JPH0670604B2 - 脆性材料の破壊力学的疲労試験方法および装置 - Google Patents

脆性材料の破壊力学的疲労試験方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明はセラミックス、サーメット等の高脆性高硬度
材料の破壊力学的疲労試験及びそのための装置に関する
ものである。
「従来の技術」 高温、耐摩耗、耐蝕などを必要とする苛酷な条件下では
従来その脆性のため強度部材としての使用を避けてきた
セラミックス、サーメット等の脆性材料を必要且つ十分
な信頼性を確保して使用することが強く望まれている。
しかしこれらの材料は多くの場合、硬度、圧縮降伏点、
圧縮強度は高いが破壊靭性値が非常に小さい(通常金属
より1桁以上小さい)ため、引張強度は静疲労、繰返し
疲労とも十分ではなく、しかも非破壊検査の検出限界以
下の小さな初期欠陥もそれに影響を与えるので、そのバ
ラツキも大きい。従って十分な信頼性を得るためには例
えばオーバースピンテスト等の全数プルーフ負荷試験が
必要となり、その場合の強度設計には使用環境条件下で
のプルーフ負荷を含む全実働荷重に対する寿命推定が必
要となる。
そしてこれに不可欠な静疲労、繰返し疲労特性を得るに
も通常の疲労寿命試験ではバラツキにより多数の試験片
を用いての試験結果に統計的処理を行う必要があり容易
ではない。しかもこれらの寿命のバラツキの主な要因が
初期欠陥のバラツキによることは一定のビッカース圧痕
をつけた試験片を用いるとバラツキが減少することから
も容易に推測できる。そこでこれらの要因を切り離して
先ずき裂進展寿命を別に調べること、すなわちき裂の進
展挙動を計測してその特性を明らかにする破壊力学的静
疲労、繰返し疲労試験が必要となる。
脆性高硬度材料の破壊力学的繰返し疲労、静疲労試験法
としては、先ずダブルトーション(以下WTという)試験
片に荷重点変位を制御して負荷を加え、き裂の進展長さ
を荷重点の全変位と負荷から求めたコンプライアンスの
変化で推定するWT試験法がある。これは片側の辺に予き
裂を与えた矩形平板の試験片を板面に直角方向に曲げモ
ーメントを負荷してき裂進展を計測する方法である。こ
の方法は試験片のコンプライアンスが大きく、き裂の安
定成長が容易なので比較的古くからセラミックスの定常
もしくは準定常状態での静疲労試験法として用いられて
きた。しかしき裂の前縁の形状が曲線となり、前縁に沿
った条件が一様でないので計測結果の正確な解析がむつ
かしく、特にき裂開閉口挙動など負荷条件の変動にとも
なう過渡現象が含まれる場合は解析が困難となる。従っ
て定常もしくは準定常状態での静疲労試験以外の一般的
な繰返し疲労を含む試験に用いることは困難である。
近年電気油圧サーボ試験機の制御性能が向上したので、
例えば岸本秀弘、他による「材料」(材料学会誌)第36
巻(1987)1122〜1127頁にあるようなコンパクトテンシ
ョン(以下CTと云う)試験、において負荷を荷重点間の
相対変位が所定の波形になるように制御するいわゆる変
位制御により得られるき裂の安定条件下でのセラミック
スの破壊力学的疲労試験、或いは田中道七、他による
「材料」第38巻(1988)137〜143頁にあるように片側に
予き裂を有するスパンの短い四点曲げ試験(以下SENBと
云う)等セラミックスの破壊力学的繰返し疲労試験が二
三進められている。しかしき裂の進展量の計測に除荷弾
性コンプライアンス法を用いているものはなく、移動顕
微鏡による目視などによるものであり、特に高温での試
験はまだ成功していない。
また例えばJ.R.Brockenbrough氏他(J.Mech.Phys.Solid
s.Vol.35,No.6(1987),pp.721−742にあるように予き
裂を持つセラミックスの圧縮繰り返し荷重によるき裂進
展の研究があるが、これは圧縮降伏点もしくはクリープ
限を越える高いレベルの圧縮負荷による全断面降伏ある
いはクリープによってき裂先端に発生する引張残留応力
でき裂が進展する現象を対象とするものであり、本発明
とは課題を異にするものである。
「発明が解決しようとする課題」 破壊力学は物体に割れが発生し、それが伝播して破壊に
到る過程を取り扱うものである。その時き裂先端の応力
拡大係数K値(Stress Intensity Factor)、き裂先
端の応力程度を示す量で、 σ=き裂が無い時の公称応力 c=き裂長さ f=試料の形、き裂長さと試験片の幅との比等で決定さ
れる係数 をパラメーターとしてき裂進展速度等を評価する。K値
がある臨界値K1c(破壊靭性値)を越える、すなわちK
≧K1cとなるとき裂が急速に進展して殆ど瞬時に破壊す
る。しかし実際にはK<K1cでも繰り返し荷重(繰返し
疲労現象)を負荷したり、長時間ある荷重(静疲労現
象)を負荷するとき裂は徐々に進展する。このようにK
なる尺度を用いてき裂進展挙動を定量的に明確にするこ
とが破壊力学の目的である。
ところでセラミックス等の脆性高硬度材料の破壊力学的
疲労試験、特にこれを高温で行う場合には次のような課
題がある。
(1)金属材料(靭性材料)では通常き裂進展寿命(疲労
寿命)が問題となる応力拡大係数K値の領域(試験領
域)は破壊靭性値K1cよりはるかに低い範囲であり、且
つ繰り返し数依存性のいわゆる繰返し疲労が主として支
配する領域であるので、一般の試験条件でもき裂は安定
に成長し、き裂を計測する破壊力学的疲労試験はどのよ
うな方法によっても比較的に容易である。
しかしセラミックス等の脆性材料ではK1cは低く、また
K値がK1cに近くならないと繰返し荷重の場合でもしば
しばき裂の進展が起こらない。従ってK値の試験領域は
その最大値KmaxをK1cに近くする必要があり、また材
料、温度、環境等の試験条件によって異なり現在必ずし
も明らかになっていないが、き裂進展はKmax依存性、
時間依存性のいわゆる静疲労により支配される部分が、
繰り返し数依存性、応力拡大係数レンジ(変動巾)ΔK
依存性の繰返し疲労に支配される部分より大きい。従っ
てき裂の進展にともなってK値が増加するような静的不
安定な試験条件では、特にKmaxがK1cに近い場合、き
裂の進展が一定荷重下でも加速して、しばしば短時間で
破断に到りき裂の進展を計測することは困難となる。従
ってき裂進展に伴ってK値が大きくなるような荷重の負
荷方式では安定して試験をすることができない。
(2)セラミックスなどの焼結後の仕上げ加工はダイヤモ
ンド砥石などによる研磨によらざるを得ないので形状に
制約があると共に形状が複雑となる高コストとなる。ま
た引張強度が低いので引張応力の集中を避ける必要があ
り試験片の形状は簡単でなければならない。
(3)セラミックス等の場合はその材料の耐熱性を利用す
る場合が多いので高温領域での試験が重要となる。1000
℃を越える高温領域の試験をする場合に電気炉による加
熱方式をとると加熱範囲を試験断面部分に局限すること
は困難で試験片のみならず試験片を掴むチャック部、計
測のための検出点からの引き出し部も高温となり。これ
らもセラミックス製とする必要がある。このため従来の
三点、四点曲げ、引張試験など小型試験片の静的試験で
も治具等が非常に高コストとなり、試験片の破断時に破
損することもしばしばであり、設計が容易でなく、試験
断面の大きさがある程度必要で繰返し荷重の負荷を行う
破壊力学的疲労試験の場合は到底困難である。
(4)高温領域のき裂進展量の計測が困難である。室温あ
るいは中高温ではき裂進展を顕微鏡で観察することがで
き、これを移動顕微鏡で計測することは通常おこなわれ
ており、画像処理により自動追尾して計測する方法も開
発されている。しかし1000℃以上の温度では幅射光が強
く観察が困難になり、かげろうによるゆらぎも大きく、
光学的にはレーザー光や高温用光ファイバーを使うなど
何らかの特殊な方法によらなければ困難である。
以上に説明したように塑性変形が殆だ無いセラミックス
等の脆性材料の場合には、単に予き裂をもうけた試験片
に引張荷重或いは曲げ荷重によってき裂先端に引張応力
を生じさせるようにすると亀裂の進展に従い応力拡大係
数Kが急激に大きくなる状態となり、速やかにき裂が拡
大し破断してしまうので、従来のような負荷方法による
疲労試験ではき裂進展を定量的に計測する破壊力学的な
疲労試験は不可能であった。
「課題を解決するための手段」 本発明者等は、予き裂を有する長方形状の試験片に予き
裂と反対側に偏心した圧縮荷重を加えると予き裂の先端
には引張(+)の公称応力が掛かるが、き裂が反対側
(荷重点側)に進展してき裂先端が荷重の作用線に近づ
くと公称応力は引張応力(+)から圧縮反応(−)に変
化し、従って応力拡大係数Kは負(−)となるのでき裂
の進展が停止すること、そしてこの方法による適当な負
荷位置を選べばき裂進展が安定になる十分な領域が得ら
れることに着目した。
一方き裂を目視することによりき裂進展量を測定するこ
とは高温の場合困難であるが、これに対し試験片の両端
部の相対変位と荷重とのヒステリシスを計測して除荷弾
性コンプライアンス法(ヒステリシスの除荷直線部分の
コンプライアンスの変化からき裂進展量を計測する)に
より外部から精密な測定が可能である。本発明者らは前
記の両方の知識に着目して本発明をなしたものである。
この発明は、脆性材料の破壊力学的疲労試験において、
第1図(a)に示すように、幅W、長さLの長方形で片側
の辺に長さaの予き裂(4)を入れた試験片(1)に試験断面
の中心を通る中心軸に平行で予き裂の反対側に偏心した
作用線(予き裂の反対側の辺から予亀裂の側へeの距
離)に圧縮(−、負)荷重Pを負荷し、該負荷よりき裂
先端Aに引張(+、正)の応力拡大係数Kを生ぜしめて
き裂の進展挙動を計測する脆性材料の破壊力学的疲労試
験方法である。
この圧縮荷重は繰り返し片振圧縮荷重を主とするが、部
分片振り、静圧縮荷重等をも含むものであり、また、第
1図(b)に示すように、試験片(1)の両端部を背面側(予
き裂の反対側)に張り出して負荷の安定を図ること、こ
の場合に荷重の作用線を試験断面の外側(e<0)と
すること、をも含むものである。
さらに前記の単なる荷重制御の他に、所定の波形に負
荷、荷重点間の相対変位を制御する場合、試験片の両端
面間の傾斜角を制御する場合及びこれらを或る割合で加
(減)算した量を制御する場合を含み、或いは、第1図
(c)、第1図(d)のように、片振圧縮荷重Pとともに予き
裂側に偏心した作用線上に一定の副圧縮静荷重Q、もし
くはこれを2分割したQ1,Q2を加えることによりき裂先
端に一定の負の応力拡大係数−K0を生じさせて重畳し、
応力拡大係数(K−K0)の部分両振、または両振とする
場合をも含むものである。
また前記方法による試験において試験片両端部から外部
に伝達された変位計測値から除荷弾性コンプライアンス
法により目視によらずにき裂進展量、き裂開閉口挙動を
計測する試験方法を含み、試験片の長さ/幅、(L/
W)を2以上の長い試験片を用いることによって高温で
の試験を可能とすること、及びコンピューターを用いて
前記の各種計測、制御を自動的に行う方法を含むもので
ある。
またセラミックス等脆性材料では試験領域のK値が金属
に比し1桁低く、除荷弾性コンプライアンス法で計測す
る歪み或いは変形量が小さいので計測のS/N比を高
め、高精度化することを必要とし、またda/dn(負荷cy
cle毎のき裂進展量)−K曲線の傾斜が金属よりはるか
に急で試験中にも所要の計測精度が大きく変化する。そ
こで今までは繰返し荷重の場合に所要のサンプリング間
隔として一定のサイクル数(例えば100サイクル)を定
めて荷重−変形ヒステリシスを荷重周期に同期して計測
し、同一位相の計測値をオンラインに加算、平均化して
ノイズを除去しS/N比を高めると共に記憶すべき情報
量の圧縮を行って高精度化を図る手法が用いられてきた
が、最近のパーソナルコンピューター、AD及びDA変換器
の性能の向上を利用して、試験期間中計測を連続して行
い、性能の許す限りできるだけ多量の情報を取り込み、
オンラインに計測値のバラツキを概算して、その時点で
のヒステリシスの変化がほぼ有意となる最適な加算期間
を定め、加算平均化によるノイズの除去と情報量の圧縮
を行うオンラインの最適高精度化処理による計測方法を
含むものである。
以下発明方法の原理を説明する。
第1図(a)に示すような長方形で、長さL、厚さBmmで、
幅Wmmで片側に深さammのき裂のある物体(試験片)にお
いて、上下の端面のき裂の反対側の片からき裂側へe
mm(DPE=e/Wの着力点に偏心圧縮荷重P(−)を
掛けるとき裂先端には試験片断面平均の圧縮応力と曲げ
モーメントによる引張応力を合成した引張(+)の公称
応力が掛かることとなり正の応力拡大係数K(+)が生
ずる。この場合の応力拡大係数Kとき裂深さの関係をシ
ミュレーションした。
シミュレーションでは幅W=20mm、厚さB=10mm、長さ
Lmmで片側にき裂が入った縦弾性係数E=2.0×105MPaの
長方形の試験片において、端面の器裂の反対側からき裂
側へ向かってemm(DEP=e/W)の着力点に圧縮
荷重P(公称応力、σn=P/S但しS=試験片の全断
面積)を加えた場合のき裂長さamm(A=a/W)での
き裂の先端の応力拡大係数Kの変化を計算した。
結果は第5図、第6図、第7図に示す通りであった。
第5図は荷重を一定とし、L/W=4、DEP=0.08、0.1
0、0.12とした場合のグラフ(但し縦軸はK/σ
する)である。この場合に応力拡大係数Kはき裂長さと
共に大きくなって極大に達した後、次第に低下する。応
力拡大係数Kがき裂長さと共に急激に大きくなる領域で
は一定荷重のもとでき裂が急激に拡大する、従ってき裂
進展は不安定である。
すなわちグラフから分かるように、予き裂1mm、A(a
/W)=0.05の試験片に、例えばDEP=0.12の位置にK
値がK1cになるまで、すなわちσ=−K1c/0.07(K
1c×−14.3)になる負荷Pを加えるとき裂進展が始まる
が、その後は荷重一定でもK値が急激に大きくなりき裂
進展は加速し、き裂長さが約11.4mm(A=0.57)を越え
てK≦K1cとなって停止するまで急速に進展してしま
う。それ故このような不安定な領域ではき裂進展挙動の
定量的な計測は困難である。
しかし予き裂の長さが7mm以上、A0.35、すなわち図
面で曲線が水平に近い場所から右側(図面でs表示)で
はき裂が進展してもK値が増加しないのでき裂進展は安
定している。それ故負荷を順次増加しながらK値に対す
るき裂進展挙動を測定することができる。
以上は完全に静的に安定な領域の場合を説明したが、実
際にはき裂進展挙動は材料により程度の差はあるが、静
疲労の場合には時間依存性があり、繰返し疲労の場合に
は繰返し数依存性がある。この両性質はいずれもき裂進
展の安定性を増加する方向に働くので、き裂進展によっ
てK値が増加しない前記の完全な静的安定領域のみでな
くその近傍のK値の増加が緩やかな準安定領域(図面に
s′で表示)をも含めて実際の破壊力学的疲労試験に利
用することができる。
第6図(a),(b),(c)は同じような形状の試験片につい
てDEP=0.05を一定にし、且つL/W=2、4、6とし
た場合のグラフである。これらのグラブではき裂長さに
対して、荷重P(すなわちσ値も)一定に制御した場
合のK値をK、荷重点間の相対変位(長さの変化)u
(u<0即ち縮み)を一定値EUPμmに制御した場
合のK値をK、試験片の両端面の傾斜角θ(θ>0)
を一定値TH×10-3に制御した場合のK値をKθとしてあ
る。
これらのグラフのように負荷を荷重、変位、傾斜を一定
になるように制御するとK値とき裂深さの関係が変化す
る。一般に荷重、変位、傾斜の順にK値の安定性が増
し、安定領域が広くなる傾向がある。さらにこれら3要
素を検出して適当な割合で電気的に加減算してフィード
バックし、負荷制御を行うとより広い適切な安定領域を
得ることができることが分かる。
第7図はL/W=4且つDEP=−0.08〜−0.12、即ち第
1図(b)(或いは第3図)に示す場合で且つ着力点すな
わち作用線が試験断面の外側に外れた条件において試験
片の両端面の傾斜角を一定になるように負荷を制御した
時のK(Kθ)値のグラフである。この図から分かるよ
うにKθはき裂長さの広い範囲でほぼ安定しており、き
裂進展挙動の測定に非常に適している。さらにこの場合
DEP=−0.08〜−0.12の範囲で殆どK値が変わらないの
であり、それは試験途中で着力点の若干の移動があって
も測定への影響が少ない利点があることを意味するもの
である。
以上の検討から一般にL/Wは小さい程K値の安定範囲
が大きいことが分かる。従って室温等の試験ではL/W
=2程度の短い試験片を用いることが適当である。しか
しL/W=2以上の場合にも本試験方法は適用すること
ができるのであり、高温試験の場合はL/P=4程度と
すると試験断面のみを加燃することが容易になる。
次ぎにき裂長さの測定は常温や中高温の時は移動顕微鏡
による目視によって測定が可能であるが、小さなき裂の
進展は目視では正確性を欠くし、また自動計測も面倒で
ある。特に高温では直接試験片を見て計測することは困
難になる。高温の測定においては、菊川、城野他、「材
料」、第25巻、(1976)899〜903頁及び同誌第29巻、
(1980)1240〜1246頁にある除荷弾性コンプライアンス
法を用いることができる。すなわちき裂を有する物体に
繰り返し荷重を掛け荷重=変位のヒステリシスを計測
し、き裂の開口している範囲のコンプライアンス(剛性
の逆数)すなわち除荷し始めからき裂が閉口して剛性が
増加しはじめる迄のヒステリシス曲線の直線部分(除荷
弾性線と略称する)の傾斜の逆数、いわゆる除荷弾性コ
ンプライアンスを求めると、この値はき裂長さとともに
増加するので、この変化を精密に測定するとき裂長さが
測定でき、特にき裂進展量はμm程度の精度で正確に測
定できる。除荷弾性コンプライアンス法では変形のドリ
フトは影響せず、除荷弾性コンプライアンスの変化のみ
が影響し熱歪みは直接影響がなく、温度による弾性係数
の変化のみが問題となるので計測の動的特性とその安定
制さえ確保すれば高温でも十分な精度を得ることができ
る。
さらに前記のように荷重、変位、傾斜の3要素を検出し
適当な割合で電気的に加算し、フィードバックして負荷
制御を行うと広いき裂進展の静的安定領域を得ることが
でき、さらに試験中に安定度を調節できるのでき裂進展
量の計測が容易にできる。
このような破壊力学的疲労試験においては負荷(静的あ
るいは繰返し負荷)及びそれに対応するK値に対するき
裂進展量を測定するのが目的である。従って荷重点の相
対変位、試験片の両端面の相対傾斜角、歪み計(ゲー
ジ)の値等の試験片の変形の計測値の内一つと荷重とを
用いてき裂進展量とK値を計算すればよいのであるが、
実際にはこれらの値には誤差があり、き裂進展量に対す
る寄与度も異なるので各種の値を計測して適宜選択もし
くは組み合わせるとよい。
以下本発明の破壊力学的疲労試験に用いる装置の具体例
について図面を参照して説明する。
第2図は本発明に用いる装置の例である。試験片(1)は
L/W=2程度の長方形で片側の辺に予き裂(4)が入っ
ている。この試験片(1)を上下のアンビル(2)で挾んで電
気−油圧サーボ式試験機に装着して圧縮荷重Pを負荷す
るようになっている。アンビル(2)には中間に弾性支点
を構成するクビレ部(3)があり荷重の作用線はその中心
を通る、図面で一点鎖線で示す線となる。試験片(1)
は、図面のように、荷重線が予き裂の反対側の辺からe
になるように片側に偏心して固定されている。試験片
(1)の予き裂側、及びその反対側には歪み計もしくは歪
みゲージ(5),(6)が装着されており荷重を負荷した時の
歪み(変形)を計測する。アンビル(2)の弾性支点を構
成するクビレ部(3)の両面にも歪みゲージ(7)が貼られて
おり、その歪みの差によりクビレ部(3)の曲げ量、すな
わち試験片(1)の両端面の傾斜角を計測できる。
第4図は第2図に示す装置のコンピューター制御測定装
置のブロックダイヤグラムである。この装置を用いると
上記に説明したような負荷の制御を任意に選択し、且つ
試験片の変形等すべての計測値を測定することができ
る。また前記計測値から計算(例えば加減算)した値を
フィードバックして荷重を自動制御することができる。
第3図は本発明において高温測定を行う時の装置の側面
図である。アンビル(2)の中空部に弾性支点を構成する
クビレ部(3)により前後端を支持された短い梁(9)をもう
け、梁(9)を経て横に長い梁状の押圧部品(8)の間にもう
けた試験片(1)を押圧する。試験片(1)はL/W=4程度
の長いものを使用する。試験片(1)の外周に高周波コイ
ル(11)により加熱される発熱体(10)(スーパーカンタル
製)がもうけられて試験片を輻射加熱する。押圧部品
(8)は冷却水管(13)により、中空の高周波コイル(11)と
共に水冷されている。また押圧部品(8)と試験片(1)の接
触面には該部分の変位置を検出して信号を外部に導くた
めの空隙(12)がもうけられている。
この装置によればアンビル(2)の弾性支点を構成するク
ビレ部(3)には引張応力が掛かり圧縮応力による座屈の
恐れがない。またL/W=4程度に試験片(1)が長いの
で加熱装置、特に加熱装置を2分割して合わせるように
すると、を試験片(1)の周囲に配置することは容易であ
り、また試験片のコンプライアンスを計測を高温の部分
を避けて配置することができるので、試験温度が1000〜
1600℃程度まで熱影響を受けることなく完全な測定を行
うことができる。
除荷弾性コンプライアンス法のための計測は試験片の変
形の絶対値は不要で、き裂進展にともなう動的なコンプ
ライアンスの変化のみを高精度で測定すればよい。従っ
て炉外にでた試験片(1)の高温にならない両端近くの側
面もしくは端面(要すれば端面と押圧部品の間の空隙(1
2)を用いる)を変位の検出点として炉外で計測する。ま
た試験片(1)の端面と押圧部品(8)の接触面の仕上げを良
好とし且つ予圧力を与えた場合のように接触が十分で荷
重点が安定している場合等には上下の押圧部品間の相対
変位を伸び計で簡単に制御できるし、試験片の両端面間
の傾斜角は弾性支点の両面に貼った歪みゲージ(7)によ
り計測することができる。さらに鏡、レーザ光等を用い
た光学系による計測を行う場合でも炉からの輻射光や陽
炎(かげろう)による障害を避けて高精度の測定を行う
ことができる。
第3図に模式的に示すように、バネ(14),(14′)を上下
の横に長い梁状の押圧部品(8)の左右両端部の間にもう
け、圧縮静荷重Q1,Q2を負荷すると試験片(1)と押圧部品
(8)の間の接触を安定化する予圧力を与えるとともに、
これにより電気油圧サーボ試験機によって片振りもしく
は部分片振り圧縮荷重を加えた場合であってもき裂先端
の応力拡大係数Kを正の片振りもしくは部分片振りのみ
ならず、部分両振りもしくは量振りとすることができ
る。
「実施例」 実施例1. 50KNインストロン電気油圧サーボ試験機に第2図に示す
ような負荷装置を取り付け、第4図に示すような試験シ
ステムを構成して片振り繰返し疲労試験を行った。
材料としてガラスを用いた。ガラスはK1cが普通のセラ
ミックスよりさらに1桁近く小さく試験応力が低く、繰
返し疲労より静疲労の影響が強くてき裂が安定に成長し
にくいが一方き裂が明瞭に透過して見える材料であるか
ら選んだものである。試験片は、第8図に示すような、
幅W=20mm、長さL=40mm、即ちL/W=2の長方形で
厚さD=10mmとし、片側の片に長さ(深さ)a0=5mmの
頂角α=145゜のシエブロン形の予き裂をもうけたもの
である。
歪みゲージを試験片の予き列を跨いで前面及び背面に貼
りつけて変形(伸び或いは縮み)を、又歪みゲージをア
ンビルの弾性支点を構成するクビレ部の両側に貼り付け
て曲げ歪み即ち試験片の両端面の傾斜角、弾性支点の反
力の曲げモーメントを計測し、試験機のロードセルによ
り負荷荷重を計測する。これらの出力は全てコンピュー
ターに入力した。また試験中には移動顕微鏡を用いてき
裂長さと進展量を測定した。
試験片を装着して荷重点の位置をDEP=0.078(試験片の
背面から1.56mm)とし、σ=−0.5MPa(P≒約100N)
となる予荷重を与えた。さらに最大σ=−4.5MPa(P
=約900N)の片振り繰返し荷重を加える(R=0.11)と
試験片の予き裂を先端にき裂が発生することが目視で分
かった。
そこで6.67サイクル/秒の正弦波で応力振幅−(2.7〜
3.0)MPaの片振り圧縮繰返し荷重を与えて試験を行った
(R=0.16〜0.14)。1.2×105サイクルの試験を行うと
き裂長さは5mmから11.5mmまで安定的に進展し、この間
に下記の各種のデータを得ることができて破壊力学的疲
労試験を行うことができた。
き裂先端の応力拡大係数Kの値はき裂長さと荷重から計
算により分かっているので、Kとき裂進展速度の関係も
容易に計算できた。
前記の試験において、6.4×104サイクル(100サイクル
の平均)及び6.8×104サイクル(100サイクルの平均)
の荷重サイクルの際の試験片のき裂側歪みゲージ(CO
D)、背面歪みゲージ(BF)の計測値を横軸に荷重(繰
返し)を縦軸として変形のヒステリシスを計測したとこ
ろ第9図のようであった。ヒステリシス曲線が殆ど直線
であることからガラスの場合には繰返し荷重に対しき裂
閉口が殆ど無いことが分かった。
移動顕微鏡で測定したとき裂長さに対して各種の計測値
からのコンプライアンス等の値をプロットすると第10図
に示す結果が得られた。ここで縦軸は各種の計測値に対
するノルマライズしたコンプライアンス、すなわち歪み
ゲージで得られた値を切欠きの無い試験片に同じ荷重の
圧縮応力を偏心なしに加えた時の歪み量で除したノルマ
ライズした値であり、図中でCUDCはき裂側歪み、CUDBは
背面側歪みに対するコンプライアンス、STHは両者の差
の逆数〔1/(CUDC−CUDB):試験片の両端面の相対傾
斜角に対するスティフネス(剛性でありコンプライアン
スの逆数)〕の値である。このSTHはき裂長さに対しa
/W=0.25〜0.6の間でK値が直線的に変化するのでき
裂進展量を求めるには好都合な変数である。一方この形
状の試験片についてシミュレーションによって前記のST
Hなるスティフネスの値とき裂長さの関係を試験開始点
と終了点とで較正し、重ねてプロットすると同図の曲線
のようになり、実測値と非常に良く一致していることが
分かる。このことはコンプライアンスを測定したSTHを
求めると、移動顕微鏡によらずき裂長さを測定(推定)
することができることを示すものである。
シミュレーション計算は境界条件の実際との差違、簡略
化などにより若干の偏差があるので、試験開始点と終了
点のき裂長さにより較正する。このき裂長さは、開始点
は試験片の形状から、終了点は試験片の破面から明確に
測定できる。
以上のようにK1cが普通のセラミックスより約1桁小さ
く試験応力が低く、繰返し疲労より静疲労の影響が強く
てき裂が安定に成長しにくい材料であるガラスにおいて
も、高精度の除荷弾性コンプライアンス法により移動顕
微鏡による測定と少なくとも同じ精度でき裂進展量の測
定ができることが分かった。
実施例2. 実施例1と同じ装置を用いて、部分安定化ジルコニアの
試験を行った。この材料はK1cがセラミックスとしては
高くし繰返し疲労の影響が大きい。試験片は、第8図と
同一の形状で、幅W=20mm、厚さD=9mm、長さL=38m
m(L/W=1.9)、シェブロン形予き裂の深さa0=6m
m、頂角α=90゜とした。
試験片を装着して荷重の位置をDEP=0.08(試験片の背
面から1.6mm)とし、σ=−2.8MPa(P≒約500N)と
なる予荷重を与えた。さらに最大σ=−25MPa(P=
約4.400N)の片振り繰返し圧縮荷重を加えると試験片の
予き裂の先端にき裂が発生して急激に進展することが分
かった。
次いで6.67サイクル/秒の正弦波で応力振幅14〜22MPa
(R=0.13〜0.10)の片振り圧縮繰返し荷重を与えて試
験を行った。9.3×104サイクルの試験を行うとき裂長さ
は6mmから12.0mmまで安定的に進展し、この間に前記の
各種のデータを得ることができて破壊力学的疲労試験を
行うことができた。但しき裂は細くて見えにくく長さが
9mm以上にならないと移動顕微鏡による測定ができなか
った。
前記の試験において、2.0×104サイクル目(100サイク
ルの平均)及び2.5×104サイクル目の荷重の際の試験片
の前面歪みゲージ(COD)、背面歪みゲージ(BF)の計
測値を横軸に荷重を縦軸として荷重変形のヒステリシス
を計測したところ第11図のようであった。このヒステリ
シス曲線も直線であり、部分安定化ジルコニアの場合も
R≒0.12の繰返し荷重に対してき裂閉口現象が無いこと
が分かった。
き裂長さに対して各コンプライアンスの値をプロットす
ると第12図に示す通りとなり、シミュレーションによる
STHなるスティフネスの値とき裂長さの関係は実測値と
非常に良く一致していることが分かった。このことから
コンプライアンスを測定しSTHを求めると、除荷弾性コ
ンプライアンス法によってき裂長さを測定することがで
きることが分かった。
また試験片の両端面の傾斜角は弾性支点の両面に貼った
歪みゲージによっても計測され、この計測は高温試験で
も室温の場合とほぼ同様に容易にできる特徴がある。第
12図のグラフにおいて+印(MSTH)は高温での実験によ
るものであり、COD、BFゲージによるものとほぼ同程度
の結果が得られることが分かる。
これらの結果から片振り荷重において応力拡大係数Kの
レンジΔKに対する1サイクル毎のき裂進展量da/dn+
ΔKの曲線は第13図のようになることが計測できた。
「発明の効果」 以上に詳しく説明したように、本発明の方法及び装置を
用いると、従来の方法と異なりき裂進展の安定もしくは
準安定領域でセラミックス、サーメット等の高硬度脆性
材料の破壊力学的繰返し疲労及び静疲労試験を行うこと
ができ、またそれを自動化することができる。
またこれらの材料の初期き裂のバラツキを避けてき裂開
閉口挙動を含むき裂進展特性を求めることができ、疲労
特性を明らかにすることができる。また一つの試験片か
ら非常に多くの情報が得られるため試験片毎の材質のバ
ラツキを避けて疲労き裂進展の応力依存性、繰返数依存
性、時間依存性、変動荷重下のき裂進展則等の法則性を
抽出し易い。
さらに本発明によると1600℃に至る極高温までの試験が
可能となり、これらの領域を含み、セラミックス、サー
メット等の高硬度脆性材料の繰返し疲労、静疲労、クリ
ープ等の基礎的な因子を分離解明することができる等の
有効な手段を与えるものである。
【図面の簡単な説明】 第1図(a),(b),(c),(d)はそれぞれ本発明に使用する
試験片と負荷状態を示す正面図である。第2図は本発明
を実施するための負荷装置の具体例を示す正面断面図、
第3図は高温での試験のための負荷装置の正面図、第4
図は本発明の方法を自動化した時のブロックダイヤグラ
ムである。第5図、第6図、第7図はそれぞれき裂先端
の応力拡大係数とき裂長さの関係をシミュレーションし
た結果を示すグラフである。第8図は実施例に用いた試
験片の正面図及びA−A断面図である。第9図、第11図
はそれぞれ実施例1、実施例2の場合に計測した荷重−
変形のヒステリシスの例のグラフ、第10図、第12図はそ
れぞれ実施例1、実施例2の場合の各種のコンプライア
ンスとき裂長さの実測値及びスティフネスSTHとき裂長
さについてのシミュレーション曲線を示すグラフであ
る。第13図は実施例2で得られた応力拡大係数レンジΔ
Kとき裂進展速度の関係を示すグラフである。 1:試験片、2:アンビル 3:クビレ部、4:き裂 5,6,7:歪みゲージ、8:押圧部品 9:梁、10:発熱体 11:高周波コイル、12:計測用空隙 13:冷却水配管 14,14′:副静圧縮荷重負荷用バネ P:主繰返し圧縮荷重 Q1,Q2:副静圧縮荷重 Q:補助荷重、Q1,Q2の合力 A:き裂先端、W:試験片の幅 L:試験片の長さ e:試験片の縁から荷重作用線への距離 a:き裂長さ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脆性材料の破壊力学的疲労試験において、
    長方形で片側の辺から試験断面に沿って予き裂を入れた
    試験片に、中心軸に平行で予き裂の反対側に試験片の断
    面を外れない範囲に偏心した作用線に圧縮荷重を負荷し
    て、き裂先端に正の応力拡大係数(K)を生ぜしめてき
    裂を進展させる方式を用い、且つ荷重を一定の時にき裂
    長さに対して応力拡大係数(K値)が増加しない安定領
    域及び増加が緩慢である準安定領域においてき裂の進展
    挙動を計測することを特徴とする脆性材料の破壊力学的
    疲労試験方法
  2. 【請求項2】圧縮荷重を片振り、部分片振り繰り返し荷
    重もしくは静荷重とすることを特徴とする請求項1記載
    の脆性材料の破壊力学的疲労試験方法
  3. 【請求項3】繰返し圧縮荷重と共に合成した力が予き裂
    側に偏心した作用線上にあるような副圧縮静荷重を加え
    てき裂先端に負の一定の応力拡大係数を生じさせて重畳
    し、応力拡大係数が部分両振り、または両振りとなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の脆性材料の破壊力学的疲
    労試験方法
  4. 【請求項4】荷重、荷重点の相対変位、試験片の両端面
    の相対傾斜角のいずれかが所定の波形になるように荷重
    を制御して試験を行うことを特徴とする請求項1、2も
    しくは3記載の脆性材料の破壊力学的疲労試験方法
  5. 【請求項5】荷重、荷重点の変位、試験片の両端面の傾
    斜の値を検出し、これら3個もしくはその内2つの値を
    適当な比率で電気的に加減算してフィードバックし荷重
    を制御してき裂進展に対する応力拡大係数の広い範囲の
    安定領域を得ることを特徴とする請求項1〜3もしくは
    4記載の脆性材料の破壊力学的疲労試験方法
  6. 【請求項6】コンピューターを用いて荷重、相対変位、
    相対傾斜角を自動計測し且つ負荷荷重の制御特性を自動
    的に制御することを特徴とする請求項1〜4もしくは5
    記載の脆性材料の破壊力学的疲労試験方法
  7. 【請求項7】試験片の両端面を、試験片の背面側に試験
    断面より張り出させ、負荷荷重の作用線を試験断面より
    外に偏心させることを特徴とする請求項1〜5もしくは
    6記載の脆性材料の破壊力学的疲労試験方法
  8. 【請求項8】長さが幅の2倍以上の試験片を用い、高周
    波間接もしくは直接加熱炉あるいは輻射加熱炉を試験片
    の中央周辺に設置して試験片の試験断面を含む中央部分
    のみを加熱し、荷重負荷治具および計測器とその検出点
    を低温部にもうけて試験材料の高温での疲労特性を試験
    することを特徴とする請求項1〜6もしくは7記載の脆
    性材料の破壊力学的疲労試験方法
  9. 【請求項9】試験片の両端面の相対傾斜角、荷重点間の
    相対変位、予き裂側または背面側のき裂を跨ぐ2点間の
    相対変位のいずれかもしくは複数を計測し組み合わせて
    得られる試験片の荷実−変形ヒステリシスの変化から応
    力拡大係数、き裂進展速度、き裂開閉口点を含むき裂進
    展挙動を除荷弾性コンプライアンス法により測定するこ
    とを特徴とする請求項1〜7もしくは8記載の脆性材料
    の破壊力学的疲労試験方法。
  10. 【請求項10】コンピューターにより繰返し疲労試験中
    連続して荷重−変形ヒステリシスのデータを荷重周期に
    同期して大量に採取し、計測値のばらつき及びヒステリ
    シスの変化を計算し、両者から最適な期間を定めて同一
    位相のデータの加算平均により計測のノイズを除去し且
    つデータを圧縮してオンラインに最適高精度化処理を行
    って荷重−変形ヒステリシスを測定して得た除荷弾性コ
    ンプライアンスを用いることを特徴とする請求項9記載
    の脆性材料の破壊力学的疲労試験方法
  11. 【請求項11】脆性材料の破壊力学的疲労試験装置にお
    いて、中間に弾性支点を構成するクビレ部を有するアン
    ビルにより、片側の辺に予き裂を入れた長方形状の試験
    片の試験断面の中心を通る中心軸に平行で予き裂の反対
    側に偏心した作用線上に圧縮荷重を負荷するようにして
    試験片を偏心圧縮するようにしたことを特徴とする脆性
    材料の破壊力学的疲労試験装置
  12. 【請求項12】アンビルのクビレ部の両面に歪みゲージ
    を貼りつけて試験片の両端面の傾斜角及び圧縮負荷の作
    用線の位置の弾性支点の弾性反力のモーメントによる偏
    差を求めることを特徴とする請求項11記載の脆性材料の
    破壊力学的疲労試験装置
  13. 【請求項13】長さが幅の2倍以上の試験片に、試験片
    の中央部に高周波あるいは輻射加熱装置をもうけ、中空
    部に弾性支点を構成するクビレ部により両端を支持され
    た短い梁を有するアンビルを用い、該梁により試験片を
    挾んだ水冷した押圧部品を押圧することにより、アンビ
    ルの弾性支点を構成するクビレ部には引張力が作用する
    ようにしたことを特徴とする請求項11、12記載の脆性材
    料の破壊力学的疲労試験装置
  14. 【請求項14】荷重計、荷重点の相対変位、試験片両端
    面の相対傾斜角、試験片の変形、弾性支点の歪みゲージ
    からの測定値を検出しコンピューターに入力して請求項
    1〜9の測定および制御を自動的に行うことを特徴とす
    る請求項11、12、13記載の脆性材料の破壊力学的疲労試
    験装置
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