JP3515990B2 - 無口金電球用ソケット装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用計器や電気機
器などの表示用あるいは照明用に使用される無口金電球
用ソケット装置に係り、特にその端子金具の構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ウエッジベース形とも称される無口金電
球は、バルブの一端に圧潰封止部を有しており、この封
止部の端部から導出されたリード線が、封止部の側面に
沿うように折り返されている。そして、この無口金電球
は、合成樹脂製のソケットに装着されている。ソケット
は、無口金電球の封止部が挿入される電球挿入孔を備え
ており、この電球挿入孔内には、弾性挾持片を有する一
対の端子金具が設置されている。

【０００３】このため、無口金電球の封止部を電球挿入
孔に差し込むと、封止部が弾性挾持片の間に挿入され
て、厚み方向から挾持されるようになっており、この挾
持により、無口金電球の機械的な保持がなされると同時
に、封止部の側面に沿うように折り返されたリード線
が、上記弾性挾持片に接触して電気的な接続がなされる
ようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無口金
電球のリード線は、その径が極めて細いために、僅かな
力で加わっただけで、簡単に変形したり折れ曲がってし
まう。このため、封止部を弾性挾持片の間に挿入する際
に、このリード線が弾性挾持片に接触すると、このリー
ド線が封止部の側面からずれたり、傾いたりすることが
ある。この場合、封止部の周面の中央部には、側方に張
り出す排気管が存在するので、この排気管の方向にリー
ド線がずれた場合には、この排気管によってリード線の
ずれをある程度までは規制できるが、リード線が排気管
とは反対側、つまり封止部の幅方向の両端側にずれた場
合には、もはやこのリード線のずれを規制することがで
きなくなる。

【０００５】このため、リード線が封止部の周面と弾性
接触片との間から離脱したり、リード線と弾性接触片と
の接触状態が不安定となることがあり、これが原因で接
触不良が発生するといった不具合がある。

【０００６】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、無口金電球の封止部を弾性接触片の間に
挿入する際に、リード線の過度の変形やずれを防止で
き、弾性接触片との接触状態を良好に保てる無口金電球
用ソケット装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に係る本発明の無口金電球用ソケット装置
は、無口金電球の封止部が挿入される電球挿入孔を有す
る合成樹脂製のソケット本体と、このソケット本体の電
球挿入孔内に収容された一対の端子金具とを備えてい
る。 そして、上記端子金具は、上記封止部の中央に位置
された排気管を間に挟んだ両側において上記封止部を上
記排気管の軸方向に沿う長さ範囲に亘って厚み方向から
挟み込むとともに、この封止部の周面に沿って露出され
たリード線に接触する一対の弾性挾持片を有し、この弾
性挾持片に、上記封止部の幅方向に沿う端部側に位置し
て、上記封止部に向けて突出する突部を設けるととも
に、この突部は、上記排気管の軸方向に沿って延びてい
ることを特徴としている。

【０００８】また、請求項２によると、端子金具は、封
止部の中央に位置された排気管を間に挟んだ両側におい
て上記封止部を上記排気管の軸方向に沿う長さ範囲に亘
って厚み方向から挟み込むとともに、この封止部の周面
に沿って露出されたリード線に接触する一対の弾性挾持
片を有し、この弾性挾持片における上記封止部の幅方向
に沿う端部の一部を切り起こすことにより、上記弾性挾
持片の端部に上記封止部に向けて突出する突部を設ける
とともに、この突部は、上記排気管の軸方向に沿って延
びていることを特徴としている。

【０００９】

【作用】請求項１および請求項２に記載した構成による
と、無口金電球の封止部をソケット本体の電球挿入孔に
挿入する際に、この封止部の周面に露出されたリード線
が弾性挾持片との接触によって排気管とは反対側、つま
り封止部の幅方向の両端側に向けて傾いたり、ずれよう
とする場合があり得る。 しかるに、上記構成の弾性挾持
片は、封止部に向けて突出する突部を有し、この突部
は、封止部の幅方向に沿う両端側において、排気管の軸
方向に沿って延びているので、ずれたり傾いたリード線
との接触範囲が長くなる。このため、細長い突部によっ
てリード線を確実に受け止めることができ、この突部に
リード線が接触した時点で、それ以上のリード線の変形
やずれが阻止される。

【００１０】したがって、リード線が弾性接触片から離
脱してしまうことはないとともに、突部との接触状態が
維持されるので、リード線と弾性接触片との電気的接触
の信頼性が向上し、接触不良を解消することができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の第１実施例を、図１ないし図５
にもとづいて説明する。

【００１２】図５は、ウエッジベース形の無口金電球１
を示している。この無口金電球１は、ガラスバルブ２の
一端部に、偏平に押し潰された封止部３を備えている。
封止部３の端面からは、図示しないフィラメントに連な
る一対のリード線４ａ，４ｂが導出されている。リード
線４ａ，４ｂは、封止部３の側面３ａに沿うように折り
返されており、これらリード線４ａ，４ｂは、封止部３
の中央の排気管５を挾んだ両側に位置するとともに、こ
の排気管５を中心とする点対称位置に配置されている。

【００１３】このような無口金電球１が装着されるソケ
ット１０は、合成樹脂製のソケット本体１１を備えてい
る。ソケット本体１１は、無口金電球１の封止部３が挿
入される電球挿入孔１２を有する有底円筒状をなしてい
る。ソケット本体１１の外周面には、フランジ部１３と
一対の係止突起１４ａ，１４ｂが突設されている。これ
らフランジ部１３と係止突起１４ａ，１４ｂは、ソケッ
ト本体１１をプリント配線基板１５上の装着孔１６に挿
入した際に、この装着孔１６の開口周縁部を挾み込み、
ソケット１０をプリント配線基板１５上に保持するよう
になっている。

【００１４】ソケット本体１１の電球挿入孔１２内に
は、一対の端子金具１７ａ，１７ｂが設置されている。
これら端子金具１７ａ，１７ｂは同一構造をなすため、
一方の端子金具１７ａを代表して説明する。

【００１５】図４に示すように、端子金具１７ａは、平
板状をなす基部１８と、この基部１８の上端部に連なる
給電端子部１９と、この給電端子部１９を挾んで対向し
合う一対の弾性挾持片２０ａ，２０ｂとを一体に備えて
いる。

【００１６】基部１８は、電球挿入孔１２の四隅に切り
込まれたガイド溝２１に沿って電球挿入孔１２内に挿入
されており、この基部１８の両側部の下端には、ガイド
溝２１に引っ掛かって抜け止めをなす係止爪２２が形成
されている。また、基部１８の下部には、無口金電球１
を電球挿入孔１２内に挿入した時に、封止部３の端面が
当接するストッパ２３が一体に形成されており、このス
トッパ２３により、無口金電球１の挿入深さが規制され
るようになっている。

【００１７】給電端子部１９は、電球挿入孔１２内から
フランジ部１３の上面に向って延びている。給電端子部
１９の先端上面には、接触凸部２４が形成されており、
この接触凸部２４は、プリント配線基板１５の回路パタ
ーン（図示せず）に接触するようになっている。

【００１８】上記弾性挾持片２０ａ，２０ｂは、互いに
接離する方向に弾性変形可能に形成され、上記排気管５
を間に挟んだ両側に位置されているとともに、その相互
対向面２５で無口金電球１の封止部３を厚み方向から挾
み込むようになっている。相互対向面２５は、排気管５
の軸方向に沿って延びており、この相互対向面２５と封
止部３との接触部分は、排気管５の軸方向に沿う所定の
長さ範囲に亘っている。そして、弾性挾持片２０ａ，２
０ｂのうち、上記封止部３に沿って配置されたリード線
４ａ，４ｂに接する弾性挾持片２０ａには、封止部３の
幅方向の両端側に偏位した位置に、封止部３の側面３ａ
に向けて突出する突部２６が突設されている。突部２６
は、封止部３の側面３ａに沿って配置されたリード線４
ａ，４ｂが、封止部３の幅方向に沿う端部側に向けて傾
くのを阻止するためのもので、図１に示すように、電球
挿入孔１２の深さ方向、つまり、排気管５の軸方向に沿
って延びている。

【００１９】このような構成において、ソケット本体１
１の電球挿入孔１２内に、無口金電球１の封止部３を差
し込むと、この封止部３が、電球挿入孔１２内に装着さ
れた端子金具１７ａ，１７ｂの弾性挾持片２０ａ，２０
ｂの間に入り込み、これら弾性挾持片２０ａ，２０ｂに
よって弾性的に挾持される。このことにより、無口金電
球１が電球挿入孔１２内に抜け止め保持されるととも
に、封止部３の側面３ａに沿って折り返されたリード線
４ａ，４ｂが、弾性挾持片２０ａ，２０ｂに接触し、無
口金電球１と端子金具１７ａ，１７ｂとが電気的に接続
される。

【００２０】ところで、無口金電球１を電球挿入孔１２
に挿入する際には、図５の二点鎖線で示すように、リー
ド線４ａが封止部３の幅方向端部側に傾いていたり、あ
るいは上記弾性挾持片２０ａとの接触によって封止部３
の幅方向端部側にずれる、つまり端子金具１７ａ，１７
ｂの基部１８側にずれたりすることがあり得る。する
と、弾性挾持片２０ａには、封止部３の幅方向端部側に
位置して突部２６が突設されているので、図１や図３に
示すように、リード線４ａが弾性挾持片２０ａの突部２
６に接触し、この突部２６がそれ以上のリード線４ａの
ずれや傾き等を阻止する。

【００２１】特に上記突部２６は、封止部３の幅方向に
沿う端部側において排気管５の軸方向に延びる細長い形
状を有しているので、ずれたり傾いたリード線４ａとの
接触範囲が長くなり、このリード線４ａを確実に受け止
めることができる。このため、リード線４ａは、封止部
３の側面３ａから外れることなく、弾性挾持片２０ａの
突部２６に接触した状態に保たれるから、不点灯や点滅
の原因となる接触不良の発生を確実に防止でき、その
分、電気的接続の信頼性が向上するといった利点があ
る。

【００２２】なお、本発明は、上記第１実施例に制約さ
れるものではなく、図６に本発明の第２実施例を示す。
この第２実施例では、弾性挾持片２０ａにおける基部１
８側の側縁部が内向きに切り起こされている。この切り
起こし部３１は、排気管５の軸方向に沿う所定の長さ範
囲に亘って延びており、この切り起こし部３１が封止部
３の側面３ａに向って突出する突部３２を構成してい
る。

【００２３】したがって、この第２実施例の構成におい
ても、封止部３の側面３ａに露出されたリード線４ａ，
４ｂが傾いていたり、弾性挾持片２０ａとの接触によっ
て基部１８側にずれたとしても、このリード線４ａ，４
ｂは、切り起こしからなる突部３２との接触により、そ
れ以上の傾きやずれが阻止されることになり、上記第１
実施例と同様の効果が得られる。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、リード線
が封止部の幅方向の端部側にずれたり、傾こうとして
も、このリード線は排気管の軸方向に延びる細長い突部
によって確実に受け止められるので、リード線の過度の
変形やずれは、突部との接触により阻止され、それ故、
リード線は、封止部から外れることなく弾性挾持片に接
触した状態に保持される。よって、不点灯や点滅の原因
となる接触不良の発生を確実に防止することができ、電
気的接続の信頼性が向上するといった利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例におけるソケット装置の断
面図。

【図２】図１のＡ線方向から見たソケット装置の平面
図。

【図３】封止部の側面に沿って配置されたリード線と端
子金具との接触状態を示す断面図。

【図４】端子金具の斜視図。

【図５】無口金電球の側面図。

【図６】本発明の第２実施例における端子金具の斜視
図。

【符号の説明】

１…無口金電球 ３…封止部 ４ａ，４ｂ…リード線５…排気管 １１…ソケット本体 １２…電球挿入孔 １７ａ，１７ｂ…端子金具 ２０ａ，２０ｂ…弾性挾持片 ２６，３１…突部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無口金電球の封止部が挿入される電球挿
   入孔を有する合成樹脂製のソケット本体と、 このソケット本体の電球挿入孔内に収容された一対の端
   子金具と、 を備えた無口金電球用ソケット装置において、 上記端子金具は、上記封止部の中央に位置された排気管
   を間に挟んだ両側において上記封止部を上記排気管の軸
   方向に沿う所定の長さ範囲に亘って厚み方向から挟み込
   むとともに、この封止部の周面に沿って露出されたリー
   ド線に接触する一対の弾性挾持片を有し、 この弾性挾持片に、上記封止部の幅方向に沿う端部側に
   位置して、上記封止部に向けて突出する突部を設けると
   ともに、この突部は、上記排気管の軸方向に沿って延び
   ていることを特徴とする無口金電球用ソケット装置。
2. 【請求項２】 無口金電球の封止部が挿入される電球挿
   入孔を有する合成樹脂製のソケット本体と、 このソケット本体の電球挿入孔内に収容された一対の端
   子金具と、 を備えた無口金電球用ソケット装置において、 上記端子金具は、上記封止部の中央に位置された排気管
   を間に挟んだ両側において上記封止部を上記排気管の軸
   方向に沿う長さ範囲に亘って厚み方向から挟み込むとと
   もに、この封止部の周面に沿って露出されたリード線に
   接触する一対の弾性挾持片を有し、 この弾性挾持片における上記封止部の幅方向に沿う端部
   の一部を切り起こすことにより、上記弾性挾持片の端部
   に上記封止部に向けて突出する突部を設けるとともに、
   この突部は、上記排気管の軸方向に沿って延びているこ
   とを特徴とする無口金電球用ソケット装置。