JP3521252B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP3521252B2 JP36207499A JP36207499A JP3521252B2 JP 3521252 B2 JP3521252 B2 JP 3521252B2 JP 36207499 A JP36207499 A JP 36207499A JP 36207499 A JP36207499 A JP 36207499A JP 3521252 B2 JP3521252 B2 JP 3521252B2
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  • Control Of Resistance Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
等の電子写真装置に用いられる、定着ローラと、該定着
ローラ内に配された熱源と、該定着ローラと非接触に配
され定着ローラの過昇温時に熱源への通電を遮断する感
温部材と、上記熱源を支持する熱源支持部材とを有する
定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタ等の電子写真装置の作
像部において、用紙表面にトナー像が転写された用紙は
定着装置に送られ、この定着装置で加熱・加圧されるこ
とで用紙上にトナー像が定着される。この加熱・加圧に
よりトナーを用紙に定着する定着装置は、加熱を担うヒ
ートローラ(定着ローラ)と、これに圧接される加圧を
担う加圧ローラとを備えている。
【0003】従来、ヒートローラには、加熱制御が異常
をきたしたときに、定着装置や、その周囲にある他の近
傍装置に過加熱による悪影響を与えないように、安全機
構として、温度ヒューズやサーモスタット等の感温部材
が設けられ、ヒートローラ内に配されたヒータ部(熱
源)の暴走を防止できるように構成されている。
【0004】上記感温部材は、ヒートローラと常時接触
させるとその表面を傷つけるので、ヒートローラ表面よ
り一定距離を隔てて配置されるが、距離を置いて配置し
た場合、ヒートローラ表面と感温部材の間に空気層が介
在し、周囲の雰囲気,空気の流れ等により感温部材の温
度上昇率が左右され易く、感温部材の作動時のヒートロ
ーラ表面温度にバラツキが生じため、温度ヒューズやサ
ーモスタットの定格、取り付け位置の設計等も困難とな
る。
【0005】そこで、このような不具合を解決するもの
として、特公平4−39077号公報に開示されている
ようなものがあった。
【0006】この定着装置は、図6及び図7に示すよう
に、芯金21aと、その表面に設けられた表面処理層2
1bとからなるヒートローラ21と、該ヒートローラ2
1内に配されるヒータ22と、該ヒータ22を支持する
とともにヒートローラ21を回転可能に支持する軸受2
3と、ヒートローラ21と軸受23との間に設けられ当
該ヒートローラ21を断熱支持する断熱ブッシュ24
と、ヒートローラ21の過熱暴走時にヒータ22への通
電を遮断する当該ヒートローラ21と非接触に配された
感温部材25とから構成されている。
【0007】上記断熱ブッシュ24は、上記感温部材2
5が作動する前に軟化する熱可塑性樹脂材により形成さ
れていた。
【0008】これによれば、ヒートローラ21の異常過
熱暴走時、感温部材25が作動する前に断熱ブッシュ2
4が軟化するため、加圧ローラによる加圧力で図7に示
すように断熱ブッシュ24の肉厚が薄くなり、肉厚が薄
くなった分、ヒートローラ21が感温部材25に近づ
く。
【0009】その結果、感温部材25の温度上昇率が上
がり、感温部材25の作動が速くなるので、過熱暴走を
より早く検出して対応(ヒータ22への通電遮断)を行
っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記定着装置では、ヒ
ートローラ21の過熱時に断熱ブッシュ24が軟化変形
してヒートローラ21が感温部材25に近づくような構
成となっており、この場合のヒータ22から感温部材2
5表面での温度勾配を図8に示す。図8において、実線
が通常の場合を示す、破線が過熱異常を生じヒートロー
ラ21が感温部材25に接近した場合を示している。
【0011】通常、ヒータ22の管温度は250〜30
0℃で、ヒートローラ21表面温度は150〜170℃
に設定される。ヒータ22に異常が生じ、温度制御が不
能になると、ヒータ22が過熱し、ヒートローラ21に
おける芯金22aと表面処理層22bとの界面の温度も
上昇する。通常、この界面の温度が240℃となるのを
maxとして、感温部材25が作動するように設定され
ており、この感温部材25の作動温度は110〜130
℃である。
【0012】ところが、近年においては、ヒートローラ
21の薄肉化、速熱定着システム化が進められており、
加熱制御が不能になった時の異常温度をより早期に検知
し、定着装置の保護を行う必要性が増してきている。
【0013】しかし、上記構成の定着装置では、芯金2
1aを経て伝わる熱で断熱ブッシュ24が加熱されて軟
化し、ヒートローラ21が感温部材25に近づく構成の
ため、ヒータ22の異常な温度上昇はヒートローラ21
の芯金21aを介して断熱ブッシュ24に伝わるため、
断熱ブッシュ24が軟化するまでヒータ22の温度がま
すます上昇してしまうという問題があった。
【0014】また、ヒートローラ21が移動するため、
ヒートローラ21内で固定されているヒータ22にヒー
トローラ21が当接してヒータ22が破損するという虞
れがあった。
【0015】しかも、断熱ブッシュ24が軟化変形した
あとは、ヒータ22からのヒートローラ21の距離が大
きくなるため、ヒータ22からヒートローラ22に伝わ
る熱量が通常時に比べ少なくなるため、各部分における
温度勾配が図8の破線で示すように通常時よりも小さく
なり、ヒートローラ22を介して感温部材25に伝わる
熱量も減少し、その結果、感熱部材25の作動時にはヒ
ータ22の温度が非常に高温となってしまうという問題
があった。
【0016】本発明は上記の問題に鑑みなされたもので
あり、熱源の異常温度上昇時に早期に高い検出精度で過
熱異常を検出可能な定着装置を提供することを目的とす
るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、定着ローラと、該定着ローラ内に配さ
れた熱源と、前記定着ローラと非接触に配され定着ロー
ラの過昇温時に熱源への通電を遮断する感温部材と、
記定着ローラを支持する定着ローラ支持部材と、該定着
ローラ支持部材とは別に設けられて前記熱源を支持する
熱源支持部材とを有し、記熱源支持部材熱可塑性樹
脂からなり、記定着ローラの過昇温時に、記感温部
が通電を遮断する前に前記熱源支持部材が軟化するこ
とにより熱源と感温部材間の距離が減少する。
【0018】従って、熱源支持部材は熱源から直接伝わ
る熱により過熱され、異常過熱時には熱源支持部材の軟
化が速やかに起こり、感温部材が定着ローラの異常を検
出する時期が早まり、異常過熱の早期検出、停止が可能
となる。
【0019】本発明の熱源は、弾性部材により感温部材
側に常時付勢されている。
【0020】従って、熱源支持部材の軟化時に熱源の感
温部材側への移動を弾性部材により確実に行うことが可
能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の定着装置の実施形態を図
とともに説明する。
【0022】まず、この定着装置を用いた電子写真装置
における用紙の流れを図4とともに説明すると、給紙カ
セット11よりピックアップローラ12にて1枚ずつ分
離して給紙された用紙は、搬送ローラ13にて作像部に
送られる。この作像部においては、感光体14表面に形
成されたトナー像が転写装置15の作用で用紙の表面に
転写される。
【0023】次いで、用紙は定着装置1に送られ、定着
装置1におけるヒートローラ(定着ローラ)2と加圧ロ
ーラ3のニップ部を通過する際に、加熱・加圧され、用
紙表面上のトナー像が用紙に定着される。その後、排紙
ローラ16にて排紙トレイ17上に排紙される。
【0024】図5に図4における定着装置1の断面図
(A−A’)を示す。
【0025】この定着装置1のヒートローラ2は、円筒
状の芯金2aと、その表面に設けられた表面処理層2b
とからなり、ヒートローラ2内に熱源であるヒータ4が
配されている。
【0026】そして、上記加圧ローラ3はヒートローラ
2側へ押圧されている。
【0027】この加圧ローラ3と略反対側にヒートロー
ラ2と非接触でヒートローラ2の過昇温時にヒータ4へ
の通電を遮断する感温部材である非接触型サーモスタッ
ト5が配されている。
【0028】次に、本定着装置の実施形態をこの実施形
態の要部の断面図(図5B−B’断面)を示す図1及び
図2とともに説明する。
【0029】図1に示すように、ヒートローラ2の芯金
2aの肉厚は3〜5mm程度であり、その径は電子写真
装置によって異なるが概ね60〜15mmである。ま
た、表面処理層2bには例えば4フッ化エチレン樹脂が
用いられ、その肉厚は例えば0.1〜1.0mmであ
る。
【0030】そして、ヒートローラ2は支持部材である
断熱ブッシュ6により支持され、この断熱ブッシュ6を
ころがり軸受7で軸支することにより、ヒートローラ2
は断熱ブッシュ6とともにこの軸受7で回転自在に軸支
されている。
【0031】上記断熱ブッシュ6は耐熱樹脂により形成
されており、この耐熱樹脂としてはポリフェニレンサル
フェイド(PPS)が用いられている。
【0032】そして、上記ヒータ4は、ヒートローラ2
の空洞部に配設されており、当該ヒータ4は熱源支持部
材であるヒータ支持部材8で支持されている。このヒー
タ支持部材8は熱可塑性樹脂により形成されており、こ
の熱可塑性樹脂としてはPPSを用いることができ、例
えば、スターライト工業株式会社製のSS760(軟化
温度230℃)を使用する。
【0033】上記ヒートローラ2の芯金2aとヒータ支
持部材8との間は摺動可能に設けられており、ヒートロ
ーラ2のみが回転し、ヒータ支持部材8は回転しないよ
う構成されている。
【0034】上記ヒータ支持部材8は一端が上記軸受7
の非回転部分に接続された弾性部材である引っ張りバネ
9により常時サーモスタット5側に付勢されている。
【0035】上記構成の定着装置1においては、ヒータ
4の温度制御が不能となり、ヒートローラ2の温度が異
常上昇した場合、ヒータ支持部材8はヒータ4の熱が直
接伝わるため、このヒータ4の熱により過熱されて、ヒ
ータ4の温度異常に伴って速やかに軟化され、引っ張り
バネ9の付勢力でヒータ4自体がサーモスタット5側へ
付勢されている(引っ張られている)ため、ヒータ支持
部材8が変形し、ヒータ4がサーモスタット5側へ移動
し、ヒータ4とサーモスタット5との距離が近くなる。
【0036】その結果、ヒートローラ2の表面温度がヒ
ータ4が異常になった時点から速かに上昇し、サーモス
タット5が速やかに作動してヒータ4への通電を遮断
し、ヒータ4の暴走を早期に停止させ、ヒータ4の過熱
をヒータ4が破損する以前に確実に防止することができ
る。
【0037】本実施形態の定着装置におけるヒータ4か
らサーモスタット5までの温度勾配を図3に示す。実線
が通常(ヒータ支持部材8が軟化変形する前)の場合を
示し、破線が過熱異常によりヒータ支持部材8が軟化変
形した場合を示している。
【0038】この図3より明らかなように、本実施形態
従来のようにヒートローラを感温部材に近づけつ構成で
はなく、ヒータ4を移動させているので、ヒータ4とヒ
ートローラ2との距離が小さくなり、ヒートローラ2に
伝わる熱量が増え、ヒートローラ2の各部分の温度勾配
(ヒータ4から芯金2a表面の温度勾配、芯金2a表面
から表面処理層2bとの界面までの温度勾配、この界面
からヒートローラ2表面までの温度勾配、ヒートローラ
2表面からのサーモスタット5表面までの温度勾配)
が、通常時(ヒータ支持部材8の軟化変形前)と同様の
勾配となる(この温度勾配は温度の上昇率を示すもので
はなく、ヒータ4のある温度時点における各部材の温度
を結んだ線の勾配を言い、伝熱率の勾配を表わしてい
る。)。
【0039】従って、ヒートローラ2の芯金2aと表面
処理層2bとの界面温度が240℃をmaxとしてサー
モスタット5の規格を決定する際、通常時と同じ温度勾
配の曲線を用いることができる。
【0040】また、ヒータ支持部材8の軟化変形後のサ
ーモスタット5の温度t1は、ヒータ4がサーモスタッ
ト5側に移動しているため、通常時のヒータ4の温度t
0に対するサーモスタット5の温度t2よりも高い温度
となるので、ヒートローラ2の温度異常を速やかに検出
することができ、異常検出精度を向上させることができ
る。
【0041】
【発明の効果】本発明は、定着ローラと、該定着ローラ
内に配された熱源と、前記定着ローラと非接触に配され
定着ローラの過昇温時に熱源への通電を遮断する感温部
材と、前記定着ローラを支持する定着ローラ支持部材
と、該定着ローラ支持部材とは別に設けられて前記熱源
を支持する熱源支持部材とを有し、記熱源支持部材が
熱可塑性樹脂からなり、記定着ローラの過昇温時に、
記感温部材の作動前に前記熱源支持部材が軟化するこ
とにより熱源と感温部材間の距離が減少する構成となっ
ているため、熱源支持部材は熱源から直接伝わる熱によ
り過熱され、異常過熱時には熱源支持部材の軟化が速や
かに起こり、感温部材が定着ローラの異常を検出する時
期が早まり、異常過熱の早期検出を行うことができ、異
常検出精度を向上させることができる。また、早期にヒ
ータへの通電を遮断することができるので、熱源の過熱
による破損を未然に確実に防止することができる。
【0042】本発明の熱源は、弾性部材により感温部材
側に常時付勢されているので、熱源支持部材の軟化時に
熱源の感温部材側への移動を弾性部材により確実に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の実施形態における通常時を
示す断面図である。
【図2】本発明の定着装置の実施形態における異常時を
示す断面図である。
【図3】本発明の定着装置の実施形態における各部分の
温度状態を示す説明図である。
【図4】本発明の定着装置を用いた電子写真装置の用紙
の流れを説明する概略断面図である。
【図5】図4における定着装置のA−A’部分の断面図
である。
【図6】従来の定着装置の一例における通常時を示す断
面図である。
【図7】従来の定着装置の一例における通常時を示す断
面図である。
【図8】従来の定着装置の実施形態における各部分の温
度状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 定着装置 2 ヒートローラ 3 加圧ローラ 4 ヒータ 5 サーモスタット 7 軸受 8 ヒータ支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着ローラと、該定着ローラ内に配され
    た熱源と、前記定着ローラと非接触に配され定着ローラ
    の過昇温時に熱源への通電を遮断する感温部材と、前記
    定着ローラを支持する定着ローラ支持部材と、該定着ロ
    ーラ支持部材とは別に設けられて前記熱源を支持する熱
    源支持部材とを有する定着装置において、 記熱源支持部材熱可塑性樹脂からなり、記定着ロ
    ーラの過昇温時に、記感温部材が通電を遮断する前に
    前記熱源支持部材が軟化することにより熱源と感温部材
    間の距離が減少する構成としてあることを特徴とする定
    着装置。
  2. 【請求項2】 記熱源は、弾性部材により記感温部
    材側に常時付勢されていることを特徴とする請求項1記
    載の定着装置。
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