JP3529705B2 - ホログラム生成方法及びホログラム情報記録媒体 - Google Patents
ホログラム生成方法及びホログラム情報記録媒体Info
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Description
録媒体に記録するホログラムを生成するホログラム生成
方法及び再生専用のホログラム情報記録媒体に係り、特
に磁気カードやICカードのように、持ち運び容易なメ
モリカードとして使用するに好適な再生専用のホログラ
ム情報記録媒体に記録するホログラムを生成するホログ
ラム生成方法及びホログラム情報記録媒体に関する。
であって、安価且つ偽造の危険性が少ない情報記録媒体
として、再生専用多重ホログラムカード(以下ホログラ
ムカードと略記する)が考案されている。図1はホログ
ラムカードの断面構造と情報再生の原理を説明する図で
ある。同図において、ホログラムカード5は屈折率の高
い層(コア層1と称する)と屈折率の低い層(クラッド
層2と称する)を交互に積層した構造で特徴づけられ
る。
り込んだレーザ光4を、このホログラムカード5の側方
端面に照射すると、レーザ光4はコア1層近傍に閉じ込
められてホログラムカード5内を進行する。この光を導
波光6と称し、導波光6の光エネルギーが集中するコア
層1近傍の領域をスラブ導波路または単に導波路と称す
る。1つの導波路は1つのコア層1と隣接するクラッド
層2の一部を含む。ホログラムカード5は、各導波路が
ホログラムを備えることをもう一つの特徴としている。
作り込まれた散乱要因7によって導波路外へ散乱される
が、散乱要因7は全体としてホログラムとして機能する
ように設計されており、このために散乱光は互いに干渉
し、全体としては上下方向に進み、ホログラムカード5
外の一平面内で像を結ぶ光となる。この光を回折光8、
像をホログラム像9、像を結ぶ平面を結像面10と称す
る。ホログラム像9は導波路内のホログラムの情報を含
んでおり、この像をCCD等の2次元光ディテクタで取
り込むことにより、情報読み出しを行う。さらに、レン
ズ3によるレーザ光4の絞り込みが適切であれば、導波
路のうちの一つのみに導波光6を伝搬させることができ
るため、各導波路に作り込まれたホログラムを独立に読
み出すことができる。
次元光ディテクタでの情報読み出しに好適なホログラム
像を生成するようなホログラムを作成する技術が重要で
ある。図2は、従来のホログラム像の例11を説明する
図である。代表的な2次元光ディテクタはCCD撮像素
子にしてもC−MOS撮像素子にしても、微小な画素が
数μmピッチで縦横に多数並んだ構造をしている。これ
らの素子で読み出すのに好適なホログラム像として、従
来は図2(a)の部分拡大図である図2(b)に示すよ
うに、やはり微小な画素12を情報の単位として、この
画素を縦横に多数並ベた構造を取っている。
光電磁場をUd(x,y)とすると、画像全体の光電磁
場U(x,y)は、
付けするための複素数の定数であり、m、nは画素の番
号を表す整数である。したがって、画素1つを表示する
のに必要なホログラムをGd(x,y)とすると、全体
の画像を表示するためのホログラムG(x,y)は、
から全体の画像を表示するためのホログラムG(x,
y)を計算するのではなく、画素1つを表示するのに必
要なホログラムGd(x,y)を計算してから全体の画
像を表示するためのホログラムG(x,y)を求めるこ
とが多い。
たような円形のものの他、矩形のもの、無限小の点があ
った。これらの各画素のスカラー光電磁場分布Uc,U
r,Upを数式で表すと、次式のようになる。
矩形画素の縦と横の長さ、関数circ、rectは下記のよう
に定義される。
ある。
ドでは、画像の構成単位である画素間の干渉が大きく、
画質の劣化原因となっており、またはホログラムから再
生された情報を読み取る際に高い頻度で誤りが発生する
という問題が有った。本発明はこのような事情に鑑みて
なされたものであり、画像の構成単位である画素間の干
渉による再生画像の劣化の防止を図った、またはホログ
ラムから再生された情報を読み取る際における読み取り
誤りの発生を著しく抑制することができるホログラム生
成方法及びホログラム情報記録媒体を提供することを目
的とする。
に、請求項1に記載の発明は、ホログラム情報記録媒体
用のホログラムを生成する方法において、ホログラム画
像の結像面内において、再生されるホログラム画像を構
成する単位である画素が緩慢に変化する関数で表現され
る光電磁場強度分布を元にして、ホログラムを作成する
ことを特徴とする。
ム情報記録媒体用のホログラムを生成する方法におい
て、ホログラム画像の結像面内において、再生されるホ
ログラム画像を構成する単位である画素が連続して変化
する関数で表現される光電磁場強度分布を元にして、ホ
ログラムを作成することを特徴とする。
グラム情報記録媒体用のホログラムを生成する方法にお
いて、ホログラム画像の結像面内において、再生される
ホログラム画像を構成する単位である画素が緩慢に変化
する関数、もしくは連続して変化する関数で表現される
光電磁場強度分布を元にして、ホログラムを作成するよ
うにしたので、画素間の干渉による再生画像の劣化を防
止することができ、またはホログラムの再生により得ら
れる情報を読み取る際における読み取り誤りの発生を著
しく抑制することができる。
て説明する。従来のホログラム画像の画素は、式(3)
から式(5)から判る通り、空間的に急激に変化する関
数で定義されている。このような像を実現するようなホ
ログラムGd(x,y)は、光の回折現象のために非常
に広い領域に拡がったものとなる。ところが、実際には
ホログラムカードの大きさには制限があるため、このホ
ログラム全てを理想的に実現することはできない。
ホログラムの強度分布を示している。図3に示すように
再生画像が点状画素で構成される場合の理想的なホログ
ラム13は幅広いものであるが、実現可能なホログラム
領域15により制限されるために、実際のホログラム1
5は、ホログラム領域14の端部で急激に0となる。急
激に変化する関数で定義される画素を実現するようなホ
ログラムは、光の回折現象のために幅広いものとなると
述べたが、これとは逆に、ホログラムが急激に変化する
場合に、やはり回折現象のために、理想的な無限小の点
ではなく、点の周囲に裾を引くような画像になってしま
う。
う、円形、矩形、無限小点のような裾を引かない切れの
よい画素を用いているが、実際の再生像では光の回折現
象のためにかえって裾を引き、周囲の画素との干渉が大
きい。裾、あるいはサイドロープは、概ね、画素の中心
からの距離の自乗に反比例して拡がる。そこで本発明の
実施の形態では、スカラー光電磁場が緩やかに変化する
関数で定義される画素を用いることにより、この画素間
の干渉の問題を解決する。例えば、誤差関数型画素のス
カラー光電磁場は次式で定義される。
化部分がなく、ホログラム像として表示するのに面積の
広いホログラムを必要としない。図4はその様子を説明
する図で、ホログラム16が大きく拡がらないため、領
城を限定されても影響は非常に小さく、図3において点
状画素の場合にホログラム15に見られるような不連続
点は現れない。したがって、設計通りの誤差関数型画素
に非常に近い像が、実際に表示される。図5は、画素1
個についての実際に結像面で観測されると予測されるホ
ログラム像を従来のホログラム像と比較して示してい
る。
め、縦軸は対数表示にしている。破線は、従来の点状画
素からホログラムを計算し、そのホログラムから実際に
得られる像の強度分布を示している。本来は中央でのみ
強い光強度であるはずであるが、ホログラム領域が限定
されるため、中心からの距離の自乗に反比例して長々と
裾を引いている。一方、実線は誤差関数型の画素から同
様な手順を踏んで実際に得られる像の強度分布を示して
いる。ホログラム領域の限定に影響されずに、元々目的
とした誤差関数型の強度分布となり、点状の画素から出
発した場合に比べて、速やかに強度減衰し、周囲の画素
との干渉が小さいことが判る。
ム生成方法及びホログラム情報記録媒体の実施例につい
て説明する。実施例の説明に先立ち、ホログラム情報記
録媒体の作製(設計)から画像再生に至る過程を図7を
参照して説明する。まず、再生したい画像を決定し、そ
のためのスカラー光電磁場関数U(x,y)を決定す
る。このとき、CCD等の撮像素子で観測されるのは光
強度分布|U(x,y)|2で、これが目的とする画像
に見えるようにスカラー光電磁場関数U(x,y)を設
計する(図7(A))。
のスカラー光電磁場をUd(x,y)と書く場合、全体
の画像を、
観測される光強度分布は、
対応させておけば、各画素内部で
の画像が観測できることになる。
面にどのようなホログラムを用意すれば、ホログラム記
録面から一定距離fだけ離れたホログラム結像面内でU
(x,y)なるスカラー光電磁場が生成されるかを予測
する(図7(B))。スカラー光電磁場U(x,y)
は、与えられたホログラムG(x、y)に対して、
(x、y)を数値計算する。
の波数で、波長λに対して2π/λである。このとき、
先に単独画素の光電磁場関数Ud(x,y)に対するホ
ログラムGd(x,y)を求めておけば、画像全体を再
生するようなホログラムは、単にホログラムGd(x,
y)の重ね合せをするだけでよい。後は、再生したい画
像が変わっても、重み付け係数Pmnを変えるだけでよ
く、いちいちU(x,y)を求めてから式(12)によ
りホログラムの計算をするよりも計算時間を短縮するこ
とができる。
ラムを仮定している。仮にホログラムが無限に広けれ
ば、結像面内ではU(x,y)が忠実に再現されるはず
であるが、現実には不可能であるから、ホログラムは有
限面積になる(図7(C))。ホログラムが有限領域に
限定された結果、U(x,y)あるいは、Gd(x,
y)の選び方が悪いと、結像面内では当初の予定とは異
なる光電磁場が生成され、したがって観測される画像も
予定とは異なることとなる。
つもりでも、ホログラム領域が限定されているときには
実際にはどんなスカラー光電磁場ができるのか、式()
12を用いて計算すれば判る。しかしながら、式(1
2)の計算は複雑で、数値計算に非常に時間がかかる。
そこで、フーリエ光学で行う近軸近似を使用すると、計
算がかなり簡単化される。結像面内でU(x,y)なる
スカラー光電磁場を生成するつもりでホログラムを作製
してもホログラム領域が限定されると、式(13)に示
すようにU(x,y)とは異なるスカラー光電磁場UA
(x,y)が生成されることが近軸近似で判る(図7
(D))。
し、sはその一辺の長さである。
素を表示するため、ホログラムを式(13)を用いて数
値計算で求めた。矩形画素は式(4)で一辺10μmの
正方形とした。また、誤差関数型の画素は、式(8)で
dが4.08μmのものを用いた。ホログラムから画像
(この場合画素)までの距離は3mm、ホログラム領域
は2mm×2mmとした。光源は、波長680nmの半
導体レーザである。図6は、これら、記録領域が限定さ
れたホログラムから得られる結像面上での光強度分布|
UA(x,y)|2である。従来の矩形画素では、図5と
同様に裾が拡がっているのに対し、本発明の誤差間数型
画素の場合は、領域限定の影響をほとんど受けず、サイ
ドローブは矩形画素に比べて遥かに急速に減衰し、著し
く画素間の干渉を抑える効果があることが判る。
の発明によれば、ホログラム情報記録媒体用のホログラ
ムを生成する方法において、ホログラム画像の結像面内
において、再生されるホログラム画像を構成する単位で
ある画素が緩慢に変化する関数、もしくは連続して変化
する関数で表現される光電磁場強度分布を元にして、ホ
ログラムを作成するようにしたので、画素間の干渉によ
る再生画像の劣化を防止することができ、またはホログ
ラムの再生により得られる情報を読み取る際における読
み取り誤りの発生を著しく抑制することができる。
再生の原理を示す説明図。
す説明図。
に変化する画素のホログラムを示す説明図。
を示す図。
て示す説明図。
までの過程を示す説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ホログラム情報記録媒体用のホログラム
を生成する方法において、 ホログラム画像の結像面内において、再生されるホログ
ラム画像を構成する単位である画素が緩慢に変化する関
数で表現される光電磁場強度分布を元にして、ホログラ
ムを作成することを特徴とするホログラム生成方法。 - 【請求項2】 ホログラム情報記録媒体用のホログラム
を生成する方法において、ホログラム画像の結像面内に
おいて、再生されるホログラム画像を構成する単位であ
る画素が連続して変化する関数で表現される光電磁場強
度分布を元にして、ホログラムを作成することを特徴と
するホログラム生成方法。
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JP2000179056A JP3529705B2 (ja) | 2000-06-14 | 2000-06-14 | ホログラム生成方法及びホログラム情報記録媒体 |
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JP2001356672A JP2001356672A (ja) | 2001-12-26 |
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