JP3531422B2 - 赤外線検出器及び赤外線アレイ - Google Patents
赤外線検出器及び赤外線アレイInfo
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Description
抗が変化するような材料を使った感熱抵抗体で入射赤外
線を検知する赤外線検出器に関するものである。
ある。図において、1は赤外線の入射による温度変化を
感知する感熱抵抗体、2は感熱抵抗体1にバイアスをか
けるための電流源、3はノードaでの電位変化を増幅す
る増幅器である。また図8は、上記図7のようなボロメ
ータ型赤外線検出器を示す構成図である。図において、
4はシリコン基板、5はMOS集積回路である。感熱抵
抗体1は、温度による抵抗変化率の大きい材料を用いて
いる。また、感熱抵抗体1の温度を効率的に上昇させる
ために、図に示すようにマイクロマシニング技術を用い
て基板と感熱抵抗体1とを分離して、感熱抵抗体1の熱
がシリコン基板4へ逃げないように断熱構造が採られて
いる。
抵抗体1に入射すると、感熱抵抗体1の抵抗値が変化
し、変化の割合に応じてノードaの電位が変化する。ノ
ードaの電位変化は増幅器3で増幅され信号として読み
出される。このようにして、赤外線の入射を、感熱抵抗
体1に印加されたバイアス電圧の変化として観察するこ
とができる。
外線検出器は、行、列に配置して2次元に集積化された
赤外線アレイを形成する。各画素に配置された感熱抵抗
体1が、アレイ表面に入射した赤外線から映像信号を取
り出すことができるので、夜間撮影などが可能となる。
出器は、抵抗の温度変化を利用しているため、赤外線の
入射による温度変化以上に、検出器周辺の環境温度の変
化によって出力電圧の大きさが変化してしまい、動作の
安定性に問題がある。そこで、赤外線検出器に温調器な
どの外部装置を取り付けて環境温度を安定させ、入射赤
外線による温度変化のみに応じて出力電圧が変動するよ
うにしている。
以上のように構成されているので、温調器の設置による
コストの増加、組立工程の複雑化といった問題点があっ
た。また、温調器を設置しても、温調器の性能によって
制御温度にはある程度の振幅があるため、長時間安定し
て動作させることが困難であるという問題点があった。
になされたもので、コストが安く且つ長時間安定した動
作が可能な赤外線検出器を得ることを目的とする。ま
た、本発明の赤外線検出器を搭載して、長時間安定して
撮像が可能な赤外線アレイを得ること目的とする。
出器は、赤外線の入射による温度変化と環境温度の変化
とを感知する第一の感熱抵抗体、環境温度の変化を感知
する第二の感熱抵抗体、この第二の感熱抵抗体の抵抗値
で決まる電位と基準電位との差を増幅する差動増幅器、
この差動増幅器の出力によって第一の感熱抵抗体に流れ
る電流を制御する電流源を備え、電流源は、環境温度の
変化による差動増幅器の出力変動分に応じた電流を第一
の感熱抵抗体に流し、第一の感熱抵抗体が赤外線の入射
による温度変化による電位変動のみを検出できるように
したものである。
温度の変化とを感知する第一の感熱抵抗体、環境温度の
変化を感知する第二の感熱抵抗体、この第二の感熱抵抗
体の抵抗値で決まる電位によって第一の感熱抵抗体に流
れる電流を制御する電流源を備え、電流源は、環境温度
の変化による第二の感熱抵抗体の電位変動分に応じた電
流を第一の感熱抵抗体に流し、第一の感熱抵抗体が赤外
線の入射による温度変化による電位変動のみを検出でき
るようにしたものである。
求項1または2記載の赤外線検出器を搭載したものであ
る。
体とが各画素に配置されているものである。
外線検出器の回路図である。図において、11は赤外線
の入射による温度変化を感知する第一の感熱抵抗体、1
2は赤外線の入射による温度変化は感知せず環境温度の
変化のみを感知する第二の感熱抵抗体、21はMOSト
ランジスタで構成され、ドレインが第一の感熱抵抗体1
1に接続された第一の電流源、22は第一の電流源21
と同じくMOSトランジスタで構成され、ゲートが第一
の電流源21に、ドレインが第二の感熱抵抗体12に接
続された第二の電流源、6は差動増幅器、7はコンデン
サである。また、a、bはノード、cは基準電位の入
力、dは赤外線検出器の出力である。また図2は、上記
図1の赤外線検出器の断面図である。
は、例えばマイクロマシニング技術を応用して、検出器
を支持するシリコン基板4と熱的に分離した構造上に設
置し、赤外線の入射によって容易に温度変化が起こるよ
うな構造になっている。一方、第二の感熱抵抗体12は
シリコン基板4上に設置してあるので、赤外線が入射し
てもそのときの熱は大熱容量体であるシリコン基板4へ
と伝わり、容易に温度変化が起こらないような構造とな
っている。このように各感熱抵抗体を構成することによ
り、第一の感熱抵抗体11の抵抗値は、赤外線の入射に
よる温度変化と検出器の環境温度とで決定され、第二の
感熱抵抗体12の抵抗値は環境温度のみで決定される。
度(常温など)でノードaの電位が基準電位cと同じに
なるように差動増幅器6を設計しておく。この時、基準
電位cは出力dの電位と同程度としておくことが望まし
い。今、各感熱抵抗体が負の温度係数を持つとし、検出
器周辺の環境温度が上昇した場合、第一の感熱抵抗体1
1及び第二の感熱抵抗体12の抵抗値は減少して、ノー
ドa及び出力dの電位も減少する。これにより、ノード
aの電位と基準電位cとの間には電位差が生じるため、
ノードbの電位は、差動増幅器6のオフセット電圧から
上記電位差に応じて減少する。ノードbの電位が減少す
ることにより、第一の電流源21及び第二の電流源22
のゲート−ソース間電圧は大きくなる。従って、第一の
電流源21及び第二の電流源22のソース−ドレイン間
の電流は増加して、結果的に、ノードa及び出力dの電
位は再び上昇して基準電位cに近づく。出力dは、基準
電位cとほぼ同程度の電位を維持したまま、引き続き、
入射赤外線による温度変化に対応した抵抗変化分のみ電
位変化させることができる。つまり、第一の電流源21
は、環境温度が変化しても、第一の感熱抵抗体11にか
かる電圧が環境温度によって変化しないように、差動増
幅器6からの出力、即ち第二の感熱抵抗体12の電位変
化分に応じて第一の感熱抵抗体11に電流を流す。
境温度によって第一の感熱抵抗体11及び第二の感熱抵
抗体12の抵抗値が変動しても、出力電圧は常に基準電
位程度になり、入射赤外線による温度変化のみに応じて
出力電圧を変動させることができる。従って、上記従来
例のように、温調器などの外部装置を設置する必要はな
いため、コストが安く且つ長時間安定した動作が可能で
ある。また、温調器を設置したとしても、温調器の性能
に左右されず、長時間安定した動作が可能である。
第一の電流源21との間にコンデンサ7を接続すれば、
急激な温度変化によるノードbにかかる電位の急激な変
動を抑えることが可能になり、各電流源で発生するノイ
ズを抑えることができる。
態2による赤外線検出器の回路図である。上記実施の形
態1と異なる点は差動増幅器6が無い点である。
は、上記実施の形態1と同様である。今、各感熱抵抗体
が負の温度係数を持つとし、検出器周辺の環境温度が上
昇した場合、負の抵抗温度係数をもつ第一の感熱抵抗体
11及び第二の感熱抵抗体12の抵抗値は減少し、ノー
ドa及び出力dの電位は減少する。ノードaの電位の低
下によりノードbの電位も低下するため、第一の電流源
21及び第二の電流源22のゲート−ソース間電圧は大
きくなる。従って、第一の電流源21及び第二の電流源
22のソース−ドレイン間の電流は増加し、ノードa及
び出力dの電位は再び上昇して、結果的に環境温度の変
動によるノードa、bでの変動は小さくなる。
第二の電流源22の電流駆動能力が大きいほど効果的に
なる。電流駆動能力は、MOSトランジスタにゲート電
圧を印加したときのソース−ドレイン電流を流す能力を
示すものである。上記実施の形態1では、第二の感熱抵
抗体22の抵抗値が大きく変化し、ノードaでの電位が
大きく変化しても、差動増幅器6により基準電位cとの
差分をとるため、該変化がそのまま各電流源の電流を制
御することはない。しかし、本実施の形態では、差動増
幅器6が無いため、ノードaで大きく電位が変化した場
合、該変化がそのまま各電流源の電流を制御することに
なるので、第一の電流源21及び第二の電流源22の電
流駆動能力が大きくなければ、電位変動分の電流を流す
ことができない。
の電流源22の電流駆動能力の大きいMOSトランジス
タを用いれば差動増幅器6を省略することができるた
め、赤外線検出器の設計が平易となり、また、回路のレ
イアウトも自由にできる。
の赤外線検出器を搭載した赤外線アレイの回路図、また
図5は、上記実施の形態2の赤外線検出器を搭載した赤
外線アレイの回路図である。図に示すように、マトリク
ス状に並べられた第一の感熱抵抗体11が各画素に入射
した赤外線の検出を行い、水平信号線走査回路及び垂直
信号線走査回路により検出された信号を水平、垂直方向
に順次読み出して行く。各画素を構成する第一の感熱抵
抗体11には、上記実施の形態1及び2による赤外線検
出器が接続されているので、赤外線アレイの環境温度が
変動しても、出力電位は基準電位付近で安定させること
ができ、長時間にわたり安定した撮像が可能となる。
ような赤外線アレイは、数センチ角のサイズを有するの
で、第一の感熱抵抗体11を形成する膜の膜厚や組成
が、アレイの場所によって異なる場合がある。従って、
第一の感熱抵抗体11の抵抗値は、各画素で不均一とな
り、これにより出力に分布ができてしまい映像として問
題が生じる。そこで、これを解決するために、各画素の
抵抗値ばらつきに応じた出力ばらつきをメモリなどの記
憶手段に記憶させておき、出力信号を補正することで映
像のばらつきを防ぐことが考えられるが、装着部品数を
増加させ望ましくない。
決するために、第一の感熱抵抗体11と第二の感熱抵抗
体12とを同一画素内に組み込み、上記実施の形態2に
よる赤外線検出器を画素ごとに設けた。図6は、本実施
の形態による赤外線アレイの回路図である。このような
構成とすることにより、各画素間の第一の感熱抵抗体1
1の抵抗値がばらついても、第一の感熱抵抗体11に流
す電流を画素毎に制御するため、画素間の出力のばらつ
きを小さくすることができる。
れば、赤外線の入射による温度変化と環境温度の変化と
を感知する第一の感熱抵抗体、環境温度を感知する第二
の感熱抵抗体、この第二の感熱抵抗体の抵抗値で決まる
電位と基準電位との差を増幅する差動増幅器、この差動
増幅器の出力によって第一の感熱抵抗体に流れる電流を
制御する電流源を備え、電流源は、環境温度の変化によ
る差動増幅器の出力変動分に応じた電流を第一の感熱抵
抗体に流し、第一の感熱抵抗体が赤外線の入射による温
度変化による電位変動のみを検出できるようにしたもの
であるので、コストが安く且つ長時間安定した動作が可
能な赤外線検出器を得る効果がある。
線の入射による温度変化と環境温度の変化とを感知する
第一の感熱抵抗体、環境温度の変化を感知する第二の感
熱抵抗体、この第二の感熱抵抗体の抵抗値で決まる電位
によって第一の感熱抵抗体に流れる電流を制御する電流
源を備え、電流源は、環境温度の変化による第二の感熱
抵抗体の電位変動分に応じた電流を第一の感熱抵抗体に
流し、第一の感熱抵抗体が赤外線の入射による温度変化
による電位変動のみを検出できるようにしたものである
ので、コストが安く且つ長時間安定した動作が可能な赤
外線検出器を得る効果がある。
項1または2記載の赤外線検出器を搭載したものである
ので、安定して長時間の撮影ができる効果が得られる。
の感熱抵抗体と第二の感熱抵抗体とが各画素に配置され
ているものであるので、安定して長時間の撮影ができる
効果が得られる。
回路図である。
示す断面図である。
回路図である。
示す構成図である。
イを示す構成図である。
示す構成図である。
1 第一の電流源、22第二の電流源、4 シリコン基
板、5 MOS集積回路、6 差動増幅器、7コンデン
サ
Claims (4)
- 【請求項1】 赤外線の入射による温度変化と環境温度
の変化とを感知する第一の感熱抵抗体、上記環境温度の
変化を感知する第二の感熱抵抗体、この第二の感熱抵抗
体の抵抗値で決まる電位と基準電位との差を増幅する差
動増幅器、この差動増幅器の出力によって上記第一の感
熱抵抗体に流れる電流を制御する電流源を備え、上記電
流源は、上記環境温度の変化による上記差動増幅器の出
力変動分に応じた電流を上記第一の感熱抵抗体に流し、
上記第一の感熱抵抗体が上記赤外線の入射による温度変
化による電位変動のみを検出できるようにしたことを特
徴とする赤外線検出器。 - 【請求項2】 赤外線の入射による温度変化と環境温度
の変化とを感知する第一の感熱抵抗体、上記環境温度の
変化を感知する第二の感熱抵抗体、この第二の感熱抵抗
体の抵抗値で決まる電位によって上記第一の感熱抵抗体
に流れる電流を制御する電流源を備え、上記電流源は、
上記環境温度の変化による上記第二の感熱抵抗体の電位
変動分に応じた電流を上記第一の感熱抵抗体に流し、上
記第一の感熱抵抗体が上記赤外線の入射による温度変化
による電位変動のみを検出できるようにしたことを特徴
とする赤外線検出器。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の赤外線検出器を
搭載したことを特徴とする赤外線アレイ。 - 【請求項4】 第一の感熱抵抗体と第二の感熱抵抗体と
が各画素に配置されていることを特徴とする請求項3記
載の赤外線アレイ。
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1997
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