JP3514732B2 - 回転駆動装置 - Google Patents

回転駆動装置

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JP3514732B2
JP3514732B2 JP2001009413A JP2001009413A JP3514732B2 JP 3514732 B2 JP3514732 B2 JP 3514732B2 JP 2001009413 A JP2001009413 A JP 2001009413A JP 2001009413 A JP2001009413 A JP 2001009413A JP 3514732 B2 JP3514732 B2 JP 3514732B2
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gears
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俊彦 山崎
繁次 田中
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットを使用し
た作業セルに設置され、物体を取付けた反転テーブルな
どを駆動するために好適に用いられる回転駆動装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ロボットを使用した作業セル
には、複数(通常2台)の反転テーブルもしくはポジシ
ョナが設置されている。これは、たとえば一方の反転テ
ーブルに取付けられた物体(以後、ワークと呼ぶ)に対
してロボットが作業を行っている間に、他方の反転テー
ブルで作業者がワークの着脱を行うことを可能にするた
めの工夫であり、これによって作業能率を向上すること
ができる。このような反転テーブルもしくはポジショナ
には、回転駆動装置がそれぞれ独立して設置されてい
る。回転駆動装置は、駆動モータと、減速機構とを含ん
で構成されており、単一の出力軸を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転駆動装置に
は次のような問題がある。
【0004】(1)各回転駆動装置毎に駆動モータ、減
速機、制御手段を設ける必要があるので、全体の構成が
複雑になり、広い設置スペースが必要になる。また構成
部品点数が多いのでコストアップになる。
【0005】(2)作業者が作業を行っている側の回転
駆動装置の電力を安全上遮断する必要があるので、制御
回路が複雑になる。
【0006】(3)前記電力の遮断が電気的に行われる
ので、誤動作の恐れがあり、安全上の不安がある。
【0007】本発明の目的は、前記問題を解決し、2つ
の出力軸を有し、かつ安全性の高い回転駆動装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、相互に間隔を
あけて配置された第1および第2被駆動物と、予め定め
る軸線まわりに回転駆動される入力軸と、第1および第
2被駆動物の間に配置され、これらの配列方向に沿って
延びる共通軸線を有し、第1および第2被駆動物にそれ
ぞれ連結される第1および第2出力軸とを備え、入力軸
の回転速度に対応する値NOが第1および第2出力軸の
回転速度N1、N2の和になるように入力軸の回転動力
を第1および第2出力軸に伝達する差動歯車装置と、前
記入力軸を回転駆動する駆動手段と、前記配列方向に沿
って変位可能で、かつ前記共通軸線からずれた位置に配
置されるロック部材と、第1および第2被駆動物にそれ
ぞれ設けられ、ロック部材の端部に係合して第1および
第2被駆動物の前記軸線まわりの回転を阻止するロック
片と、ロック部材をその軸線方向に駆動し、ロック部材
と第1ロック片とがロック状態であり、かつロック部材
と第2ロック片とのロック状態が解除される第1位置
と、ロック部材と第2ロック片とがロック状態であり、
かつロック部材と第1ロック片とのロック状態が解除さ
れる第2位置との間を往復変位させるロック部材駆動手
段とを含むことを特徴とする回転駆動装置である。
【0009】本発明に従えば、入力軸は駆動手段によっ
て回転駆動され、入力軸の回転運動は入力軸の回転速度
に対応する値NOが第1および第2出力軸の回転速度N
1、N2の和になるように第1および第2出力軸に伝達
される。ロック部材は、ロック部材駆動手段によって駆
動され、第1および第2ロック片のいずれか一方、たと
えば第1ロック片と係合して第1被駆動物の回転を阻止
する。これによって、第1出力軸が固定され、第1出力
軸の回転速度N1が零になるので、第2出力軸は入力軸
の回転速度に対応する値NOの2倍の回転速度で回転駆
動される。このように、第1および第2被駆動物のうち
のいずれかがロック部材によって機械的にロックされる
ので、誤動作が防止され、安全性を向上することができ
る。また出力軸が2つ設けられているので、駆動手段な
どを共通化することが可能となり、全体の構成をコンパ
クトにすることができ、省スペースを図ることができ
る。さらに、構成部品点数を削減することができるので
コストダウンを図ることが可能となる。
【0010】また本発明では、差動歯車装置は、入力軸
を有する差動歯車手段と、第1および第2出力軸を有
し、差動歯車手段の出力が与えられ、第1および第2被
駆動物をそれぞれ駆動する第1および第2歯車減速機と
を含むことを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、第1および第2歯車減速
機が設けられているので、希望する回転速度で第1およ
び第2被駆動物を確実に回転駆動することができる。
【0012】また本発明では、前記差動歯車手段の入力
軸は、前記共通軸線と同一の軸線を有し、第1および第
2出力軸の半径方向外方に間隔をあけて設けられる筒部
を備え、前記差動歯車手段はさらに、前記共通軸線に平
行な同一の軸線を有し、相互に隣接して、かつ筒部にそ
の軸線を中心として回転自在に設けられる第1および第
2歯車と、前記共通軸線に平行な同一の軸線を有し、第
1および第2歯車に対して筒部の周方向の異なる位置に
相互に隣接して、かつ筒部にその軸線を中心として回転
自在に設けられる第3および第4歯車と、第1および第
2出力軸にそれぞれ装着され、前記共通軸線まわりに回
転可能な第5および第6歯車とを含み、第1、第2およ
び第4歯車は、第3、第5および第6歯車とそれぞれ相
互に噛み合っており、さらに第2および第4歯車は第5
および第6歯車のまわりを回転可能であることを特徴と
する。
【0013】本発明に従えば、第1〜第6歯車は各軸線
まわりを自転可能であり、かつ第2および第4歯車は第
5および第6歯車のまわりを公転することができるの
で、たとえば第1出力軸、すなわち第5歯車が固定され
ているときでも第2歯車が第5歯車のまわりを公転しな
がら自転し、後述のように第6歯車を自転させることが
できる。したがって、第1および第2出力軸のいずれか
一方が固定されているときでも、いずれか他方を確実に
回転させることができる。
【0014】また本発明では、前記歯車減速機は、サイ
クロ減速機であることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、歯車減速機がサイクロ減
速機であるので、大きな減速比を確実に実現することが
できる。
【0016】また本発明は、請求項1〜4のいずれかに
記載の回転駆動装置と、前記配列方向に垂直な方向に配
置されるロボットと、回転駆動装置およびロボットを収
納する移動可能な作業セルとを備え、前記第1および第
2被駆動物は物体を着脱自在に取付け可能な第1および
第2テーブルであって、前記ロボットは、第1および第
2テーブルのいずれか一方に取付けられている物体を加
工し、作業者は第1および第2テーブルのいずれか他方
で物体の着脱を行うことを特徴とする作業装置である。
【0017】本発明に従えば、第1および第2被駆動物
が第1および第2テーブルであり、第1および第2テー
ブルには物体、たとえば被加工物を着脱可能に取付ける
ことが可能であり、さらに第1および第2テーブルの配
列方向に垂直な方向にロボットが配置されているので、
たとえばロックされていない第1テーブルでロボットに
よって被加工物を加工し、ロックされている第2テーブ
ルで作業者によって被加工物の着脱を行うことができ
る。これによって、作業者の安全を確保することが可能
になるとともに、作業能率を向上することができる。ま
た回転駆動装置およびロボットが作業セル内に収納さ
れ、作業セルが移動可能であるので、配置替えが容易で
あり、作業装置の稼動率を高めることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る回転駆動装置1の構成を簡略化して示す正面断面図で
あり、図2は図1の平面図であり、図3は図1の右側面
図である。回転駆動装置1は、ハウジング2と第1およ
び第2被駆動物3,4と、差動歯車装置5と、駆動手段
6と、ロック手段7とを含んで構成される。ハウジング
2は、固定位置にほぼ垂直に立設されており、ハウジン
グ2には差動歯車装置5が回転自在に設けられている。
第1および第2被駆動物3,4は、たとえばワークを着
脱自在に取付け可能な一対の作業用反転テーブルであっ
て、ハウジング2を挟んで一直線上に対向して配置され
ている。以後、第1および第2被駆動物を第1および第
2テーブル3,4と呼ぶ。
【0019】差動歯車装置5は、第1および第2テーブ
ル3,4の配列方向に沿って延びる水平軸線5aを有
し、さらに1つの入力軸8と、2つの第1および第2出
力軸9,10とを有している。入力軸8は差動歯車群3
9を介して第1および第2出力軸9,10と連結されて
おり、第1および第2出力軸9,10は、第1および第
2テーブル3,4と連結されている。第1および第2出
力軸9,10の軸線は、前記水平軸線5aと同一であ
る。したがって以後、前記水平軸線5aを共通軸線と呼
ぶ。
【0020】駆動手段6は、ハウジング2に固定されて
おり入力軸8を回転駆動する。ロック手段7はハウジン
グ2に設けられ、後述のように第1および第2テーブル
3,4のいずれか一方をロックし、かつ同時にいずれか
他方のロックを解除する。すなわち、ロック手段7によ
って第1および第2出力軸9,10のいずれか一方がロ
ックされ、いずれか他方のロックが解除される。したが
って、両方のロックが同時に解除されることはない。入
力軸8の回転運動は、後述のように差動機能を有する差
動歯車群39によって第1および第2出力軸9,10の
いずれか一方がロックされていても、ロックされていな
いいずれか他方に伝達される。したがって、駆動手段6
は未ロック状態の第1または第2テーブル3,4を前記
共通軸線5aまわりに回転させて反転させることができ
る。ここで、回転とは前記共通軸線5aまわりの360
°以上または未満のあらゆる角変位の動作を含む。
【0021】図4は図1に示す回転駆動装置1を備える
作業装置13の全体構成を簡略化して示す平面図であ
り、図5は図4の側面図である。作業装置13は、回転
駆動装置1と、ロボット14と作業セル15とを備え
る。回転駆動装置1の第1および第2テーブル3,4
は、角管から成る枠部材によって形成された平坦な矩形
テーブルであり、矢符17で示す予め定める配列方向に
ハウジング2を挟んで直線上に配置されている。
【0022】第1および第2テーブル3,4は、ハウジ
ング2の近傍に配置され、前記配列方向17に垂直な方
向に延びる第1枠部材3a,4aと、第1枠部材3a,
4aに関してハウジング2と反対側に配置され、かつ第
1枠部材3a,4aに対して平行に延びる第2枠部材3
b,4bと、第1枠部材3a,4aおよび第2枠部材3
b,4bの一方の端部をそれぞれ連結し、前記配列方向
17に平行に延びる第3枠部材3c,4cと、第1枠部
材3a,4aおよび第2枠部材3b,4bの他方の端部
をそれぞれ連結し、前記配列方向17に平行に延びる第
4枠部材3d,4dとを含んで構成される。
【0023】第1〜第4枠部材3a〜3d,4a〜4d
は平坦なテーブル面をそれぞれ形成し、第1および第2
テーブル3,4の枠部材内方部分は前記テーブル面に垂
直な方向に開放されている。第1および第2テーブル
3,4の第2枠部材3b,4bには、第1および第2軸
受手段11,12がそれぞれ設けられている。第1およ
び第2軸受手段11,12は第1および第2テーブル
3,4のハウジング2とは反対側の端部をそれぞれ回転
自在に支持する。ワーク16は第1および第2テーブル
3,4の各第1〜第4枠部材に着脱自在に取付けられ
る。
【0024】ロボット14は、たとえば複数のアームが
関節によって連結される6軸垂直多関節ロボットであ
り、前記配列方向17に垂直な方向に配置される。ロボ
ット14の手首19には、たとえばアーク溶接のトーチ
20が取付けられる。これによって、ロックされていな
い第1または第2テーブル3,4に取付けられたワーク
16に対して溶接加工を能率的に施すことができる。す
なわち、ロボット14の姿勢と第1または第2テーブル
3,4の水平面に対する角度とを制御することによって
ワーク16の所望の位置に溶接加工を施すことができ
る。また溶接加工の位置決めまでに要する時間を短縮す
ることが可能となる。さらに、第1または第2テーブル
3,4は前述のように枠部材で四方を囲まれた内方部分
がテーブル面に垂直な方向に開放されているので、第1
または第2テーブル3,4を反転することによって、ワ
ーク16の裏側から溶接加工を施すことが可能となる。
これによってもまた、溶接時間を短縮することができ
る。
【0025】作業セル15は、回転駆動装置1およびロ
ボット14を収納可能な作業空間を有する作業室であ
る。前記第1および第2テーブル3,4は、前記配列方
向17に沿って延びる作業セル15の一側部21に近接
して配置されている。作業セル15には、上下方向に昇
降する開閉扉23と、ヒンジを介して開閉される点検用
の第1および第2ドア24,25とが設けられている。
開閉扉23は、作業セル15の前記一側部21に設けら
れており、昇降手段26によって開閉される。これによ
って、開閉扉23を開放すれば、作業者は作業セル15
の外部からワーク16を出入れすることが可能となり、
ワーク16の第1および第2テーブル3,4に対する着
脱を容易に、かつ安全に行うことが可能となる。また作
業セル15は回転駆動装置1およびロボット14を収納
した状態で移動可能であるので、配置替えが容易であ
り、作業装置13の稼動率を高めることができる。
【0026】このように、第1および第2テーブル3,
4のいずれか一方がロックされている状態では、いずれ
か他方のロックが解除されているので、ロックされてい
ない第1または第2テーブル3,4でロボット14によ
ってワーク16を溶接加工し、ロックされている第1ま
たは第2テーブル3,4で作業者によってワーク16の
着脱を行うことができる。これによって、作業者の安全
を確保することが可能になるとともに、作業能率を向上
することができる。
【0027】図6は図1の切断面線VI−VIから見た
断面図である。図1、図2、図3および図6を参照し
て、ハウジング2、差動歯車装置5および駆動手段6の
構成を説明する。ハウジング2は、台盤27上にほぼ垂
直に立設される中空構造体であり、その水平断面形状は
矩形である。ハウジング2は、前記第1テーブル3の第
1枠部材3aの近傍に配置され、前記配列方向17に対
して垂直な方向に延びる第1側壁2aと、前記第2テー
ブル4の第1枠部材4aの近傍に第1側壁2aと間隔を
あけて対向して配置され、第1側壁2aに対して平行に
延びる第2側壁2bと、第1および第2側壁2a,2b
の一端部(図2の上部)に連結され、前記配列方向17
に対して平行に延びる第3側壁2cと、第1および第2
側壁2a,2bの他端部(図2の下部)に連結され、第
3側壁2cに対して平行に延びる第4側壁2dと第1〜
第4側壁2a〜2dの上端部を覆う天板2eとを有す
る。第1〜第4側壁2a〜2dは水平面に対してほぼ垂
直にそれぞれ立設され、第1および第2側壁2a,2b
は前記第1および第2出力軸9,10の共通軸線5aに
対して垂直である。台盤27は、ほぼ水平に延在し、作
業セル15の床面上に固定される。
【0028】第1および第2側壁2a,2bの上部付近
には、円形の透孔がそれぞれ形成されており、各透孔の
軸線は前記共通軸線5aと同軸である。第1および第2
側壁2a,2bの透孔の周縁部には、ハウジング2の内
方側に突出して延びる第1および第2保持体28,29
がそれぞれ取付けられている。第1および第2保持体2
8,29は、ほぼ円筒状の第1および第2保持部30,
31と、第1および第2保持部30,31の軸線方向内
方側端部に固定され、半径方向内方側に延びる第1およ
び第2内向きフランジ部32,33と、第1および第2
保持部30,31の軸線方向外方側端部に固定され、半
径方向外方側に延びる第1および第2外向きフランジ部
34,35とを備える。第1および第2外向きフランジ
部34,35は、ハウジング2の第1および第2側壁2
a,2bに複数のボルトによって着脱可能にそれぞれ取
付けられている。
【0029】差動歯車装置5は、差動歯車手段36と、
歯車減速機37a,37bとを備える。差動歯車手段3
6は、回転支持体38と、入力軸8と差動歯車群39と
を含み、第1および第2歯車減速機37a,37bは第
1および第2出力軸9,10と、第1および第2サイク
ロ減速機40,41とをそれぞれ含む。第1および第2
サイクロ減速機40,41は前記第1および第2保持部
30,31の内部空間内に収納されている。回転支持体
38は、前記共通軸線5aと同一の軸線を有しており、
第1および第2内向きフランジ部32,33の内周面に
第1および第2玉軸受43,44を介して前記共通軸線
5aまわりに回転自在に設けられる。
【0030】入力軸8は、前記共通軸線5aと同一の軸
線を有する中空回転体であり、プーリ部46と、筒部4
7とを有する。プーリ部46は、ほぼ円筒状の形状を有
し、前記第1保持体28の第1保持部30の半径方向外
方に間隔をあけて設けられる。プーリ部46の一端部
(図1の左側)付近の外周面には、第1プーリ48が設
けられており、プーリ部46の他端部には中央孔を有す
るドーナツ状の端板49が取付けられている。筒部47
は、ほぼ円筒状の形状を有し、回転支持体38の半径方
向外方に間隔をあけて同心円上に設けられる。筒部47
の外径はプーリ部46の外径よりも小径であり、筒部4
7の一端部は端板49に固定されている。入力軸8と回
転支持体38とは連結されており、前記共通軸線5aま
わりに一体的に回転可能である。差動歯車群39は、回
転支持体38と、第1および第2出力軸9,10に装着
されている。第1および第2歯車減速機37a,37b
の第1および第2サイクロ減速機40,41は、第1お
よび第2出力軸9,10と第1および第2テーブル3,
4との間に設けられ、両者を連結する。差動歯車手段3
6の回転支持体38および差動歯車群39と第1および
第2歯車減速機37a,37bの構成についてはさらに
後述する。
【0031】前記駆動手段6はモータ51を備える。モ
ータ51は取付部材50を介してハウジング2の第1側
壁2aに着脱可能に取付けられている。モータ51の上
下方向位置は、ボルトと固定ナットとから成る位置調整
手段52によって調整可能である。モータ51のモータ
軸51aには第2プーリ53が装着されており、前記第
1プーリ48と第2プーリ53との間には伝動ベルト5
4が張架されている。また第1プーリ48の直径は、第
2プーリ53の直径よりも大きくなるように設定されて
いる。これによって、モータ51を回転駆動するとモー
タ51の回転運動は伝動ベルト54を介して減速された
状態で入力軸8に伝達され、回転支持体38を回転駆動
する。
【0032】図7は、図1の背面図である。図2、図6
および図7を参照して回転駆動装置1のロック手段7の
構成を説明する。ロック手段7は、第1および第2スリ
ーブ56,57と、ロック部材58と、第1および第2
ロック片59,60と、ロック部材駆動手段61とを含
んで構成される。第1および第2スリーブ56,57は
円筒状部材であり、その内周面には軸受メタル63が内
張りされている。第1および第2スリーブ56,57
は、ハウジング2の第4側壁2cに前記配列方向17に
間隔をあけて設けられている。第1および第2スリーブ
56,57の軸線は、前記共通軸線5aと平行な直線上
に存在する。
【0033】ロック部材58は、前記第1および第2ス
リーブ56,57と同一の軸線58aを有する棒状の部
材であり、その軸直角断面形状は円形である。ロック部
材58は、第1および第2スリーブ56,57に軸受メ
タル63を介して挿通され、その軸線58aに沿って摺
動変位可能である。ロック部材58の軸線58aは、前
記共通軸線5aに平行であり、かつ前記共通軸線5aか
ら前記配列方向17に垂直な方向にずれた位置に存在す
る。
【0034】第1および第2ロック片59,60は、円
環状部材であり、第1および第2テーブル3,4の第1
枠部材3a,4aに対向してそれぞれ設けられている。
第1および第2ロック片59,60はロック部材58と
共通の軸線58aを有しており、第1および第2ロック
片59,60の内径は、ロック部材58の外径よりもわ
ずかに大きくなるように設定されている。これによっ
て、ロック部材58をその軸線58aに沿って摺動変位
させれば、ロック部材58の一端部および他端部を第1
および第2ロック片59,60の中心孔に出入れするこ
とができる。
【0035】ロック部材駆動手段61は、複動空気圧シ
リンダ65と、連結部材66とを含む。複動空気圧シリ
ンダ65は、ロック部材58よりも下方に、かつ図3お
よび図6に示すようにロック部材58の軸線58aを含
む鉛直面67内に存在し、複動空気圧シリンダ65のピ
ストンロッド65aを軸線58aに平行に伸縮変位駆動
する。連結部材66は、上下方向に延びる板状部材であ
り、ロック部材58とピストンロッド65aとを連結す
る。すなわち連結部材66の上端部はロック部材58に
固定され、下端部はピストンロッド65aの先端部に固
定される。
【0036】ピストンロッド65aを伸長限まで伸長さ
せるとロック部材58の一端部が第1ロック片59に挿
入され、連結部材66は予め定める第1位置68まで移
動する。連結部材66が第1位置68に存在すること
は、第1位置検出器69によって検出される。ピストン
ロッド65aを後退限まで縮退させるとロック部材58
の他端部が第2ロック片60に挿入され連結部材58は
予め定める第2位置71まで移動する。連結部材66が
第2位置71に存在することは第2位置検出器72によ
って検出される。第1および第2位置検出器69,72
は、たとえば近接スイッチによって実現される。
【0037】図8は図7に示すロック部材58と第1お
よび第2ロック片59,60とのロック状態を示す図で
ある。ロック部材58が第1位置68に存在する状態で
は、図8(1)に示すようにロック部材58の一端部は
第1ロック片59の中央孔に充分に挿通しており、ロッ
ク部材58と第1ロック片59とは充分なロック状態に
ある。したがって、第1ロック片59が固定されている
第1テーブル3はハウジング2に対して固定される。こ
れに対してロック部材58の他端部は第2ロック片60
の中央孔から完全に外れており、ロック部材58と第2
ロック片60とのロック状態は解除されている。したが
って第2ロック片60が固定されている第2テーブル4
はハウジング2との連結から開放され、自在に回転する
ことが可能である。
【0038】ロック部材58を第1位置68から第2位
置71に向って移動させると、その途中位置において図
8(2)に示すようにロック部材58の一端部および他
端部が第1および第2ロック片59,60にそれぞれ部
分的に係合した状態が出現する。この状態は、第1およ
び第2テーブル3,4とも回転することができないばか
りでなく、不充分な係合状態であるので、作業者の作業
中にロックが外れて第1または第2テーブル3,4が回
転する恐れがあり、回避するべき危険な状態である。
【0039】ロック部材58が第2位置71に到達した
状態では、図8(3)に示すようにロック部材58の他
端部は第2ロック片60の中央孔に充分に挿通してお
り、ロック部材58と第2ロック片60とは充分なロッ
ク状態にある。したがって、第2ロック片60が固定さ
れている第2テーブル4はハウジング2に対して固定さ
れる。これに対して、ロック部材58の一端部は第1ロ
ック片59の中央孔から完全に外れており、ロック部材
58と第1ロック片59とのロック状態は解除されてい
る。したがって、第1ロック片59が固定されている第
1テーブル3は自在に回転することができる。
【0040】このように、ロック部材58を移動させる
ことによって第1および第2テーブル3,4のいずれか
一方を完全にロックすることができるとともに、第1お
よび第2テーブル3,4のいずれか他方のロック状態を
完全に解除することが可能であり、両方のロックが同時
に解除されることはないので、ロックされている側にお
ける作業者の安全性を向上することが可能となる。また
このような機械的な方式によるロックが行われるので、
電気的な方式によるロックに比べてロック状態に対する
信頼性を高めることができる。また第1および第2位置
検出器69,72が設けられているので、図8(2)に
示すような不完全なロック状態の出現を防止することが
可能となり、安全性をさらに高めることができる。また
ロック部材58が単1本であるので、第1および第2位
置検出器69,72の設置数は1組でよい。したがっ
て、第1および第2テーブル3,4を2本の別々のロッ
ク部材でロックする場合に比べて位置検出器の数量を削
減することができる。
【0041】図9は図1に示す差動歯車装置5の第1お
よび第2出力軸9,10付近の構成を簡略化して示す拡
大断面図であり、図10は図9のスケルトンを示す図で
ある。図6、図9および図10を参照して図1に示す差
動歯車手段36の回転支持体38および差動歯車群39
の構成と動作とを説明する。回転支持体38は、第1お
よび第2回転支持部材74,75と、第1および第2回
転軸76,77とを備える。
【0042】第1および第2回転支持部材74,75
は、軸線まわりに中央孔を有する段付部材であり、軸線
方向外方側に形成される第1および第2小径部78,7
9と、それに連なり軸線方向内方側に形成される第1お
よび第2大径部80,81とを有する。第1および第2
小径部78,79の外周面は、前記第1および第2玉軸
受43,44に嵌合され、第1大径部80の外周面は、
入力軸8の端板49に固定され、第2大径部81の外周
面付近は入力軸8の筒部47の他端部に固定される。第
1および第2回転支持部材74,75の各中央孔には、
第3および第4玉軸受83,84がそれぞれ装着され、
第3および第4玉軸受83,84には、前記第1および
第2出力軸9,10がそれぞれ嵌合される。第3および
第4玉軸受83,84はそれぞれ一対の玉軸受から成
る。第1大径部80の第3玉軸受83の半径方向外方に
は、第5および第6玉軸受85,86が周方向に隣接し
て嵌合されており、第2大径部81の第4玉軸受84の
半径方向外方には第7および第8玉軸受87,88が第
5および第6玉軸受85,86と対向して嵌合されてい
る。
【0043】第1および第2回転軸76,77は、第1
および第2回転支持部材74,75の周方向の異なる位
置に、かつ第1および第2回転支持部材74,75間に
またがって回転自在に支持される回転軸である。すなわ
ち、第1回転軸76の一端部は第5玉軸受85に嵌合さ
れ、他端部は第7玉軸受87に嵌合される。第2回転軸
77の一端部は、第6玉軸受86に嵌合され、他端部は
第8玉軸受88に嵌合される。第1および第2回転軸7
6,77の軸線76a,77aは前記共通軸線5aにそ
れぞれ平行である。
【0044】差動歯車群39は、第1〜第6歯車89〜
94から成る。第1〜第6歯車89〜94は、全て同一
の歯数とピッチ円直径とを有する。第1および第2歯車
89,90は第1回転軸76にキー76bによってキー
結合されており、第1歯車89は、第1回転軸76の軸
線方向中央部付近に配置され、第2歯車90は第1回転
軸76の第1歯車89の第5玉軸受85側に隣接して配
置されている。第3および第4歯車91,92は第2回
転軸77にキー77bによってキー結合されており、第
3歯車91は第2回転軸77の軸線方向中央部付近に配
置され、第4歯車92は第2回転軸77の第3歯車91
の第8玉軸受88側に隣接して配置されている。第5歯
車93は、第1出力軸9の軸線方向内方側の端部にキー
9aによってキー結合されており、第6歯車94は第2
出力軸10の軸線方向内方側の端部にキー10aによっ
てキー結合されている。第1および第2出力軸9,10
の軸線方向外方側の端部には、図10に示すように第7
歯車95と第8歯車96とがそれぞれ形成されている。
また、第1歯車89は第3歯車91と噛み合っており、
第2歯車90は第5歯車93と噛み合っており、第4歯
車92は第6歯車94と噛み合っている。図6に第1歯
車89と第3歯車91とが噛み合っている状態を示す。
【0045】これによって、第1〜第6歯車89〜94
は各軸線まわりにそれぞれ自転することができるととも
に、第2歯車90および第4歯車92は第5歯車93お
よび第6歯車94のまわりを第1および第2回転軸7
6,77とともにそれぞれ公転することが可能である。
図6には、180°公転後の第1および第2回転軸7
6,77の周方向位置が参照符76a,77aで併せて
示されており、さらに第1および第2回転軸76,77
とともに180°角変位した第1および第3歯車89,
91の周方向位置が参照符89a,91aで示されてい
る。また図9では、図解の便宜のために第2回転軸7
7、第3および第4歯車91,92を周方向にずらして
示している。
【0046】次に、差動歯車手段36の動作を説明す
る。モータ51の回転運動は、第2プーリ53、伝動ベ
ルト54および第1プーリ48を介して伝達され、入力
軸8を回転駆動する。ロック手段7によって、たとえば
第1テーブル3がロックされている状態では、第1出力
軸9がロックされるので、第5歯車93の回転が阻止さ
れる。これによって、入力軸8および回転支持体38の
回転に伴って、第2歯車90がロック状態の第5歯車9
3のまわりを公転するとともに自転する。この第2歯車
90の自転は第1歯車89を介して第3、第4および第
6歯車91,92,94に伝達される。また入力軸8お
よび回転支持体38の回転に伴って第4歯車92が第6
歯車94のまわりを公転するとともに、第6歯車94を
自転させる。したがって、入力軸8が1回転すると、第
6歯車94は第2歯車90の公転に伴う1回転に第4歯
車92の公転に伴う1回転を加えて2回転する。
【0047】これに対して、ロック手段7によって、第
2テーブル4をロックして第6歯車94の回転を阻止す
ると同様にして入力軸8が1回転する間に第5歯車93
が2回転する。すなわち入力軸8の回転速度に対応する
値NO(本実施の形態では、入力軸8の回転速度の倍
数)が第1および第2出力軸9,10の回転速度N1,
N2の和に等しい。このように、差動歯車手段36の差
動機能によって第1および第2出力軸9,10のいずれ
か一方がロックされているときにおいても、第1および
第2出力軸9,10のいずれか他方を回転させることが
できるので、ロック手段7の切換えによって第1および
第2出力軸9,10を交互に回転させることが可能とな
る。
【0048】図11は、図1に示す第2歯車減速機37
bの構成を簡略化して示す断面図である。第1歯車減速
機37bは前述のように第2出力軸10と、第2サイク
ロ減速機41とを備える。第2出力軸10は前記共通軸
線5aを有し、この軸線5aまわりに回転可能に支持さ
れている。第2出力軸10の軸線方向外方側端部付近の
外周面には、前述のように第8歯車96が形成されてい
る。第2サイクロ減速機41は、内歯歯車98と、一対
の外歯歯車99a,99b(以後、総称して呼ぶときは
添字a,bを省略する)とクランク軸100と、支持体
101とを備える。
【0049】内歯歯車98は、ほぼ円筒状の形状を有す
る筒体の内周面に複数の内歯98aが形成された歯車で
あり、その軸線は前記共通軸線5aの延長線上に存在す
る。内歯歯車98は、軸線5aまわりに回転可能であ
り、円板状の接続部材102を介して第2テーブル4に
連結されている。外歯歯車99は、内歯歯車98と噛み
合う歯車であり、その外周面には内歯歯車98の歯数よ
りも1つだけ少ない歯数の外歯が形成されている。クラ
ンク軸100は、外歯歯車99に嵌合して外歯歯車99
を揺動させる偏心入力軸であり、外歯歯車99の周方向
に3本等間隔をあけて透孔を介して嵌合されている。ク
ランク軸100は、内歯歯車98の軸線5aと平行な軸
線100aを有する。クランク軸100の軸線方向中央
には、180°の位相を持つ一対のクランク部100b
が形成されており、クランク軸100の軸線方向内方側
(図11の左側)には平歯車103が取付けられてい
る。
【0050】支持体101は、第1および第2支持部1
04,105を有し、内歯歯車98、外歯歯車99およ
びクランク軸100を支持する。第1および第2支持部
104,105は、軸線5a方向に間隔をあけて設けら
れ、位置決め部材106によって一体的に連結されてい
る。位置決め部材106は、内歯歯車98の軸線5aと
平行な軸線106aを有する棒状体であり、外歯歯車2
9の周方向に3本等間隔をあけて透孔を介して挿通され
ている。位置決め部材106の挿通されている透孔の内
寸法は位置決め部材106の外寸法よりも大きくなるよ
うに設定される。これによって、外歯歯車29は周方向
および半径方向に揺動変位可能に位置決めされる。
【0051】支持体101の第1支持部104は、前記
第2保持体29の第2内向きフランジ部33に固定され
る。これによって、第1および第2支持部104,10
5、すなわち支持体101はハウジング2に固定され
る。第1および第2支持部104,105の外周面に
は、第1および第2ころ軸受108,109が装着され
ており、前記内歯歯車98は、支持体101の外周面に
第1および第2ころ軸受108,109を介して回転自
在に支持されている。第1および第2支持部104,1
05のクランク軸嵌合用透孔を臨む位置には、第3およ
び第4ころ軸受110,111が装着されている。前記
クランク軸100は、両端部を第3および第4ころ軸受
110,111によって回転自在に支持される。クラン
ク軸100に取付けられている平歯車103は前記第2
出力軸10の先端に形成された第8歯車96と噛み合う
ように配置されており、平歯車103の歯数は第8歯車
96の歯数よりも多い。これによって、第2出力軸10
の出力が減速されてクランク軸100に入力される。
【0052】第1サイクロ減速機40は、第2サイクロ
減速機41と全く同一の構成を有しており、第1出力軸
9の出力が第1出力軸9の先端に形成された第7歯車9
5(図10参照)を介して第1サイクロ減速機40のク
ランク軸に入力される。
【0053】次に第2サイクロ減速機41の動作を図1
1を参照して説明する。第2出力軸10の出力は、第1
歯車96を介して平歯車103に伝達され、減速されて
クランク軸100に入力される。クランク軸100の回
転は、一対の外歯歯車99を偏心揺動させ、外歯歯車9
9の歯と内歯歯車98の歯98aとを1つずつずらしな
がら噛み合わせる。これによって、第2出力軸10の回
転速度はさらに減速され、内歯歯車98は軸線5aまわ
りをゆっくりと自転して第2テーブル4を回動させる。
したがって、第2サイクロ減速機41によって非常に大
きな減速比を得ることができる。第1サイクロ減速機4
0の動作も第2サイクロ減速機41と同一である。この
ように、第1および第2サイクロ減速機40,41によ
って大きな減速比を得ることができるので、第1および
第2出力軸9,10のいずれか一方がロックされ、いず
れか他方の回転速度が差動歯車群39の働きによって、
たとえば2倍になっても充分に減速することが可能とな
る。したがって、第1または第2テーブル3,4を希望
する回転速度で回転させることができる。
【0054】再び図3を参照して、前記第2保持体29
の第2外向きフランジ部35の下部には一対のストッパ
部材113が固定されている。1対のストッパ部材11
3は、前記共通軸線5aを含む鉛直平面114に関して
対称に間隔をあけて配置されており、各ストッパ部材1
13の中間には爪部材115が共通軸線5aに平行な軸
線まわりに角変位可能にピン116によってピン止めさ
れている。前記第2サイクロ減速機41の内歯歯車98
に連結されている接続部材102には、爪部材115と
係合する係合片117と前記第2テーブル4とが固定さ
れている。さらに詳しく述べると、係合片117および
第2テーブル4は、接続部材102の一直径線上の一方
および他方の外周部付近に配置されており、第2テーブ
ル4が水平状態であるとき、図3に示すように係合片1
17が前記鉛直平面114内に存在するように配置され
ている。
【0055】これによって、内歯歯車98、すなわち接
続部材102が回転すると、係合片117と爪部材11
5とが係合して爪部材115が角変位し、爪部材115
の角変位が一方のストッパ部材113によって阻止され
るので、第2テーブル4を水平状態に保持することがで
きる。接続部材102が逆方向に回転すると、爪部材1
15の角変位が他方のストッパ部材113によって阻止
されるので、第2テーブル4を同様に水平状態に保持す
ることができる。このような第2テーブル4の水平保持
動作は、第1テーブル3においても同様に実現すること
ができる。したがって、前述のように作業者がワーク1
6を第1または第2テーブル3,4に着脱するとき、作
業の安全性を向上することが可能となる。また、前述の
ように第1または第2テーブル3,4は前記共通軸線5
aのまわりを回転するので、その移動軌跡は図3の仮想
線に示すように円形となり、その移動範囲をハウジング
2から等距離の範囲に限定することができる。したがっ
て、作業セル15の作業空間の体積を相対的に小さくす
ることが可能となる。第1または第2テーブル3,4の
移動軌跡円の直径D1は、たとえば626mmである。
【0056】以上述べたように、本実施の形態では第1
および第2歯車減速機37a,37bとして第1および
第2サイクロ減速機40,41が用いられているけれど
も、他の大減速比減速機、たとえば平行軸形歯車減速機
を用いるようにしてもよい。また差動歯車装置5の構成
は、本実施の形態の構成に限定されるものではなく、他
の構成であってもよい。また第1および第2被駆動部は
第1および第2テーブル3,4に限定されるものではな
く、他の物体であってもよい。また作業装置13に備え
られる回転駆動装置1の構成はこのような構成のみに限
定されるものではなく、他の構成のものであってもよ
い。
【0057】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、第1および第2被駆動物のうちのいずれかがロッ
ク部材によって機械的にロックされるので誤動作が防止
され、安全性を向上することができる。また出力軸が2
つ設けられているので、駆動手段などを共通化すること
が可能となり、全体の構成をコンパクトにすることがで
き、省スペースを図ることができる。さらに構成部品点
数を削減することができるので、コストダウンを図るこ
とができる。
【0058】また請求項2記載の本発明によれば、第1
および第2歯車減速機が設けられているので、希望する
回転速度で第1および第2被駆動物を確実に回転駆動す
ることができる。
【0059】また請求項3記載の本発明によれば、差動
歯車手段が設けられているので、第1および第2出力軸
のいずれか一方が固定されているときでも、いずれか他
方を確実に回転させることができる。
【0060】また請求項4記載の本発明によれば、歯車
減速機がサイクロ減速機であるので、大きな減速比を確
実に実現することができる。
【0061】また請求項5記載の本発明によれば、ロッ
クされていない第1または第2テーブルでロボットによ
って被加工物を加工し、ロックされている第2または第
1テーブルで作業者によって被加工物の着脱を行うこと
ができるので、作業者の安全を確保することが可能にな
るとともに、作業能率を向上することができる。また回
転駆動装置およびロボットが作業セル内に収納され、作
業セルが移動可能であるので、配置替えが容易であり、
作業装置の稼動率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である回転駆動装置1の
構成を簡略化して示す正面断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1に示す回転駆動装置1を備える作業装置1
3の全体構成を簡略化して示す平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図1の切断面線VI−VIから見た断面図であ
る。
【図7】図1の背面図である。
【図8】図7に示すロック部材58と第1および第2ロ
ック片59,60とのロック状態を示す図である。
【図9】図1に示す差動歯車装置5の第1および第2出
力軸9,10付近の構成を簡略化して示す拡大断面図で
ある。
【図10】図9のスケルトンを示す図である。
【図11】図1に示す第2歯車減速機37bの構成を簡
略化して示す断面図である。
【符号の説明】
1 回転駆動装置 2 ハウジング 3 第1テーブル 4 第2テーブル 5 差動歯車装置 7 ロック手段 8 入力軸 9 第1出力軸 10 第2出力軸 28 第1保持体 29 第2保持体 36 差動歯車手段 38 回転支持体 39 差動歯車群 40 第1サイクロ減速機 41 第2サイクロ減速機 58 ロック部材 59 第1ロック片 60 第2ロック片 61 ロック部材駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−103449(JP,A) 特開 昭49−61552(JP,A) 特開 平10−151540(JP,A) 特開 平5−256340(JP,A) 特開 平7−100725(JP,A) 特開 平1−135449(JP,A) 特開 昭61−90840(JP,A) 実開 昭60−78233(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 1/00 - 1/48 F16H 48/00 - 48/30 F16H 37/00 - 37/16 B23Q 39/00 - 39/04 B23Q 1/00 - 1/76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に間隔をあけて配置された第1およ
    び第2被駆動物と、 予め定める軸線まわりに回転駆動される入力軸と、第1
    および第2被駆動物の間に配置され、これらの配列方向
    に沿って延びる共通軸線を有し、第1および第2被駆動
    物にそれぞれ連結される第1および第2出力軸とを備
    え、入力軸の回転速度に対応する値NOが第1および第
    2出力軸の回転速度N1、N2の和になるように入力軸
    の回転動力を第1および第2出力軸に伝達する差動歯車
    装置と、 前記入力軸を回転駆動する駆動手段と、 前記配列方向に沿って変位可能で、かつ前記共通軸線か
    らずれた位置に配置されるロック部材と、 第1および第2被駆動物にそれぞれ設けられ、ロック部
    材の端部に係合して第1および第2被駆動物の前記軸線
    まわりの回転を阻止するロック片と、 ロック部材をその軸線方向に駆動し、ロック部材と第1
    ロック片とがロック状態であり、かつロック部材と第2
    ロック片とのロック状態が解除される第1位置と、ロッ
    ク部材と第2ロック片とがロック状態であり、かつロッ
    ク部材と第1ロック片とのロック状態が解除される第2
    位置との間を往復変位させるロック部材駆動手段とを含
    むことを特徴とする回転駆動装置。
  2. 【請求項2】 差動歯車装置は、 入力軸を有する差動歯車手段と、 第1および第2出力軸を有し、差動歯車手段の出力が与
    えられ、第1および第2被駆動物をそれぞれ駆動する第
    1および第2歯車減速機とを含むことを特徴とする請求
    項1記載の回転駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記差動歯車手段の入力軸は、前記共通
    軸線と同一の軸線を有し、第1および第2出力軸の半径
    方向外方に間隔をあけて設けられる筒部を備え、 前記差動歯車手段はさらに、 前記共通軸線に平行な同一の軸線を有し、相互に隣接し
    て、かつ筒部にその軸線を中心として回転自在に設けら
    れる第1および第2歯車と、 前記共通軸線に平行な同一の軸線を有し、第1および第
    2歯車に対して筒部の周方向の異なる位置に相互に隣接
    して、かつ筒部にその軸線を中心として回転自在に設け
    られる第3および第4歯車と、 第1および第2出力軸にそれぞれ装着され、前記共通軸
    線まわりに回転可能な第5および第6歯車とを含み、 第1、第2および第4歯車は、第3、第5および第6歯
    車とそれぞれ相互に噛み合っており、さらに第2および
    第4歯車は第5および第6歯車のまわりを回転可能であ
    ることを特徴とする請求項2記載の回転駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記歯車減速機は、サイクロ減速機であ
    ることを特徴とする請求項2または3記載の回転駆動装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の回転駆
    動装置と、 前記配列方向に垂直な方向に配置されるロボットと、 回転駆動装置およびロボットを収納する移動可能な作業
    セルとを備え、 前記第1および第2被駆動物は物体を着脱自在に取付け
    可能な第1および第2テーブルであって、 前記ロボットは、第1および第2テーブルのいずれか一
    方に取付けられている物体を加工し、作業者は第1およ
    び第2テーブルのいずれか他方で物体の着脱を行うこと
    を特徴とする作業装置。
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