JP3522855B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3522855B2
JP3522855B2 JP26745694A JP26745694A JP3522855B2 JP 3522855 B2 JP3522855 B2 JP 3522855B2 JP 26745694 A JP26745694 A JP 26745694A JP 26745694 A JP26745694 A JP 26745694A JP 3522855 B2 JP3522855 B2 JP 3522855B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置(以下、MRI装置という)に関し、特に傾斜磁場
発生装置が発生する騒音及び振動の低減を図ったMRI
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、静磁場内に置かれた検査
対象に電磁波を照射することによって、検査対象内の原
子核に核磁気共鳴現象を生じさせ、これにより検査対象
から発生する磁気共鳴信号に基づいて検査対象の物理的
性質を表す画像を得るもので、静磁場及び傾斜磁場の各
磁場発生手段と、磁場発生手段の内側に配置され、検査
対象に電磁波を照射し或いは検査対象からの磁気共鳴
(NMR)信号を検出する高周波コイルと、検出された
NMR信号を使って画像を再構成する画像再構成手段と
を備えている。
【0003】傾斜磁場は、NMR信号に位置情報を付加
するために静磁場に重畳して印加されるもので、静磁場
発生装置の発生する磁場内に位置させた傾斜磁場コイル
とその保持部材とからなり、傾斜磁場コイルにパルス状
電流を流すことにより駆動される。この場合磁場内でパ
ルス電流を流すことによってフレミングの左手の法則に
従い、電磁力が作用する。そしてこの電磁力が傾斜磁場
コイルを変形させようとし、騒音、振動が発生する。こ
のような騒音や振動は検査対象である患者に恐怖感、不
快感を与えるので好ましくなく、防音或いは消音するこ
とが好ましい。
【0004】このためMRI装置では従来より装置外周
を覆う化粧カバーの内側に吸音材等を設け傾斜磁場の騒
音を低減すると共に、傾斜磁場コイルを保持する保持部
材に制振部材を用い、制振部材のダンピング特性を利用
して振動振幅の絶対値を軽減すると共に、衰減時間を短
くする方法を採用していた。しかし化粧カバーの内側に
吸音材を配置した場合には、ある程度の消音効果はある
ものの、騒音は充分に減衰せず、良好な消音は行えな
い。また制振部材による制御は、基本的には保持部材に
ゴム系の材料を交ぜることでダンピング効果を得るもの
であるため、保持部材の剛性が下がり、傾斜磁場コイル
の変位が大きくなる。このような傾斜磁場コイルの変位
は、発生する傾斜磁場を変化させ画像劣化を来す。特に
近年、MRI装置で行なわれている撮影手法はNMR信
号の位相の高精度化が必要であり、このため傾斜磁場コ
イルの変位は数ミクロンから数十ミクロンオーダでなけ
ればならなず、従来の振動の制御方法では対応できなく
なってきている。
【0005】一方、各種の騒音を軽減する方法として、
騒音と逆位相で同一振幅の音波を付加音源から発生して
騒音を消音する能動的消音方法が知られている。この消
音方法では、騒音に関係した信号を検出する装置(マイ
ク)と、消音したい場所附近において騒音源からの音響
エネルギーを最小にする装置(スピーカ)とが常に耳元
に位置しなければ良好な消音はできない。従ってこの消
音方法をMRI装置に適用する場合、MRI装置では被
検者の位置は撮影部位によって変化するので、マイクや
スピーカを被検者に装着しなければならず、被検者に違
和感や不快感を与える。
【0006】また、MRI装置には適用例はないが、圧
電素子を使用して装置の振動を検出するとともに、さら
に検出された振動と逆位相の振動を発生させ、振動を打
ち消す方法が米国特許5022272号などに記載され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの米国特許に
開示される方法では、複雑な変形を伴うMRI装置の傾
斜磁場コイルには直接適用することは困難である。まず
複雑な変形パターンを有する傾斜磁場コイルの変形を検
出するためには数多くの振動検出用圧電素子(以下、セ
ンサという)が必要になる。更に、傾斜磁場コイルには
大きな電流を流すため傾斜磁場コイルとその保持部材で
あるボビンの温度上昇が大きく、具体的には80℃程度
になるが、圧電素子は一般に温度が上昇するとその特性
が変化し、センサとして用いた場合に正確に変形を検出
できない。同様に変形を発生するアクチュエータとして
用いた場合にも、効果的に変形を制御することができな
い。
【0008】従って本発明は、MRI装置の傾斜磁場コ
イルに発生する複雑な変形を抑制し、振動、騒音を効率
よくキャンセルできるMRI装置を提供することを目的
とし、特に傾斜磁場コイルの発熱による温度上昇の影響
を補償し、電磁力を効率よく打消すことができるMRI
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のMRI装置は、傾斜磁場発生手段は、少なくとも1
つのコイル導体およびこれを保持する保持部材を含む傾
斜磁場コイルと、傾斜磁場コイルに生じる変形を検出お
よびキャンセルするために、機械的エネルギーを電気信
号に変換する変換素子および電気的エネルギーの機械的
エネルギーへ変換する変換素子と、変換素子制御手段と
を有する構成とする。変換素子は、傾斜磁場コイルに接
着する。変換素子制御手段は、変換素子が出力する電気
信号から傾斜磁場コイルに生じる変形を検出する検出手
段と、検出手段の検出した変形に応じて変換素子への電
気的エネルギーの供給を行う供給手段と、傾斜磁場コイ
ル及び/又は変換素子の温度を検出する少なくとも1つ
の温度センサと、変換素子の変換特性の温度依存性を予
め記憶する記憶手段と、変換素子の出力する電気信号お
よび/または変換素子に対して供給する電気的エネルギ
ーを温度センサの出力と温度依存性とを用いて補正する
補正手段とを含み、傾斜磁場コイルの温度変化に対応し
て傾斜磁場コイルの変形とは逆位相の機械的エネルギー
を変換素子に発生させ、傾斜磁場コイルの変形を直接キ
ャンセルするものである。
【0010】上述の変換素子としては、圧電素子を用い
ることができる。
【0011】
【0012】
【作用】機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換す
るエネルギー変換素子は傾斜磁場コイルで発生する振動
・変形を検出し、それを電気信号として出力するので、
この検出された変形を打ち消すように傾斜磁場コイルに
変形を与える。一方、電気的エネルギーを機械的エネル
ギーに変換するエネルギー変換素子は、所定の電圧を印
加することによって、傾斜磁場コイルの変形を打ち消す
ような機械的エネルギーを発生する。このエネルギー変
換素子に印加する電圧は、機械的エネルギーを電気的エ
ネルギーに変換するエネルギー変換素子によって検出さ
れた電気信号から、或いは傾斜磁場コイルの駆動を制御
する制御手段からの情報によって制御される。
【0013】この際、コイルの温度は温度センサによっ
て検出され、このコイルの温度と、予め記憶された温度
補正データとに基づき、エネルギー変換素子の出力であ
る電気信号を補正し、或いはエネルギー変換素子に印加
する電圧を補正するので、コイルの温度に係わりなく変
形を正確に検出し、また制御できる。エネルギー変換素
子を制御する変換素子制御手段は、MRI装置の制御手
段からの傾斜磁場コイル制御情報によりエネルギー変換
素子に印加する電圧を決定し、更に予め記憶された補正
データと温度センサによって検出された温度から電圧を
補正するので、振動・変形検出のためのセンサを不要に
し、しかも温度上昇による誤差なく電磁力のキャンセル
が可能となる。
【0014】エネルギー変換素子が圧電素子の場合に
は、温度上昇によって変換エネルギーが低下するので、
これを補償するように駆動のための印加電圧を高く補正
する。またエネルギー変換素子により変形を検出する場
合には、エネルギー変換素子からの出力電圧を高く補正
する。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図5は本発明の一実施例のMRI装置の全体
構成を示すブロック図である。このMRI装置は、磁気
共鳴(NMR)現象を利用して被検体1の断層画像を得
るもので、そのために、必要な充分大きなボア径をもっ
た静磁場発生磁気回路2と、傾斜磁場発生系3と、送信
系4と、受信系5と、信号処理系6と、シーケンサ7
と、中央処理装置(以下、CPUという)8とを備えて
いる。図1において、送信側及び受信側の高周波コイル
14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1の周り
の空間に配置された静磁場発生磁気回路2の磁場空間内
に配置されている。
【0016】静磁場発生磁気回路2は、被検体1の周り
にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な磁束
を発生するもので、被検体1の周りのある広がりをもっ
た空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導
方式の磁場発生手段が配置されている。傾斜磁場発生系
3はX,Y,Zの三方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と
それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成
り、シーケンサ7からの命令に従って各コイルの傾斜磁
場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの三方向
の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するよう
になっている。この傾斜磁場の加え方により、被検体1
に対するスライス面を設定することができる。これら傾
斜磁場コイルには、後述するように電気的エネルギーを
機械的エネルギーに変換する変換素子として圧電素子3
0及び傾斜磁場コイルの温度を検出する温度センサ60
が一体的に設置されている。
【0017】送信系4は、高周波発振器11と変調器1
2と高周波増幅器13と送信側高周波コイル14aとか
らなり、高周波発振器11から出力された高周波パルス
をシーケンサ7の命令に従って、変調器12で振幅変調
し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器1
3で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1
に照射されるようになっている。
【0018】受信系5は、受信側高周波コイル14bと
増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17と
からなり、送信側の高周波コイル14aから照射された
電磁波による被検体の応答の電磁波(NMR信号)を被
検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出
し、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D
変換器17に入力してデジタル量に変換する。この際、
A/D変換器17はシーケンサ7からの命令によるタイ
ミングで、直交位相検波器16から出力された二系列の
信号をサンプリングし、二系列のデジタルデータを出力
する。それらのデジタル信号は信号処理系6に送られフ
ーリエ変換されるようになっている。
【0019】信号処理系6は、CPU8と磁気ディスク
18及び磁気テープ19等の記録装置とCRT等のディ
スプレイ20とからなり、デジタル信号を用いてフーリ
エ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行ない、任
意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算
を行なって得られた分布を画像化してディスプレイ20
に表示する。
【0020】シーケンサ7は、CPU8の制御で動作
し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命
令を送信系4及び傾斜磁場発生系3並びに受信系5に送
るものである。CPU8は、信号処理系6として前述の
ような画像再構成のための演算を行うとともに、設定さ
れる撮影条件に応じて、高周波磁場の強度、中心周波数
及び傾斜磁場コイルの印加軸、傾斜磁場強度、印加タイ
ミングなどを制御しシーケンサ7を駆動するとともに、
シーケンサ7を介して傾斜磁場駆動の情報を後述する傾
斜磁場コイルに設けられた圧電素子の制御装置に送る。
【0021】次に本発明における傾斜磁場コイルの構成
を更に詳述する。図1は円筒状の傾斜磁場コイルの横断
面図で、説明のためにその一部を拡大斜視図として示し
てある。本実施例において傾斜磁場コイル9は、X,
Y,Z方向に線形に変化する磁場を発生するX,Y,Z
傾斜磁場コイル導体40と、それらを保持する保持部材
であるFRP製ボビン41とから成り、各傾斜磁場コイ
ル導体はボビン41に接着剤で接着、もしくはネジ止め
されている。尚、図では傾斜磁場コイル導体40とボビ
ン41とがそれぞれ1層のみから成る構成を示したが、
各X,Y,Z方向のコイル導体が異なる層に形成されて
いてもよい。
【0022】このような傾斜磁場コイルの内側及び外側
には電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する圧
電素子30a〜30dがダンピングが少ない接着剤で接
着されて配置されている。また傾斜磁場コイル9の温度
を検出するための温度センサ60がコイル導体40又は
ボビン41の表面に接着されている。尚、図では圧電素
子30a(30c)をボビン41の内側に、圧電素子3
0b(30d)をコイル導体40の外側に配置したが、
いずれか一方をコイル導体40とボビン41との間に固
定してもよい。
【0023】これら圧電素子は、分極方向50に積層さ
れた薄板状の積層体から成り、各圧電素子30の間に圧
電素子とほぼ同面積の電極を挟んだ構造をしており、分
極の方向が交互に反対側を向くように積層されている。
これら圧電素子30は1層おきに外部電極により電気的
に並列接続されており、隣接する圧電素子の境界面の電
圧が同一でも同一方向に変形する。しかも、多数の圧電
素子を積層した構造をしているので、分極方向に大きな
変換エネルギーを発生させることができる。
【0024】尚、圧電素子としては、圧電現象を生じる
BaTiO3系、PbZrO3−PbTiO3系などの圧
電セラミックが好適に用いられる。傾斜磁場コイルの複
雑な変形に対応するために圧電素子は、その分極方向が
異なるものを組合せて用いることが好ましく、図示する
実施例では分極方向が円周方向と一致するように配置さ
れた圧電素子30a、30bと、分極方向が軸方向と一
致するように配置された圧電素子30c、30dとを用
いている。またこれらはコイル40とボビン41の積層
方向(円筒の半径方向)に間隙を持って配置されること
により、円周方向及び軸方向にそれぞれ単純圧縮引張り
力とモーメント力とを発生させることができる。
【0025】このような構成の圧電素子30a、30b
(30c、30d)は印加した電圧の和の略1/2が単
純圧縮引っ張り力を発生、差の略1/2がモーメント力
を発生するように構成されており、後述する制御手段に
よって実際にコイルで発生する単純圧縮引っ張り力によ
る振動、モーメント力による振動をキャンセルするよう
に電圧を印加する。
【0026】温度センサ60は、熱電対、白金測温抵抗
体、サーミスタ、IC温度センサ等の公知の温度センサ
を用いることができる。このような温度センサ60は、
傾斜磁場コイル導体40の外側或いはボビン41の内側
等の適当な位置に1個ないし数個を固定する。図示した
実施例ではコイル導体40の外側に一方の面を熱良導性
のよい接着剤で接着され、更に図示は省略したが他方の
面は空気等の温度が影響しないよう断熱材で覆ってい
る。温度センサ60の位置は、予め傾斜磁場コイル導体
40及びボビン41の駆動時の温度分布を計測し、温度
分布の広がりが小さい場合には1ヵ所で代表し、大きい
場合は複数配置し、温度センサ近傍の圧電素子をそれぞ
れ検出温度に応じて制御するのが望ましい。
【0027】次に上記構成における圧電素子30a〜3
0dの駆動制御方法について説明する。図2は圧電素子
に印加する電圧をコントロールする実施例のブロック図
を示すもので、変換素子制御手段として制御装置43
と、この制御装置43からの信号により駆動され圧電素
子33に電圧を印加する電源44とを備えており、制御
装置43には、シーケンサ7からの傾斜磁場駆動情報及
び温度センサ60からの温度情報が入力される。シーケ
ンサ7の情報のうち、利用するのは傾斜磁場強度、印加
タイミング、印加軸である。尚、発生する変形の方向の
異なる複数対の圧電素子(30aと30bの対、30c
と30dの対)については、制御系を同一としても、異
ならせてもよい。
【0028】制御装置43は、予め各圧電素子30a〜
30dに加える電圧の比率(重み付量)及び圧電素子の
温度依存性補正量を求めメモリに格納しておき、この重
み付量及び温度依存性補正量に基づき各圧電素子に印加
する電圧を決定する。重み付量は以下のように決定する
ことができる。予め、X軸のみ、ある傾斜磁場強度(G
0)、ある温度で駆動したときに発生する各部の圧電素
子の電圧をA/D変換し、その値を制御装置43のメモ
リに格納する。同様にY、Z軸の傾斜磁場の場合につい
ても各部の圧電素子の電圧の値を求めメモリに格納す
る。ついで、これら各軸の傾斜磁場駆動に伴う各圧電素
子30a〜dに加える電圧の比率を演算し、それを各圧
電素子ごとの重み付け量(kx、ky、kz)としてメ
モリへ格納しておく。一方、温度依存性補正量について
は、例えば予め特定の1軸について連続して傾斜磁場コ
イルを駆動し、その温度変化を温度センサ60で調べる
とともに、各圧電素子に発生する電圧の変化を追跡し、
傾斜磁場コイル温度と圧電素子の電圧との関係をテーブ
ルとしてメモリに格納しておく。或いは用いる圧電素子
の温度依存性が予め知られている場合には、この関係を
テーブルとして又は関数としてメモリ内に格納するよう
にしてもよい。一般には圧電素子は、図3に示すように
一定の温度までは変換特性は変化しないが、温度が上昇
すると変換率が低下する。従ってこのような補正曲線を
予め求めておくことにより所定の温度における補正量を
求めることができる。
【0029】そして実際の撮影時には、制御装置43は
シーケンサ7からの傾斜磁場駆動情報を取り込み、印加
軸とその傾斜磁場強度の情報から全体の傾斜磁場強度を
求め、その値を各圧電素子ごとに重み付けする。この
際、重み付量は温度センサ60からの温度情報に基づ
き、既に決定した重み付量に対しメモリに格納した温度
依存性補正量をかけた値を全重み付量として用いる。こ
のように重み付けされた信号で各圧電素子30の電源4
4を駆動し圧電素子30に電圧を印加する。また圧電素
子駆動のタイミングは、シーケンサ7からの印加タイミ
ング情報に合せて行う。ところで実際の撮像シーケンス
実行時においては、複数の傾斜磁場が同時に印加される
場合が多い。例えば撮影時の傾斜磁場強度をGとし3軸
同時に印加したとすると、一つの圧電素子30a、b、
cまたはdに印加する電圧は、その圧電素子の重み付量
をkx、ky、kzとすると、−G(kx+ky+k
z)/G 0となる。この電圧をシーケンサ7の信号の出
力に基づくタイミングで印加される。
【0030】尚、この実施例では1つの温度センサ60
からの温度情報に基づき複数の圧電素子を制御する場合
について説明したが、傾斜磁場コイルの温度分布の幅が
大きい場合には、例えば円筒状コイルの端部と中央部の
2ヵ所或いは複数箇所に温度センサを配置し、円筒状コ
イルの端部近傍に配置された圧電素子については端部に
配置された温度センサからの温度情報に基づき、重み付
量を補正し、中央部近傍に配置された圧電素子について
はその近傍にある温度センサからの温度情報に基づき重
み付量を補正することが好ましい。この場合、制御系は
各温度センサとその近傍の圧電素子毎に複数としてもよ
い。
【0031】また温度センサ、圧電素子の配置、種類は
上記実施例に限定されるものではなく、例えば、図3に
示すように、傾斜磁場コイルは主コイル9とシールドコ
イル9’で構成された傾斜磁場コイルにも適用できる。
この実施例では、主傾斜磁場コイル9及びシールドコイ
ル9’ともX,Y,Z方向に線形に変化する磁場を発生
する各コイル導体40、40’を有している。シールド
コイル9’を保持するシールドボビン42はFRPで製
作されており、ボビン42の外周にエポキシ樹脂系接着
剤でX,Y,Zシールドコイル導体40’が固定されて
いる。主傾斜磁場コイル9を保持する主ボビン41もF
RPで製作されており、X,Y,Z傾斜磁場コイル導体
40が固定されている。また主傾斜磁場コイル9、シー
ルドコイル9’は樹脂51で剛性良く接続されている。
【0032】ここでは図1の実施例と同じ機能の圧電素
子30a、30cは主ボビン41の内径側に、圧電素子
30b、30dは、シールドボビン42の内周に固定さ
れ、温度センサ60はシールドコイル導体40’の外側
に接着されている。その他の構成は図1の実施例と同様
である。この場合にも圧電素子を温度センサの情報でコ
ントロールして電圧を印加することにより、コイルで発
生する単純圧縮引っ張り力による振動、モーメント力に
よる振動をコイルの温度変化に係わりなく精度よくキャ
ンセルすることができる。
【0033】更に以上の実施例では、圧電素子を傾斜磁
場コイルの変形を抑制するアクチュエータとして用いた
場合について述べたが、このような圧電素子を傾斜磁場
コイルの変形を検出するセンサとして用いることも可能
であり、またセンサとしての圧電素子を別途設置するこ
とも可能である。この場合にも温度センサ60からの温
度情報及び温度補正量によって圧電素子のセンサとして
出力を補正することにより、傾斜磁場コイルの温度に係
わりなく正確にその変形を検出することができる。この
ように圧電素子によって傾斜磁場コイルの変形の検出
し、その情報に基づき変形をキャンセルするようアクチ
ュエータとしての圧電素子を駆動することが可能である
が、応答性、制御の容易さ等の観点からは上述したよう
にシーケンサ7からの傾斜磁場駆動情報をそのまま利用
することが好適である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
によれば、振動源、騒音源となる傾斜磁場コイルにエネ
ルギー変換素子、特に圧電素子を設けるとともに傾斜磁
場コイルの温度を検出する温度センサを設け、このエネ
ルギー変換素子に印加する電圧をコントロールして傾斜
磁場コイルに発生する振動・変形と逆位相の力またはモ
ーメントを発生させて電磁力をキャンセルする際に、温
度センサからの情報に基づき印加電圧を補正することに
より、傾斜磁場コイルの温度に係わりなく振動、騒音を
防止できる。即ち温度によるアクチュエータであるエネ
ルギー変換素子の出力低下によって騒音キャンセル効果
が減少するのを効果的に防止することができる。
【0035】このように本発明のMRI装置では、常に
振動、騒音を効果的にキャンセルできるので、被検者の
恐怖感、不快感が解消され、さらに難聴になりかねない
環境を解消する。また本発明のMRI装置によれば、特
に傾斜磁場コイルに印加する電圧を制御するために、撮
影条件を制御する制御手段からの傾斜磁場駆動情報を利
用することにより、振動検出のためのエネルギー変換素
子を不要として、応答性よく振動、騒音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のMRI装置の傾斜磁場コイルの一実
施例を示す図。
【図2】 本発明におけるエネルギー変換素子制御の一
実施例を示すブロック図。
【図3】 圧電素子が発生する変形力と温度との関係を
示す図。
【図4】 本発明のMRI装置の傾斜磁場コイルの他の
実施例を示す図。
【図5】 本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施
例の全体構成ブロック図。
【符号の説明】 2・・・・・・静磁場発生磁気回路(静磁場発生手段) 3・・・・・・傾斜磁場発生系 6・・・・・・信号処理系(画像再構成手段) 7・・・・・・シーケンサ(制御手段) 8・・・・・・CPU(制御手段) 9、9’・・・・・・傾斜磁場コイル(傾斜磁場発生手段) 14a、14b・・・・・・高周波コイル 30、30a〜30d・・・・・・圧電素子(エネルギー変換
素子) 40、40’・・・・・・コイル導体 41、42・・・・・・ボビン(保持部材) 43・・・・・・制御装置(変換素子制御手段) 60・・・・・・温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−90919(JP,A) 特開 平5−184164(JP,A) 特開 平6−296378(JP,A) 特開 平5−169686(JP,A) 特開 昭60−1536(JP,A) 谷順二 他,「分布圧電アクチュエー タによる円筒殻の振動制御」,機械力 学・計測制御講演論文集(Vol. B),日本,社団法人日本機械学会, 1993年 7月19日,page B65−B 70 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象の置かれる空間に静磁場を発生す
    る静磁場発生手段と、前記空間に傾斜磁場を発生する傾
    斜磁場発生手段と、前記検査対象に電磁場を照射し或い
    は前記検査対象からの磁気共鳴信号を検出する高周波コ
    イルと、前記磁気共鳴信号を使って前記検査対象の物理
    的性質をあらわす画像を得る画像再構成手段と、検査条
    件を制御する検査条件制御手段とを備えた磁気共鳴イメ
    ージング装置において、 前記傾斜磁場発生手段は、少なくとも1つのコイル導体
    およびこれを保持する保持部材を含む傾斜磁場コイル
    と、該傾斜磁場コイルに生じる変形を検出およびキャン
    セルするために、機械的エネルギーを電気信号に変換す
    る変換素子および電気的エネルギーを機械的エネルギー
    へ変換する変換素子と、変換素子制御手段とを有し、 前記変換素子は、前記傾斜磁場コイルに接着され、 前記変換素子制御手段は、前記変換素子が出力する電気
    信号から前記傾斜磁場コイルに生じる変形を検出する検
    出手段と、前記検出手段の検出した変形に応じて前記変
    換素子への電気的エネルギーの供給を行う供給手段と、
    前記傾斜磁場コイル及び/又は前記変換素子の温度を検
    出する少なくとも1つの温度センサと、前記変換素子の
    変換特性の温度依存性を予め記憶する記憶手段と、前記
    変換素子の出力する電気信号および/または前記変換素
    子に対して供給する電気的エネルギーを前記温度センサ
    の出力と前記温度依存性とを用いて補正する補正手段と
    を含み、前記傾斜磁場コイルの温度変化に対応して前記
    傾斜磁場コイルの変形とは逆位相の機械的エネルギーを
    前記変換素子に発生させ、前記傾斜磁場コイルの変形を
    直接キャンセルすることを特徴とする磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装
    置において、前記変換素子が圧電素子であることを特徴
    とする磁気共鳴イメージング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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谷順二 他,「分布圧電アクチュエータによる円筒殻の振動制御」,機械力学・計測制御講演論文集(Vol.B),日本,社団法人日本機械学会,1993年 7月19日,page B65−B70

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