JP3520828B2 - 自動車の制御装置 - Google Patents

自動車の制御装置

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JP3520828B2
JP3520828B2 JP2000038232A JP2000038232A JP3520828B2 JP 3520828 B2 JP3520828 B2 JP 3520828B2 JP 2000038232 A JP2000038232 A JP 2000038232A JP 2000038232 A JP2000038232 A JP 2000038232A JP 3520828 B2 JP3520828 B2 JP 3520828B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機を有する自
動車の制御装置に係り、特にその変速ショックを効果的
に低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の制御としては、例えば、
特開昭63−263248号公報に記載されているように、有段
式自動変速機構の変速中における変速クラッチに供給さ
れる作動油圧を制御するに当り、タイマを設けて、変速
信号発信時から予め定めた時間が経過すると、実際に変
速機構が変速を開始したものとして油圧を補正制御する
ものがある。
【0003】この他、変速ショックを軽減するために、
例えば、特開昭63−254256号公報に記載されているよう
に、変速機構の入力軸の回転数が予め定めた回転数にな
ると、実際に変速機構が変速を開始しているものとし
て、エンジン出力を補正制御するものや、特開昭64−45
44号公報に記載のように、変速機構の入力軸回転数と出
力軸回転数との比、つまり変速比に基づいて、実際の変
速開始時を把握して、エンジン出力を補正制御するもの
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−263248号公報に記載のものでは、変速時のエンジン
回転数、走行負荷などが変化した場合、変速信号の発信
から実際の機械的な変速開始時刻までの時間、あるいは
変速中の時間が変化してしまうため、変速時の油圧補正
制御タイミングがズレ、十分に変速ショックを低減する
ことができない。また、特開昭64−4544号公報に記載の
もののように、変速機構の変速比に基づいて変速開始を
認識しようとしても、図9に示すように、変速機構が実
際に機械的な変速を開始するタイミングt1 近傍におい
て、変速比の変化が顕著に現われず、非常に遅れて変速
開始を認識してしまう(変速開始認識時A)。さらに、
特開昭63−254256号公報に記載のものでは、変速機構が
実際に機械的な変速を開始するタイミングt1 近傍にお
いて、変速機構の入力軸の回転数の変化が顕著に現われ
ず、非常に遅れて変速開始を認識してしまう。
【0005】すなわち、従来技術では、変速機構が実際
に変速を開始するタイミングを正確に把握することがで
きないために、変速機構の油圧制御又はエンジン出力制
御を的確なタイミングで実施することができず、十分に
変速ショックを低減することができないという問題点が
ある。
【0006】本発明は、自動変速機の変速ショックを効
果的に低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動変速機の
変速中の目標出力軸トルクを設定し、前記目標出力軸ト
ルクと実出力軸トルクとの差が小さくなるようにエンジ
ンと前記自動変速機を制御する自動車の制御装置であっ
て、前記自動変速機の変速開始後かつ変速終了前の前記
実出力軸トルクが、前記自動変速機の入力軸トルクと、
変速終了後の変速比とに基づいて求められる自動車の制
御装置である。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る各種実施例について、図
面を用いて説明する。
【0015】まず、図1から図10を用いて、本発明の
第1の実施例について説明する。
【0016】図2に、エンジン及び自動変速装置まわり
の概略構成を示す。
【0017】エンジン10は、本実施例においては4気
筒エンジンである。このエンジン10には、点火装置1
1が設けられている。点火装置11は、エンジン10の
気筒数に対応して4つの点火プラグ12を有している。
エンジン10の気筒内に空気を取り込むための吸気管1
6には、ここを通る空気の流量を調節するスロットルバ
ルブ17、燃料を噴射する燃料噴射装置13、アイドリ
ング時にエンジン10に供給する空気流量を制御するた
めのISC(Idle Speed Control)バルブ19が設けら
れている。スロットルバルブ17は、この弁開度がアク
セルペダル66の操作量に対してほぼリニアに変化する
ように、アクセルペダル66とワイヤ67で連結されて
いる。アクセルペダル66には、この開度を測定するた
めのアクセル開度センサ78が設けられている。燃料噴
射装置13は、エンジン10の気筒数に対応して4つの
燃料噴射弁14を有している。エンジン10を冷却する
ためのラジエター(図示せず)には、ラジエター内の冷
却水温度Twを測定する水温センサ71が設けられてい
る。エンジン10からの排気ガスを外気に導く排気管1
8には触媒65及び空燃比センサ(又は酸素センサ)7
2が設けられている。
【0018】エンジン10のクランク軸15にはフライ
ホイール21が取り付けられている。フライホイール2
1には、クランク軸15の回転数、すなわちエンジン回
転数Neを検出するエンジン回転数センサ73が取付け
られている。このフライホイール21とトルクコンバー
タ25のポンプ26とは、直結されている。トルクコン
バータ25は、ポンプ26,タービン27及びステータ
28から成っている。タービン27の出力軸、つまりト
ルクコンバータ出力軸は、有段式自動変速機構30と直
結されている。トルクコンバータ出力軸には、タービン
回転数Ntを測定するタービン回転数センサ74が取付
けられている。有段式自動変速機構30は、遊星歯車機
構31,35やバンドブレーキ40やクラッチ41,4
2などから構成されている。遊星歯車機構31,35
は、変速段数に対応して複数有しており、それぞれ、機
構の中心に位置しているサンギヤ32,36と、このサ
ンギヤ32,36の回りを回るプラネタリギヤ33,3
7と、内周側に歯が形成されプラネタリギヤ33,37
が噛合するインターナルギヤ34,38とで構成されて
いる。なお、図2においては、図面を簡略化するため
に、1速及び2速のみ対応できるものとして、2つの遊
星歯車機構31,35しか描いていない。トルクコンバ
ータ出力軸は、リア遊星歯車機構31のサンギヤ32と
直結されている。リア遊星歯車機構31のプラネタリギ
ヤ33は、フロント遊星歯車機構35のインターナルギ
ヤ38及びプロペラシャフト60と直結されている。リ
ア遊星歯車機構31のインターナルギヤ34とフロント
遊星歯車機構35のプラネタリギヤ37とは、フォーワ
ードワンウェークラッチ41により両ギヤ34,37の
回転が規制される。また、フロント遊星歯車機構35の
プラネタリギヤ37は、ローワンウェークラッチ42に
より、その回転が規制される。フロント遊星歯車機構3
5のサンギヤ36の回転軸には、バンドブレーキ40が
設けられている。これらバンドブレーキ40やフォーワ
ードワンウェークラッチ41やローワンウェークラッチ
42の動作により、各ギヤの回転が規制されて、1速,
2速や、バック等が実現する。有段式自動変速機構30
の出力軸、すなわちプロペラシャフト60には、この回
転数No(車速vに比例)を測定する車速センサ75が
取付けられている。プロペラシャフト60は、差動機6
1及び後輪駆動軸62を介して、後輪63と連結されて
いる。有段式自動変速機構30には、バンドブレーキ4
0やフォーワードワンウェークラッチ41やローワンウ
ェークラッチ42を動作させるための油圧制御回路50
が設けられており、この油圧制御回路50を動作させる
ことにより、変速制御,ロックアップ制御,ライン圧制
御,エンジンブレーキ制御などが実行可能である。油圧
制御回路50には、油圧ポンプ51の他、上記制御のた
め、油圧ラインの圧力を調整するライン圧制御バルブ5
2,ロックアップ制御を実行させるロックアップ制御バ
ルブ53,複数の油圧ラインの切替を行ってバンドブレ
ーキ40等に動作切替を実行させる変速制御バルブ5
4,55が設けられている。更に、油圧制御回路50に
は、ライン圧を測定するためのライン圧センサ76,ラ
イン内の油の温度を測定する油温センサ77が設けられ
ている。本実施例の自動変速装置20は、以上で説明し
たトルクコンバータ25,有段式自動変速機構30及び
油圧制御回路50を有して構成されている。油圧制御回
路50は、制御コントローラ100により制御される。
制御コントローラ100には、水温センサ71,空燃比
センサ72,エンジン回転数センサ73,タービン回転
数センサ(トルクコンバータ出力軸回転数センサ)7
4,車速センサ(変速機出力軸回転センサ)75,油圧
センサ76,油温センサ77,アクセル開度センサ78
から、それぞれ冷却水温度Tw,空燃比A/F,エンジ
ン回転数Ne、タービン(トルクコンバータ出力軸)回
転数Nt、変速機出力軸回転数No(車速vに比例),
油圧Poil,油温Toil、及びアクセル開度αが入
力される。制御ユニット100は、これらの信号を基に
最適な変速位置やライン圧等を演算し、上記変速制御バ
ルブ54,55やライン圧制御バルブ52等のアクチュ
エータに制御信号を出力する。
【0019】なお、アクセルペダル66の操作量に対し
て、独立して空気量を制御可能なデバイス(例えば、ア
クセルペダルと機械的にリンクされていない電子スロッ
トルバルブ17a)が設けられているエンジンでは、こ
の電子スロットルバルブ17aの開度を測定するスロット
ル開度センサ79が設けられ、このセンサ79からの信
号θも制御コントローラ100に入力するようになって
いる。また、制御コントローラ100には、エコノミー
モードとパワーモードとを切り替えるモード切替スイッ
チ69からの信号も入力するようになっている。このモ
ード切替スイッチ69は、運転者が操作できるようコン
ソールパネル近傍に設けられている。
【0020】ここで、エコノミーモードとは、車速が低
いうちにシフトアップするモードであり、パワーモード
とは、車速がある程度高まってからシフトアップするモ
ードである。
【0021】制御コントローラ100は、図1に示すよ
うに、トルクコンバータ特性が記憶され、これを用いて
エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとから有段式
変速機構30への入力トルクTt(すなわちタービント
ルク)を演算する入力トルク演算部131と、車速vと
アクセル操作量αとに応じて変速点を定め変速信号を出
力する変速信号出力部132と、入力トルク演算部13
1で求められた入力トルクTtを変速信号の変化に応じ
て一時的保持しておくラッチ133と、ラッチされた入
力トルクTtとこの次に求められた入力トルクTtとの
変化に応じて有段式変速機構30の実際の変速開始を認
識する変速開始認識部134と、予め定められている関
数gr=g(sol,θ)を用いて、変速信号solで
示される変速比とスロットル開度θとから変速中の変速
比grを推定する変速中変速比推定部135と、トルク
コンバータ25の回転比eを求める回転比演算部136
と、トルクコンバータ25の回転比eの変化率de/d
tを演算する回転比変化率演算部137と、回転比の変
化率de/dtから実際の変速終了時よりも早めの時刻
を変速終了と認識する変速終了認識部138と、変速中
の変速比grと差動機61のギヤ比(すなわち最終ギヤ
比)geと変速中の入力トルクTtとから変速中の駆動
軸トルク(すなわち駆動軸62にかかるトルク)Toを
推定する実駆動軸トルク推定部139と、予め準備され
ている関数(後述の数2に示す)を用いて変速中の目標
駆動軸トルクTtarを求める目標駆動軸トルク算出部
140と、推定した実際の駆動軸トルクToと目標駆動
軸トルクTtarとの偏差ΔTを求める減算器141
と、トルク偏差ΔTから補正ライン圧ΔPLを算出する
ライン圧補正量算出部142と、入力トルクTtから通
常のライン圧PLを求める標準ライン圧算出部143
と、通常のライン圧PLと補正量ΔPLとを加算したも
のをライン圧PLとしてライン圧制御バルブ52のソレ
ノイドに出力するライン圧算出部144と、を有してい
る。
【0022】なお、以上の制御コントローラ100の構
成は、制御コントローラ100の機能的な構成、つまり
ソフトウェアー的構成であり、ハードウェアー的には、
図3に示すように、各種センサからの信号が入力するフ
ィルタ101及び波形整形回路102と、シングルチッ
プマイクロコンピュータ110と、各種バルブ等のアク
チュエータに駆動制御信号を出力する駆動回路103と
を有して構成されている。マイクロコンピュータ110
は、各種演算を実行するCPU111と、CPU111
が実行するためのプログラム等が記憶されているROM
112と、各種データ等が一時的に記憶されるRAM1
13と、タイマ114と、SCI (Seirial Communicat
ion Interface)回路115と、I/O回路116と、
A/D変換器117とを有して構成されている。すなわ
ち、制御コントローラ100の諸機能は、CPU111
がROM112やRAM113に記憶されているプログ
ラムやデータ等で所定の演算を実行することにより達成
される。
【0023】また、図4に示すように、制御コントロー
ラ100aは、シングルチップマイクロコンピュータ1
10が1個である必要はなく、例えば、変速機制御用シ
ングルチップマイクロコンピュータ110xとエンジン
制御用シングルチップマイクロコンピュータ110yと
を備えるようにしてもよい。この場合、フィルタ101x,
101y,波形整形回路102x,102y,駆動回路
103x,103y等も、それぞれ変速機制御用及びエ
ンジン制御用に2個ずつ備えていることが好ましい。変
速機制御用マイクロコンピュータ110xとエンジン制
御用マイクロコンピュータ110yとは、デュアルポー
トRAM104を介して相互に接続されている。
【0024】また、図5に示すように、制御コントロー
ラ100bは、エンジン制御用と変速機制御用とに完全
に独立している2つのユニット120x,120yで構
成するようにしてもよい。この場合、各ユニット120
x,120yは、ハードフィルタ101x,101y,
波形整形回路102x,102y、駆動回路103x,
103y,シングルチップマイクロコンピュータ110
x,110y,通信回路105x,105yを有して構
成されている。
【0025】なお、本実施例において、変速信号出力手
段は、変速信号出力部132で構成されている。また、
変速開始認識用パラメータ把握手段は、エンジン回転数
センサ73とタービン回転数センサ74と入力トルク演
算部131とを有して構成され、変速終了認識用パラメ
ータ把握手段は、エンジン回転数センサ73とタービン
回転数センサ74と回転比演算部136と回転比変化率
演算部137とを有して構成されている。また、変速開
始認識手段は、変速開始認識部134と、この変速開始
認識部134からの出力と変速信号出力部132からの
変速信号とのANDをとるAND回路とを有して構成さ
れ、変速終了認識手段は、変速終了認識部138と、こ
の変速終了認識部138からの出力と変速信号出力部1
32からの変速信号とのANDとるAND回路とを有し
て構成されている。さらに、変速中操作量算出手段は、
ライン圧補正量算出部142と標準ライン圧算出部143
とライン圧算出部144とを有して構成されている。
【0026】次に、本実施例の制御コントローラ100
の動作について説明する。
【0027】まず、図6及び図7に示すフローチャート
に従って、変速開始の認識について説明する。
【0028】まず、処理30で、変速信号sol、エン
ジン回転数Ne、トルクコンバータ出力軸(タービン)
回転数Nt、及びスロットル開度θを読み込む。処理3
1では、トルクコンバータ特性を用いて、トルクコンバ
ータ25の入出力軸回転比e(=Nt/Ne)に対する
トルク比λ及び容量係数cを求める。処理32では、有
段式自動変速機構30の入力トルク(=トルクコンバー
タ出力軸トルク=タービントルク)Ttを(数1)を用
いて演算する。この処理31及び処理32は、入力トル
ク演算部131により実行される。
【0029】 Tt=λ・c・Ne2 …(数1) 処理33では、シフトアップ開始前FlgDが1か否か
を判断し(シフトアップ開始前の状態のとき、FlgD
=1)、続いて、処理34で、シフトダウン開始前Fl
gCが1か否かを判断する(シフトダウン開始前の状態
のとき、FlgC=1)。どちらも1でない場合は、処理3
5に進む。処理35では、現在の変速信号sol(n)
が前回の変速信号sol(n−1)よりも大きいかどう
かを判断する。大きい場合はシフトアップと判断して処
理36に進む。処理36では、現在の入力トルクTtを
Tshとして記憶しておく(ラッチ133が実行す
る)。そして、処理37で、ラッチされた入力トルクT
shに対して予め定められた値k1 を加えたシフトアッ
プ開始レベル(Tsh+k1 )より、新たに求められた
入力トルクTtが大きいか否かを変速開始認識部134
が判断する。大きい場合は、有段式自動変速機構30が
実際にシフトアップを開始したと判断して、処理38で
シフトアップ開始フラグFlgAに1を入力する。入力
トルクTtが変速開始レベル(Tsh+k1)より大きく
ない場合は、処理39に進み、シフトアップ開始前Fl
gDに1を入力する。また、処理35でsol(n)が
sol(n−1)以下の場合は、処理40に進み、現在
の変速信号sol(n)が前回の変速信号sol(n−
1)よりも小さいか否かを変速開始認識部134が判断
する。小さい場合はシフトダウンと判断し処理41に進
む。処理41では、現在の入力トルクTtをTshとし
て記憶しておく(ラッチ133が実行する。)。そして、
処理42で、ラッチされた入力トルクTshに対して予
め定められた値k2を加えたシフトダウン開始レベル(T
sh+k2)より大きいか否かを判断する。大きい場合
は、有段式自動変速機構30が実際にシフトダウンを開
始したと判断して、処理43でシフトダウン開始フラグ
FlgBに1を入力する。入力トルクTtがシフトダウ
ン開始レベル(Tsh+k2)より大きくない場合は処理
44に進み、シフトダウン開始前FlgCに1を入力す
る。
【0030】次に、図7に示すフローチャートに進み、
Dの場合(処理38でシフトアップ開始フラグFlgA
に1を入力した後)は、処理45でシフトアップ開始前
FlgDを0にし、Eの場合(処理43でシフトダウン開始
フラグFlgBに1を入力した後)は、処理46でシフ
トダウン開始前FlgCを0にする。そして、処理47
で、sol(n−1)に現在の変速信号sol(n)を
入力してリターンする。
【0031】次に、図8に示すフローチャートに従っ
て、変速開始を認識した後の制御について説明する。
【0032】まず、処理50で変速信号sol,エンジ
ン回転数Ne,トルクコンバータ出力軸(タービン)回
転数Nt,入力トルクTt,変速信号出力時にメモリし
た入力トルクTsh,スロットル開度θ,シフトアップ
開始FlgA,シフトダウン開始FlgBを読み込む。
次に、処理51で、回転比変化率演算部137が回転比
e(=Nt/Ne)の微分値de/dtを求める。そし
て、処理52でシフトダウン開始FlgBが1か否か、
処理53でシフトアップ開始FlgAが1か否かを判断
する。いずれのフラグも1でない場合は、実際に変速開
始されていないため、処理54で、標準ライン圧算出部
143が油圧制御回路50のライン圧PLを予め定めら
れている入力トルクTtの関数f(Tt)で演算する。
さらに、処理55で、補正ライン圧ΔPLを0とする。
そして、処理56で、ライン圧算出部144がPL=P
L+ΔPLを演算し、処理57でこのライン圧のduty値
をライン圧制御バルブ52のソレノイドに出力する。
【0033】処理53で、シフトアップ開始FlgAが
1の場合、すなわちシフトアップが開始されたと判断さ
れた場合、処理58に進む。処理58では、変速終了を
判断するため、変速終了認識部138が回転比eの変化
率|de/dt|が定数k5よりも小さいかどうかを判
断する。小さい場合はまだ変速中と判断し、処理59に
進み、変速中の目標駆動軸トルクTtarを目標駆動軸
トルク算出部140が(数2)を用いて演算する。
【0034】 Ttar=k3・gr(sol)・ge・Tsh …(数2) ここで、k3;定数、gr(sol);変速信号solで
与えられた変速比によって定まる関数、ge;差動機6
1のギヤ比である。
【0035】そして、処理60では、変速信号変化時に
メモリした入力トルクTshの関数f(Tsh)により
標準ライン圧算出部143がライン圧PLを演算する。
次に、処理61で、変速中変速比推定部135が予め準
備されている関数gr=g(sol,θ)を用いて変速
中の変速比grを求め、処理62で、(数3)により、
実駆動軸トルク推定部139が変速中の実際の駆動軸ト
ルクToを推定する。
【0036】 To=k3・gr・ge・Tt …(数3) そして、処理63で、減算器141が目標駆動軸トルク
Ttarと実駆動軸トルクToとの差ΔT(=To−T
tar)を求める。次に、処理64で、ライン圧補正量
算出部142が補正ライン圧ΔPLをΔTの関数ΔPL
=h(ΔT)で求めて、処理56に進む。
【0037】処理52でシフトダウン開始FlgBが1
の場合、すなわちシフトダウンが開始されたと判断され
た場合、処理65に進む。処理65では、変速終了を判
断するため、変速終了認識部138が回転比eの変化率
|de/dt|が定数k4 よりも小さいか否かを判断す
る。小さい場合はまだ変速中と判断し、前述した処理5
9に進む。
【0038】一方、処理58において、回転比の変化率
|de/dt|が定数k5 よりも小さくないと判断した
場合、処理65において、回転比の変化率|de/dt
|が定数k4 よりも小さくないと判断した場合、いずれ
の場合も変速終了と判断して、処理66に進み、シフト
アップ開始FlgA,シフトダウン開始FlgBに0を
入力して、処理54に進む。
【0039】次に、図9に示すタイムチャートに従っ
て、シフトアップ時における本実施例の効果について説
明する。
【0040】従来技術で述べたように、変速比の変化に
より変速開始を認識しようとすると、変速開始時におい
ては、変速比の変化が小さく、実際に機械的な変速が開
始される時点t1 よりもかなり遅れて変速開始(A)が
認識されてしまう。また、同図において示していない
が、変速機入力軸の回転数の変化により変速開始を認識
しようとしても、同様に、実際に変速が開始される時点
1 よりもかなり遅れて認識されてしまう。
【0041】ところで、入力トルク(すなわちタービン
トルク)Ttは、(数1)に示すように、エンジン回転
数Ne2 に比例するので、変速開始時におけるその変化
量が大きくなる。このため、本実施例のように、入力ト
ルクTtの変化により機械的な変速開始を認識(変速開
始認識時点はt2)することにより、変速開始時を早く
認識できると共に確実に認識することができる。
【0042】したがって、本実施例のように変速中のラ
イン圧を補正する場合でも、早めに対応することがで
き、変速ショックの低減を図ることができる。
【0043】変速中のライン圧補正は、具体的には、変
速中のライン圧が低下するように補正している。このた
めに、入力トルクTtが低減して、出力トルクToの変
化量が小さくなり、変速ショックが低減されることにな
る。なお、本実施例においては、ライン圧が低下するよ
うに補正しているので、有段式自動変速機構30でのス
リップ量が大きくなり、変速終了認識時点t3 及び実際
に変速が完了する時点t4が従来よりも遅れることにな
る。
【0044】次に、図10に示すタイムチャートに従っ
て、シフトダウン時における本実施例の効果について説
明する。
【0045】シフトダウンは、アクセル66が踏み込ま
れ、スロットル開度θが急激に大きくなる過程で実行さ
れる。このため、変速信号は、同図に示すように、スロ
ットル開度θが大きくなり始めてから、ある程度時間が
経過してから変化する。入力トルクTtは、スロットル
開度θが大きくなるに伴って、大きくなり、実際の変速
開始時t1の近傍で一端ピーク値となり、その後、実際
の変速終了時t4まで小さくなる。実際の変速終了時t
4 以後、入力トルクTtは、大きくなり、オーバーシュ
ーとした後、安定する。また、出力トルクToも、入力
トルクTtと同様に変化する。但し、有段式自動変速機
構30のトルク増幅作用により、出力トルクToは、入
力トルクTtも、その変化が激しい。
【0046】本実施例のように、入力トルクTtの変化
に応じて、変速開始時t2 を認識すると、シフトアップ
時と異なり、実際の変速開始時t1 よりも、先に変速開
始時を認識することになる。このように、実際の変速開
始時t1 よりも先に変速開始時を認識することは、出力
トルクToの増加が実際の変速開始時t1 よりも先にな
るため、出力トルクToを制御する場合、有効なことで
ある。変速開始時t2が認識されると、ライン圧補正が
実行される。このライン圧補正は、ライン圧が低下する
ように補正される。シフトダウンの場合、ライン圧が低
下すると、有段式変速機構30のクラッチの締結又は離
脱動作が早まるため、実際の変速開始時t1及び実際の
変速終了時t4は、ライン圧補正がない場合(同図中、
(t1)(t4)で示す。)と比べて早くなると共に、変速期
間が短くなる。また、変速終了時t4,(t4)における
出力トルクToの落ち込みも比較的小さくなり、僅かで
はあるが変速ショックが低減される。
【0047】なお、以上の実施例において、変速中の変
速比grは、関数gr=g(sol,θ)に、変速信号及
びスロットル開度θを代入して求めたが、図11に示す
ように、変速開始時t1 が認識されると同時に、変速前
の変速比レベルから変速後の変速比レベルまで、単に、
一定の傾きの直線で急激に立ち上がるよう、またはステ
ップ的に立ち上がるよう近似したものを用いてもよい。
このように、変速中の変速比grを設定しても、同図に
示すように、この変速比grを用いて推定される出力ト
ルクToは、実際の出力トルクTrealと大差はな
く、変速ショックの制御性に影響を与えることはない。
また、関数gr=g(sol,θ)を用いて、変速中の
変速比を求める必要がなくなるので、制御コントローラ
の負荷を軽減することができる。
【0048】第1の実施例の変形例について、図12に
示すフローチャートに従って説明する。
【0049】自動変速装置では、同一スロットル開度で
あっても、車速が低いうちにシフトアップするエコノミ
ーモードと、車速がある程度高まってきてからシフトア
ップするパワーモードとを備えているものがある。本変
形例は、このようなエコノミーモードとパターモードと
を備えている自動変速装置を対象としており、第1の実
施例の制御動作フローを示している図8における処理5
0での処理内容を変えると共に、処理59aを追加した
もので、その他の処理は第1の実施例と同様である。し
たがって、第1の実施例と同一の処理についてはその説
明を省略する。まず、処理50aで、変速信号やエンジ
ン回転数等と共に、モード選択フラグFlgMを読み込
む。なお、モードの選択は、運転者自身がモード切替ス
イッチ69(図2に示す。)を操作して行う。また、モ
ード選択フラグFlgMは、運転者がパワーモードを指
定したならばFlgM=1となり、エコノミーモードを
指定したならばFlgM=0となる。続いて、処理5
1,…,65,58を行い、処理65及び処理58にお
いて“Yes”で変速中であると判断されると、処理5
9aで、モード選択フラグFlgMが0か1かを判断す
る。0であればエコノミーモードであると判断して、第
1の実施例と同様にライン圧補正制御を実行(処理5
9,…,処理64,処理56,処理57)し、1であれ
ばパワーモードであると判断してライン圧補正制御を実
行せずに、通常のライン圧制御を実行する(処理54,
…,処理57)。
【0050】図13に示すように、エコノミーモードで
は、パワーモードよりもエンジン回転数の低いところで
変速するためトルクコンバータ25のすべりが大きくな
り、パワーモードよりも変速ショックが大きくなる。こ
のため、本変形例では、エコノミーモード時の変速中に
はライン圧補正制御をするようにしている。
【0051】なお、本変形例では、変速ショックの大き
いエコノミーモードの場合のみライン圧補正制御を実行
するようにしているが、パワーモードの場合もライン圧
補正制御を実行するようにしてもよい。また、本変形例
や第1の実施例では、ライン圧ΔPLを目標駆動軸トル
クと実際の駆動軸トルクとの差ΔTから求めたが、関数
1(θ,Ne,v)を用い、スロットル開度θ,エンジ
ン回転数Ne,車速vから求めるようにしてもよい。
【0052】次に、第1の実施例の変速終了認識に関す
る2つの変形例について、図14及び図15を用いて説
明する。
【0053】第1の実施例は、変速が開始された後、ト
ルクコンバータ25の回転比eの変化率|de/dt|
が予め定められた値k4 以上になったときに、変速が終
了したと認識するものである。しかし、変速終了は、図
9に示すように、この他、単に回転比eが予め定められ
た値以下になったときや、有段式自動変速機構30の変
速比rからでも認識することができる。
【0054】そこで、単に回転比eが予め定められた値
以下になったときに、変速終了の認識をするものが、図
14に示す制御コントローラである。この制御コントロ
ーラ100cは、トルクコンバータ25の回転比eの変
化率|de/dt|から変速終了を認識するものではな
いので、第1の実施例における回転比変化率演算部13
7を有していない。回転比演算部136は、エンジン回
転数センサ73で測定されたエンジン回転数Ne及びタ
ービン回転数センサ74で測定されたタービン回転数N
tから、回転比e(=Nt/Ne)を求め、この値eを
直接変速終了認識部138aに出力する。変速終了認識
部138aは、この値が予め定められた値k6 以下にな
ったときに、変速が終了したものと認識し、これをAN
D回路に出力する。
【0055】また、図15に示す制御コントローラ10
0dは、有段式自動変速機構30の変速比rから変速終
了を認識するものである。有段式自動変速機構30の変
速比r(=No/Nt)は、変速比演算部145で、有
段式自動変速機構30の入力軸の回転数であるタービン
回転数Ntと、有段式自動変速機構30の出力軸の回転
数Noとから求められ、変速終了認識部138bに出力
される。変速終了認識部138bでは、変速信号が示す
変速後の変速比よりも僅かに小さい値(シフトアップ
時)k7以上になったときに、変速が終了したものと認
識し、これをAND回路に出力する。なお、変速終了を認
識するためのしきい値としては、変速信号が示す変速後
の変速比よりも僅かに小さい値を用いるので、変速終了
後の変速比ごとにしきい値が必要である。また、いずれ
の変形例においても、しきい値として、シフトアップ用
の値とシフトダウン用の値が準備されている。
【0056】次に、本発明に係る第2の実施例につい
て、図16から図21を用いて説明する。
【0057】本実施例は、第1の実施例におけるライン
圧補正制御を他の方法で実行するもので、変速開始及び
変速終了の認識や、実駆動軸トルクの推定等に関しては
第1の実施例と同様である。
【0058】図16に示すように、本実施例の制御コン
トローラ100iは、入力トルク演算部131で求めら
れた入力トルクTtを一時的に保持する入力トルクラッ
チ部170と、ラッチ部170で保持された入力トルク
Ttをライン圧設定用トルクTsとし、このTsを用い
て基準ライン圧PLoを定める基準ライン圧設定部17
1と、変速中と変速終了後の所持時間とにおけるライン
圧を変えるべく、基準ライン圧PLoを変速中と変速終
了後の所持時間とで変更する基準ライン圧補償部172
と、基準ライン圧補償部172で基準ライン圧PLoを
変更するために用いるゲインk3 を出力する補償ゲイン
出力部173と、変速信号変化判断フラグFlgEが1
になった時点での実駆動軸トルクToを保持する学習用
基準トルクラッチ部174と、学習時期判断フラグFl
gG(実駆動軸トルクを学習用のトルクとしてサンプリ
ングする時期か否かを判断するフラグで、サンプリング
する時期のとき、FlgG=1)が1になった時点での
実駆動軸トルクToを保持する学習用トルクラッチ部1
75と、学習用基準トルクラッチ部174で保持された
駆動軸トルク(学習用基準駆動軸トルク)Tosと学習
用トルクラッチ部175で保持された駆動軸トルク(学
習用駆動軸トルク)Toeとの偏差ΔTseを求める学
習補正用偏差演算部176と、偏差ΔTseに対するラ
イン圧偏差ΔPLを求めるライン圧偏差演算部177
と、基準ライン圧PLoを求めるための変速種類ごとの
関数j(Ts)を記憶しておくと共にライン圧偏差演算
部177で求められたライン圧偏差ΔPLに応じて逐次関
数j(Ts)を補正する関数学習補正部178とを有し
ている。関数学習補正部178には、基準ライン圧設定
用マップを有している。このマップには、横軸をライン
圧設定用トルクTs、縦軸を基準ライン圧として、変速
種類毎の基準ライン圧関数j(Ts)が描かれている。
【0059】次に、図17及び図18に示すフローチャ
ートに従って、本実施例のライン圧補正制御動作につい
て説明する。
【0060】図17に示すように、まず、処理160
で、入力トルク演算部131で演算された入力トルク
(タービントルク)Tt、及び変速信号solを読み込
む。処理161では、変速信号solが変化したかどう
か示す変速信号変化判断フラグFlgE(変速信号が変
化すると、FlgE=1)が1か否か判断する。Flg
E=0の場合は、処理162に進み、そこで、今回の変
速信号sol(n)が前回の変速信号sol(n−1)
と異なっているか否かを判断する。異なっていない、つ
まり変速しない時は、処理163に進み、そこで、読み
込んできた入力トルクTtをライン圧設定用トルクTs
とすると共に、変速信号変化判断フラグFlgEを0に
する。そして、処理164に進み、今回の変速信号so
l(n)を前回の変速信号sol(n−1)として、リ
タ−ンされる。処理162の判断で、今回の変速信号s
ol(n)と前回の変速信号sol(n−1)とが異な
っていると判断した場合は、処理165に進み、変速信
号変化判断フラグFlgEに1を入力し、処理166に
進む。処理166では、入力トルクTtのフィルタリン
グ処理を実行する。このフィルタリング処理は、変速信
号が変化したから実際に機械的な変速開始が始まらない
時間、例えば、200msec程度実行する。次に、処理1
67で、変速開始フラグFlgs(機械的な変速が開始
したと認識したとき、Flgs=1)が1か否かを判断
する。変速開始フラグFlgsが1でない場合は処理1
68に進み、読み込んできた入力トルクTtをライン圧
設定用トルクTsとし、処理164へ進む。処理167
で変速開始フラグFlgsが1であると判断された場合
は、処理170に進む。処理170では、フィルタリン
グ処理した入力トルクFTtをライン圧設定用トルクT
sし、処理171に進む。処理171では、変速終了フ
ラグFlge(機械的な変速が終了したと認識したと
き、Flge=1)が1か否かを判断する。Flge=
0、つまり機械的な変速が終了したと認識していない場
合は、処理172に進み、前回のライン圧設定用トルク
Tsをもう一度Tsとし(前回のTsを保持)し処理1
64に進む。処理171で、Flge=1、つまり機械
的な変速が終了したと認識した場合は、処理163及び
処理164を実行して、リタ−ンされる。
【0061】図18に示すように、実際にライン圧制御
を実行する際には、まず、処理173で、図17のフロー
中で設定したライン圧設定用トルクTs、及び変速信号
solを読み込む。なお、同図に示すフローは、変速開始
認識時点t2 から変速終了認識時点t3 までの間のライ
ン圧制御動作のフローで、基準ライン圧設定部171が
実行する。次に、処理174では変速信号solが1−
2変速を示すものであるか否かを判断し、処理175で
は変速信号solが2−3変速を示すものであるか3−
4変速を示すものであるかを判断する。そして、変速信
号solが1−2変速を示すものである場合は、予め準
備されている複数のライン圧設定用関数j(Ts)のう
ちNo.2を用いるものとし、変速信号solが2−3
変速を示すものである場合はNo.3のライン圧設定用
関数を用いるものとし、変速信号solが3−4変速を
示すものである場合はNo.4のライン圧設定用関数を
用いるものとする(処理176,177,178)。そ
して、処理179では、関数学習補正部178に記憶さ
れている基準ライン圧設定用マップ中から処理176,17
7,178で選んだライン圧設定用関数j(Ts)を抽
出して、この関数にライン圧設定用トルクTsを代入
し、変速開始認識時点t2 から変速終了認識時点t3
での間のライン圧PLを求め、処理180で、このライ
ン圧PLをライン圧制御バルブ52のソレノイドに出力
する。
【0062】このライン圧制御において、ライン圧指令
値PLは、図19に示すように、変速開始認識時点t2
から変速終了認識時点t3までの間、下がる。このた
め、第1の実施例と同様に、この間の出力トルクToの
変化量が小さくなり、変速ショックが低減される。な
お、同図は、シフトアップ時のものを示している。
【0063】ところで、第1の実施例のように、速開始
認識時点t2 から変速終了認識時点t3 までの間のみし
かライン圧制御を実行しなければ、図9に示すように、
変速終了認識時点t3 後に出力トルクToが急激に低下
し、ここで変速ショックが発生する。そこで、本実施例
では、図19に示すように、変速終了認識時点t3 から
一定時間、さらにライン圧を下げて、変速終了認識時点
3 後に生じる出力トルクToの急激な落ち込みを防
ぎ、変速ショックの低減を図っている。この変速終了認
識時点t3 から一定時間のライン圧は、ライン圧補償部
172が求めている。すなわち、ライン圧補償部172
は、基準ライン圧設定部171で求められた基準ライン
圧PLoに、変速中(速開始認識時点t2から変速終了
認識時点t3までの間)においては、補償ゲインk3と
して0.8 を掛け、変速終了認識時点t3 から一定時間
においては、補償ゲインk3として1を掛けて、基準ラ
イン圧PLoに補償ゲインk3を掛けたものをライン圧
制御バルブ52のソレノイドに出力している。
【0064】また、本実施例は、第1の実施例のよう
に、推定した実駆動軸トルクToを用いて駆動軸トルク
の制御を実行する、いわゆるフィードバック制御ではな
く、変速位置毎に予め準備されている関数j(Ts)を
用いて駆動軸トルクを制御する、フィードフォーワード
制御であるため、各車両毎の変速機構30やトルクコン
バータ25の機差や、経時変化に対応しづらい。そこ
で、本実施例では、このような機差や経時変化等に対応
すべく、変速中ライン圧学習制御を実行している。図2
0は、本実施例の変速中ライン圧学習制御のフローチャ
ートである。
【0065】まず、処理181で、実駆動軸トルク推定
部139で推定した出力トルク(すなわち実駆動軸トル
ク)To、図17の処理170におけるライン圧設定用
トルクTs,図18の処理180における基準ライン圧
PLo,変速開始フラグFlgs,変速信号変化判断フラグ
FlgE(変速信号が変化すると、FlgE=1)を読
み込む。次に、処理182で、変速信号変化判断フラグ
FlgEが1になったか否かを判断するフラグFlgF
が1か否かを判断する。フラグFlgFが1でない場合
は処理183に進み、1の場合は処理187に進む。処
理183では、変速信号変化判断フラグFlgEが1か
否かを判断する。フラグFlgEが1でない場合は処理
184に進み、変速信号変化判断フラグFlgE及び学
習時期判断フラグFlgG(学習用の出力トルクをサン
プリングする時期か否かを判断するフラグで、サンプリ
ングする時期のとき、FlgG=1)をそれぞれ0にし
てリターンされる。処理183で変速信号変化判断フラ
グFlgEが1であると判断した場合は、処理185に
進み、学習用基準トルクラッチ部174が、変速信号変
化判断フラグFlgEが1であると判断されたときの推
定出力トルクToを学習用基準出力トルクTosとして
ラッチする。次に、処理186で、FlgFを1とし
て、処理187に進む。処理187では変速開始フラグ
Flgsが1か否かを判断する。1でない場合はリター
ンされる。1の場合は処理188に進み、学習時期判断
フラグFlgGが1か否かを判断する。1の場合はリタ
ーンされ、1でない場合、つまり、学習用の出力トルク
をサンプリングする時期でない場合は、処理189に進
む。処理189では、機械的な変速開始認識時点t2
ら、例えば100ms経ったか否かを判断する。100
ms経過した場合は、処理190で、学習用トルクラッ
チ部175が、このときの推定出力トルクToを学習用
トルクToeとしてラッチする。次に、処理191で学
習時期判断フラグFlgGを1にして、処理192に進
む。処理192では、学習補正用ライン圧偏差演算部1
76が、処理185で求めた学習用基準出力トルクTo
sと処理190で求めた学習用トルクToeとの偏差Δ
Tseを演算する。ここで、偏差ΔTseとは、どのよ
うな性格のものであるかを簡単に説明する。学習用基準
出力トルクTosは、変速信号solが変化したときの
出力トルクであるから、図19に示すように、トルクフ
ェーズ(変速信号が変化してから実際に機械的な変速が
開始t1されるまでの間)中の出力トルクである。また、
学習用トルクToeは、変速開始認識時点t2 から10
0ms後の出力トルクであるから、イナーシャフェーズ
(実際に機械的な変速が開始t1されてから実際に変速
が終了t4するまでの間で、駆動軸に慣性力が作用して
いる期間)の初期に見られるトルク落ち込み後の出力ト
ルクである。すなわち、学習用基準出力トルクTosと
学習用トルクToeとは、それぞれ、イナーシャフェー
ズの初期に見られるトルク落ち込みの前と後の出力トル
クである。このトルク落ち込みの前と後の出力トルクの
偏差ΔTseは、変速ショックの観点から、基本的に0
であることが好ましい。
【0066】次に、処理193で、ライン圧偏差演算部
177が、上記偏差ΔTseと図17の処理170にお
けるライン圧設定用トルクTsとをパラメータとする関
数fにより、ライン圧偏差ΔPLを求める。なお、この
ライン圧偏差ΔPLは、車両出荷時には0になるように
各種制御量が設定されている。次に、図21に示すよう
に、図18の処理180で求めた基準ライン圧PLoに
このライン圧偏差ΔPLを加算したものを基準ライン圧
関数マップ上にプロットする。処理195では、プロッ
ト回数nに1を加える。処理196では、プロット回数
nが予め定めた回数aになったか否かを判断し、aにな
ったと判断したときは処理197に進み、aにまだなっ
ていないと判断したときはリターンされる。処理197
では、プロット回数を0にする。そして、処理198で
は、基準ライン圧関数マップ上にプロットされた複数の
PLoを基に基準ライン圧関数j(Ts)を補正する。具
体的には、図21に示すように、初期設定されていた基
準ライン圧関数j(Ts)が例えばj(Ts)=k4×Ts
で、プロットされた複数のPLoを直線近似したものが
PLo=k4×Ts+ΔPL となる場合、この関数を新
たな基準ライン圧関数j(Ts)=k4×Ts+ΔPLと
する。但し、経時変化等の傾向としては、各種傾向があ
るため、新たな基準ライン圧関数j(Ts)が先に示し
たものになるとは限らず、 等になることも考えられる。なお、処理194〜処理1
98は、関数学習補正部178が実行する。また、以上
の変速中ライン圧学習補正制御は、常時実行しても良い
が、本実施例では、一定時間経過毎(例えば、半年毎)
に、又は、一定距離走行毎(例えば、5000km毎)
に実行するようにしている。
【0067】以上のように、本実施例では、一定期間又
は一定走行距離毎に基準ライン圧関数j(Ts)を学習
補正しているので、経時変化による変速ショックの悪化
を防ぐことができる。
【0068】次に、本発明の第3の実施例について、図
22から図24を用いて説明する。本実施例の制御コン
トローラ100eは、変速ショックを低減すべく、変速
中の推定駆動軸トルクToと目標駆動軸トルクTtar
との偏差ΔTに応じて、変速時におけるエンジントルク
Teを補正するもので、その他、変速開始時や変速終了
時の把握機能等に関しては、第1の実施例の制御コント
ローラ100と同一である。従って、以下においては、
変速時のエンジントルク補正に関して、主に説明し、そ
の他、第1の実施例の制御コントローラ100と同一機
能部位(131,…,139,141)に関しては、同一の
符号を付し、重複した説明を省略する。なお、本実施例
は、エンジントルクTeを制御すべく、スロットル開度
を制御するものであるから、第1の実施例と異なり、電
子スロットルバルブ17aを有しているものでなけれ
ば、適用できない。
【0069】図22に示すように、本実施例の制御コン
トローラ100eは、予め準備されている目標駆動軸ト
ルクマップを用いて、測定された車速vとアクセル開度
αとから目標駆動軸トルクTtarを求める目標駆動軸
トルク算出部140aと、この目標駆動軸トルクTta
rと推定した実駆動軸トルクToとの駆動軸トルク偏差
ΔTからエンジントルク偏差ΔTe′を求めると共に、
目標駆動軸トルクTtarに対応した目標エンジントル
クTe・tarを求めるエンジントルク算出部150
と、エンジントルク算出部150で求められたエンジン
トルク偏差ΔTe′と目標エンジントルクTe・tarと
の和を求める補正エンジントルク算出部156と、エン
ジン出力特性マップを用いて、補正エンジントルク算出
部156で求められたエンジントルクTeが得られるよ
うなスロットル開度θを求めるスロットル開度算出部1
57とを有している。
【0070】エンジントルク算出部150は、図23に
示すように、目標駆動軸トルクTtar及び駆動軸トルク偏
差ΔTをそれぞれ目標タービントルクTt・tar,タ
ービントルク偏差ΔTtに換算するタービントルク演算
部151と、目標タービントルクTt・tar及びター
ビントルク偏差ΔTtをそれぞれ目標ポンプトルクTp
・tar,ポンプトルク偏差ΔTpに換算するポンプト
ルク演算部152と、目標ポンプトルクTp・tar及
びポンプトルク偏差ΔTpをそれぞれ目標エンジントル
クTe・tar及びエンジントルク偏差ΔTeに換算す
るエンジントルク演算部153と、エンジントルク演算
部153で求められたエンジントルク偏差ΔTeをPI
D制御用エンジントルク偏差ΔTe′に換算するPID
制御用エンジントルク偏差演算部154と、PID制御
用エンジントルク偏差ΔTe′を求める際に使用するゲ
インを求めるゲイン算出部155とを有している。
【0071】次に、本実施例の制御コントローラ100
eの動作について説明する。
【0072】変速時以外の通常運転時においては、ま
ず、目標駆動軸トルク算出部140aが、目標駆動軸ト
ルクマップを参照して、センサ75,78により測定さ
れた車速v及びアクセル開度αに応じた目標駆動軸トル
クTtarを求める。この目標駆動軸トルクTtar
は、エンジントルク算出部150のタービントルク演算
部151に出力される。タービントルク演算部151
は、この目標駆動軸トルクTtarを現在の変速信号が
示す変速比と差動機61のギヤ比geとで割って、目標
タービントルクTt・tarを求める。ポンプトルク演
算部152では、予め準備されているトルクコンバータ
特性を用いてトルクコンバータ25のトルク比λを求
め、このトルク比λで目標タービントルクTt・tar
を割って目標ポンプトルクTp・tarを求める。エン
ジントルク演算部153では、目標ポンプトルクTp・
tarに慣性トルク(Ie・dNe/dt)を加算して
目標エンジントルクTe・tarを求める。なお、エン
ジン10の出力軸とトルクコンバータ25のポンプ26
とは直結されているため、基本的にエンジントルクTe
とポンプトルクTpとは同じであるが、より正確をきす
ため、ここでは、エンジン回転数Neの変化に伴って発
生する慣性力を加味するようにしている。この目標エン
ジントルクTe・tarは、補正エンジントルク算出部
156に出力される。ここで、変速時以外の通常運転時
においては、PID制御用エンジントルク偏差演算部1
54から補正エンジントルク算出部156に、エンジン
トルク偏差ΔTe′は出力されない。従って、補正エン
ジントルク算出部156では、目標エンジントルクTe
・tarにエンジントルク偏差ΔTe′は加算されず、
この目標エンジントルクTe・tarがそのままスロッ
トル開度算出部157に出力される。スロットル開度算
出部157では、エンジン出力特性マップを参照して、
エンジン回転数センサ73で測定されたエンジン回転数
NeとエンジントルクTeとからスロットル開度θが求
められ、この値が電子スロットルバルブ17aのアクチ
ュエータに出力される。このように、本実施例では、ス
ロットルバルブとアクセルペダルとが機械的にリンクし
ている場合と異なり、常時、アクセル開度αと車速vと
に応じた目標駆動軸トルクTtarが得られるよう、ス
ロットルバルブ17aの開度が制御される。
【0073】なお、図23において、図面を明瞭にする
ために、各機能ブロックへのエンジン回転数等の入力を
省略したが、現実には、タービントルク演算部154に
は変速信号が、ポンプトルク演算部152にはトルク比
λを求めるためにエンジン回転数Neとタービン回転数
Ntとが入力するようになっている。また、エンジント
ルク演算部153,ゲイン算出部155及びスロットル
開度算出部157には、エンジン回転数センサ73から
のエンジン回転数Neが入力するようになっている。
【0074】変速時においては、第1の実施例と同様
に、変速開始把握部131で把握された変速開始時から
変速終了把握部138で把握された変速終了時までの間
の実駆動軸トルクToが、実駆動軸トルク推定部139
で推定される。これに対して、目標駆動軸トルク算出部
140aでは、通常運転時と同様に、目標駆動軸トルク
Ttarが求められる。この目標駆動軸トルクTtar
と推定された実駆動軸トルクToとの偏差ΔTが、減算
器141で求められる。エンジントルク算出部150の
タービントルク演算部151には、目標駆動軸トルクT
tarとこの駆動軸トルク偏差ΔTとが入力する。ター
ビントルク演算部151では、通常運転時と同様に、目
標駆動軸トルクTtarに対する目標タービントルクTt
・tar,及び駆動軸トルク偏差ΔTに対するタービントル
ク偏差ΔTtが求められる。さらに、ポンプトルク演算
部152では、通常運転時と同様に、目標タービントル
クTt・tarに対する目標ポンプトルクTp・ta
r、及びタービントルク偏差ΔTtに対するポンプトル
ク偏差ΔTpが求められ、エンジントルク演算部153で
は、目標ポンプトルクTp・tarに対する目標エンジ
ントルクTe・tar、及びポンプトルク偏差ΔTpに
対するエンジントルク偏差ΔTeが求められる。PID
制御用エンジントルク偏差演算部154では、エンジン
トルク演算部153で求められたエンジントルク偏差Δ
TeがPID制御用エンジントルク偏差ΔTe′に変換
される。この変換の際に用いられる各種ゲインは、ゲイ
ン算出部155で、エンジン回転数センサ73で測定さ
れたエンジン回転数Neに応じたものが求められる。エ
ンジントルク演算部153で求められた目標エンジント
ルクTe・tarとPID制御用エンジントルク偏差演
算部で求められたエンジントルク偏差ΔTe′とは、共
に、補正エンジントルク算出部156に入力する。補正
エンジントルク算出部156では、目標エンジントルク
Te・tarとエンジントルク偏差ΔTe′との和Te
(=Te・tar+ΔTe′)が求められ、この値Te
がスロットル開度算出部157に出力される。スロット
ル開度算出部157では、通常の運転時と同様に、補正
エンジントルク算出部156から出力されたエンジント
ルクTeに対応するスロットル開度θが求められ、この
スロットル開度θが電子スロットルバルブ17aのアク
チュエータに出力される。
【0075】次に、図24に示すシフトアップのタイム
チャートに従って、本実施例の効果について説明する。
【0076】本実施例においても、第1の実施例と同様
に、入力トルク(タービントルク)の変化により変速開
始を認識(変速開始時の認識時点はt2)しているので、
変速開始時を早く認識できると共に確実に認識すること
ができる。
【0077】また、本実施例では、変速開始認識時点t
2から変速終了認識時点t3までの間は、目標駆動軸トル
クTtarに対して実駆動軸トルク(すなわち出力トル
ク)Toが大きくなるため、両者の偏差ΔTが小さくな
るようにスロットル開度θが小さくなるような補正が実
行される。このため、入力トルクが大きくならず、結果
として、変速中の駆動軸トルクも大きくならず、変速シ
ョックの低減を図ることができる。
【0078】一般的に、エンジントルクが一定であって
も、シフトアップすると、変速比が増加する結果、変速
前よりも変速後の方が駆動軸トルクが小さくなる。この
駆動軸トルクの変化は、変速ショックとして現れる。し
たがって、できる限り変速前の駆動軸トルクと変速後の
駆動軸トルクとの差を小さくすることが好ましい。とこ
ろで、本実施例の場合、目標駆動軸トルクTtarは、
変速中であるか否かに関わらず、車速とアクセル開度と
に応じて定めているため、車速とアクセル開度とが一定
であれば、変速終了後も変速前と同一の目標駆動トルク
となる。このため、本実施例では、変速終了後に、実駆
動軸トルクToが変速前と同一の目標駆動軸トルクTt
arよりも低くなろうとするのを抑えるべく、逆にスロ
ットル開度θが大きくなる。この結果、シフトアップで
変速比が増加しても、エンジントルクが増加して駆動軸
トルクToの低下が抑えられる。従って、本実施例で
は、より効果的に変速ショックの低減を図ることができ
る。但し、シフトアップ終了認識時点t3 では、通常、
目標駆動軸トルクTtarよりも実駆動軸トルクToの
方が大きく、この時点からスロットル開度θは大きくな
らない。そこで、図24に示すように、実際の変速終了
後に実駆動軸トルクToが目標駆動軸トルクTtarよ
りも小さくなることを先に見越して、シフトアップ終了
認識時点t3からスロットル開度θを先行的に大きくす
るようにすることが好ましい。
【0079】また、本実施例では、変速中において、ラ
イン圧補正を実行せず、スロットル開度θが小さくなる
補正を実行しているので、ライン圧は低下せず且つ入力
トルクが小さくなるので、有段式自動変速機構30のス
リップ量が小さくなり、変速時間を短くすることができ
る。なお、同図中、t1 は実際に変速が開始される時
点、t4は実際に変速が完了する時点を示している。
【0080】ところで、本実施例は、エンジン出力を制
御すべく、スロットル開度制御を実行しているが、同様
の手法で燃料噴射量を制御するようにしてもよい。ま
た、例えば、ディーゼルエンジン等、エンジン出力の操
作として、燃料噴射量を制御するものに関しては、スロ
ットル開度補正制御の換わりに燃料噴射量補正制御を実
行すべきことは言うまでもない。
【0081】次に、本発明に係る第3の実施例の変形例
について図25を用いて説明する。近年、燃費低減を図
るべく、希薄燃焼エンジンが開発されてきている。希薄
燃焼エンジンでは、理論空燃比14.7 以外、例えば、
18.0や24.0の空燃比による燃焼が行われている。
本変形例は、第3の実施例の制御コントローラ100eをこ
のような希薄燃焼エンジンに対応できるようにしたもの
である。
【0082】本変形例の制御コントローラ100fは、
第3の実施例におけるスロットル開度算出部157の替
わりに、エンジン回転数Ne、エンジントルクTe及び
空燃比A/Fに応じてスロットル開度θを求めるスロッ
トル開度算出部157aと、スロットル開度θを定める
際に用いる空燃比A/Fを設定する空燃比設定部158と
を有している。本変形例の制御コントローラ100f
は、その他の機能構成に関しては、第3の実施例の制御
コントローラ100eと同一である。空燃比設定部15
8は、目標エンジントルクTe・tarとエンジン回転
数Neをパラメータとして空燃比A/F(14.7,18
or24)を定める空燃比マップを備えている。空燃比
設定部158は、この空燃比マップを用いて、エンジン
トルク算出部150からの目標エンジントルクTe・t
ar及びエンジン回転数センサ73で測定されたエンジ
ン回転数Neに対応した空燃比A/Fを定める。スロッ
トル開度算出部157aは、エンジン回転数Ne、エン
ジントルクTe及び空燃比A/Fをパラメータとしてス
ロットル開度θを定めるエンジン特性マップを備えてい
る。スロットル開度算出部157aは、このエンジン特
性マップを用いて、エンジン回転数センサ73で測定さ
れたエンジン回転数Ne、補正エンジントルク算出部1
50で求められたエンジントルクTe、及び空燃比設定
部158で定められた空燃比A/Fに応じたスロットル
開度θを定め、この値を電子スロットルバルブ17aの
アクチュエータに出力する。
【0083】このように、空燃比A/Fをパラメータの
一つとして、スロットル開度θを定めるマップを有して
いれば、希薄燃焼エンジンにおいても、エンジントルク
Teを制御を実行することができ、変速ショックの低減
が可能である。
【0084】次に、本発明に係る第3の実施例のさらに
他の変形例について図26を用いて説明する。
【0085】本変形例は、希薄燃焼エンジンに対して、
点火プラグの点火時期を変えることにより、エンジント
ルクTeを制御して、変速ショックに対応するものであ
る。本変形例の制御コントローラ100gは、エンジン
トルク算出部150で求められた目標エンジントルクT
e・tar及びエンジントルク偏差ΔTe′に応じて点
火時期advを定める点火時期設定部159と、エンジ
ン回転数センサ73で測定されたエンジン回転数Ne及
びエンジントルク算出部150で求められた目標エンジ
ントルクTe・tarに応じて空燃比A/Fを定める空
燃比設定部158とを備えている。空燃比設定部158
は、先の変形例と同様に、空燃比マップを有しており、
これを用いて、エンジン回転数センサ73で測定された
エンジン回転数Ne及びエンジントルク算出部150で
求められた目標エンジントルクTe・tarに応じた空
燃比A/Fを定める。また、点火時期設定部159は、
各種空燃比A/F(14.7,18or24)毎に、エン
ジントルク偏差ΔTe′,目標エンジントルクTe・ta
r及びエンジン回転数Neをパラメータとして点火時期
advを定める点火時期マップを有している。点火時期
設定部159は、空燃比設定部158で定められた空燃
比A/Fに応じて、複数の点火時期マップのうちの一つ
マップを選択し、このマップを用いて、エンジン回転数
センサ73で測定されたエンジン回転数Ne、エンジン
トルク算出部150で求められた目標エンジントルクT
e・tar及びエンジントルク偏差ΔTe′に応じた点
火時期advを定める。この点火時期advを示す信号
は、点火時期設定部159から、点火装置11のイグナイ
タ11aを介してディストリビュータ11bに出力さ
れ、点火プラグ12の点火時期advが制御される。
【0086】なお、本変形例は、先の変形例や第3の実
施例と異なり、点火プラグ12の点火時期を制御するも
のであるから、電子スロットルバルブを備えているもの
でなくても対応できる。
【0087】以上の実施例、及び変形例に示すように、
変速ショックを低減すべく、変速時の駆動軸トルクの制
御には、自動変速装置の油ライン圧、スロットルバルブ
の開度、点火プラグの点火時期を変えることにより、対
応することができる。また、燃料噴射量を変えることに
よっても対応できることは言うまでもない。
【0088】次に、本発明に第4の実施例について、図
27及び図28を用いて説明する。本実施例は、変速開
始の把握に関するもので、その他、変速終了の把握や変
速ショック低減動作に関しては、以上において説明した
いずれかの実施例に対応するものとする。
【0089】図28に示すように、シフトアップの変速
信号が出力されると、現実の駆動軸トルクTreal
は、機械的な変速開始t1 が始まると、一旦、急激に落
ち込み、その後、増加して、機械的な変速終了t4 が終
わると安定する。そこで、現実の駆動軸トルクTrea
lの急激な落ち込みを検知すれば、比較的早く機械的な
変速開始を把握することができる(本実施例の変速開始
認識時点t2)。本実施例は、このような検知に基づ
き、駆動軸62にトルクセンサを設け、このトルクセン
サにより測定されたトルク値の変化に応じて、機械的な
変速開始を把握するものである。
【0090】図27は、シフトアップ時における変速開
始把握のフローチャートである。
【0091】まず、処理70で、トルクセンサで測定さ
れた出力トルクTo,変速信号sol及びスロットル開度
θを読み込む。次に、処理71で、出力トルク(駆動軸
トルク)Toの変化率ΔTo=dTo/dtを演算す
る。処理72では、イナーシャフェーズ開始フラグFl
gI(イナーシャフェーズが開始されたと判断したと
き、FlgI=1)が1か0かの判断を行う。処理72
の判断でFlgI=0の場合は処理73に進み、この処
理73で、今回の変速信号sol(n)が前回の変速信
号sol(n−1)よりも大きいか否かを判断する。今
回の変速信号sol(n)が前回の変速信号sol(n
−1)よりも大きくない場合、変速が実行されないの
で、処理74に進み、今回の変速信号sol(n)を前
回の変速信号sol(n−1)とすると共に、今回のス
ロットル開度θ(n)を前回のスロットル開度θ(n−
1)とする。処理73で、今回の変速信号sol(n)
が前回の変速信号sol(n−1)よりも大きいと判断
されると、処理75に進む。処理75では、スロットル
開度θ(n)が前回のスロットル開度θ(n−1)から
特定の定数k1(いずれの変速段にシフトするかに応じ
て変わる)を引いた値を超えているか否かについて判断
する。シフトアップは、スロットル開度がある程度急激
に大きくなったときに実行される。このため、処理75
は、単にスロットル開度の変化のみでシフトアップが実
行されないで出力トルクが変化する場合を除くために行
う。もし、今回のスロットル開度θ(n)が前回のスロ
ットル開度θ(n−1)から特定の定数k1を引いた値
以下の場合は、変速時のイナーシャフェ−ズのではない
と判断し、前述した処理74に進む。また、θ(n)>
θ(n−1)−k1の場合は処理76に進み、出力トルク
の変化率ΔToが定数−k2(いずれの変速段にシフト
するかに応じて変わる)より小さいか否かを判断する。
ここで、出力トルクの変化率ΔToが定数−k2 以上で
ある場合はイナーシャフェーズ前と判断し処理75に戻
り、出力トルクの変化率ΔToが定数−k2 より小さい
場合はイナーシャフェ−ズ開始と判断し処理77に進
む。処理77ではイナーシャフェーズ開始判断用フラグ
FlgIを1にしてから、処理74に進みリターンされ
る。処理72で、FlgI=1の場合は、処理78で、
出力トルクの変化率ΔToが0より大きくなったか否か
を判断する。出力トルクの変化率ΔToが0より大きく
なると、機械的な変速が開始されたと判断して、処理7
9で変速開始フラグFlgstを1にし、処理80でイ
ナーシャフェーズ開始判断用フラグFlgIを0にし
て、処理74に進み終了する。また、処理78で出力ト
ルクの変化率ΔToが0以下である場合は、直ちに、処
理74に進みリターンされる。
【0092】本実施例では、イナーシャフェーズにな
り、出力トルクの変化率ΔToが0より大きくなったと
ころ、すなわち、図28に示すように、出力トルクが最
も落ち込んだことろを機械的な変速開始t2 と把握する
ので、従来の変速開始認識時点Aよりも早く、変速開始
を把握することができる。
【0093】なお、本実施例では、駆動軸62にトルク
センサを設けて、駆動軸トルクを直接検出しているが、
例えば、トルクセンサをプロペラシャフト60に設け
て、プロペラシャフト60のトルクを検出して、このト
ルクに差動機61のギヤ比を掛けて、駆動軸62のトル
クを求めるようにしてもよい。また、第1の実施例のよ
うに、トルクセンサを用いず、エンジン回転数とタービ
ン回転数とから、有段式自動変速機構30の入力トルク
を求める一方で、変速中の変速比を推定し、この変速比
と入力トルクとから駆動軸トルクを求めるようにしても
よい。但し、この場合、入力トルクの推定値と変速中の
変速比の推定値と、2つの推定値から駆動軸トルクを求
めることになり、正確に駆動軸トルクの変化を把握する
ことが難しい。従って、駆動軸トルクから変速開始を把
握する場合は、トルクセンサで測定された駆動軸トルク
を用いることが好ましい。
【0094】次に、本発明の第5の実施例について、図
29及び図30を用いて説明する。本実施例も第4の実
施例と同様に、機械的な変速開始の認識に関する実施例
である。
【0095】図30に示すように、有段式自動変速機構
30が実際に機械的な変速を開始すると、タービン回転
数Ntの変化率dNt/dtやエンジン回転数Neの変
化率dNe/dtも急激に変化する。そこで、本実施例
は、タービン回転数Ntの変化率dNt/dtから機械
的な変速開始を認識するものである。
【0096】図29は、シフトアップ時における変速開
始認識のフローチャートである。
【0097】まず、処理81で、タービン回転数(すな
わちトルクコンバ−タ出力軸回転数)Nt,変速信号s
olを読み込む。次に、処理82でタービン回転数Nt
の変化率ΔNt=dNt/dtを演算する。そして、処
理83で、イナーシャフェーズ開始フラグFlgIが1
か0かの判断を行う。FlgI=0の場合は処理84へ
進み、そこで、今回の変速信号sol(n)が前回の変
速信号sol(n−1)よりも大きいかどうかを判断す
る。今回の変速信号sol(n)が前回の変速信号so
l(n−1)以下の場合は変速が実行されないので、処
理86に進み、今回の変速信号sol(n)を前回の変
速信号sol(n−1)として、リタ−ンされる。処理
84で、今回の変速信号sol(n)が前回の変速信号
sol(n−1)よりも大きい場合は変速と判断して、
処理87に進む。処理87では、タービン回転数の変化
率ΔNtをTrとする。次に、処理88に進み、今回の
ΔNtがTr(前回のタービン回転数の変化率ΔNt)か
ら特定の定数k3(変速開始の回転数により変化する)を
引いた値よりも小さいか否かを判断する。今回のΔNtが
Trから特定の定数k3 を引いた値よりも小さい場合
は、機械的な変速が開始されたと判断して、処理90で
変速開始フラグFlgsを1にし、処理85でイナーシ
ャフェーズ開始フラグFlgIを0にしてから、処理8
6を実行して終了する。今回のΔNtがTrから特定の
定数k3 を引いた値よりも小さくない場合は、処理89
に進みFlgIを1にし、処理86を実行してからリタ
ーンされる。
【0098】図30に示すように、本実施例でも、従来
の変速開始認識時点Aよりも早く、変速開始を認識する
ことができる(本実施例の変速開始認識時点t2)。な
お、前述したように、タービン回転数Ntの変化率dN
t/dtの他、エンジン回転数Neの変化率dNe/d
tや、さらには駆動軸回転数Noの変化率dNo/dt
からでも、本実施例と同様に、従来の変速開始認識時点
Aよりも早く、変速開始を認識することができる。
【0099】次に、本発明に係る第6の実施例につい
て、図31から図33を用いて説明する。本実施例も、
第4及び第5の実施例と同様に、機械的な変速開始の認
識に関するものである。
【0100】図33に変速時の出力トルク相当波形を示
す。aはトルクセンサの出力波形、bは加速度センサの
出力波形、cは車速の微分波形である。車両の加速度と
車速の微分とは基本的に同じであり、これらと駆動軸ト
ルクとは比例関係にある。従って、駆動軸トルクの変化
から機械的な変速開始を認識する第4の実施例と同様
に、車両の加速度又は車速の微分の変化から、機械的な
変速開始を認識することが可能である。なお、同図にお
いて、変速開始は、それぞれdTo/dt<m1,dG/
dt<m2,d2Vsp/dt2<m3で検出可能である。
【0101】そこで、これらの波形のうち、車速の微分
を用いて変速開始を認識するものを図31及び図32に
示すフローチャートに従って説明する。
【0102】まず、処理120で車速v,変速信号so
l,目標駆動軸トルクTtar,変速中の変速比rを読
み込む。次に、処理121,122で、それぞれdvs
p/dt,d2vsp/dt2を演算し、処理123で上
記演算値を平均化処理など信号処理を実行する。そし
て、処理124で変速開始前FlgDが1か否かを判断
し、1でない場合は処理125に、1の場合は処理12
7に進む。処理125では、現在の変速信号sol
(n)が前回の変速信号sol(n−1)と違うか否か
を判断し、違った場合は処理126に進み、等しい場合
は変速がすでに終了してしまったと判断して処理137
に進む。処理126では、変速開始前FlgDに1を入
力し、処理127に進む。処理127で、変速開始Fl
gsが1か否かを判断し、1でない場合は処理128に
進み、1の場合は変速中であると判断して処理130に
進む。変速中でないとして、処理128に進むと、そこ
で、加速度(車速の微分)の微分値d2v/dt2が定数
3より小さいか否かにより変速開始か否かを判断し、
小さい場合は変速開始と判断して処理129に進み、小
さくない場合は未だ変速開始前の状態であると判断して
処理138に進む。処理129では、変速開始Flgsに
1を入力して、処理130に進む。処理130では、変
速比r>i(sol)−xにより変速終了か否かを判断
し、変速終了の場合は処理137に進み、変速が終了し
ない場合は処理131に進む。なお、この処理130で
は、変速中の変速比rが、変速信号で示される変速比i
(sol)から所定値xを引いた値を超えたか否かによ
り変速終了か否かを判断している。処理131では、先
に求めた加速度値(d2vsp/dt2)を用いて、実際
の駆動軸トルクToをTo=s・(d2vsp/dt2
により演算する。次に、処理132で、実際の駆動軸ト
ルクToと目標駆動軸トルクTtarが等しいか否かを
判断し、等しい場合は処理138に進み、異なる場合は
処理133に進む。処理133では、実際の駆動軸トル
クToとTtarの差ΔTを演算し、処理134で、予
め準備されている関数ΔPL=h(ΔT)に差ΔTを代
入して、補正ライン圧ΔPLを求める。そして、処理1
35で、PL=PL+ΔPLを演算し、ライン圧のdu
ty値をライン圧制御バルブ52のソレノイドに出力す
る。最後に、処理136で前回の変速信号sol(n−
1)に現在の変速信号sol(n)を入力しリターンす
る。また、処理125でsol(n)≠sol(n−
1)の場合、処理130でr=i(sol)−xの場合
で、処理137に進むと、変速開始前FlgD及び変速
開始Flgsに0を入力する。そして、処理138に進
み、ライン圧PLをTtの関数f(Tt)で求め、処理
139で補正ライン圧ΔPLを0として、処理135に
進む。
【0103】次に、本発明に係る第7の実施例につい
て、図34及び図35を用いて説明する。本実施例は、
油圧センサ76で検知される油圧制御回路50の油圧の
変化から変速開始を認識するものである。なお、本実施
例は、第1の実施例のものと、ハードウェアー的構成が
同一で、ソフトウェアー的構成が異なっているものであ
る。したがって、ソフトウェアー的に構成は、図34及
び図35に示すフローチャートに基づく動作の説明で、
この説明に変えるものとする。
【0104】まず、処理90aで、油圧制御回路50の
油圧Poil及び油温Toil,変速信号sol,エン
ジン回転数Ne,トルクコンバータ出力軸回転数(ター
ビン回転数)Nt,スロットル開度θ,目標駆動軸トル
クTtarを読み込む。次に、処理91で、エンジン回
転数Neやトルクコンバータ特性から有段式自動変速機
構30の入力トルクTtを演算し、処理92に進む。処
理92では、変速開始前FlgDが1か否かを判断し、
1の場合は処理95に進み、1でない場合は処理93に
進む。処理93では、現在の変速信号sol(n)が前
回の変速信号sol(n−1)と違うか否か判断し、違
った場合は処理94に進み、同じである場合は処理10
8に進む。処理94では、変速開始前FlgDに1を入
力する。処理95では、エンジントルクTeを関数f
3(θ,Ne)で求める。トルクコンバータ25の特性
は、油温Toilにより変化するので、油圧Poilの
値に応じて変速開始を認識する場合も、油温Toilを
考慮する必要がある。そこで、処理96では、変速開始
時を判断するための油圧レベルPkを定めるべく、予め
準備しておいた関数f4(Te,Toil)に、変速中の
エンジントルクTe及び油温Toilを代入して、油圧
レベルPkを演算する。
【0105】次に、処理97で変速開始Flgsが1か
否かを判断し、1の場合は処理100に進み、1でない場
合は処理98に進む。処理98では、処理96で求めた
油圧Pkと油圧センサ76からの値Poilが一致して
いるか否かを判断し、一致していれば変速開始と判断
し、処理99に進み、変速開始Flgsに1を代入す
る。次に処理100で回転比Nt/Neの微分値d(N
t/Ne)/dtを演算する。そして、処理101で、
d(Nt/Ne)/dtが定数k6よりも小さいか否かを
判断し、小さくない場合は変速完了と判断して処理10
8に進み、小さい場合は変速中と判断して処理102に
進む。処理102では、実際の駆動軸トルクToを求め
る。次に、処理103で、実際の駆動軸トルクToと目
標駆動軸トルクTtarが等しいか否かを判断し、等し
い場合は処理109に進み、異なる場合は処理104に
進む。処理104では、実際の駆動軸トルクToとTt
arの差ΔTを演算し、処理105で、予め準備されて
いる関数h(ΔT)に差ΔTを代入して、補正ライン圧
ΔPLを求める。そして、処理106で、PL=PL+
ΔPLを演算し、ライン圧のduty値をライン制御バ
ルブ52のソレノイドに出力する。最後に、処理107
で前回の変速信号sol(n−1)に現在の変速信号so
l(n)を入力しリターンする。また、処理93でsol
(n)=sol(n−1)の場合、処理98でPk≠Po
ilの場合、処理101でd(Nt/Ne)/dt=k6
の場合は、処理108に進み、変速開始前FlgD及び
変速開始Flgsに0を入力する。そして、処理109
に進み、ライン圧PLをTtの関数f(Tt)で求め、
処理110で補正ライン圧ΔPLを0として、処理10
6に進む。
【0106】以上のように、本実施例では、変速比の変
化の切っ掛けとなる変速油圧制御回路50の油圧の変化
により、有段式自動変速機構30の変速開始時を認識し
ているので、変速比に基づいて機械的な変速開始時を認
識するよりも、早く変速開始時を認識することができ
る。
【0107】なお、第6の実施例及び第7の実施例で
は、ライン圧補正制御を実行したが、これらの実施例に
おいても、第3の実施例のように、スロットル開度補正
制御を実行してもよい。
【0108】次に、本発明に係る第8の実施例につい
て、図36から図39を用いて説明する。
【0109】本実施例は、変速時にライン圧補正制御と
スロットル開度補正制御とを実行すべく、ライン圧補正
制御を実行する第1の実施例の変形例(図15)とスロ
ットル開度補正制御を実行する第3の実施例(図22)
とを組み合わせたものである。従って、図30に示すよ
うに、本実施例の制御コントローラ100hは、機械的
な変速開始及び変速終了の認識、ライン圧補正制御に関
する機能(131,…,135,138b,139,1
41,…144)に関しては、第1の実施例の変形例
(図15)のものと同一で、スロットル開度補正制御に
関する機能(140b,150,156,157)に関して
は、第2の実施例(図22)のものと基本的に同一であ
る。但し、目標駆動軸トルク算出部140bは、第2の
実施例のものと異なり、変速時以外及びシフトアップ時
の目標駆動軸トルクを定めるためのシフトアップ用目標
駆動軸トルクマップと、シフトダウン時の目標駆動軸ト
ルクを定めるためのシフトダウン用目標駆動軸トルクマ
ップとを有している。シフトアップ用目標駆動軸トルク
マップは、第3の実施例のものと同一で、車速vとアク
セル開度αとに応じて、目標駆動軸トルクTtarを定
めるものである。これに対して、シフトダウン用目標駆
動軸トルクマップは、変速信号solで示される変速位
置と変速開始認識時点t2 からの時間とに応じて、目標
駆動軸トルクTtarを定めるものである。
【0110】また、本実施例の制御コントローラ100
hは、燃費向上を図るべく、最小燃費となる変速位置を
定める変速位置決定部160を有している。この変速位
置決定部160は、図37に示すように、車速センサ7
5で測定されたプロペラシャフト60の回転数Noを各
変速位置での変速比r(n)で割って変速位置毎のター
ビン回転数Ntn(4速変速機の場合、n:1,2,
3,4)を求めると共に、目標駆動軸トルクTtarを
各変速位置での変速比r(n)と差動機61のギヤ比g
eとで割って変速位置毎の目標タービントルクTtn
(4速変速機の場合、n:1,2,3,4)を求めるタ
ービントルク・回転数演算部161と、トルクコンバー
タ25の特性に基づき変速位置毎のタービン回転数Nt
n及び変速位置毎の目標タービントルクTtnをそれぞ
れ変速位置毎のエンジン回転数Nen及び変速位置毎の
目標エンジントルクTenに変換するエンジントルク・
回転数演算部162と、変速位置毎のエンジン回転数N
en及び変速位置毎の目標エンジントルクTenに応じ
て最小燃費の変速位置を定める変速位置設定部163と
を有している。
【0111】次に、本実施例の制御コントローラ100
hの動作について説明する。
【0112】まず、最小燃費の変速位置を定める動作に
ついて、図38に示すフローチャートに従って説明す
る。
【0113】まず、処理140で、アクセル開度α及び
車速vを読み込む。次に、処理141で、変速時以外及び
シフトアップ時の目標駆動軸トルクを定めるためのシフ
トアップ用目標駆動軸トルクマップを用いて、読み込ん
だアクセル開度α及び車速vに応じた目標駆動軸トルク
Ttarを求める。処理142では、変速位置決定部1
60のタービントルク・回転数演算部161が、車速セ
ンサ75で測定されたプロペラシャフト60の回転数N
oを各変速位置での変速比r(n)で割って変速位置毎
のタービン回転数Ntn(4速変速機の場合、n:1,
2,3,4)を求めると共に、目標駆動軸トルクTta
rを各変速位置での変速比r(n)と差動機61のギヤ
比geとで割って変速位置毎の目標タービントルクTt
n(4速変速機の場合、n:1,2,3,4)を求め
る。処理143では、処理142で求めた目標タービン
トルクTtn及びタービン回転数Ntnを用いて、変速
位置毎のトルクコンバータ25の入力容量係数cn(=
Ttn/Ntn2)を演算する。処理144では、トル
クコンバータ特性と処理143で求めた入力容量係数c
nにより、変速位置毎のトルクコンバータ25の回転比
enを演算する。さらに、処理145でトルクコンバー
タ特性と処理144で求めた回転比enにより、変速位
置毎のトルクコンバータ25のトルク比λnを演算す
る。次に、処理146で、処理144で求めた回転比e
nを用いて変速位置毎のエンジン回転数Nen(=Nt
n/en)を演算すると共に、処理145で求めたトル
ク比λnを用いて変速毎のエンジントルクTen(=T
en/λn)を演算する。以上の処理143〜146
は、変速位置決定部160のエンジントルク・回転数演
算部162が実行する。処理147では、変速位置設定
部163が燃料消費量Qfのマップ中に、変速位置毎に
エンジントルクTen及びエンジン回転数Nenによっ
て定められるポイントをプロットして、マップの原点に
最も近いポイントの変速位置を最小燃費の変速位置とし
て、これを変速信号出力部132に出力する。そして、
処理148で、変速信号出力部132が、変速位置設定
部163で設定された変速位置を示す変速信号solを
出力する。次に、処理149で、この変速信号sol
(n)が前回の変速信号sol(n−1)と異なってい
るか否かを判断し、異なっていなければ処理151に進
み、異なっていれば処理150に進み、そこで変速ショ
ック低減制御サブルーチンを実行して、処理151に進
む。
【0114】最後に、処理151で、今回の変速信号s
ol(n)を前回の変速信号sol(n−1)として、リ
ターンされる。
【0115】次に、変速ショック低減制御の動作につい
て説明する。
【0116】シフトダウンは、図10を用いて前述した
ように、アクセル66が踏み込まれ、スロットル開度θ
が急激に大きくなる過程で実行される。このため、変速
信号は、図33に示すように、スロットル開度θが大き
くなり始めてから、ある程度時間が経過してから変化す
る。入力トルク(タービントルク)Ttは、スロットル
開度θが大きくなるに伴って、大きくなり、実際の変速
開始時t1 の近傍で一端ピーク値となり、その後、実際
の変速終了時t4 まで小さくなる。実際の変速終了時t
4 以後、入力トルクTtは、大きくなり、オーバーシュ
ートとした後、安定する。また、出力トルクToも、入
力トルクTtと同様に変化する。但し、有段式自動変速
機構30のトルク増幅作用により、出力トルクToは、
入力トルクTtも、その変化が激しい。そこで、本実施
例では、変速開始認識時点t2 から変速終了認識時点t
3 までの間の変速ショックに対してはライン圧補正制御
で対応し、変速終了認識時点t3 以降に生じる出力トル
クのオーバーシュートに対してはスロットル開度補正制
御で対応するようにしている。
【0117】シフトアップ時は、第1の実施例と同様
に、目標駆動軸トルク算出部140bで定められた目標
駆動軸トルクTtarと、実駆動軸トルク推定部139
で推定された実駆動軸トルクToとの偏差ΔTに応じ
て、ライン圧補正量ΔPLが求められ、この補正量ΔP
Lに応じて、ライン圧補正制御が実行される。但し、こ
のとき、第1の実施例と異なり、シフトアップ用目標駆
動軸トルクマップを用いて、アクセル開度α及び車速v
に応じた目標駆動軸トルクTtarを求められ、この目
標駆動軸トルクTtarが用いられる。
【0118】シフトダウン時は、シフトダウン用目標駆
動軸トルクマップを用いて、目標駆動トルクを定める。
目標駆動軸トルク算出部140bは、ここに入力する変
速信号solにより、シフトアップ用目標駆動軸トルク
マップを用いるか、シフトダウン用目標駆動軸トルクマ
ップを用いるかを定める。このシフトダウン用目標駆動
軸トルクマップは、変速信号solで示される変速位置
毎に、変速開始認識時点t2 からの時間に応じた目標駆
動軸トルク曲線を有している。変速開始認識時点t2
ら変速終了認識時点t3までの間においては、このシフ
トダウン用目標駆動軸トルクマップにより定められた目
標駆動軸トルクTtarと、実駆動軸トルク推定部13
9で推定された実駆動軸トルクToとの偏差ΔTに応じ
て、ライン圧補正量ΔPLが求められ、この補正量ΔP
Lに応じて、ライン圧補正制御が実行される。変速終了
認識時点t3 から一定期間においては、同じく、シフト
ダウン用目標駆動軸トルクマップにより定められた目標
駆動軸トルクTtarと、実駆動軸トルク推定部139
で推定された実駆動軸トルクToとの偏差ΔTに応じ
て、エンジントルク算出部150でエンジントルク補正
量ΔTe′が求められ、この補正量ΔTe′に応じて、
スロットル開度補正制御が実行される。このように、シ
フトダウン時に、変速終了認識時点t3 以後も、スロッ
トル開度補正制御を実行することにより、図39に示す
ように、前述した駆動軸トルクのオーバーシューとによ
る変速ショックを抑えることができる。
【0119】なお、本実施例において、変速開始認識時
点t2から変速終了認識時点t3までの間は、ライン圧補
正制御のみを実行しているが、スロットル開度補正制御
も合わせて実行するようにしてもよい。また、シフトダ
ウン時の変速終了認識時点t3 以後は、スロットル開度
補正制御の替わりに、エンジントルクを抑えるべく、点
火時期補正制御を実行してもよい。このように、変速シ
ョックを低減すべく、駆動軸トルクを制御する場合、駆
動軸トルクを変えることができる各種操作量を組み合わ
せて、例えば、ライン圧と点火時期,ライン圧と燃料噴
射量,ライン圧と点火時期とスロットル開度とを組み合
わせて、駆動軸トルクを制御するようにしてもよい。
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、自動変速機の変速ショ
ックを効果的に低減し、かつ変速ショックの制御性に影
響を与えることなく、制御コントローラの負荷を軽減す
ることができる。
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の制御コントローラ
の機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例のエンジン及び自動
変速装置まわりの構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の制御コントローラ
の回路ブロック図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例の変形例の制御コン
トローラの回路ブロック図である。
【図5】本発明に係る第1の実施例の他の変形例の制御
コントローラの回路ブロック図である。
【図6】本発明に係る第1の実施例の変速開始認識手順
を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る第1の実施例の変速開始認識手順
を示すフローチャートである(図6の続き)。
【図8】本発明に係る第1の実施例の変速中の制御手順
を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る第1の実施例のシフトアップ時の
タイムチャートである。
【図10】本発明に係る第1の実施例のシフトダウン時
のタイムチャートである。
【図11】本発明に係る一実施例の変速中の推定変速比
を説明するための説明図である。
【図12】本発明に係る第1の実施例の変形例の変速中
の制御手順を示すフローチャートである。
【図13】エコノミーモードとパワーモードとにおける
変速中の出力トルクとエンジン回転数とを示すグラフで
ある。
【図14】本発明に係る第1の実施例の変形例(変速終
了認識に関する変形例)の制御コントローラの機能ブロ
ック図である。
【図15】本発明に係る第1の実施例の他の変形例(変
速終了認識に関する変形例)の制御コントローラの機能
ブロック図である。
【図16】本発明に係る第2の実施例の制御コントロー
ラの機能ブロック図である。
【図17】本発明に係る第2の実施例のライン圧制御の
ための制御動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る第2の実施例の変速中のライン
圧制御動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る第2の実施例のシフトアップ時
のタイムチャートである。
【図20】本発明に係る第2の実施例のライン圧設定関
数の学習制御動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係る第2の実施例のライン圧設定関
数の学習補正を説明するための説明図である。
【図22】本発明に係る第3の実施例の制御コントロー
ラの機能ブロック図である。
【図23】本発明に係る第3の実施例のエンジントルク
算出部の機能ブロック図である。
【図24】本発明に係る第3の実施例のシフトアップ時
のタイムチャートである。
【図25】本発明に係る第3の実施例の変形例(希薄燃
焼エンジン対応)の制御コントローラの要部機能ブロッ
ク図である。
【図26】本発明に係る第3の実施例の他の変形例(希
薄燃焼エンジン対応)の制御コントローラの要部機能ブ
ロック図である。
【図27】本発明に係る第4の実施例の変速開始認識手
順を示すフローチャートである。
【図28】本発明に係る第4の実施例のシフトアップ時
のタイミングチャートである。
【図29】本発明に係る第5の実施例の変速開始認識手
順を示すフローチャートである。
【図30】本発明に係る第5の実施例のシフトアップ時
のタイミングチャートである。
【図31】本発明に係る第6の実施例の変速制御動作を
示すフローチャートである。
【図32】本発明に係る第6の実施例の変速制御動作を
示すフローチャートである(図31の続き)。
【図33】シフトアップ時の加速度等の変化を示すグラ
フである。
【図34】本発明に係る第7の実施例の変速制御動作を
示すフローチャートである。
【図35】本発明に係る第7の実施例の変速制御動作を
示すフローチャートである(図34の続き)。
【図36】本発明に係る第8の実施例の制御コントロー
ラの機能ブロック図である。
【図37】本発明に係る第8の実施例の変速位置決定部
の機能ブロック図である。
【図38】本発明に係る第8の実施例の最小燃費の変速
位置決定手順を示すフローチャートである。
【図39】本発明に係る第8の実施例のシフトダウン時
のタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン、11…点火装置、11a…イグナイ
タ、11b…ディストリビュータ、12…点火プラグ、
13…燃料噴射装置、14…燃料噴射弁、15…クラン
ク軸、16…吸気管、17…スロットルバルブ、17a
…電子スロットルバルブ、18…排気管、20…自動変
速装置、25…トルクコンバータ、26…ポンプ、27
…タービン、30…有段式自動変速機構、50…油圧制
御回路、51…油圧ポンプ、52…ライン圧制御バル
ブ、53…ロックアップ制御バルブ、54,55…変速
制御バルブ、60…プロペラシャフト、61…差動機、
62…後輪駆動軸、63…後輪、65…触媒、66…ア
クセルペダル、69…モード切替スイッチ、71…水温
センサ、72…空燃比センサ、73…エンジン回転数セ
ンサ、74…タービン回転数センサ、75…車速セン
サ、76…油圧センサ、77…油温センサ、78…アク
セル開度センサ、79…スロットル開度センサ、10
0,100a,100b,100c,100d,100
e,100f,100g,100h…制御コントローラ、1
10,110x,110y…シングルチップマイクロコ
ンピュータ、111…CPU、112…ROM、113
…RAM、114…タイマ、131…入力トルク演算
部、132…変速信号出力部、134…変速開始認識
部、135…変速中変速比推定部、136…回転比演算
部、137…回転比変化率演算部、138,138a,1
38b…変速終了認識部、139…実駆動軸トルク推定
部、140,140a,140b…目標駆動軸トルク算
出部、141…減算機、142…ライン圧補正量算出
部、143…標準ライン圧算出部、144…ライン圧算
出部、145…変速比演算部、150…エンジントルク
算出部、156…補正エンジントルク算出部、157,
157a…スロットル開度算出部、158…空燃比設定
部、159…点火時期設定部、160…変速位置決定
部、171…基準ライン圧設定部、172…ライン圧補
償部、176…経時変化補正用偏差演算部、177…ラ
イン圧偏差演算部、178…関数学習補正部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // F16H 59:14 F16H 59:14 59:70 59:70 (72)発明者 白石 隆 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (72)発明者 尾崎 直幸 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (56)参考文献 特開 平3−275950(JP,A) 特開 平4−241773(JP,A) 特開 昭62−221932(JP,A) 特開 平2−201062(JP,A) 特開 平3−163256(JP,A) 特開 昭59−34056(JP,A) 特開 平5−312259(JP,A) 特開 平2−201061(JP,A) 特開 平5−180321(JP,A) 特開 平5−164224(JP,A) 特開 平4−265472(JP,A) 特開 平5−126236(JP,A) 特開 平5−44825(JP,A) 特開 平3−168468(JP,A) 特開 平4−254223(JP,A) 特開 平4−334734(JP,A) 特開 平5−87227(JP,A) 特開 平6−87858(JP,A) 実開 昭63−45249(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28 F02D 29/00 - 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動変速機の変速中の目標出力軸トルクを
    設定し、前記目標出力軸トルクと出力軸トルクの差
    が小さくなるようにエンジンと前記自動変速機を制御す
    る自動車の制御装置であって、 前記自動変速機の変速開始後かつ変速終了前の前記実出
    力軸トルクは、前記自動変速機の入力軸トルクと、変速
    終了後の変速比とに基づいて求められる 自動車の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 自動変速機の変速中の目標出力軸トルクを
    設定し、前記目標出力軸トルクと実出力軸トルクとの差
    が小さくなるようにエンジンと前記自動変速機を制御す
    る自動車の制御装置であって、 前記自動変速機の変速開始後かつ変速終了前の前記実出
    力軸トルクは、前記自動変速機の入力軸トルクと、変速
    開始が認識されると同時に変速前の変速比レベルから変
    速後の変速比レベルまで一定の傾きの直線で立ち上がる
    近似変速比に基づいて求められる自動車の制御装置。
  3. 【請求項3】 自動変速機の変速中の目標出力軸トルクを
    設定し、前記目標出力軸トルクと実出力軸トルクとの差
    が小さくなるようにエンジンと前記自動変速機を制御す
    る自動車の制御装置であって、 前記自動変速機の変速開始後かつ変速終了前の前記実出
    力軸トルクは、前記自動変速機の入力軸トルクと、変速
    開始が認識されると同時に変速前の変速比レベルから変
    速後の変速比レベルまでステップ的に立ち上がる近似変
    速比に基づいて求められる自動車の制御装置。
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