構成図、図2は水冷箱及びその内部に収納された
超音波プローブの拡大構成図(水冷箱の縦断面図)であ
る。
【0025】図1中、1は鋳片、1′は短辺面、2は水
冷箱、2a、2b、2cは水柱ノズル、3は超音波プロ
ーブ、4は送受信器、5は演算装置、6は水柱、7は校
正ターゲット兼シャッターをそれぞれ表す。鋳片1の短
辺面1′に中央を挟んで複数個の計測点を設ける。超音
波プローブ3からの超音波は、水冷箱2から水柱6を構
成し、その水柱6を介して短辺面1′に到達する。更に
短辺面1′に到達した超音波は、短辺面1′の表面で反
射し、同水柱6を介して超音波プローブ3に到達する。
この送受信信号は、送受信器4を経て演算装置5に送ら
れる。演算装置5では、各超音波プローブ3と短辺面
1′間との距離L1 、L2 、L3 を演算し、さらに短辺
面1′の凹量dを演算する。L0 は超音波プローブ3か
ら校正ターゲット兼シャッター7までの距離である。
【0026】距離L(L1 、L2 、L3 )は、超音波が
送信されてから受信されるまでの時間を計測すること
で、下記(1)式の如く演算して求める。但し、(1)
式においてCは水中の音速、Vは水柱での水の流速、T
は超音波が送信されてから受信されるまでの時間であ
る。
【0027】
【数1】
【0028】この場合、温度計(図示せず)が水冷箱2
の内部に配置されており、測定される水温により音速の
補正を行なう。
【0029】鋳片1の短辺面1′の凹量dは、距離L
1 、L2 、L3 を用いて、下記(2)式の如く演算して
求める。
【0030】
【数2】
【0031】ここで短辺面1′の凹量dの管理値を設定
しておくことで警報を出力して、鋳片の引き抜き速度を
減速させて改善を図り、もってブレークアウト防止を実
現する。短辺面1′の凹量dによって、鋳片1の引き抜
き速度及びまたはモールドの冷却量を自動で制御する。
すなわち、凹量dが管理値より小さくなった場合には、
鋳片1の引き抜き速度を遅くしたり、冷却量を増加する
制御を行う。
【0032】なお、距離L1 、L2 、L3 の計測値にお
いて、それぞれの計測時の温度差が計測距離の誤差に繋
がる恐れが考えられるが、各点での温度差は非常に小さ
く問題にはならないので、それぞれの計測点における温
度計測までは必要ない。
【0033】図2は、校正ターゲット兼シャッター7を
閉じた時の様子を模式的に表している。超音波プローブ
3を収容する水冷箱2は、水柱ノズル2aの先に超音波
射出口20を有しており、この超音波射出口20の先端
には、超音波射出口20を閉鎖・開放する校正ターゲッ
ト兼シャッター7が設けられている。水冷箱2には、水
供給口22が形成され、これに水供給管9が接続されて
おり、超音波伝達媒体及び超音波プローブ3の冷却の役
目をする水が水冷箱2に供給される。また、水冷箱2の
超音波射出口20の途中には水抜き口21が形成され、
この水抜き口21には圧力放散弁80を有する水抜き管
8が接続されている。
【0034】超音波プローブ3を常に水冷箱2内で水浸
させるために、鋳造終了時の鋳片端部が本発明装置の前
を通過する直前に、超音波射出口20の先端の校正ター
ゲット兼シャッター7を閉じる。この時、水冷箱2内へ
流入してきた冷却水を、圧力放散弁80を通して、水抜
き管8からリークさせる(図中、水の流れとして図示)
ことで、常に水が流動できるようにしている。これによ
り、超音波プローブ3の温度上昇は規定温度以下に抑え
ることができる。この結果、超音波プローブ3が直接外
気に触れるのを防止でき、超音波プローブ3の焼損によ
るトラブルをなくすことができる。この場合に、冷却水
の排出流量及び圧力を、校正ターゲット兼シャッター7
の開閉に伴って2段階に制御する制御系を設置してもよ
い。
【0035】鋳造終了時の鋳片端部が本発明装置の前を
通過する直前に、校正ターゲット兼シャッター7を閉じ
る方法は次のように行う。通常、連続鋳造の最終時(溶
鋼が無くなった時)には、モールド内で溶鋼を固めるた
めの作業を行う。すなわち、タンデッシュを外し、冷え
た鉄の固まりをモールド内に押付け、端部を冷やして固
める。この作業をするため一旦引き抜きを停止し、トラ
ッキング装置(図示せず)はこの引き抜き停止信号を受
信し、その後に所定トラッキング長(本発明装置までの
距離)を進む時間を演算して、校正ターゲット兼シャッ
ター7が完全に閉じるまでの時間分を差し引いたタイニ
ングで、校正ターゲット兼シャッター7に閉指令を出
す。これにより、鋳片端部が本発明装置の前を通過する
直前に、確実に校正ターゲット兼シャッター7を閉じる
ことができる。
【0036】校正ターゲット兼シャッター7は、本実施
の形態では校正ターゲットの役目も兼ねている。このた
め、校正ターゲット兼シャッター7を閉じた時に超音波
プローブ3からの超音波を受ける端面を、超音波が乱反
射しないように平面状に加工する。図2において超音波
の伝播を図示するように、校正ターゲット兼シャッター
7を閉じた時にこの面を校正ターゲットにして超音波プ
ローブ3から超音波を射出し、本発明装置のゼロ点校正
を行う。これによって危険な作業を伴うことなく、鋳造
終了毎若しくは従来では行えなかった連続鋳造中も含め
て任意のタイミングで簡単に自動校正できるようにな
り、保全性が飛躍的に改善される。
【0037】図3及び図4は、校正ターゲット兼シャッ
ター7の開閉構造を模式的に示す図であり、5種類の開
閉構造を示している。何れも、超音波射出口20の水抜
き口21よりも先端側に校正ターゲット兼シャッター7
を設置する構造となっている。
【0038】先ず、図3(a)は、超音波射出口20の
軸方向に対して上下または左右に校正ターゲット兼シャ
ッター7をスライドするまたは円盤式の校正ターゲット
兼シャッター7を超音波射出口20の一端を軸に回転す
る構造のものである。
【0039】また、図3(b)は超音波射出口20の出
口の一端に校正ターゲット兼シャッター7の一端を回転
自在に軸支する構造のものである。軸を中心に蓋のよう
に校正ターゲット兼シャッター7を開け閉めする。
【0040】さらに、図3(c)は超音波射出口20の
軸方向に対して直角に、超音波射出口20と同径の貫通
孔を有する回転弁体状の校正ターゲット兼シャッター7
を設置する構造のものである。
【0041】さらに、図3(d)は校正ターゲット兼シ
ャッター7の先端をグローブ状にし、取っ手を中心に旋
回させて超音波射出口20を塞ぐようにする構造のもの
である。
【0042】さらに、図4は水冷箱2内に3個の超音波
プローブ3を収納する一体型構造のものであり、図中の
(e1)は平面図、(e2)は超音波射出口20側から見た
図である。水冷箱2に設置した支点7a、7b、7cを
それぞれ中心に校正ターゲット兼シャッター7を回転さ
せて超音波射出口20をカバーする構造のものである。
図4では、分りやすいように個別に開閉するように示し
てあるが、3つ同期させることが望ましい。
【0043】なお、図1では、鋳片1の短辺面1′の中
央を挟んで左右に1つずつ、合計3個の超音波プローブ
3が設けられているが、短辺面1′の中央と左右のどち
らか1つの合計2個の超音波プローブ3を設けるのみで
もよい。例えば、図5に示すように、2個の超音波プロ
ーブ3を設置して距離L1 と距離L2 のみを測定する場
合には、鋳片1の短辺面1′の凹量dは、距離L1 、L
2 を用いて下記の(3)式により求めることができる。
図5は、第1の実施の形態の変形例を示す図であって、
本発明による形状測定装置の全体構成図であり、図1と
同一の部分は同一符号により示している。
【0044】
【数3】
【0045】このように、2個の超音波プローブ3によ
り形状測定装置を構成することにより、非常に狭いモー
ルド内にも形状測定装置を取り付けることができるほ
か、設備費の削減や取り付け時のハンドリングの容易性
という利点を呈する。
【0046】次いで、第2の実施の形態について説明す
る。図6及び図7は、第2の実施の形態を示す詳細構造
図であり、図6は本発明による形状測定装置の全体断面
図で、図6中のA−A断面図及びB−B断面図を図7の
(a)及び(b)にそれぞれ示す。さらに、図7(a)
は校正ターゲット兼シャッター開すなわち水柱形成時を
表し、図7(b)は校正ターゲット兼シャッター閉すな
わち端部通過時及び校正時の様子を表している。
【0047】この形状測定装置の構造について、図6及
び図7を使って説明する。1つの水冷箱2内に3個の超
音波プローブ3を並列的に配置し、並列した3個の水柱
ノズル2a、2b、2cを貫通するように校正ターゲッ
ト兼シャッターの取付孔を水冷箱2内に形成する。この
校正ターゲット兼シャッターの取付孔両側には軸受けブ
ロック71を設置し、水柱ノズル2a、2b、2cの各
位置に径方向に貫通孔を有する軸体からなるロータリー
シャッター7を校正ターゲット兼シャッターとしてはめ
込むようにしている。このロータリーシャッター7の回
転に伴い、3つの水柱ノズル2a、2b、2cを同時に
開閉できるようにしている。ロータリーシャッター7
は、水柱ノズル2a、2b、2cより後段の水平部であ
る超音波射出口20に取り付けるようにしても良い。ス
トレート部に取付ける方が、加工の面では容易である。
【0048】超音波プローブ3は、前述した図1と同様
に鋳片1の短辺面1′の中央とその左右に1個ずつ設け
られており、各々の超音波プローブ3により超音波プロ
ーブ3と鋳片短辺面1′までの距離Lを測定し、前述し
た(2)式により鋳片短辺面1′の凹量dを求める。
【0049】ロータリーシャッター7の回転は、水冷箱
2内に収納したロータリーアクチュエータ10とチェー
ン11を介して行う。ロータリーアクチュエータ10を
水冷箱2の外部に設置すると、放射熱を直接受け、水冷
等が必要になることから、ロータリーアクチュエータ1
0を水冷箱2内に収納する構造としている。また、この
ロータリーアクチュエータ10は水圧によって作動させ
る構造のものを採用することで、水冷箱2内での漏洩に
よる影響を皆無にすることができる。例えばロータリー
アクチュエータがエアで作動するものである場合は、超
音波を通す水柱6に気泡が混入し、気泡からの反射エコ
ーによって計測は不可能となることがあるためである。
【0050】さらに校正ターゲット兼シャッター機構
は、特に校正ターゲット兼シャッターの閉鎖時に受ける
輻射熱の影響を最大限減少せしめるようにするため、シ
ャッターブロックには、水冷効果を上げるためのラジエ
ター23が設置されている。
【0051】校正ターゲット兼シャッターの開閉を検出
する検出器としては、例えば完全密封式のリードスイッ
チがある。シャッターシャフトの一部に永久磁石を設置
し、この磁石に対向してリードスイッチを開位置と閉位
置との2箇所に設置する。校正ターゲット兼シャッター
シャフトが90度回転することでリードスイッチ2個の
内、何れかが必ず作動することとなる。このリードスイ
ッチ出力は開限・閉限を意味し、ロータリーシャッター
10が開〜閉または閉〜開へと作動中以外で双方が作動
していない場合は、異常と判断する。これにより、校正
ターゲット兼シャッター開閉の異常を確実に検出でき
る。なお、図7中の8は水抜き管、21は水抜き口、8
0は圧力放散弁である。
【0052】なお、図6では、鋳片1の短辺面1′の中
央を挟んで左右に1つずつ、合計3個の超音波プローブ
3が設けられているが、前述した図5で示したように、
短辺面1′の中央と左右のどちらか1つの合計2個の超
音波プローブ3を設けるのみでもよい。この場合には、
前述した(3)式により鋳片1の短辺面1′の凹量dを
求める。
【0053】次に、第3の実施の形態について説明す
る。図8は、本発明の第3の実施形態を示す詳細構造図
である。図中の符号は、段差30を除き、図7と同一で
ある。ロータリーシャッター7以降から超音波射出口2
0の先端までの超音波通路に段差30を設け、超音波プ
ローブ3からの超音波を受ける段差30の端面を、超音
波が乱反射しないように平面状に加工して、校正面とし
ての役割をもたせている。
【0054】このような構造にすることによって、通常
の計測時(ロータリーシャッタ開の状態)にも常時、段
差校正面からのエコー(反射波)の観測すなわち「オン
ライン中の校正」をすることができる。これは、シャッ
ターの構造に制約を与えない。段差30は一部でもよい
が、超音波通路外側全体に設けるようにした方が、中空
状の校正面が形成され、より安定したエコーが得られ
る。
【0055】次に、第4の実施の形態について説明す
る。図9は、本発明の第4の実施形態を示す詳細構造図
である。図中の符号は、段差31を除き、図7と同一で
ある。この実施形態では、図8に示す場合とは逆に、ロ
ータリーシャッター7の前に段差31を設けている。す
なわち、超音波プローブ3以降からロータリーシャッタ
ー7までの超音波通路(例えば、水柱ノズル部2b)に
段差31を設け、段差31の端面に校正面としての役割
をもたせている。
【0056】このような構造にすることによって、シャ
ッターの開閉に関係なく(すなわちオンライン・オフラ
イン関係なく)何時でも校正可能であるという利点があ
る。
【0057】図10は、校正信号及び計測信号の特定方
法を示す図である。通常、反射波の生波形には、図10
に示すように様々なノイズが乗っている。しかしなが
ら、これまでに説明した種々の方式において校正面の位
置は不変であり、また、計測ターゲットである鋳片1ま
での距離Lも計測範囲として明確である。従って、生波
形に校正用ゲート及びターゲット用ゲートを掛けること
により、図10に示すゲート通過後の波形のように、他
のノイズを取り除くことができる。このような処理によ
って安定した校正信号及び計測信号を得ることができ
る。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、連続鋳造
設備においてモールド直下の鋳片の形状測定を、超音波
プローブの焼損によるトラブルもなく安定的に行える。
また、鋳造終了毎または任意のタイミングで危険な作業
を伴わず容易に自動校正できるため、保全性が飛躍的に
改善できる。さらに、ブレークアウトを確実に予知し、
生産性の飛躍的な向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であり、形状
測定装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す図であり、形状
測定装置の拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す図であり、校正
ターゲット兼シャッターの開閉構造を模式的に示す図で
ある。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す図であり、校正
ターゲット兼シャッターの開閉構造を模式的に示す図で
ある。
【図5】第1の実施の形態の変形例を示す図であり、本
発明による形状測定装置の全体構成図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図であり、形状
測定装置の全体断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図であり、形状
測定装置の部分断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図であり、形状
測定装置の部分断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す図であり、形状
測定装置の部分断面図である。
【図10】校正信号及び計測信号の特定方法の例を示す
図である。
【図11】連続鋳造鋳片の横断面図である。
【図12】鋳造長さと短辺面の凹量dとの関係を示す図
である。
【図13】従来の鋳片短辺形状測定装置の構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 鋳片 1′ 短辺面 2 水冷箱 2a,2b,2c 水柱ノズル 3 超音波プローブ 4 送受信器 5 演算装置 6 水柱 7 シャッター 8 水抜き管 9 水供給管 10 ロータリーアクチュエータ 11 チェーン 20 超音波射出口 21 水抜き口 22 水供給口 23 ラジエター 30 段差 31 段差 80 圧力放散弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昌志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−91585(JP,A) 特開 昭57−84378(JP,A) 特開 昭56−21006(JP,A) 特開 昭60−6260(JP,A) 特開 昭57−168108(JP,A) 特開 昭60−133960(JP,A) 特開 平8−201013(JP,A) 実開 昭58−19210(JP,U) 実開 平2−39113(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/16 104 B22D 11/16 B22D 11/20 B22D 11/22 G01B 17/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳片幅方向に複数個並べて配置され、水
    柱を介して距離計測を行う超音波プローブと、水供給管
    が接続され、前記超音波プローブをその内部に配設する
    水冷箱と、該水冷箱に配置され、前記水柱を形成する水
    柱ノズルと、該水柱ノズルに接続して配置され、前記超
    音波プローブから発生する超音波を射出する超音波射出
    口と、前記水柱ノズルまたは超音波射出口に配置された
    シャッターと、を具備することを特徴とする連続鋳造鋳
    片の形状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記水冷箱には、圧力放散弁を有する水
    抜き管が設置されていることを特徴とする請求項1に記
    載の連続鋳造鋳片の形状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記シャッターの開閉を検出するための
    シャッター開閉検出器が設置されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の連続鋳造鋳片の形状
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記シャッターを閉じた時に超音波プロ
    ーブ側に面することになる、前記シャッターの一端面
    は、平面に加工されて超音波プローブの校正面になるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1つに
    記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置。
  5. 【請求項5】 前記シャッター以降から超音波射出口先
    端までの超音波通路には段差が設けられ、該段差の端面
    は、平面に加工されて超音波プローブの校正面になるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1つに
    記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置。
  6. 【請求項6】 前記超音波プローブ以降からシャッター
    までの超音波通路には段差が設けられ、該段差の端面
    は、平面に加工されて超音波プローブの校正面になるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1つに
    記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置。
  7. 【請求項7】 前記水冷箱には複数の水柱ノズル及び超
    音波射出口が配置されており、複数の水柱ノズルまたは
    超音波射出口を貫通するようにシャッター取付孔が形成
    され、該シャッター取付孔には、各水柱ノズルまたは超
    音波射出口の位置に径方向に貫通孔を有する軸体からな
    るロータリーシャッターが嵌入され、該ロータリーシャ
    ッターが回転することにより前記複数の水柱ノズルまた
    は超音波射出口を同時に開閉するようにしたことを特徴
    とする請求項1ないし請求項6の何れか1つに記載の連
    続鋳造鋳片の形状測定装置。
  8. 【請求項8】 前記ロータリーシャッターを回転させる
    ためのロータリーアクチュエータが前記水冷箱内に設置
    されていることを特徴とする請求項7に記載の連続鋳造
    鋳片の形状測定装置。
  9. 【請求項9】 前記ロータリーアクチュエータの駆動源
    には水圧が用いられていることを特徴とする請求項8に
    記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9の何れか1つ
    に記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用方法であっ
    て、鋳造終了時の鋳片の端部が当該形状測定装置の前を
    通過する直前に、シャッターを閉じることを特徴とす
    る、連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項9の何れか1つ
    に記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用方法であっ
    て、シャッターを閉じている時に、シャッター面を利用
    して超音波プローブによる距離計測の校正を行うことを
    特徴とする、連続鋳造鋳片の形状測定装置の使用方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項9の何れか1つ
    に記載の連続鋳造鋳片の形状測定装置による距離計測出
    力に基づいて連続鋳造鋳片の短辺形状を計測する計測工
    程と、該計測工程の出力に基づく鋳片短辺凹量が所定値
    以下になる場合は、鋳片の引き抜き速度を下げ及びまた
    はモールドの冷却量を大きくするように制御する制御工
    程とを有することを特徴とする連続鋳造方法。
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