JP3520096B2 - ビデオ表示器偏向装置 - Google Patents

ビデオ表示器偏向装置

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JP3520096B2
JP3520096B2 JP06758293A JP6758293A JP3520096B2 JP 3520096 B2 JP3520096 B2 JP 3520096B2 JP 06758293 A JP06758293 A JP 06758293A JP 6758293 A JP6758293 A JP 6758293A JP 3520096 B2 JP3520096 B2 JP 3520096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、ビデオ表示装置、特
に偏向回路のサービス調整に関するものである。 【0002】 【発明の背景】一般的には、テレビジョン受像機におけ
る垂直偏向回路の垂直鋸歯状波発生器は直流電流源によ
り充電される電流積分キャパシタを利用して、垂直同期
信号に同期した出力鋸歯状波信号のランプ・トレース部
分を発生させる。鋸歯状波信号のトレース部分は、陰極
線管(CRT)における垂直偏向を行なわせる垂直偏向
電流のトレース部分を制御する。 【0003】直流結合型垂直偏向回路では、鋸歯状波信
号が、例えば第1の抵抗回路網を介して垂直偏向増幅器
の入力に直流結合される。垂直偏向電流の大きさを示す
帰還信号が、この増幅器により生成され、第2の抵抗回
路網を介して負帰還的にこの増幅器の入力に直流結合さ
れる。 【0004】周囲の温度変化によって、抵抗回路網の抵
抗の値が変わることがある。その結果、偏向電流が変化
してしまうという欠点が生じてくる。偏向電流に対する
抵抗の温度変化に関係した変動の影響を減少させること
が望ましい。 【0005】 【発明の概要】この発明の一態様を実施したビデオ表示
偏向装置では、直流成分を有する鋸歯状波信号が抵抗回
路網の第1の入力端子に生成される。鋸歯状波信号の直
流成分のレベルとは異なるレベルを有する直流信号であ
る第2の信号が抵抗回路網の第2の入力端子に生成され
る。この鋸歯状波信号と第2の信号とに応答する偏向増
幅器が偏向巻線に結合されていて偏向電流をこの偏向巻
線に生成する直流結合型偏向回路を形成する。鋸歯状波
信号と第2の信号は抵抗回路網を介して増幅器に供給さ
れる。鋸歯状波信号の供給源と抵抗回路網の第1の複数
の抵抗を含む回路の抵抗回路網の第1の出力端子におけ
る直流のテブナン等価回路は、第2の信号の供給源と抵
抗回路網の第2の複数の抵抗を含む回路の抵抗回路網の
第2の出力端子における直流のテブナン等価回路に等し
い。第1の複数の抵抗中の各抵抗は第2の複数の抵抗中
の対応する抵抗と同じ値を有している。 【0006】 【詳細な説明】図1、図2、及び図3は、鋸歯状波発生
器100を含むこの発明のある態様を実施する垂直偏向
回路を、一部ブロック形式で示す図である。例えば、N
TSC標準によるテレビジョン信号を処理するテレビジ
ョン受像器のビデオ検波器(図示せず)等により生成さ
れる同期信号SYNCが垂直タイミング発生器10に結
合される。発生器10は、図4(a)に示されるよう
に、垂直周波数パルス信号VRESETを発生させる。
図1、図2、図3、及び図4(a)〜図4(d)におけ
る同様の記号並びに参照番号は、同様の素子や機能を示
す。 【0007】図1のパルス信号VRESETは、セット
−リセットフリップフロップ12のセット入力に供給さ
れて、このフリップフロップ12の状態を変化させる。
その結果、フリップフロップ12の出力Qは、出力制御
信号112aの前縁LEを発生する。信号VRESET
と112aの前縁はある垂直トレースの終わりで現われ
垂直リトレースを開始させる。信号112aは電流スイ
ッチ13の制御端子13aに結合される。前縁LEが生
じた直後、信号112aによって、スイッチ13が、集
積回路(IC)製造技術で製造された積分キャパシタ1
4の接続端子18aへ直流電流IDRAMPを結合す
る。 【0008】電流IDRAMPは、デジタル−アナログ
(D/A)変換器16で生成された電圧VRSLOPE
により制御される電圧−電流(V/I)変換器15で生
成される。D/A変換器16へのデジタルデータ入力は
マイクロプロセッサ17からバスBUSを介して供給さ
れる。マイクロプロセッサ17は、さらに、S字成形や
左右ひずみ修正のようなテレビジョン受像器における様
々な調整機能(図示せず)を制御するために用いること
ができる。積分キャパシタ14の第2の端子118b
は、鋸歯状波信号VRAMPが生成される増幅器18の
出力に接続されている。電流IDRAMPが、図4
(b)の鋸歯状波信号VRAMPのリトレース部分RE
TRACEを形成する。図1のキャパシタ14の端子1
8aは増幅器18の反転入力端子に接続されて電流積分
器を形成する。 【0009】図1の信号VRAMPは、さらに比較器1
9の非反転入力端子にも結合される。比較器19は、信
号VRAMPの部分RETRACE(リトレース)中
信号VRAMPのレベルを検出して、信号VRAMPの
部分RETRACEの終了時間を決める。比較器19の
反転入力端子は直流基準電圧VLOWの電圧源に接続さ
れている。基準電圧VLOWがどのようにして生成され
るかについては後述することとする。比較器19の出力
端子19aはORゲート20を介して、フリップフロッ
プ12のリセット入力Rに接続されている。 【0010】電流IDRAMPによって、信号VRAM
Pがランプ降下し、電圧VLOWに等しいレベルに達す
ると、比較器19は、出力信号を発生し、この出力信号
はフリップフロップ12の状態を変化させ、また、出力
Qに信号112aの後縁TEを発生させる。その後、電
流IDRAMPはスイッチ13によりキャパシタ14か
ら切り離される。 【0011】電流IDRAMPの大きさは、D/A変換
器16へのデジタルデータ入力の値に従ってプログラム
することができ、それによって、必要とされるリトレー
ス勾配、即ち、信号VRAMPの部分RETRACEの
長さを与えることができる。例えば、図1と同様で、切
換型垂直偏向回路(図示せず)の制御を目的としている
構成においては、V/I変換器15を図1の場合よりも
小さな電流を生じるようにプログラムすることができ
る。このようにすると、図4(b)の破線で示すよう
に、図3に示されているような非切換型垂直偏向回路を
制御するのに用いられる部分RETRACEの長さに比
較して、部分RETRACEを長くすることができる。
このように、図4(b)の信号VRAMPのリトレース
部分RETRACEは、切換型あるいは非切換型のどち
らの垂直偏向回路にも適応できるようにすることができ
る。 【0012】図1の信号VRESETのパルス幅が、信
号VRAMPの部分RETRACEの長さよりも短かけ
れば、信号VRESETの後縁のタイミングの正確さは
それほど重要ではない。このことの利点は、非標準、標
準両方の同期信号SYNCの処理に必要なタイミング発
生器10を簡素化できることである。非標準同期信号S
YNCは、例えば、静止フレームモードあるいは静止画
像モードで動作するビデオテープレコーダから供給され
る。 【0013】電流IDRAMPよりも実質的に小さい直
流電流IURAMPがV/I変換器21で生成される。
信号112aの後縁TEの発生後に、キャパシタ14の
端子18aに結合された電流IURAMPがキャパシタ
14を充電して、図4(b)の鋸歯状波信号VRAMP
のランプトレース部分TRACE(トレース)を発生さ
せる。図1のV/I変換器21の電流IURAMPの大
きさは、キャパシタ22の両端間に発生する電圧VAG
Cにより自動利得制御(AGC)帰還ループで制御され
る。電圧VAGCは変換器21を、電圧VAGCが正に
なればなるほど電流IURAMPは小さくなるように制
御する。AGCストローブ信号AGCSTRが、スイッ
チ24の制御端子24aに結合される。 【0014】信号AGCSTRは垂直トレースの終端に
近接した時点で、垂直タイミング発生器10において生
成される。信号AGCSTRは、例えば水平ビデオ線の
長さ、すなわち64マイクロ秒に等しいパルス幅を有し
ている。信号AGCSTRのパルスが発生している間、
V/I変換器23で生成された電流IOUTがスイッチ
24を介してキャパシタ22に供給される。信号AGC
STRのパルスが発生している時以外は、キャパシタ2
2はその電圧をほぼ一定レベルに維持し、サンプルアン
ドホールド動作を行なう。電流IOUTの大きさは変換
器23で制御され、信号VRAMPと後述するようにし
て生成されるある基準電圧VHIGHとの差に比例す
る。 【0015】あるトレース期間で、ストローブ信号が発
生した時に信号VRAMPの大きさが電圧VHIGHよ
りも小さい場合は、電流IOUTは正で電圧VHIGH
と信号VRAMPの差に比例した大きさとなる。正の電
流IOUTはキャパシタ22の電圧VAGCを減少させ
る。従って、次の垂直トレース期間では、以前よりも、
電流IURAMPが大きくなり、信号VRAMPの増加
率も大きくなって、前述の信号VRAMPが必要とされ
る大きさより小さくなる傾向を補正する。 【0016】逆に、信号AGCSTRのパルスが発生し
た時に、信号VRAMPの大きさが電圧VHIGHより
も大きくなった場合は、次の垂直トレース期間では電流
IURAMPは小さくなる。このように、AGC帰還ル
ープは、ストローブ信号AGCSTRが発生した時に信
号VRAMPの大きさを電圧VHIGHと同じレベルに
なるようにする。定常状態の動作において、電流IOU
Tの極性は、図4(d)に示すように、信号AGCST
Rのパルスの中心で変化する。 【0017】回路が付勢された直後に、キャパシタ22
は完全に放電される。キャパシタ22は電圧VCCに接
続されている。そのため、電源をターンオンすると、電
圧VAGCが電圧VCCと等しくなってランプ信号VR
AMPの振幅は最小または零になる。キャパシタ22が
VCCではなくアースに接続されているとすると、電源
をターンオンした時の信号VRAMPの振幅は過大にな
ってしまう。信号VRAMPの振幅が過大であると、偏
向電流の振幅が過大となってしまう。その結果、CRT
49の電子ビームがCRT49のネックに衝突してCR
T49を損傷することになる。 【0018】信号AGCSTRは、垂直トレース部分T
RACEの中心から離れた時点で、できる限り垂直トレ
ースの末端の近くで発生するようにされている。このよ
うにすると、信号VRAMPのレベルが電圧VLOWに
等しくなるように設定される時点と信号AGCSTRが
生成される時点との期間の長さが、例えば、最大可能な
長さとなる。信号VRAMPのサイクル中で、信号AG
CSTRの発生をどれだけ遅くすることができるか、そ
の上限は、信号VRAMPの垂直サイクルの最小必要長
さにより決定される。例えば、図4(c)に示すよう
に、信号112aの後縁TEから定格垂直周期Vの80
%の長さである期間Tが経過した後に、信号AGCST
Rが生じるようにすることができる。 【0019】時間CENTERは部分TRACEの中心
にある。図4(b)の時間CENTERから離れた時点
で、信号VRAMPのレベルはそのピーク値に近くな
る。従って制御精度に対してオフセット誤差が与える影
響の相対的な割合が、例えば時間CENTERで信号A
GCSTRが発生する状況と比較して減少する。その結
果、図1の信号VRAMPをより正確に制御することが
可能となる。 【0020】信号VRAMPは、図示しないが、何らか
の方法でS字成形を与えるように波形修正され、また、
例えば、垂直偏向巻線Lyに垂直偏向電流iyを発生さ
せるための垂直増幅器11aを含む図3の直流結合され
た線形垂直偏向回路11に直流結合されている。図3の
巻線LyはCRT49の垂直偏向を行なう。直流結合を
採用すると、大きな交流結合キャパシタを使用する必要
がなくなり、また、直線やS字成形が結合キャパシタ特
性によって左右されることがなくなる。 【0021】図2は、前述した図1の電圧VHIGHと
VLOWを生成し、また、後述する垂直センタリング調
整目的に使用される電圧VCENTを生成するための構
成101を示す。構成101は、7.7ボルトの電圧源
VCCに接続された端子を持つ抵抗R9を含んでいる。
抵抗R9のもう一方の端子101aは抵抗R8に接続さ
れている。抵抗R8の端子101cは、抵抗R7とR6
の直列体に接続されている。抵抗R7とR6の直列体
は、端子101cと101bの間に接続されている。抵
抗R5が端子101bとアースとの間に接続されてい
る。抵抗R11AとR10Aからなる第2の直列体が、
抵抗R7とR6の直列体と並列に、端子101bと10
1cの間に接続されている。 【0022】電圧VLOWは端子101bに生成され
る。電圧VHIGHは端子101cに生成される。ま
た、電圧VCENTは、抵抗R11AとR10Aの間に
ある端子101dに生成される。 【0023】V/I変換器52は、図1のマイクロプロ
セッサ17からバスBUSと、D/A変換器53を介し
て受け取った入力データにより制御され、図2の直流電
流ICENTERを生成する。電流ICENTERは抵
抗R6とR7との接続点に供給される。電流ICENT
ERは、垂直センタリングを調整するために、電圧VL
OWとVHIGHを調整することによって信号VRAM
Pの平均値の調整を行なう。信号VRAMPの平均値は
正規には、電圧VCCの2分の1の値に等しい。信号V
RAMPは図3の巻線Lyに直流結合されているため、
信号VRAMPの平均値が変化すると、その変化に対応
する変化が電子ビームのセンタリングに生じる。 【0024】図2のV/I変換器50は、図1のマイク
ロプロセッサ17からバスBUSと図2のD/A変換器
51を介して受け取った入力データによって制御され
て、ダイオード形に接続されたトランジスタQ1のベー
スとコレクタの両方に供給される図2の直流電流IHE
IGHTを発生する。トランジスタQ1のベースとコレ
クタは、トランジスタQ3のベースに接続されて、電流
IHEIGHTに等しいトランジスタQ3のコレクタ電
流を制御する。トランジスタQ3のコレクタは、抵抗R
5とR6の間の端子101bに接続されている。トラン
ジスタQ4のコレクタとベースの両電極は相互接続され
てダイオード形式とされており、またトランジスタQ3
のエミッタにも接続されてこのトランジスタQ3の電流
を供給する。トランジスタQ4のエミッタは抵抗R2を
介して端子101aに接続されている。トランジスタQ
2のベースはトランジスタQ4のベースとコレクタとに
接続されている。トランジスタQ2のエミッタは抵抗R
1を介して端子101aに接続されている。トランジス
タQ2のコレクタは、トランジスタQ1のエミッタに結
合されており、トランジスタQ1のコレクタ電流を供給
する。 【0025】トランジスタQ1、Q2、Q3、及びQ4
は温度補償された電流ミラー回路構成を形成している。
抵抗R1とR2をそれぞれ流れるトランジスタQ2とQ
4のエミッタ電流の和は、端子101aを介して供給さ
れ、電流IHEIGHTの値の2倍に等しい。端子10
1bに供給されるトランジスタQ3のコレクタ電流は、
電流IHEIGHTに等しい。 【0026】電流IHEIGHTのレベルは、電圧VH
IGHとVLOWのレベルを設定することによって制御
されて、図1の信号VRAMPの所要のピーク−ピーク
振幅を設定する。電流IHEIGHTを調整すると、電
圧VHIGHとVLOWが互いに逆方向に変化する。 【0027】電流IHEIGHTが変化すると信号VR
AMPのピーク−ピーク振幅が変化し、垂直センタリン
グに影響を与えることなく垂直高さの調整を行なうこと
ができる。例えば、図2の電流IHEIGHTが増加す
ると、電圧VHIGHは減少し、電圧VLOWは増加す
るが、電圧VRAMPの平均値と電圧VCENTのレベ
ルは電流IHEIGHT増加による影響は受けない。こ
の有利な特徴は、端子101aと101bに供給され、
トランジスタQ1、Q2、Q3、Q4によって生成され
る電流の値と、構成101中の抵抗の値を適切に選択す
ることにより得られる。 【0028】電流ICENTERのレベルは電圧VLO
WとVHIGHが同じ方向に変化するようにバスBUS
を介して制御される。例えば、サービスラスタセンタリ
ング調整のために電流ICENTERを増加させると、
電圧VHIGHとVLOWのそれぞれが減少する。 【0029】構成101における抵抗の値は、さらに、
図2の電流ICENTERの調整後も図1の信号VRA
MPのピーク−ピーク振幅がほぼ同じになるように選択
される。その結果、垂直センタリングの調整が垂直高さ
に影響しない。信号VRAMPの平均値は互いに独立し
て調整できる。 【0030】図3の偏向回路11においては、偏向巻線
Lyが偏向電流サンプリング抵抗R80と直列に接続さ
れて、増幅器11aの出力端子11bと電源デカップル
用キャパシタC6の接続端子11cとの間に接続された
直列体を構成する。抵抗R70が例えば+12ボルト
の、供給電圧V+を端子11cに接続する。巻線Lyと
抵抗R80の間に接続された接続端子11dが帰還抵抗
R60を介して増幅器11aの反転入力端子に接続され
ている。抵抗R80の端子11cは、抵抗R30を介し
て、増幅器11aの非反転入力端子に接続されている。
このようにして、抵抗R80の両端間に発生する負帰還
電圧が増幅器11aの入力端子に加えられる。増幅器1
1aを制御する鋸歯状波信号VRAMPは抵抗R40と
R50の並列体を介して増幅器11aの反転入力端子に
供給される。電圧VCCは抵抗R10を介して増幅器1
1aの非反転入力端子に供給される。抵抗R20が、増
幅器11aの非反転入力端子とアースの間に接続されて
いる。 【0031】抵抗R10、R20、R30、R40、R
50、及びR60は、例えば、共通の基板上に形成し
て、温度トラッキングが緊密になるように単一の抵抗回
路網パッケージとすることができる。抵抗R10、R2
0、R30、R40、R50、R60の各々は、例え
ば、0.5%の公差がある。抵抗R10、R20、R3
0は、電圧VCCと端子11cに発生する電圧を増幅器
11aの非反転入力端子に結合する抵抗回路網の第1の
部分を形成する。抵抗R40、R50、R60は、信号
VRAMPと端子11dにおける偏向電流を表わす帰還
信号を増幅器11aの反転入力端子に供給する抵抗回路
網の第2の部分を形成する。 【0032】図2の構成101における各要素の値は、
図3の信号VRAMPの平均値が通常、電圧VCCの2
分の1に等しくなるように選択される。信号VRAMP
のレベルが電圧VCCの2分の1に等しい時に、端子1
1dと11cにおける電圧が等しくなると仮定する。従
って、増幅器11aの反転入力端子に関して、信号VR
AMPと抵抗R40、R50、R60を含む回路部分の
テブナンの定理により求められた等価回路と、増幅器1
1aの非反転入力端子に関して、電圧VCCと抵抗R1
0、R20、R30を含む回路部分のテブナンの定理に
よる等価回路とが等しくなる。従って、その平均値、あ
るいは電圧VCCの2分の1に等しい信号VRAMP
が、正規には零か零に近い偏向電流iyを発生させる。
信号VRAMPは、ほぼ対称的な負及び正のピーク振幅
を有する電流iyを発生させる。 【0033】この発明の一態様によれば、増幅器11a
の非反転入力端子に関するテブナン等価回路に対するR
10、R20、R30の各抵抗の関与は、反転入力端子
に関するテブナン等価回路に対する抵抗R40、R5
0、R60の関与と同じである。このようになるのは、
抵抗対(R10、R40)、(R20、R50)、(R
30、R60)の各々における抵抗が等しい値であるか
らである。各対内の抵抗が等しいことにより、その抵抗
値が等しくない場合に比べると緊密で良好な整合及び温
度トラッキング特性が得られるという利点がある。温度
トラッキングがそのように緊密になるのは、製造過程に
おいて、抵抗が等しい値であるときに50ppm/℃と
いうような温度トラッキング係数の近似した1対の別々
の抵抗を形成することがより容易であるためである。信
号VRAMPの平均値を電圧VCCの2分の1に等しく
設定すれば、抵抗R10とR40の対を等しい値の抵抗
で形成することができ、また、抵抗R20とR50の対
も等しい値の抵抗で形成することができる。 【0034】各対の抵抗が互いに等しいという利点があ
るため、電流iyによりキャパシタC6の端子11cに
現われる垂直周波数のパラボラ電圧に対する共通モード
排除、供給電圧V+の変化に対する共通モード排除、並
びに供給電圧VCCに対する共通モード排除がより大き
くなり、同時に、その温度依存性が小さくなる。従っ
て、偏向電流iyの歪と直流電流ドリフトが、例えば、
0℃〜40℃というような全動作温度範囲内で減少する
という利点が得られる。例えば、温度変化による電圧V
CCの変化は、増幅器11aの反転入力端子に結合され
る信号VRAMPの平均値と増幅器11aの非反転入力
端子に結合される直流電圧VCCの部分の両方を同方向
にほぼ同じ量だけ変化させる。従って、直流センタリン
グが電圧VCCの変化にあまり影響を受けないという利
点が得られる。 【0035】テレビジョン受像器の現場での調整や工場
での調整のためには、垂直ラスタを崩壊させて、図3の
CRT49の電子ビームを表示スクリーンの垂直中心か
その近くに設定したい場合がある。 【0036】図1の信号SERVICEは、マイクロプ
ロセッサ17で生成された入力データからバスインタフ
ェースユニット30で生成され、サービスモード動作時
に、ORゲート20を介してフリップフロップ12のリ
セット入力Rへ結合される。その結果、電流IDRAM
Pはキャパシタ14には供給されない。代わりに、スイ
ッチ31の制御端子31aに結合された信号SERVI
CEによって、スイッチ31が、V/I変換器32で生
成された電流ISERVをキャパシタ14の端子18a
に結合する。V/I変換器32は電流ISERVを、信
号VRAMPと前述したようにして生成される直流電圧
VCENTとの差に比例した大きさで発生させる。V/
I変換器32を介した負帰還の結果として、信号VRA
MPは、信号SERVICEが生成された時、電圧VC
ENTに等しい一定のレベルに設定される。電圧VCE
NTのレベルの信号VRAMPは、CRT49のスクリ
ーンの垂直中心で垂直ラスタを崩壊させる小さな値また
は零の値の直流電流iy(図3)を発生させる。従っ
て、水平偏向回路(図示せず)による水平走査がCRT
49の表示スクリーンの垂直中心で連続的に起こる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の態様を実施した垂直偏向回路の一部
の回路図である。 【図2】この発明の一態様を実施した垂直偏向回路の他
の一部の回路図である。 【図3】この発明の一態様を実施する垂直偏向回路のさ
らに別の一部の回路図である。 【図4】図1〜図3の構成の理想的な波形を示す波形図
である。 【符号の説明】 49 陰極線管(CRT) Ly 偏向巻線 11a 偏向増幅器 R10 抵抗回路網を構成する抵抗 R20 抵抗回路網を構成する抵抗 R30 抵抗回路網を構成する抵抗 R40 抵抗回路網を構成する抵抗 R50 抵抗回路網を構成する抵抗 R60 抵抗回路網を構成する抵抗 VRAMP 鋸歯状波信号 VCC 第2の信号
フロントページの続き (72)発明者 ジエームズ アルバート ウイルバー アメリカ合衆国 インデイアナ州 46219 インデイアナポリス ノース・ アーリントン・アベニユ 931 (72)発明者 カルル ルードルフ コブリツツ フランス国 38240 ムイラン シユマ ン・ド・ブリビエル 24 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 3/16 - 3/34

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 陰極線管と、 上記陰極線管のネックに取り付けられた偏向巻線と、第1の 抵抗回路網と、 直流成分を有する鋸歯状波信号の供給源と、を具え、 上記鋸歯状波信号は上記第1の抵抗回路網の入力端子に
    供給されるものであり、 さらに、 上記直流成分のレベルとは異なるレベルを有す
    直流の別の信号の供給源を具え、 上記直流の別の信号は第2の抵抗回路網の入力端子に供
    給されるものであり、 さらに、 上記鋸歯状波信号と上記別の信号とに応答し、
    上記偏向巻線に結合されていて、上記偏向巻線に偏向電
    流を生成する直流結合型偏向回路を形成する偏向増幅器
    を具え、 上記鋸歯状波信号は上記第1の抵抗回路網を介して上記
    増幅器に結合され、上記別の信号は上記第2の抵抗回路
    網を介して上記増幅器に結合され、 上記第1の抵抗回路網中の各抵抗は上記第2の抵抗回路
    網中の対応する抵抗と同じ値を有するものである、 ビデ
    オ表示器偏向装置。
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