JP3518657B2 - 板状ガラスの応力拡大係数の測定方法およびその装置 - Google Patents

板状ガラスの応力拡大係数の測定方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は板状ガラスの応力拡
大係数の測定方法および測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスの強度は測定方法にもよるが、一
般的にばらつきが大きく、しかも理論強度に比較して1
/20〜1/100の範囲となる。
【0003】この現象を説明するために、Griffi
thは、ガラスには外部からの応力を著しく集中させる
ような大小の欠陥が(Griffith flaw)が
存在しており、見かけの応力は小さくとも、欠陥の先端
には原子間の結合力に打ち勝つだけの応力がかかること
によってガラスの破壊が低応力下でおこると仮定した。
【0004】Griffithによれば、ガラスの破壊
強度は解放される弾性エネルギーと新しい表面を作るに
要するエネルギーのつりあいから、 σf=(2E・γs/πc)1/2 として求められる。ここで、σfは破壊強度、Eは縦弾
性係数、γsは表面エネルギー、cは割れ目の深さであ
る実際に使用されるガラスは製造工程から使用に供され
るまでの間、他の物体との接触が避けられず、結果とし
てガラス表面には大小の割れ目が発生している。
【0005】このように、実用強度は局所的破壊により
発生した割れ目の成長によって決まるものであり付加応
力はそれらの割れ目を全体的な破壊まで進展させるに過
ぎない。
【0006】すなわち、ガラスの強度は測定試料が製造
されてから測定されるまでいかなる表面損傷を受けたか
で決まることが多く、同じ組成のガラスであってもその
履歴によって測定強度が異なるため、材料固有の強度と
は判断しにくい面がある。
【0007】ガラス試料の表面に予め標準化された再現
性のある割れ目をつけ、この割れ目から破壊するように
して強度を測定するようにした加傷強度が実用強度と対
応させた形で評価されることもあるが、ガラス表面に付
与される割れ目の大きさを厳密に管理することは極めて
難しく、強度の差異を厳密に検討できるとは言い難い。
例えば、Irwinらは割れ目先端付近の応力場の強
さを表す量として、割れ目先端付近の応力場が臨界値に
達したときに破壊が起こるとして応力拡大係数K1cの
概念を導入した。一般に、臨界応力拡大係数をK1cと
すると K1c=α・W/a3/2 で表される。ここで、αは係数、Wは負荷荷重、aはク
ラックの長さである。この式については多くの研究者に
より詳細に検討されており、縦弾性係数や硬度など種々
のパラメータが入った式として提案されているが、その
基本は上式の形である。
【0008】この応力拡大係数の概念は、ガラスの破壊
開始の条件を与えるとともに、破壊に対する抵抗の度合
を示す尺度としても実用的であり、当業者の間では広く
使用されている。
【0009】この応力拡大係数については、これまでい
くつかの測定方法やそれに基づく種々の解析式が提案さ
れている。板状ガラスの場合、ビッカース硬度計を使っ
た方法がよく使われている。これはビッカース硬度計に
よって圧痕を板状ガラスに付与し、そのとき生じたヘア
クラックの長さから応力拡大係数を推定する方法である
が、これまでは大気下で測定されるものが一般的であっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での大気下での測定では、その測定結果がばらつくこと
がわかり、発明者は測定上のばらつきの原因が測定空間
の湿度と関係があることを考察し、本発明をなしたもの
であり、ばらつきを低減し、正確な応力拡大係数を測定
する方法とその装置を提供とすることを目的とする。
【0011】大気下で測定すると、後述するようにヘア
クラックの長さのばらつきが大きく、したがって応力拡
大係数の値も誤差が大きくなることを本発明者は見いだ
して本発明をなしたものであり、ばらつきが小さく、応
力拡大係数を正確に測定する方法と測定する装置を提供
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の測定方法は、ビ
ッカース硬度計の四角錐圧子を用いて板状ガラスに窪み
ができる程度に加重を加え、該窪みあるいは窪みの稜線
から延びるクラックの長さを測定し、板状ガラスの応力
拡大係数を測定する方法において、測定する空間の湿度
が10%以下、好ましくは5%以下となるように調湿し
たことを特徴とするものである。
【0013】具体的に測定する装置は、ビッカース硬度
計の板状ガラスが載置される空間部を透明な材料で覆
い、該空間部を湿度が10%以下、好ましくは5%以下
となるようにすればよい。
【0014】このように、測定空間の湿度を10%以下
にすると、応力腐食機構が水分によって拡大せず、ヘア
クラックの伸展が抑制されることによってヘアクラック
の長さがばらつきが小さくなり、応力拡大係数そのもの
も正確に測定することができるものと推定される。
【0015】
【発明の実施の形態】被測定対象物は、フロート法によ
り製板された普通の透明板ガラスは勿論、熱線吸収板ガ
ラス、熱線反射板ガラス、線入り板ガラス、網入り板ガ
ラス、型板ガラス、強化ガラスなど各種の板ガラスの
他、板状のすべてのガラスを対象することができる。
【0016】ビッカース硬度計の板状ガラスが載置され
る空間部を湿度10%以下にするには、部屋全体の湿度
を10%以下にしても勿論よいが、莫大な調湿装置が必
要であり、多大な費用も必要となる。また、測定者の測
定環境を考えれば、湿度が低すぎて長時間の測定では問
題もでてくる。それよりも、板状ガラスが載置される最
小の空間のみ、すなわちビッカース硬度計の装置の最小
空間のみを湿度が10%以下、好ましくは5%以下とな
るようにすればよい。
【0017】具体的には測定する装置、すなわちビッカ
ース硬度計の板状ガラスが載置される空間部を透明な材
料で覆い、該空間部を湿度が10%以下となるようにす
ればよい。
【0018】透明な材料は、ビッカース硬度計が四角錐
圧子と対物レンズを手動で動かすタイプの場合には、調
湿した状態で透明な材料の外から四角錐圧子と対物レン
ズを回転させる必要があるので、柔軟なビニールなどの
樹脂シートを使用する必要があるが、リモートコントロ
ールにより四角錐圧子と対物レンズを移動できるタイプ
の場合には、柔軟性は必要なく、剛性の透明樹脂板など
により覆うこともできる。
【0019】該空間部の湿度を10%以下、好ましくは
5%以下とするためには、調湿の時間が若干かかるがシ
リカゲルなどの乾燥剤を配置する方式は、簡単な装置で
調湿できるので好ましい。
【0020】その他該空間部の空気を乾燥空気または不
活性ガスにより置換させて該空間部の湿度が10%以
下、好ましくは5%以下になるようにしてもよい。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に
説明する。図1はビッカース硬度計を示す要部概略図で
あり、枠1に、四角錐(ビッカース)圧子2、対物レン
ズ3、接眼レンズ4、電子式計測顕微鏡5、精密バイス
6、昇降装置7、図示はしていない荷重付与機構などが
組み込まれており、フロート板ガラスなどの板状ガラス
Gをステージに載置して板状ガラスに四角錐圧子を介し
て荷重をかけヘアクラックが発生したときのその長さを
測定し、応力拡大係数を求める。
【0022】本発明では、まず、柔らかいビニールなど
の透明な材料によりコ字形状の枠1によって形成される
容積が約400cm3の測定空間部分を被覆、密閉し
て、比較的編み目の大きな袋に充填した約80gのシリ
カゲルを該測定空間に配置する。
【0023】1時間ほど経過すると測定空間部の湿度が
ほぼ5%以下に下がるので、その状態で、対物レンズを
四角錐圧子とともに、、手動式の場合にはシートの外か
ら圧痕が付与される位置に回転させて、対象物である板
状ガラスの上部表面に焦点合わせる。
【0024】次いで四角錐圧子と対物レンズを回転さ
せ、対物レンズを圧痕付与位置から回避させ、四角錐圧
子を圧痕付与位置の上部に移動させて、四角錐圧子から
板状ガラスに荷重をかけ、圧痕を板状ガラスに付与す
る。
【0025】付与後、圧子は昇降機構により直ちに引き
上げる。引き上げた後、圧痕からヘアクラックが伸展す
るが、例えば1時間ほどその状態を持続させヘアクラッ
クのの伸展が安定するのを待って、四角錐圧子と対物レ
ンズを回転させて、対物レンズを圧痕付与位置の直上に
移動させて、ヘアクラックの長さを測定する。
【0026】このような手順により、サンプルとして3
mm厚さのフロート板ガラスを用意して、荷重を300
g付与し、ヘアクラックの長さaを10回測定して応力
拡大係数K1cを求めたところ、表1に示すような結果
が得られた。
【0027】 なお、応力拡大係数の単位は×105N/m3/2である。
【0028】この結果から、K1cの標準偏差は0.0
26×105N/m3/2、その値の幅も0.08×105
N/m3/2となり、ばらつきが後述する比較例と比べ、
格段に小さく、従来よりも正確に測定されていることが
わかる。
【0029】比較例 ビニールシートなどによりビッカース硬度計を被覆せ
ず、すなわち測定空間を大気の湿度と同じ条件(相対湿
度:約60%)の場合に実施例1と同様の測定を行っ
た。
【0030】その結果は表2に示すようになり、K1c
の標準偏差は0.048×105N/m3/2、その値の幅
も0.14×105N/m3/2となり、実施例と比較し
て、大きなばらつきであった。
【0031】
【0032】
【発明の効果】従来、ばらつきが大きく、正確な測定を
することが困難であった応力拡大係数を本発明によれ
ば、ばらつきが小さく、しかも正確に測定することがで
きるものであり、しかも簡単な装置で測定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビッカース硬度計を示す要部概略図で
ある。
【符号の説明】 1 枠 2 四角錐(ビッカース)圧子 3 対物レン 4 接眼レンズ 5 電子式計測顕微鏡 6 精密バイス 7 昇降装置 8 透明な材料 G 板状ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−267736(JP,A) 特開 平6−201551(JP,A) 特開 平8−86731(JP,A) 特開 平8−278241(JP,A) 特開 平8−178816(JP,A) 特開 平7−225180(JP,A) 特開 平3−144343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/42 G01L 1/00 G01N 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビッカース硬度計の四角錐(ビッカース)
    圧子を用いて板状ガラスに窪みができる程度に加重を加
    え、該窪みあるいは窪みの稜線から延びるクラックの長
    さを測定し、板状ガラスの応力拡大係数を測定する方法
    において、測定する空間の湿度が10%以下となるよう
    に調湿したことを特徴とする板状ガラスの応力拡大係数
    の測定方法。
  2. 【請求項2】ビッカース硬度計の四角錐圧子を用いて板
    状ガラスに窪みができる程度に加重を加え、該窪みある
    いは窪みの稜線から延びるクラックの長さを測定し、板
    状ガラスの応力拡大係数を測定する装置において、ビッ
    カース硬度計の板状ガラスが載置される空間部を透明な
    材料で覆い、該空間部の湿度を10%以下となるように
    したことを特徴とする板状ガラスの応力拡大係数の測定
    装置。
  3. 【請求項3】該空間部に乾燥剤を配置して該空間部の湿
    度が10%以下となるようにしたことを特徴とする請求
    項2記載の板状ガラスの応力拡大係数の測定装置。
  4. 【請求項4】該空間部の空気を乾燥空気または不活性ガ
    スにより置換させて該空間部の湿度が10%以下になる
    ようにしたことを特徴とする請求項2記載の板状ガラス
    の応力拡大係数の測定装置。
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