JP3515268B2 - 音声合成装置 - Google Patents

音声合成装置

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JP3515268B2
JP3515268B2 JP05016196A JP5016196A JP3515268B2 JP 3515268 B2 JP3515268 B2 JP 3515268B2 JP 05016196 A JP05016196 A JP 05016196A JP 5016196 A JP5016196 A JP 5016196A JP 3515268 B2 JP3515268 B2 JP 3515268B2
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紀代 原
謙二 松井
孝浩 釜井
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Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、イントネ
ーション(基本周波数)の制御に利用可能な、音声合成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の規則合成装置(音声合成
装置)の一般的な音響処理部の構成を示すブロック図で
ある。
【0003】記号列入力端1には、読みやアクセントと
いった記号列が入力される。入力された記号列は解析部
2で解析され、音素に関する情報と韻律に関する情報が
得られる。時間長制御部3では、素片ごとの時間長を設
定し、基本周波数制御部4では基本周波数を決定する。
最後に音声合成部5で、蓄積された音声素片データ格納
部6から必要なデータを読みだし、合成音波形を波形出
力端7に出力する。
【0004】韻律制御に利用される方法としては、音節
ごとの基本周波数を決定する点基本周波数パタンや、数
式によって求める藤崎モデルなどが一般的に利用されて
いる。
【0005】ここでは、韻律制御法として点基本周波数
パタン、素片単位として音節(CV)を利用した例につ
いて説明する。あらかじめ、アクセント型やモーラ数に
よって、音節毎に中心点および開始点の基本周波数(F
0とも呼ぶ)の値をテーブルとして作成しておく。
「床」を合成する場合、素片/yu/,/ka/を読み
だして接続する。2モーラ0型なので、あらかじめテー
ブルから読みだして、線形補間して得られる基本周波数
を図7に示す。即ち同図には、/yu/の開始点71、
中心点72と、/ka/の開始点73、中心点74等が
表されている。図7では、縦軸が基本周波数に対応し、
横軸が時間軸である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的に規則合成装置
は、あらかじめ何らかの単位(音節、VCV、環境依存
型など)で音声を波形やパラメータの形で蓄積してお
き、入力された文字列に従ってそれらを加工して合成音
を得る方式が多い。
【0007】基本周波数は、文章の構文(フレーズ成
分)、アクセントの位置(アクセント成分)、前後の音
節の種類(マイクロプロソディ)、ゆらぎ等のいろいろ
な要因の影響を受ける。蓄積された音声素片は、基本周
波数に関する情報を保持している。しかしながら、従来
の装置は、基本周波数の制御を音声素片とは独立に行う
ため、素片のもつ基本周波数に関する情報を利用してい
なかった。そのため、明瞭性・自然性に乏しい合成音し
か得られないという課題を有していた。
【0008】本発明は、従来の装置のこのような課題を
考慮し、従来に比べてより一層明瞭性・自然性に優れた
合成音を合成出来る音声合成装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、発音に関するデータを入力する手段と、音声素片
格納する音声素片格納手段と、前記音声素片が有する
本周波数を、前記発音データから決定される基本周波数
に変更する場合、前記音声素片の一部が有する基本周波
数を利用して変更し、その結果を出力する基本周波数制
御手段と、前記基本周波数制御手段の前記出力に基づい
て、複数の音声素片を結合して音声を合成する音声合成
手段と、を備えたことを特徴とする音声合成装置であ
る。
【0010】請求項2記載の本発明は、発音記号等の記
号列を入力する記号列入力手段と、前記発音記号等の記
号列から決定される基本周波数に変更する基本周波数制
御手段と、音声を合成する音声合成手段とを有し、前記
基本周波数制御手段は、前記音声合成手段で用いられる
音声素片の持つ基本周波数を、前記発音記号等の記号列
から得られる目的の基本周波数に変更する際、音声素片
一部が有する基本周波数を相対的に制御することを特
徴とする音声合成装置である。
【0011】前記基本周波数制御手段に用いられる、
記音声素片の一部は、全音声素片に対して同一の範囲で
あることを特徴とする音声合成装置である。
【0012】請求項4記載の本発明は、発音記号等の記
号列を入力する記号列入力手段と、前記記号列にしたが
って基本周波数を制御する基本周波数を制御する基本周
波数制御手段と、音声を合成する音声合成手段とを有
し、前記基本周波数制御手段は、前記音声合成手段で用
いられる音声素片の持つ基本周波数を最小二乗直線とそ
の距離の形で保持し、合成音声の発声速度に応じて、
記最小二乗直線の傾きを制御することを特徴とする音声
合成装置である。
【0013】請求項5記載の本発明は、発音記号等の記
号列を入力する記号列入力手段と、前記記号列にしたが
って基本周波数を制御する基本周波数制御手段と、音声
を合成する音声合成手段とを有し、前記基本周波数制御
手段は、前記音声合成手段で用いられる音声素片の持つ
基本周波数を最小二乗直線とその距離の形で保持し、
行音節が促音の場合、前記最小二乗直線の傾きを大きく
することを特徴とする音声合成装置である。
【0014】請求項6記載の本発明は、発音記号等の記
号列を入力する記号列入力手段と、基本周波数を制御す
る基本周波数制御手段と、音声を合成する音声合成手段
とを有し、前記基本周波数制御手段は、前記音声合成手
段で用いられる音声素片の持つ基本周波数を、音韻の影
響を受ける部分である母音入り渡り部と安定部に分割し
て、最小二乗直線とその距離の形で保持し、前記発音記
号列から得られる目的の基本周波数に変更する際、前記
距離の成分を利用することを特徴とする音声合成装置で
ある。
【0015】請求項7記載の本発明は、発音記号等の記
号列を入力する記号列入力手段と、基本周波数を制御す
る基本周波数制御手段と、音声を合成する音声合成手段
とを有し、前記基本周波数制御手段は、後続音節が無音
部を伴う場合、基本周波数を下降させる音声合成装置で
ある。
【0016】請求項1記載の本発明では、入力手段が、
発音に関するデータを入力し、音声素片格納手段が、複
数の音声素片を格納し、基本周波数制御手段が、前記音
声素片が有する複数の基本周波数を所定の基本周波数に
変更する場合、前記音声素片の一部に対応する基本周波
数を利用して変更し、その結果を出力し、音声合成手段
が、前記基本周波数制御手段の前記出力に基づいて、複
数の前記音声素片を結合して音声を合成する。
【0017】請求項2記載の本発明では、記号列入力手
段が、発音記号等の記号列を入力し、基本周波数制御手
段が基本周波数を制御し、音声合成手段が音声を合成
し、前記基本周波数制御手段は、前記音声合成手段で用
いられる音声素片の持つ基本周波数を目的の基本周波数
に変更する際、音声素片の一部の基本周波数を相対的に
制御する。
【0018】請求項3記載の本発明では、前記音声素片
の一部が、各音声素片に対して実質的に同一の範囲であ
る。
【0019】請求項4記載の本発明では、記号列入力手
段が発音記号等の記号列を入力し、基本周波数制御手段
が基本周波数を制御し、音声合成手段が音声を合成し、
前記基本周波数制御手段は、前記音声合成手段で用いら
れる音声素片の持つ基本周波数を最小2乗直線とその距
離の形で保持し、前記最小2乗直線の傾きを制御する。
【0020】請求項5記載の本発明では、前記基本周波
数制御手段は、先行音節が促音の場合、最小2乗直線の
傾きの絶対値を大きくする。
【0021】請求項6記載の本発明では、記号列入力手
段が発音記号等の記号列を入力し、基本周波数制御手段
が基本周波数を制御し、音声合成手段が音声を合成し、
前記基本周波数制御手段は、前記音声合成手段で用いら
れる音声素片の持つ基本周波数を最小2乗直線とその距
離の形で保持し、目的の基本周波数に変更する際、前記
距離の成分を利用する。
【0022】請求項7記載の本発明では、記号列入力手
段が発音記号等の記号列を入力し、基本周波数制御手段
が基本周波数を制御し、音声合成手段が音声を合成し、
前記基本周波数制御手段は、後続音節が無音部を伴う場
合、基本周波数を下降させる。
【0023】これにより、本発明では、例えば、蓄積さ
れた音声素片の基本周波数を、目的の基本周波数に変更
する際、音声素片の一部分の基本周波数は、相対的に制
御することにより、音声素片の基本周波数を生かした明
瞭性・自然性の高い合成音を提供出来る。また、子音の
種類によらず一定の範囲で、基本周波数を相対的に制御
する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の音声合成装置につ
いての実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0025】(実施の形態1)図1は、本発明の一本実
施の形態の音声合成装置の構成を示すブロック図であ
り、同図を参照しながら本実施の形態の構成を説明す
る。
【0026】尚、図6を用いて説明したものと実質的に
同じものには、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の音声合成装置と図6の装置との主なる相
違は、基本周波数制御部40が、音声素片データ格納部
60に格納されている音声素片の一部に対応した基本周
波数を利用して、音声素片の基本周波数の変更を行う点
である。又、図2を用いて後述する様に、音声素片デー
タ格納部60は、基本周波数情報の内のどの範囲の基本
周波数を利用するかを予め定めた利用範囲情報をも格納
している点である。
【0027】本実施の形態の韻律制御方法を、図2を用
いて説明する。図2(a)は、/ka/に関して、音声
素片データ格納部60に格納されている、音声素片のデ
ータの内容をわかりやすく表示したものである。同図で
は、音声素片が有する基本周波数マーク22は、音声素
片の波形データ21の振幅の内、各振幅のピークの位置
にほぼ対応しており、短い縦線で表されている。音声素
片の一部である入り渡り部23における基本周波数は、
先行する子音の種類の影響を受け易く、このような影響
を一般にマイクロプロソディと呼ぶ。図2(a)に示す
様に、音声素片のデータとしては、音声素片の波形デー
タ21と、上記基本周波数マーク22に加えて、音声合
成に際し、波形データ21が有する基本周波数情報の内
のどの範囲の基本周波数を利用すべきかを、各音声素片
毎に予め定めた利用範囲情報(t0,t1)が含まれて
いる。図2(a)では、利用範囲情報(t0,t1)と
して、基本周波数マーク22の内、最も左の端に表され
た基本周波数マークに対応する時点をt0とし、その時
点から時間軸の正方向へ向かって2つ目の基本周波数マ
ークに対応する時点をt1と定めている。利用範囲情報
(t0,t1)の決め方は、素片のもつマイクロプロソ
ディを有効に活用できる様に決める。図2(a)では、
利用範囲情報(t0,t1)が、入り渡り部23の範囲
に対応するように決められた場合を示している。このよ
うに、音声素片に基本周波数情報を利用する範囲をマー
クしておき、その範囲では基本周波数制御に音声素片の
基本周波数情報を利用する。
【0028】尚、図2(b)には、「床」を合成する際
に、従来の手法によって決定される/ka/の基本周波
数パタン(図7の/ka/の基本周波数の部分に対応す
る)を示し、図2(c)には、本実施の形態により得ら
れた基本周波数パタンを示す。又、図2(b)、(c)
に示す開始点73、中心点74は、図7を用いて説明し
た同符号を付した点にそれぞれ対応している。
【0029】本実施の形態による基本周波数の求め方に
ついて述べる。先ず、従来手法による基本周波数f
(t)を求める。次に、素片の持つマイクロプロソディ
を有効に活用するために入り渡り部23に関しては、以
下のように基本周波数を決定する。時間をt、目的とす
る基本周波数をF(t)、素片の持つ基本周波数をF0
(t)、時間t1における従来例による基本周波数をf
(t1)とする。時間t1における素片の基本周波数F
0(t1)とf(t1)との差を、相対周波数SAとす
る。
【0030】次に示す式は、目的とする基本周波数をF
(t)を求めるための式である。 (1)t0≦t≦t1の時:F(t)=F0(t)+S
A (2)それ以外の時: F(t)=f(t) 但し、SA=F0(t1)−f(t1) 上記式を用いて求められるF(t)は、図2(c)に示
す図の縦軸に対応する基本周波数である。
【0031】時間t0に対応するF(t0)は、素片の
持つ基本周波数F0(t0)と、相対周波数SAより、
上記の式(1)から得られ、図2(c)において符号2
4を付した点に対応する。同様に、同図において符号2
5に対応する基本周波数も求められる。又、同図の符号
26を付した点は、図2(b)におけるt=t1の値に
一致する。
【0032】以上のように本実施の形態によれば、素片
のもつ基本周波数情報を有効に利用出来るので、即ち、
素片のマイクロプロソディを有効に再現出来るので、明
瞭性・自然性の高い合成音を提供することが出来る。
【0033】なお、本実施令においては、素片としてC
V、基本周波数情報を利用する部分として、音声素片の
一部としての入り渡り部23としたが、これに限らず例
えば、子音部分を含めてもよい。
【0034】(実施の形態2)本実施の形態の音声合成
装置の構成は、図1と同じであるのでその説明は省略す
る。
【0035】上記実施の形態1では、音声素片の基本周
波数情報を利用する部分を、音声素片毎に最適な範囲を
個別的に予め定めた可変タイプとした場合について説明
したが、実施の形態では、音声素片のデータを次の様な
構成とする。
【0036】即ち、音声素片データ格納部60に格納さ
れた各音声素片のデータは、基本周波数情報を利用する
範囲が全ての音声素片において同一の範囲となるよう
に、利用範囲情報(t0,t1)を予め決める。
【0037】これにより、より簡単な方法で、上記実施
の形態1と同様に、素片のもつ基本周波数情報を有効に
利用出来るので、即ち、素片のマイクロプロソディを有
効に再現出来るので、明瞭性・自然性の高い合成音を提
供することが出来る。
【0038】(実施の形態3)次に、本発明にかかる他
の実施の形態の音声合成装置について、図3(a)〜
(c)を参照しながら、同装置を用いた韻律制御方法を
説明する。
【0039】尚、本実施の形態の音声合成装置の構成
は、基本周波数制御部40の内容を除いては、図1と基
本部分は同じであるのでその説明は省略する。
【0040】図3(a)は、/ka/の素片データを基
本周波数マークとともに示した図である。図3(b)は
その基本周波数を値としてグラフ表示したものであり、
子音の影響を受ける部分<t0−t1>の最小二乗直線
(y=at+b)が、書き入れてある。図3(c)は、
最小二乗直線と素片の基本周波数の差(Sa(t))を
示した図である。
【0041】即ち、Sa(t)=F0(t)−y(t)
である。
【0042】マイクロプロソディは、発声速度や平均的
な発声の高さ等に影響を受ける。本発明では、素片のも
つマイクロプロソディを、傾き(最小二乗直線y
(t))と、ゆらぎ(Sa(t))で記述しておき、発
声速度や、平均的な高さに従って、最小二乗直線の傾き
を変更して適用する。例えば、発声速度が速い時には、
傾きaの絶対値を小さくし、発声速度が遅いときには、
傾きaの絶対値を大きくして、マイクロプロソディを顕
著にする。式を示すと以下のようになる。
【0043】最小二乗直線:y(t)=at+b ゆらぎ: Sa(t)=F0(t)−f(t) (例1) 発声速度が遅い場合:a’=2a(傾き2倍) y’(t)=2a(t)+b t0≦t≦t1の時:F(t)=y’(t)+Sa
(t) それ以外の時: F(t)=f(t) (例2) 発声速度が速い場合:a”=a/2(傾き半分) y”(t)=a/2(t)+b t0≦t≦t1の時:F(t)=y”(t)+Sa
(t) それ以外の時: F(t)=f(t) 以上のように本実施の形態によれば、素片のもつ基本周
波数情報を有効に利用し、発声速度等に即した制御を行
なうことで、明瞭性・自然性の高い合成音を提供するこ
とができる。
【0044】(実施の形態4)次に、本発明にかかる他
の実施の形態の音声合成装置について、図3(a)〜
(c)を参照しながら、同装置を用いた韻律制御方法を
説明する。
【0045】尚、本実施の形態の音声合成装置の構成
は、基本周波数制御部40の内容を除いては、実施の形
態3と同じであり、基本的構成は図1と同様であるので
その説明は省略する。
【0046】基本的には、実施の形態3と同様である
が、子音の種類による基本周波数パタンへの影響(マイ
クロプロソディ)は、先行音節が促音の場合顕著であ
る。例えば、「yuka(ゆか)」と「yukka(ユ
ッカ)」における、子音「k}のマイクロプロソディ
は、後者の方が顕著となる。即ち、傾きが大きくなる。
しかし、一般的な合成装置では、/ka/と/kka/
の素片を別々に保持することはなく、/ka/の素片を
用いるのが一般的である。そこで、先行音節が促音の場
合には、実施の形態3の発声速度が遅いときと同様、マ
イクロプロソディを記述する最小二乗直線の傾きの絶対
値を大きくすることによって、より自然な基本周波数パ
タンを生成することができる。
【0047】(実施の形態5)次に、本発明にかかる他
の実施の形態の音声合成装置について、図4(a)〜
(c)を参照しながら、同装置を用いた韻律制御方法を
説明する。
【0048】尚、本実施の形態の音声合成装置の構成
は、基本周波数制御部40の内容を除いては、基本的構
成は図1と同様であるのでその説明は省略する。
【0049】図4(a)は、/ka/の素片データを基
本周波数マークとともに示した図である。図4(b)は
その基本周波数をグラフとして表示したものであり、子
音の影響を除いた部分t1−t2の最小2乗直線が書き
入れてある。図4(c)は、最小2乗直線と素片の基本
周波数の差、すなわち基本周波数のゆらぎを示した図で
ある。本発明では、この素片のもつ基本周波数のゆらぎ
を利用するために、以下のように基本周波数を制御す
る。揺らぎ分をy(t)、従来法で与えられる基本周波
数をf(t)とするとき、 (1)t0<t<t1 のとき: F(t)=Fo+f(t1) (2)それ以外のとき : F(t)=f(t)+y(t) とする。
【0050】以上のように本実施の形態によれば、素片
のもつ基本周波数情報のゆらぎを有効に利用し、明瞭性
・自然性の高い合成音を提供することができる。
【0051】(実施の形態6)次に、本発明にかかる他
の実施の形態の音声合成装置について、図5(a)、
(b)を参照しながら、同装置を用いた韻律制御方法を
説明する。
【0052】尚、本実施の形態の音声合成装置の構成
は、基本周波数制御部40の内容を除いては、基本的構
成は図1と同様であるのでその説明は省略する。
【0053】図5(a)は、/床(yuka)/を合成
するときの、従来法による基本周波数パタンを示す。/
ka/の前には、無音部が存在するが、普通基本周波数
パタンは無音部や無声子音に向かって下降する。そこ
で、それを実現するため、後続の子音が破裂音や促音、
摩擦音等無声子音の場合は、以下のように基本周波数を
制御する。本方式による基本周波数パタンを図5(b)
に示す。
【0054】図5(b)に示すように、減衰開始点t1
は、/yu/における母音の重心点より後ろで設定さ
れ、t2は、次の音節の開始点である。従来法で与えら
れる基本周波数をf(t)として、後続の子音が、無声
子音の場合 (1)t1<t<t2 の時:F(t)=f(t)+g(t) (2)それ以外の時: F(t)=f(t) とする。
【0055】但し、g(t)は、減衰をあらわす関数
で、g(t1)=0となるように、一次式で設定する。
【0056】以上のように本実施の形態によれば、後続
音節が無声子音の場合、母音の出渡り部の基本周波数の
減衰を実現することにより、明瞭性・自然性の高い合成
音を提供することが出来る。
【0057】以上のように本実施の形態によれば、合成
に用いる素片のもつ基本周波数情報を有効に利用するこ
とにより、明瞭性・自然性の高い合成音を提供すること
が出来る。
【0058】なお、本発明の各手段は、コンピュータを
用いてソフトウエア的に実現し、あるいは、それら各機
能を有する専用のハード回路を用いて実現してもかまわ
ない。
【0059】また、合成の単位は、CV,VCV、環境
依存型等何でもよく、素片の蓄積の方法としても、波形
でもパラメータでもかまわない。また、基本周波数制御
手法としてテーブル参照を用いたが、これは本発明を何
等制限するものではない。
【0060】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、従来に比べてより一層、明瞭性・自然性に優れ
た合成音を合成出来るという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の音声合成装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1の韻律制御法を説明する
ための図である。
【図3】本発明の実施の形態3の韻律制御法を説明する
ための図である。
【図4】本発明の実施の形態5の韻律制御法を説明する
ための図である。
【図5】本発明の実施の形態6の韻律制御法を説明する
ための図である。
【図6】従来の音声合成装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】従来の韻律制御法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 記号列入力端 2 記号列解析部 3 時間長制御部 4 基本周波数制御部 5 音響処理部 6 音声素片データ 7 合成音出力端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−36398(JP,A) 特開 平7−261778(JP,A) 特開 平5−241586(JP,A) 特開 平3−69998(JP,A) 特開 平3−69997(JP,A) 特開 平1−200290(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 13/06 G10L 13/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発音に関するデータを入力する手段と、
    声素片を格納する音声素片格納手段と、前記音声素片が
    有する基本周波数を、前記発音データから決定される
    本周波数に変更する、前記音声素片の一部が有する
    本周波数を利用して変更し、その結果を出力する基本周
    波数制御手段と、前記基本周波数制御手段の前記出力に
    基づいて、複数の音声素片を結合して音声を合成する音
    声合成手段と、を備えたことを特徴とする音声合成装
    置。
  2. 【請求項2】発音記号等の記号列を入力する記号列入力
    手段と、前記発音記号等の記号列から決定される基本周
    波数に変更する基本周波数制御手段と、音声を合成する
    音声合成手段とを有し、前記基本周波数制御手段は、前
    記音声合成手段で用いられる音声素片の持つ基本周波数
    を、前記発音記号等の記号列から得られる目的の基本周
    波数に変更する際、音声素片の一部が有する基本周波数
    を相対的に制御することを特徴とする音声合成装置。
  3. 【請求項3】前記基本周波数制御手段に用いられる、
    記音声素片の一部は、全音声素片に対して同一の範囲で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の音声合成装
    置。
  4. 【請求項4】発音記号等の記号列を入力する記号列入力
    手段と、前記発音記号等の記号列にしたがって基本周波
    数を制御する基本周波数制御手段と、音声を合成する音
    声合成手段とを有し、前記基本周波数制御手段は、前記
    音声合成手段で用いられる音声素片の持つ基本周波数を
    最小二乗直線とその距離の形で保持し、合成音声の発声
    速度に応じて、前記最小二乗直線の傾きを制御すること
    を特徴とする音声合成装置。
  5. 【請求項5】発音記号等の記号列を入力する記号列入力
    手段と、前記発音記号等の記号列にしたがって基本周波
    数を制御する基本周波数制御手段と、音声を合成する音
    声合成手段とを有し、前記基本周波数制御手段は、前記
    音声合成手段で用いられる音声素片の持つ基本周波数を
    最小二乗直線とその距離の形で保持し、先行音節が促音
    の場合、前記最小二乗直線の傾きを大きくすることを特
    徴とする音声合成装置。
  6. 【請求項6】発音記号等の記号列を入力する記号列入力
    手段と、前記発音記号等 の記号列にしたがって基本周波
    数を制御する基本周波数を制御する基本周波数制御手段
    と、音声を合成する音声合成手段とを有し、前記基本周
    波数制御手段は、前記音声合成手段で用いられる音声素
    片の持つ基本周波数を、音韻の影響を受ける部分である
    母音入り渡り部と安定部に分割して、最小二乗直線とそ
    の距離の形で保持し、前記記号列から得られる目的の基
    本周波数に変更する際、前記距離の成分を利用すること
    を特徴とする音声合成装置。
  7. 【請求項7】発音記号等の記号列を入力する記号列入力
    手段と、基本周波数を制御する基本周波数制御手段と、
    音声を合成する音声合成手段とを有し、前記基本周波数
    制御手段は、後続音節が無音部を伴う場合、基本周波数
    を下降させることを特徴とする音声合成装置。
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