JP3512567B2 - 耐候性表示組成物及びその使用方法 - Google Patents
耐候性表示組成物及びその使用方法Info
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Description
それを用いた使用方法に関し、特に、屋外暴露品につい
ての紫外線照射量に鋭敏に対応して、変色または退色す
る組成物であって、当該屋外暴露品を経時的な任意の時
間に、退色または変色させることができ、屋外暴露品の
耐候性に基づく耐久性等の判断が可能な耐候性表示組成
物に関する。
は、耐候性表示組成物の原材料としての意味と、当該耐
候性表示組成物から、フィルム状、棒状等の一定の形態
に加工された、いわゆる耐候性表示材料としての両方の
意味を含んでいる。
の判断とは、当該屋外暴露品が実際に紫外線劣化し、現
実の取り替え時期の判断が可能になること、及び、当該
屋外暴露品の劣化の程度を経時的な退色または変色にて
推定し、将来的な取り替え時期の判断が可能になること
をも意味している。
線、電線カバー、信号線カバー、交通標識、屋外装飾板
等の耐候性や機械的特性が改良され、長期間の使用が可
能となっているが、その耐久性の判断としては、一般に
屋外暴露状態で、4〜5年の使用が目標とされている。
すなわち、相当する紫外線量としては、JIS A14
15に準拠して、1500〜2500時間に該当するも
のである。
に、特公昭36−12787号公報に記載されているよ
うに、屋外暴露品の基本材料自身における耐候性の改良
や、特公昭36−15931号公報に記載されているよ
うに、基本材料に添加される酸化防止剤や紫外線防止剤
等の改良がなされ、飛躍的に屋外暴露品の耐候性が向上
してきたものである。
による劣化が最終的に生じることには変わりなく、すな
わち、屋外暴露品の取り替えの必要があり、依然とし
て、当該屋外暴露品の取り替え時期の判断が困難である
という問題が残っていた。
フラインに直結する屋外暴露品については、耐久性が向
上しているとしても、耐久期限前の厳格な保守、点検が
必要とされているのであり、また、当該電線や信号線等
は、一般的に、架空に施設されており、直接触わって検
査することが容易でないという特殊性も有しており、さ
らには、簡易な検査治具による検査も確立されておら
ず、その耐久性管理が、事実上、遠目からの目視によら
ざるを得ず、結果として、不正確、不十分になりやすい
という問題を生じていた。
蔽性、光学的特性に鑑み、プラスチック材料に顔料を添
加し、幅広く塗料や成型物等として使用されてきた。す
なわち、顔料の着色性を利用して、日用雑貨品や家電製
品等の商品価値の向上や装飾効果の付与が図られ、ま
た、顔料の隠蔽性を利用して、紫外線カット、内容物の
隠蔽、あるいはプラスチック耐候性の向上が図られ、さ
らには、顔料の光学的特性を利用して、農業用途の太陽
熱集熱フィルムや温度上昇を制御する熱反射フィルム等
が提供されてきたものである。
−31022号公報に示されるように、顔料が温度変化
に伴い、結晶水を放出したり、あるいは分解したりする
性質を利用して、示温材料等としても使用されてきたも
のである。
性を向上させて、優れた着色性や示温性を維持すること
にのみ注力されていたものであり、退色等の変化劣化を
制御するとともに、積極的に利用して、耐候性表示組成
物への応用については、何ら考慮されていなかったので
ある。
に、顔料の退色または変色の代替値としての、ハンター
の色差式による色差と、屋外暴露時間との間に比例関係
があり、図2に示すように、当該色差と、紫外線照射試
験の暴露時間との間にも同様の比例関係があり、さらに
図3に示すように、紫外線照射試験の暴露時間と耐候性
表示組成物の引張り強さ及び伸びの残率との間にも、逆
比例の関係があることを見いだし、それらを利用して本
発明を完成させたものである。
定のプラスチックと顔料を組み合わせることにより、長
期にわたる、屋外暴露品の紫外線照射量に鋭敏に対応
し、当該屋外暴露品を経時的な任意の時間に退色または
変色させることができ、屋外暴露品の耐候性に基づく耐
久性等の判断が可能な、耐候性表示組成物およびそれを
用いた使用方法を提供することを目的とする。
づく耐久性の判断を行うべく、特定のプラスチックと顔
料の組み合わせからなる耐候性表示組成物おいて、顔料
の種類(分散剤処理等の相違も含む)及びその添加量、
顔料の混合種類及びその添加量、特定のプラスチックの
種類、プラスチックに添加される酸化防止剤や紫外線吸
収剤の種類及びその添加量、さらには、当該耐候性表示
組成物をフィルム状に成型し、その場合の厚さ等を厳密
に制御して、耐候性表示組成物およびそれの使用方法並
びにそれを用いた耐候性表示材料を提供することを目的
とするものである。
する組成物において、耐候性に優れた透明プラスチック
中に、紫外線吸収量に応じて退色または変色する顔料を
添加したことを特徴とする耐候性表示組成物である。
に優れた透明プラスチック中に、紫外線吸収量に応じて
退色または変色する顔料を添加した耐候性表示組成物か
らなる表示物を、屋外暴露品に使用し、当該屋外暴露品
の耐候性に基づく耐久性を測定することを特徴する耐候
性表示組成物の使用方法である。以下、本発明を構成要
件等に分けて詳細に説明する。
線吸収量に応じて、退色または変色する機能を有するも
のと定義される。よって、本発明に用いられる顔料の種
類としては、上記退色または変色する機能を有すれば、
特に限定されるものではなく、天然顔料でも、合成顔料
でも、あるいは無機顔料でも、有機顔料でも、好適に使
用可能である。天然顔料は安価な点で、合成顔料は着色
性が均一な点で、無機顔料は、安価で、耐熱性に優れて
いる点で、有機顔料は少量の添加で着色力が高く、また
比重が小さく、分散性が良好な点で、さらには、比較的
耐候性に劣り、JISA 1415に準拠して、100
0〜10000時間において、顔料の退色または変色を
より容易に制御できる点で、それぞれ好適である。
系の樹脂に添加した場合、当該樹脂の熱劣化が促進され
たり、マイグレーションしやすいという問題が指摘され
ている。しかしながら、本発明においては、屋外暴露品
の劣化時期を考慮しつつ、JIS A1415に準拠し
て1000〜10000時間のおいては、ポリオレフィ
ン系の樹脂の種類、ポリオレフィン系の樹脂に添加され
る酸化防止剤等の種類及び添加量、あるいは有機顔料の
分散処理、添加量等の最適化により、当該問題を解決で
きることを見いだして、積極的に耐候性表示に顔料を利
用しているものである。
に劣り、JIS A1415に準拠して、1000〜1
0000時間において、顔料の退色または変色を容易に
制御できる、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系及びフ
タロシアニン系の有機顔料が好適である。
るものでなく、日本顔料技術協会の色分類によるところ
の、黄色顔料、橙色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔
料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、黒色顔料、白色顔
料、体質顔料等が好適に使用可能である。
しては、黄色顔料としての、クロム酸鉛(黄鉛10G、
5G、G、R)、ジスアゾエローAA、ジスアゾエロー
HR、イソインドリンエロー、縮合アロエロー、クロム
酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウム、
チタン黄、ニトロナ系黄色顔料としてのナフトールエロ
ーS、アゾ系黄色顔料としてのハンザエロー10G、ハ
ンザエローG、ハンザエロー3G、ピグメントエロー
L、パーマネントエロー、橙色顔料としてのパーマネン
トオレンジ、モリブデートオレンジ、ペリノンオレン
ジ、褐色顔料としてのパーマネントブラウンFG、赤色
顔料としての、四三酸化鉛、アゾ系赤色顔料としての、
レーキレッド、パーマネントレッド2B、ブリリアント
カーミン6B、ナフトールレッド、ピラゾロンレッド、
ファイヤーレッド、パーマネントレッド4R、ファスト
スカーレット、バルカンファストルビンB、アンソシン
B、パーマネントレッドF5R、ヘリオボルドーBL、
ボンマルーンライト、ローダミンレーキB、アリザリン
レーキ、チオインジゴットB、チオインジゴマルーン、
パーマネントレッドFGR、建染染料系赤色顔料として
のモノライトファストレッドYS、キナクリドン系赤色
顔料、紫色顔料のファストバイオレットB、青色顔料と
しての、フタロシアニン系青色顔料のフタロシアニンブ
ルー、建染染料系青色顔料としてのインダンスレンブル
ーRS、群青、緑色顔料としてのコバルトグリーン、ニ
トロソ系緑色顔料のピグメントグリーンB、フタロシア
ニン系緑色顔料のフタロシアニングリーン、蛍光顔料と
しての硫化亜鉛、珪酸亜鉛が、黒色顔料としての、カー
ボンブラックが、好適に退色または変色する機能を有
し、JIS A1415に準拠して、屋外暴露品の10
00〜10000時間の耐候性を表示可能な点で、本発
明に好適に使用可能である。
酸鉛(黄鉛10G、5G、G、R)、ジスアゾエローA
A、ジスアゾエローHR、イソインドリンエロー、モリ
ブデートオレンジ、ペリノンオレンジ、レーキレッド、
パーマネントレッド2B、ブリリアントカーミン6B、
ナフトールレッド、ピラゾロンレッド、ペリノンオレン
ジ、フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーン
は、比較的耐候性に乏しく、本発明においては、容易に
上述したJIS A1415に準拠して、1000〜1
0000時間の耐候性を表示可能な点で最適である。す
なわち、本発明においては、一般に耐候性が良いと言わ
れている顔料よりも、むしろ比較的耐候性に乏しい顔料
であって、退色、変色を起こしやすい顔料のほうが、耐
候性表示をより容易に制御できる点で好適である。
いて説明すると、特に限定されるものではないが、例え
ば、1.0〜7.0の範囲が好適である。比重が、1.
0未満となると、取り扱いが困難となり、舞い上がった
りあるいは添加の際の自動計量が困難となるおそれがあ
り、一方、比重が7.0を超えると、添加するプラスチ
ックとの比重差が大きくなり、沈降しやすくなり、顔料
の混合分散が不均一になるおそれが生じるためである。
よって、より好適には、1.1〜2.1の範囲であり、
当該範囲に入るためにも、一般に有機顔料の使用が好適
である。
いて説明する。すなわち、紫外線吸収量に応じて、退色
または変色する機能を発揮できる限り、特に限定される
ものでないが、例えば、耐候性に優れた透明プラスチッ
ク100重量部につき、顔料の添加量としては、0.0
01〜10重量部の範囲が好適である。
なると、プラスチックの着色性が低下し、結果としての
色差が小さくなり、耐候性に基づく屋外暴露品の耐久性
の判断が困難となるおそれが生じるためである。一方、
顔料の添加量が、10重量部を越えると、残存する顔料
の着色性との関係で、同様に顔料の色差が小さくなり、
耐候性に基づく屋外暴露品の耐久性の判断が困難となっ
たり、あるいは、耐候性に優れた透明プラスチックへの
分散が困難となったり、容易にマイグレーションしやす
くなるなどのおそれが生じたり、さらには、当該耐候性
に優れた透明プラスチックの酸化劣化を促進しやすくな
るなどの問題が生じるおそれがあるためである。
ンスがより良好な観点から、耐候性に優れた透明プラス
チック100重量部につき、0.01〜1.5重量部の
範囲がより好適であり、最適には、0.03〜0.7重
量部の範囲である。
用いた、耐候性表示組成物について説明する。すなわ
ち、上述した顔料を2種類以上用いることが好適であ
る。
ることにより、耐候性表示組成物全体として、きめ細か
な色差制御をすることが可能である。
比較的耐候性の劣る赤色といった顔料を使用することに
より、先に赤色顔料が退色等したとしても、残った黄色
顔料の発色により、目視にて、耐候性表示組成物の色変
化を、色差以上に、より鮮明に認識することが可能なた
めである。
づく紫外線照射試験において、単独顔料で測定して、1
500時間未満で、色差が10.0以上となる顔料(実
施例2に基づく、耐候性表示組成物としての紫外線照射
実験基準、添加量0.1重量部、フィルム厚さ2.0m
m)と、同様に、JIS A1415に基づく紫外線照
射試験において、1500時間以上、より好適には25
00時間以上、最適には3000時間以上で色差が1
0.0以下である顔料とを混合使用することが、好適で
ある。また、3種類、4種類と、それぞれ耐候性が異な
る顔料を混合使用することにより、多段階の色変化を与
えることができる点で好適である。
は、混合比率としては、耐候性表示組成物の色差変化を
もとに決定することが好適であるが、より具体的には、
最も耐候性の劣る顔料を基準として、当該基準顔料10
0重量部に対して、その他の顔料を、10〜150重量
部の範囲で混合使用することが好適である。その他の顔
料を、10重量部未満では、混合添加する効果に乏し
く、一方、150重量部を超えると、耐候性表示組成物
の色差の制御が困難となるおそれが生じるためである。
よって、当該バランスがより良好な観点から、基準顔料
100重量部に対して、その他の顔料を、30〜70重
量部の範囲である。
について説明する。すなわち、均一にプラスチック中に
分散混合されるものであれば、特に限定されるものでは
ないが、例えば、二本ロール、三本ロール、高専断ミキ
サー、バンバリーミキサー、ニーダー、ボールミル、ジ
ェットミル、マイクロフルイダイザー等が好適に使用可
能である。
つ短時間で混合分散させるため、耐候性に優れた透明プ
ラスチックを、加熱及び/又は当該プラスチックの溶剤
を用いて、軟化あるいは液化させておくことも好適であ
る。
を加熱して、軟化あるいは液化させる場合には、当該プ
ラスチックの分解に注意しつつ行うことが好適であり、
具体的には、当該プラスチックの軟化点あるいは融点よ
り、0〜100℃高い、より好適には、10〜70℃高
い、最適には、20〜60℃高い温度で行うことが好適
である。従って、耐候性に優れた透明プラスチックとし
て、ポリエチレンを用いた場合には、ロールを50〜1
50℃、より好適には、60〜120℃、最適には、7
0〜110℃の温度範囲に加熱しておくことが好適であ
る。
溶剤を用いて、軟化あるいは液化させる場合には、顔料
の溶解性にも注意する必要があり、すなわち、顔料は溶
解せず、当該プラスチックのみ溶解させる溶媒を用いる
ことが最適である。
軟化あるいは液化させた場合の粘度としては、顔料の当
該プラスチックへの混練の容易さ及び分散性の良好さの
観点から、1000〜1,000,000cps(25
℃)、より好適には、5000〜500,000cps
(25℃)の範囲が適当である。
料自身の取り扱い性を向上させ、プラスチック内への顔
料分散の均一化、短縮化を図り、また、耐候性の制御を
より容易化させ、さらには、顔料のマイグレーション防
止のため、顔料とワックス、アマイド系樹脂あるいは可
塑剤、界面活性剤等とを予備混合し、さらに粉状化、フ
レーク状化、すなわちいわゆる分散化処理を施しておく
ことが好適である。
がりやすく、混合の際等にその取り扱いが困難であり、
顔料をワックス等で包囲することにより、かかる問題を
解決し、また、同様に顔料をワックス等で均一に包囲す
ることにより、顔料のプラスチック中への分散性、特に
低温での分散性を向上させ、あるいは顔料周囲のワック
ス層等により、さらに耐候性が向上させ、結果として、
顔料の耐候性の制御が容易になるためであり、さらに
は、一般に顔料は、プラスチックに添加した場合に、マ
イグレーションして外部に滲みだしたりあるいは色むら
を生じさせたりするおそれがあるが、ワックス等で均一
に包囲することにより、顔料の移動度を制御して、かか
るマイグレーションを有効に防止できるためである。
定されるものではないが、例えば低分子量の石油系樹脂
が好適であり、より具体的には、パラフィン系ワック
ス、あるいは芳香族系ワックス等が好適である。特に、
パラフィン系ワックスとして、炭素数20〜30の直鎖
状パラフィン系ワックスを主成分としたものは、耐候性
に優れた透明プラスチックとしてのポリエチレンやポリ
プロピレン等との相溶性が良好であり、またより優れた
顔料のマイグレーション防止効果が得られる点で本発明
に、最適である。
剤等の種類も特に限定されるものではないが、例えば、
脂肪酸アミド化合物、DOP、DBP、DAP、カップ
リング剤、植物油、高分子界面活性剤等が該当するもの
である。
に限定されるものではないが、顔料100重量部に対し
て、ワックスが10〜400重量部の範囲が好適であ
る。ワックスの混合比率が、10重量部未満となると、
ワックスの混合効果が乏しくなるおそれがあり、一方、
ワックスの混合比率が、400重量部を超えると、ワッ
クス自身の滲みだしや、できた耐候性表示組成物の耐熱
性や機械的特性が低下するおそれが生じるためである。
ら、ワックスの混合比率としては、顔料100重量部に
対して、30〜300重量部、最適には、50〜200
重量部の範囲である。
明に用いられるプラスチックは、例えば、屋外暴露品の
基本材料あるいは耐候性表示のインジケーター材料とし
て使用されるため、耐候性に優れていなければならな
い。また、当該プラスチックの耐候性が優れていること
により、顔料の耐候性の悪さを保障して、本発明の所望
する耐候性表示の制御が達成されるためである。
関して、より具体的には、JISA1415に準拠した
紫外線照射試験において、少なくとも1000時間以
上、より好適には、1000〜10000時間の間に優
れた耐候性を示すものが好適である。
が、JIS A1415基準で、1000時間未満とな
ると、耐候性表示組成物の価値が低下するおそれが生じ
たり、また、当該プラスチックが、顔料の退色前に、紫
外線等により劣化してしまうと、プラスチックにクラッ
クが発生したり、あるいは直接顔料に紫外線が照射され
ることになり、結果として顔料の劣化挙動が大きく異な
り、耐候性の指示材料としての機能が低下するおそれが
生じるためである。
好適には、JIS A1415基準で、1000〜10
000時間とするのは、10000時間を超えて優れた
耐候性を得るためには、過剰に酸化防止剤等の添加が必
要となったり、あるいは高価な樹脂の使用が必然的とさ
れるおそれが生じるためである。
具体的判断としては、クラックの発生や透明プラスチッ
クの変色が無いか、あるいはほとんど無いことを意味し
ており、さらに、透明プラスチックの変色については、
JIS A1415に基づく紫外線照射試験において、
1000〜10000時間の間に、ハンターの色差式に
よる色差が、10.0未満、より好適には、5.0未
満、最適には、3.0未満であることが判断基準とな
る。当該、色差の範囲内であれば、耐候性表示組成物に
おける、外部からの色変化の識別の阻害とならないため
である。
は、透明性が要求されるが、これは顔料が退色または変
色して、外部から色変化を識別できるようにするためで
あり、さらには、紫外線を透過させ、顔料に均一に紫外
線を照射させるためである。
性の判断としては、可視光の透過が少しでもあれば良
く、当該色変化の識別性がより良好で、顔料の退色性等
の変化の制御がより容易な観点から、光透過率(厚さ2
mm基準)としては、30%以上、最適には、50%以
上の値である。
ラスチックの種類としては、具体的に、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合
体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリブテ
ン樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリ
メチルペンテン樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹
脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リカーボネート樹脂およびエポキシ系樹脂の少なくとも
一つから選択されたものである。
絶縁性、軽量性にも優れ、さらには安価である点で、ポ
リプロピレン樹脂は、より耐候性に優れ、また電気絶縁
性、軽量性に優れ、さらにはより耐熱性がある点で、エ
チレン−プロピレン共重合体樹脂は、ポリエチレン樹脂
とポリプロピレン樹脂の特徴を兼ね備えている点で、そ
れぞれ好適である。
レン系樹脂は、顔料により熱劣化が促進されたり、ある
いは顔料との相溶性に乏しく、顔料のマイグレーション
が起こりやすいと言われているが、顔料の種類を適当に
選択したり、あるいは顔料に上述した分散処理を施すこ
とにより、当該マイグレーションを有効に防止できる観
点から、本発明に好適に使用可能である。
については、軽量性、電気絶縁性及び耐候性により優れ
ている点で、本発明に好適である。
プラスチックに好適に添加される、酸化防止剤および紫
外線吸収剤について説明する。すなわち、本発明におい
て、当該プラスチックの耐候性を向上させるため、酸化
防止剤および/又は紫外線吸収剤を添加することが好適
であるが、酸化防止剤等の添加量としては、透明プラス
チック100重量部につき、0.01〜10重量部の範
囲が好適である。酸化防止剤等の添加量が、0.01重
量部未満では、添加効果に乏しいおそれがあり、一方、
当該添加量が、10重量部を超えると、分散混合が困難
となったり、あるいは透明プラスチックの機械的特性等
が低下するおそれが生じるためである。
劣化防止の観点と分散混合性等の観点から、当該バラン
スがより良好なことから、透明プラスチック100重量
部につき、酸化防止剤および/又は紫外線吸収剤を0.
05〜5重量部、最適には、0.1〜1重量部添加する
ことが好適である。
ぞれ単独で使用することも、あるいは、これらを混合使
用することも好適である。酸化防止剤と紫外線吸収剤を
単独で使用した場合には、混合分散等の手間が少なくて
済むという利点があり、混合使用した場合には、酸化防
止等につき、相乗効果が期待され、結果として、使用量
が少なくて済むという利点があるためである。
/又は紫外線吸収剤の添加方法についても、特に限定さ
れるものではないが、一般に、均一に添加することが好
ましいため、ロールやミキサーを用いて練り込んだり、
あるいは溶剤に溶解または分散させて添加することが好
適である。
好適に添加される、酸化防止剤および紫外線吸収剤の種
類について説明する。すなわち、酸化防止剤としては、
一般的に使用されるフェノール系、イオウ系、リン系、
アミン系酸化防止剤等が、少なくとも1種類使用可能で
あるが、より具体的には、ヒンダードフェノール系のテ
トラキス−[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブ
チル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ポリ[(6−モルフ
ォリ)−S−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘ
キサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ)]、イオウ系のテトラキス−[3
−(ドデシルチオ)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン、ジラウリルチオジプロピオナート、ジミスチルチオ
ジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナー
ト、リン系の亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニ
ルイソデシル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)等が
より酸化防止効果に優れており好適である。
−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリス
(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼンについては、酸化防止剤の中でも、比較的高分
子量であり、長期にわたって酸化防止効果が得られる点
で本発明に最適である。
エチレン樹脂を、耐候性に優れた透明プラスチックとし
て用いた場合には、カーボンブラックを、光透過率を5
0%以内に低下させない範囲で添加することが好適であ
る。なんとならば、ポリオレフィン系樹脂の耐候性を著
しく向上させることができるためである。また、当該カ
ーボンブラックの種類も特に限定されるものではない
が、より優れた耐候性を付与できる点で、平均粒径が2
5mμ以下のチャンネルブラックが最適である。
のサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、シアノアクリレート系、光安定剤等の紫外線吸収
剤が、少なくとも1種類使用可能であるが、より具体的
には、サリチル酸系のサリチル酸フェニル、ベンゾフェ
ノン系の2−ヒドロキシ−4−メチキシベンゾフェノ
ン、ベンゾトリアゾール系の2−(2´−ヒドロキシ−
5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、シアノアクリ
レート系のエチル−2−シアノ−3,3´−ジフェニル
アクリレート、光安定剤としての、HALSである、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、ポリ[(6−モルフォリ)−S−トリアジ
ン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ)]、ニッケルビス(オクチルフェニル)スルフィド
等が好適に使用可能である。
安定剤としてのHALSは、酸化防止効果に優れ、特
に、ポリ[(6−モルフォリ)−S−トリアジン−2,
4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]等の分
子量が高く、オリゴマーあるいはポリマータイプのHA
LSは、例えば、ポリエチレン樹脂に0.5重量%添加
するだけで、JIS A1415基準に基づく耐候性試
験において、5000時間以上も酸化劣化が観察され
ず、少量の添加で、長期間の耐候性が得られる点で本発
明に最適である。
紫外線吸収剤とHALSとを混合使用することが好適で
ある。なんとならば、紫外線吸収効果をより効果的に発
揮し、酸化防止等に相乗効果を持たせることが可能なた
めである。なお、HALS以外の紫外線吸収剤とHAL
Sの重量比としては、1:3〜5の範囲が好適である。
の低分子量のものと、分子量が1000を超える高分子
量のものとがあるが、どちらも本発明に好適に使用可能
である。低分子量のHALSは、紫外線吸収効果として
の初期効果を挙げる場合に好適であり、高分子量のHA
LSは、紫外線吸収の長期効果の継続性を得る場合、あ
るいはHALSの移動度を低下させ、ブリードを可及的
に防止したい場合に好適である。
チックに紫外線(波長300〜400nm)が当たる
と、そのエネルギーを無害な熱として放出し、その後元
の形に戻るという機構を有するものと定義され、一方、
HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)は、紫外線吸
収剤の一つであるが、特に紫外線によって、発生したラ
ジカルを、安定な形に変える機能を有するものと定義さ
れる。
/又は紫外線吸収剤は、前述した、顔料の分散処理剤と
してのワックス等に添加しておくことも好適である。ワ
ックス等自身の酸化防止等を有効に図るとともに、さら
に顔料の近傍に入手してきた紫外線量を緻密に制御し
て、結果として顔料の耐候性をより容易に制御できるた
めである。
プラスチックの架橋性について説明する。すなわち、プ
ラスチック材料中に、架橋剤を添加した後、加熱等する
ことにより、あるいは架橋剤を用いることなく、電子線
照射等により分子中に架橋構造を導入することが好適で
ある。なんとならば、透明プラスチックの分子中に架橋
構造を導入することにより、耐候性、耐熱性、機械的特
性等が飛躍的に向上するためである。
入するにあたり、顔料添加前に導入する場合には、均一
に架橋構造を導入しやすい点から好適であり、一方、顔
料添加後に架橋構造を導入する場合には、顔料の添加が
均一かつ容易にできる点で好適である。
子中の少なくとも一部に導入されておれば耐候性等の向
上に関して好適であり、例えば、プラスチックの表面の
みに、電子線等を照射し、部分的に架橋構造を導入する
ことも、耐候性が向上するとともに、製造が容易かつ迅
速に行える点から好適である。
て、上述した耐候性に優れた透明プラスチックは、1種
類に限られることなく、屋外暴露品の用途により、複数
混合添加したり、あるいは複数層を設けて、それぞれ別
な耐候性に優れた透明プラスチックとすることも好適で
ある。
み、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の極めて耐候性の高
い樹脂を用いることも、耐候性に優れた透明プラスチッ
ク全体として安価になる点で好適である。例えば、図6
または7において、外層にのみ、フッ素樹脂やシリコー
ン樹脂等を用い、その他の内層には、一般的な、ポリオ
レフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂
等を用いるものである。
層にポリ塩化ビニル樹脂を使用できることは、当該樹脂
が顔料との相溶性が良好で、また分散性やマイグレーシ
ョン特性に優れている点で、本発明に好適である。
示は、退色による色の変化が目視にて判別可能であれば
十分である。
退色または変色変化において、ハンターの色差式による
色差△Eが、10.0以上であることが好適である。な
んとならば、当該色差が、10.0未満では、外部から
の当該組成物の色変化の識別が困難となるおそれが生じ
るためである。
15.0以上、さらに好適には、20.0以上、最適に
は、30.0以上である。
下式にて定義されるものである。 △E=[(△L)2+(△a)2+(△b)2]1/2 (1) △E:ハンターの色差式による2つの物体の色差 △L:ハンターの色差式における2つの物体の明度指数
Lの差 △a,△b:ハンターの色差式における2つの物体の色
座標a、bの差
い、JIS Z8722に規定する三刺激値X、Y、Z
から次の式(2)及び(3)によって、計算される値で
ある。 L=10Y1/2 (2) a=17.5(1.02X−Y)/Y1/2 (3) b=7.0(Y−0.847Z)/Y1/2 (4)
る、顔料が紫外線照射量に対応して退色または変色して
耐候性を表示する、いわゆる耐候性表示時間について説
明する。
屋外暴露品の耐久性に応じて、JIS A1415に基
づく紫外線照射試験中、1000〜10000時間の間
に、退色または変色して、耐候性の表示をすることが好
適である。当該耐候性表示時間が、1000時間以上が
好適であるのは、屋外暴露品の耐久性と合致させるため
であり、一方、10000時間を超えると、耐候性表示
組成物の表示時間を制御することが困難となるおそれが
生じるためである。
組成物の表示時間の制御の容易性を考慮して、より好適
には、耐候性表示組成物が、1500〜7500時間、
更に好適には、2000〜5000時間の間に退色また
は変色することが好適である。
組成物を2つ以上用いることも好適である。なんとなら
ば、紫外線の照射量のバラツキや耐候性表示組成物の表
示性能のバラツキを考慮することができ、結果として、
より精度の高い耐候性表示組成物の表示からの判断が可
能となるためである。
上の耐候性表示組成物を用いることも好適である。屋外
暴露品の継時的な劣化が推定され、結果として、より精
度の高い耐候性表示組成物の表示からの判断が可能とな
るためである。
て)本発明の、耐候性表示組成物は、種々の形態で使用
可能であるが、例えば、外部からの当該組成物の色変化
の識別が容易な観点及び色差に対する厚さの影響を可及
的に小さくできる点で、図5に示すように、プレート状
に成型して用いることが好適である。
することにより、耐候性表示組成物の厚さ方向の紫外線
到達量の相違を減少させて、均一に紫外線を照射し、厚
さ方向に残留する顔料の影響を可及的に小さくすること
が可能となり、結果として、厚い当該組成物よりも、薄
いプレート状の耐候性表示組成物のほうが、単位時間当
たりの色差の変化が大きくなるものである。
は、逆に色差の制御が困難となったり、あるいは機械的
強度に欠けるおそれが生じるものである。
状に成型した場合の厚さとしては、10ミクロン〜10
mmが好適であり、より好適には、50ミクロン〜7m
m、最適には、100ミクロン〜5mmの範囲である。
く形態について、前述のとおり、複数層を設けて、図6
に示すように、屋外暴露部分には、顔料を添加しない、
耐候性に優れた透明プラスチックからなる層を設けるこ
と好適である。当該構成を採ることにより、一定添加量
の顔料入りの基準となる層を1つ作っておくだけで、屋
外暴露品の種類に応じて別々の耐候性表示組成物を作る
必要がなくなり、簡単、迅速に、耐候性表示を所望に制
御しうる耐候性表示組成物を提供することが可能となる
ためである。
金属、ガラス等の基材の上に、紫外線吸収量に応じて退
色または変色する顔料層を、1mm以下、より好適に
は、500ミクロン以下、さらに好適には、100ミク
ロン以下に塗布または積層しておき、その上から、当該
顔料層を覆うように、耐候性に優れた透明プラスチック
の層を設けることも、本発明の耐候性表示組成物に基づ
く形態として好適である。
密に制御することが可能となり、結果として、色差を厳
格に制御できるためである。また、さらに、当該構成で
あれば、ナイフコーター、ロールコーター等で容易かつ
大量に製作できるため、結果として安定した性能の耐候
性表示組成物が、安価に提供できるという利点が生じる
ためでもある。
において、上述した顔料、耐候性に優れた透明プラスチ
ック、酸化防止剤および紫外線吸収剤等が使用できるこ
とは言うまでもない。
可視光等の反射機能をもたせておくことも好適である。
例えば、ミラー等の反射層を設けた場合には、耐候性表
示組成物を透過した紫外線等が反射層により反射され、
再度耐候性表示組成物に導入させ、そして顔料が、紫外
線の入社方向と反対側からも有効かつ均一に紫外線を吸
収し、顔料がバラツキなく退色等することが可能となる
ためである。
具体的に説明する。
顔料のSPEC−048(住友カラー(株)製)を用
い、当該顔料と炭素数20〜30の直鎖状パラフィンワ
ックスとを、顔料含有率が40%となるようにプレ混合
した。それから、当該プレ混合された顔料を、二本ロー
ルを用い、目視にて均一になるまで、低密度ポリエチレ
ン(オリゴマータイプのHALS剤、0.5重量部、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、0.1重量部添加済
み)と、約15〜20分間混練して、本発明の耐候性表
示組成物とし、以下の試験に供した。
00重量部当たり、0.05重量部であり、また、二本
ロールの温度は、前ロールが、108℃で、後ロール
が、95℃であった。
を、正方形のプレート状に成型したのち(縦30mm、
横30mm、厚さ2.0mm)、JIS A−1415
号に準拠して、紫外線照射試験を行った。紫外線照射条
件は、以下のとおりであった。なお、上述したハンター
の式に基づいて得られた色差についての結果を表5及び
図2に示す。また、以下、各図表の色差のデータは、同
様に、ハンターの式に基づくものである。 試験機:スガ試験機株式会社製 サンシャインウェザオメーター WEL−SUN−HC 照射条件:ブラックパネル温度 63±3℃ スプレーサイクル 120分中18分
物を、JIS K−6301号に準拠して、ダンベル試
験片を作製し、引張強さ測定試験を行った。結果を図3
に示す。 試験機:島津製作所(株)製 オートグラフAG−500E 測定条件:引張速度 200mm/分 サンプル数を3として、3回の引張強度の平均値を算出
した。
を、JIS K−6301号に準拠して、ダンベル試験
片を作製し、伸び率測定試験を行った。結果を図3に示
す。 試験機:島津製作所(株)製 軟質資料用自動伸び計 測定条件:引張速度 200mm/分 サンプル数を3として、3回の引張強度の平均値を算出
した。
加量を、0.1、0.2、0.3、0.5重量部と変え
たほかは、実施例1と同一の条件で、本発明の耐候性表
示組成物を作製し、同様の紫外線照射試験に供した。得
られた色差の結果を、表1〜4に示す。
類を、ポリアゾ系赤色顔料のSPEC−110(住友カ
ラー(株)製)に変え、添加量を0.1、0.2、0.
3、0.5重量部と変えたほかは、実施例1と同一の条
件で、本発明の耐候性表示組成物を作製し、同様の紫外
線照射試験に供した。得られた色差の結果を、表1〜4
に示す。
の種類を、モノアゾ系赤色顔料のSPEC−056(住
友カラー(株)製)に変えたほかは、実施例2〜4と同
一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作製し、同様
の試験に供した。得られた色差の結果を、表1〜4に示
す。
の種類を、フタロシアニンモ系青色顔料のSPEC−5
16(住友カラー(株)製)に変えたほかは、実施例2
〜4と同一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作製
し、同様の試験に供した。得られた色差の結果を、表1
〜4に示す。
の種類を、クロム酸鉛系黄色顔料のPEC−393(住
友カラー(株)製)に変えたほかは、実施例2〜4と同
一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作製し、同様
の試験に供した。得られた色差の結果を、表1〜4に示
す。
の種類を、ジスアゾ系黄色顔料のSPEC−354(住
友カラー(株)製)に変えたほかは、実施例2〜4と同
一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作製し、同様
の試験に供した。得られた色差の結果を、表1〜4に示
す。
の種類を、フタロシアニン系緑色顔料のSPEC−40
4(住友カラー(株)製)に変えたほかは、実施例2〜
4と同一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作製
し、同様の試験に供した。得られた色差の結果を、表1
〜4に示す。
の種類を、酸化チタン系白色顔料のPEMN−750
(住友カラー(株)製)に変えたほかは、実施例1〜4
と同一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作製し、
同様の試験に供した。得られた色差の結果を、表1〜4
に示す。
を、モノアゾ系赤色顔料のSPEC−048(住友カラ
ー(株)製)とフタロシアニン系緑色顔料のSPEC−
404(住友カラー(株)製)の混合物に変えたほか
は、実施例1と同一の条件で、本発明の耐候性表示組成
物を作製し、同様の紫外線照射試験に供した。得られた
色差の結果を、結果を、表5に示す。なお、プレ混合さ
れた顔料の添加量は、モノアゾ系赤色顔料のSPEC−
048とフタロシアニン系緑色顔料のSPEC−404
につき、それぞれ、低密度ポリエチレン樹脂100重量
部当たり、0.05重量部であった。
を、モノアゾ系赤色顔料のSPEC−048(住友カラ
ー(株)製)とフタロシアニン系青色顔料のSPEC−
516(住友カラー(株)製)の混合物に変えたほか
は、実施例34と同一の条件で、本発明の耐候性表示組
成物を作製し、同様の試験に供した。得られた色差の結
果を、表5に示す。
を、モノアゾ系赤色顔料のSPEC−048(住友カラ
ー(株)製)とクロム酸鉛系黄色顔料のPEC−393
(住友カラー(株)製)の混合物に変えたほかは、実施
例34と同一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作
製し、同様の試験に供した。得られた色差の結果を、表
5に示す。
ゾ系赤色顔料のSPEC−048の添加量を、0.1、
0.15、0.2、0.3重量部に変えたほかは、実施
例36と同一の条件で、本発明の耐候性表示組成物を作
製し、同様の試験に供した。得られた色差の結果を、表
5に示す。
色顔料のSPEC−110(住友カラー(株)製)とフ
タロシアニン系緑色顔料のSPEC−404(住友カラ
ー(株)製)を用い、当該顔料と炭素数20〜30の直
鎖状パラフィンワックスとを、顔料含有率が40%とな
るようにプレ混合した。それから、当該プレ混合された
顔料を、低密度ポリエチレン(オリゴマータイプのHA
LS剤、0.5重量部、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤、0.1重量部添加済み)100重量部当たり、そ
れぞれ0.05重量部となるように、二本ロールを用
い、目視にて均一になるまで、約15〜20分間混練し
た。それから、まず、当該組成物を、プレート状(縦3
0mm、横30mm、厚さ2.0mm)に加工し、本発
明のプレート状の耐候性表示組成物とするとともに、さ
らに当該プレートを、圧力プレスを用いて、加熱、加圧
し約50〜200μmの薄膜プレート状の耐候性表示組
成物とした。そして、両方のプレート状の耐候性表示組
成物を、実施例1に記載した紫外線照射実験に供した。
得られた色差の結果を、図4に示す。
例1で使用した低密度ポリエチレンにオリゴマータイプ
のHALS剤0.5重量部、低分子量タイプのHALS
剤0.35重量部を、それぞれ添加した後、プレート状
に加工し(縦30mm、横30mm、厚さ2.0m
m)、実施例1に記載した紫外線照射実験に供した。得
られた色差の結果を、それぞれ、図8に示す。
な任意の時間に退色または変色させることができ、長期
にわたる屋外暴露品の紫外線照射量に鋭敏に対応し、当
該屋外暴露品の耐候性に基づく耐久性等の判断が可能
な、耐候性表示組成物およびそれを用いた使用方法を提
供することが可能となった。
わせからなる耐候性表示組成物において、顔料の種類
(分散剤処理等の相違も含む)及びその添加量、顔料の
混合種類及びその添加量、特定のプラスチックの種類、
プラスチックに添加される酸化防止剤や紫外線吸収剤の
種類及びその添加量、さらには、当該耐候性表示組成物
をフィルム状に成型し、その場合の厚さ等を厳密に制御
することにより、より正確な屋外暴露品の耐候性に基づ
く耐久性の判断を行うことができる耐候性表示組成物お
よびその使用方法を提供することが可能となった。
上使用することにより、精度の良い、屋外暴露品の耐候
性に基づく耐久性の判断を行うことが可能となった。
1)の色差と屋外暴露時間の関係を示す図である。
1)の色差とJIS A−1415号に準拠した紫外線
照射試験の暴露時間の関係を示す図である。
1)の引張強さ残率及び伸び残率とJIS A−141
5号に準拠した紫外線照射試験の暴露時間の関係を示す
図である。
を示す図である。
成物を示す概念図である。
するフィルム状の耐候性表示組成物を示す断面図であ
る。
耐候性に優れた樹脂層を有するフィルム状の耐候性表示
組成物を示す断面図である。
イプのHALS剤とを、それぞれ添加した低密度ポリエ
チレン樹脂における、色差とJIS A−1415号に
準拠した紫外線照射試験の暴露時間の関係を示す図であ
る。
Claims (14)
- 【請求項1】 耐候性を表示する組成物において、耐候
性に優れた透明プラスチック中に、紫外線吸収量に応じ
て退色または変色する顔料を添加したことを特徴とする
耐候性表示組成物。 - 【請求項2】 前記顔料が、有機顔料であることを特徴
とする請求項1に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項3】 前記顔料が、アゾ系顔料またはフタロシ
アニン系顔料であることを特徴とする請求項1または2
に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項4】 前記顔料が、耐候性が異なる二種類以上
の顔料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
1項に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項5】 前記顔料が、黄色顔料と赤色顔料である
ことを特徴とする請求項4に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項6】 前記顔料の少なくとも1つが、JIS A
1415に基づく紫外線照射試験において、1000〜
10000時間の間に、退色または変色することを特徴
とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐候性表示
組成物。 - 【請求項7】 前記耐候性に優れた透明プラスチック1
00重量部につき、前記顔料を、0.001〜10重量
部添加したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
項に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項8】 前記耐候性に優れた透明プラスチック
が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン
−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエステル系樹脂、アイ
オノマー樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、アクリル系樹
脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂およびエポキシ
系樹脂の少なくとも一つから選択されたことを特徴とす
る請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐候性表示組成
物。 - 【請求項9】 前記耐候性に優れた透明プラスチック
が、JIS A1415に基づく紫外線照射試験におい
て、1000〜10000時間の間に、ハンターの色差
式による色差が、5.0未満であることを特徴とする、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐候性表示組成
物。 - 【請求項10】 前記耐候性に優れた透明プラスチック
が、透明プラスチック100重量部につき、酸化防止剤
および/又は紫外線吸収剤を、0.01〜10重量部添
加したものであることを特徴とする請求項1〜9のいず
れか1項に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項11】 前記耐候性表示組成物における顔料の
退色または変色において、ハンターの色差式による色差
が、10.0以上であることを特徴とする、請求項1〜
10のいずれか1項に記載の耐候性表示組成物。 - 【請求項12】 耐候性を表示する積層体において、基
材上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記紫外
線吸収量に応じて退色または変色する顔料を積層し、さ
らに少なくとも当該顔料の表面を覆うように、請求項1
および請求項8〜10のいずれか1項に記載の前記耐候
性に優れた透明プラスチックを積層したことを特徴とす
る耐候性表示積層体。 - 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
の耐候性表示組成物を、屋外暴露品に使用し、当該屋外
暴露品の耐候性に基づく耐久性を測定することを特徴す
る、耐候性表示組成物の使用方法。 - 【請求項14】 前記耐候性表示組成物が、耐候性表示
時期が異なる、少なくとも2種類であることを特徴する
請求項13に記載の耐候性表示組成物の使用方法。
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