JP3522682B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JP3522682B2
JP3522682B2 JP2000354952A JP2000354952A JP3522682B2 JP 3522682 B2 JP3522682 B2 JP 3522682B2 JP 2000354952 A JP2000354952 A JP 2000354952A JP 2000354952 A JP2000354952 A JP 2000354952A JP 3522682 B2 JP3522682 B2 JP 3522682B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクル装置
に関し、ガス状冷媒を圧縮するコンプレッサーとして、
シリンダ内のピストンをリニアモータにより往復運動さ
せるリニアコンプレッサを用いた冷凍サイクル装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガス状冷媒(以下冷媒ガスともい
う。)を圧縮する手段として、リニアモータによりシリ
ンダ内でピストンを往復運動させて冷媒ガスを圧縮する
リニアコンプレッサを用いた冷凍サイクル装置が知られ
ている。冷凍サイクル装置の具体的な適用例としては、
室温内の温度を快適に保つ空気調和機や、庫内を適正な
低温状態に保つ冷凍冷蔵庫などが考えられる。
【0003】図5は、従来の冷凍サイクル装置を用いた
空気調和機を説明するための図である。この空気調和機
(冷凍サイクル装置)100は、室内、例えば部屋10
の内部に配置され、室内を冷房あるいは暖房する室内機
100aと、室外に配置され、外気への熱の廃棄、ある
いは外気からの熱の吸収を行う室外機100bとを備え
ている。
【0004】室内機100aは、室内の空気と冷媒との
間での熱交換を行う室内熱交換器(負荷側熱交換器)8
と、室内熱交換器8の周辺の温度として室温を検知する
室温検知器9とを有している。
【0005】室外機100bは、外気と冷媒との間での
熱交換を行う熱源側熱交換器(室外熱交換器)3と、室
外熱交換器3と室内熱交換器8との間の、冷媒ガスが流
れるガス側流通路11の一部に設けられ、低圧の冷媒ガ
スを圧縮して高圧の冷媒ガスを発生するリニアコンプレ
ッサ1とを有している。また、室外機100bは、室外
熱交換器3と室内熱交換器8との間の、液状冷媒(以下
冷媒液ともいう。)が流れる液側流通路14の一部に配
置され、液側流通路の断面積を調節する膨張弁(絞り
弁)4と、ガス側流通路11にて冷媒ガスが流れる方向
及び液側流通路12にて冷媒液が流れる方向を切り替え
て、室内を暖房する暖房サイクルと、室内を冷房する冷
房サイクルとを切り替える四方弁2とを有している。
【0006】ここで、室内熱交換器8は、上記暖房サイ
クルでは、ガス側流通路11から供給される冷媒ガスを
凝結させて凝結熱を室内に放出するとともに、冷媒ガス
の凝結により得られた冷媒液を液側流通路12へ排出
し、一方、上記冷房サイクルでは、液側流通路12から
の冷媒液を気化させて、気化熱を室内の空気から奪い取
るとともに、冷媒液の気化により得られる冷媒ガスをガ
ス側流通路11に排出する。
【0007】また、室外熱交換器3は、上記暖房サイク
ルでは、液側流通路12からの冷媒液を気化させて、気
化熱を外気から奪い取るとともに、冷媒液の気化により
得られる冷媒ガスをガス側流通路11に排出し、一方、
上記冷房サイクルでは、ガス側流通路11から供給され
る冷媒ガスを凝結させて凝結熱を大気中に放出するとと
もに、冷媒ガスの凝結により得られた冷媒液を液側流通
路12へ排出する。
【0008】また、四方弁2は、上記暖房サイクルで
は、リニアコンプレッサ1から高圧冷媒ガスがガス側流
通路11を介して室内熱交換器8に送り出され、かつ室
外熱交換器3からガス側流通路11を介して低圧冷媒ガ
スがリニアコンプレッサ1に送り込まれ、一方、上記冷
房サイクルでは、リニアコンプレッサ1から高圧冷媒ガ
スがガス側流通路11を介して室外熱交換器3に送り出
され、かつ室内熱交換器8からガス側流通路を介して低
圧冷媒ガスがリニアコンプレッサ1に送り込まれるよ
う、リニアコンプレッサ1のガス吐出管1a及びガス吸
入管1bとガス側流通路11との接続状態を切り替え
る。
【0009】さらに、室外機100bのガス側流通路1
1には、ガス側流通路11を流れる冷媒ガスの圧力を検
出する圧力検出器13が取り付けられており、リニアコ
ンプレッサ1の吸入管1bには冷媒ガスの過熱度を検出
する過熱度検出器14が取り付けられている。また、リ
ニアコンプレッサ1の吸入管1bにはアキュムレータ5
が取り付けられており、ガス側流通路11における冷媒
液がアキュムレータ5により除去される。
【0010】そして上記空気調和機100では、室外熱
交換器3、室内熱交換器8、これらの間のガス側流通路
11及び液側流通路12、並びに、ガス側流通路11に
配置されたリニアコンプレッサ1、その吐出管1a、吸
入管1b及び四方弁2により、冷媒の循環閉路が形成さ
れており、循環閉路に封入された冷媒をリニアコンプレ
ッサ1により循環させることにより、冷媒の循環閉路内
に周知のヒートポンプサイクルが形成される。
【0011】ここで、室外熱交換器3及び室内熱交換器
8での熱交換量の調整は、それぞれ室外機100b及び
室内機100aに備え付けられているファン(図示せ
ず)の風量を変更することにより行うのが一般的であ
る。また、膨張弁4は、冷媒循環量を調整するものであ
り、具体的には、該膨張弁4として、電磁弁等の流体の
流量を制限する絞り装置が用いられる。また圧力検知器
13は、ガス側管路11の、リニアコンプレッサ1と室
内熱交換器8との間の部分に設置されており、このた
め、冷房運転時には低圧側圧力、暖房運転時には高圧側
圧力を検出することになる。なお、圧力検知器13の設
置位置は、この部分に限らず、例えば、ガス側管路11
における、冷房運転時に高圧側圧力、暖房運転時に低圧
側圧力を検出する位置や、冷房運転及び冷房運転のいず
れの場合にも、高圧側圧力と低圧側圧力のいずれかを検
出する位置、例えばリニアコンプレッサ1の吐出管1a
や吸入管1bの一部であってもよい。
【0012】また、リニアコンプレッサ1の吸入管1b
の一部には過熱度検知器14が取り付けられており、こ
の過熱度検知器14は、冷媒ガスの過熱度を、リニアコ
ンプレッサ1の吸入温度と吸入飽和温度の温度偏差とし
て検知されるものである。この吸入飽和温度は、吸入圧
力の下で冷媒ガスと冷媒液の両方が存在する温度であ
る。なお、この吸入飽和温度は、蒸発器として作用する
熱源側熱交換器や負荷側熱交換器の冷媒飽和温度であっ
てもよい。また、上記過熱度検知器14に代えて、冷媒
ガスの過冷却度を検知する過冷却度検知器(図示せず)
を用いてもよい。この場合、冷媒ガスの過冷却度として
は、リニアコンプレッサ1の吐出温度と膨張弁4の入り
口付近の温度との温度偏差が用いられる。
【0013】また、室外熱交換器3や室内熱交換器8の
熱交換量または膨張弁4の開度は、通常、部屋10の温
度が快適に保たれ、かつ、冷媒ガスの圧力や過熱度ある
いは過冷却度が適正に保たれるよう制御される。
【0014】また、上記冷媒は、どのような種類の冷媒
でもよく、例えば、上記冷媒として、単一冷媒、混合冷
媒(共沸混合冷媒、非共沸混合冷媒)、水素、フロン、
炭素を用いたHFC冷媒、自然冷媒を用いることができ
る。ここで、自然冷媒としては、HC(ハイドロカーボ
ン)冷媒、CO2冷媒等が挙げられる。また、単一冷媒
は、単一の物質により構成されている冷媒であり、例え
ばプロパン、二酸化炭素などからなる冷媒である。この
単一冷媒は、一定圧力条件の下で蒸発するときには温度
変化しない。共沸混合冷媒は、複数の物質を混合してな
る冷媒であり、単一冷媒と同様、一定圧力条件の下で蒸
発するときには温度変化しない。さらに、非共沸混合冷
媒は、複数の物質を混合してなる冷媒であるが、単一冷
媒と異なり、一定圧力条件の下で蒸発するとき温度変化
する。
【0015】なお、図中、20aは、上記ガス側流通路
11を構成する配管のジョイント部材、20bは上記液
側流通路12を構成する配管のジョイント部材である。
【0016】次に動作について説明する。暖房運転時に
は、図5の実線の矢印Aで示す方向に冷媒が流れる暖房
サイクルが形成される。
【0017】つまり、リニアコンプレッサ1に吸入され
た低圧の冷媒ガスは、リニアコンプレッサ1にて圧縮さ
れて高温高圧の蒸気となって吐出管1aから排出され
る。リニアコンプレッサ1から排出された高温高圧の冷
媒ガスは、四方弁2を通ってガス側流通路11から室内
熱交換器8に流れ込む。
【0018】暖房運転時には、室内熱交換器8は凝縮器
として働くため、室内熱交換器8では、高温高圧の冷媒
ガスは凝縮して凝縮熱を発生し、この凝縮熱が室内熱交
換器8から部屋10内に放出される。これにより部屋1
0の暖房が行われる。また、上記冷媒ガスの凝縮により
発生した冷媒液は室内熱交換器8の液側流通路12へ排
出される。さらに、室内熱交換器8から液側流通路12
へ排出された冷媒液は、室外機100bの膨張弁4を通
って室外熱交換器3に流れ込む。
【0019】暖房運転時には、室外熱交換器3は蒸発器
として働くため、室外熱交換器3に流れ込んだ冷媒液
は、外気より熱を受け取って蒸発する。これにより上記
冷媒液は低圧冷媒ガスとなって、室外熱交換器3のガス
側流通路11へ排出される。この室外熱交換器3のガス
側流通路11へ排出された低圧冷媒ガスは、四方弁2を
通り、さらにアキュムレータ5が取り付けられた吸入管
1bを通ってリニアコンプレッサ1に吸入される。な
お、このアキュムレータ5では、低圧冷媒ガスとともに
ガス側流通路11を流れる冷媒液が除去される。
【0020】一方、冷房運転時には、図5の点線の矢印
Bで示す方向に冷媒が流れる冷房サイクルが形成され
る。つまり、まず、暖房運転時と同様に、リニアコンプ
レッサ1に吸入された低圧の冷媒ガスは、リニアコンプ
レッサ1にて圧縮されて高圧の蒸気となって吐出管1a
から排出される。リニアコンプレッサ1から排出された
高圧の冷媒ガスは、四方弁2を通ってガス側流路11か
ら室外熱交換器3に流れ込む。
【0021】冷房運転時には、室外熱交換器3は凝縮器
として働くため、室外熱交換器3では、高圧の冷媒ガス
は凝縮して冷媒液となる。このとき凝縮熱は外気に放出
される。上記冷媒ガスの凝縮により発生した冷媒液は室
外熱交換器3から液側流通路12へ排出される。さら
に、室外熱交換器3から液側流通路12へ排出された冷
媒液は、室外機100bの膨張弁4を通って室内熱交換
器8に流れ込む。
【0022】冷房運転時には、室内熱交換器8は蒸発器
として働くため、室内熱交換器8に流れ込んだ冷媒液
は、室内の空気から熱を受け取って蒸発する。これによ
り部屋の冷房が行われる。そして、上記冷媒液の蒸発に
より発生した低圧の冷媒ガスは、室内熱交換器8からガ
ス側流通路11へ排出される。室内熱交換器8からガス
側流通路11へ排出された低圧冷媒ガスは、四方弁2を
通り、さらにアキュムレータ5が取り付けられた吸入管
1bを通ってリニアコンプレッサ1に吸入される。な
お、このアキュムレータ5では、低圧冷媒ガスとともに
ガス側流通路11を流れる冷媒液が除去される。
【0023】次に上記室外機100bを構成するリニア
コンプレッサ1について詳しく説明する。図6は、上記
リニアコンプレッサ1の構造を示す断面図である。リニ
アコンプレッサ1は、所定の軸線に沿って並ぶシリンダ
部41a及びモータ部41bと、該シリンダ部41a内
に配置され、上記軸線方向に沿って摺動自在に支持され
たピストン42と、その一端がピストン42の背面側に
固定されているピストンロッド42aと、該ピストンロ
ッド42aの他端側に設けられた支持ばね(共振ばね)
51とを有している。
【0024】また、上記ピストンロッド42aには、マ
グネット43が取り付けられており、上記マグネット4
3に対向する部分には、アウターヨーク44aとこれに
埋設されたステータコイル44bとからなる電磁石44
が取り付けられている。この電磁石44とマグネット4
3との間で発生する電磁力及び上記ばね51の共振力に
より、上記ピストン42がその軸線方向に沿って往復運
動する。なお、このリニアコンプレッサ1では、上記電
磁石44及びマグネット43によりリニアモータ52が
構成されている。
【0025】さらに、シリンダヘッド側のシリンダ部4
1a内には、シリンダ上部内面45、ピストン圧縮面、
及びシリンダ周壁面により囲まれた密閉空間である圧縮
室46が形成されている。シリンダ上部内面45には、
ガス側流通路11から圧縮室46に低圧冷媒ガスを吸入
するためのガス側吸入管1bの一端が開口しており、さ
らに上記シリンダ上部内面45には、上記圧縮室46か
らガス側流通路11へ高圧冷媒ガスを吐き出すための吐
出管1aの一端が開口している。上記吸入管1b及び吐
出管1aには、冷媒ガスの逆流を防止する吸入弁49及
び吐出弁50が取り付けられている。
【0026】そして、リニアコンプレッサ1では、モー
タドライバ(図示せず)からリニアモータ52への駆動
電流の断続的な通電により、ピストン42がその軸線方
向に往復動し、圧縮室46への低圧冷媒ガスの吸入、圧
縮室46での冷媒ガスの圧縮、及び圧縮された高圧冷媒
ガスの圧縮室46からの排出が繰り返し行われる。
【0027】このような冷凍サイクル装置100に用い
られるリニアコンプレッサ1では、構造上、ピストン先
端部がシリンダ上面に衝突する危険性があり、ピストン
のストローク(つまりピストン上死点からピストン下死
点までの距離)と負荷の状態により、その衝突の危険性
の程度(衝突危険度)が変化する。
【0028】そこで、リニアコンプレッサの制御装置と
して、変位センサによりピストンの位置を検知し、その
位置情報より衝突の危険度を判定し、その危険度に応じ
て、リニアコンプレッサ1に供給するリニアモータの駆
動電流を制御し、ピストンとシリンダとの衝突を回避す
るものが提案されている(特開平11−324911号
公報参照)。
【0029】図7は、上記公報記載のリニアコンプレッ
サの制御装置を説明するための図である。このリニアコ
ンプレッサ制御装置70は、リニアコンプレッサ1に設
けられている位置センサ23の出力(該位置センサ23
にて測定されたピストンとシリンダの相対距離を示す情
報)に基づいて、ピストンがシリンダに衝突する可能性
である衝突危険度を判定し、衝突危険度情報を出力する
衝突危険度判定手段25と、該衝突危険度情報に基づい
て、リニアコンプレッサ1にリニアモータの駆動電流で
ある正弦波電流を供給するモータドライバ72とを有し
ている。
【0030】また、上記リニアコンプレッサ制御装置7
0は、上記衝突危険度情報に応じて、リニアコンプレッ
サ1に供給される駆動電流である正弦波電流の振幅及び
周波数が変化するようモータドライバ72を制御するリ
ニアコンプレッサ制御手段71を有している。例えば、
リニアコンプレッサ制御手段71では、衝突危険度が高
まれば、駆動電流としての正弦波電流の振幅の減少によ
りリニアコンプレッサ1のピストンのストロークが小さ
くなるよう、モータドライバ72の制御が行われる。
【0031】次に動作について説明する。リニアコンプ
レッサ1にはモータドライバ72からリニアモータの駆
動電流として正弦波電流が供給され、該正弦波電流によ
りリニアコンプレッサ1が駆動される。
【0032】このとき位置センサ23では、リニアコン
プレッサ1におけるピストン圧縮面とシリンダ上部内壁
面の相対距離の測定が行われており、該位置センサ23
からは相対距離を示す情報(相対距離情報)が衝突危険
度判定手段25に出力されている。
【0033】この衝突危険度判定手段25では相対距離
情報に基づいて、ピストンがシリンダに衝突する可能性
が衝突危険度として判定され、衝突危険度を示す情報が
リニアコンプレッサ制御手段71に出力される。具体的
には、衝突危険度判定手段25では、あらかじめ設定さ
れていた限界距離より相対距離が小さくなったか否か、
さらには限界距離に比べて相対距離がどの程度小さくな
っているかに応じて、上記衝突危険度が導出される。
【0034】リニアコンプレッサ制御手段71では衝突
危険度を示す情報が入力されると、衝突危険度に応じ
て、上記駆動電流の振幅の調整によりピストンのストロ
ークが変更されるようモータドライバ72に対する制御
が行われる。例えば、衝突危険度が大きければ大きいほ
ど、減少させる電流振幅値を大きくすることによって、
ピストンの衝突回避がより確実に行われる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のリニアコンプレッサの制御方法では、リニア
コンプレッサに供給するリニアモータの駆動電力を低減
させることにより、ピストンがシリンダと衝突するのを
回避しているため、駆動電流の低減によりピストンのス
トロークが減少させてしまう。この結果、使用者が望む
冷凍能力をリニアコンプレッサが発揮できなくなるとい
う問題がある。
【0036】また、ピストンのストロークが減少する
と、冷凍サイクルの変化によりピストン往復動の中心位
置がシリンダヘッド側に近づき、ピストンがシリンダに
衝突しやすくなるという問題もある。
【0037】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、ピストンがシリンダに衝突する危険
性が増大した場合には、リニアコンプレッサの駆動能力
を減少させることなくピストンとシリンダとの衝突を確
実に回避することができる冷凍サイクル装置を提供する
ことを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る冷凍サイクル装置は、第1の熱交換器と第2の熱交
換器と、冷媒を第2の熱交換器から第1の熱交換器へ送
る1の流通管路と、冷媒を第1の熱交換器から第2の熱
交換器へ送る第2の流通管路と、上記第1の流通管路の
一部に配置され、ガス圧縮室を形成するシリンダ及びピ
ストン、並びに該ピストンを往復動させるリニアモータ
を有し、上記第2の熱交換器側からのガス状冷媒を吸入
して圧縮し、圧縮されたガス状冷媒を第1の熱交換器側
へ吐出するリニアコンプレッサと、上記第2の流通管路
の一部に配置され、該通路の断面積をその弁開度により
調整する絞り弁とを備えた冷凍サイクル装置において、
上記ピストンの位置を検出し、該位置を示すピストン位
置情報を出力する位置検出手段と、該ピストン位置情報
に基づいて上記ピストンがシリンダに衝突する危険度を
判定し、該危険度を示す衝突危険度情報を出力する衝突
危険度判定手段と、上記第1の熱交換器での熱交換量、
第2の熱交換器での熱交換量、及び絞り弁の弁開度のう
ちの少なくともひとつを制御対象とし、該衝突危険度情
報が示す衝突危険度に応じて、上記リニアコンプレッサ
におけるガス状冷媒の吸入圧とその吐出圧との圧力差の
増大によりそのトップクリアランスが広がるよう、上記
制御対象を制御するシステム制御手段とを備えたもので
ある。
【0039】この発明(請求項2)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記衝突危険度判定手段
を、上記ピストン位置情報に基づいて、上記ピストン往
復動の所定位相に対応するピストン位置が、予め設定さ
れた限界位置よりシリンダヘッド側に近づいたとき、上
記ピストンがシリンダに衝突する危険性があると判定す
るものとしたものである。
【0040】この発明(請求項3)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記衝突危険度判定手段
を、上記ピストン位置情報に基づいて、上記ピストン往
復動の所定位相に対応するピストン位置が、予め設定さ
れた、ピストンの往復動方向に沿ってシリンダヘッド側
からその反対側に向かって並ぶ複数の危険度判定領域の
うちのいずれの領域に含まれるかを判定し、上記ピスト
ン位置が含まれる危険度判定領域がシリンダヘッドに近
いほど、上記衝突危険度が高いと判定するものとしたも
のである。
【0041】この発明(請求項4)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記位置検出手段を、上記
ピストンの位置を一定の時間間隔で検出し、該複数のピ
ストン位置情報を出力するものとし、上記衝突危険度判
定手段を、該複数のピストン位置情報に基づいて、該ピ
ストンが所定の判定位置を通過するときのピストン速度
を求め、該ピストン速度に基づいて上記衝突危険度を判
定するものとしたものである。
【0042】この発明(請求項5)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記ピストン位置情報に基
づいて上記ピストンの上死点を算出し、該上死点を示す
上死点情報を出力する上死点算出手段を備え、上記衝突
危険度判定手段を、該上死点情報を受け、上記ピストン
の上死点が、予め設定された限界位置よりシリンダヘッ
ド側に近づいたとき、上記ピストンがシリンダに衝突す
る危険性があると判定するものとしたものである。
【0043】この発明(請求項6)は、請求項5記載の
冷凍サイクル装置において、上記衝突危険度判定手段
を、上記上死点情報に基づいて、上記ピストンの上死点
が、予め設定された、ピストンの往復動方向に沿ってシ
リンダヘッド側からその反対側に向かって並ぶ複数の危
険度判定領域のうちのいずれの領域に含まれるかを判定
し、上記ピストンの上死点が含まれる危険度判定領域が
シリンダヘッドに近いほど、上記衝突危険度が高いと判
定するものとしたものである。
【0044】この発明(請求項7)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記システム制御手段を、
上記ピストン位置情報に基づいて、上記ピストンの上死
点が所定の位置に保たれるよう、上記制御対象を制御す
るものとしたものである。
【0045】この発明(請求項8)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記リニアコンプレッサの
吸入圧、その吐出圧、第1の熱交換器へ送り込まれたガ
ス状冷媒の圧力、及び第2の熱交換器にて生じたガス状
冷媒の圧力の少なくとも1つを設定対象圧力としてその
圧力値を検出し、該設定対象圧力の検出値を示す検出圧
力情報を出力する圧力検出器と、上記設定対象圧力を、
指令信号に基づいて所定値に設定し、該設定対象圧力の
設定値を示す設定圧力情報を出力する圧力設定器と、上
記設定圧力情報及び検出圧力情報に基づいて、上記設定
対象圧力の設定値とその検出値との差分差が小さくなる
よう、上記制御対象に対してその制御量を示す情報を出
力する圧力制御器とを備え、上記システム制御手段を、
上記圧力設定器に対して、上記設定対象圧力の設定値
が、上記衝突危険度情報が示す衝突危険度に応じた値と
なるよう、上記指令信号により指令するものとしたもの
である。
【0046】この発明(請求項9)は、請求項1記載の
冷凍サイクル装置において、上記リニアコンプレッサに
吸入される冷媒の温度、該リニアコンプレッサから吐出
される冷媒の温度、第1の熱交換器における冷媒の温
度、第2の熱交換器における冷媒の温度の少なくとも1
つを設定対象温度としてその温度値を検出し、該設定対
象温度の検出値を示す検出温度情報を出力する温度検出
器と、上記設定対象温度を、指令信号に基づいて所定値
に設定し、該設定対象温度の設定値を示す設定温度情報
を出力する温度設定器と、上記設定温度情報及び検出温
度情報に基づいて、上記設定対象温度の設定値とその検
出値との差分値が小さくなるよう、上記制御対象に対す
るその制御量を示す情報を出力する温度制御器とを備
え、上記システム制御手段を、上記温度設定器に対し
て、上記設定対象温度の設定値が、上記衝突危険度情報
が示す衝突危険度に応じた値となるよう、上記指令信号
により指令するものとしたものである。
【0047】この発明(請求項10)は、請求項1記載
の冷凍サイクル装置において、上記システム制御手段
を、上記衝突危険度情報に基づいて、上記制御対象に対
する、上記ピストンのシリンダに対する衝突を回避する
ための第1の制御量を示す第1の制御情報を出力する衝
突防止運転用システム制御器と、上記制御対象に対す
る、上記リニアコンプレッサを予め設定されている最適
な状態で動作させるための第2の制御量を示す第2の制
御情報を出力する通常運転用システム制御器と、上記第
1、第2の制御情報を受け、上記第1の制御量と第2の
制御量とに対する重み付け処理を、上記衝突危険度情報
が示す衝突危険度が大きいほど、第2の制御量に比べて
第1の制御量に対する重み付け比率が大きくなるよう行
い、重み付けされた第1及び第2の制御量の総和を、上
記制御対象に対する第3の制御量を示す情報として出力
する制御量決定手段とを備え、上記制御対象を第3の制
御量でもって制御するものとしたものである。
【0048】この発明(請求項11)は、請求項1記載
の冷凍サイクル装置において、上記システム制御手段
を、上記リニアコンプレッサに供給されるリニアモータ
の駆動電流を、これが上記衝突危険度情報が示す衝突危
険度の増大に応じて減少するよう制御する電流制御手段
を備え、上記衝突危険度情報が示す衝突危険度に応じ
て、上記第1の熱交換器での熱交換量、第2の熱交換器
での熱交換量、及び絞り弁の弁開度のうちの少なくとも
ひとつを制御対象とする第1の制御とともに、上記リニ
アモータの駆動電流を制御対象とする第2の制御を行う
ものとしたものである。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1による冷
凍サイクル装置を説明するためのブロック図である。こ
の実施の形態1では、上記冷凍サイクル装置は空気調和
機を構成している。
【0050】この冷凍サイクル装置110は、ピストン
の位置を検出してピストン位置情報Piを出力する位置
検出器23を有するリニアコンプレッサ1と、熱の排出
及び吸収を行う熱源側熱交換器21と、負荷の冷却及び
加熱を行う負荷側熱交換器22とを有している。
【0051】ここで、リニアコンプレッサ1と熱源側熱
交換器21との間には、これらの間で冷媒ガスを流すた
めの冷媒ガス通路30が形成されており、冷媒ガス通路
30の一部に上記リニアコンプレッサ1が配置されてい
る。ここでは、熱源側熱交換器21とリニアコンプレッ
サ1とは第1の冷媒ガス管30aにより連結されてお
り、負荷側熱交換器22とリニアコンプレッサ1とは第
2の冷媒ガス管30bにより連結されている。なおこの
冷媒ガス通路30は、図5に示すガス側流通路11、四
方弁2、ガス吐出管1a、ガス吸入管1bにより形成さ
れるガス通路に相当している。
【0052】熱源側熱交換器21と負荷側熱交換器22
との間には、これらの間で冷媒液を流すための冷媒液通
路31が形成されており、該冷媒液通路31の一部に
は、熱源側熱交換器21と負荷側熱交換器22との間で
の冷媒液の流れを制限する膨張弁4が設置されている。
ここでは、熱源側熱交換器21と膨張弁4とは第1の冷
媒液管31aにより連結されており、負荷側熱交換器2
2と膨張弁4とは第2の冷媒液管31bにより連結され
ている。
【0053】そして、上記リニアコンプレッサ1、第1
の冷媒ガス管30a、熱源側熱交換器21、第1の冷媒
液管31a、膨張弁4、第2の冷媒液管31b、負荷側
熱交換器22、第2の冷媒ガス管30bにより、冷媒の
循環経路が形成されている。
【0054】また、上記冷凍サイクル装置110は、上
記ピストン位置情報Piに基づいてピストンの上死点位
置を算出し、上死点位置を示す情報Udを出力する上死
点算出手段24と、上死点位置情報Udに基づいてピス
トンとシリンダの衝突の危険度を判定し、該危険度を示
す情報(危険度情報)Cdを出力する衝突危険度判定手
段25とを有している。
【0055】上記冷凍サイクル装置110は、リニアコ
ンプレッサ1から吐出された吐出冷媒ガスあるいはリニ
アコンプレッサ1に吸入される吸入冷媒ガスの圧力、熱
源側熱交換器21の内部における熱源側冷媒ガスの圧
力、負荷側熱交換器22の内部における負荷側冷媒ガス
の圧力のうちの少なくとも1つの圧力値を、設定対象と
して検出し、検出圧力値情報Pdを出力する圧力検出器
28と、衝突危険度情報Cdに基づいて制御信号Scを
出力するシステム制御手段26と、制御信号Scに基づ
いて、上記設定対象となっている圧力の値を設定し、設
定圧力値情報Psを出力する圧力設定器27と、設定圧
力値情報Psと検出圧力値情報Pdに基づいて、検出圧
力値が設定圧力値に近づくよう、上記熱源側熱交換器2
1における熱交換量、負荷側熱交換器22における熱交
換量、及び膨張弁4の弁開度の少なくとも1つを制御対
象として制御する圧力制御器29とを有している。
【0056】ここで、上記圧力制御器29は、制御対象
の操作量を示す情報を、熱源側熱交換器21、負荷側熱
交換器22、及び膨張弁4の少なくとも1つに出力する
ものとなっており、上記上死点算出手段24、衝突危険
度判定手段25、圧力検出器28、システム制御手段2
6、圧力設定器27、及び圧力制御器29により、リニ
アコンプレッサ制御部110aが構成されている。
【0057】以下、リニアコンプレッサ制御部110a
の各部の具体的な構成について説明する。上記システム
制御手段26は、具体的には、衝突危険度判定手段25
からの衝突危険度情報に基づいて、ピストンとシリンダ
との衝突が回避されるよう、リニアコンプレッサ1の吐
出圧(高圧側)と吸入圧(低圧側)の圧力差の増大によ
りトップクリアランスを増大させる制御信号Scを、上
記圧力設定器27へ出力するものとなっている。
【0058】上記位置検出手段23としては、作動トラ
ンス、ギャップセンサ、あるいはレーザ変位計等などの
位置センサが一般に使用される。この位置センサには、
ピストン位置をピストンの全ストロークにわたってモニ
タするものや、ピストン往復動における予め定められた
特定位相に対応するピストン位置と、シリンダの所定部
位との距離を測定するものを用いてもよい。特定位相の
ピストン位置とシリンダの所定部位との距離を測定する
場合には、ピストン位置情報としてその分解能の高いも
のが得られる。また、上記位置検出手段23としては、
リニアコンプレッサ1に入力する電流や電圧などを用い
て、ピストン位置を算出する方法を用いたものでもよ
い。
【0059】上死点算出手段24にて上死点位置を算出
する具体的方法としては、ある一定のサンプリング時間
毎に、ピストン位置情報を位置検出手段23より取得
し、取得したピストン位置情報の微分値がゼロになるピ
ストン位置から上死点位置を求めるという方法がある。
【0060】また、ピストン往復動の周波数がリニアコ
ンプレッサ1に入力される駆動電流の周波数と等しいこ
とを利用して、上記上死点位置を駆動電流から検出する
方法もある。具体的には、駆動電流に基づいて、駆動電
流のゼロクロスタイミングを取得し、該ゼロクロスタイ
ミングから、駆動電流の振幅が最大となるタイミングを
算出し、そのタイミングに相当するピストン位置を上死
点位置として採用する。なお、ピストン往復運動の周波
数が上記支持ばね51(図6参照)の共振周波数と一致
している場合、往復運動するピストンの位相と、駆動電
流の位相とは1/4周期ずれているので、ピストンが上
死点に位置するタイミングは、駆動電流の振幅が最大と
なるタイミングより1/4周期ずれたタイミングとして
求められる。
【0061】さらに、リニアコンプレッサ1を構成する
リニアモータ52(図6参照)のドライバの動作アルゴ
リズムとして、リニアモータを支持ばね51(図6参
照)の共振周波数で駆動するアルゴリズムを使用してい
る場合、リニアモータに入力する駆動電流の位相がピス
トンの位相に対して90度ずれていることから、入力す
る駆動電流のゼロクロスタイミングから直接ピストンの
上死点位置を示す情報を取得するという方法もある。
【0062】ただし、上述した手法では、上死点位置情
報と下死点位置情報が交互に取得されるため、上死点情
報のみを選択する方法が必要である。この上死点情報の
みを選択する方法としては、上死点が下死点よりシリン
ダヘッドに近い位置であることから、連続する2つの位
置情報のうち、よりシリンダヘッドに近い位置情報を採
用するという方法がある。また、その他の上死点位置の
選択方法としては、上死点はピストンがシリンダヘッド
に接近してから離れていくピストン位置である点、及び
リニアコンプレッサ1内部の支持バネ51(図6参照)
の剛性のため、ピストンが上死点位置に接近する場合
と、ピストンが上死点位置から遠ざかる場合とで、同じ
位置でも単位時間当たりのピストン変位量(ピストン速
度)が異なる点を利用するものがある。この方法では、
上記ピストン速度の違いにより上死点と下死点が区別さ
れ、ピストンの上死点位置が選択される。
【0063】上記衝突危険度判定手段25では、具体的
には、ピストン上死点が予め定められた限界上死点位置
を超えた場合、衝突危険性があると判定される。
【0064】次に動作について説明する。まず、冷凍サ
イクル装置の熱交換動作について説明する。この実施の
形態1の冷凍サイクル装置110では、リニアコンプレ
ッサ1にはモータドライバ(図示せず)から駆動電流と
して、周波数及び振幅が一定である正弦波電流が供給さ
れ、該正弦波電流によりリニアコンプレッサ1のリニア
モータ(図6参照)が駆動される。リニアコンプレッサ
1の運転時には、そのシリンダ内でピストンがリニアモ
ータにより往復運動し、圧縮冷媒ガスが生成される。
【0065】冷房運転時には、生成された圧縮冷媒ガス
は配管30aを通って熱源側熱交換器21に流れ込み、
熱源側熱交換器21にて凝縮する。この際発生した凝縮
熱は熱源側熱交換器21により大気中に放出される。そ
して、冷媒ガスの凝縮により生じた冷媒液は、配管31
a及びその一部に設置された膨張弁4を通って負荷側熱
交換器22に流れ込み、負荷側熱交換器22にて蒸発す
る。この蒸発の際には、負荷側熱交換器22での周辺空
気と冷媒との間での熱交換により、周辺空気から蒸発熱
が奪われ、周辺空気の温度が低下する。また、冷媒液の
蒸発により生じた冷媒ガスは、配管30bを通ってリニ
アコンプレッサ1へ戻る。このように冷房運転時には、
リニアコンプレッサ1にて生成された圧縮冷媒ガスは、
熱源側熱交換器21、膨張弁4、負荷側熱交換器22を
この順序で経由してリニアコンプレッサ1に戻る。
【0066】一方、暖房運転時には、リニアコンプレッ
サ1にて生成された圧縮冷媒ガスは、冷房運転時とは逆
に、負荷側熱交換器22、膨張弁4、熱源側熱交換器2
1をこの順序で経由してリニアコンプレッサ1に戻る。
【0067】つまり、生成された圧縮冷媒ガスは配管3
0bを通って負荷側熱交換器22に流れ込み、負荷側熱
交換器22にて凝縮する。この凝縮の際には、負荷側熱
交換器22での周辺空気と冷媒との間での熱交換により
凝縮熱が放出され、周辺空気の温度が上昇する。そし
て、冷媒ガスの凝縮により生じた冷媒液は、配管31及
びその一部に設置された膨張弁4を通って熱源側熱交換
器21に流れ込み、熱源側熱交換器21にて蒸発する。
この際、冷媒は大気から蒸発熱を受け取る。また、冷媒
液の蒸発により生じた冷媒ガスは、配管30aを通って
リニアコンプレッサ1へ戻る。
【0068】次に、冷凍サイクル装置110を構成する
リニアコンプレッサ1の制御動作について説明する。冷
凍サイクル装置110の運転時には、位置センサ23に
より、リニアコンプレッサ1におけるピストン圧縮面と
シリンダ上部内壁面の相対距離(つまりトップクリアラ
ンスの大きさ)の測定が行われており、また、圧力検出
器28により、上記各熱交換器21、22及びリニアコ
ンプレッサ1の少なくもと1つにおける冷媒ガスの圧力
が測定されている。
【0069】そして、上死点算出手段24では、上記位
置センサ23から相対距離を示す情報(相対距離情報)
として出力されるピストン位置情報Piに基づいて、ピ
ストンの上死点が算出され、上死点を示す情報(上死点
情報)Udが衝突危険度判定手段25に出力される。こ
の衝突危険度判定手段25では、上死点情報Udに基づ
いて、ピストンがシリンダに衝突する可能性が衝突危険
度として判定され、衝突危険度を示す情報(衝突危険度
情報)Cdがシステム制御手段26に出力される。シス
テム制御手段26では、衝突危険度情報Cdに応じた制
御信号Scが圧力設定器27に出力される。圧力設定器
27では、制御信号Scに基づいて、各熱交換器21、
22及びリニアコンプレッサ1の少なくとも1つにおけ
る冷媒ガスの目標圧力値が設定される。
【0070】さらに、圧力制御器29では、圧力設定器
27にて設定された冷媒ガスの目標圧力値、及び圧力検
出器28により検出された実測圧力値に基づいて、実測
圧力値と目標圧力値との差分値が小さくなるよう、各熱
交換器21、22及び膨張弁4の少なくとも1つに対し
て制御信号Fcが出力される。
【0071】以下具体的に、圧力制御器29の動作につ
いて説明する。まず、熱源側熱交換器21が凝縮器とし
て、負荷側熱交換器22が蒸発器として働く冷房運転の
場合について説明する。この場合、高圧側の冷媒ガスの
圧力を目標圧力値まで上昇させるときには、凝縮器とし
て働く熱源側熱交換器21の熱交換量を減少させる熱交
換量減少制御、膨張弁3の開度を減少させる弁開度減少
制御、あるいは熱交換量減少制御及び弁開度減少制御の
両方が行われる。逆に、高圧側の冷媒ガスの圧力を目標
圧力値まで減少させるときには、凝縮器として働く熱源
側熱交換器21の熱交換量を増加させる熱交換量増加制
御、膨張弁3の開度を増加させる弁開度増加制御、もし
くは熱交換量増加制御及び弁開度増加制御の両方が行わ
れる。
【0072】一方、冷媒ガスの低圧側圧力を目標圧力値
まで増加させるときには、蒸発器として働く負荷側熱交
換器22の熱交換量を増加させる熱交換量増加制御、膨
張弁3の開度を増加させる弁開度増加制御、もしくは熱
交換量増加制御及び弁開度増加制御の両方が行われる。
逆に、冷媒ガスの低圧側圧力を目標圧力値まで減少させ
るときには、蒸発器として働く負荷側熱交換器22の熱
交換量を減少させる熱交換量減少制御、膨張弁3の開度
を減少させる弁開度減少制御、もしくは熱交換量減少制
御及び弁開度減少制御の両方が行われる。
【0073】次に、冷房運転時とは逆に、熱源側熱交換
器21が蒸発器として、負荷側熱交換器22が凝縮器と
して働く暖房運転の場合における圧力制御器29の動作
について説明する。
【0074】この場合、冷媒ガスの高圧側圧力を目標圧
力値まで上昇させるときには、負荷側熱交換器22の熱
交換量を減少させる熱交換量減少制御、もしくは膨張弁
3の開度を減少させる弁開度減少制御、もしくは熱交換
量減少制御及び弁開度減少制御の両方が行われる。冷媒
ガスの高圧側圧力を目標圧力値まで減少させるときに
は、負荷側熱交換器22の熱交換量を増加させる熱交換
量増加制御、膨張弁3の開度を増加させる弁開度増加制
御、もしくは熱交換量増加制御及び弁開度増加制御の両
方が行われる。
【0075】一方、冷媒ガスの低圧側圧力を目標圧力値
まで増加させるときには、熱源側熱交換器21の熱交換
量を増加させる熱交換量増加制御、もしくは膨張弁3の
開度を増加させる弁開度増加制御、もしくは熱交換量増
加制御及び弁開度増加制御の両方が行われる。冷媒ガス
の低圧側圧力を目標圧力値まで減少させるときには、熱
源側熱交換器21の熱交換量を減少させる熱交換量減少
制御、もしくは膨張弁3の開度を減少させる弁開度減少
制御、もしくは熱交換量減少制御及び弁開度減少制御の
両方が行われる。
【0076】ここで、空気調和機の操作によりリニアコ
ンプレッサ1に入力される駆動電流が変化したとき、あ
るいは気温の変化により各熱交換器にかかる負荷が変化
したとき、リニアコンプレッサ1に吸入される冷媒ガス
の圧力(以下、吸入圧と呼ぶ)と、リニアコンプレッサ
1から吐出される冷媒ガスの圧力(以下、吐出圧と呼
ぶ)の圧力差が小さくなると、ピストンストロークの変
動やピストン往復運動の中心位置の変動により、衝突危
険度が増大することとなる。
【0077】この場合には、ピストン上死点がシリンダ
上部内面から遠ざかるよう、上記圧力差を増大させるた
めの制御が行われる。つまり、この場合には、暖房運転
時及び冷房運転時に拘わらず、熱源側熱交換器21にお
ける熱交換量を減少させる制御、膨張弁4の開度を減少
させる制御、及び負荷側熱交換器22における熱交換量
を減少させる制御の少なくとも一つが行われる。これに
より、リニアコンプレッサ1のトップクリアランスが広
がり、ピストンとシリンダとの衝突が回避される。
【0078】このように本実施の形態1の冷凍サイクル
装置110では、ピストン上死点情報Udに基づいて、
ピストンがシリンダに衝突する確率を衝突危険度として
検出し、この衝突危険度に基づいて、熱源側熱交換器2
1、負荷側熱交換器22における熱交換量、及び膨張弁
の弁開度の少なくとも1つを調整して、リニアコンプレ
ッサ1における吸入圧と吐出圧との圧力差を、リニアコ
ンプレッサ1のトップクリアランスが増大するよう変化
させるようにしたので、ピストン上死点が、ピストンが
シリンダに衝突する衝突位置に近づき、ピストン衝突の
危険度が増大したときには、リニアコンプレッサ1の駆
動電流を低減させることなく、ピストン衝突を回避する
ことができる。つまり、ピストン衝突回避を、冷房能力
あるいは暖房能力の低減を招くことなく行うことができ
る。
【0079】また、実施の形態1では、ピストン上死点
情報を用いて、ピストン衝突が回避されるようリニアコ
ンプレッサ1のトップクリアランスを制御するので、ピ
ストン衝突回避のための制御を高速にしかも安定して行
うことができる。
【0080】さらに、実施の形態1では、衝突危険度情
報に基づいて、各熱交換器21、22などにおける冷媒
ガスの目標圧力値を設定し、圧力設定器27にて設定さ
れた冷媒ガスの目標圧力値、及び圧力検出器28により
検出された実測圧力値に基づいて、実測圧力値と目標圧
力値との差分値が小さくなるよう、熱交換器の熱交換量
や膨張弁の開度を制御するので、空気調和機の動作時に
おける最適な圧力条件を考慮して、設定される目標圧力
値を適正な圧力範囲内に制限することができる。つま
り、ピストン衝突回避のための制御を、空気調和機とし
て効率のよい運転状態を維持しつつ行うことができる。
【0081】なお、上記実施の形態1では、衝突危険度
判定手段25は、ピストン位置情報に基づいて算出され
たピストン上死点が、予め定められた限界上死点位置を
越えたとき、衝突危険度があると判定するものとなって
いるが、衝突危険度判定手段25は、ピストン上死点
が、予め定められた限界上死点位置を越えた場合、ピス
トン上死点と限界上死点位置との間の距離に応じて、衝
突危険度の大きさを判定するようにしてもよい。
【0082】このような構成の衝突危険度判定手段25
では、算出された上死点位置が、設定された限界上死点
位置を大きく上回った場合、この場合の衝突危険度が非
常に大きいものと判定される。また、算出された上死点
位置が設定された限界上死点位置をわずかに上回った場
合には、衝突危険度が少し高いと判定される。さらに、
算出された上死点位置が、設定された限界上死点位置に
達しない場合、衝突危険度は全くないと判定される。
【0083】具体的には、シリンダの軸線方向に沿っ
て、少なくとも2つ以上の限界上死点位置が設定され、
シリンダの軸線方向に沿って、上記複数の限界上死点位
置により区分された危険度評価領域が複数設定される。
そして、各ピストン上死点がいずれの危険度評価領域内
に位置するかによって、衝突危険度の確率が判定され
る。
【0084】図2は、上記ピストン上死点位置と衝突危
険度とを対応付ける判定関数の一例を説明するための図
である。図2では、ピストン上死点を横軸に、衝突危険
度の大きさ(衝突の確率)を縦軸に示し、衝突危険度判
定位置として、ピストンがシリンダヘッドと衝突する衝
突位置を原点として、ピストンのストローク方向に沿っ
て、4つの判定位置x1、x2、x3、x4(x1>x
2>x3>x4)が設定されている。
【0085】衝突危険度の大きさは、図2に示す関数に
よって以下のように求められる。上死点算出手段24に
より求められた上死点位置が、判定位置x1は超えてい
るが判定位置x2は超えていない場合、衝突危険度とし
ての確率は25%であると判定される。同様に、上死点
位置が判定位置x1以下であった場合、判定位置x2と
x3の間にある場合、判定位置x3とx4の間にある場
合、判定位置x4以上である場合は、それぞれ衝突危険
度としての確率は0%、50%、75%、100%であ
ると判定される。
【0086】なお、上記図2に示す衝突危険度の判定例
では、4箇所の判定位置を設定しているが、この判定位
置は4何箇所に限らない。この予め設定する判定位置は
多ければ多いほど、ピストン衝突を回避するための制御
を細やかなものとできる。
【0087】また、図2に示す衝突危険度の判定例で
は、衝突危険度が、ピストン上死点位置がピストン衝突
位置に近づくにつれて階段的に変化する関数(つまり連
続ではあるが微分不可能な関数)を示しているが、ピス
トン上死点位置と衝突危険度との対応関係を示す関数
は、ピストン上死点位置がピストン衝突位置に近づくに
つれて階段的ではなく滑らかに変化する関数(つまり微
分可能な関数)であってもよい。
【0088】このように、ピストン上死点とシリンダヘ
ッドとの間隔(トップクリアランス)の大きさに応じ
て、熱交換量などの制御量が決定されることとなり、ピ
ストン衝突回避のための制御を細やかに行うことができ
る。
【0089】また、上記実施の形態1では、衝突危険度
判定手段25は、上死点位置情報に基づいて衝突危険度
を判定するものとしているが、上記衝突危険度判定手段
25は、上死点位置情報によらずに、位置検出手段23
からのピストン位置信号に基づいて、衝突危険度を判定
するものとしてもよい。具体的には、衝突危険度判定手
段25では、位置検出手段23からのピストン位置情報
に基づいて、ピストンの予め定められた基準部位が、定
められた限界位置よりシリンダヘッド側に近づいたこと
が検出されたとき、衝突の危険度が高いと判定する方法
が考えられる。この場合は、上死点位置を導出する処理
が省略されることとなり、ピストンがシリンダに衝突す
る危険度がある状態を簡単に検出することができる。
【0090】また、上記衝突危険度判定手段25は、ピ
ストン上死点位置やピストン基準部位の位置に基づいて
衝突危険度を判定するものに限らず、定められた判定位
置を通過するピストンの速度に基づいて衝突危険度を判
定するものであってもよい。この場合、ピストンの速度
は、位置情報のサンプリングにより得られる離散データ
に基づいて算出する。具体的な方法としては、最近のサ
ンプリングにより得られたピストン位置と、その前のサ
ンプリングにより得られたピストン位置との間隔を、サ
ンプリング周期で除算して、単位時間当たりにピストン
が移動する距離(つまり現時点でのピストン速度)を算
出する方法がある。
【0091】このようにピストン速度に基づいて衝突危
険度を判定する場合には、単に衝突の危険性が判定され
るだけでなく、衝突危険度が高いと判定された時点から
実際にピストンがシリンダに衝突するまでの時間を推定
できる。このため、ピストン速度が速い場合には、衝突
危険度の判定時点から実際にピストンが衝突するまでの
時間が短いと考えられることから、ピストン衝突回避の
ための制御を応答性のよいものとして、ピストンの衝突
をより確実に回避することができる。
【0092】例えば、冷凍サイクルの異常時にはピスト
ン速度が急激に速くなることがあり、このような場合に
は、ピストン速度に基づいた衝突危険度の判定により、
応答性よいピストン衝突回避のための制御を行うことが
できる。
【0093】さらに、上記実施の形態1では、冷凍サイ
クル装置として、システム制御手段26からの制御信号
に基づいて圧力設定器27にて各熱交換器及びリニアコ
ンプレッサ1における冷媒ガスの目標圧力値を設定し、
圧力設定器27からの目標圧力値及び圧力検出器28か
らの実測圧力値に基づいて、圧力制御器29が、各熱交
換器における熱交換量及び膨張弁の弁開度の少なくとも
1つを制御するものを示したが、システム制御手段26
からの制御信号により、熱源側熱交換器21及び負荷側
熱交換器22における熱交換量及び膨張弁3の弁開度の
少なくとも1つを直接制御するようにしてもよい。この
場合は、圧力設定器27、圧力検出器28、及び圧力制
御器29は不要となる。
【0094】具体的には、衝突器危険度判定手段25に
て、衝突危険性が高いと判定された場合、システム制御
手段26は、熱源側熱交換器、負荷側熱交換器各熱交換
器、及び膨張弁の少なくとも1つを、冷媒ガスの高圧側
圧力と冷媒ガスの低圧側圧力の圧力差が大きくなるよう
制御する。つまり暖房運転時、冷房運転時にかかわら
ず、熱源側熱交換器21の熱交換量を減少させる制御、
膨張弁3の開度を減少させる制御、及び負荷側熱交換器
22の熱交換量を減少させる制御のうちの少なくともひ
とつの制御が行われる。
【0095】また、上記実施の形態1では、冷凍サイク
ル装置として、衝突危険度判定手段25にてピストン衝
突危険度が高いと判定されたとき、システム制御手段2
6により、各熱交換器の熱交換量あるいは膨張弁の弁開
度を、ピストンとシリンダの隙間(トップクリアラン
ス)が広がるよう制御するものを示したが、上記冷凍サ
イクル装置は、このようなピストン衝突危険度が高い場
合の制御を行うだけでなく、ピストン上死点が限界上死
点位置まで到達していない場合には、衝突危険度判定手
段25が、その時点でのピストン上死点が限界上死点位
置に到達していないという判定情報をシステム制御手段
26に出力し、システム制御手段26が、トップクリア
ランスが一定値になるよう各熱交換器の熱交換量あるい
は膨張弁の弁開度を制御するものであってもよい。
【0096】この場合、リニアコンプレッサ1ではトッ
プクリアランスが小さいほど高い体積効率が得られるこ
とから、上記のようにトップクリアランスが限界上死点
位置を越えない程度に小さくなるようにピストン上死点
を制御することにより、常に最高効率でリニアコンプレ
ッサを駆動することが可能となる。
【0097】さらに、上記実施の形態1では、システム
制御手段として、各熱交換器の熱交換量あるいは膨張弁
の弁開度を、ピストンとシリンダの隙間(トップクリア
ランス)が広がるよう制御するものを示したが、上記シ
ステム制御手段は、各熱交換器の熱交換量あるいは膨張
弁の弁開度だけでなく、リニアコンプレッサ1に供給す
るリニアモータの駆動電流を、これが衝突危険度情報が
示す衝突危険度の増大に応じて減少するよう制御するも
のであってもよい。
【0098】この場合、上記システム制御手段によるピ
ストン衝突回避のための制御をより応答性の良いものと
できる。つまり、上記実施の形態1におけるピストン衝
突回避のための制御のように、各熱交換器の熱交換量あ
るいは膨張弁の弁開度を制御対象とするものでは、その
応答性は、負荷側熱交換器として装備されているシステ
ムの構成によるところがあり、十分な応答性が得られな
い場合もある。
【0099】このような場合には、リニアコンプレッサ
1に供給するリニアモータの駆動電流を制御対象とする
ピストン衝突回避のための制御(第2の制御)を、上記
各熱交換器の熱交換量あるいは膨張弁の弁開度を制御対
象とする制御(第1の制御)とともに行うことにより、
その応答速度を高めることができる。しかも、この場
合、駆動電流を制御対象とする第2の制御における弊
害、つまりリニアモータの駆動電流の低減によりピスト
ンの振幅が小さくなってリニアコンプレッサの圧力差が
低下し、これによってピストンの振動の中心位置がシリ
ンダ側に移ってピストン衝突の可能性が再度増大すると
いう現象は、各熱交換器の熱交換量あるいは膨張弁の弁
開度を制御対象とする第1の制御により抑制されること
となる。
【0100】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2による冷凍サイクル装置を説明するための図であ
る。この実施の形態2の冷凍サイクル装置120は、上
記実施の形態1の冷凍サイクル装置110における、冷
媒ガスの圧力に基づいてピストン衝突回避のための制御
を行うリニアコンプレッサ制御部110aに代えて、冷
媒ガスの温度に基づいてピストン衝突回避のための制御
を行うリニアコンプレッサ制御部120aを備えたもの
である。
【0101】上記リニアコンプレッサ制御部120a
は、実施の形態1のリニアコンプレッサ制御部110a
と同様、リニアコンプレッサ1における位置検出器23
からのピストン位置情報Piに基づいてピストンの上死
点位置を算出し、上死点位置を示す情報Udを出力する
上死点算出手段24と、上死点位置情報Udに基づいて
ピストンとシリンダの衝突の危険度を判定し、該危険度
を示す情報(危険度情報)Cdを出力する衝突危険度判
定手段25と、衝突危険度情報Cdに応じた制御信号S
cを出力するシステム制御手段26とを有している。
【0102】そして、上記リニアコンプレッサ制御部1
20aは、上記リニアコンプレッサ制御部110aにお
ける圧力検出器28に代えて、リニアコンプレッサ1か
ら吐出された吐出冷媒ガスの温度、リニアコンプレッサ
1に吸入される吸入冷媒ガスの温度、熱源側熱交換器2
1の内部における熱源側冷媒ガスの温度、負荷側熱交換
器22の内部における負荷側冷媒ガスの温度のうちの少
なくとも1つの温度値を、設定対象として検出し、検出
温度情報Tdを出力する圧力検出器32を有している。
【0103】また、上記リニアコンプレッサ制御部12
0aは、上記リニアコンプレッサ制御部110aにおけ
る圧力設定器27及び圧力制御器29に代えて、システ
ム制御手段26からの制御信号Scに基づいて上記設定
対象となっている温度の値を設定し、設定温度値情報P
sを出力する温度設定器34と、設定温度値情報Tsと
検出温度値情報Tdに基づいて、検出温度値が設定温度
値に近づくよう、上記熱源側熱交換器21における熱交
換量、負荷側熱交換器22における熱交換量、及び膨張
弁4の弁開度の少なくとも1つを制御対象として制御す
る温度制御器33とを有している。そしてこの実施の形
態2におけるその他の構成は、実施の形態1におけるも
のと同一である。
【0104】次に動作について説明する。なお、この冷
凍サイクル装置120における、リニアコンプレッサ制
御部120a以外の動作は、実施の形態1の全く同一で
ある。冷凍サイクル装置120の運転時には、位置セン
サ23によりトップクリアランスの大きさとしてピスト
ン位置が測定されており、また、温度検出器32によ
り、上記各熱交換器21、22及びリニアコンプレッサ
1の少なくもと1つにおける冷媒ガスの圧力が測定され
ている。
【0105】そして、上死点算出手段24では、上記位
置センサ23からのピストン位置情報Piに基づいて、
ピストンの上死点が算出され、上死点情報Udが衝突危
険度判定手段25に出力される。この衝突危険度判定手
段25では、上死点情報Udに基づいて、ピストンがシ
リンダに衝突する可能性が衝突危険度として判定され、
衝突危険度情報Cdがシステム制御手段26に出力され
る。すると、システム制御手段26では、衝突危険度情
報Cdに応じた制御信号Scが温度設定器34に出力さ
れる。温度設定器34では、制御信号Scに基づいて、
各熱交換器21、22及びリニアコンプレッサ1の少な
くとも1つにおける冷媒ガスの目標温度値が設定され
る。
【0106】また、温度制御器33では、温度設定器3
4にて設定された冷媒ガスの目標圧力値、及び温度検出
器32により検出された実測温度値に基づいて、実測温
度値と目標温度値との差分値が小さくなるよう、各熱交
換器21、22及び膨張弁4のすくなくとも1つに対し
て制御信号Fcが出力される。
【0107】以下具体的に、温度制御器33の動作につ
いて説明する。まず、熱源側熱交換器21が凝縮器とし
て、負荷側熱交換器22が蒸発器として働く冷房運転の
場合について説明する。この場合、高圧側の冷媒ガスの
温度を目標温度値まで上昇させるときには、凝縮器とし
て働く熱源側熱交換器21の熱交換量を減少させる熱交
換量減少制御、膨張弁3の開度を減少させる弁開度減少
制御、あるいは熱交換量減少制御及び弁開度減少制御の
両方が行われる。逆に、高圧側の冷媒ガスの温度を目標
温度値まで減少させるときには、凝縮器として働く熱源
側熱交換器21の熱交換量を増加させる熱交換量増加制
御、膨張弁3の開度を増加させる弁開度増加制御、もし
くは熱交換量増加制御及び弁開度増加制御の両方が行わ
れる。
【0108】一方、冷媒ガスの低圧側温度を目標温度値
まで増加させるときには、蒸発器として働く負荷側熱交
換器22の熱交換量を増加させる熱交換量増加制御、膨
張弁3の開度を増加させる弁開度増加制御、もしくは熱
交換量増加制御及び弁開度増加制御の両方が行われる。
逆に、冷媒ガスの低圧側温度を目標温度値まで減少させ
るときには、蒸発器として働く負荷側熱交換器22の熱
交換量を減少させる熱交換量減少制御、膨張弁3の開度
を減少させる弁開度減少制御、もしくは熱交換量減少制
御及び弁開度減少制御の両方が行われる。
【0109】次に、冷房運転時とは逆に熱源側熱交換器
21が蒸発器として、負荷側熱交換器22が凝縮器とし
て働く暖房運転時の場合について温度制御器33の動作
を説明する。
【0110】この場合、冷媒ガスの高圧側温度を目標温
度値まで上昇させるときには、負荷側熱交換器22の熱
交換量を減少させる熱交換量減少制御、膨張弁3の開度
を減少させる弁開度減少制御、もしくは熱交換量減少制
御及び弁開度減少制御の両方が行われる。逆に、冷媒ガ
スの高圧側温度を目標温度値まで減少させるときには、
負荷側熱交換器22の熱交換量を増加させる熱交換量増
加制御、膨張弁3の開度を増加させる弁開度増加制御、
もしくは熱交換量増加制御及び弁開度増加制御の両方が
行われる。
【0111】一方、冷媒ガスの低圧側温度を目標温度値
まで増加させるときには、熱源側熱交換器21の熱交換
量を増加させる熱交換量増加制御、もしくは膨張弁3の
開度を増加させる弁開度増加制御、もしくは熱交換量増
加制御及び弁開度増加制御の両方が行われる。逆に、冷
媒ガスの低圧側温度を目標温度値まで減少させるときに
は、熱源側熱交換器21の熱交換量を減少させる熱交換
量減少制御、膨張弁3の開度を減少させる弁開度減少制
御、もしくは熱交換量減少制御及び弁開度減少制御の両
方が行われる。
【0112】ここで、空気調和機の操作によりリニアコ
ンプレッサ1に入力される駆動電流が変化したとき、あ
るいは気温の変化により各熱交換器にかかる負荷が変化
したとき、リニアコンプレッサ1の吸入する冷媒ガスの
温度(以下、吸入冷媒温度と呼ぶ)と、リニアコンプレ
ッサ1から吐出される冷媒ガスの温度(以下、吐出冷媒
温度と呼ぶ)の温度差が小さくなると、ピストンストロ
ークの変動やピストン往復運動の中心位置の変動によ
り、衝突危険度が増大することとなる。
【0113】この場合には、ピストン上死点がシリンダ
上部内面から遠ざかるよう、上記温度差を増大させるた
めの制御が行われる。つまり、この場合には、暖房運転
時及び冷房運転時に拘わらず、熱源側熱交換器における
熱交換量を減少させる制御、膨張弁の開度を減少させる
制御、及び負荷側熱交換器における熱交換量を減少させ
る制御の少なくとも一つが行われる。これにより、リニ
アコンプレッサ1のトップクリアランスが広がり、ピス
トンとシリンダとの衝突が回避される。
【0114】このように本実施の形態2の冷凍サイクル
装置120では、ピストン上死点情報に基づいて、ピス
トンがシリンダに衝突する確率を衝突危険度として検出
し、この衝突危険度に基づいて、熱源側熱交換器21及
び負荷側熱交換器22における熱交換量、並びに膨張弁
4の弁開度の少なくとも1つを調整して、リニアコンプ
レッサ1における吸入冷媒温度と吐出冷媒温度との差分
値である温度差を変化させるようにしたので、ピストン
上死点が、ピストンがシリンダに衝突する衝突位置に近
づき、ピストン衝突の危険度が増大したときには、リニ
アコンプレッサ1の駆動電流を低減させることなく、ピ
ストン衝突を回避することができる。つまり、ピストン
衝突回避を、冷房能力あるいは暖房能力の低減を招くこ
となく行うことができる。
【0115】また、ピストン上死点情報を用いて、ピス
トン衝突回避のためのリニアコンプレッサ1のトップク
リアランスを制御するので、ピストン衝突回避のための
制御を高速にしかも安定して行うことができる。
【0116】さらに、この実施の形態2では、リニアコ
ンプレッサ1のトップクリアランスを、冷媒の温度に基
づいて調整しているので、冷媒の過熱度や過冷却度を適
正範囲に保持される空気調和機の快適運転の下での、ピ
ストン衝突回避のための冷凍サイクルの制御を簡単なも
のとできる。言いかえると、空気調和機の利用者が望む
快適な温度制御をなるべく損なうことなく、ピストン衝
突回避のための冷凍サイクルの制御を行うことができ
る。
【0117】なお、上記実施の形態2では、冷媒ガスの
温度に基づいてピストン衝突回避のための冷凍サイクル
の制御を行っているが、冷媒液の温度に基づいてピスト
ン衝突回避のための冷凍サイクルの制御を行ってもよ
い。
【0118】(実施の形態3)図4は本発明の実施の形
態3による冷凍サイクル装置を説明するためのブロック
図であり、該冷凍サイクル装置を構成するシステム制御
手段の構成を示している。
【0119】この実施の形態3の冷凍サイクル装置は、
実施の形態1の冷凍サイクル装置110におけるシステ
ム制御手段26に代えて、ピストン衝突が確実に回避さ
れるよう熱交換量または膨張弁開度の少なくとも一方を
制御する異常防止制御と、冷暖房運転を、冷媒ガスの圧
力が適正範囲に保たれかつ過熱及び過冷却が発生しない
よう制御する通常運転用制御とを、衝突危険度に応じた
バランスでもって行うシステム制御手段60を備えたも
のである。
【0120】以下、上記システム制御手段60が膨張弁
4の開度を制御するものであるとしてその構成について
詳述する。システム制御手段60は、衝突危険度情報C
dに応じて膨張弁4の開度を制御する衝突防止運転用制
御部61と、冷媒ガスの圧力が適正範囲に保たれかつ過
熱及び過冷却が発生しないよう膨張弁の開度を制御する
通常運転用制御部62と、異常防止制御による制御量V
e、通常運転制御による制御量Vn、及び衝突危険度情
報Cdに基づいて、膨張弁4に対する制御量Vbを決定
する膨張弁操作量決定器63とを有している。
【0121】ここで、上記衝突防止運転用制御部61
は、膨張弁4の開度のみを制御する点で実施の形態1の
システム制御手段26と異なっており、ピストン衝突を
確実に回避するための膨張弁4の開度を示す制御量Sc
eを出力するものとなっている。また、通常運転用制御
部62は、空調の対象となる部屋の温度及び湿度、また
利用者により設定される空調目標温度等に基づいて、冷
媒ガスの圧力が適正範囲に保たれた、その過熱及び過冷
却が発生しない快適な空調運転が行われるよう、最適な
膨張弁4の開度を示す制御量Scnを出力するものとな
っている。
【0122】また、膨張弁操作量決定器63は、危険度
判定手段25から与えられる危険度情報Cdの値を係数
値α(0≦α≦1)として、下記の式(1)で示すファ
ジ関数により、膨張弁4の開度を調整する弁開度制御量
Vbを決定するものとなっている。 Vb=Ve×α+Vn×(1−α) ・・・(1)
【0123】膨張弁4は、この制御量Vbに応じた開度
に設定される。そしてこの実施の形態3のその他の構成
は実施の形態1におけるものと同一である。
【0124】次に動作について説明する。この実施の形
態3の動作は、膨張弁4の操作量を上記関係式(1)に
基づいて決定する点以外は、実施の形態1と同一である
ので、以下、膨張弁4の操作量を決定する動作について
説明する。
【0125】衝突危険度判定手段25では、実施の形態
1と同様にして算出されたピストン上死点情報Udに基
づいて、衝突危険度を示す情報Cdが、衝突の可能性が
大きいほどその値が大きくなるように決定される。この
情報Vcdの値はここでは上記係数値α(0≦α≦1)
となっている。
【0126】衝突防止運転用制御器61では、衝突危険
度判定手段25からの衝突危険度情報Cdに基づいてピ
ストン衝突が確実に回避されるよう膨張弁4の操作量
(第1の操作量)Veが決定され、第1の操作量Veを
示す情報Sceが出力される。
【0127】また、通常運転用制御器62では冷媒ガス
の圧力や過熱度、過冷却度が適正に保たれるよう膨張弁
4の操作量(第2の操作量)Vnが決定され、第2の操
作量Vnを示す情報Scnが出力される。
【0128】膨張弁操作量決定器63では、上記関係式
(1)により、膨張弁4の第3の操作量Vbが決定され
る。つまり、膨張弁4の第3の操作量Vbは、衝突防止
運転用制御器61からの操作量Veに衝突危険度Cdの
値を係数αとして乗じて得られる値と、通常運転用制御
器62からの操作量Vnに、1から係数αを減じて得ら
れる値を乗じて得られる値と、の加算値として求められ
る。そして、膨張弁4では、上記第3の操作量Vbに応
じてその開度が調整される。
【0129】このように本実施の形態3では、ピストン
衝突が確実に回避されるための、膨張弁開度に対する第
1の制御量Vbを決定する衝突防止運転用制御部61
と、冷媒ガスの圧力、過熱度及び過冷却度を適正範囲に
保持するための、膨張弁開度に対する第2の制御量Vn
を決定する通常運転用制御部62と、衝突危険度に応じ
て第1及び第2の制御量を重み付け平均して得られる第
3の操作量Vbを決定する膨張弁操作量決定器63とを
備えたので、ピストンの衝突危険度が小さいときには、
冷媒ガスの圧力、過熱度及び過冷却度を比較的適正な範
囲に設定した状態で冷凍サイクル装置の運転を行うこと
ができ、ピストンの衝突危険度が大きいときには、ピス
トンの衝突回避を優先して、冷凍サイクル装置の運転を
行うことができる。
【0130】なお、上記実施の形態3では、異常回避の
ための制御量(第1の制御量)と通常運転のための制御
量(第2の制御量)との重み付け平均により得られる制
御量(第3の制御量)として、膨張弁開度を調整する制
御量を求めるものを示したが、第3の制御量として、熱
源側熱交換器21や負荷側熱交換器22の熱交換量を調
整する制御量を決定するようにしてもよい。
【0131】さらに上記各実施の形態では、熱交換器や
膨張弁の制御として、検出されたピストンの位置あるい
は速度に対応する制御量を一義的に決定するオープンル
ープ制御を示したが、上記熱交換器や膨張弁の制御は、
検出されたピストンの位置あるいは速度に基づいて、熱
交換器や膨張弁に対する制御量を逐次決定するフィード
バック制御でもよい。
【0132】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)に係
る冷凍サイクル装置によれば、リニアコンプレッサのシ
リンダ内で往復動するピストンの位置を検出する位置検
出手段と、検出されたピストン位置に基づいて上記ピス
トンがシリンダに衝突する危険度を判定する衝突危険度
判定手段と、熱源側熱交換器(第1の熱交換器)での熱
交換量、負荷側熱交換器(第2の熱交換器)での熱交換
量、及び循環する冷媒の流れを制限する絞り弁の弁開度
のうちの少なくともひとつを制御対象とし、判定された
衝突危険度に応じて、上記リニアコンプレッサのトップ
クリアランスが広がるよう、上記制御対象を制御するシ
ステム制御手段とを備えたので、冷凍サイクル装置の定
常的な運転状態が変動した場合、つまり熱源側熱交換器
や負荷側熱交換器の周囲温度の変化や目標温度(例え
ば、空気調和機においては室温の設定温度)の変化が生
じた場合には、冷凍サイクル装置の出力、例えば求めら
れる冷房能力や暖房能力を大きく減少させることなく、
リニアコンプレッサにおけるピストンとシリンダの衝突
を確実に回避することができる。
【0133】この発明(請求項2)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記衝突危険度判定
手段では、上記ピストン往復動の所定位相に対応するピ
ストン位置が、予め設定された限界位置よりシリンダヘ
ッド側に近づいたとき、上記ピストンがシリンダに衝突
する危険性があると判定するので、ピストンがシリンダ
に衝突する危険性がある場合を簡単に検出できる。
【0134】この発明(請求項3)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記衝突危険度判定
手段では、上記ピストン往復動の所定位相に対応するピ
ストン位置が、予め設定された複数の危険度判定領域の
うちのいずれの領域に含まれるかを判定し、上記ピスト
ン位置が含まれる危険度判定領域がシリンダヘッドに近
いほど、上記衝突危険度が高いと判定するので、ピスト
ンの衝突危険度を段階的に判定でき、ピストンの衝突回
避のための制御をきめこまかく行うことができる。
【0135】この発明(請求項4)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記位置検出手段で
は複数のピストン位置情報を検出し、上記衝突危険度判
定手段では、該複数のピストン位置情報に基づいて、該
ピストンが所定の判定位置を通過するときのピストン速
度を求め、該ピストン速度に基づいて上記衝突危険度を
判定するので、簡単に衝突危険度を求めることができ
る。
【0136】この発明(請求項5)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記ピストン位置情
報に基づいて上記ピストンの上死点を示す上死点情報を
出力する上死点算出手段を備え、上記衝突危険度判定手
段では、該上死点情報を受け、上記ピストンの上死点
が、予め設定された限界位置よりシリンダヘッド側に近
づいたとき、上記ピストンがシリンダに衝突する危険性
があると判定するので、ピストンがシリンダに衝突する
危険性がある場合を簡単に検出できるだけでなく、ピス
トン衝突回避のための制御を高速かつ安定に行うことが
できる。
【0137】この発明(請求項6)によれば、請求項5
記載の冷凍サイクル装置において、上記衝突危険度判定
手段では、上記上死点情報に基づいて、上記ピストンの
上死点が、予め設定された複数の危険度判定領域のうち
のいずれの領域に含まれるかを判定し、上記ピストンの
上死点が含まれる危険度判定領域がシリンダヘッドに近
いほど、上記衝突危険度が高いと判定するので、ピスト
ン衝突回避のための制御を高速かつ安定に行うことがで
きるだけでなく、ピストンの衝突危険度の段階的な判定
により、ピストンの衝突回避のための制御をきめこまか
く行うことができる。
【0138】この発明(請求項7)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記システム制御手
段では、上記ピストン位置情報に基づいて、上記ピスト
ンの上死点が所定の位置に保たれるよう、上記制御対象
を制御するので、常に最高効率でリニアコンプレッサを
駆動することが可能となる。
【0139】この発明(請求項8)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記リニアコンプレ
ッサの吸入圧、その吐出圧、第1の熱交換器へ送り込ま
れたガス状冷媒の圧力、及び第2の熱交換器にて生じた
ガス状冷媒の圧力の少なくとも1つを設定対象圧力とし
てその圧力値を検出する圧力検出器と、上記設定対象圧
力を所定値に設定する圧力設定器と、上記設定対象圧力
の設定値とその検出値との差分差が小さくなるよう、上
記制御対象に対してその制御量を示す情報を出力する圧
力制御器とを備え、上記システム制御手段を、上記圧力
設定器をその設定対象圧力の設定値が、上記衝突危険度
情報が示す衝突危険度に応じた値となるよう制御するも
のとしたので、空気調和機の動作時における最適な圧力
条件を考慮して、設定される目標圧力値を適正な圧力範
囲内に制限することができる。つまり、ピストン衝突回
避のための制御を、空気調和機として効率のよい運転状
態を維持しつつ行うことができる。
【0140】この発明(請求項9)によれば、請求項1
記載の冷凍サイクル装置において、上記リニアコンプレ
ッサに吸入されるガス状冷媒の温度、該リニアコンプレ
ッサから吐出されるガス状冷媒の温度、第1の熱交換器
におけるガス状冷媒の温度、第2の熱交換器におけるガ
ス状冷媒の温度、第1の熱交換器における液状冷媒の温
度、及び第2の熱交換器における液状冷媒の温度の少な
くとも1つを設定対象温度としてその温度値を検出する
温度検出器と、上記設定対象温度を所定値に設定する温
度設定器と、上記設定対象温度の設定値とその検出値と
の差分値が小さくなるよう、上記制御対象に対するその
制御量を示す情報を出力する温度制御器とを備え、上記
システム制御手段を、上記温度設定器をその設定対象温
度の設定値が、上記衝突危険度情報が示す衝突危険度に
応じた値となるよう制御するものとしたので、冷媒の過
熱度や過冷却度を適正範囲に保持される空気調和機の快
適運転の下での、ピストン衝突回避のための冷凍サイク
ルの制御を簡単なものとできる。言いかえると、空気調
和機の利用者が望む快適な温度制御をなるべく損なうこ
となく、ピストン衝突回避のための冷凍サイクルの制御
を行うことができる。
【0141】この発明(請求項10)によれば、請求項
1記載の冷凍サイクル装置において、上記システム制御
手段を、上記衝突危険度情報に基づいて、上記ピストン
の衝突回避のための制御量を示す第1の制御情報を出力
する衝突防止運転用システム制御器と、上記リニアコン
プレッサを予め設定されている最適な状態で動作させる
ための制御量を示す第2の制御情報を出力する通常運転
用システム制御器と、上記第1の制御量と第2の制御量
とに対する重み付け処理を、上記衝突危険度情報が示す
衝突危険度が大きいほど、第2の制御量に比べて第1の
制御量に対する重み付け比率が大きくなるよう行い、重
み付けされた第1及び第2の制御量の総和を、上記制御
対象に対する第3の制御量を示す情報として出力する制
御量決定手段とを備え、上記制御対象を第3の制御量で
もって制御するものとしたので、ピストンの衝突危険度
が小さいときには、冷媒ガスの圧力、過熱度及び過冷却
度を比較的適正な範囲に設定した状態で冷凍サイクル装
置の運転を行うことができ、ピストンの衝突危険度が大
きいときには、ピストンの衝突回避を優先して、冷凍サ
イクル装置の運転を行うことができる。
【0142】この発明(請求項11)によれば、請求項
1記載の冷凍サイクル装置において、上記システム制御
手段を、上記リニアコンプレッサに供給されるリニアモ
ータの駆動電流を制御する電流制御手段を備え、上記衝
突危険度情報が示す衝突危険度に応じて、上記第1の熱
交換器での熱交換量、第2の熱交換器での熱交換量、及
び絞り弁の弁開度のうちの少なくともひとつを制御対象
とする第1の制御とともに、上記リニアモータの駆動電
流を制御対象とする第2の制御を行うものとしたので、
上記リニアモータの駆動電流を制御対象とする制御によ
り、ピストン衝突回避のための制御の応答速度を高める
ことができる。この結果、突発的なピストンの衝突をも
回避することができる。しかも、駆動電流を制御対象と
するピストン衝突回避のための制御における弊害も抑制
することができる。つまり、リニアモータの駆動電流の
低減によりリニアコンプレッサの圧力差が低下してピス
トン衝突の可能性が再度増大するという現象を、各熱交
換器の熱交換量あるいは膨張弁の弁開度を制御対象とす
る、リニアコンプレッサの圧力差増大のための制御によ
り抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置
を説明するためのブロック図である。
【図2】上記実施の形態1で用いる衝突危険度判定関数
の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置
を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3による冷凍サイクル装置
を説明するためのブロック図である。
【図5】従来の冷凍サイクル装置のシステムを示すブロ
ック図である。
【図6】従来の冷凍サイクル装置を構成するリニアコン
プレッサを説明するための断面図である。
【図7】従来のリニアコンプレッサの衝突回避制御装置
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 リニアコンプレッサ 1a 吐出管 1b 吸入管 2 四方弁 3 室外熱交換器(熱源側熱交換器) 4 膨張弁 5 アキュムレータ 8 室内熱交換器(負荷側熱交換器) 9 室温検知器 10 部屋 11 ガス側管路(第1の流通管路) 12 液側管路(第2の流通管路) 13 圧力検知器 14 過熱度検知器 21 熱源側熱交換器 22 負荷側熱交換器 23 位置検出センサ 24 上死点算出手段 25 衝突危険度判定手段 26、60 システム制御手段 27 圧力設定器 28 圧力検出器 29 圧力制御器 30 ガス側配管 31 液側配管 32 温度検出器 33 温度制御器 34 温度設定器 41a シリンダ部 41b モータ部 42 ピストン 42a ピストンロッド 43 マグネット 44a アウターヨーク 44b ステータコイル 46 ガス圧縮室 49 吸入バルブ 50 吐出バルブ 51 共振バネ(支持ばね) 52 リニアモータ 61 衝突防止運転用制御器 62 通常運転用制御器 63 膨張弁操作量決定器 100、110、120 冷凍サイクル装置 100a 室内機 100b 室外機 110a、120a リニアコンプレッサ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 康弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 吉田 雄二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−324751(JP,A) 特開 平9−264262(JP,A) 特開2000−154787(JP,A) 特開 平10−115290(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 49/10 331 F04B 35/04 F25B 1/02 H02P 7/00 101

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒の状態変化により熱交換を行う第1
    及び第2の熱交換器と、 冷媒を第2の熱交換器から第1の熱交換器へ送る第1の
    流通管路と、 冷媒を第1の熱交換器から第2の熱交換器へ送る第2の
    流通管路と、 上記第1の流通管路の一部に配置され、ガス圧縮室を形
    成するシリンダ及びピストン、並びに該ピストンを往復
    動させるリニアモータを有し、上記第2の熱交換器側か
    らのガス状冷媒を吸入して圧縮し、圧縮されたガス状冷
    媒を第1の熱交換器側へ吐出するリニアコンプレッサ
    と、 上記第2の流通管路の一部に配置され、該通路の断面積
    をその弁開度により調整する絞り弁とを備えた冷凍サイ
    クル装置において、 上記ピストンの位置を検出し、該位置を示すピストン位
    置情報を出力する位置検出手段と、 該ピストン位置情報に基づいて上記ピストンがシリンダ
    に衝突する危険度を判定し、該危険度を示す衝突危険度
    情報を出力する衝突危険度判定手段と、 上記第1の熱交換器での熱交換量、第2の熱交換器での
    熱交換量、及び絞り弁の弁開度のうちの少なくともひと
    つを制御対象とし、該衝突危険度情報が示す衝突危険度
    に応じて、上記リニアコンプレッサにおけるガス状冷媒
    の吸入圧とその吐出圧との圧力差の増大によりそのトッ
    プクリアランスが広がるよう、上記制御対象を制御する
    システム制御手段とを備えたことを特徴とする冷凍サイ
    クル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記衝突危険度判定手段は、上記ピストン位置情報に基
    づいて、上記ピストン往復動の所定位相に対応するピス
    トン位置が、予め設定された限界位置よりシリンダヘッ
    ド側に近づいたとき、上記ピストンがシリンダに衝突す
    る危険性があると判定するものであることを特徴とする
    冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記衝突危険度判定手段は、上記ピストン位置情報に基
    づいて、上記ピストン往復動の所定位相に対応するピス
    トン位置が、予め設定された、ピストンの往復動方向に
    沿ってシリンダヘッド側からその反対側に向かって並ぶ
    複数の危険度判定領域のうちのいずれの領域に含まれる
    かを判定し、上記ピストン位置が含まれる危険度判定領
    域がシリンダヘッドに近いほど、上記衝突危険度が高い
    と判定するものであることを特徴とする冷凍サイクル装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記位置検出手段は、上記ピストンの位置を一定の時間
    間隔で検出し、該複数のピストン位置情報を出力するも
    のであり、 上記衝突危険度判定手段は、該複数のピストン位置情報
    に基づいて、該ピストンが所定の判定位置を通過すると
    きのピストン速度を求め、該ピストン速度に基づいて上
    記衝突危険度を判定するものであることを特徴とする冷
    凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記ピストン位置情報に基づいて上記ピストンの上死点
    を算出し、該上死点を示す上死点情報を出力する上死点
    算出手段を備え、 上記衝突危険度判定手段は、該上死点情報を受け、上記
    ピストンの上死点が、予め設定された限界位置よりシリ
    ンダヘッド側に近づいたとき、上記ピストンがシリンダ
    に衝突する危険性があると判定するものであることを特
    徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記衝突危険度判定手段は、上記上死点情報に基づい
    て、上記ピストンの上死点が、予め設定された、ピスト
    ンの往復動方向に沿ってシリンダヘッド側からその反対
    側に向かって並ぶ複数の危険度判定領域のうちのいずれ
    の領域に含まれるかを判定し、上記ピストンの上死点が
    含まれる危険度判定領域がシリンダヘッドに近いほど、
    上記衝突危険度が高いと判定するものであることを特徴
    とする冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記システム制御手段は、上記ピストン位置情報に基づ
    いて、上記ピストンの上死点が所定の位置に保たれるよ
    う、上記制御対象を制御するものであることを特徴とす
    る冷凍サイクル装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記リニアコンプレッサの吸入圧、その吐出圧、第1の
    熱交換器へ送り込まれたガス状冷媒の圧力、及び第2の
    熱交換器にて生じたガス状冷媒の圧力の少なくとも1つ
    を設定対象圧力としてその圧力値を検出し、該設定対象
    圧力の検出値を示す検出圧力情報を出力する圧力検出器
    と、 上記設定対象圧力を、指令信号に基づいて所定値に設定
    し、該設定対象圧力の設定値を示す設定圧力情報を出力
    する圧力設定器と、 上記設定圧力情報及び検出圧力情報に基づいて、上記設
    定対象圧力の設定値とその検出値との差分差が小さくな
    るよう、上記制御対象に対してその制御量を示す情報を
    出力する圧力制御器とを備え、 上記システム制御手段は、上記圧力設定器に対して、上
    記設定対象圧力の設定値が、上記衝突危険度情報が示す
    衝突危険度に応じた値となるよう、上記指令信号により
    指令するものであることを特徴とする冷凍サイクル装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の冷凍サイクル装置におい
    て、 上記リニアコンプレッサに吸入される冷媒の温度、該リ
    ニアコンプレッサから吐出される冷媒の温度、第1の熱
    交換器における冷媒の温度、第2の熱交換器における冷
    媒の温度の少なくとも1つを設定対象温度としてその温
    度値を検出し、該設定対象温度の検出値を示す検出温度
    情報を出力する温度検出器と、 上記設定対象温度を、指令信号に基づいて所定値に設定
    し、該設定対象温度の設定値を示す設定温度情報を出力
    する温度設定器と、 上記設定温度情報及び検出温度情報に基づいて、上記設
    定対象温度の設定値とその検出値との差分値が小さくな
    るよう、上記制御対象に対するその制御量を示す情報を
    出力する温度制御器とを備え、 上記システム制御手段は、上記温度設定器に対して、上
    記設定対象温度の設定値が、上記衝突危険度情報が示す
    衝突危険度に応じた値となるよう、上記指令信号により
    指令するものであることを特徴とする冷凍サイクル装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の冷凍サイクル装置にお
    いて、 上記システム制御手段は、 上記衝突危険度情報に基づいて、上記制御対象に対す
    る、上記ピストンのシリンダに対する衝突を回避するた
    めの第1の制御量を示す第1の制御情報を出力する衝突
    防止運転用システム制御器と、 上記制御対象に対する、上記リニアコンプレッサを予め
    設定されている最適な状態で動作させるための第2の制
    御量を示す第2の制御情報を出力する通常運転用システ
    ム制御器と、 上記第1、第2の制御情報を受け、上記第1の制御量と
    第2の制御量とに対する重み付け処理を、上記衝突危険
    度情報が示す衝突危険度が大きいほど、第2の制御量に
    比べて第1の制御量に対する重み付け比率が大きくなる
    よう行い、重み付けされた第1及び第2の制御量の総和
    を、上記制御対象に対する第3の制御量を示す情報とし
    て出力する制御量決定手段とを備え、 上記制御対象を第3の制御量でもって制御するものであ
    ることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の冷凍サイクル装置にお
    いて、 上記システム制御手段は、 上記リニアコンプレッサに供給されるリニアモータの駆
    動電流を、これが上記衝突危険度情報が示す衝突危険度
    の増大に応じて減少するよう制御する電流制御手段を備
    え、 上記衝突危険度情報が示す衝突危険度に応じて、上記第
    1の熱交換器での熱交換量、第2の熱交換器での熱交換
    量、及び絞り弁の弁開度のうちの少なくともひとつを制
    御対象とする第1の制御とともに、上記リニアモータの
    駆動電流を制御対象とする第2の制御を行うものである
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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