JP3518494B2 - 生体磁場計測装置 - Google Patents

生体磁場計測装置

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JP3518494B2 JP2000247910A JP2000247910A JP3518494B2 JP 3518494 B2 JP3518494 B2 JP 3518494B2 JP 2000247910 A JP2000247910 A JP 2000247910A JP 2000247910 A JP2000247910 A JP 2000247910A JP 3518494 B2 JP3518494 B2 JP 3518494B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,生体の脳の神経活
動や心臓の心筋活動等,生体内の電流などが原因で発生
する生体磁場を計測するのに適した生体磁場計測方法及
び生体磁場計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気センサである超伝導量子干
渉素子(SQUID)を用いて,生体から発生する微弱
な磁場の分布を測定し,その測定結果から,生体内部の
活動電流の位置を推定し,その分布をイメージングする
多チャンネルの生体磁気イメージング装置が知られてい
る。そのような従来例は,例えば特開平4ー31933
4号或いは特開平5ー146416号等の公開公報に開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例は,生体磁
気イメージング装置に関する動作原理に関するものであ
り,その開示内容には実施化する上での技術課題や解決
手段が開示されていない。また,前記従来例は脳の内部
に発生する生体活動電流に関するものであって,他の部
位に関する具体的な開示はされていない。本発明の目的
は,複数の計測位置の磁場強度の測定が容易で操作の良
好な生体磁場計測方法及び生体磁場計測装置を提供する
ことにある。本発明の目的は,複数の計測位置の磁場強
度から生体の磁場図表示が容易で操作の良好な生体磁場
計測装置を提供することにあり,特に生体磁場図の選択
を視覚的に見やすくして実行できる生体の磁場図表示装
置を具備する生体磁場計測装置を提供することにある。
【0004】本発明の他の目的は,計測された1又は複
数の磁場波形で目的とする波形が出現しアベレージング
処理が可能かどうかを確認しながら,アベレージング処
理が迅速な操作でできる生体磁場計測装置を提供するこ
とにあり,特に,ピーク検出の効率を向上させる生体磁
場計測装置を提供することにある。本発明の他の目的
は,アベレージング処理に使用したピーク位置の結果を
磁場波形上でアベレージング処理中又は処理後に再確認
できる表示が可能であり,生体磁場の的確な解析ができ
る生体磁場計測装置を提供することにある。また,本発
明の他の目的は,心電図と同時に生体から発する磁場を
計測可能とする生体磁場計測装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,被検者の生体
内から発する磁場を複数の位置で計測する方法におい
て,表示画面に複数の計測位置を表示する手順と,表示
された計測位置の内から表示すべき位置を選択する手順
と,上記選択された位置の磁場強度に関する情報を表示
する手順とを有し,上記磁場強度に関する情報の表示状
態において上記複数の計測位置を上記選択の有無と共に
表示することを特徴とする。本発明は,解析データ表示
部に表示したチャンネルに対応したチャンネル項目を操
作領域表示部に設けたことに特徴がある。また,その他
の計測項目を設けたことに特徴がある。本発明は,具体
的には以下に掲げる生体磁場計測装置を提供する。
【0006】本発明は,生体磁場を複数位置で計測して
磁場図を表示する生体の磁場図表示装置を具備する生体
磁場計測装置において,磁場図表示装置は,計測を含む
処理機能項目を示す処理機能表示部と,計測された生体
磁場とこれを処理して得られた処理磁場を表示する解析
データ表示部と,及び生体磁場は処理磁場に対応した操
作項目が表示される操作領域表示部からなる表示部から
構成され,前記解析データ表示部には,各磁気センサに
対応したチャンネルが表示され,前記操作領域表示部に
は,選択チャンネル項目が表示され,且つ該選択チャン
ネル項目は前記解析データ表示部に表示されるチャンネ
ルと関連づけたチャンネル項目とされて構成され,且つ
前記表示された選択チャンネル項目からチャンネル項目
を選択する手段を有し,前記処理機能表示部の計測項目
を選択すると,前記解析データ表示部に前記チャンネル
を,そして選択チャンネル項目には前記チャンネル項目
を表示する手段を有する生体磁場計測装置を提供する。
【0007】好ましくは,前記チャンネルとチャンネル
項目とは,相関のある行及び列から構成される。好まし
くは,前記選択チャンネル項目から選択された行もしく
は列からなるチャンネル項目又は1つのチャンネル項目
を他から識別する手段を設けてある。好ましくは,前記
計測項目のプルダウンメニューは,「調整値ファイ
ル」,「全自動調整」「オフセット電圧Voff調整」,
「マニュアル調整」,「調整値ファイル」,「計測パネ
ル」,「自動波形診断」,「AFAオフセット調整」な
どのサブプルダウンメニューを有する。好ましくは,前
記操作領域表示部には,開始と中止を指示する計測項目
が表示され,開始指示によって計測が開始し,中止指示
によって計測が中止される。好ましくは,前記解析デー
タ表示部に表示画面が指定された範囲外にあるときに当
該チャンネルを計測に不適当なチャンネルとして識別信
号を発する自動波形診断手段を設けてある。
【0008】本発明は,生体磁場を複数の位置で計測し
てその処理結果としての磁場図を表示する生体の磁場図
表示装置を具備する生体磁場計測装置において,磁場図
表示装置は,計測を含む処理機能項目を示す処理機能表
示部と,計測された生体磁場とこれを処理して得られた
処理磁場を表示する解析データ表示部とからなり,前記
計測は,「データ計測」メニューの「計測パネル」サブ
メニューを選択して実行し,且つ前記解析データ表示部
に「データ解析」メニューの「単一波形表示」,「グリ
ッドマップ表示」,「等磁線図」及び「伝播時間図」を
表示する生体磁場計測装置を提供する。
【0009】本発明では,アベレージング処理を行なう
前に,デジタルフィルタ又はアナログフィルタによるフ
ィルタ処理を行ない,磁場波形の基線の呼吸による変動
の除去,磁場波形の基線の商用電源の周波数(例えば,
50Hz)による変動の除去し,アベレージング処理の
正確さが向上できる。また,本発明では,ピーク検出の
手法として,ある時間範囲でピークが最大となる点(最
大ピーク検出),ピークが最小となる点(最小ピーク検
出),閾値とのプラスのクロス点(閾値より小さい値か
ら大きい値への変化点),閾値とのマイナスのクロス点
(閾値より大きい値から小さい値への変化点)を検出す
る4種類のピーク検出法を採用することによって,ピー
ク検出率を向上させる。本発明では,アベレージング処
理に使用した磁場波形のピーク又はクロス点に,マーク
を点灯させ,処理の結果の適切さを表示画面で再確認で
きる。また,本発明では,心電図の計測回路本体をシー
ルドルームの外部に配置し,生体の電位を検出する非磁
性材料で作成された電極部及び配線部のみをシールド内
部に配置した心電図によって磁気ノイズが少なく,心電
図と同時に生体から発する生体磁場を計測できる。
【0010】更に,本発明の生体磁場計測装置は,生体
から発する磁場を計測する複数の磁気センサと,前記複
数の磁気センサにより計測された磁場を表示する表示手
段とを具備する生体磁場計測装置に於いて,計測された
磁場波形のピーク位置を含む時間範囲で,前記計測され
た磁場波形をアベレージング処理して得られた磁場波形
と前記計測された磁場波形とが前記表示手段の同一画面
に表示されることに特徴を有し,前記計測された磁場波
形と,前記アベレージング処理された後の前記磁場波形
を記憶する手段を有すること,前記アベレージング処理
された後の磁場波形の前記ピーク位置を示す第1のマー
クが表示されること,前記アベレージング処理に使用し
なかった前記計測された磁場波形の前記ピーク位置を示
す第2のマークが表示されること,前記ピーク位置を含
む時間範囲が,前記計測された磁場波形に重ねて表示さ
れること,及び,前記ピーク位置を含む時間範囲が,前
記アベレージング処理の開始時点及び終了時点をそれぞ
れ示す,前記計測された磁場波形の時間軸に交差する第
1の及び第2の線と共に,前記開始時点と前記終了時点
との時間範囲を示す前記時間軸にほぼ平行な線として,
前記計測された磁場波形に重ねて表示されること,前記
計測された磁場波形をフイルタリングした後に前記アベ
レージング処理を行なうこと等にも特徴を有する更に,
本発明の生体磁場計測装置は,生体から発する磁場を繰
り返し計測する複数の磁気センサと,前記複数の磁気セ
ンサにより計測された磁場を表示する表示手段とを具備
する生体磁場計測装置に於いて,前記複数の磁気センサ
の中の所定の磁気センサにより繰り返し計測された磁場
波形に出現するピーク位置を含む時間範囲を指定するこ
とにより,前記複数の磁気センサの各磁気センサによっ
て繰り返し計測された磁場波形に出現する前記ピーク位
置を含む前記時間範囲にわたって,前記各磁気センサに
よって繰り返し計測された磁場波形毎にアベレージング
処理を行ない,前記複数の磁気センサの中の任意の1つ
又は複数の磁気センサにより繰り返し計測された磁場波
形に対する前記アベレージング処理により得られた磁場
波形と前記任意の1つ又は複数の磁気センサより繰り返
し計測された磁場波形とが前記表示手段の同一画面に表
示されることに特徴を有し,前記アベレージング処理さ
れた後の磁場波形に出現するピーク位置を示す第1のマ
ークが表示されること,前記アベレージング処理に使用
しなかった前記計測された磁場波形に出現するピーク位
置を示す第2のマークが表示されること,前記ピーク位
置を含む前記時間範囲が,前記計測された磁場波形に重
ねて表示されること,前記各磁気センサによって繰り返
し計測された磁場波形毎にフイルタリングした後に前記
アベレージング処理を行なうこと等にも特徴を有する。
【0011】また,本発明の生体磁場計測装置は,生体
から発する磁場を繰り返し計測する複数の磁気センサ
と,前記複数の磁気センサにより計測された磁場を表示
する表示手段とを具備する生体磁場計測装置に於いて,
前記複数の磁気センサの中の所定の磁気センサにより計
測された磁場波形に出現するピーク位置を含む時間範囲
を指定することにより,前記複数の磁気センサの各磁気
センサによって計測された磁場波形に出現する前記ピー
ク位置を含む前記時間範囲にわたって,前記各磁気セン
サによって計測された磁場波形毎にアベレージング処理
を行ない,前記複数の磁気センサの中の任意の1つ又は
複数の磁気センサにより計測された磁場波形に対する前
記アベレージング処理により得られた磁場波形と前記任
意の1つ又は複数の磁気センサにより計測された磁場波
形とが前記表示手段の同一画面に表示されることを特徴
とする。
【0012】また,本発明の生体磁場計測装置は,生体
の心臓から発する磁場を計測する複数の磁気センサと,
前記複数の磁気センサにより計測された磁場波形を表示
する表示手段とを具備する生体磁場計測装置に於いて,
前記表示手段は,前記計測された磁場波形を処理して得
られる磁場波形と前記計測された磁場波形とを表示する
解析データ表示部と,前記計測された磁場波形のデータ
解析の項目を示す操作項目を表示する操作領域表示部と
を有し,前記計測された磁場波形を複数のチャンネルの
行又は列として前記解析データ表示部に表示し,前記複
数のチャンネルの中から所望のチャンネルをアベレージ
ング処理の基準とするチャンネルとして指定し,前記指
定したチャンネルを基準として,前記複数の磁気センサ
により計測された磁場波形について前記アベレージング
処理を実行することを特徴とする。 図38を参照し
て,本発明の生体磁場計測装置を要約すると次の通りで
ある。アベレージング用オブジェクト103のテキスト
ボックス103aに数字入力してピーク検出の閾値18
0を設定し,ピーク検出方法をトグルボタン103bで
設定する。アベレージングの時間幅はテキストボックス
103cに数字入力して行い,テキストボックス103
dに数字入力しピーク検出前の時間幅の設定を行う。ボ
タン103eを押し計算を行う。ピーク検出終了後,1
03cと103dの値は,波形表示領域106に表示さ
れた波形106aに,アベレージング範囲B1,最大時
刻B2,最小時刻B3により表示され,検出されたピー
ク点に白抜きの丸印C1〜C4が表示される。アベレー
ジング処理をボタン103fを押し実行する。アベレー
ジング表示領域107にアベレージング波形107aが
表示される。領域106又は領域107に表示されてい
ないチャネルの全波形にも同時にアベレージング処理が
施される。この結果,計測された磁場波形を確認しなが
らアベレージング処理でき,迅速な操作で生体磁場の的
確な解析ができる生体磁場計測装置が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明が実施される生体磁
気計測装置の一実施例の概略構成を示す。環境磁気雑音
の影響を除去するために,生体磁気計測装置は磁気シー
ルドルーム1内に設置される。被検者(生体からなる被
検体)2は,ベッド3に仰向け状態で計測が行われる。
被検者の生体面(胸部の場合は一般に胸壁に平行な面)
はベッド3の面と略平行であるとし,そしてこの面は直
交座標系(x,y,z)のx−y平面と平行であるもの
とする。被検者の胸部は曲面であると共に傾いている
が,説明を簡単にするために略平行とする。被検者2の
胸部の上方には,冷媒である液体Heで満たされたデユ
ワ4が配置され,該デユワは超伝導量子干渉素子(SQ
UID=Superconducting Quant
um Interference Device)とそ
のSQUIDに接続された検出コイルとを含む複数個の
磁気センサを収容している。液体Heは磁気シールド1
の外部にある自動補給装置5から連続的に補給される。
【0014】磁気センサの出力は,被検者2から発生し
て検出コイルにより検出される生体磁場の強度(磁束密
度と考えることもできる)と特定の関係をもつ電圧を出
力し,その出力がFLL(Flux Locked l
oop)回路6に入力される。このFLL回路6は,S
QUIDの出力を一定に保つように,SQUIDに入力
された生体磁場(生体磁気)の変化を帰還コイルを介し
てキャンセルする(これを磁場ロックと呼ぶ)。その帰
還コイルに流した電流を電圧に変換して,生体磁場信号
の変化と特定の関係にある電圧出力を得ることができ
る。このように帰還コイルを介して検出する方式を取っ
ているので,微弱の磁場を高感度に検出できる。上記出
力電圧は増幅器・フイルター・増幅器(AFA)7に入
力され,その出力はサンプリングされて,A/D変換さ
れ,計算機8に取り込まれる。
【0015】計算機8はパーソナルコンピュータからな
り,8−1はそのデイスプレイ部,8−2はキ−ボ−
ド,そして8−3はマウスを示す。マウス8−3は画面
上でカーソルを移動させて処理対象を選択するのに用い
られる。この操作はキーボードを操作しても実行でき
る。AFA7の入力ゲイン(Igain)及び出力ゲイン
(Ogain)は調整可能であり,また,AFA7は第1の
基準周波数以下の周波数信号を通過させるローパスフイ
ルタ(LPF),第1の基準周波数よりも低い第2の基
準周波数以上の周波数信号を通過させるハイパスフイル
タ(HPF)及び商用電源周波数をカットするノッチフ
ィルタ(BEF)を含む。計算機8は各種の処理を行う
ことができ,その処理結果はデイスプレイ部8−1に表
示され得る。なお,図1で示す前記計算機8は一実施例
を示したものであり,これに限定されるものではない。
例えば,タッチパネルを備えたデイスプレイを備えたも
のや,マウスに変えて他の座標指示装置,例えばトラッ
クボールやジョスティック等を使用したものでも良い。
また場合によっては公衆電話回線を介して接続される計
算機でも良い。
【0016】SQUIDとしては,例えば1例として直
流SQUIDが用いられる。SQUIDに外部磁場が与
えられたときに,それに対応する電圧(V)が発生する
ようにSQUIDには直流バイアス電流(Ibias)が流
される。その外部磁場を磁束Φで表すと,VのΦに対す
る特性曲線,即ちΦ−V特性曲線は周期関数で与えられ
る。計測に当っては,それに先立って,FLL回路6の
オフセット電圧(VOFF)を調整してΦ−V特性曲線の
直流電圧をゼロレベルにする操作が行われる。更に,A
FA7の入力がゼロのときその出力がゼロとなるように
AFA7のオフセット電圧(AOFF)の調整が行われ
る。SQUIDに外部から大きな磁場がかかると,その
磁場がSQUIDのデバイス上にトラップされ,その正
規の動作がなされなくなる。その場合は,SQUIDを
加熱して一旦常伝導状態にし,そしてその後その加熱を
止めて,トラップされた磁場を取り除くことができる。
その場合の,SQUIDの加熱操作をヒートフラッシュ
と呼ぶ。
【0017】図2は磁気センサの配置構成を示す。磁気
センサの検出コイルには生体磁場の接線成分(生体面,
即ちx−y平面に略平行な成分)を検出するコイルと生
体磁場の法線成分(生体面,即ちx−y平面に直交する
成分)を検出するコイルがある。生体磁場の接線成分を
検出するコイルとしては,コイル面がx方向及びy方向
をそれぞれ向いた2つのコイルが用いられ,また,生体
磁場の法線成分を検出するコイルとしてはコイル面がz
方向を向いたコイルが用いられる。複数個の磁気センサ
20−1〜20−8,21−1〜21−8,22−1〜
22−8,23−1〜23−8,24−1〜24−8,
25−1〜25−8,26−1〜26−8及び27−1
〜27−9は,図2に示すように,生体面,即ちx−y
平面と略平行な面上にマトリックス状に配置される。磁
気センサの数は任意であって良いが,図2では,磁気セ
ンサのマトリックスは8行8列からなっているから,磁
気センサの数は8×8=64である。各磁気センサは,
図2に示すように,その長手方向が生体面,即ちx−y
平面に対して垂直な方向(z方向)と一致するように配
置される。なお,この一実施例では,ベッド面とセンサ
ーのX−Y面とを平行にしているが,測定精度を高める
には体に接近させる方が良く,傾斜させることができ
る。但し,被検者である人体は常に動いているので,人
体に密着させるとこの動きが検出部を動かし,かえって
高精度の検出が困難となる。
【0018】図3は磁気センサの各々の,生体磁場の法
線成分Bzを検出するセンサの構成を示す。同図におい
て,超伝導線(Ni−Ti線)で作られたコイルはその
コイル面がz方向を向くように配置される。このコイル
は互いに逆向きの2つのコイル10及び11の組み合わ
せからなり,被検者2に近い方のコイル10は検出コイ
ルとされ,遠い方のコイル11は外部磁場雑音を検出す
る参照コイルとされる。外部磁場雑音は被検者よりも遠
い信号源から生じており,従って,その雑音信号は検出
コイル10及び参照コイル11の両方によって検出され
る。一方,被検者からの磁場信号は微弱であり,従っ
て,その生体磁場信号は検出コイル10によって検出さ
れるが,参照コイル11はその生体磁場信号にほとんど
感応しない。このため,検出コイル10は生体磁場信号
と外部磁場雑音信号を検出し,参照コイル11は外部磁
場雑音信号を検出するから,両コイルで検出された信号
の差をとることによりS/N比の高い生体磁場の計測が
可能となる。これらのコイルはSQUID12を実装し
た実装基板の超伝導線を介してSQUIDの入力コイル
に接続され,これによって,検出された生体磁場信号の
法線方向の成分BzがSQUIDに伝達される。
【0019】図4は磁気センサの各々の,生体磁場の接
線成分Bx及びByを検出するセンサの構成を示す。同図
において,接線方向の生体磁場成分検出用のセンサでは
平面コイルが用いられる。即ち,検出コイル10’及び
10”並びに参照コイル11’及び11”は平面コイル
からなり,これらは互いにz方向において間隔づけられ
ている第1及び第2の平面にそれぞれ配置される。これ
らのコイルは法線成分用と同様にSQUID12’及び
12”の実装基板の入力コイルに接続される。4角柱の
互いに直交する2面に,これらのBx成分検出用のセン
サ13及びBy成分検出用のセンサ14が貼付けられ,
これによってBx成分及びBy成分を検出し得るセンサが
形成される。接線成分Bx,Byについては,これを図4
に示す磁気センサを用いて検出する以外に,図3の磁気
センサで得られた法線成分Bzをx,yについて偏微分
して求めても良い。この場合は一つの磁気センサで接線
成分Bx,Byと法線成分Bzとの両方を検出し測定でき
る。
【0020】図5は磁気センサと被検者2の被計測部で
ある胸部30との位置関係を示す。示されている点は図
2に示すマトリックス上の行と列との交点,即ち被検者
2の計測点,即ち計測位置を表す。これらの各計測位置
をチャンネルとも呼ぶ。図からわかるように,この実施
例では,被検者2の身長方向をy方向とし,被検者2の
横方向をx方向としている。
【0021】図6は図5に示すそれぞれの計測位置の生
体磁場の測定結果を示す。この測定結果は各計測位置に
対応する磁気センサでそれぞれ検出された信号を基に上
述の処理を行うことで得られた,時間的に変化する生体
磁場波形をマトリックス中の対応するチャンネル毎に示
すものである。この実施例では心臓の筋肉が発する磁場
を検出できる位置に各チャンネルを設けたので,図6の
波形は心磁波形を示している。なお,心臓の筋肉から発
する磁場を計測して得られた波形を心磁波形と呼ぶ。図
6に示すように,チャンネル毎に計測された計測デ−タ
をチャンネル毎にその位置に対応させて表示する場合,
これをグリッドマップ表示と呼ぶ。図6はある健常者に
ついての心磁の計測結果の波形を示す。ここで(a)は
接線成分Bxの心磁波形を,(b)は接線成分Byの心磁
波形を,そして(c)は法線成分Bzの心磁波形をそれ
ぞれ示す。
【0022】図7はある健常者について特定の2チャン
ネルに絞って計測された接線成分Bxの心磁波形を示
す。実線はあるチャンネルの,点線は他のチャンネルの
心磁波形を示す。心臓の心室が脱分極した時間帯T1つ
まり収縮期のQRS波でのそれぞれの波形ピークの時間
がtQ,tR,及びtSとしてそれぞれ示されている。ま
た,心臓の再分極過程(拡張期)であるT波の時間帯は
T2として示されている。計測されたデータを表示する
場合,グリッドマップ表示の他に,行毎に又は列毎に単
一チャンネルのデータを表示するようにしても良いし,
全チャンネル又は複数のチャンネルのデータを重ねて表
示するようにしても良い。前者を単一波形表示,後者を
重ね波形表示と呼ぶ。
【0023】得られる心磁波形データについては,その
平均化(アベレージング)処理を行ったり,生体磁場に
基づいて等磁線図や時間積分図等を作成したりして,そ
の結果を表示できる。例えば,図7を参照するに,QR
S波の立上り部分がしきい値SLと一致した時点から予
め定められた時間(tOFF)だけ遡り,その遡った時点
t1から予め定められた時間T3だけ経過した時点t2
までの間のデータを予め定められた回数だけ加算するこ
とが行われる。これがアベレージングで,予め定められ
る時間T3をアベレージング時間,tOFFをオフセット
時間と呼ぶ。心磁波形データは予め定められた時間範囲
に亘って積分されても良い。その時間積分値が等しい点
(チャンネル)を結んで作られたマップを等時間積分図
と呼ぶ。また,心磁波形信号値が等しい点を結んで作ら
れたマップを等磁線図と呼ぶ。なお,各チャンネルは粗
く設定されているので,予め等磁線の間隔つまり磁場強
度差を設定して各チャンネル間を直線補間して等磁線を
描くことにより,より診断に適した図を作ることができ
る。図7に示す心磁波形について言えば,時点t1から
QRS波のピーク位置時点(tR時点)までの時間を伝
播時間と呼び,その伝播時間が等しい点を結んで作られ
たマップを等伝播時間図と呼ぶ。しきい値SLの設定レ
ベルは変更可能である。t1時点については,これを,
QRS波の立上り部分がしきい値SLと一致した時点を
基準として決定しているが,QRS波の立ち下がり部分
がしきい値SLと一致した時点を基準にして決定しても
良い。t1時点は更に,QRS波のピーク位置時点(t
R時点)を検出し,この時点を基準として決定されても
良い。計測された生体磁場信号は生体内の電気的生理現
象によって生成されるもので,その発生源は電流双極子
モデルによって近似される。その磁場発生源の電流双極
子は等磁線図上に合成表示され,それを磁場源表示と呼
ぶ。
【0024】被検者の登録から,その登録された被検者
のデータ計測を行って,その計測されたデータの解析を
行うまでの一連の操作はデイスプレイ8−1に表示され
る表示画面を見ながら行われる。このため,その一連の
操作の説明に先立ってまずその表示画面のレイアウトを
説明する。
【0025】図8は,図1のデイスプレイ8−1に表示
される表示画面の基本的なレイアウトを示す。表示画面
の上方部は上から順番に配置されたタイトルバー部80
1,メニューバー部802及びアイコンが配置されてい
るツールバー部803によって占められる。上記各部は
表示領域やエリアと考えることもできる。これらの配置
は他の処理目的,例えば,被検者の登録や読み出し,磁
場の計測,計測データの解析のための処理,などにおい
てもその表示画面で共通して表示される。これにより使
用し易さが増し,計測や処理の時間が短縮できる。表示
画面の中央部は左から右へ順番に配置された被検者情報
部804,線図や波形のような解析データが表示される
解析データ部805及び操作領域部806によって占め
られている。また,下部はステータスバー807で占め
られ,これは,左側に配置された,次の操作に関するガ
イドメッセージを表示するメッセージバー部807−1
とその右側に配置された日時表示部807−2からな
る。なお,前記メッセージバー部807−1と前記日時
表示807−2を1つの表示領域としても良い。
【0026】この実施例における表示画面では,常に最
上部にこのシシテムの名称が表示されるタイトルバー部
801と,このシステムの基本的な操作を行うメニュー
バー部802,及び前記メニューバー部802における
使用頻度の高い操作が可能なツールバー部803が配置
されているので,使用者は表示画面が変わるたびに操作
エリアを探す必要がなく,常に表示画面の上部を見れば
現在動作中のシステムを知ることができる。しかも,表
示画面の上部は,人が文章を読む場合を想定すると明ら
かなように,先ず最初に目を向ける部分であることか
ら,このシステムの操作における基本的な事項を最上部
に設けることで,自然な形で使いやすさを向上してい
る。また,表示画面の中央部は,その中央にはこの表示
画面の主体をなす解析データ表示部805を大きく設け
ることで見易さを向上するとともに,その右側にこの表
示画面に特有の操作領域部806を設けることで,右手
操作における表示画面と操作領域部の配置と同様な配置
としているので,違和感なく操作を実行できる。従っ
て,この表示画面をタッチパネル付きの表示画面に採用
しても,操作領域部806を操作する右手が解析データ
表示部805を邪魔することがない。また,同様に,解
析データ表示部805の左側に確認機能しかない被検者
情報部804を設けているので,常に患者を確認しなが
ら操作を実行できる。しかも,この左側の位置は,右手
操作における最も遠い位置となるのでタッチパネル付き
の表示画面に採用しても表示の見易さに影響をきたすこ
とがない。
【0027】また,解析データ表示部805及び操作領
域部806は被検者リスト及びその被検者のデータリス
トが表示されるときだけはそれらによって置き換えられ
る(図24)。被検者情報部804には,被検者リスト
画面(図24)が表示されているときはその画面中の被
検者リストにおいてカーソルが置かれる被検者の情報が
常時表示され,また,解析データ部に線図や波形のよう
な解析データが表示されているときは(図25〜3
4),その表示されている解析データが得られた被検者
の情報が常時表示される。これによって,表示されてい
る解析データとその解析データが得られた被検者との関
係を明確に知ることができる。このように,このシステ
ムの表示画面においては,メニューバー部802と同様
に,常に,被検者情報部804が表示画面の定位置(左
側)に表示されているので,使用者は表示画面が変わる
たびに被検者情報エリアを探す必要がなく,常に表示画
面の所定位置(左側)を見れば知ることができる。
【0028】タイトルバー部にはフレームの名称,具体
的には,名称「Multichannel MCG S
ystem」が表示される(図24〜34)。操作領域
部806にはボタンやテキストボックスのような操作要
素が配置されている。メニューバー部は操作メニューを
選択する部分で,メニューは「ファイル(F)」,「編
集(E)」,「リスト(L)」,「データ計測
(Q)」,「データ解析(A)」及び「ヘルプ(H)」
からなり,操作の順序に従って配置されている。
【0029】図9は表示画面中のメニュー部におけるそ
れぞれの操作メニューの内容を示し,これらのメニュー
の内容はそれぞれ対応するメニューボタンをクリックし
てプルダウンメニューとして表示される。このため,操
作メニューを必要としないときは,前記各メニューを呼
び出すためのキーワードのみメニューバー部にコンパク
トに表示しているので,解析データ部や操作領域部等の
各作業で必要な表示エリアを広く設定できる。そして,
操作メニューが必要なときは,操作手順に従って配列さ
れた前記キーワードをメニューバー部から選択して表示
して操作指示できる。この際,前記キーワードは,文字
の配列(左から右)に準じて配列されているので,自然
な形で操作指示できる。
【0030】「ファイル(F)」のプルダウンメニュー
は,ページレイアウトダイアログボックス(図示せず)
を開いて,ペイジレイアウトをセットする「ページレイ
アウト(U)」,印刷前のプレビューのための「プレビ
ュー(V)」,データの印刷のための「印刷(P)」及
びMultichannel MCG Systemを
終了させる項目「心磁システムの終了(X)」を含む。
「編集(E)」のプルダウンメニューは項目「削除
(D)」を含む。被検者リスト画面(図24)上の被検
者リスト中の被検者の計測データは同画面上のデータリ
ストに表示されるが,項目「削除(D)」はそのデータ
リスト中のカーソルが置かれたデータを削除するための
もので,予めデータが選択されていなければならない。
このメニューがクリックされると,削除して良いかどう
かの確認を行う確認ダイアログボックスが開かれる。削
除が必要な場合は,そのダイアログボックス中の「O
K」ボタンがクリックされ,削除をキャンセルしたいと
きは「キャンセル」ボタンがクリックされる。この確認
ダイアログボックスの表示及び操作により,誤って被検
者の計測データを削除する誤操作を軽減できる。
【0031】「リスト(L)」のプルダウンメニューは
「登録(R)」,「リスト(L)」,「削除(D)」,
「検索(S)」及び「解除(X)」の項目を含む。プル
ダウンメニューの「登録(R)」ボタンがクリックされ
ると,図10に示す被検者登録ダイアログボックスが開
かれる。これは被検者に関するデータを登録するときに
用いられるもので,登録できる項目は登録年月日,所定
桁までの被検者のID番号,氏名,生年月日,身長,体
重,性別,病気の分類情報を示す分類及び被検者コメン
トである。そのダイアログボックス中の「登録」ボタン
がクリックされると,登録のために入力されたデータは
登録されると共に,その入力ボックスは全てクリアされ
て再入力が可能となり,「キャンセル」ボタンがクリッ
クされれば,その全ての入力ボックスはクリアされ,そ
して「終了」ボタンがクリックされれば,被検者登録ダ
イアログボックスが閉じられる。プルダウンメニューの
「リスト(L)」がクリックされると,被検者リスト画
面(図24)が表示される。また,プルダウンメニュー
の「削除(D)」は被検者リスト画面(図24)上の被
検者リスト中のカーソルが置かれた被検者を削除するた
めのもので,それがクリックされると,削除前に,プル
ダウンメニューの「削除(D)」がクリックされるとき
と同様に削除して良いかどうかの確認を行う確認ダイア
ログボックスが開かれ,削除が必要な場合は,そのダイ
アログボックス中の「OK」ボタンがクリックされ,削
除をキャンセルしたいときは「キャンセル」ボタンがク
リックされる。被検者が削除されると,その被検者に関
するデータリスト中の全てのデータも削除される。
【0032】プルダウンメニューの「検索(S)」がク
リックされると,図11に示す検索ダイアログボックス
が表示される。被検者及びデータを検索して,被検者リ
スト画面に検索された被検者及びデータのみを表示す
る。被検者及びデータの検索対象は全被検者及び全デー
タとする。被検者名,登録日付,性別,データの種別,
計測日付,診断結果,コメント,検査技師,体位などを
キーワードとして与えてデータが検索される。前記のキ
ーワードを複数個組み合わせた複合検索を実行できる。
プルダウンメニューの「解除(X)」は検索された被検
者及びデータだけの表示を解除して全被検者及び全デー
タを表示するのに用いられる。「データ計測(Q)」の
プルダウンメニューは「調整値ファイル(F)」,「全
自動調整(A)」,「VOFF調整(V)」,「マニュア
ル調整(M)」,「調整値ファイル(F)」,「計測パ
ネル(P)」,「自動波形診断(D)」及び「AFAオ
フセット調整(O)」の項目を含む。「調整ファイル
(F)」がクリックされると,「開く(O)」,「上書
き保存(S)」及び「名前をつけて保存(A)」を内容
とするサブプルダウンメニューが表示される。サブプル
ダウンメニュー中の「開く(O)」はシステム調整画面
(図34)を表示して,指定された調整値ファイルを開
いてシステムの調整値,即ちIbias及びVOFFをシステ
ムに設定するのに用いられる。「上書き保存(S)」は
確認ダイアログボックスを開いて,現在の調整値を現在
開かれている調整値ファイルに上書き保存するのに用い
られる。「名前をつけて保存(A)」は現在の調整値デ
ータを名称を変えて別の調整値ファイルに保存するのに
用いられる。
【0033】プルダウンメニューの「全自動調整
(A)」が選択されると,システム調整画面(図34)
が表示され,後述の図22のフローに従ってバイアス電
流Ibias及びFLL回路6のオフセット電圧VOFFが自
動的に調整される。「VOFF調整(V)」が選択されると,
システム調整画面(図34)が表示され,後述の図23
のフローに従ってFLL回路6のオフセット電圧VOFF
が自動的に調整される。「マニュアル調整(M)」が選
択されると,図12に示すマニュアル調整ダイアログボ
ックスが開かれる。オペレータはスクロールバーとマウ
スを使ってチャンネルを選択し,バイアス電流Ibias
びオフセット電圧VOFFを変更する。入力された値に問
題なければ,「OK」ボタンをクリックしてその値の設
定が行われる。「キャンセル」ボタンがクリックされる
と,変更は無効となり,ダイアログボックスが閉じられ
る。
【0034】「計測パネル(P)」がクリックされる
と,グリッドマップを含むデータ計測画面(図25)が
表示される。「自動波形診断(D)」がクリックされる
と,図13に示す自動診断ダイアログボックスが開かれ
る。自動波形診断は,図34の表示画面中のΦ−V特性
曲線の振幅,中央値及び周期を自動的に調べ,Φ−V特
性曲線を表示する際或いは表示中の同曲線の表示を最新
状態に更新する際に,指定された範囲外にあるチャンネ
ルを計測に不適当な状態としてオペレータに通知するも
のである。計測に不適当な状態のチャンネルが検出され
た場合,エラーダイアログボックスを開いてエラーメッ
セージを表示してオペレータに通知するが,当該チャン
ネルのΦ−V特性曲線を別色で表示して不適当な状態で
あることを示しても良い。振幅最小値がチェックされて
いる場合,Φ−V特性曲線における最大値と最小値の差
が振幅最小値よりも小さいときが計測に不適当な状態で
あるとする。中央値が指定されている場合,前記最大値
と最小値との平均値の絶対値が指定された中央値よりも
大きい場合が計測に不適当な状態であるとする。周期が
指定されている場合,Φ−V特性曲線におけるΦの周期
が第1のテキストボックス(下限値)と第2のテキスト
ボックス(上限値)で指定された範囲外にあるときが計
測に不適当な状態であるとする。振幅最小値,中央値及
び周期の自動診断を有効にするには,各項目の左側のチ
ェックボックスをマウスでクリックして×印が表示され
ている状態にして,対応するテキストボックスに所望す
る値を入力すれば良い。このようにして入力された自動
診断のパラメータは「OK」ボタンを押すことによって
有効となり,ダイアログボックスが閉じられる。「キャ
ンセル」ボタンが押されると,入力されたパラメータは
無効となり,ダイアログボックスは閉じられる。「AF
Aオフセット調整(O)」はAFA7のオフセット電圧
AOFFを調整するときに用いられるもので,「AFA
オフセット調整(O)」がクリックされると,単一波形
表示に属するデータ計測画面(図25)が表示される。
「データ解析(A)」のプルダウンメニューは「アベレ
ージング(A)」,「単一波形表示(W)」,「重ね波
形表示(M)」,「グリッドマップ表示(G)」,「等
磁線図(B)」,「時間積分図(T)」,「伝播時間図
(P)」,「磁場源表示(S)」,「ラインモード
(L)」,及び「塗潰しモード(F)」を含む。
【0035】「アベレージング(A)」がクリックされ
るとアベレージング画面(図27)が,「単一波形表示
(W)」がクリックされると単一波形表示字画面(図2
8)が,「重ね波形表示(M)」がクリックされると重
ね波形表示画面(図29)が,「グリッドマップ表示
(G)」がクリックされるとグリッドマップ表示画面
(図30)がそれぞれ表示され,メニューの左側に選択
されたことを示すチェックマーク(×)が表示される。
また,「等磁線図(B)」がクリックされると等磁線図
画面(図31)が,「時間積分図(T)」がクリックさ
れると等時間積分図画面(図32)が,「伝播時間図
(P)」がクリックされると等伝播時間図画面(図3
3)がそれぞれ表示され,メニューの左側に選択された
ことを示すチェックマーク(×)が表示される。また,
「磁場源表示(S)」がクリックされるとメニューの左
側に逆三角マークが表示され,等磁線図を表示する際に
電流ダイポールで近似した磁場源が重ねて表示される
(図なし)。等磁線図,等時間積分図,等伝播時間図及
び磁場源表示の画面は「ラインモード(L)」が選択さ
れると,線間が塗潰しなしで表示され,「塗潰しモード
(F)」が選択されると,線間が塗潰された状態で表示
される。現在のモードを示すために,メニューの左側に
選択を表すチェックマークが表示される。
【0036】「ヘルプ(H)」のプルダウンメユーは
「目次(C)」,「キーワードで検索(S)」及び「バ
ージョン情報(A)」を含み,それぞれヘルプウインド
ウを開いて目次を示すこと,キーワードでトピックを検
索すること,バージョンダイアログボックスを開くこと
のために用いられる。ツールバー部803には「被検者
登録」(808),「被検者リスト」(809),「印
刷」(810),「プレビュー」(811),「システ
ム調整」(812),「データ計測」(813),「デ
ータ解析」(814)のアイコンが配置される。これら
は,その図示は省略されているが,メニューの機能とリ
ンクしていて,プルダウンメニューの項目のうちの使用
頻度の高いものを選択できる。即ち,「被検者登録」
(808)は「リスト(L)」の「登録(R)」と,
「被検者リスト」(809)は「リスト(L)」の「リ
スト(L)」と,「印刷」(810)は「ファイル
(F)」の「印刷(P)」と,「プレビュー」(81
1)は「ファイル(F)」の「プレビュー(V)」と,
「システム調整」(812)は「データ計測(Q)」の
「マニュアル調整(M)」と,「データ計測」(81
3)は「データ計測(Q)」の「計測パネル(P)」
と,そして「データ解析」(814)は「データ解析
(A)」の「グリッドマップ表示(G)」とそれぞれ対
応している。このようにアイコンとリンクしているメニ
ューについては,そのメニューをアイコンをクリックす
るだけで選択することもできる。従って,使用頻度の高
い操作は,解析データ表示部に隣接したアイコンをクリ
ックするだけで簡単に操作できるので,前記メニューバ
ー部の操作に比べて短時間にしかも認識し易いアイコン
で操作できる。なお,前記アイコンは利用者によって選
択するようにしてもよく,また,利用頻度(回数)に準
じて自動的に前記ツールバー部803に表示するように
しても良い。次に,システムの調整操作を含めて,被検
者の登録から,その登録された被検者のデータ計測を行
って,その計測されたデータの解析を行うまでの一連の
操作を図14〜34を参照しながら説明する。
【0037】図16は全体の操作のフローを示すもの
で,計算機8の電源がONにされると(S−1),オペ
レーテイングシステムが立ち上げられ,プログラム起動
アイコンがデイスプレイ部8−1に表示される(S−
2)。そのアイコンの中からMultichannel
MCG Systemのプログラムのアイコンが選択
されると(S−3),図24に示す被検者リスト画面が
代わって表示される(S−4)。この実施例に係るシス
テムにおいては,システム立ち上がりの初期画面として
図24に示す被検者リスト画面を表示する。この理由
は,被検者と,該被検者の計測又は解析データの関係が
極めて重要であるため,このシステムでは被検者情報を
キワードとしてデータ管理していることに起因する。即
ち,計測データや解析データは被検者情報がないと管理
ができないためである。このため,このシステムでは,
被検者リスト画面において,先ず被検者を登録又は登録
されているときは被検者を特定し,次に,新規計測の場
合は計測に移行し,既に計測データがある場合は目的の
データを特定する。なお,本被検者リスト画面に先立っ
てシステム立ち上げ時の時間待ちの表示画面を備えても
よく,更に本システムの目次的な役割をする表示画面を
設けても良い。
【0038】図24に示す被検者リスト画面について説
明するに,その左側は被検者情報部で占められる。ま
た,その右側全体の上部には被検者リストが,下部には
デ−タリストが表示されるようになっている。被検者情
報部に表示される項目は図10に関連して説明したのと
同じである。被検者リストの項目は,ID(被検者ID
番号),氏名,登録年月日(データ登録された日),計
測回数(データ計測が行われた回数),生年月日,年
齢,身長,体重,コメント(被検者に関するコメント)
等を含む。被検者リストについては,これを縦スクロー
ルバーでスクロールすることができ,被検者リストの項
目については,これを水平(横)スクロールバーでスク
ロールできる。選択された被検者の行は強調表示され
る。選択された被検者に関するデータリストの項目は,
ID,データの種類(生(Raw)データかアベレージ
ング(Averaging)か),サンプリング間隔
(データ計測が行われたときの信号の,ミリ秒単位での
サンプリング間隔),サンプリング時間(秒単位),分
類(病気の分類情報),Date及びTime(データ
計測が行われた日及び時刻),コメント(データに関す
るコメント)等を含む。データリストについては,これ
を縦スクロールバーでスクロ−ルすることができ,デー
タリストの項目については,これを水平(横)スクロー
ルバーでスクロールできる。選択されたデータの行は強
調表示される。
【0039】この被検者リスト画面によれば,被検者リ
ストに各被検者の情報を1行表示する。これにより,上
下に配列される各被検者の情報が明確に区分けできるの
で識別性を向上できるから,例えば誤って別の被検者を
選択する誤操作を軽減できる。この各被検者の情報は水
平(横)スクロールバーでスクロールできるとともに,
選択された被検者の情報は縦長の被検者情報部に項目毎
に上下に配列されるので視認性を損なうことがない。こ
の場合,各被検者のデータリストの項目を前後(左右)
に移動可能として視認性をより向上させても良い。更
に,各被検者の情報を1行表示すことにより,一度に沢
山の被検者を見ることができるので,縦スクロールバー
でスクロールする回数を少なくできる。また,被検者リ
ストの中から目的の被検者に関するデータを選択したい
被検者リストにカーソルを合わせてクリックするだけの
簡単な操作で下部のデータリストに表示できる。しか
も,被検者リストとデータリストが上下に配置されてい
るので,目線移動が少なくできるから,その関連性を認
識しやすい。また,前記データリストは,そのエリアの
上部にカーソルを移動してドラッグする簡単な操作でそ
の大きさを自由に変えることができるので,データリス
トのリスト数に合わせて自由にその大きさを設定でき
る。
【0040】ステップS−5においては,被検者リスト
画面上の被検者リストの中から所望の被検者の行が選択
される。後述のアベレージング処理の場合は,必ずデー
タリスト中の生(Raw)データの行が選択される。こ
の後はフローはメニューにより4つに分岐される(S−
6)。分岐の一つによれば,「ファイル(F)」のメニ
ューの「心磁システム終了(X)」のサブメニューが選
択され,この場合はウインドウを閉じる等の終了処理が
行われ(S−7),それによって,システムの立ち下げ
が行われる(S−8)。その後,計算機18の電源がO
FFにされ(S−9),全てが終了する。分岐の残りに
よれば,アベレージング処理(S−10),データ解析
(S−11)及びデータ計測(S−12)が行われる。
アベレージング処理は「データ解析(A)」のメニュー
の「アベレージング(A)」のサブメニューを選択して
実行可能である。また,データ解析は「データ解析
(A)」のメニューの「単一波形表示(W)」,「重ね
波形表示(M)」,「グリッドマップ表示(G)」,
「等磁線図(B)」,「時間積分図(T)」,「伝播時
間図(P)」及び「磁場源表示(S)」のサブメニュー
のいずれかを選択して実行可能である。更に,データ計
測は「データ計測(Q)」のメニューの「計測パネル
(P)」のサブメニューを選択して実行可能である。ス
テップ10,11及び12の終了後はフローはステップ
S−4に戻る。ステップS−5の被検者選択,ステップ
S−10のアベレージング処理,ステップS−11のデ
ータ解析及びステップS−12のデータ解析について
は,その詳細はそれぞれ図17〜20に関連して以下に
更に詳しく説明される。
【0041】図17は図16のステップS−5における
被検者選択のフローを示す。被検者選択の場合は,フロ
ーはメニュー選択又は被検者選択により4つに分岐され
る。分岐の一つは被検者を指定して選択する(S−5−
1)ことで被検者選択が終了する場合である。分岐のも
う一つによれば,「リスト(L)」のメニューの「検索
(S)」のサブメニューが選択される。これによって,
図11に示す検索ダイアログボックスが開かれ(S−5
−2),このダイアログボックスを用いて被検者検索条
件が入力される(S−5−3)。これによって被検者が
検索され(S−5−4),これにもとづいて図24に示
す被検者リスト画面上の被検者リストの表示内容が変更
される(S−5−5)。分岐の更にもう一つによれば,
「リスト(L)」のメニューの「解除(X)」のサブメ
ニューが選択される。この場合は,選択された被検者が
全被検者リストに戻され(S−5−6),被検者リスト
の表示内容の変更が行われる(S−5−5)。分岐の残
りの一つによれば,「リスト(L)」のメニューの「登
録(R)」のサブメニューが選択される。この場合は,
図10に示す被検者登録ダイアログボックスが開かれ
(S−5−7),被検者情報が入力される(S−5−
8)。これらのステップについては全ての被検者の入力
が終わるまでその入力終了の判断が行われ(S−5−
9),その入力が終了すると,被検者リストの更新が行
われる(S−5−5)。
【0042】この実施例では,被検者の名前や住所等の
文字入力を除いて,表示画面にプルダウンメニューを表
示するなどして入力する複数の入力データ又は操作指示
を表示し,その選択対象の中からマウスで特定の前記対
象を指示して入力操作を行うようにしている。これによ
り,マウス操作でほとんどの操作が可能となるのでキー
ボードに不慣れな作業者に快適な操作環境を提供できる
とともに,入力/操作の時間短縮を図ることができる。
前記プルダウンメニューの複数の選択対象は,この装置
或いはその入力/操作状態で入力/操作可能な選択対象
が事前に設定され表示されるので誤入力/誤操作を軽減
できる。また,この実施例では,入力エリアにカーソル
を合わせてキーボードを介して入力することもできるの
で,操作者の入力の自由度を確保している。また,この
実施例では,キーボードでの文字入力を想定している
が,入力時にキーボードのダイヤログを表示してこれを
マウスで操作して入力しても良い。さらに手書入力ダイ
ヤログを表示して,マウス操作で手書入力するようにし
ても良い。更には,前記デイスプレイ部にタッチパネル
を備えて入力/操作を画面に指先又は入力ペンを介して
操作しても良い。これらにより入力/操作の操作性を格
段に向上できる。
【0043】図18は図16のステップS−12におけ
るデ−タ計測のフローを示す。まず初めに,初期画面と
して心磁波形のグリッドマップが図25に示すように表
示される(S−12−1)。同図において,操作領域部
では,チャンネル選択,波形モニタのON−OFF,F
LL回路6のロック−アンロック,AFA7のオフセッ
ト電圧の自動調整及びヒートフラッシュのための操作を
それぞれ行うことができ,更に,信号のサンプリング条
件設定,波形表示のスケールの設定及びAFAパラメー
タの設定が可能である。チャンネルは8×8の64チャ
ンネルからなり,「全チャンネル選択」ボタンをクリッ
クするか,又はチャンネルマトリックスを対角線に沿っ
て端から端までドラッグして,全チャンネルを選択でき
る。また,行単位又は列単位でチャンネルマトリクス選
択或いはその内の1つの項(以下「チャンネル項目」と
いう。)をドラッグすれば,チャンネルを行単位又は列
単位で選択できる。いずれにしても,選択されたチャン
ネル項目に基づいてその項目に関連したチャンネルにつ
いて,その心磁波形が解析データ表示部に表示される。
行単位又は列単位での選択の場合は図26のように表示
される。この場合,選択された波形は時間軸に関しては
フルスケールいっぱいに拡大されて表示される。即ち,
64チャンネル全てが選択されている場合は,図25に
示すように解析データ表示部を上下左右(桝目)に分割
して全てのチャンネル表示を優先させ,行単位又は列単
位での選択の場合は図26のように,解析データ部を上
下に分割して時間軸を左右にする馴染みのあるグラフの
形態とすることで視認性を優先させた表示形態としてい
る。
【0044】波形のモニタについては,「ON」ボタン
が押されると,例えば,0.5secから2secの間
で指定された時間毎に信号の取り込みと波形の更新が繰
り返され,被検者の心磁信号がモニタされる。また,
「OFF」ボタンが押されると波形の更新が停止する。
FLLについては,「Lock」ボタン又は「Unlo
ck」ボタンをクリックすれば,64個のSQUIDセ
ンサに対して磁場ロックを行ったり,そのロックを解除
したりできる。その場合,一方のボタンが押されれば,
他方が押されるまでそのままの状態が保たれる。これに
より,選択されていない誤動作の状態を回避している。
また,「AFAオフセット調整」ボタンをクリックすれ
ば,そのオフセット電圧が自動的に調整される。また,
「ヒートフラッシュ」ボタンをクリックすれば,図14
に示すヒートフラッシュ操作ダイアログボックスが開か
れる。マウス又は矢印キーでチャンネルを選択し,「O
K」ボタンをクリックすれば,その選択されたチャンネ
ルのSQUIDについてヒートフラッシュ操作が実行さ
れる。「キャンセル」ボタンを押せば,ダイアログボッ
クスが閉じて処理は終了する。
【0045】サンプリングの時間(計測時間)及び間隔
については,逆三角印のついた対応テキストボックスを
クリックすれば,選択可能な数値のプルダウンメニュー
が開かれ,その中から所望の数字を選択するこできる。
その選択可能な数字は,時間については,例えば,1s
ec,5sec,10sec,30sec,1min及
び2minであり,間隔については,例えば,0.1m
sec,0.5msec,1.0msec,2.0ms
ec,4.0msec,5.0msec及び10.0m
secである。時間は必要に応じて1sec程度から2
4h程度までの間で選ばれるようにしても良い。「スケ
ール」ボックス内の「時間」はmsec単位の時間スケ
ール,即ち水平方向のスケールを,「信号」はA/D変
換された信号のスケール,即ち縦方向のスケールを意味
する。これらについても,サンプリングの時間及び間隔
の選択と同様に,対応するテキストボックスをクリック
して開かれるプルダウンメニューの中から所望の数値が
選択される。AFAパラメータは入力ゲインIgain,出
力ゲインOgain,ローパスフイルタ(LPF)の周波数
(基準周波数),ノッチフイルタ(BEF)の周波数,
ハイパスフイルタの周波数(基準周波数)を含む。これ
らについても同様に,対応するテキスツボックスをクリ
ックして開かれるプルダウンメニューの中から所望の数
字又は文字が選択される。その数字又は文字は,Igain
については,例えば,1,2,5,10,20,50,
100,200,500及び1000であり,Ogain
ついては,例えば,1,10及び100であり,LPF
については,例えば,30Hz,50Hz,80Hz,
100Hz,200Hz,400Hz及び1kHzであ
り,BEFについてはOff,50Hz及び60Hzで
あり,そしてHPFについては,例えば,0.05H
z,0.1Hz及びThru.である。なお,これらは
選択の代わりにキーボードから入力されても良い。
【0046】チャンネルとしては64チャンネル以外に
更に例えば16チャンネルの補助チャンネルが用意され
ていて,その補助チャンネルでは例えば心電波形が得ら
れるようにされても良い。図25の最下段には参照チャ
ンネルとしての第10チャンネルの波形が表示されてい
るが,これはその補助チャンネル中の第10チャンネル
で得られた心電波形である。心磁波形は一般に磁気雑音
を含み,一方,心電波形はそのような雑音を含まない。
従って,表示されている心磁波形を参照チャンネルの心
電波形と比較して心磁波形に磁気雑音が含まれているか
どうかの情報が得られる。勿論,その心電波形は補助チ
ャンネルではなく,正規の64チャンネルの中の任意の
チャンネルから得られるようにされていても良い。ま
た,心電波形以外に脳波,血流波形,血圧波形等が用い
られても良い。更に,妊婦の心電波形とその胎児の心磁
波形が比較されるようにしても良い。また,参照波形と
しては,1チャンネルの参照波形だけでなく,複数チャ
ンネルの参照波形が表示されるようにしても良い。更
に,参照チャンネルは,生体からの信号だけでなく,保
守等を目的とした種々の制御信号を入力するのに用いら
れても良い。
【0047】図18のフローに戻るに,ステップS−1
2−2では既述の要領でモニタチャンネルが選択され
(S−12−2),FLLのロックボタンが押される
と,全てのSQUIDの磁場ロックがなされる(ステッ
プS−12−3)。その状態で,計測パラメ−タである
サンプリングの時間と信号の設定並びにAFAのパラメ
ータの設定がなされる(ステップS−12−4)。その
設定については,この設定を,その設定された条件を使
うことにして次回から省略できる。これにより,毎回条
件設定を行う必要がないので設定時間を短縮できる。な
お,前記設定条件について名称を付ける等して記録し呼
び出し可能としても良い。「計測」ボックスの「開始」
ボタンが押されると計測が開始され,図15に示すよう
に「計測中」の表示がなされると共に計測の進行状況を
示すプログレスバーが表示される(ステップS−12−
5)。この実施例のプログレスバーは,棒グラフ形式で
左から右に処理進行の経過に従って棒が伸びるようにし
ているが,全体の処理内容(時間)を例えば100とし
て,現在の処理経過がわかれば良いので,円グラフ等で
も良い。また,前記プログレスバーは,計測画面の所定
の位置に周囲に前記計測画面を残して表示するようにす
る。これにより,表示画面の内容が大きく変わることが
ないので誤操作を軽減できる。
【0048】計測が開始されると,表示されている信号
波形はそのまま固定化され,プログレスバーはその固定
化された表示画面上に表示される。プログレスバーの更
新は設定された時間が終了するまで,例えば毎秒繰り返
される(S−12−6)。「計測」ボックスの「中止」
ボタンが押されると,計測が中止する。計測が終了する
と,図26に示す画面表示がなされ,波形の確認がなさ
れる(S−12−7)。その後,そのデータの保存の必
要性が判断され(S−12−8),保存が必要な場合は
メニュー「ファイル(F)」−「保存(S)」が選択さ
れて,信号は保存され,当該被検者のデータリストに追
加される(S−12−9)。その後,保存が必要ない場
合も含めて,計測がもう一度必要かどうかの判断がなさ
れ(S−12−10),必要ならば以上のステップを繰
り返し,必要なければデータ計測の全ステップは終了す
る。その場合,画面表示は図24の表示となるようにメ
ニュー選択がなされる。なお,図26はチャンネルとし
て第2列目の行のチャンネルが選択された例を示す。
【0049】図26において,解析データ部の最下部に
はスクロールボックス261が移動するスクロールバー
262がある。スクロールボックス261はスクロール
バー262の左右の両端間で移動可能なるもので,その
スクロ−ルボックスの幅wは時間スケールを表す。その
スクロールバー262の左右の両端間の時間幅は計測時
間を表し,従って,表示されている波形は計測時間中に
生じる波形の,スクロールボックス261の時間スケー
ルwに相当する一部分の拡大された波形である。これに
より,操作者は,現在解析データ部に表示されている波
形が計測時間(スクロールバー262の幅)の中でどの
くらいの時間(スクロールボックス261の幅)かを示
し,前記波形が計測時間の中で前半を示しているのか後
半を示しているのか等を人目で把握できるので,視認性
を向上させることができる。また,前記スクロールボッ
クス261の位置と解析データ部の波形を連動させてい
るので,カーソルを前記スクロールボックス261に合
わせてドラッグしながら移動させることで,解析データ
部の表示領域を移動させて所定時間の波形を見るように
しても良い。このようにすれば,所定時間の波形を簡単
に確認する等,前記スクロールバー262を目次的に扱
いで計測内容を詳細に確認できる。
【0050】図19は図16のステップS−10におけ
るアベレージング処理のフローを示す。アベレージング
処理では,各チャンネルで測定された各データのノイズ
を取り除くために各チャンネル毎に加算されてその平均
値が計算される。この各チャンネルのアベレージング処
理にあたり基準となる時間を設定するために以下の処理
がなされ,そして各チャンネルのアベレージング処理が
実行される。まず,指定された被検者の生データが読み
込まれる(S−10−1)。これは,図24のリストデ
ータ中の「データの種類」が生デ−タとなっている行を
選択して行われる。これによって,初期表示として,図
27に示す第1列目のチャンネルの心磁波形が表示され
る(S−10−2)。次いで,表示チャンネルが選択さ
れる(S−10−3)。図27は第2列目のチャンネル
が選択された例を示す。その後,設定チャンネルが指定
される(S−10−4)。これは操作領域部にある「ア
ベレージング条件」ボックス内の「チャンネル」のテキ
ストボックスをクリックするか又は所望のチャンネルの
波形を表示している領域をマウスでクリックして行われ
る。この場合,そのテキストボックス内の三角ボタンを
クリックすればチャンネル数字が大きくなり,逆三角ボ
タンをクリックすればチャンネル数字が小さくなる。図
27は指定されたチャンネルが第2列第2行目のチャン
ネルである例を示す。このチャンネル指定によって,ア
ベレージング処理の基準時間となるチャンネルが特定さ
れる。このチャンネルを特定するにあたっては,最も典
型的な,或いは分かり易い波形を備えたチャンネルを選
定すると良い。仮に,選択した行又は列に良い波形を備
えたチャンネルがなければ,再び(S−10−3)のス
テップからやり直すことができる。
【0051】また,前記解析データ表示部の1つのチャ
ンネルが特定されると,図27に示すようにしきい値カ
−ソル271が指定されたチャンネルの位置に表示され
る。これによって,指定されたチャンネルを視覚的に確
認できる。図27において,解析データ表示部805の
上部に左右方向に移動可能な3個のスライダーカーソル
273〜275が表示されているが,これらは図27の
表示画面が表示されると同時に自動的に表示される。ス
テップS−10−5として,アベレージング条件である
しきい値,オフセット時間及びアベレージング時間が
「アベレージング条件」ボックス内の対応するテキスト
ボックスをクリックして設定される。三角ボタンをクリ
ックすれば数字が大きくなり,逆三角ボタンをクリック
すれば数字が小さくなる。しきい値の設定は「しきい
値」テキストボックスでしきい値を表す数字を選択して
行われる。これによって,その数字に対応する位置にし
きい値カーソル271が自動的に移動する。その場合の
移動位置はカーソル線によって明確に確認できる。「し
きい値」テキストボックスのしきい値を表す数字の変更
(選択)としきい値カーソル271の移動は互いに連動
しており,従ってしきい値はしきい値カーソル271を
移動させることによっても設定可能である。スライダー
カーソル273は波形の立上り部分がスライダーカーソ
ル271によって設定されたしきい値と一致した時点
(基準時点)位置を指し示すものであり,その指し示す
位置はカーソル線によって明確に確認できる。このスラ
イダーカーソル273はしきい値の変更に応じて変わる
基準時点位置と一致するように該基準時点位置に追従し
て移動する。「オフセット」テキストボックスでオフセ
ット時間を表す数字を選択し,「時間」テキストボック
スでアベレージング時間を表す数字を選択すると,それ
に対応する位置にスライダーカ−ソル274及び275
が移動する。その場合の移動位置はそれらのスライダー
カーソルのカーソル線によって明確に確認できる。スラ
イダーカーソル274及び275の移動は「オフセッ
ト」テキストボックス及び「時間」テキストボックスで
の数字の選択と連動している。このため,オフセット時
間及びアベレージング時間の設定はスライダーカーソル
を移動させることによっても可能である。
【0052】ステップS−10−6ではアベレージング
モードとしてアベレージングを自動で行うべきか,マニ
ュアルで行うべきかが設定される(S−10−7)。そ
の後,「設定」ボタンをクリックすると(S−10−
8),加算処理が行われる。「キャンセル」ボタンをク
リックすれば,アベレージング条件は全てキャンセルさ
れる。加算処理としては,各チャンネルにおいて,しき
い値を越えた時刻t(基準時点)が探索され(S−10
−9),次いで時刻tを中心に波形が表示され(つま
り,t時点が画面の中心に位置付けられようにt−50
msecからt+50msecまでの波形が表示され)
(S−10−10),そしてマニュアルモードでキャン
セルが選択されたかどうかの判断がなされ(S−10−
11),キャンセルが選択されたのでなければ波形の加
算が実行される(S−10−12)。ステップS−10
−9からステップS−10−12までのステップは各チ
ャンネル毎に加算回数だけ繰り返され,その後加算され
たデ−タは加算回数で割算され(S−10−13),ア
ベレージング処理が終了する。このように,この図27
に示すアベレージング処理の表示画面においては,操作
領域部と解析データ表示部805の双方からアベレージ
ング処理の諸条件の入力/操作を行うことができるの
で,例えば,大まかな条件を解析データ部で設定して,
詳細な値を操作領域部で設定する等,操作者に多様な設
定方法を提供すると共に条件設定の時間短縮を図ること
ができる。特に,この実施例では,解析データ表示部8
05の複数のチャンネルの中からカーソルを介して特定
のチャンネルを指定してアベレージング処理の基準とな
るチャンネルとできから,誤操作が軽減され操作性が向
上される。しかも,その指定されたチャンネル近傍にし
きい値カーソルやスライダーカーソルを表示して視覚的
な認識が可能である。更に,アベレージング処理の諸条
件の入力/操作を前記チャンネル近傍に配置されるしき
い値カーソルやスライダーカーソルで行うことができる
ので,操作者の目線移動を少なくして,波形表示に合わ
せて視覚的に設定できるから,誤操作を軽減して操作性
を向上できる。なお,これらの設定条件,例えば最新の
設定条件を記憶させて次回の設定条件として表示させた
り,或いは各設定条件に名前を付して記憶させ呼び出す
ようにしても良い。
【0053】図27に示したアベレージング処理の表示
画面のアベレージング処理を行なう別の実施例を,図3
5から図42に基づいて詳細に説明する。図35にアベ
レージング処理プログラムの表示画面を示す。図35か
ら図42に示す表示画面は,図8に示した解析データ部
805と操作領域部806とを詳細に示したものであ
る。画面は主に5つのオブジェクトグループに分かれて
いる。解析処理の手順に従って,オブジェクトグループ
を表すと,操作領域部としては,データ読み込みオブジ
ェクト101,グラフ表示制御用オブジェクト102,
アベレージング用オブジェクト103,全チャネル概要
表示用オブジェクト104,ファイル保存及び終了オブ
ジェクト105とが配置されている。表示画面上部には
元波形(計測された磁場波形を元波形という)表示領域
106が配置され,表示画面下部にはアベレージング表
示領域107が配置されている。以下,操作手順に従っ
て操作方法の実施例について説明を行う。
【0054】図36を用いてファイル読み込みの実施例
を説明する。ファイル読み込みはボタンLOAD101
aを押すと,ファイル選択ダイアログ108が表示さ
れ,選択したいファイル名の位置にアイコンを移動させ
ファイル名を選択して,ファイル選択の設定が行える。
本実施例では,名前がtest1.dat名前のファイ
ルが選ばれており,ハイライト108aで分かりやすく
表示されている。全てのファイルを選択したい時は,選
択ボタン108b中のSelect Allボタン10
8b−1を選択すると,全ファイルがハイライトされ全
ファイルが選択可能となる。複数個のファイルを選択し
た場合,複数個の図1に示すウィンドウが表示される。
以上のように1つ以上のファイルを選択後,OKボタン
108b−2を押し次のモードに移動する。間違ってフ
ァイル選択ダイアログ108を開いてしまった場合は,
Cancelボタン108b−3を選択して図35に示
した表示画面へ戻ることができる。選択したファイルの
読み込むデータ数はデータ点数入力ウインドウ101b
に数値を入力し,設定を行うことができる。選択したフ
ァイルのデータのサンプリング周波数をFrequen
cyトグル101cで選択を行う。本実施例では,1k
Hzのサンプリング周波数が選択されている。Freq
uencyトグル101cのように手動で選択する方式
が面倒な場合は,例えば選択したファイル内に測定時の
サンプリング周波数の情報を測定データと共に記録して
おき,自動でサンプリング周波数を決定する構成でも良
い。
【0055】図37を用いてグラフ表示制御について説
明を行う。図37の元波形表示領域106に表示されて
いる波形106aは,図36中でハイライト108aに
よって選択されたtest1.datのファイルでTr
ig.chボタン102aで選択されたチャネル(本実
施例では80チャネル)の波形が表示されている。本実
施例では,図2に示した64個の磁気センサの他に16
チャネルの外部入力を有しており,80チャネル目に心
磁波形と同時に計測した第2誘導心電図の波形(図43
に後述する)を取り込んでおり,心電図の波形を用いて
アベレージング処理を行った表示画面を示している。当
然,Trig.chボタン102aで選択されるチャネ
ルは,80チャネルの心電波形に限ることなく,図6に
示した心磁波形の任意の1チャネルを選択することも可
能である。Dsp.chボタン102bはアベレージン
グ表示領域107に表示されるチャネル(本実施例では
80チャネル)を選択できる。本実施例では,元波形表
示領域106とアベレージング表示領域107とで選択
されているチャネルが同じであるが,必ずしも同一にす
る必要はない。元波形表示領域106とアベレージング
表示領域107のグラフ表示領域(時間領域幅)の変更
は,テキストボックスwidth102cとテキストボ
ックスoffset102dに数値を入力して行える。
【0056】テキストボックスwidth102cは,
元波形表示領域106とアベレージング表示領域107
の横軸106b,107bに表示される時間幅(単位は
ms)を設定し,テキストボックスoffset102
dは,読み飛ばす時刻(単位はms)を設定できる。例
えばデータの時刻0のデータ点から1000ms読み飛
ばしてデータ幅4000msを読み出す場合には,テキ
ストボックスoffset102dの数値を1000m
sと入力し,テキストボックスwidth102cの数
値を4000msと入力する。本実施例ではテキストボ
ックスoffset102dの数値を1msと入力し,
テキストボックスwidth102cの数値を4000
msと入力した例を示す。本実施例の元波形表示領域1
06とアベレージング表示領域107の縦軸はA/Dコ
ンバータによってデジタルデータに変換されたデータの
値で表示されているが,磁場や電位の強度の値を用いて
表示しても良い。さらに本実施例では縦軸の表示の幅
は,表示区間に選ばれた時間幅内のデータの最大値と最
小値が表示できる範囲に自動でスケーリングされる構成
としている。
【0057】図38を用いてピーク検出の設定方法につ
いて説明を行う。ピーク検出は,アベレージング用オブ
ジェクト103によって行う。最初にテキストボックス
Threshold103a内に数字を入力してピーク
検出の閾値(本実施例では180)を設定する。次に検
出方法をトグルボタンMethod103bによって設
定する。検出方法は閾値を越える値をもつ最大ピークを
検出する方法(peak+,図38記載),閾値より小
さい値を持つ最小ピークを検出する方法(peak
−),閾値より小さい値から大きい値に変化する時の閾
値とのクロス点を検出する方法(cross+),閾値
より大きい値から小さい値に変化する時の閾値とのクロ
ス点を検出する方法(cross−)の4種類が用意さ
れている。本実施例では,最大ピークを検出する方法
(peak+)が選択されている。さらにアベレージン
グする時間幅の選択はテキストボックスFrameLe
ngth103cに数字を記入して行える。テキストボ
ックスDataLength103dに数字を入力し
て,検出ピーク前の時間幅の設定が行える。設定した内
容(103a,103b,103c,103d)でピー
ク検出を行いたい場合は,ボタンCALC.PEAK1
03eを押し,計算を行わせる。ピーク検出が終わり次
第,設定したFrameLength103cとDat
aLength103dの値は元波形表示領域106上
に表示された元波形106a上にアベレージング表示範
囲表示部B1,アベレージング表示範囲最大時刻B2,
アベレージング表示範囲最小時刻B3によって設定範囲
が元波形106a上に表示される。
【0058】また,表示画面上の波形中で抽出されたピ
ーク点には全て白抜きの丸印C1,C2,C3,C4が
表示される。丸印C1の上にはピーク検出された何番目
のピークかが分かるように番号1が表示されている。本
実施例では,FrameLength103cの値が1
400でDataLength103dの値が700で
設定されている。元波形表示領域106上に表示された
元波形106aとアベレージング表示範囲表示部B1,
アベレージング表示範囲最大時刻B2,アベレージング
表示範囲最小時刻B3とを確認しながら,アベレージン
グ処理したい場合にはボタンNEXT103fを押すこ
とによってアベレージング処理が行われ,アベレージン
グ結果はアベレージング表示領域107にアベレージン
グ波形107aとして表示される。図38では,丸印C
1の波形を観察後ボタンNEXT103fを押してアベ
レージング処理をした例を示しており,アベレージング
波形107aはアベレージング回数1回のため,丸印C
1の中心とした波形と同じ波形が表示されている。アベ
レージング処理は表示されている元波形表示領域106
又はアベレージング表示領域107に表示されていない
チャネルの全ての波形にも同時にアベレージング処理が
施されている。図38では,元波形表示領域106に1
つの波形,アベレージング表示領域107に1つの波形
しか表示していないが,元波形表示領域106,アベレ
ージング表示領域107にそれぞれ複数個の波形を表示
しても良い。
【0059】図39は,ボタンSKIP103gを押す
ことによって2個目のピークをアベレージングデータと
して選択しなかった場合を示す。さらに図39ではボタ
ンSKIP103gを押した後,図38で4000であ
った波形表示時間幅を設定するテキストボックスwid
th102cの数字を8000に変更した場合を示して
いる。従って,アベレージング表示領域107に表示さ
れるアベレージング波形107aは図38で選択された
1個目の波形そのままである。ピーク検出処理を中断し
たくなった場合は,ボタンCLEAR103hを押すこ
とにより,アベレージング表示領域107に表示された
アベレージング波形107aは消滅し,アベレージング
表示領域107には何も表示されない。アベレージング
処理に選択されたピークは丸印C1が白抜きから黒丸に
変更され,アベレージング処理に選択されなかったピー
クは2重丸印にマークが変更される。当然,丸印の形や
色は白や黒,丸に限定されるものではない。以上のよう
にピーク点のアベレージング選択の状態を履歴として残
すことによって,アベレージング処理終了後に再度確認
が可能となる上に,本実施例では明記していないが,全
処理終了後に不必要なピークのアベレージング波形を選
択し除去することも可能である。
【0060】図38又は図39に示したアベレージング
処理を続けていき,検出された6個目のピークで同様の
処理を施す場合の実施例を図40に示す。テキストボッ
クスThreshold103aは180にトグルボタ
ンMethod103bは最大ピークを検出する方法
(peak+)に設定されているため,6個目より先の
ピークはピーク値が180を下回るため検出されていな
い。さらに次の時刻幅でピークを検出する場合にはテキ
ストボックスoffset102dの値を例えば800
0と入力すれば次の8000msから16000msま
でを表示させて同様のアベレージング処理をすることが
可能となる。また前述したが,丸印C1〜C6の中で黒
丸になっているC1,C3,C4,C5,C6はアベレ
ージング処理として選択されたピークのものを示してお
り,白抜きの2重丸印C2は,アベレージング処理に選
択されていないものを示す。
【0061】図41は,全チャネル概要表示用オブジェ
クト104中のボタンView Average104
bを押した場合の全チャネルのアベレージング処理結果
の波形表示109を示す。本操作により全チャネルのア
ベレージング処理を行った波形109aをセンサの位置
に対応して表示できる。同様にボタンView Sou
rce104aを押すことにより,全チャネルの処理前
の波形を表示できる。
【0062】図42は,アベレージング処理後の波形の
ファイル保存処理を説明したものである。アベレージン
グ処理後にファイルを保存する場合,ボタンSAVE1
05aを押して保存用ダイアログ110を表示させる。
表示後,ファイル名を新規に作成したい場合には,テキ
ストボックス110aにファイル名を入力して,ボタン
OK110bを押すことにより任意のファイル名で保存
が可能となる。既存のファイルに上書き保存したい場合
は使用するファイル名をハイライトさせボタンOK11
0bを押し,同一ファイルとしてアベレージング結果を
保存できる。また,間違って保存用ダイアログ110を
表示させた場合や,ファイルに保存しない場合には,ボ
タンCancel110cを押すことによってファイル
保存せずに図41に示した表示画面に戻ることができ
る。全ての処理が終了した場合は,ボタンQUIT10
5bを押すことによって,アベレージング処理のアプリ
ケーションを終了させることができる。
【0063】以上がアベレージング処理を行う場合の手
順及び画面表示方法である。上述のアベレージング処理
をする場合以下のような前処理を施すと適切なアベレー
ジング処理が可能となる。波形が呼吸性の雑音などの低
周波成分の磁場雑音のために基線が揺らいでいる場合
は,1つのチャネルの信号又は全てのチャネルの信号を
アベレージング処理の前処理としてハイパスフィルタを
通すと良い。1チャネルだけハイパスフィルタを通した
場合,ハイパスフィルタを通した信号からピーク検出を
行い,ピーク検出結果から前述したアベレージング処理
を全チャネルの信号に施すことも可能である。ハイパス
フィルタに用いるフィルタの種類は,例えばカットオフ
周波数が0.1から3Hzの範囲にあるハイパスフィル
タをIIR(無限インパルスレスポンス)フィルタやF
IR(有限インパルスレスポンス)フィルタといったデ
ジタルフィルタを用いると良い。その他のノイズで商用
電源ノイズ(例えば50Hz,60Hz)が雑音として
問題であり,なお且つ低周波呼吸性の雑音が問題の場合
は,くし形のノッチフィルタ(50Hz又は60Hzの
整数倍の周波数を除去するフィルタ)を用いることもで
きる。くし形のノッチフィルタとは,0Hz,50H
z,100Hz,150Hz…といった周波数を中心と
した1Hz程のバンド幅を持つノッチフィルタのことを
いう。以上のようなフィルタ処理をアベレージング処理
の前処理として使用すると,より雑音の少ないアベレー
ジング処理が可能となる。
【0064】次に上記のアベレージング処理を心電図で
行う場合,心磁図と心電図とを同時に計測する構成を図
43によって説明する。心電計本体121は磁気雑音を
避けるためシールドルームの外部に配置する。心電計本
体121に接続された心電計の配線122−1はシール
ドルーム内まで挿入され,心電計の配線122−1の先
には四肢誘導電線122−2が接続されている。四肢誘
導電線122−2の先には磁気雑音を発生しにくいカー
ボン電極122−3が配置されている。本実施例では四
肢誘導電線122−2やカーボン電極122−3で説明
を行ったがこれらに限定されるものではなく,例えば胸
部誘導電線(12誘導)にカーボン電極を使っても良い
し,非磁性材料を用いて電極部を構成して良い。さらに
心電計本体121はFLL回路6や増幅器・フィルター
・増幅器7などが収納されているラックの中に配置しも
良い。心電計の波形は心磁の波形と同時に計算機8上に
デジタルデータとして格納し,心磁と心電のデータ取り
込みと同時にリアルタイムに心磁又は心電の任意の数の
波形を表示可能である。リアルタイム波形の表示部は1
つの計算機8の画面に限定されるものでなく,複数個の
画面(コンピュータ用ディスプレイやテレビモニタな
ど)に選択的に同時にシールドルーム内外に表示でき
る。
【0065】図44に心電計本体121の生体磁場計測
装置との配置の関係を示した2つの実施例を示す。図4
4は図1に示した生体磁場計測装置の実施例で示したシ
ールルーム1の外部に配置したFLL回路6及び増幅器
・フィルター・増幅器7と心電計本体121との位置関
係を示している。図44(a)の実施例では,FLL回
路6及び増幅器・フィルター・増幅器7を一つのユニッ
トとしてボックス124に内蔵されており,電源スイッ
チ125のONによってFLL回路6及び増幅器・フィ
ルター・増幅器7部の電源が一括でONされる。ボック
ス124の上部には,心電計本体121がおかれ,配線
122―1に接続され,シールドルーム内に導入されて
いる。配線122―1と,FLL回路6とクライオスタ
ット4との間に接続される配線とは,シールドルームの
壁に設けられた同一の穴を通してシールドルーム内部に
配線しても良いし,心電計のケーブルに誘導される電磁
波などによる磁気のノイズが問題になる場合にはシール
ドルームの壁に設けられた異なる穴を通して配線122
―1とFLL回路6とクライオスタット4との間に接続
される配線とを別々にシールドルーム内部に配線しても
良い。心電計本体121には心電図の波形を印刷するロ
ール紙123が用意されている。ロール紙123に印刷
されるものは,心電図の波形に限ることはなく,心磁図
の波形を印刷してもよく,心磁図波形印刷専用のロール
紙のユニットをボックス124に設置しても良い。図4
4(b)の実施例では,FLL回路6と増幅器・フィル
ター・増幅器7と心電計本体121を一つのユニットと
してボックス124に内蔵されており,図20は図16
のステップS−11におけるデータ解析のフローを示
す。 データ解析はいろいろな種類の波形や線図を表示
して診断に必要な情報を得ようとするもので,図9のメ
ニューを選択していろいろな種類の波形や線図の画面を
選択的に表示できる。即ち,「データ解析(A)」の
「単一波形表示(W)」を選択すれば図28に示さす単
一波形画面が(S−11−2),「デ−タ解析(A)」
の「重ね合せ波形表示(M)」を選択すれば図29す重
ね波形画面が(S−11−3),「データ解析(A)」
の「グリッドマップ表示(G)」を選択すれば図30に
示すグリッドマップ波形画面が(S−11−4),「デ
ータ解析(A)」の「等磁線図(B)」を選択すれば図
31に示す等磁線図画面が(S−11−5),「データ
解析(A)」の「伝播時間図(P)」を選択すれば図3
2に示す等伝播時間図画面が(S−11−6),そして
「デ−タ解析(A)」の「時間積分図(T)」を選択す
れば図33に示す等時間積分図画面が(S−11−7)
それぞれ表示され,また,「ファイル(F)」の「心磁
システムの終了(X)」を選択すればシステムが終了す
る。
【0066】それぞれの画面において,操作領域部にあ
るラジオボタン(図面中の円形ボタン)をクリックすれ
ばそのクリックによって指定された波形又は線図の画面
が代わって表示される。図20において,分岐の部分を
「メニューで分岐」とせずに「メニュー又はラジオボタ
ンで分岐」としたのはそのためである。従って,この実
施例によれば,前記図9のメニューを選択することな
く,前記操作領域部にあるラジオボタンをクリックする
だけで多様な解析データが得られるので,操作時間の短
縮が図れるとともに,誤操作を軽減して操作性を向上で
きる。
【0067】図28〜図30において,「スケール」ボ
ックス内の「磁束密度」は,ゼロレベルを基準としたプ
ラス側及びマイナス側のフルスケールの値(単位はピコ
テスラ(pT))であり,その値はそのテキストボック
スの三角ボタンをクリックして開かれるプルダウンメニ
ューで選択される。図28〜33において「表示成分」
ボックス内のラジオボックスをクリックして法線成分の
波形又は接線成分の波形を選択して画面表示できる。
【0068】図28ではチャンネルで選択された各チャ
ンネルの波形が,解析データ部の左端をオフセット時間
に合せて表示される。この解析データによれば,解析デ
ータ部に上下に配列表示される各チャンネルの波形の形
状や大きさを比較できる。同様に図29では,前記図2
8で上下に配列された波形が重ねて表示され,その波形
の形状や大きさを比較できる。また,図30では,全て
のチャンネルが前記図28,図29と同様にオフセット
時間を基準にして表示される。従って,操作者は,必要
によりチャンネルの数を選定して解析できる。
【0069】図31において,解析データ部の右端には
縦に細長の磁場強度指標ボックス310が配置されてい
る。その磁場強度指標ボックスは互いに色の異なる12
個の区画に区切られている。これは,図31に示す等磁
線図画面の各島模様で示される磁場の強度範囲を色の種
類で区別して視角的な(色彩的な)認識性を向上させる
ようにしたものである。即ち,その磁場強度指標ボック
ス310の長手方向の中心位置311は磁場強度がゼロ
の位置で,その中心位置よりも上方の区画を中心位置に
近い順番に第1〜第6区画とそれぞれ呼ぶことにすれば
例えば第1区画は0〜2pTの磁場強度範囲に,第2区
画は2〜4pTの磁場強度範囲に,第3区画は4〜6p
Tの磁場強度範囲に,第4区画は6〜8pTの磁場強度
範囲に,第5区画は8〜10pTの磁場強度範囲に,そ
して第6区画は10〜12pTの磁場強度範囲にそれぞ
れ対応している。中心位置よりも下方の区画についても
全く同じである。但し,中心位置よりも上方の区画はプ
ラス方向の磁場強度を,下方の区画はマイナス方向の磁
場強度を表している。図31に示す等磁線図は,磁場強
度指標ボックス310内の磁場強度範囲と色との対応関
係の定めにしたがい,磁場強度に応じて色分け表示され
る。なお,色として,磁場強度のプラス側を暖色系,マ
イナス側は寒色系とし,中心部を黄色とするようにして
も良い。これにより,磁場の強弱を色彩的に認識できる
ので視認性を向上できる。しかも,この実施例によれ
ば,解析データ部の近傍に磁場強度指標ボックス310
を設けたので,比較対象の色,即ち,マップに付された
色と磁場強度指標ボックス310の所定の色とを目線移
動を大きく移動させることなく比べながら確認できるの
で,前記磁場の強弱のレベルと色との関係を明確に判断
できる。なお,この実施例では,磁場強度指標ボックス
310を解析データ部の右端に設けているが,解析デー
タ部の近傍であればよく,例えば,上部,下部,左側で
も良い。
【0070】図31において,「再構成パラメータ」ボ
ックス内の「マップ数」は表示される等磁線図の数を,
「最大値」は磁場強度指標ボックス310の両端部に相
当する磁場強度を,「間隔」は磁場強度指標ボックス3
10内の各区画の長さに対応する磁場範囲を意味する。
その値については,これを対応するテキストボックスの
三角又は逆三角ボタンをクリックして選択できる。解析
データ表示部の最下段には参照チャンネルの心電波形と
2個のマップ時刻選択用カ−ソル311及び312が表
示されている。その2個のマップ時刻選択用カーソル3
11及び312間には間隔が同じ分割線が表示され,こ
の線の数はマップ数選択によって選択されたマップの数
と一致する。また,2個のマップ時刻選択用カーソル3
11及び312はその位置を独立に左右方向に移動可能
で,その移動によってそのカーソル間の間隔が変わる
と,分割線の間隔も変わるが,分割線の間隔は常に等間
隔である。勿論,各分割線にカーソルを備えて1本1本
別々に設定するようにしても良い。図31では,表示さ
れている等磁線図の数は16個であるが,これらの線図
は心電波形上の分割線が位置する時点での線図であり,
各マップについては,該マップがいつの時点のものであ
るかがわかるようにその時刻も表示される。これによ
り,図26で説明したと同様に,操作者は,現在解析デ
ータ表示部に表示されているマップが解析時間(心電波
形の幅)の中でどのくらいの範囲(2個のカーソル31
1と312の幅)を示し,前記マップが示す範囲が解析
時間の中でどこの範囲なのか等を一目で把握できるの
で,視認性を向上させることができる。また,前記マッ
プが示す範囲を2個のカーソルをマウス操作で簡単に移
動させることで設定できるので操作が容易である。更
に,各分割線の間隔を自由に設定するようにすれば,疑
問のある部分を密にして他の部分を疎にする等,操作者
に多様な解析環境を提供できる。また,操作領域部にあ
る「電流方向」のチェックボックスをクリックしてチェ
ック印を表示すると,等磁線図上には矢印が表示され
る。この矢印が表示された等磁線図をアローマップと呼
ぶ(図示なし)。矢印については,その位置はチャンネ
ルの位置(磁気センサの位置),長さは磁場の強度,そ
して方向は磁場の方向を電流の方向に変換した場合のそ
の電流の方向をそれぞれ示す。
【0071】図32には,等伝播時間図が表示してあ
り,この図において,伝播時間の起点位置(図7のt1
時点)の変更は参照波形上で移動するカーソル321の
位置を変えることによって可能であり,カーソル321
の位置の変更はそのカーソルをマウスを用いてドラッグ
して可能である。
【0072】図33には2つの時間積分図と1つの差分
図が表示されている。等時間積分図の「差分表示」はチ
ェックボックスをクリックしてチェック印を表示して簡
単に表示できる。「差分表示」がチエックされると,参
照波形上に4つのカーソル331〜334が現れ,更に
図示のように上方左右に2つの等時間積分図が,下方左
側に差分図がそれぞれ表示される。2つの等時間積分図
は心磁波形を,参照波形上でカーソル331及び332
並びにカーソル333及び334を用いてそれぞれ設定
された100msec〜140msec及び180ms
ec〜240msecという時間範囲に亘って積分した
値にもとづくもので,それぞれの時間範囲はカーソル3
31及び332並びにカーソル333及び334をマウ
スを用いてそれぞれドラッグして変え得る。差分図は2
つの時間積分図の差を表すものである。チェック印がな
い場合は,カーソルについては2個のカーソル(例えば
カーソル331及び332)だけが現れ,時間積分図に
ついては1つの等時間積分図だけが表示される。勿論,
積分時間の変更はカーソルの位置を変えることによって
可能である。このように,この実施例によれば,「差分
表示」にチェック印をクリックして,次の操作を促す2
組のカーソルが表示されるので,操作の迷いを与えず操
作時間の短縮が図れ,しかも,前記2組のカーソルをマ
ウスで移動させることで時間範囲を簡単に設定できるか
ら操作性を向上できる。
【0073】図21はシステム調整のフローを示す。メ
ニュー選択によってフローは5つに分岐される(S−1
5)。この場合,現在表示されているデータはそのまま
保存され(S−13),図34に示すΦ−V特性曲線が
表示されている(S−14)。「データ計測(Q)」の
「全自動調整(A)」が選択された場合は,指定された
チャンネルについてIbias及びVOFFという調整値が自
動的に計算され(S−16)(その自動計算は後述),
その計算された調整値はFLL回路に設定され(S−1
7),フローはステップS−14に戻る。「データ計測
(Q)」の「VOFF調整(V)」が選択された場合は,
指定されたチャンネルについてVOFFが計算され(S−
18)(VOFFの計算は後述),その後,フローは既述
のステップS−17に進む。「データ計測(Q)」の
「マニュアル調整(M)」が選択された場合は,図12
に示すマニュアル調整ダイアログボックスが開かれる
(S−19)。オペレータはIbias及びVOFFという調
整値をチャンネル毎に入力すると,その入力された調整
値は受け付けられ(S−20),ダイアログボックス中
の「OK」ボタンが押されることによって調整値がFL
L回路にセットされる(S−21)。ダイアログボック
スはこれによって閉じられ(S−22),フローはステ
ップS−17に進む。「データ計測(Q)」の「調整値
ファイル(F)」が選択されると,その後サブプルダウ
ンメニューによりフローは更に2つに分岐される(S−
22)。即ち,サブプルダウンメニューの「開く
(O)」を選択してファイル名をオペレータに問合わ
せ,オペレータは図11の内容を含むファイル名を入力
する(S−23)。その調整値ファイルの内容はFLL
回路に設定される(S−24)。また,「データ計測
(Q)」−「調整値ファイル(F)」−「上書き保存」
又は「名前を付けて保存(A)」を選択してステップS
−23と同様のことが行われ(S−25),その調整値
を調整値ファイルに書き込むことができる(S−2
6)。
【0074】図22は図21のステップS−15におけ
る自動計算のフローを示す。
【0075】S−15−1:全自動調整の場合は全ての
SQUIDチャンネルについて1チャンネルずつ以下の
処理が行われる。処理中のチャンネルをchとする。
【0076】S−15−2:計算されたバイアス電流及
びオフセット電圧はIBIAS及びVOFFという名称のメモ
リに保持されるものとする。IBIAS及びVOFFはチャン
ネルの数だけ値を保持することができ,初期値は全て0
とする。Φ−V特性曲線の,一時記憶される振幅をΔV
とする。
【0077】S−15−3:各チャンネルchに対し
て,バイアス電流Ibを0から図34の「走査パラメー
タ」ボックスで指定されたIbiasまでΔIbiasのステッ
プで変化(走査)させ,Φ−V特性曲線の振幅ΔVが最
も大きくなるIbiasをチャンネルchの最適なバイアス
電流IBIAS(ch)とする。
【0078】S−15−4〜8:バイアス電流0からI
bまでの間で,Φ−V特性曲線の振幅ΔVは以下の処理
で求められる。チャンネルchのSQUIDに与えられ
る外部磁場Φを0から図34の「走査パラメータ」ボッ
クスで指定されたΦextまでΔΦのステップで変えて
(走査して)行き,A/D変換された信号を保存してそ
の信号の最大値Mmax及び最小値Vminを求める。
【0079】S−15−9〜10:ここで,最大値M
maxと最小値Vminの差がΔVより大きければIBIAS(c
h)の値をIbiasで,VOFF(ch)の値を最大値M
maxと最小値Vminの平均で,ΔVを最大値Vmaxと最小
値Vminの差でそれぞれ置き換える。もし,ΔVの方が
最大値Mmaxと最小値Vminの差より大きければ前の値を
保持する。
【0080】S−15−11:以上の処理をバイアス電
流IbがIbiasになるまで繰り返したときのIBIAS(c
h),VOFF(ch)がSQUIDチャンネルchの最
適なバイアス電流及びオフセット電圧となる。
【0081】S−15−12:また,以上の処理を全て
のSQUIDチャンネルに対して実行して全自動調整は
終了する。
【0082】図23は図21のステップ18におけるV
OFF調整フローを示す。
【0083】S−18−1:VOFF調整の場合は全て
のSQUIDチャンネルについて1チャンネルずつ次の
処理が行われる。
【0084】S−18−2〜6:チャンネルchのSQ
UIDに与えられる外部磁場Φを0から図34の「走査
パラメータ」ボックスで指定されたΦextまでΔΦのス
テップで変えて(走査して)行き,A/D変換された信
号の最大値Vmaxと最小値Vminの差を求める。
【0085】S−18−7:SQUIDチャンネルch
の最適なオフセット電圧VOFF(ch)は最大値V
maxと最小値Vminの差として計算される。
【0086】S−18−8:以上の処理を全てのSQU
IDチャンネルに対して実行してVOF F調整は終了す
る。以上の説明で「外部磁場Φの走査」は,計算機内部
で設定された値をD/A変換した信号をSQUIDセン
サに与えることによって実現できる。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば,複数の計測位置の磁場
強度の測定が容易で操作性の良好な生体の磁場の計測方
法が提供される。本発明によれば,解析データ表示部に
表示したチャンネルに対応したチャンネル項目を設けて
いるので,チャンネルとチャンネル項目の対応によって
計測及び表示操作を容易にできるようになる。更に,本
発明によれば,ピーク検出の効率,ピーク検出の正確さ
を向上させることが可能であり,ピーク検出処理の結
果,アベレージング処理の結果が適切であるか否かを再
確認できる。また,本発明によれば,心電図と生体磁場
とを同時に計測できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される生体磁場計測装置の一実施
例の概略構成図。
【図2】図1の生体磁場計測装置に用いられる磁気セン
サの配置構成を示す斜視図。
【図3】図1の生体磁場計測装置において用いられる,
磁場の法線成分を検出する磁気センサ単体の斜視図。
【図4】図1の生体磁場計測装置において用いられる,
磁場の法線成分を検出する磁気センサ単体の斜視図。
【図5】図1の生体磁場計測装置における磁気センサと
被検者の胸部との位置関係を示す図。
【図6】図1の生体磁場計測装置において,各磁気セン
サにおいて計測された健常者の生体磁場(心磁)の各成
分の時間波形図。
【図7】図1の生体磁場計測装置において,健常者につ
いて計測された特定の2チャンネルの心磁の接線成分の
時間波形を示す図。
【図8】図1の生体磁場計測装置において,デイスプレ
イ部に表示される表示画面の基本的なレイアウトを示す
図。
【図9】図1の生体磁場計測装置において,デイスプレ
イ部に表示される表示画面のメニューバー部における操
作メニューを示す図。
【図10】図1の生体磁場計測装置において,デイスプ
レイ部に表示される表示画面中の操作メニューとして
「リスト(L)」−「登録(R)」が選択された場合に
開かれる被検者登録ダイアログボックスの内容を示す
図。
【図11】図1の生体磁場計測装置において,デイスプ
レイ部に表示される表示画面中の操作メニューとして
「リスト(L)」−「検索(S)」が選択された場合に
開かれる検索ダイアログボックスの内容を示す図。
【図12】図1の生体磁場計測装置において,デイスプ
レイ部に表示される表示画面中の操作メニューとして
「データ計測(Q)」−「マニュアル調整(M)」が選
択された場合に開かれるマニュアル調整ダイアログボッ
クスの内容を示す図。
【図13】図1の生体磁場計測装置において,デイスプ
レイ部に表示される表示画面中の操作メニューとして
「データ計測(Q)」−「計測パネル(P)」が選択さ
れた場合に開かれる自動診断ダイアログボックスの内容
を示す図。
【図14】図1の生体磁場計測装置において,デイスプ
レイ部に図25又は図26の表示画面が表示されている
場合に「ヒートフラッシュ」ボタンが押されたときに開
かれるヒートフラッシュ操作ダイアログボックスの内容
を示す図。
【図15】図1の生体磁場計測装置において,計測中に
デイスプレイ部に表示される計測プログレスバーを示す
図。
【図16】図1の生体磁場計測装置において行われる全
体の操作のフローを示す図。
【図17】図16の操作フロー中の被検者選択ステップ
における被検者選択のフローを示す図。
【図18】図16の操作フロー中のデータ計測ステップ
におけるデータ計測のフローを示す図。
【図19】図16の操作フロー中のアベレージング処理
ステップにおけるアベレージング処理のフローを示す
図。
【図20】図16の操作フロー中のデータ解析ステップ
におけるデータ解析のフローを示す図。
【図21】図1の生体磁場計測装置において行われるシ
ステム調整のフローを示す図。
【図22】図21のシステム調整フロー中の自動計算ス
テップにおける自動計算のフローを示す図。
【図23】図21のシステム調整フロー中のVOFF調
整ステップにおけるVOFF調整フローを示す図。
【図24】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示される被検者リスト画面を示す図。
【図25】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるデータ計測画面を示す図。
【図26】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
計測が終了したときに表示される波形確認画面を示す
図。
【図27】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面を示す図。
【図28】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示される単一波形表示画面を示す図。
【図29】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示される重ね波形表示画面を示す図。
【図30】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるグリッドマップ表示画面を示す図。
【図31】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示される等磁線図表示画面を示す図。
【図32】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示される伝播時間図表示画面を示す図。
【図33】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示される時間積分図表示画面を示す図。
【図34】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるシステム調整画面を示す図。
【図35】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面の初期画面を示す図。
【図36】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面のファイル選択画面を示
す図。
【図37】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面の生波形表示画面を示す
図。
【図38】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面のアベレージング処理設
定画面を示す図。
【図39】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面のアベレージング処理中
の画面を示す図。
【図40】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面のアベレージング処理中
の画面を示す図。
【図41】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面の全体波形表示画面を示
す図。
【図42】図1の生体磁場計測装置のデイスプレイ部に
表示されるアベレージング画面のファイル保存処理画面
を示す図。
【図43】図1の生体磁場計測装置の心電計の配置及び
接続を示す図。
【図44】図1の生体磁場計測装置の心電計の配置を示
す図。
【符号の説明】
1…磁気シールドルーム,2…被検者,3…ベッド,4
…デユワ,5…自動補給装置,6…FLL回路,7…増
幅器・フイルター・増幅器,8…計算機,8−1…デイ
スプレイ部,8−2…キーボード,8−3…マウス,2
0−1〜20−8,21−1〜21−8,22−1〜2
2−8,23−1〜23−8,24−1〜24−8,2
5−1〜25−8,26−1〜26−8及び27−1〜
27−8…磁気センサ,10,10’及び10”並びに
11,11’及び11”…コイル,12,12’及び1
2”…SQUID,13及び14…センサ,30…胸
部,261…スクロールボックス,262…スクロール
バー,271…しきい値カーソル,273〜275…ス
ライダーカーソル,311,312及び331〜334
…カーソル,801…タイトルバー部,802…メニュ
ーバー部,803…ツールバー部,804…被検者情報
部,805…解析データ部,806…操作領域部,80
8…ステータスバー部,807−1…メッセイジバー
部,807−2…日時表示部,808〜814…アイコ
ン,101…データ読み込みオブジェクト,101a…
ボタンLOAD,101b…データ点数入力ウィンド
ウ,101c…Frequencyトグル,102…グ
ラフ表示制御用オブジェクト,102a…Trig.c
hボタン,102b…Dsp.chボタン,102c…
テキストボックスwidth,102d…テキストボッ
クスoffset,103…アベレージング用オブジェ
クト,103a…テキストボックスThreshol
d,103b…トグルボタンMethod,103c…
テキストボックスFrameLength,103d…
テキストボックスDataLength,103e;ボ
タンCalc.Peak,103f…ボタンNEXT,
103g…ボタンSKIP,103h…ボタンCLEA
R,104…全チャンネル概要表示用オブジェクト,1
04a…ボタンView Source,104b…ボ
タンViewAverage,105…ファイル保存及
び終了オブジェクト,105a…ボタンSAVE,10
5b…ボタンQUIT,106…元波形表示領域,10
6a…元波形,106b…横軸,107…アベレージン
グ表示領域,107a…アベレージング波形,107b
…横軸,108…ファイル選択ダイアログ,108a…
ハイライト,108b…選択ボタン,108b―1…S
elect Allボタン,108b―2…OKボタ
ン,108b―3…Cancelボタン,109…波形
表示,109a…波形,110…保存用ダイアログ,1
10a…テキストボックス,110b…ボタンOK,1
10c…ボタンCancel,120…ガントリー,1
21…心電計本体,122―1…心電計の配線,122
―2…四肢誘導電線,122―3…カーボン電極,12
3…ロール紙,124…ボックス,125…電源スイッ
チ,B1…アベレージング範囲表示部,B2…アベレー
ジング表示範囲最大時刻,B3…アベレージング表示範
囲最小時刻,C1,C2,C3,C4,C5,C6…丸
印。
フロントページの続き (72)発明者 笹渕 仁 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式 会社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 鈴木 博之 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式 会社日立製作所計測器事業部内 (56)参考文献 特開 平2−40578(JP,A) 特開 平10−286244(JP,A) 特開 平9−98955(JP,A) 特開 平11−56803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/05 A61B 5/04 - 5/0472

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体の心臓から発する磁場を計測する複数
    の磁気センサと,計測された磁場波形を処理して得られ
    る磁場波形と前記計測された磁場波形とを表示する解析
    データ表示部と,前記計測された磁場波形のデータ解析
    の項目を示す操作項目を表示する操作領域表示部とを具
    備する表示手段とを有し,前記計測された磁場波形を複
    数のチャンネルの行又は列として前記解析データ表示部
    に表示し,前記複数のチャンネルの中から所望のチャン
    ネルをアベレージング処理の基準とするチャンネルとし
    て指定し,前記指定したチャンネルを基準として,前記
    計測された磁場波形をフイルタリングした後に前記アベ
    レージング処理を実行して得られる磁場波形による伝播
    時間図を前記解析データ表示部に表示することを特徴と
    する生体磁場計測装置。
  2. 【請求項2】生体の心臓から発する磁場を計測する複数
    の磁気センサと,計測された磁場波形を処理して得られ
    る磁場波形と前記計測された磁場波形とを表示する解析
    データ表示部と,前記計測された磁場波形のデータ解析
    の項目を示す操作項目を表示する操作領域表示部とを具
    備する表示手段とを有し,前記計測された磁場波形を複
    数のチャンネルの行又は列として前記解析データ表示部
    に表示し,前記複数のチャンネルの中から所望のチャン
    ネルをアベレージング処理の基準とするチャンネルとし
    て指定し,前記指定したチャンネルを基準として,前記
    計測された磁場波形をフイルタリングした後に前記アベ
    レージング処理を実行して得られる磁場波形による時間
    積分図を前記解析データ表示部に表示することを特徴と
    する生体磁場計測装置。
  3. 【請求項3】生体の心臓から発する磁場を計測する複数
    の磁気センサと,計測された磁場波形を処理して得られ
    る磁場波形と前記計測された磁場波形とを表示する解析
    データ表示部と,前記計測された磁場波形のデータ解析
    の項目を示す操作項目を表示する操作領域表示部とを具
    備する表示手段とを有し,前記計測された磁場波形を複
    数のチャンネルの行又は列として前記解析データ表示部
    に表示し,前記複数のチャンネルの中から所望のチャン
    ネルをアベレージング処理の基準とするチャンネルとし
    て指定し,前記指定したチャンネルを基準として,前記
    計測された磁場波形をフイルタリングした後に前記アベ
    レージング処理を実行して得られるグリッドマップを,
    行及び列からなるチャンネルで前記解析データ表示部に
    表示し,前記解析データ表示部に表示される磁場波形に
    並列して心電波形を参照チャンネルとし表示し,前記参
    照チャンネル上に時間経過と関連して前記解析データ表
    示部に磁場波形を表示させる分割線を設けることを特徴
    とする生体磁場計測装置。
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