JP3521095B2 - コンクリートの改質処理方法 - Google Patents

コンクリートの改質処理方法

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JP3521095B2 JP03829095A JP3829095A JP3521095B2 JP 3521095 B2 JP3521095 B2 JP 3521095B2 JP 03829095 A JP03829095 A JP 03829095A JP 3829095 A JP3829095 A JP 3829095A JP 3521095 B2 JP3521095 B2 JP 3521095B2
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    • C04B41/53After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone involving the removal of at least part of the materials of the treated article, e.g. etching, drying of hardened concrete
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材を内部に含むコン
クリートの電気化学的なコンクリートの改質処理方法に
関し、特に、コンクリート中の塩分を電気化学的に除去
するコンクリートの改質処理方法及び中性化したコンク
リートにアルカリ性溶液を供給してアルカリ度を回復す
るコンクリートの改質処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】コンクリートは、一般には、
種々の環境に対する抵抗性が強く、また、強アルカリ性
であるので、その内部にある鋼材は、鋼材表面に不動態
被膜を形成して腐食から保護され、そのために、コンク
リート構造物は耐久性のある永久構造物であると考えら
れてきた。
【0003】しかしながら、この永久構造物と考えられ
てきたコンクリート構造物も、中性化や塩害などの原因
によりその耐久性が低下し、構造物としての寿命に疑問
が投げかけられるようになってきた。
【0004】このような劣化したコンクリート構造物を
補修する方法として、電気化学的な手法を用いた補修工
法が提案されている( 特開平1−176287号公報や特開平
2−302384号公報) 。
【0005】しかし、これらの方法を用いて、コンクリ
ートの改質処理を行う場合、例えば、コンクリートから
塩分を除去する方法では、その処理期間が2〜3ヶ月も
かかるなど、処理時間としてかなり長い期間が必要であ
った。
【0006】したがって、当然のことながら、それに伴
う工事期間も長くなり、工事による道路等の通行禁止や
建造物の使用禁止を始めとする、周辺住民や環境に対す
る様々な制約を長期間継続しなければならないこと、並
びに、工事の長期化による費用の高騰という課題があっ
た。
【0007】また、コンクリートの電気化学的処理の主
目的は、コンクリート中に印加する電流によりコンクリ
ート中の塩素イオン等を移動させることやコンクリート
表面に供給されるアルカリ溶液をコンクリート中に電気
浸透させることであるので、コンクリート中に印加する
電流値を大きくすれば、その処理を迅速に行うことが可
能となり、結果として工事期間の短縮化が可能となる。
【0008】しかしながら、電圧は電流に正比例するた
め、電流を上げることは、必然的に電圧を上げることに
なり、処理電圧を高くすれば、万一の感電等の安全性が
損なわれ、貴い人命を失うことにつながるなどの恐れが
あり、実際上、電圧を上げることには無理があった。
【0009】本発明者は、このような課題を解決し、処
理期間を少しでも短くするために種々の試験を行なった
結果、特定の方法を採用することにより、前記課題を解
消し、コンクリート構造物の改質処理が迅速に行い得る
知見を得て本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、コンク
リートの表面部に外部電極を設置し、コンクリート内部
の鋼材を内部電極とし、少なくとも電流を印加するコン
クリート部分を3以上昇温して、該外部電極間及び
/又は外部電極−内部電極間に電流を印加することを特
徴とするコンクリートの改質処理方法であり、該コンク
リートの表面及び/又はその周囲に、水蒸気又は昇温し
た電解質溶液を供給して、さらには、発熱体を設置し
て、少なくとも電流を印加するコンクリート部分を上記
温度に昇温し、該外部電極間及び/又は外部電極−内部
電極間に電流を印加することを特徴とするコンクリート
の改質処理方法であり、さらに、それらを利用したコン
クリート中の塩分を電気化学的に除去するコンクリート
の改質処理方法(脱塩工法)や中性化したコンクリート
にアルカリ性溶液を供給してアルカリ度を回復するコン
クリートの改質処理方法(再アルカリ化工法)である。
【0011】以下、本発明をコンクリートに代表して詳
細に説明するが、モルタルやペーストへの適用ももちろ
ん可能である。
【0012】硬化したコンクリート内部には、飽和状態
の水酸化カルシウム水溶液が間隙水として豊富に存在し
ており、コンクリートに電流を印加すると、この間隙水
が電解質の役割をして、コンクリート自身が持つ抵抗に
応じた電流が印加される。また、このコンクリートに、
電解質溶液を供給して電流を印加しやすくする方法も好
ましく、現実的に、電解質溶液を供給することが通常で
ある。
【0013】本発明は、コンクリートの表面部に外部電
極を設置し、コンクリート内部の鋼材を内部電極とし、
外部電極間に、また、外部電極−内部電極間に、さらに
は、外部電極間と外部電極−内部電極間に電流を印加し
てコンクリートを改質処理するものである。
【0014】本発明で使用する外部電極とは、コンクリ
ート内部に電流を印加するために、コンクリートの表面
に設置されるものであり、通常は、処理後には取り払わ
れる、一時的に仮設される電極のことであり、例えば、
金属メッシュ、電解質溶液、及び電解質溶液保持材等の
組み合わせからなるものである。
【0015】本発明におけるコンクリート温度の昇温量
は30℃以上で、その効果も顕著に現れる。コンクリート
温度の昇温量が、10℃未満では昇温しただけの処理効果
が期待できない。
【0016】コンクリートを昇温する位置は、その目的
からして、電流を印加するコンクリート部分のみでよい
が、現実的には、必要な部分のみを昇温するのは難しい
ため、少なくとも電流を印加するコンクリート部分を含
むコンクリートを昇温することが通常である。もちろ
ん、コンクリート全体を昇温することも可能である。
【0017】なお、コンクリートの電気化学的な改質処
理の通常の方法においては、コンクリート表面には、外
部電極のみならず、電解質溶液や電解質溶液保持材等を
設置するので、これらを暖めることにより、コンクリー
トの温度を上昇させることも可能である。
【0018】ここで電解質溶液とは、通常の水をはじめ
とし、コンクリート表面に供給される電気伝導性の良好
な溶液のことであり、コンクリート中に浸透するにつ
れ、電流を印加しやすくするとともに、改質処理効果の
促進をはかるものである。
【0019】また、電解質溶液保持材とは、電解質溶液
をコンクリート表面に保つ役割をするものである。
【0020】本発明において、コンクリートを昇温する
手段として、コンクリートの表面及び/又はその周囲
に、水蒸気を供給すること、昇温した電解質溶液を供給
すること、及び発熱体を設置すること等がある。
【0021】水蒸気を供給する場合、コンクリートの温
度を40〜80℃程度の比較的高温状態に維持することが可
能であり、電気化学的なコンクリートの改質処理をより
迅速に行うことが可能である。
【0022】水蒸気をコンクリート表面に供給する方法
としては、特に限定されるものではないが、コンクリー
ト表面をシートや板状のもので覆い、その中に蒸気パイ
プ等を介して噴霧する方法が好ましい。その他、配管や
ラジエター内などで循環させる方法もある。
【0023】水蒸気を供給する場合の供給する水蒸気
は、ボイラー等で発生させたものが使用可能であり、そ
のボイラーや配管内での圧力である発生圧力は、コンク
リートの表面積又はその体積の大きさによって異なる
が、通常は、1〜10kg/cm2が好ましく、2〜10kg/cm2
より好ましい。1kg/cm2未満では、コンクリート温度を
十分に上げることができにくく、10kg/cm2を超える発生
圧力では、温度が高温のため、直接コンクリートの表面
に接触すると、コンクリートにひびわれが発生する危険
性がある。水蒸気を供給する方法では、コンクリート表
面部に水分をさらに供給することができるので、コンク
リートに電流を印加しやすくなる。また、コンクリート
の表面及び/又は周囲に、パイプ状のものを設置して、
その中に水蒸気を通すことにより、コンクリートを昇温
することも可能である。
【0024】昇温した電解質溶液を供給する場合、即
ち、温水や、その他昇温した電解質溶液を供給する場
合、コンクリートの温度を20〜60℃程度の状態に維持で
き、電気化学的なコンクリートの改質処理を迅速に行う
ことが可能である。さらに、昇温した電解質溶液を循環
させることが可能なので、循環使用すれば温度を上げる
ために要するエネルギーを節約することが可能である。
【0025】昇温した電解質溶液をコンクリート表面に
供給する方法としては、コンクリート表面にパイプ等を
介してその中を循環させる方法、コンクリート表面に散
水又は噴霧する方法、及びコンクリート表面に沿って上
からたれ流す方法等が可能である。この中で、コンクリ
ートの温度を上昇させる面から、パイプ等を介して循環
させる方法が最も好ましい。散水、噴霧、又はたれ流す
方法は、別途コンクリートを暖めながら、コンクリート
表面に電解質溶液を供給し、湿潤状態を維持することが
可能である。
【0026】電解質溶液を暖める方法としては、それら
を貯水槽に集め、パイプヒータ、温風、蒸気、電子線照
射、及び誘電加熱等で暖める方法がある。
【0027】本発明で使用する発熱体としては、電気を
通すことにより発熱する電気的発熱体、水硬性物質等の
水和反応による発熱や酸化反応による発熱などに代表さ
れる化学的発熱体などが挙げられる。
【0028】ここで、電気的発熱体としては、ニクロム
線、セラミックヒーター、ヒーターケーブル、及びパイ
プヒーター等が挙げられ、化学的発熱体としては、生石
灰や鉄粉などが挙げられる。
【0029】電気的発熱体は、供給する電気エネルギー
の量によりコンクリート温度を任意に、しかも、正確に
コントロールすることが可能である。電気的発熱体は、
コンクリート表面部、その周辺部、及び/又は、電解質
保持材に設置することが可能である。
【0030】化学的発熱体は、化学反応の進行度合いに
より発熱量が異なるので、コンクリート温度を正確にコ
ントロールすることはできないが、発熱させるために必
要な外部からのエネルギーが不要である。生石灰や還元
鉄粉などは、電気化学的なコンクリートの改質処理の最
初に塗布又は塗り付けなどでコンクリート表面部やその
周辺部に配置すれば良い。また、その後、反応の進行度
合いにより、散布等で追加することも可能である。
【0031】印加する電流は、通常、コンクリート表面
積当たり0.5 〜10A/m2が好ましい。0.5A/m2 未満では、
処理効果がなく、10A/m2を越えると電極付近で発生する
ガス圧によりひびわれが生じる傾向がある。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
【0033】実施例1 図1に示すような塩ビ製の拡散セル容器を用いて、電気
化学的なコンクリートの改質処理を行った時の塩素イオ
ンの動きやすさを測定した。拡散セル容器のマイナス極
側には、粉末の塩化カルシウムを入れ、飽和塩化カルシ
ウム水溶液を満たし、拡散セル容器のプラス極側には、
塩素イオンを含まないイオン交換水を満たした。試験体
は、ボルト−ナットで拡散セル容器に取り付けた、直径
10cmで、厚さ1cmの円盤であるセメント硬化体で、水/
セメント=60%、セメント/砂=1/2のモルタルで成
形し、20℃水中養生を28日間行ったものを使用した。こ
の拡散セル容器を、5、20、30、50、及び70℃の恒温室
に入れ、温度を一定に保った。拡散セル容器の電極を定
電圧定電流直流電源に接続し、10Vの定電圧の電流を印
加し、マイナス極側から試験体を通して、プラス側に移
動する塩素イオンの量を経時的に測定した。その結果を
図2と表1に示す。
【0034】<使用材料> 塩化カルシウム:試薬1級 セメント :電気化学工業社製普通ポルトランドセメン
ト 砂 :姫川産川砂、比重2.62、F.M.=2.75 電極 :白金メッキチタン電極 直流電源 :定電圧定電流直流電源、日本スタビライザ
ー工業社製商品名「 MSA 180-015 」
【0035】
【表1】
【0036】図2や表1より、温度が約30℃上昇する
と、プラス極側に移動した塩素イオン量は約2倍になっ
ており、改質処理温度の上昇が、電気化学的なコンクリ
ートの改質処理を迅速にすることを示している。
【0037】実施例2 セメント280kg/m3、水168kg/m3、砂860kg/m3、砂利1,00
2kg/m3、及び塩化ナトリウム10kg/m3 の各単位量のコン
クリートを用い、15×15×50cmの試験体を作製し、図3
に示すような試験装置に組み込み、5、20、30、50、及
び70℃の恒温室に入れ、温度を一定に保って、電気化学
的なコンクリートの改質処理を行った時の塩素イオンの
動きやすさを測定した。装置のチタンメッシュ電極と試
験体中の鉄筋とを定電圧定電流直流電源に接続し、35V
の定電圧の電流を、2、4、6、及び8週間印加し、鉄
筋近傍のコンクリート中に含まれる塩分量を経時的に測
定した。結果を図4と表2に示す。
【0038】<使用材料> 塩化ナトリウム:試薬1級 砂利 :姫川産砕石、Gmax=20mm 、比重2.62、F.M.
=2.75 電極 :チタンメッシュ電極、エルテックアジアサ
ービス社製商品名「 エルガードメッシュ#210」 直流電源 :定電圧定電流直流電源、日本スタビライザ
ー工業社製商品名 「MSA 36-1」
【0039】
【表2】
【0040】図4や表2より、温度の上昇とともに、コ
ンクリート中から抜け出す塩分量が急激に増加している
ことがわかる。このことから、コンクリートにおいて
も、改質処理温度の上昇が、電気化学的なコンクリート
の改質処理を迅速にすることを示している。
【0041】実施例3 コンクリート練り混ぜ時に、塩分量を3kg/m3 を練り混
ぜ水に溶解して用いたコンクリートで作成した、高さ1.
5 、幅2.0 mのL型擁壁であるコンクリート製プレウォ
ールを試験体として試験を行った。図5に示すように、
このコンクリート製プレウォールの壁面に、電解質溶液
保持材としてセルロースファイバーを使用し、それと電
解質溶液の混合物を吹き付けた後、電極としてチタンメ
ッシュを張り、さらに、もう一度セルロースファイバー
と電解質溶液の混合物を吹き付けた。次に、チタンメッ
シュをプラス極に、コンクリート製プレウォール内部の
鉄筋をマイナス極にして、直流電源に接続した。また、
コンクリート製プレウォールの近辺に蒸気配管を設置
し、その配管と共に壁面を養生用シートで覆った。7kg
/cm2の蒸気を蒸気配管を通して、養生用シート内に供給
しながら、通電期間中のコンクリート壁面の温度を約70
〜85℃に保持し、直流電源から20Vの定電圧の電流を2
週間印加した。通電開始2週間後に、コンクリート中の
含有塩分量を測定したところ、平均値で0.6kg/m3であっ
た。この値は、常温での同様の試験では、5〜6週間の
通電時間に相当する値であり、電気化学的なコンクリー
ト改質処理効果が顕著であることが判明した。
【0042】<使用材料> 電解質溶液保持材:エクセルインダストリーズ社製、セ
ルロースファイバー 電解質溶液 :水酸化カルシウム水溶液 直流電源 :定電圧定電流直流電源、日本スタビ
ライザー工業社製商品名 「MSA 36-5」 上記以外は実施例2と同様
【0043】実施例4 実施例3に用いたものと同様のコンクリート製プレウォ
ールを試験体として用いて試験した。図6に示すよう
に、吹き付けたセルロースファイバー内に、直径1.5mm
の孔が15cm間隔で開いている電解質溶液を供給するため
の循環パイプと、コンクリート壁面の下部に電解質溶液
を回収する受け樋を設置し、電解質溶液を循環できるよ
うにしたこと以外は実施例3と同様に行った。電解質溶
液を、受け樋を通して溶液タンクに集め、そこでパイプ
ヒーターである八光電機製作所製A型投げ込みヒータで
50℃に昇温し、再度循環パイプを通ってコンクリート表
面に供給し、コンクリート表面温度を40〜45℃に昇温し
た。この状態で、直流電源から20Vの定電圧の電流を印
加し、2週間後に、コンクリート中の含有塩分量を測定
したところ、平均値で0.9kg/m3であった。この値は、常
温での同様の試験では、4〜5週間の通電時間に相当す
る値であり、電気化学的なコンクリート改質処理効果が
顕著であることが判明した。
【0044】実施例5 実施例3に用いたものと同様のコンクリート製プレウォ
ールを試験体として用いて試験した。図7に示すよう
に、吹き付けたセルロースファイバーとコンクリート表
面の間にレイケム社製ヒーティングケーブル商品名「1
0BTV」 を設置して、コンクリート、セルロースファ
イバー、及び電解質溶液を35〜40℃に昇温できるように
したこと以外は実施例3と同様に行った。この状態で、
直流電源から20Vの定電圧の電流を印加し、2週間後
に、コンクリート中の含有塩分量を測定したところ、平
均値で1.1kg/m3であった。この値は、常温での同様の試
験では、4週間の通電時間に相当する値であり、電気化
学的なコンクリートの改質処理効果が顕著であることが
判明した。
【0045】実施例6 コンクリート表面からの中性化深さが20〜25mm(平
均23mm)である高さ1.5 、幅2.0 mのコンクリート製
プレウォールを試験体として試験を行った。このコンク
リート製プレウォールの壁面に、電解質溶液保持材とし
てセルロースファイバーを使用し、それと1mol/l のNa
2CO3水溶液であるアルカリ性電解質溶液との混合物を吹
き付けた後、電極としてチタンメッシュを張り、さら
に、もう一度セルロースファイバーとアルカリ性電解質
溶液の混合物を吹き付けた。次に、チタンメッシュをプ
ラス極に、コンクリート製プレウォール内部の鉄筋をマ
イナス極にして、直流電源に接続した。実施例4の図6
と同様に、吹き付けたセルロースファイバー内に、直径
1.5mmの孔が15cm間隔で開いているアルカリ性電解質溶
液を供給するための循環パイプと、コンクリート壁面の
下部にアルカリ性電解質溶液を回収する受け樋を設置
し、アルカリ性電解質溶液を循環できるようにした。ア
ルカリ性電解質溶液を、受け樋を通して溶液タンクに集
め、そこでパイプヒーターである八光電機製作所製A型
投げ込みヒータで50℃に昇温し、再度循環パイプを通っ
てコンクリート表面に供給し、コンクリート表面温度を
40〜45℃に昇温した。この状態で、直流電源から12Vの
定電圧の電流を印加し、5日後に、コンクリート中の中
性化深さを測定したところ、0mmであった。この値は、
常温での同様の試験では、7〜10日間の通電時間に相
当する値であり、電気化学的なコンクリート改質処理効
果が顕著であることが判明した。
【0046】<使用材料> 炭酸ナトリウム:試薬1級 直流電源 :定電圧定電流直流電源、日本スタビラ
イザー工業社製商品名 「MSA 36-5」
【0047】
【発明の効果】本発明では、コンクリートに電気化学的
なコンクリートの改質処理を行う場合、改質処理温度を
上げることで改質処理効果を顕著にすることが可能とな
る。従って、電気化学的なコンクリートの改質処理にと
もなう工事による周辺住民や環境に対する様々な制約を
短期に解決することが可能となった。また、電圧値を低
くすることが可能であるため、コンクリート構造物に電
流を印加することによる感電等の危険をも回避すること
が可能であり、工事自体はもとより、第三者に対する安
全性が大幅に向上する。また、水蒸気を供給する方法や
昇温した電解質溶液を供給する方法では、同時にコンク
リートに水分を与えることができるので、コンクリート
の持つ電気抵抗値を小さくすることが可能である。その
結果として、改質処理に要する電圧を小さくすることが
でき、結果的に安全性がさらに向上することにつなが
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の図1は、電気化学的なコンクリートの
改質処理を行った時の塩素イオンの動きやすさを測定す
るために用いた、拡散セル容器の試験装置の断面図であ
る。
【図2】図2は、実施例1において試験した温度別の試
験時間と透過塩素イオン量の関係を表したグラフであ
る。
【図3】図3は、実施例2において試験した電気化学的
な改質処理方法の試験装置の断面図である。
【図4】図4は、実施例2において試験した温度別の試
験時間とコンクリート中の含有塩分量の関係を表したグ
ラフである。
【図5】図5は、実施例3において、コンクリート製プ
レウォールを試験体として、蒸気を供給してコンクリー
ト壁面を昇温して試験した、電気化学的なコンクリート
の改質処理方法の試験装置の断面図である。
【図6】図6は、実施例4において、コンクリート製プ
レウォールを試験体として、昇温した電解質溶液を供給
してコンクリート壁面を昇温して試験した、電気化学的
なコンクリートの改質処理方法の試験装置の断面図であ
る。
【図7】図7は、実施例5において、コンクリート製プ
レウォールを試験体として、発熱体を設置してコンクリ
ート壁面を昇温して試験した、電気化学的なコンクリー
トの改質処理方法の試験装置の断面図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2 試験体 3 拡散セル容器 4 電極 5 容器 6 イオン交換水 7 飽和塩化カルシウム水溶液 8 塩化カルシウム粉末 9 電解質溶液 10 試験体中の鉄筋 11 電解質溶液含有電解質溶液保持材 12 蒸気養生用シート 13 蒸気配管 14 電解質の循環パイプ 15 受け樋 16 発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−232976(JP,A) 特開 平6−212814(JP,A) 特開 平6−200636(JP,A) 特開 平6−166581(JP,A) 特開 平6−24871(JP,A) 特開 平5−294758(JP,A) 特開 平5−178678(JP,A) 特開 平5−148061(JP,A) 特開 平3−93682(JP,A) 特開 平3−93681(JP,A) 特開 平2−302384(JP,A) 特開 平1−176287(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/00 - 41/71

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートの表面部に外部電極を設置
    し、コンクリート内部の鋼材を内部電極とし、少なくと
    も電流を印加するコンクリート部分を30℃以上昇温し
    て、該外部電極間及び/又は外部電極−内部電極間に電
    流を印加することを特徴とするコンクリートの改質処理
    方法。
  2. 【請求項2】 コンクリートの表面及び/又はその周囲
    に、(1) 水蒸気を供給する、 (2) 昇温した電解質溶液を供
    給する、 (3) 発熱体を設置する、のいずれかの方法によ
    コンクリート部分を昇温することを特徴とする請求項
    1記載のコンクリートの改質処理方法。
  3. 【請求項3】 塩分を含有するコンクリートの表面部に
    外部電極を設置し、コンクリート内部の鋼材を内部電極
    とし、少なくとも電流を印加するコンクリート部分を3
    0℃以上昇温して、該外部電極間及び/又は外部電極−
    内部電極間に電流を印加することを特徴とするコンクリ
    ート中の塩分を除去するコンクリートの改質処理方法。
  4. 【請求項4】 中性化したコンクリート、及び/又は中
    性化した部分を含むコンクリートの表面部に外部電極を
    設置し、コンクリート内部の鋼材を内部電極とし、少な
    くとも電流を印加するコンクリート部分を30℃以上昇
    温して、該外部電極間及び/又は外部電極−内部電極間
    に電流を印加することを特徴とする中性化したコンクリ
    ートのアルカリ度を回復するコンクリートの改質処理方
    法。
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