JP3510195B2 - 移動体制御装置および移動体制御方法 - Google Patents

移動体制御装置および移動体制御方法

Info

Publication number
JP3510195B2
JP3510195B2 JP2000275499A JP2000275499A JP3510195B2 JP 3510195 B2 JP3510195 B2 JP 3510195B2 JP 2000275499 A JP2000275499 A JP 2000275499A JP 2000275499 A JP2000275499 A JP 2000275499A JP 3510195 B2 JP3510195 B2 JP 3510195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
route
moving body
routes
information
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000275499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002091565A (ja
Inventor
洋一 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2000275499A priority Critical patent/JP3510195B2/ja
Publication of JP2002091565A publication Critical patent/JP2002091565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3510195B2 publication Critical patent/JP3510195B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、障害を自律的に回
避して移動する移動体の制御装置および制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、舵角計算法を用いた
制御装置があり、この舵角計算をする自律走行車両制御
装置が、特許第2549661号公報に示されている。
この自律走行車両制御装置は、第1の障害物に外接する
円形の第1の障害物領域と、第2の障害物に外接する円
形の第2の障害物領域とを設定するとともに、車両の想
定回転半径を決定して、この旋回による最外部および最
内部の軌道を演算し、最外部および最内部の少なくとも
いずれか一方の軌道が、前記第1または第2の障害部の
領域と交差接触する場合、前記想定回転半径を補正して
いる。
【0003】また他の従来の技術として、ファジー推論
による方法を用いる装置があり、このファジー推論する
自律移動機械が、特開平4−324505公報に示され
ている。この自律移動機械は、経路とのずれに基づいて
経路追従誘導方式に従う制御出力の中間値を求めるとと
もに、移動可能空間に基づいて障害物回避誘導方式に従
う制御出力の中間値を求め、経路とのずれおよび移動可
能な空間に基づいて経路追従誘導方式に対する第1の重
み付け係数および障害物回避誘導方式に対する第2の重
み付け係数を一群のファジールールを用いる推論によっ
て決定し、得られた各中間値ならびに第1および第2の
重み付け係数に基づいて制御出力値を計算している。
【0004】さらに他の従来の技術として、探索法を用
いる移動体の制御装置がある。この装置では、空間にメ
ッシュ状の経路を想定し、障害物を避けて通過可能な経
路1つずつ辿り、現在位置から設定ルートに復帰するま
での障害物回避経路を発見および生成している。
【0005】さらに他の従来の技術として、ポテンシャ
ル法を用いる移動体の制御装置がある。この装置では、
現在位置が高くかつ目的位置が低くなるポテンシャル場
であって、移動体の移動可能領域に比べて障害物占有領
域が高くなるように、障害物占有領域だけに、所定の高
さを加えたポテンシャル場を生成し、このポテンシャル
場において、現在位置から最大傾斜方向を辿ることによ
って、障害物回避経路を生成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特許第2549661
号公報に示される自律走行車両制御装置では、図12に
第1の障害物1を例に挙げて示すように、第1の障害物
1に対して、その外接円2を求め、この外接円2に最外
部の軌跡3および最内部の軌跡4が交差接触しない経路
5,6を求めるようにして、第1および第2の障害物に
対して経路を求めている。この装置では、図13(1)
のように、第1の障害物1および第2の障害物7が近接
して存在する場合、各障害物1,7の各外接円2,8が
交差して、各障害物1,7間を塞いでしまい、経路を導
き出すことができない。仮に、障害物1,7だけで経路
を計算するとしても、一回の操舵における舵角だけを計
算する上記技術では、図13(2)に示すように舵角を
変更すれば回避できる各障害物1,7であっても、その
各障害物1,7を回避できる経路9を算出することがで
きない。またこの技術では、設定ルートの追従と障害物
回避との両方を同時に考慮することができない。
【0007】また特開平4−324505公報に示され
る自律移動機械では、ファジー推論によって、経路追従
と障害物回避の各重み付け係数を求めており、障害物を
回避できることが幾何学的に保証されていない。さらに
上記ファジー推論をはじめとする各演算で用いるパラメ
ータは、試行錯誤を伴う調整によって決定しなければな
らず、多くの手間を要する。
【0008】さらに探索法を用いる制御装置では、経路
がメッシュ状となり、移動体がその重心を中心として旋
回するその場旋回、いわゆる超信地旋回と直線移動とを
組合わせて移動する移動体の制御には、適用できるけれ
ども、円弧旋回と直線移動とを組合わせて移動する移動
体の制御には、適用が極めて困難である。さらにメッシ
ュ状の経路から障害物を回避できる経路を1つずつ辿る
ので、計算量が極めて膨大となり、リアルタイムでの経
路導出処理が困難であり、主に停止状態での経路探索に
利用されているのが現状である。
【0009】さらにポテンシャル法を用いる制御装置で
は、極所解に陥り、障害物を回避して設定ルートに復帰
する経路を得られない場合がある。また生成経路は、滑
らかな曲線で表されるが、移動体の初期方位および移動
機構に基づく最小旋回半径が考慮できないので、円弧旋
回と直線移動とを組合わせて移動する移動体の制御に
は、適用が困難である。さらにポテンシャル場の生成の
計算および最大傾斜方向を辿る計算をしなければなら
ず、計算量が極めて膨大となり、リアルタイムでの経路
導出処理が困難であり、主に停止状態での経路探索に利
用されているのが現状である。
【0010】本発明の目的は、円弧旋回と直線移動とを
組合わせた移動形態の移動体の制御にも適用可能であ
り、複雑な経路が要求される障害配置であっても回避す
ることができ、かつ障害回避が幾何学的に保証される経
路をリアルタイムで求めることができる移動体制御装置
および方法を提供することである。
【0011】さらに本発明の目的は、障害を回避が可能
であり、かつ設定ルートの追従が可能な移動体制御装置
および方法を提供することである。
【0012】さらに本発明の目的は、手間を要する設定
が不要である移動体制御装置および方法を提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、移動体が移動
可能な複数の経路を有する経路パターンに関する情報を
記憶する記憶手段と、移動体の障害に関する情報を検出
する検出手段と、経路パターンに関する情報と、検出手
段による障害に関する情報とを対比して、障害を回避可
能な経路を抽出する経路決定処理手段とを含み、記憶手
段には、移動体が追従すべき設定ルートが記憶され、経
路決定処理手段は、障害に関する情報と経路パターンと
を対比して、障害を回避可能な全ての経路を抽出し、抽
出された経路のうち、設定ルートに最も追従する経路を
選定することを特徴とする移動体制御装置である。
【0014】本発明に従えば、記憶手段に記憶される経
路パターンの情報と検出手段による障害に関する情報と
を対比して、経路決定処理手段で障害を回避する経路が
抽出される。経路パターンは、移動体が移動可能な複数
の経路を有する構成であり、抽出される経路は、移動体
が移動可能な経路である。したがって移動体の移動形態
に応じて経路パターンを設定しておくことによって、そ
の移動体がその場旋回と直線移動とを組合わせた移動形
態または円弧旋回と直線移動とを組合わせた移動形態な
ど、様々な移動形態の場合であっても、障害回避が可能
な経路を求めることができる。また経路パターンとし
て、たとえば舵角の変更を要するS字状などの経路を有
する経路パターンを設定しておくことによって、障害回
避のために複雑な経路が要求される障害配置であっても
回避することができる経路を求めるとができる。さらに
経路パターンの情報と障害に関する情報とを対比して経
路を抽出するので、この抽出された経路は、障害回避が
幾何学的に保証される経路である。さらに検出した障害
に関する情報に基づいて、一から経路を生成するのでは
なく、経路パターンが有する複数の経路から抽出するだ
けであり、計算量は少なく、リアルタイムで経路の抽出
が可能である。また経路決定処理手段によって、経路パ
ターンの有する各経路のうち、障害を回避可能な全ての
経路が抽出され、抽出された各経路のうち、記憶手段に
記憶されている設定ルートに最も追従する経路が選定さ
れる。これによって障害の回避だけでなく、障害を回避
したうえで、設定ルートの追従を可能にする経路を選定
することができる。
【0015】また本発明は、前記経路パターンは、複数
段の分岐点で複数の経路に分岐する探索木で表されるこ
とを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、経路パターンが複数段の
分岐点で複数の経路に分岐する探索木で表されるので、
移動体が移動可能な領域に均一的に分散する経路を網羅
したうえで、経路抽出のための計算量を少なくすること
ができる。
【0017】また本発明は、記憶手段には、複数のセル
に分割され、各セルに経路パターンの各経路に関する情
報が記されるマップが記憶され、経路決定処理手段は、
障害に関する情報とマップとを対比させることによっ
て、障害を回避可能な経路を抽出することを特徴とす
る。
【0018】本発明に従えば、記憶手段に記憶されるマ
ップと障害に関する情報とが対比され、経路決定処理手
段で障害を回避可能な経路が抽出される。マップには、
各セルに経路パターンに関する情報が記されており、マ
ップと障害とを対比して、障害が存在するセルに記され
る情報が対応する経路を除外することによって、障害を
回避できない経路を除外することができ、障害を回避可
能な経路を容易に抽出することができる。したがってこ
のようなマップを用いずに、経路パターンの各経路が障
害を回避できるか否かを1つずつ判定する場合に比べ
て、経路抽出のための計算量を格段に少なくすることが
できる。
【0019】
【0020】
【0021】また本発明は、移動体の障害に関する情報
を検出する検出工程と、検出工程による障害に関する情
報と、予め設定され、移動体が移動可能な複数の経路を
有する経路パターンに関する情報とを対比して、障害を
回避可能な経路を抽出する経路決定処理工程とを含み、
移動体が追従すべき設定ルートを予め設定し、経路決定
処理工程で、障害に関する情報と経路パターンとを対比
して、障害を回避可能な全ての経路を抽出し、抽出され
た経路のうち、設定ルートに最も追従する経路を選定す
ることを特徴とする移動体制御方法である。
【0022】本発明に従えば、予め設定された経路パタ
ーンの情報と検出工程で検出された障害に関する情報と
を、経路決定処理工程で対比して、障害を回避する経路
が抽出される。経路パターンは、移動体が移動可能な複
数の経路を有する構成であり、抽出される経路は、移動
体が移動可能な経路である。したがって移動体の移動形
態に応じて経路パターンを予め設定しておくことによっ
て、その移動体がその場旋回と直線移動とを組合わせた
移動形態または円弧旋回と直線移動とを組合わせた移動
形態など、様々な移動形態の場合であっても、障害回避
が可能な経路を求めることができる。また経路パターン
として、たとえば舵角の変更を要するS字状などの経路
を有する経路パターンを設定しておくことによって、障
害回避のために複雑な経路が要求される障害配置であっ
ても回避することができる経路を求めることができる。
さらに経路パターンの情報と障害に関する情報とを対比
して経路を抽出するので、この抽出された経路は、障害
回避が幾何学的に保証される経路である。さらに検出し
た障害に関する情報に基づいて、一から経路を生成する
のではなく、経路パターンが有する複数の経路から抽出
するだけであり、計算量は少なく、リアルタイムで経路
の抽出が可能である。また移動体が追従すべき設定ルー
トが予め設定され、経路決定処理工程で、経路パターン
の有する各経路のうち、障害を回避可能な全ての経路が
抽出され、抽出された各経路のうち、設定ルートに最も
追従する経路が選定される。これによって障害の回避だ
けでなく、障害を回避したうえで、設定ルートの追従を
可能にする経路を設定することができる。
【0023】また本発明は、前記経路パターンは、複数
段の分岐点で複数の経路に分岐する探索木で表されるこ
とを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、経路パターンが複数段の
分岐点で複数の経路に分岐する探索木で表されるので、
移動体が移動可能な領域に均一的に分散する経路を網羅
したうえで、経路抽出のための計算量を少なくすること
ができる。
【0025】また本発明は、複数のセルに分割され、各
セルに経路パターンの各経路に関する情報が記されるマ
ップを予め設定し、経路決定処理工程で、障害に関する
情報とマップとを対比させることによって、障害を回避
可能な経路を抽出することを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、各セルに経路パターンに
関する情報が記されるマップが予め設定され、経路決定
処理工程では、マップと障害に関する情報とが対比さ
れ、障害を回避可能な経路が抽出される。このようにマ
ップと障害とを対比して、障害が存在するセルに記され
る情報が対応する経路を除外することによって、障害を
回避できない経路を除外することができ、障害を回避可
能な経路を容易に抽出することができる。したがってこ
のようなマップを用いずに、経路パターンの各経路が障
害を回避できるか否かを1つずつ判定する場合に比べ
て、経路抽出のための計算量を格段に少なくすることが
できる。
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
移動体制御装置10の概略的構成を示すブロック図であ
る。また図2は、移動体制御装置10が搭載される移動
体11を示す斜視図である。移動体制御装置(以下、単
に「制御装置」という場合がある)10は、たとえば地
表面に沿って2次元的に移動する移動体11に搭載さ
れ、この移動体11の移動を制御するための装置であ
る。移動体11は、障害を自律的に回避して移動する物
体、換言すれば自律移動体であればよく、本実施の形態
では、たとえば自律移動車両である。この制御装置10
は、基本的に、記憶手段12と、検出手段13と、処理
手段14とを含み、さらに入力手段15と、駆動制御手
段16とを含む。
【0030】図3は、記憶手段12の構成を示すブロッ
ク図である。記憶手段12は、経路パターン記憶領域2
0と、設定ルート記憶領域21と、マップ記憶領域22
と、経路データ記憶領域23とを有する。経路パターン
記憶領域20には、予め設定される経路パターンであっ
て、移動体11が移動可能な複数の経路を有する経路パ
ターン25が記憶されている。設定ルート記憶領域21
には、予め設定される設定ルートであって、移動体11
が追従すべきルートである設定ルート26が記憶されて
いる。マップ記憶領域22には、予め設定されるマップ
であって、複数のセルに分割され、各セルに経路パター
ン25の各経路に関する情報が記されるマップが記憶さ
れている。経路データ記憶領域23には、経路パターン
25に関する経路データが記される経路データ表28が
記憶されている。経路パターン25、設定ルート26、
マップ27および経路データ表28は、制御装置10の
製造時に設定されてもよく、制御装置の起動時に毎回計
算し設定するようにしてもよく、後に作業者が入力設定
するようにしてもよい。
【0031】再び図1および図2を参照して、検出手段
13は、移動体の障害に関する情報、したがって移動体
が移動可能な領域と、移動体が移動不可能な障害が存在
する領域とを判別するための情報を検出する。検出手段
13は、本実施の形態では、移動体11の上部に設けら
れるレーザ測距器で実現され、このレーザ測距器で移動
体11の前方を、移動体11の前後軸方向に垂直な横方
向に走査して走行面までの距離を計測する。この走査、
計測は、繰返し行われ、移動体11が前方に移動するこ
とによって、移動体11の前後軸方向の走査も達成す
る。本実施の形態では、このような走行面の形状を特定
するための走行面までの距離が、移動体の障害に関する
情報である。
【0032】処理手段14は、たとえばマイクロコンピ
ュータによって実現される。この処理手段14は、検出
手段13で検出された走行面までの距離が与えられ、こ
の検出手段13から走行面までの距離に基づいて、走行
面の高さ地図を作成し、さらにこの高さ地図に基づい
て、走行面の形状、たとえば走行面の傾斜角度、凹凸の
有無などを特定する。処理手段14は、さらにこの走行
面形状と、移動体の移動性能、たとえば走行可能な走行
面の傾斜角度、走行可能な走行面の凹凸の大きさなどと
を対比し、移動体11が移動不可能な障害、たとえば盛
土である障害物および凹所(穴)などの障害が存在し走
行不可能な領域を障害領域として抽出する。また処理手
段14は、経路決定処理手段としての機能も有してお
り、経路パターンに関する情報と検出手段13による障
害に関する情報とを対比して、具体的には経路パターン
25に関する情報と障害に関する情報から得られる障害
領域とを対比し、障害を回避可能な経路を抽出し、選定
する。
【0033】入力手段15は、入力操作キーを有するキ
ーボードおよび記録媒体に記録される情報を読取るため
のドライブ装置などによって実現され、作業者による入
力キー操作および別途設けられるパーソナルコンピュー
タなどで記録された記録媒体からの読取りによって、経
路パターン25、設定ルート26、マップ27および経
路データ28を入力し、設定することができる。これら
入力された経路パターン25、設定ルート26、マップ
27および経路データ28は、処理手段14に与えら
れ、処理手段14によって、記憶手段12に記憶され
る。
【0034】駆動制御手段16は、移動体11を移動さ
せるための駆動源、操舵のためのアクチュエータを含
む、駆動手段を制御し、移動体の移動、したがって移動
速度および舵角などを制御する。この駆動制御手段16
は、選定された経路に沿って移動するように処理手段1
4から指示が与えられ、駆動手段を制御して、前記移動
速度および舵角を制御して、移動体11を選定された経
路に沿って移動させる。
【0035】図4は、経路パターン25を示す図であ
る。理解を容易にするために、経路は、移動体11の重
心位置が通過する線として説明する。経路パターン25
は、移動体座標系において、移動体11の前方に想定し
て設定され、複数分岐かつ複数段、本実施の形態では3
分岐かつ3段の探索木で表される。具体的に述べると現
在位置に1段目の分岐点30が設けられ、この1段目の
分岐点30で、移動体11の前後軸に沿って前方に直進
する経路と、この直進する経路の両側に相互に離反する
ように、したがって左右に所定の旋回半径Rの円弧に沿
ってそれぞれ旋回する2つの経路とが設けられる。これ
ら1段目の分岐点30で分岐した経路に沿って分岐点3
0から所定の距離にある位置に2段目の分岐点31a,
31b,31cがそれぞれ設けられる。2段目の各分岐
点31a〜31cにおいて、1段目の分岐点30と同様
に分岐する経路がそれぞれ設けられ、これら2段目の分
岐点で分岐した経路に、2段目の分岐点と同様にして3
段目の分岐点が設けられる。さらに3段目の各分岐点に
おいて、1段目および2段目の各分岐点30,31a〜
31cと同様に分岐する経路であって、3段目の各分岐
点から経路に沿う距離が前記所定の距離の経路がそれぞ
れ設けられる。
【0036】このようにして、分岐数の段数乗、したが
って3段かつ3分岐である本実施の形態では33=27
本の経路を有する経路パターン25が設定される。この
経路パターン25の各経路は、各段の分岐点において、
左方に旋回する経路を「0」、直進する経路を「1」お
よび右方に旋回する経路を「2」とし、経路データ(1
段目における経路L1,2段目における経路L2,3段
目における経路L3)で表すことができる。たとえば一
例を挙げると、1段目の分岐点で左方に旋回し、2段目
の分岐点で直進し、3段目の分岐点で右方に旋回する経
路33は、経路データ(0,1,2)で表すことができ
る。以下同様に、特定の経路を示す場合、経路データ
(L1,L2,L3)を付して示す。前記旋回半径R
は、移動体11が旋回可能な最小可能旋回半径よりも大
きく選ばれる。
【0037】図5は、マップ27を示す図である。マッ
プ27は、移動体座標系において、移動体11の現在位
置から前方に広がるように想定して設定され、複数のセ
ル35に分割され、各セル35に経路パターン25の各
経路に関する情報が記される。マップ27は、本実施の
形態では、移動体の前後軸方向に短辺が配置される長方
形状であり、移動体の前後軸方向およびこれに垂直な横
方向に、各セル35が並ぶマトリックス状に分割され
る。各セル35は、たとえば前後軸方向に21領域形成
され、左右方向に、移動体11を中心にして左右均等
に、44領域(移動体の左側22領域および右側22領
域)形成される。
【0038】図6は、経路パターン25とマップ27と
を対比させて示す図であり、図7は、経路データ表28
の一部を示す図である。マップ27の各セル35には、
経路パターン25の各経路に関する情報として、図6に
示すように経路パターン25とマップ27とを対比させ
た場合に、そのセル35を通る経路が存在するか否かが
記されている。経路データ表28は、個別のデータ番号
Nが割り振られた複数のデータ記載領域37を有する。
データ番号Nは、たとえば最上段の左端の領域から右端
に、さらに右端に至ると、1つ下の段に移行して再び左
端から右端に、順に与えられている。各データ記載領域
37には、経路データ(L1,L2,L3)と、さらな
る参照先のデータ番号Nとが記されている。
【0039】具体例を挙げて説明すると、たとえばセル
35のうちの1つのセル35aは、経路パターン25の
いずれの経路も通らないので、このセル35aには、い
ずれの経路も通らず、経路データがないことを表す情
報、たとえば「−1」が記されている。このセル35a
と同様に、経路が通らないセル35は、全て、経路デー
タがないことを表す情報である「−1」が記されてい
る。
【0040】これに対して、たとえばセル35のうちの
もう1つのセル35bは、経路パターン25の1つの経
路(2,2,2)が通っている。このように経路パター
ン25のうちの1つの経路が通る場合、このセル35b
には、経路データ表28における参照先、したがって参
照すべきデータ記載領域37を示すデータ番号N、たと
えば「0」が記載されている。これに対応して、経路デ
ータ表28の各データ記載領域37の1つであるデータ
番号「0」のデータ記載領域37aには、セル35bを
通る経路を表す経路データ「(2,2,2)」と、さら
なる参照先のデータ番号「−1」が記されている。セル
35bには、1つの経路だけが通っており、経路データ
は1つであるので、さらなる参照先が存在せず、したが
って参照先がないことを示す「−1」が記されている。
【0041】またたとえばセル35のうちのさらにもう
1つのセル35cは、経路パターン25の3つの経路
(2,2,0),(2,2,1),(2,2,2)が通
っている。このように経路パターン25のうちの複数の
経路が通る場合、経路データ表28における参照先のデ
ータ番号N、たとえば「1」が記載されている。これに
対応して、経路データ表28の各データ記載領域37の
1つであるデータ番号「1」のデータ記載領域37bに
は、セル35cを通る経路のうちの1つ表す経路データ
「(2,2,0)」と、さらなる参照先のデータ番号
「2」が記されている。セル35cには、3つの経路が
通っており、経路データは3つ必要であるので、データ
記載領域37bには、この領域37bに記される経路デ
ータ以外の残りの経路データが記されるデータ記載領域
37のデータ番号「2」が記されている。したがって各
データ記載領域37の1つであるデータ番号「2」のデ
ータ記載領域37cには、セル35cを通る経路のうち
のデータ記載領域37bに記される経路データの経路以
外の残りの経路の1を表す経路データ「(2,2,
1)」と、さらなる参照先のデータ番号「3」が記され
ている。同様にして、各データ記載領域37の1つであ
るデータ番号「3」のデータ記載領域37dには、セル
35cを通る経路のうちの各データ記載領域37b、3
7cに記される経路データの経路以外の残りの経路を表
す経路データ「(2,2,2)」と、さらなる参照先の
データ番号「−1」(参照先なし)が記されている。こ
のようにして、1つのセル35を複数の経路が通る場
合、各経路データを複数のデータ記載領域37に記し、
これら各領域37を順次参照するようにして、1つのセ
ルに対して複数の経路を関連付けて記載することができ
る。
【0042】セル35に、このセルを通る経路が少なく
とも1つある場合には、その経路を表す経路データが記
されるデータ記載領域37のデータ番号を記し、各デー
タ記載領域37には、対応するセル35を通る経路の経
路データと、さらに参照しなければならないデータ記載
領域37のデータ番号Nとを記すことによって、各セル
35を通る経路を、マップ27と、経路データ表28と
で、記憶しておくことができる。
【0043】仮に経路データ表28を用いずに、マップ
27だけで、各セル35を通る経路を記憶しようとする
と、各セル35が、経路パターン25が有する全ての経
路の経路データを記載可能な記憶容量を有していなけれ
ばならず、セル35aのように、経路が通らず、経路デ
ータがない領域であっても、全ての経路の経路データを
記載可能な大きな記憶容量が必要であり、記憶容量が無
駄になる。これに対して、上述のようにマップ27と、
経路データ表28とを組合わせることによって、記憶容
量の無駄を無くすことができる。
【0044】また上記例では、3段目の分岐点までは、
同一の経路を通り、3段目の分岐点で分岐する全ての経
路を、個別に、データ記載領域37に記したけれども、
このように1つの分岐点に関して、この分岐点までは共
通で、この点で分岐する全ての経路が1つのセルを通る
場合には、その分岐点までの経路だけを特定して、経路
データを統合して記すようにしてもよい。たとえば前記
マップ35cを通る3つの経路は、3段目の分岐点まで
は、同一の経路を通り、かつ3段目の分岐点で分岐する
全ての経路が通るので、3段目の分岐点までの経路を特
定し、3段目の先は、全て経路を含むことを表す記号
「*」を用いて、「(2,2,*)」と表し、この経路
データを経路データ表28に記すようにしてもよい。こ
のように複数の経路を統合した経路データを用いて記す
ことによって、さらに容量を小さくすることができる。
【0045】図8は、設定ルート26を示す図である。
設定ルート26は、移動体の出発領域から目標領域まで
の間で、移動体が通過すべき領域を表す。この設定ルー
ト26は、曲線状帯領域および直線状帯領域を組合わせ
た連続した領域またはこの領域の幅方向の中心線で表さ
れる線ルートあってもよいし、相互に間隔をあけた複数
の領域または各領域の中心位置によって表される点列ル
ートであってもよい。本実施の形態では、たとえば図8
に示すように、設定ルート26は、出発領域40から目
標領域41までの間において通過すべき相互に間隔をあ
けた複数の領域42,43で表される点列ルートであ
る。
【0046】このような制御装置10では、処理手段1
4は、障害に関する情報から抽出した障害領域とマップ
27とを対比させることによって、障害に関する情報か
ら抽出した障害領域と経路パターン25との対比を実現
し、障害を回避可能な経路を抽出する。さらに処理手段
14は、抽出された経路のうち、設定ルート26に最も
追従する経路を選定する。
【0047】図9は、制御装置10にによって実行され
る本発明の移動体制御方法を示すフローチャートであ
る。図10は図9の移動体制御方法を説明するための図
であって、図10(1)は経路パターン25を示し、図
10(2)は障害領域45を示し、図10(3)は設定
ルート26の一部を示し、図10(4)は経路パターン
25と障害領域45の対比を示し、図10(5)は経路
パターン25と設定ルート26との対比を示す。また図
11は経路パターン25と障害領域45との対比手順を
説明するための図であって、図11(1)は障害領域4
5とマップ27との対比を示し、図11(2)は障害領
域45とマップ27と経路パターン25の対比を示す。
制御装置10で実行される移動体制御方法(以下単に
「制御方法」という場合がある)は、検出工程50と、
経路決定処理工程51とを有する。
【0048】上述するとともに図10(1)に示される
経路パターン25、上述するとともに図10(3)に一
部が示される設定ルート26、上述のマップ27および
上述の経路データ表28を、予め設定し、記憶手段12
に記憶する。このようないわば前処理が成された状態
で、ステップs0で制御が開始され、ステップs1の障
害抽出工程に進む。この障害抽出工程では、検出手段1
3によって移動体11の障害に関する情報、具体的には
上述のレーザ測距器から走行面までの距離を検出し、処
理手段14に与える。さらに処理手段14によって、レ
ーザ測距器から走行面までの距離に基づいて、上述のよ
うにして、移動体11が移動不可能な障害、たとえば盛
土である障害物および凹所(穴)などの障害が存在する
走行不可能な障害領域45を抽出する。このステップs
1の障害抽出工程を含んで検出工程50が構成される。
【0049】このステップs1における障害の抽出が終
了すると、ステップs2の障害の有無を判定する障害有
無判定工程に進む。ステップs2で、処理手段14が、
障害抽出工程で障害領域45が抽出されたか否かを判断
する。このステップs2で障害領域45が抽出されたと
判断されるとステップs3に進み、ステップs2で障害
領域45が抽出されなかったと判断されるとステップs
8に進む。
【0050】ステップs3の経路取得工程では、経路パ
ターン25を取得、具体的には、処理手段14が経路パ
ターン25に関する情報を記すマップ27を、記憶手段
12から読出して取得し、ステップs4に進む。ステッ
プs4の経路削除工程では、図10(4)に示すよう
に、経路パターン25と、処理手段14で抽出された障
害領域45とを対比し、障害領域45を通る経路を削除
する。
【0051】具体的には、処理手段14によって、図1
1(1)に示すようにマップ27と障害領域45とを対
比し、マップ27上に障害領域45を対応させた場合
に、障害領域45の少なくとも一部が存在するセル35
を抽出し、これら抽出された各セル35について、経路
データの有無を調べ、存在する経路データを経路データ
表28から得る。このようにして得られらた経路データ
で表される全ての経路が、図11(2)に示すように障
害領域45を通る経路となるので、これら経路を削除
し、このようにして残った経路を障害の回避が可能な経
路として、処理手段14で抽出する。図10(4)に
は、抽出経路を実線で、削除された経路を破線で示す。
【0052】このステップs4の経路削除工程が終了す
ると、ステップs5に進む。ステップs5のルート取得
工程では、図10(3)に示すような設定ルート26の
移動体の現在位置付近の一部を、処理手段14が記憶手
段12から読出して取得し、ステップs6に進む。
【0053】ステップs6の経路選定工程では、図10
(4)に示すように経路が削除された状態の経路パター
ンと設定ルート26とが対比され、抽出された障害回避
が可能な経路のうち、設定ルート26に最も追従する経
路、この例では図10(5)に示す経路(0,2,2)
が選定される。設定ルート26に最も追従する経路の選
定は、経路の最終到達位置が設定ルート26に近く、か
つ経路の最終到達位置における移動体の方位(前方が向
く方向)が、経路の最終到達位置に対して目標領域側に
ある設定ルート26の通過すべき領域、この例では領域
42に向かっている経路を選定する。この設定ルート2
6に追従する経路の選定は、所定の評価関数で、経路を
評価し、上述のような設定ルート26に近い経路を選定
する。図10(5)では、選定経路を実線で、非選定経
路を破線で示す。
【0054】このステップs6の経路選定工程が終了す
ると、ステップs7に進み、処理手段14が選定した経
路に沿って移動体を移動させるように駆動手段16に指
示を与えて、制御が終了する。またステップs8の経路
取得工程では、ステップs3と同様にして経路が取得さ
れ、ステップs5に進む。このようにステップs4の経
路削除工程を経ずに、ステップs6の経路選定工程に進
んだ場合、ステップs6では、経路パターン25の全て
の経路から最も設定ルート26に追従する経路が選定さ
れる。ステップs2〜s6,s8を含んで経路決定処理
工程が構成される。
【0055】このような一連の制御は、ステップs7で
制御が終了すると再びステップs0から再開されて繰り
返される。したがって制御装置10では、このような制
御方法の一連の工程をリアルタイムで繰り返し、障害を
回避し、かつ設定ルートに追従して移動することができ
る。上述の説明では、経路パターンの経路として、移動
体11の重心が通る軌跡を経路として説明したけれど
も、実際には移動体11の幅などが考慮され、移動体の
少なくとも一部が通る領域が経路として設定され、上述
の方法によって障害回避を達成する。
【0056】以上のように本実施の形態によれば、経路
パターン25と障害に関する情報に基づく障害領域とを
対比して、障害を回避する経路が抽出される。予め設定
される経路パターン25は、移動体11が移動可能な複
数の経路を有する構成であり、抽出される経路は、移動
体11が移動可能な経路である。したがって移動体11
の移動形態に応じて経路パターンを設定しておくことに
よって、その移動体11が上述した車両であり、円弧旋
回と直線移動とを組合わせた移動形態で移動する構成で
あっても、障害回避が可能な経路を求めることができ
る。また経路パターン25として、たとえば舵角の変更
を要するS字状などの経路を有する経路パターンを設定
しておくことができ、障害回避のために複雑な経路が要
求される障害配置であっても、たとえば図4に仮想線6
0〜62で示す障害領域が存在しても、障害を回避する
ことができる経路を求めることができる。さらに経路パ
ターン25と障害に関する情報に基づく障害領域とを対
比して経路を抽出するので、この抽出された経路は、障
害回避が幾何学的に保証される経路である。さらに検出
した障害に関する情報に基づいて、一から経路を生成す
るのではなく、経路パターンが有する複数の経路から抽
出し、選定するだけであり、計算量は少なく、リアルタ
イムで経路の抽出および選定が可能である。したがって
上述のように一連の工程をリアルタイムで繰り返して、
経路の抽出および選定のためだけに移動体を停止させる
ことなく、障害を回避し、かつ設定ルートに追従して移
動することができる。
【0057】また経路パターン25が複数段の分岐点で
複数の経路に分岐する探索木で表されるので、移動体1
1が移動可能な領域に均一的に分散する経路を網羅し
て、障害の回避を容易にすることができる。そのうえ、
経路抽出のための計算量を少なくすることができる。
【0058】さらに障害と経路パターンとを直接対比す
るのではなく、マップ27と障害に関する情報に基づく
障害領域とが対比される。マップ27には、各セル35
に経路パターンに関する情報が記されており、マップ2
7と障害領域とを対比して、障害領域に相当するセルを
通る経路を除外することによって、障害を回避できない
経路を除外することができ、障害を回避可能な経路を容
易に抽出することができる。詳しく述べると、一般的な
方法では、各経路と障害領域との衝突、換言すれば各経
路が障害領域を通るか否かの判断は、三角関数を利用す
る幾何計算、したがって浮動小数点計算が必要であり、
1つの経路あたりでも多くの計算が必要となる。さらに
上述では、理解を容易にするために3段3分岐の経路パ
ターンを例に挙げたが、高い障害回避性能を実現するた
めには、できるだけ詳細な、つまり分岐数および段数が
多い経路パターンを設定する必要があるが、経路数は、
分岐数の段数乗で決定されるので、詳細な経路パターン
を想定すると、経路が爆発的に多くなる。たとえば5分
岐3段の経路パターンでは、53=125本の経路を有
し、5分岐4段の経路パターンでは54=626本の経
路を有し、7分岐4段の経路パターンでは74=240
1の経路を有する。したがって高い障害回避性能を望む
と計算量が多くなり、リアルタイム処理が困難になるけ
れども、マップ27を用いて障害回避が可能な経路を抽
出することによって、計算量を格段に少なくし、高い障
害回避性能を実現し、かつリアルタイムの処理を可能に
することができる。このマップ27を用いる計算法は、
経路の増加の影響を比較的受けないので、詳細な経路パ
ターンに対して、リアルタイムの抽出を可能にする。し
たがってリアルタイムでの経路の抽出および選定をより
確実にすることができる。
【0059】しかもマップだけでなく、経路データ表2
8を用いることによって、全体としての記憶容量を小さ
くすることが可能となる。さらに経路データ表に複数の
経路を統合したデータを記すことによって、さらに記憶
容量を小さくできるうえ、上記の経路抽出における計算
量を少なくし、さらに迅速な経路抽出を実現することが
できる。したがってリアルタイムでの経路の抽出および
選定をより確実にすることができる。
【0060】さらに経路パターン25の有する各経路の
うち、障害を回避可能な全ての経路が抽出され、抽出さ
れた各経路のうち、設定ルートに最も追従する経路が選
定される。これによって障害の回避だけでなく、障害を
回避したうえで、設定ルートの追従を可能にする経路を
選定することができる。したがって障害を回避して、最
終的な目標到着位置である設定ルートの目標領域に移動
させることができる。
【0061】上述の実施の形態は、本発明の実施の形態
の例示に過ぎず、構成を変更することができる。たとえ
ば経路パターンは、3分岐3段以外の複数分岐複数段の
探索木で表されてもよい。またマップ27は、マトリッ
クス状に分割される直交座標系のマップに代えて、極座
標系のマップを用いるようにしてもよい。また移動体
は、車両以外のたとえば建設機械および産業機械などの
機械であってもよいし、さらに自律移動ロボットなどの
ロボットであってもよいし、船舶であってもよい。さら
に2次元的な移動をする移動体だけでなく、航空機およ
び宇宙機などのように、3次元的な移動をする移動体で
あってもよい。また障害回避が可能な経路から設定ルー
トに追従する経路を選定するための評価方法は、移動体
の移動形態に応じて選ばれるものであって、上記の評価
方法以外の方法であってもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、移動体
の移動形態に拘わらず、具体的に述べるとたとえば、そ
の場旋回と直線移動を組合わせた移動形態だけでなく、
円弧旋回と直線移動とを組合わせた移動形態の移動体の
制御などにも適用可能であり、複雑な経路が要求される
障害配置であっても回避することができ、かつ障害回避
が幾何学的に保証される経路をリアルタイムで求めるこ
とができる。したがってこの抽出される経路を移動する
ように移動体を制御することによって、複雑な障害配置
であっても、その障害を回避して移動体を移動させるこ
とができる。また障害回避のための経路をリアルタイム
で抽出することができ、経路の抽出および選定のためだ
けに移動体を停止させる必要がない。また障害を回避可
能であり、かつ設定ルートに最も追従する経路が選定さ
れるので、障害の回避だけでなく、障害を回避したうえ
で、設定ルートの追従を可能にする経路を選定すること
ができる。したがって障害を回避して、最終的な目標到
着位置である設定ルートの目標領域に移動させることが
できる。
【0063】請求項2記載の本発明によれば、経路パタ
ーンが探索木で表されるので、移動体が移動可能な領域
に均一的に分散する経路を網羅し、障害の回避を容易に
することができる。このように経路を分散させたうえ
で、経路抽出のための計算量を少なくすることができ
る。
【0064】請求項3記載の本発明によれば、マップを
用いて経路抽出をするので、経路パターンの各経路が障
害を回避できるか否かを1つずつ判定する場合に比べ
て、経路抽出のための計算量を格段に少なくすることが
できる。したがってリアルタイムでの経路の抽出および
選定をより確実にすることができる。
【0065】
【0066】請求項4記載の本発明によれば、移動体の
移動形態に拘わらず、具体的に述べるとたとえば、その
場旋回と直線移動を組合わせた移動形態だけでなく、円
弧旋回と直線移動とを組合わせた移動形態の移動体の制
御などにも適用可能であり、複雑な経路が要求される障
害配置であっても回避することができ、かつ障害回避が
幾何学的に保証される経路をリアルタイムで求めること
ができる。したがってこの抽出される経路を移動するよ
うに移動体を制御することによって、複雑な障害配置で
あっても、その障害を回避して移動体を移動させること
ができる。また障害回避のための経路をリアルタイムで
抽出することができ、経路の抽出および選定のためだけ
に移動体を停止させる必要がない。また障害を回避可能
であり、かつ設定ルートに最も追従する経路が選定され
るので、障害の回避だけでなく、障害を回避したうえ
で、設定ルートの追従を可能にする経路を選定すること
ができる。したがって障害を回避して、最終的な目標到
着位置である設定ルートの目標領域に移動させることが
できる。
【0067】請求項5記載の本発明によれば、経路パタ
ーンが探索木で表されるので、移動体が移動可能な領域
に均一的に分散する経路を網羅し、障害の回避を容易に
することができる。このように経路を分散させたうえ
で、経路抽出のための計算量を少なくすることができ
る。
【0068】請求項6記載の本発明によれば、マップを
用いて経路抽出をするので、経路パターンの各経路が障
害を回避できるか否かを1つずつ判定する場合に比べ
て、経路抽出のための計算量を格段に少なくすることが
できる。したがってリアルタイムでの経路の抽出および
選定をより確実にすることができる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の移動体制御装置10の
概略的構成を示すブロック図である。
【図2】移動体11を示す斜視図である。
【図3】記憶手段12の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図4】経路パターン25を示す図である。
【図5】マップ27を示す図である。
【図6】経路パターン25とマップ27との対比を示す
図である。
【図7】経路データ表28の一部を示す図である。
【図8】設定ルート26を示す図である。
【図9】本発明の移動体制御方法を示すフローチャート
である。
【図10】図9の制御方法を説明するための図である。
【図11】経路パターン25と障害領域45との対比手
順を説明するための図である。
【図12】従来の技術の経路計算を説明するための図で
ある。
【図13】障害と経路の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 移動体制御装置 11 移動体 12 記憶手段 13 検出手段 14 処理手段 15 入力手段 16 駆動制御手段 25 経路パターン 26 設定ルート 27 マップ 28 経路データ表 35 セル 37 データ記載領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−200207(JP,A) 特開 平7−64634(JP,A) 特開 昭63−200208(JP,A) 特開 平4−64106(JP,A) 特開 平7−191723(JP,A) 特開 平11−259130(JP,A) 特開 平7−281748(JP,A) 特開 平9−319433(JP,A) 特開 平10−143243(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 1/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体が移動可能な複数の経路を有する
    経路パターンに関する情報を記憶する記憶手段と、 移動体の障害に関する情報を検出する検出手段と、 経路パターンに関する情報と、検出手段による障害に関
    する情報とを対比して、障害を回避可能な経路を抽出す
    る経路決定処理手段とを含み、 記憶手段には、移動体が追従すべき設定ルートが記憶さ
    れ、 経路決定処理手段は、障害に関する情報と経路パターン
    とを対比して、障害を回避可能な全ての経路を抽出し、
    抽出された経路のうち、設定ルートに最も追従する経路
    を選定することを特徴とする移動体制御装置。
  2. 【請求項2】 前記経路パターンは、複数段の分岐点で
    複数の経路に分岐する探索木で表されることを特徴とす
    る請求項1記載の移動体制御装置。
  3. 【請求項3】 記憶手段には、複数のセルに分割され、
    各セルに経路パターンの各経路に関する情報が記される
    マップが記憶され、 経路決定処理手段は、障害に関する情報とマップとを対
    比させることによって、障害を回避可能な経路を抽出す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の移動体制御
    装置。
  4. 【請求項4】 移動体の障害に関する情報を検出する検
    出工程と、 検出工程による障害に関する情報と、予め設定され、移
    動体が移動可能な複数の経路を有する経路パターンに関
    する情報とを対比して、障害を回避可能な経路を抽出す
    る経路決定処理工程とを含み、 移動体が追従すべき設定ルートを予め設定し、 経路決定処理工程で、障害に関する情報と経路パターン
    とを対比して、障害を回避可能な全ての経路を抽出し、
    抽出された経路のうち、設定ルートに最も追従する経路
    を選定することを特徴とする移動体制御方法。
  5. 【請求項5】 前記経路パターンは、複数段の分岐点で
    複数の経路に分岐する探索木で表されることを特徴とす
    る請求項4記載の移動体制御方法。
  6. 【請求項6】 複数のセルに分割され、各セルに経路パ
    ターンの各経路に関する情報が記されるマップを予め設
    定し、経路決定処理工程で、障害に関する情報とマップ
    とを対比させることによって、障害を回避可能な経路を
    抽出することを特徴とする請求項4または5記載の移動
    体制御方法。
JP2000275499A 2000-09-11 2000-09-11 移動体制御装置および移動体制御方法 Expired - Lifetime JP3510195B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000275499A JP3510195B2 (ja) 2000-09-11 2000-09-11 移動体制御装置および移動体制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000275499A JP3510195B2 (ja) 2000-09-11 2000-09-11 移動体制御装置および移動体制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002091565A JP2002091565A (ja) 2002-03-29
JP3510195B2 true JP3510195B2 (ja) 2004-03-22

Family

ID=18761111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000275499A Expired - Lifetime JP3510195B2 (ja) 2000-09-11 2000-09-11 移動体制御装置および移動体制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3510195B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4760732B2 (ja) * 2007-02-20 2011-08-31 トヨタ自動車株式会社 経路作成装置
JP2009025898A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Toyota Motor Corp 経路計画装置、経路計画方法及び移動体
JP5475629B2 (ja) * 2010-01-12 2014-04-16 本田技研工業株式会社 軌道計画方法、軌道計画システム及びロボット
JP5663942B2 (ja) * 2010-05-11 2015-02-04 トヨタ自動車株式会社 走行軌道作成装置
JP5687967B2 (ja) * 2011-07-19 2015-03-25 株式会社日立製作所 無人搬送車および走行制御方法
WO2013051083A1 (ja) * 2011-10-03 2013-04-11 トヨタ自動車株式会社 車両の運転支援システム
CN103842229A (zh) * 2011-10-03 2014-06-04 丰田自动车株式会社 车辆的驾驶辅助系统
JP6269534B2 (ja) * 2015-03-02 2018-01-31 トヨタ自動車株式会社 走行制御装置
JP7259172B2 (ja) * 2020-03-16 2023-04-18 三井E&S造船株式会社 航路生成装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63200207A (ja) * 1987-02-14 1988-08-18 Fujitsu Ltd 移動経路探索方法
JPS63200208A (ja) * 1987-02-14 1988-08-18 Fujitsu Ltd 移動経路探索方法
JP2792210B2 (ja) * 1990-07-03 1998-09-03 富士電機株式会社 無人搬送車の制御方法および制御装置
JP3150018B2 (ja) * 1993-08-27 2001-03-26 株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペース 無人移動探査機の経路決定方法
JPH07191723A (ja) * 1993-12-27 1995-07-28 Toyota Motor Corp 無人車用走行プログラム入力装置
JPH07281748A (ja) * 1994-04-15 1995-10-27 Nippondenso Co Ltd 自走体の運行方法、及び自走体の運行システム
JP3269418B2 (ja) * 1996-03-25 2002-03-25 株式会社デンソー 最適経路探索方法
JP3749323B2 (ja) * 1996-11-13 2006-02-22 富士通株式会社 移動装置
JPH11259130A (ja) * 1998-03-06 1999-09-24 Nissan Motor Co Ltd 無人搬送車の経路設定方法および無人搬送車の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002091565A (ja) 2002-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3842312B2 (ja) 自律移動装置の衝突回避方法
JP5402057B2 (ja) 移動ロボット制御システム、経路探索方法、経路探索プログラム
EP1844298B1 (en) Point-to-point path planning
Thompson The navigation system of the JPL robot
JP2769052B2 (ja) 自律移動機械、移動機械の制御装置及び方法
Foka et al. Probabilistic autonomous robot navigation in dynamic environments with human motion prediction
US5896488A (en) Methods and apparatus for enabling a self-propelled robot to create a map of a work area
KR101096592B1 (ko) 장애물격자지도를 활용하는 무인차량의 자율주행성능 향상 장치 및 방법
CN112284393B (zh) 一种智能移动机器人全局路径规划方法和系统
EP2821875A2 (en) Route planning method, route planning unit, and autonomous mobile device
CN107589740A (zh) 路径搜索程序、路径搜索系统和作业车
Yoon et al. Recursive path planning using reduced states for car-like vehicles on grid maps
JP3510195B2 (ja) 移動体制御装置および移動体制御方法
JP2020532786A (ja) 自律移動ロボットの経路計画方法、自律移動ロボット及び記憶媒体
CN112590775B (zh) 一种自动泊车方法、装置、车辆及存储介质
CN112683275B (zh) 一种栅格地图的路径规划方法
SE522952C2 (sv) Metod och anordning för en mobil maskins övergång från en första bana till en andra bana
KR20120054879A (ko) 차량형 이동 로봇의 충돌 회피 경로 생성 방법 및 이를 이용한 주차 보조 시스템
CN114543815B (zh) 基于基因调控网络的多智能体导航控制方法、设备及介质
KR20190095622A (ko) 회피경로 생성방법 및 그를 위한 장치
JPH03113513A (ja) 自律走行車両の車速感応操舵制御装置
CN109933068A (zh) 驾驶路径规划方法、装置、设备和存储介质
KR101907268B1 (ko) 경로 선택에 기반한 자율 주행 방법 및 장치
Chen et al. Path planning for autonomous vehicle based on a two-layered planning model in complex environment
Yoon et al. Path planning for unmanned ground vehicle in urban parking area

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3510195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term