JP3511499B2 - レーザー処理方法 - Google Patents
レーザー処理方法Info
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Description
性に優れ、ばらつきが小さく、歩留りの高いレーアーア
ニール方法等のレーザー照射による加工方法に関する。
特に、本発明は、アモルファスもしくはそれに近い結晶
性の低い状態の半導体材料、金属材料,絶縁体材料や、
イオン照射、イオン注入、イオンドーピング等によって
ダメージを受け、結晶性が著しく損なわれた各種材料の
レーザーアニール方法、もしくは、レーザー照射に伴う
加熱によって、不純物元素のドーピングをおこなう方法
に関する。
して盛んに研究が進められている。その理由の1つは、
ガラス等の絶縁基板上に、あるいは半導体基板上に絶縁
被膜を形成した上に半導体素子を形成する必要が生じた
からである。これらの半導体素子の形成には、熱的な処
理が必要とされていた。例えば、アモルファス状態もし
くはそれと同等な結晶性の低い状態の半導体被膜を熱に
よって結晶化させることや、絶縁膜や半導体膜中の不対
電子(ダングリングボンド)等を減らすために熱処理を
おこなうことには、1000℃程度の熱処理が必要とさ
れた。
するのであれば、ガラス基板がそのような高温の熱処理
に耐える必要があり、また、半導体等の基板上にさらに
半導体素子を立体的に形成する場合にも、下層の素子が
低融点金属の配線を有していれば高温処理は不可能であ
った。
て、局所的に必要とする高温状態をつくり出し、基板や
他の配線にダメージを与えない処理方法(レーザーアニ
ールを含む)は究極の低温プロセスと注目されている。
特に、1μsec以下の短パルスのレーザー光の照射で
は、熱の伝導によって他の部分に影響が出ることがほと
んどないため理想的である。なかでも、エキシマーレー
ザーは、紫外光であるので多くの材料に効率よく吸収さ
れることと大きなエネルギーが得られることから最も実
用的であると考えられていた。
レーザー処理の条件は極めて難しいとされ、その結果、
レーザー処理技術は非常にばらつきが大きくて、充分な
信頼性が得られず、到底実用化には到らないとされてい
た。本発明の目的は、従来のレーザー処理方法を改善す
ることによって、安定して必要とする特性が得られるレ
ーザー処理技術を提供することである。
置の例は、図1に示すように、少なくとも2段のレーザ
ー装置、すなわち、発振器1と少なくとも1段の増幅器
2からなり、これらのレーザー装置は同期して駆動する
ようにトリガーパルス発振回路(もしくは、それと同等
な機能を有して、レーザー装置を制御する回路)3が設
けられている。そして、発振器1と増幅器2は、それぞ
れケーブル10、11によってトリガーパルス発振回路
3と接続されている。
ュランプ等の励起装置4、5が設けられており、トリガ
ーパルス回路からの信号によって、放電したり、発光し
たりし、レーザー媒体を励起するようになっている。こ
のような構成を有する装置において、発振器1のミラー
6は全反射ミラーであり、また、ミラー7はハーフミラ
ーである。この1対のミラーによって、レーザー媒体の
内部で発生したコヒーレント光の一部が共振し、増幅さ
れる。図においては、発振器のレーザー共振器は半共焦
点型が示されているが、それ以外にも、平行平板型であ
っても、共焦点型であっても、不安定形であってもよ
い。増幅器の共振器についても同様であるが、増幅器で
は帰還率を下げる必要がある。帰還率が大きければ、レ
ーザー媒体を励起することによって、自発的に発振して
しまうからである。
ミラーもしくは通常の透明な材料で、主として発振器か
ら導かれたレーザー光を透過する必要がある。増幅器2
では、発振器で発生したレーザー光が増幅される。
1と増幅器2とがほぼ同時に、すなわち、レーザーパル
ス幅(以下、特に断らない場合は、パルス幅は、パルス
の半値幅(FWHM)のことである。)の1/2以下の
同期ずれ(エキシマーレーザーでは典型的には10ns
ec以下)で励起された。このような同期方法では、得
られるレーザーパルスは単発のパルス高(最大パワー)
の大きなビームであった。すなわち、図2(D)に示す
ように、発振器で発生したレーザーパルスが増幅器でそ
のまま増幅された。最終的なパルス高は、発振器の出力
に増幅器の増幅利得を乗じて得られるものであった。
それらのレーザーパルスが照射された物体表面における
温度変化の概念図が示されているが、従来の同期方法に
よって得られるレーザーパルスは図中にて実曲線Aおよ
びCで示される。そして、その結果の温度変化は、それ
ぞれ、点曲線B、Dで示される。パルスAはパルスCよ
りもパルス高は高いが、パルス幅はほとんど同じ(t1
≒t3 )であった。
体表面を処理するには別の条件も考慮せねばならなかっ
た。例えば、アモルファスシリコンをレーザー照射によ
って結晶化させる場合には、レーザー照射による温度上
昇が不十分でも、また、過剰であっても充分な特性が得
られなかった。また、最適な温度の持続時間が短すぎて
もいけなかった。
高いので温度上昇が大きい。したがって、結晶化に最低
限必要な温度(点鎖線)の持続時間はt2 と、よりパル
ス高の低いパルスCよりも長い。しかしながら、その時
間の多くの部分で結晶化最適温度の上限を越えている。
このような条件では、加熱によって溶融状態となり、結
晶化は、溶融状態から結晶化最適温度に達するまでの短
い時間にしか起こらない。結局、実質的な結晶化のため
の時間はごく短い。
被照射面が溶融状態となることはないが、結晶化最適温
度帯にある時間t4 は短い。
の中にあるようにし、かつ、その間にある時間を長くす
るために、パルス幅を長くすることが有効である。アモ
ルスファス状態やそれに近い結晶性の低い状態のシリコ
ンの結晶化には、パルス幅は30nsec以上、可能で
あれば100nsec以上であることが望まれる。パル
ス高は、パワー密度を光学素子によって増減することに
よって調節することができる。しかし、パルス幅はレー
ザー固有のものであるのでこれを増減させることは難し
い。わずかに電極の構造を変える等の工夫によって放電
状態を変更することによってのみ可能である。
発振器と増幅器の同期をずらすことによって複数のパル
スの混合した状態をつくり出し、実質的にパルス幅が長
くなるようにする。同期のずれは、パルス幅の0.5〜
5倍が適当であった。
まず、図2(A)に示すように、発振器にのみトリガー
パルス(第1の信号)を印加する。この結果、発振器内
にレーザー光が発生し、それが増幅器の方へ進行する。
しかし、増幅器にはトリガーパルスが印加されていない
ので、増幅器のレーザー媒体は励起状態でなく、したが
って、増幅器に進入したレーザー光は増幅されることな
く、増幅器を透過する。特に、レーザー媒体として、希
ガスダイマーエキシマー、あるいは希ガスハライドエキ
シマーを用いた場合には、これらのエキシマーの基底状
態は存在しないので、発振器から侵入した光はほとんど
吸収を受けないで(減衰しないで)レーザー媒体の中を
進行するので都合がよい。出力は図3の実曲線Eのよう
に立ち上がり、aの点で極大となる。
レーザー光は減衰する。そして、この状態で増幅器へ進
入したレーザー光もやはり増幅器をそのまま透過する
(図2(B))。そして、図3の点曲線E上の点bで、
図2(C)に示すようにトリガーパルス(第2の信号)
を増幅器のみに印加すると、発振器に残っていた弱いレ
ーザー光は、増幅器で増幅されて、図3の点曲線E上の
点cで極大となる。図3に示されたように、点曲線Eの
2つのピークは、ほぼ同じ高さである。
の(即ち、2つのピークを有するパルス)となり、実質
的なレーザーパルス幅は図中にt5 に示される長いもの
となる。また、その結果、被照射面の温度も図3の点曲
線Fに示されるような挙動を示し、結晶化最適温度帯に
ある時間を長くすることができる。
は、レーザー発振器に設けられた第1のレーザー媒体の
励起手段に第1の信号を印加し、前記第1のレーザー媒
体が励起し、第1のレーザーパルスを形成し、レーザー
増幅器に設けられた第2のレーザー媒体の励起手段に前
記第1の信号と同期しない第2の信号を印加し、前記第
2のレーザー媒体が励起し、第2のレーザーパルスを形
成し、前記第1のレーザーパルスと前記第2のレーザー
パルスを合成して被照射体に照射するレーザー処理方法
であって、前記第1のレーザーパルスと前記第2のレー
ザーパルスを合成して、複数のピークを形成することを
特徴とするレーザー処理方法である。
度や発振器と増幅器の励起の強度によって比較的自由に
変更できる。図4にはその例を示す。図4(a)は、従
来におこなわれたように発振器と増幅器の同期をほぼ同
じとした場合であり、パルス高の高い単パルスである。
幅の時間が経過した後に増幅器を励起した場合は図4
(b)に示される。図4(b)には、2つのピークを有
したパルスが示されており、最初のピークの高さは、他
のピークの高さより低い。また、発振器を発振させてか
ら、レーザーパルス幅の約2倍の時間が経過した後に増
幅器を励起した場合は図4(c)に示される。図4
(c)には、2つのピークを有したパルスが示されてお
り、最初のピークの高さは、他のピークの高さより高
い。
を強くし、発振器を発振させてから、レーザーパルス幅
の約2倍の時間が経過した後に増幅器を励起した場合は
図4(d)に示される。このようなパルスでは、最初の
小さなパルスで、比較的エネルギーを必要としない処理
をおこない、次のの大きなパルスで大エネルギーを必要
とする処理をおこなう。例えば、水素を多量に含んだア
モルファスシリコン膜を結晶化させるには、最初から大
きなエネルギーのレーザーを照射すると、含まれている
水素が急激に膨張して、膜が破壊されるので、最初は弱
いエネルギーのレーザー照射によって水素を抜き、その
後、結晶化に充分なエネルギーのパルスを照射して結晶
化をおこなう必要がある。従来は、この工程を2段階の
パルス照射によっておこなっていたが、本発明では図4
(d)のようなパルスを作製して用いることによって、
1段階のレーザー照射で成し遂げることができる。
場合であるが、3段のレーザー装置を使用した場合には
図4(e)のようになる。図4(e)には、3つのピー
クを有したパルスが示されており、最初のピークの高さ
は、他のピークの高さより高い。より多段のレーザー装
置を接続することによって、より多数のピークを形成
し、実質的なパルス幅をさらに長くすることができる。
本発明のレーザー処理方法の第2の例は、図5に示され
るような複数のレーザー装置(発振器として機能する)
が並列に設置されたものを用い、これらのレーザー装置
の励起・発振の同期を調整することによって、レーザー
パルスの形状を図4の(a)〜(e)のように任意に変
更することによって、実質的なパルス幅を最適なものと
するものである。
52、53、54が並列に設けられ、これらの出力ビー
ムはミラー58、59、60等で1つに収束させられ
て、被照射面に照射される。各レーザー装置は、トリガ
ーパルス発振回路等の制御装置51とケーブル55、5
6、57によって接続され、その発振のタイミングが制
御される。
るので、レーザーパルスを複数の離散したものとするこ
とも可能である。その例を図6に示す。図6には、同じ
高さのピークが複数示されている。例えば、各パルスの
間隔は、図6のように一定の時間Δtで全て等しくして
もよいし、異なるようにしてもよい。図6において、実
曲線はパルスのエネルギーの変化を、点曲線は被照射面
の温度変化をそれぞれ示す。特に、被照射面を250℃
以上に保った状態で、Δt=50〜200nsecで、
レーザー照射をおこなうと、被照射面の温度は、極めて
長い間、500〜1000℃の間に保たれる。しかしな
がら、この方法では複数のレーザー光を1本に収束しな
ければならず、特に、高エネルギー光を使用するため、
ハーフミラー59等の設計が難しい。
は、量産性が優れたものが好ましく、例えば、Nd:Y
AGレーザー(1.06μm)、炭酸ガスレーザー(赤
外光)、エキシマーレーザー(紫外光)等がよい。これ
らのレーザーの選択にあたっては、被照射面の各レーザ
ー光に対する吸収係数等を考慮して選択すればよい。エ
キシマーレーザーとしては、Ar2 レーザー(126n
m)、Kr2 レーザー(146nm)、Xe2 レーザー
(172nm)、ArFレーザー(193nm)、Kr
Clレーザー(222nm)、KrFレーザー(248
nm)、XeClレーザー(308nm)、XeFレー
ザー(351nm)等が使用できる。
ス幅が小さいが、これはレーザー媒体であるエキシマー
の寿命が短いためである。すなわち、エキシマーから基
底状態への遷移は紫外光領域であるので、非常にエネル
ギーが高い。励起状態の寿命は他の条件が同じであれ
ば、遷移エネルギーの3乗に比例する。したがって、波
長の短いレーザーほどパルス幅が短くなる傾向がある。
しかし、このことは逆に、長波長のエキシマーレーザー
ではパルス幅が長くなるということでもある。例えば、
XeFレーザーでは、上記の理由からパルス幅が大きい
(40nsec程度)ので、本発明によって、実質的な
パルス幅をさらに増加させることが可能であり、より一
層、良好な効果を得ることができる。しかしながら、発
振波長が長くなるので使用条件は制約を受ける。
9ガラス)上に、スパッタ法によって厚さ100nmの
酸化珪素膜を形成し、さらに、ジシラン(Si2 H6 )
を原料として、減圧CVD法によってシリコン膜を、厚
さ50〜80nm堆積した。この成膜過程において、基
板温度は450℃とした。得られたシリコン膜は多数の
微結晶領域の存在する結晶性の低い膜であった。また、
水素濃度は0.5〜5%であった。
って、結晶性のよいシリコン膜とした。レーザーとして
は、KrFエキシマーレーザーを使用した。単独で使用
した場合のレーザーパルスの幅は17nsecであっ
た。このレーザー装置を2台連結して、発振器と増幅器
とした。そして、発振器を励起してから、15nsec
後に増幅器を励起した。発振器、増幅器とも印加電圧は
37kVと等しくした。得られたパルスの波形は図4
(C)に示されるものとほぼ同じでパルス幅は約35n
secであった。また、1パルスあたりのエネルギーは
1.1Jであった。このようにして出力されたレーザー
光をレンズ等で拡大して、エネルギー密度を250〜3
50mJ/cm2 、好ましくは280〜320mJ/c
m2 として、前記シリコン膜に5ショット照射したとこ
ろ、シリコン膜の結晶性が向上したことが認められた。
このようにして作製したシリコン膜を用いて、薄膜トラ
ンジスタを作製して、高い電界移動度(150cm2 /
Vs以上)が得られた。
板温度は室温としたが、特願平4−100479(平成
4年3月26日出願)に記述されているように、基板を
250〜500℃、好ましくは300〜400℃程度に
加熱しておくとより容易に効果を得ることができる。
59ガラス)上に、スパッタ法によって厚さ100nm
の酸化珪素膜を形成し、さらに、モノシラン(Si
H4 )を原料として、減圧CVD法によってシリコン膜
を、厚さ50〜80nm堆積した。この成膜過程におい
て、基板温度は250℃とした。得られたシリコン膜は
アモルファス状態の膜であった。また、水素濃度は10
〜30%であった。
って、結晶性のよいシリコン膜とした。レーザーとして
は、KrFエキシマーレーザーを使用した。単独で使用
した場合のレーザーパルスの幅は17nsecであっ
た。このレーザー装置を2台連結して、発振器と増幅器
とした。そして、発振器を励起してから、15nsec
後に増幅器を励起した。発振器、増幅器の印加電圧は、
それぞれ、30kV、38kVとし、発振器から発生す
る初期のパルスの出力を弱く、増幅器から発生するパル
ス出力が大きくなるようにした。得られたパルスの波形
は図4(D)に示されるものとほぼ同じで、最初のパル
スの高さは、2つ目のパルスの1/4〜1/2であっ
た。また、パルス幅は約40nsecであった。また、
1パルスあたりのエネルギーは650mJであった。こ
のようにして出力されたレーザー光をレンズ等で拡大し
て、エネルギー密度を250〜350mJ/cm2 、好
ましくは280〜320mJ/cm2 として、前記シリ
コン膜に5ショット照射したところ、シリコン膜の結晶
性が向上したことが認められた。
ーザー照射によって結晶化させる場合には、事前に40
0〜500℃の温度で2〜10時間保持するか、比較的
弱い出力(100〜200mJ/cm2 )のレーザー光
を照射して、膜中に含まれている水素を離脱させる工程
を経る必要がある。しかし、本実施例では、パルスが、
弱いパルスと強いパルスによって構成されているので、
最初の弱いパルスによって水素離脱をおこない、直後に
強いパルスによって結晶化させることができた。このよ
うにして作製したシリコン膜を用いて、薄膜トランジス
タを作製して、高い電界移動度(150cm2 /Vs以
上)が得られた。
59ガラス)上に、スパッタ法によって厚さ100nm
の酸化珪素膜を形成し、さらに、モノシラン(Si
H4 )を原料として、減圧CVD法によってシリコン膜
を、厚さ100〜150nm堆積した。この成膜過程に
おいて、基板温度は250℃とした。得られたシリコン
膜はアモルファス状態の膜であった。最後に、スパッタ
法によって、厚さ10〜50nmの酸化珪素膜を堆積し
た。そして、この被膜を600℃の還元雰囲気中に24
時間放置し、結晶化させた。さらに、イオンドーピング
法によって2×1015cm-2のドーズ量でリンもしくは
ホウソを注入した。この注入工程によって被膜の結晶性
は劣化した。
って、再結晶化させた。レーザーとしては、KrFエキ
シマーレーザーを使用した。単独で使用した場合のレー
ザーパルスの幅は17nsecであった。このレーザー
装置を2台連結して、発振器と増幅器とした。そして、
発振器を励起してから、15nsec後に増幅器を励起
した。発振器、増幅器の印加電圧は、いずれも、38k
Vとした。得られたパルスの波形は図4(C)に示され
るものとほぼ同じであった。また、パルス幅は約40n
secであった。また、1パルスあたりのエネルギー
は、1.1Jであった。このようにして出力されたレー
ザー光をレンズ等で拡大して、エネルギー密度を250
〜350mJ/cm2 、好ましくは280〜320mJ
/cm2 として、前記シリコン膜に5ショット照射した
ところ、シリコン膜の結晶性が向上したことが認められ
た。
抵抗を測定したところ、300Ω/□以下のシート抵抗
を示すものが全体の85%、350Ω/□以下のシート
抵抗を示すものが、全体の95%であった。また、全て
のものがシート抵抗1kΩ/□以下であった。このこと
から、本実施例で、シート抵抗に関する不良を著しく低
減できることが明らかになった。
率1〜3Ω・cm)上に、テトラ・エトキシ・シラン
(TEOS)と酸素ガスを原料として、プラズマCVD
法によって、厚さ100〜150nmの酸化珪素膜を堆
積した。この成膜工程において、基板温度は250℃と
した。得られた酸化珪素膜中には炭素が多量(0.1〜
1%)に含まれており、そのままではゲイト酸化膜とし
ては使用できないレベルのものであった。このような酸
化珪素膜は600℃以上の酸化雰囲気でアニールして炭
素を離脱させることによって、ゲイト酸化膜として使用
できる程度にまで界面準位密度を低減せしめることが可
能である。しかし、この方法では基板として、600℃
のアニールでもちぢみのないものが必要とされるが、多
く使用されている無アルカリガラスは使用に耐えない。
射する方法が提案されている(特願平4−252296
(平成4年8月27日出願))。しかし、従来の方式で
は、レーザーパルスの幅が短かったために、最適な条件
を再現性良く得ることが困難であった。そこで、本実施
例では、本発明によって実質的にパルス幅の拡がったレ
ーザー光を照射することによって、この困難を解決でき
ることを示す。
をおこなって、脱炭素をおこなった。レーザーとして
は、XeFエキシマーレーザーを使用した。単独で使用
した場合のレーザーパルスの幅は40nsecであっ
た。このレーザー装置を2台連結して、発振器と増幅器
とした。そして、発振器を励起してから、40nsec
後に増幅器を励起した。発振器、増幅器の印加電圧は、
いずれも、38kVとした。得られたパルスの波形は図
4(C)に示されるものとほぼ同じであった。また、パ
ルス幅は約80nsecであった。また、1パルスあた
りのエネルギーは1.1Jであった。このようにして出
力されたレーザー光をレンズ等で拡大して、エネルギー
密度を200〜300mJ/cm2 、好ましくは250
〜280mJ/cm2 として、前記酸化珪素膜に5ショ
ット照射した。
よってアルミニウム電極を蒸着し、酸化珪素膜のCV特
性を測定したところ、ヒステリシスのない良好なCV特
性が得られた。また、電極と基板に150℃で+17V
もしくは−17Vの直流電圧を2時間印加して、CV曲
線の変動を調べたところ、シフトは±0.5V以内であ
った。結果として、非常に特性の優れた酸化珪素膜を得
ることができた。
59ガラス)上に、スパッタ法によって厚さ100nm
の酸化珪素膜を形成し、さらに、モノシラン(Si
H4 )を原料として、減圧CVD法によってシリコン膜
を、厚さ100〜150nm堆積した。この成膜過程に
おいて、基板温度は250℃とした。得られたシリコン
膜はアモルファス状態の膜であった。最後に、スパッタ
法によって、厚さ10〜50nmの酸化珪素膜を堆積し
た。そして、この被膜を600℃の還元雰囲気中に24
時間放置し、結晶化させ、表面の酸化珪素膜を除去し
た。
年10月4日出願)に記述されるようにこの被膜にジボ
ランもしくはフォスフィン雰囲気で、本発明のレーザー
照射をおこなって、不純物ドーピングをおこなった。レ
ーザーとしては、KrFエキシマーレーザーを使用し
た。単独で使用した場合のレーザーパルスの幅は17n
secであった。このレーザー装置を3台、図5に示す
ように並列に配置して、それぞれのレーザーの発振の開
始を、例えば60nsecずらして発振させた。これら
のレーザーの印加電圧は、いずれも、38kVとした。
得られたパルスの波形は図6に示されるものとほぼ同じ
であった。このようにして出力されたレーザー光をレン
ズ等で拡大して、エネルギー密度を250〜350mJ
/cm2 、好ましくは280〜320mJ/cm2 とし
て、前記シリコン膜に5ショット照射したところ、シリ
コン膜にホウソもしくはリンが不純物として拡散された
ことが認められた。
抵抗を測定したところ、300Ω/□以下のシート抵抗
を示すものが全体の80%、350Ω/□以下のシート
抵抗を示すものが、全体の90%であった。また、全て
のものがシート抵抗2kΩ/□以下であった。このこと
から、本実施例で、シート抵抗に関する不良を著しく低
減できることが明らかになった。
によって、従来、レーザーアニール等のレーザー処理に
は、非常に使いにくかったパルスレーザー装置(特にエ
キシマーレーザー)を使いやすくすることができた。実
施例に示したように、本発明によって最適なレーザーア
ニール等のレーザー処理をおこない、よって、ばらつき
が少なく信頼性の高い半導体膜等を得ることができた。
ば、特願平3−80800(平成3年3月18日出
願)、特願平3−283981(平成3年10月4日出
願)、特願平3−290719(平成3年10月8日出
願)、特願平4−100479(平成4年3月26日出
願)、特願平4−164303(平成4年5月29日出
願)、特願平4−237763(平成4年8月12日出
願)、特願平4−252296(平成4年8月27日出
願)等の特許出願に記述された各種のレーザー照射技術
と組み合わせると相乗的に効果を得ることができる。こ
のように本発明は工業上、有益なものである。
動作例を示す。 (D) 従来のレーザー処理装置の動作例を示す。
たレーザーパルス(実曲線)および被照射面の温度変化
(点曲線)を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 レーザー発振器によって励起されたパル
ス幅tの第1のパルスレーザー光をレーザー増幅器に入
射し、 前記励起させてから前記パルス幅tの0.5〜5倍の時
間経過後に前記レーザー増幅器を励起し、前記第1のパ
ルスレーザー光を増幅して第2のパルスレーザー光に
し、 前記第2のパルスレーザー光を10〜30%の水素の濃
度を有するアモルファスシリコン膜に照射するレーザー
処理方法において、 前記第2の パルスレーザー光は、パルスのピークの高さ
が前記第1のパルスレーザー光と同じである第1のピー
クを有し、 前記第1のピークの高さは、他のピークの高さの1/4
から1/2であることを特徴とするレーザー処理方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記他のピークは、前記レーザー増幅器によって形成さ
れることを特徴とするレーザー処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000191938A JP3511499B2 (ja) | 1992-10-21 | 2000-06-26 | レーザー処理方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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