JP3524869B2 - 降雪融解パネル - Google Patents

降雪融解パネル

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JP3524869B2
JP3524869B2 JP2000346166A JP2000346166A JP3524869B2 JP 3524869 B2 JP3524869 B2 JP 3524869B2 JP 2000346166 A JP2000346166 A JP 2000346166A JP 2000346166 A JP2000346166 A JP 2000346166A JP 3524869 B2 JP3524869 B2 JP 3524869B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の屋根、ある
いは庭園や私道等の露地への降雪を、効率良く融解し
て、雪の堆積を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】冬季の積雪の多い地方では、毎冬、屋根
からの雪降ろしや、屋根から滑落して軒下に高く積み重
なった雪などを取り除いて、適当な貯雪場所へ移動する
といった除雪作業を余儀なくされており、しかも市街地
などでは、膨大な運搬雪量のために費用が嵩み、捨て場
所にも困ることがある。そこで、従来から、このような
雪を融解させるための種々の融雪装置が提案されてい
る。
【0003】例えば、実用新案登録第2028877号
よる融雪装置は、道路や軒下などに積もった雪を運んで
融雪槽内に投入し、この槽内に配置した炉内のバーナー
による高温の燃焼ガスによって、雪を融かすものであ
る。
【0004】しかしながら、この種の燃焼式融雪装置
は、融雪槽が地上に定置又は地中に埋設されるものであ
るため、雪を人手によって融雪装置の設置箇所まで運搬
するという重労働は依然として必要であり、省力化の問
題を解決するものではない。しかも、堆積した雪塊、凍
結雪、氷塊、及びそれらの混合体は、密度が高く、夜間
の放射等によって著しく低温になっているので、これを
融解あるいは流出させるには莫大な熱エネルギが必要で
あり、燃焼により発生した熱エネルギが融解エネルギと
して変換される効率も低く、燃料の消費及び人手による
労力が膨大なものになる問題があった。
【0005】また、一辺が数十cmの方形断面を有する
コンクリート角管による融雪・流雪溝を埋設して、各戸
で、人手によって雪塊や氷塊をこの融雪・流雪溝に運搬
・投入して、送水により融雪させて流去させる方法も採
用されている。しかし、この方法は、コンクリート角管
を埋設して流雪経路を張り巡らすものであるため、巨額
な施工費用が必要である。
【0006】また、家屋の屋根の融雪装置としては、屋
根材の裏側に温水や不凍液を通す送液管を配設し、この
送液管内の温水や不凍液の熱を屋根材に伝達して、屋根
材の上面に堆積した雪を融かすようにしたものが知られ
ている。
【0007】しかしながら、この種の装置においては、
温水や不凍液は粘性が高いため、長い送液管全体に、急
速に熱エネルギを供給することが困難であり、温度勾配
を生じて、屋根全体の均一な融雪効果を得ることが困難
である。しかも、送液管が屋根材の裏側に配設されるた
め、屋根の上面に熱が伝導されるのに時間がかかり、屋
根に堆積した雪の滑落を生じるといった危険性もある。
【0008】その他、温泉水や地下水などを用いて融雪
するものもあるが、温泉水や地下水を利用するものは、
地盤沈下のおそれがあるため、汲み上げ供給可能な地域
が制限され、しかも設備が大掛りなものになってしまう
問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題に鑑みてなされたものであって、その技術的課題
とするところは、屋根又は露地等へ向かって落下する降
雪片自体を降下時に瞬時に融解することによって積雪を
防止し、しかもきわめて少ない熱エネルギで効率良く融
雪可能とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわ
ち、請求項1の発明に係る降雪融解パネルは、一対の多
岐送気管部と、これら両多岐送気管部の間を互いに並列
に連通する複数の中間送気管部が、平面的に並んで形成
された放熱パネル本体を有し、一方の前記多岐送気管部
から他方の多岐送気管部に向けて加熱気体が流通される
降雪融解パネルであって、前記放熱パネル本体は、軽量
で容易・迅速に設置・撤去作業ができるように合成樹脂
シート又は合成樹脂フィルムによって形成されており、
且つ、略長方形又は正方形に成形されたもので、互いに
平行な二辺に位置する一対の前記多岐送気管部と、前記
多岐送気管部の間を互いに並列に連通し、前記多岐送気
管部に対して略直行する複数の中間送気管部が、平面的
に並んで形成されており前記中間送気管部の間に通水間
隙を有し、上流側となる前記多岐送気管部の両端および
下流側となる前記多岐送気管部の両端に管継手部が設け
られ、上流側となる前記多岐送気管部と下流側となる前
記多岐送気管部とでは互いに反対側の端部に位置する前
記管継手部の内部通路が閉塞されるものである。この構
成による降雪融解パネルは、屋根あるいは露地などの積
雪防止対象面上に敷設され、落下して来る雪片が、多岐
送気管部又は中間送気管部の表面に接触することによっ
て、これらの送気管部内を通る加熱気体と熱交換されて
融解し、液体の水となって、送気管部の表面から低位側
へ向けて流れ落ちる。送気管部内に送られる加熱気体は
粘性が小さいため、熱エネルギを降雪融解パネル全体に
急速に行きわたらせ、温度勾配を小さく抑えることがで
きる。
【0011】更に、放熱パネル本体は、シート又はフィ
ルム状の合成樹脂材料により形成されたものである。こ
の構成によれば、放熱パネル本体が軽量であるため、屋
根等への荷重の負担が著しく小さく、設置や撤去の際の
取り扱いも容易であり、薄肉であることによって、表面
に接触した雪片との熱交換が効率良く行われる。
【0012】また、パネル本体に、上流側となる多岐送
気管部の一端及び下流側となる多岐送気管部の他端に管
継手部が設けられ、放熱パネル本体が前記管継手部を介
して複数接続された状態で積雪防止対象面に敷設される
ものである。この構成によれば、積雪防止対象面の面積
や形状に合わせて必要数の降雪融解パネルを接続し、積
雪防止対象面全体を覆うように敷設することができる。
【0013】更に、パネル本体が、上流側となる多岐送
気管部の両端及び下流側となる多岐送気管部の両端に管
継手部が設けられ、上流側となる多岐送気管部と下流側
となる多岐送気管部とでは互いに反対側の端部に位置す
る管継手部の内部通路が閉塞されるものである。この構
成によれば、降雪融解パネルの接続・敷設形態によっ
て、各降雪融解パネルの流路の方向を任意に選択でき
る。
【0014】更に、放熱パネル本体の各中間送気管部の
間に通水隙間が形成されたものである。この構成によれ
ば、降雪片が中間送気管部の表面に接触することによっ
て融解した水の大部分は、送気管部の表面から前記通水
隙間を通って積雪防止対象面に流れ落ちる。
【0015】請求項の発明は、請求項の構成を備え
放熱パネル本体が前記管継手部を介して複数直列に接
続されたブロックを形成し、前記ブロック毎に熱交換器
等と並列に接続された状態で積雪防止対象面に敷設され
たものである。この構成によれば、ブロワ又はエアコン
プレッサの負荷や、温度勾配を小さく抑えることができ
る。
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る降雪融解パネ
ルの好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明す
る。図1は降雪融解パネル1を単体で示す斜視図で、こ
の図1に示されるように、降雪融解パネル1は、放熱パ
ネル本体11と、その下面に固定された連結ネット12
と、この連結ネット12の下面に所定の間隔で突設され
た複数の短脚13とを備える。
【0018】放熱パネル本体11は、全体が例えば塩化
ビニル等からなる強靭かつ軟質で撥水性を有する合成樹
脂シート又は合成樹脂フィルムによって、略長方形又は
正方形のチューブ集合エアマット状に成形されたもの
で、互いに平行な二辺に位置する一対の多岐送気管部1
11,112と、この多岐送気管部111,112の間
を互いに並列に連通し、これら多岐送気管部111,1
12に対して略直交する複数の中間送気管部113が、
平面的に並んで形成されている。各送気管部111,1
12,113の間には、細長い通水隙間114が形成さ
れている。
【0019】一方の多岐送気管部111の一端近傍には
管継手部115が設けられており、他端近傍には連結部
116が設けられている。また、他方の多岐送気管部1
12には、一方の多岐送気管部111における管継手部
115と反対側の端部近傍に位置して管継手部117が
設けられており、その反対側の端部近傍に、連結部11
8が設けられている。すなわち、一方の多岐送気管部1
11における管継手部115及び連結部116と、他方
の多岐送気管部112における管継手部117及び連結
部118は、互いに逆の位置関係にあり、それぞれ中間
送気管部113と反対側へ向けて突出している。
【0020】図2(a)は管継手部115,117の接
続状態の断面図、図2(b)は連結部116,118の
連結状態の断面図である。すなわち管継手部115,1
17は、図2(a)に示されるように、市販の圧搾空気
用ワンタッチジョイント(カプラ)と同様の、公知の雌
雄嵌合構造を有するものであって、互いにスナップ的に
着脱可能となっている。また、図2(b)に示されるよ
うに、連結部116,118も同様の雌雄嵌合構造によ
って、互いにスナップ的に着脱可能にしたもので、内部
が閉塞されている点で管継手部115,117と異なる
ものである。
【0021】なお、連結部116,118は、図2
(a)に示される管継手部115,117と全く同様の
構造とし、栓又は蓋119で内部通路を閉塞したものと
することが好ましい。この場合は、図3におけるA,B
のうちのいずれを栓又は蓋119で閉塞するか、あるい
はC,Dのうちのいずれを栓又は蓋119で閉塞するか
によって、A,Cを管継手部、B,Dを連結部とし、あ
るいは逆にA,Cを連結部、B,Dを管継手部とすると
いうように、流路の方向を任意に選択できるので、一層
使い勝手を良くすることができる。
【0022】また、連結部116,118の内部通路の
閉塞は、栓又は蓋119のほか、セメントやその他の固
結材、接着剤等の充填によっても容易に行うことができ
る。
【0023】連結ネット12は、例えばステンレスや防
錆を施した金属線材あるいは剛性の大きな合成樹脂線材
等からなるものであって、放熱パネル本体11の平面形
状と略同等の大きさの外枠部121と、この外枠部12
1に張られたネット本体122とを有し、放熱パネル本
体11に適当な手段により結合されている。
【0024】短脚13は、連結ネット12に一体的に突
設形成されるか、あるいは螺子などの適当な取付手段を
介して取り付けられる。また、この短脚13としては、
例えばキャスタを用いることができ、これによって設置
や移動を容易にすることができる。
【0025】図4は複数の降雪融解パネル1を接続した
状態を示す部分的な平面図、図5は降雪融解パネル1を
複数接続して家屋20の屋根に設置した状態を示す説明
図である。すなわち上述の構成を有する降雪融解パネル
1は、管継手部115,117と、連結部116,11
8を介して平面的に接続し、例えば家屋Hにおける屋根
Rの上面に敷設・固定することができる。
【0026】なお、降雪融解パネル1を家屋20の屋根
へ固定する方法としては種々考えられるが、例えば連結
ネット12をフックあるいはスプリング付きの紐、ワイ
ヤなどで張設することができる。また、連結ネット12
の下面に金属棒や帯状金属板を結合して、これを重錘と
し、吹雪の際などに降雪融解パネル1が容易にばたつか
ないようにすることができる。
【0027】図4に示されるように、降雪融解パネル1
は、流路方向が互いに対称のものが交互に接続される。
詳しくは、第n段目の降雪融解パネル1における管継
手部115は、この降雪融解パネル1とは対称の形状
である第n−1段目の降雪融解パネル1n−1の管継手
部117に管継手14を介して接続され、第n段目の降
雪融解パネル1における反対側の管継手部117は、
この降雪融解パネル1 とは対称の形状である第n+1
段目の降雪融解パネル1n+1の管継手部115と接続
される。また、第n段目の降雪融解パネル1における
管継手部115と並んだ連結部116は、第n−1段目
の降雪融解パネル1n−1の管継手部117と並んだ連
結部118と連結され、同様に、第n段目の降雪融解パ
ネル1における反対側の連結部118は、第n+1段
目の降雪融解パネル1n+1の連結部116と連結され
る。そして、このように接続することによって、各降雪
融解パネル1が中間送気管部113の延長方向へ直線的
に並んだ状態となる。
【0028】図5に示されるように、屋根Rの上面に敷
設された降雪融解パネル1,1,…のうち、最も上流側
の降雪融解パネル1における上流側の管継手部115
は、給気管2に接続され、最も下流側の降雪融解パネル
1における下流側の管継手部117は、排気管3に接続
される。また、排気管3における下流側と給気管2にお
ける上流側との間には、エアタンク4、ブロワ又はエア
コンプレッサ5及び燃焼式熱交換器6が順次接続され
る。
【0029】なお、エアタンク4、ブロワ又はエアコン
プレッサ5及び燃焼式熱交換器6は、例えば温室用な
ど、既製の市販品を利用することができる。また、エア
タンク4は、降雪融解パネル1の接続数が少ない場合
は、不要にすることができる。
【0030】図6は、降雪融解パネル1の接続形態の一
例を模式的に示す説明図である。すなわち、降雪融解パ
ネル1の敷設枚数が比較的少ない場合は、全て直列に接
続しても良いが、降雪融解パネル1の敷設枚数が多い場
合は、図6に示されるように、例えば複数段直列に接続
したパネル列1A〜1A,1B〜1B,…を、
給気管2と排気管3間に互いに並列に接続することによ
って、ブロワ又はエアコンプレッサ5の負荷や、後述す
る温度勾配を小さく抑えることができる。
【0031】図7は、降雪融解パネル1の作用を示す説
明図である。放熱パネル本体11は、連結ネット12及
び短脚13を介して、屋根Rの上面から浮上した状態に
設置されており、その多岐送気管部111,112及び
中間送気管部113内には、図3に示されるブロワ又は
エアコンプレッサ5によって圧送され燃焼式熱交換器6
によって適当な高温状態に加熱された空気が流通され
る。放熱パネル本体11は、塩化ビニル等からなるエア
マット状に成形されたものであるのに加え、その内部は
暖気が流通するため浮力が作用するので著しく軽量であ
り、家屋に対する荷重負荷が軽微に抑えられる。
【0032】また、豪雪地域であっても、大雪の降る回
数は一冬で4〜5回程度であり、かつ1回あたりで強い
冬型気圧配置が持続する日数は、通常2〜3日程度であ
るため、降雪融解パネル1は一冬を通して常設しておく
必要はなく、豪雪の時期のみ設置するようにしても良
い。そして上述のように、降雪融解パネル1は著しく軽
量であるため、設置・撤去作業が容易であり、したがっ
て、例えば大雪注意報や大雪警報の発令時に迅速に設置
して対応することができる。
【0033】図7における参照符号Sは、上空から落下
する雪片である。この降雪片Sの殆どは、屋根Rの上面
に到達することなく、降雪融解パネル1における多岐送
気管部111,112又は中間送気管部113の表面に
接触して、その内腔を通る加熱空気の熱によって融解す
る。そして、これらの送気管部111〜113は薄肉の
合成樹脂膜で形成されているため、接触した降雪片Sと
加熱空気との熱交換が瞬時に行われて融解し、水滴Wと
なる。また、送気管部111〜113を形成している合
成樹脂は撥水性を有するため、水滴Wは表面張力によっ
て、合成樹脂表面に殆ど付着せずに屋根Rの上面に滴下
する。更にこの融雪水は、屋根Rの上面を滑落して軒先
から地上へ落下する。
【0034】先に説明した図1に示されるように、各放
熱パネル本体11における管継手部115,117は、
多岐送気管部111,112における互いに反対側の端
部近傍に設けられているため、図2に示されるように、
管継手部115から管継手部117へ向かう空気経路の
長さは、多岐送気管部111,112間で複数の中間送
気管部113のいずれを経由しても、ほぼ同一である。
したがって、加熱空気の流れが特定の中間送気管部11
3で短絡することはなく、多岐送気管部111から各中
間送気管部113へほぼ均一に分岐して流れ、他方の多
岐送気管部112で合流するので、熱の偏在を生じにく
い。
【0035】通水隙間114の大きさによっては、一部
の降雪片Sは、多岐送気管部111,112又は中間送
気管部113の表面に接触することなく通水隙間114
へ侵入することもあり得るが、各送気管部111〜11
3の連結は連結ネット12によって行われているので、
通水隙間114に降雪片Sが堆積することはなく、融雪
残が生じない。更に、通水隙間114屋根Rの上面に到
達した降雪片Sがあっても、この降雪片Sは、屋根Rの
上面を流れる融雪水によって融解される。
【0036】各降雪融解パネル1,1,…を通る過程
で、上述した融解によって熱エネルギを消費した空気
は、排気管3を通って還流され、いったんエアタンク4
に貯留された後、ブロワ又はエアコンプレッサ5によっ
て燃焼式熱交換器6へ送られ、この燃焼式熱交換器6に
よって熱エネルギを補給された後、再び各降雪融解パネ
ル1,1,…へ送られる。
【0037】空気は温水等に比較して粘性が著しく小さ
いので、各降雪融解パネル1,1,…内を高速で通過す
ることができ、このため、燃焼式熱交換器6から補給さ
れた熱が、短時間で全ての降雪融解パネル1,1,…に
搬送される。したがって、上流側と下流側との間での熱
の偏在(温度勾配)が小さなものとなり、屋根全体にほ
ぼ均一な融雪効果を得ることができる。またこのため、
融雪水の再凍結も有効に防止することができる。
【0038】ここで、屋根や地面にいったん堆積した雪
は、圧縮による密度の増大や夜間の凍結等によって変質
するので、これを融解させるには膨大な熱エネルギを必
要とするが、上述のように、降雪融解パネル1は、堆積
する前の降雪片Sを融解するものであるため、熱エネル
ギの消費を有効に節減することができる。また、この降
雪融解パネル1は、雪の堆積自体を防止するものである
ため、従来のように豪雪時期において屋根に積もった雪
の重量による家屋等への過重負荷がなくなり、雪降ろし
などの重労働も不要になり、屋根からの氷雪塊の落下に
よる事故も防止することができる。
【0039】上述した実施の形態においては、家屋の屋
根Rに設置した場合について説明したが、本発明に係る
降雪融解パネル1は、傾斜地や狭い路地、あるいは踏み
歩きをしない地面へも同様に敷設できるので、これらへ
の積雪防止手段としても有用である。
【0040】図8は、隣接した家屋H間の生活路地Gへ
の積雪防止のために設置した例を示すものである。この
例においては、各家屋Hの屋根Rに、先に説明した図3
と同様に降雪融解パネル1を設置するほか、各家屋Hの
屋根R間にネット状支持体7を適当な吊支具8等を介し
て架設し、このネット状支持体7上に所要数の降雪融解
パネル1を設置して、互いに接続している。
【0041】このようにすれば、屋根Rへの積雪を防止
できることは勿論、上空から家屋H間の生活路地Gへ落
下して来る雪片も、地表面に到達する前に、ネット状支
持体7上の放熱パネル本体11の表面に接触して融解す
るので、生活路地Gへの積雪を有効に防止することがで
きる。したがって、生活路地Gに積もった雪をスコップ
などで除いて、融雪装置の設置箇所や特定の貯雪スペー
スまで運搬するといった除雪・排雪作業も不要にするこ
とができる。また、地面に直接設置するのではなく、屋
根R間に架設されるので、生活路地Gの通行が阻害され
ない。
【0042】なお、この場合、屋根Rに設置した降雪融
解パネル群と、屋根R間のネット状支持体7上に設置し
た降雪融解パネル群も、互いに接続することができる。
また、ネット状支持体7は、図1における連結ネット1
2と同様、放熱パネル本体11における各送気管部11
1〜113を固定する機能を有するため、連結ネット1
2を不要にすることができる。
【0043】また、放熱パネル本体11における各中間
送気管部113間の連結手段としては、ワイヤや合成樹
脂繊維等も用いることができ、紐状、網状等のものであ
れば、特に限定されない。更に、地面等へ設置する場合
は、地表面の凹凸によって放熱パネル本体11との間に
流水空間が確保されるため、短脚13も不要である。
【0044】なお、降雪融解パネル1の接続形態として
は、図5及び図6に示されるものには何ら限定されず、
屋根等、積雪防止対象面の面積や形状によって、種々の
形態で接続されるものである。
【0045】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、落下して
来る雪片を、送気管部を通る加熱気体の熱によって融解
させるものであるため、雪の堆積自体を有効に防止する
ことができる。屋根に堆積した雪を融解させる場合のよ
うな、雪塊の滑落といった危険も生じない。しかも、家
屋の屋根のほか、庭園や路地、農業用ビニルハウス等へ
の積雪防止手段としても利用することができるため、除
雪・排雪作業等が不要にすることができる。
【0046】また、放熱パネル本体における送気管部内
を通る加熱気体は粘性が小さいため、熱エネルギを降雪
融解パネル全体に急速に行きわたらせ、均一な融雪効果
を得ることができ、堆積した雪を融解させる場合に比較
して、エネルギ消費量を著しく節減することができる。
【0047】また、温泉水、地下水、あるいは海水を利
用して融雪する設備のように、設置条件や地域が限定さ
れることがなく、しかも熱媒体としては加熱空気を用い
ることができるので、その供給手段も汎用の安価なもの
を使用することができ、設備全体を簡易なものにするこ
とができる。
【0048】更に、放熱パネル本体がシート又はフィル
ム状の合成樹脂材料により形成されているため、上述の
効果に加え、著しく軽量になり、設置や撤去も容易・迅
速に行うことができ、薄肉であることによって、表面に
接触した雪片の融解を効率良く行うことができる。
【0049】また、放熱パネル本体が管継手部を介して
複数接続可能であるため、積雪防止対象面の面積や形状
に合わせて必要数の降雪融解パネルを接続し、積雪防止
対象面全体を覆うように敷設することができる。
【0050】また、上流側となる多岐送気管部の両端及
び下流側となる多岐送気管部の両端に管継手部が設けら
れ、上流側と下流側とでは互いに反対側の端部に位置す
る管継手部の内部通路が閉塞されることによって、必要
に応じて降雪融解パネル流路の方向を設定することがで
きるため、降雪融解パネルの接続形態を容易に選択でき
る。
【0051】また、放熱パネル本体の各中間送気管部の
間に通水隙間が形成されたため、降雪片が送気管部の表
面で融解した水を、積雪防止対象面に迅速に流すことが
できる。
【0052】請求項に係る発明によれば、放熱パネル
本体が前記管継手部を介して複数直列に接続されたブロ
ックを形成し、前記ブロック毎に熱交換器等と並列に接
続された状態で積雪防止対象面に敷設されることによっ
て、ブロワ又はエアコンプレッサの負荷や、温度勾配を
小さく抑えることができる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る降雪融解パネルを単体で示す斜視
図である。
【図2】本発明に係る降雪融解パネルの管継手部及び連
結部を示す断面図である。
【図3】本発明に係る降雪融解パネルの管継手部と連結
部の位置関係を説明するための図である。
【図4】本発明に係る降雪融解パネルを複数接続した状
態を示す部分的な平面図である。
【図5】本発明に係る降雪融解パネルを複数接続して家
屋の屋根に設置した状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る降雪融解パネルを複数接続する場
合の接続形態の一例を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明に係る降雪融解パネルの作用を示す説明
図である。
【図8】本発明に係る降雪融解パネルを、隣接した家屋
間の生活路地への積雪防止のために設置した例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 降雪融解パネル 11 放熱パネル本体 111,112 多岐送気管部 113 中間送気管部 114 通水隙間 115,117 管継手部 12 連結ネット 13 短脚 14 管継手 2 給気管 3 排気管 5 燃焼式熱交換器 6 ブロワ又はエアコンプレッサ 7 ネット状支持体 R 屋根(積雪防止対象面) G 生活路地(積雪防止対象面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−131261(JP,A) 特開 昭58−123049(JP,A) 実開 平1−89559(JP,U) 実開 平1−107779(JP,U) 実開 平1−122150(JP,U) 実開 昭61−73711(JP,U) 実開 昭60−159017(JP,U) 実公 平3−52935(JP,Y2) 実公 昭50−38211(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の多岐送気管部と、これら両多岐送
    気管部の間を互いに並列に連通する複数の中間送気管部
    が、平面的に並んで形成された放熱パネル本体を有し、
    一方の前記多岐送気管部から他方の前記多岐送気管部に
    向けて加熱気体が流通される降雪融解パネルであって、
    前記放熱パネル本体は、軽量で容易・迅速に設置・撤去
    作業ができるように合成樹脂シート又は合成樹脂フィル
    ムによって形成されており、且つ、略長方形又は正方形
    に成形されたもので、互いに平行な二辺に位置する一対
    の前記多岐送気管部と、前記多岐送気管部の間を互いに
    並列に連通し、前記多岐送気管部に対して略直行する複
    数の中間送気管部が、平面的に並んで形成されており、
    前記中間送気管部の間に通水間隙を有し、上流側となる
    前記多岐送気管部の両端および下流側となる前記多岐送
    気管部の両端に管継手部が設けられ、上流側となる前記
    多岐送気管部と下流側となる前記多岐送気管部とでは互
    いに反対側の端部に位置する前記管継手部の内部通路が
    閉塞されたことを特徴とする降雪融解パネル。
  2. 【請求項2】 請求項1の前記放熱パネル本体が前記管
    継手部を介して複数直列に接続されたブロックを形成
    し、前記ブロック毎に熱交換器等と並列に接続された状
    態で積雪防止対象面に敷設されることを特徴とする降雪
    融解パネル。
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