JP3527488B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

使い捨ておむつ

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JP3527488B2
JP3527488B2 JP2001228762A JP2001228762A JP3527488B2 JP 3527488 B2 JP3527488 B2 JP 3527488B2 JP 2001228762 A JP2001228762 A JP 2001228762A JP 2001228762 A JP2001228762 A JP 2001228762A JP 3527488 B2 JP3527488 B2 JP 3527488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、使い捨ておむつに関
する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−218159号公報には、左
右両側各々に弾性伸縮力で起き上がる内外側フラップを
有する使い捨ておむつが開示されている。このおむつで
は、内側フラップが着用者の大腿付根またはその近傍に
比較的弱く圧接し、外側フラップが大腿に比較的強く圧
接する。内外側フラップ各々はおむつの内側または外側
へ倒されて、対向端部がおむつ対向端部の肌当面に接合
固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】おむつを着用するとき
には、伸縮性の胴周り端縁部をその周り方向へ適度に伸
長する。また、おむつ着用者が身体を激しく動かすと、
おむつの胴周り端縁部は伸縮してよく動く。それゆえ、
前記公知技術のように内外側フラップの前後対向端部を
胴周り端縁部に固定したおむつでは、大腿付根またはそ
の近傍に当接することを予定した内側フラップが胴周り
端縁部の影響を受けて動き易く、場合によっては大腿付
根からずれたりすることがある。そうしたずれは体液漏
れの原因となり、内側フラップが所期の目的を達成でき
ないことになる。
【0004】この発明は、おむつ内外側のフラップのう
ちの内側フラップについて、その少なくとも前端部をお
むつ長手方向の中央寄りに位置させることにより、前記
体液漏れの原因を解消することを課題にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る使い捨て
おむつは、肌当面を形成する透液性表面シートと肌非当
面を形成する不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが
介在する積層体と、前記コアの周縁から延出する前記表
裏面シート部分で端部フラップ及び側部フラップと、前
後胴周り域及び側縁が内側へ凹む股下域とを有し、前記
端部フラップと前記股下域の凹む側縁とにはそれらに沿
って胴周り弾性部材と脚周り弾性部材とが配置され、前
記前後胴周り域の長手方向への収縮による前記肌当面か
らの起立性向を有して互いに平行する内側フラップ及び
外側フラップが前記肌当面の各側部において前記長手方
向へ延び、前記内外側フラップの各々が、前記長手方向
における前後両端部と、該両端部間に延びる基部及び該
基部に平行する自由縁とを有し、内側側へ倒された状態
で、前記両端部が前記コアの両端部上における前記肌当
接面にかつ前記基部が前記股下域における前記両側部フ
ラップにおける前記肌当接面に接合され、前記自由縁が
弾性部材を備えることを含む。
【0006】この発明に係る使い捨ておむつは、さら
に、前記内外側バリヤフラップの前後端部が前記前後胴
周り域の前後端縁からそれぞれ離間し、前記胴周り弾性
部材が前記内外側バリヤフラップの前後端部と前記長手
方向における前記前後胴周り域の端縁との間に位置する
こと、及び前記長手方向における前記内側バリヤフラッ
プの前記自由縁の前後端部が、前記長手方向における前
記外側バリヤフラップの前後端部よりも前記長手方向に
おける前記おむつの中央寄りに位置していることを含
む。
【0007】この発明に係る使い捨ておむつは、好まし
い実施の形態として、前記外側バリヤフラップが前記基
部と前記自由縁との間における折曲線を介して外側へ折
り返されていること、前記内外側バリヤフラップが、互
いに連続するシートの折り曲げによって形成されている
こと、前記後胴周り域における前記内外側バリヤフラッ
プの後端部と該後胴周り域の後端縁との離間距離が、前
記前胴周り域における前記内外側バリヤフラップの前端
部と該前胴周り域の前端縁とのそれよりも大きいこと、
前記股下域の前記内側へ凹む側縁が、前記表裏面シート
及び前記外側バリヤフラップの当該側縁で形成されてい
るとともに、前記前後胴周り域における前記外側バリヤ
フラップの幅が、前記股下域における前記外側バリヤフ
ラップのそれよりも大きいこと、前記脚周り弾性部材が
前記股下域において前記外側バリヤフラップの下面に位
置していること、及び前記内側バリヤフラップの前記自
由縁を除く部分が一重層から、かつ、前記外側バリヤフ
ラップが二重層から形成されていることを含む。
【0008】
【実施例】この発明に係る使い捨ておむつの詳細を添付
の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。
【0009】図1に部分破断斜視図で示す使い捨ておむ
つ1は、前胴周り域2と後胴周り域3と股下域4とを有
し、前後胴周り域2,3の左右側縁部の対向する内面が
シール部6で間欠的に接合し、胴周り開口7と左右一対
の脚周り開口8とを備えたパンツ(ブリーフ)型を呈し
ている。各開口7,8の周縁部には胴周り弾性部材10
Aと、脚周り弾性部材10Bとが延在している。
【0010】図2は、図1のおむつ1をそのシール部6
で剥離し、前後の長手方向に伸展した状態の部分破断平
面図である。このおむつ1は、透液性表面シート11と
不透液性裏面シート12との間に吸液性コア13が介在
してなる積層体15と、積層体15の左右両側において
前後方向に延びる内側バリヤフラップ16と、外側バリ
ヤフラップ17とで構成されている。
【0011】積層体15において、表裏面シート11,
12はコア13の周縁から延出する部分の内面で互いに
ホットメルト接着剤(図示せず)で接合し、左右方向に
位置する側部フラップ18と前後方向に位置する端部フ
ラップ19,20とを形成している。側部フラップ18
は、脚周りに合わせた凹部22を有し、その内側に位置
する脚周り弾性部材10Bは、表裏面シート11,12
間に介在し、少なくともそれらの一方のシートの内面に
伸長状態で接合している。端部フラップ19,20にお
ける胴周り弾性部材10Aもまた、表裏面シート11,
12間に介在し、少なくともそれらの一方のシートの内
面に伸長状態で接合している。脚周り弾性部材10B
は、表裏面シート11,12の間に介在しているから、
股下域4においては、後記外側バリヤフラップ17の下
面に位置する。
【0012】内側バリヤフラップ16と外側バリヤフラ
ップ17とは、一枚のシート50をおむつの前後方向に
延びる後記折曲線に沿って折曲することにより形成され
ている。図のように伸展したおむつ1では、内側バリヤ
フラップ16が内側へ倒れ、外側バリヤフラップ17が
一旦内側へ倒された後外側へ倒れている。
【0013】図3,4,5は、図2のIII−III
線、IV−IV線、V−V線端面図であって、内外側バ
リヤフラップ16,17の前端部とおむつ1の前後方向
のほぼ中央とにおけるシート50の折曲状態と、シート
50の肌当面への接合状態とを示す。図3において、シ
ート50は、部位A,B,C,Dに位置する仮想の折曲
線に沿って折曲され、小さな点で図示したホットメルト
接着剤51により、剥離不能に接合している。内側バリ
ヤフラップ16は、その内面が表面シート11に接合
し、外側バリヤフラップ17は、シート50が部位Dで
折曲されてなる内面シート部分52と外面シート部分5
3とを有し、それら両シート部分52,53は少なくと
も部位Dの近傍で互いに接合している。内面シート部分
52は、部位Cで折曲されて向かい合う内面どうしが接
合し、外面シート部分53は内側バリヤフラップ16の
外面に接合している。内面シート部分52が側方へ延出
する部分54は外側バリヤフラップ17の基部であっ
て、表面シート11に接合している。なお、内外側バリ
ヤフラップ16,17の後端部は、前端部と実質的に同
じ断面構造を有している。図4において、内側バリヤフ
ラップ16がここでも表面シート11に接合している。
一方、外側バリヤフラップ17は、内面シート部分52
どうしの接合と、外面シート部分53と内側バリヤフラ
ップ16の外面との接合がなくなり、基部54が表面シ
ート11に接合している。折曲部位Dの内側には第2弾
性部材24が伸長状態で接合している。この断面図で
は、第2弾性部材24が収縮すると、外側バリヤフラッ
プ17が表面シート11から起立する。図5において、
折曲部位AとDの内側には、内側バリヤフラップ16用
の第1弾性部材23と外側バリヤフラップ17用の第2
弾性部材24とが各々伸長状態で接合している。内外側
バリヤフラップ16,17は、各々の基部で表面シート
11に接合している。この断面図では、第1,2弾性部
材23,24が収縮すると内外側バリヤフラップ16,
17が起立する。
【0014】図2〜5及び前段落における記載から明ら
かなように、内外側バリヤフラップ16,17の前後端
部16A,17Aはコア13の前後端部における肌当接
面に、かつ、前後端部16A,17A間に位置する基部
16B,17Bは側部フラップ18における肌当面にそ
れぞれ接合し、同じく前後端部16A,17A間に位置
する内外側バリヤフラップ16,17の自由縁16C,
17Cは弾性部材23,24の伸縮作用を受けていて肌
当面からの起立性向を有している。したがって、内側バ
リヤフラップ16の自由縁16Cの前後端部16Dは、
外側バリヤフラップ17の自由縁17Cの前後端部17
Dよりもそれぞれおむつの長手方向中央部寄りに位置し
ている。
【0015】後胴周り域3における内外側バリヤフラッ
プ16,17の後端部16A,17Aと後胴周り域3の
後端部3Aとの間の距離は、前胴周り域2における内外
側バリヤフラップ16,17の前端部16A,17Bと
前胴周り域2の前端縁2Aとの距離よりも大きい。ま
た、胴周り弾性部材10A,10Aは、それぞれ内外側
バリヤフラップ16,17の前後端部16A,17Aと
前後胴周り域の端縁部2A,3Aとの間に位置してい
る。また、股下域4の両側縁に位置する凹部22におい
ては、図2及び5から明らかなように、表裏面シート1
1,12と外側バリヤフラップ17の側縁が互いに合致
するように形成されているとともに、前後胴周り域2,
3における外側バリヤフラップ17の幅が股下域4にお
ける該外側バリヤフラップの幅よりも大きく形成されて
いる。
【0016】内外側バリヤフラップ16,17の平面形
状は、図2のとおりである。内側バリヤフラップ16の
前端部は、前胴周り域の端縁2Aから距離Pまでの間に
おいて表面シート11に接合し、後端部は後胴周り域の
端縁3Aから距離Rまでの間において表面シート11に
接合している。また、外側フラップ17の前端部と後端
部は、各々距離QとRまでの間において表面シート11
に接合している。好ましくは、P≧40mm、Q≧20
mmであって、PはQよりも20mm以上大きくする。
Rは、P,Qに関係なくその値を決めることができる
が、好ましくはR≧20mmにする。
【0017】このようにおむつ1を構成すると、少なく
とも前胴周り域2において、内側バリヤフラップ16は
胴周り端縁部の伸縮の影響を受け難く、着用者の大腿付
根またはその局部近傍に安定的に当接することが可能に
なる。一方、外側バリヤフラップ17は、内側バリヤフ
ラップ16の前端部よりさらに上方において横方向へ流
れる体液の漏洩を防止する。また、おむつ1の後胴周り
域3部分においては、図示のように内外側バリヤフラッ
プ16,17の後端部の位置を距離Rのところで揃える
他に、好ましくは、前胴周り域2と同様に内側バリヤフ
ラップ16の後端部を外側バリヤフラップ17のそれよ
りおむつ1の中央寄りに位置させる。おむつ1が表面シ
ート11を内側にして前後方向に湾曲すると、第1、2
弾性部材23,24が収縮し、内外側バリヤフラップ1
6,17は各々の前後端部間において表面シート11か
ら起立する傾向を示す。
【0018】図示例では内外側バリヤフラップ16,1
7が1枚のシート50で構成されているが、それらバリ
ヤフラップ16,17を各々異なるシート材料で構成す
ることができる。各バリヤフラップ16,17が倒れる
向きもまた、図示例に限ることなく、両者を共に内側へ
倒したり、または外側へ倒したりすることができる。シ
ート50には不織布やプラスチックフィルムを使用する
ことができ、必要ならそれらに表面処理を施して、内外
側バリヤフラップ16,17を共に親水性にしたり疎水
性にしたりする他に、一方を親水性にし、他方を疎水性
にすることもできる。
【0019】この発明において、おむつ1は、図示例の
パンツ型のものの他に、周知慣用の開放型のものにする
ことができる。表裏面シート11,12や吸液性コア1
3には、当該技術分野における公知ないし周知の素材を
使用し、各部材を接合するには、ホットメルト接着剤等
の接着剤の他に、熱溶融性材料に対する溶着技術を利用
することができる。
【0020】
【発明の効果】この発明に係るおむつでは、肌当面から
の起立性向を有する伸縮性の内外側バリヤフラップのう
ちの内側バリヤフラップにおいて、その自由縁の前後端
部を外側バリヤフラップの自由縁の前後端部よりもそれ
ぞれおむつ前後方向の中央寄りに位置させ、胴周り端縁
部から離間させたから、その端縁部がここに位置する弾
性部材の伸縮作用で伸縮変形したりしても内側バリヤフ
ラップは、その影響を受けることなく安定的に着用者の
大腿付根またはその近傍に当接し、体液の横漏れ防止効
果を十分に発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】おむつの部分破断斜視図。
【図2】前後に伸展したおむつの部分破断平面図。
【図3】図2のIII−III線端面図。
【図4】図2のIV−IV線端面図。
【図5】図2のV−V線端面図
【符号の説明】
1 おむつ 2 前胴周り域 3 後胴周り域 4 股下域 11 表面シート 12 裏面シート 13 吸液性コア 16 内側バリヤフラップ 17 外側バリヤフラップ 23,24 弾性伸縮部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−218159(JP,A) 特開 平5−285174(JP,A) 特開 平2−174845(JP,A) 特開 平3−218752(JP,A) 特開 平6−209967(JP,A) 特開 平6−304201(JP,A) 特開 平6−304199(JP,A) 特開 平5−184622(JP,A) 特開 平5−200059(JP,A) 特開 平7−112003(JP,A) 特開 平2−152450(JP,A) 特開 平9−24063(JP,A) 実開 平4−90322(JP,U) 実開 平5−24022(JP,U) 実開 平5−51324(JP,U) 実開 平4−99921(JP,U) 実開 平2−71521(JP,U) 実開 平6−426(JP,U) 実開 平5−51326(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 13/15 - 13/84

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】肌当面を形成する透液性表面シートと肌非
    当面を形成する不透液性裏面シートとの間に吸液性コア
    が介在する積層体と、前記コアの両縁から延出する端部
    フラップ及び側部フラップと、前後胴周り域及び側縁が
    内側へ凹む股下域とを有し、前記端部フラップと前記股
    下域の凹む側縁とにはそれらに沿って胴周り弾性部材と
    脚周り弾性部材とが配置され、前記前後胴周り域の長手
    方向への収縮による前記肌当面からの起立性向を有して
    互いに平行する内側バリヤフラップ及び外側バリヤフラ
    ップが前記肌当面の各側部において前記長手方向へ延
    び、前記内外側バリヤフラップの各々が、前記長手方向
    における前後両端部と、該両端部間に延びる基部及び該
    基部に平行する自由縁とを有し、内側側へ倒された状態
    で、前記両端部が前記コアの両端部上における前記肌当
    面にかつ前記基部が前記股下域の前記両側部フラップに
    おける前記肌当面に接合され、前記自由縁が弾性部材を
    備える使い捨ておむつにおいて、 前記内外側バリヤフラップの前後端部が前記前後胴周り
    域の前後端縁からそれぞれ離間し、前記胴周り弾性部材
    が前記内外側バリヤフラップの前後端部と前記長手方向
    における前記前後胴周り域の前後端縁との間にそれぞれ
    位置し、 前記長手方向における前記内側バリヤフラップの前記自
    由縁の前後端部が、前記長手方向における前記外側バリ
    ヤフラップの前記自由縁の前後端部よりも前記長手方向
    における前記おむつの中央寄りに位置していることを特
    徴とする前記おむつ。
  2. 【請求項2】前記外側バリヤフラップが前記基部と前記
    自由縁との間の折曲線を介して外側へ折り返されている
    請求項1記載のおむつ。
  3. 【請求項3】前記内外側バリヤフラップが、互いに連続
    するシートの折り曲げによって形成されている請求項1
    又は2記載のおむつ。
  4. 【請求項4】前記後胴周り域における前記内外側バリヤ
    フラップの後端部と該後胴周り域の後端縁との離間距離
    が、前記前胴周り域における前記内外側バリヤフラップ
    の前端部と該前胴周り域の前端縁とのそれよりも大きい
    請求項1,2又は3記載のおむつ。
  5. 【請求項5】前記股下域の前記内側へ凹む側縁が、前記
    表裏面シート及び前記外側バリヤフラップの当該側縁で
    形成されているとともに、前記前後胴周り域における前
    記外側バリヤフラップの幅が、前記股下域における前記
    外側バリヤフラップのそれよりも大きい請求項1,2,
    3又は4に記載のおむつ。
  6. 【請求項6】前記脚周り弾性部材が前記股下域において
    前記外側バリヤフラップの下面に位置している請求項
    1,2,3,4又は5記載のおむつ。
  7. 【請求項7】前記内側バリヤフラップの前記自由縁を除
    く部分が一重層から、かつ、前記外側バリヤフラップが
    二重層から形成されている請求項2記載のおむつ。
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