JP3508112B2 - 眼底疾患解析装置 - Google Patents

眼底疾患解析装置

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JP3508112B2
JP3508112B2 JP25146794A JP25146794A JP3508112B2 JP 3508112 B2 JP3508112 B2 JP 3508112B2 JP 25146794 A JP25146794 A JP 25146794A JP 25146794 A JP25146794 A JP 25146794A JP 3508112 B2 JP3508112 B2 JP 3508112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼底疾患に関する解析装
置に係わり、特に、カラー眼底画像や視野計の測定結果
から得られる視神経乳頭部の状態や視神経線維束欠損を
医学的見地に基づいた解析を含む画像処理を施して検出
し、検出された情報を視神経線維束の分布パターンまた
は、これに対応させた眼底座標系に基づいて解析するこ
とにより、全データを統合化処理し、緑内障の状態や進
行度を検出することのできる緑内障等の眼底疾患解析装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、緑内障の患者が急増しており、患
者が自覚症状を訴えて眼科医を訪れる時には、緑内障の
症期としては既に末期に近く、視神経線維全体の80%
以上を失っているものが大半であった。
【0003】眼球は、その内部が硝子体と房水で満たさ
れ、それらの圧力によりその形状を維持している。この
内部からの圧力である眼圧は、一定の生理的な範囲があ
る。この眼圧が高すぎると眼内の循環が阻害されたり、
視神経が圧迫されることでその萎縮が生じる。この眼圧
が高すぎて視機能障害が生じた状態が緑内障であり、失
明の原因としてその頻度はかなり高いものである。
【0004】この緑内障に対して重要なポイントは、視
神経障害の発生及び進行防止であり、この目的を達成す
るためには可能な限り早期に診断し、かつ適切な管理と
治療を行うことである。
【0005】緑内障の異常所見は、眼圧、眼底そして視
野をはじめとする各種の視機能障害が見られ、しかもそ
れぞれ特徴を有している。従って緑内障の早期発見手段
には、眼圧検査による早期発見法、眼底検査による早期
発見法、視野をはじめとする各種の視機能検査法等の検
査結果を総合して診断することになる。
【0006】緑内障による眼底内部の変化の一つとし
て、網膜上の視神経線維が欠損することが上げられる。
この視神経線維束欠損部分は、正常な網膜部分より反射
率が低いため、眼底写真上では暗いくさび型の筋として
表れる。また視神経線維束欠損は、視神経線維の配置に
沿って視神経乳頭から外側に向かって湾曲して伸びてい
る。従って視神経乳頭付近では、視神経乳頭から放射状
になっており、更に、黄班周辺では大きく曲がった弓状
に形成されている。
【0007】従来では、視神経線維束欠損を検出するた
めには、無赤色光撮影された画像の濃度レベルを、一定
直線に沿って走査するか、或いは視神経乳頭を中心とし
て放射状に走査している。この走査した範囲内のある領
域の濃度値が、予想される濃度より低い場合には、この
領域が病変部分と判定される。
【0008】具体的に説明すると例えば、画像濃度を直
線的に走査して視神経線維欠損を検出する。この走査す
る直線は、視神経乳頭と中心窩を結ぶ線分の垂直2等分
線であり、この交点を中心として、視野で30度の範囲
の濃度分布について解析を行う。そして、年代別の正常
眼のデータと比較することにより、病変部分を判定する
ものが存在していた。
【0009】更に他の例としては、視神経乳頭周辺につ
いて放射状に走査して、方向毎の濃度値の累計から視神
経線維束欠損が存在する方向を検出する。この走査によ
り得られたデータは、横軸に視神経乳頭からの方向、縦
軸には累積濃度を表すグラフに変換され、このグラフに
対して変換を行う様になっている。即ち、グラフの形状
から窪んだ部分を検索し、この部分を病変部分と判定す
るものである。なお窪みの部分は血管部である可能性も
あるため、予め血管部であると予想される部分を抽出す
るなどし、血管部によるグラフの窪みと、病変部による
グラフの窪みを誤認しない様に工夫されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、画像濃
度を直線的に走査して視神経線維欠損を検出する第1の
従来の技術は、視神経線維束欠損の局所的な位置のみを
解析しているため、測定範囲外の病変には対応すること
ができないという問題点があった。更に視神経乳頭周辺
について放射状に走査する第2の従来の技術も、視神経
乳頭周辺で視神経線維束欠損の存在している方向のみを
検出しているので、走査範囲を広げると視神経線維束欠
損形状と、走査する領域とのズレが大きくなり、測定精
度が低下するという問題点があった。
【0011】視野を計測する場合には、視神経乳頭周辺
よりもBjerrum領域や鼻側階段(nasal s
tep)等が重視される。このBjerrum領域や鼻
側階段(nasal step)等と対応する部位を、
眼底網膜上で特定するためには、視神経乳頭からの方向
・距離の情報が有効であり、これらのデータを取得する
ことができると共に、網膜上で視野欠損を起こす可能性
のある領域を正確に特定するために視神経形状を考慮し
た眼底疾患解析装置の出現が強く望まれていた。また、
蒼白部の拡大方向、視神経乳頭縁血管屈曲度、視神経線
維束の欠損部分などは、視神経線維の分布パターンに沿
って現れるもので、これらの総合的判断をする事も望ま
れていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
案出されたもので、被検者の眼底画像データから黄斑部
位置及び乳頭位置を決定するための特徴抽出部と、抽出
された黄斑部位置及び乳頭位置に基づき、被検者の視神
経線維束の分布パターンを形成するための視神経線維束
の分布パターン形成部と、抽出された黄斑部位置及び乳
頭位置並びに該視神経線維束の分布パターン形成部で求
められた視神経線維束の分布パターンに基づき、眼底座
標系を設定する眼底座標系設定部と、設定された眼底座
標系に基づいて前記眼底画像データから眼底疾患による
影響部分を抽出するための影響部分抽出部と、抽出され
た影響部分に基づいて眼底疾患を解析する解析部とから
構成されている。
【0013】また本発明は、被検者の眼底画像データか
ら黄斑部位置及び乳頭位置を決定するための特徴抽出部
と、被検者の眼底画像データから抽出された黄斑部位置
及び乳頭位置に基づいて、被検者の視神経線維束の分布
パターンを形成する視神経線維束分布パターン形成部
と、形成された視神経線維束の分布パターンに基づいて
前記眼底画像データから眼底疾患による影響部分を抽出
するための影響部分抽出部と、抽出された影響部分に基
づいて眼底疾患を解析する解析部とから構成されてい
る。
【0014】更に本発明は、被検者の眼底画像データか
ら黄斑部位置及び乳頭位置を決定するための特徴抽出部
と、被検者の眼底画像データから抽出された黄斑部位置
及び乳頭位置に基づいて、被検者の視神経線維束の分布
パターンを形成する視神経線維束分布パターン形成部
と、抽出された黄斑部位置及び乳頭位置並びに所定の視
神経線維束の分布パターンに基づき、眼底座標系を設定
する眼底座標系設定部と、前記眼底画像データから眼底
疾患による影響部分を抽出するための影響部分抽出部
と、前記影響部分抽出部で抽出された複数の影響部分を
前記眼底座標系に基づいて関連づけて、眼底疾患を解析
する解析部とから構成されている。
【0015】また、本発明は、被検者の眼底画像データ
から黄斑部位置及び乳頭位置を決定するための特徴抽出
部と、被検者の眼底画像データから抽出された黄斑部位
置及び乳頭位置に基づいて、被検者の視神経線維束の分
布パターンを形成する視神経線維束分布パターン形成部
と、前記眼底画像データから眼底疾患による影響部分を
抽出するための影響部分抽出部と、前記影響部分抽出部
で抽出された複数の影響部分を前記視神経線維束分布パ
ターンに基づいて関連づけて眼底疾患を解析する解析部
とから構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】以上の様に構成された本発明は、
特徴抽出部が被検者の眼底画像データから黄斑部位置及
び乳頭位置を決定し、視神経線維束の分布パターン形成
部が、抽出された黄斑部位置及び乳頭位置に基づき、被
検者の視神経線維束の分布パターンを形成し、眼底座標
系設定部が、抽出された黄斑部位置及び乳頭位置並びに
視神経線維束の分布パターン形成部で求められた視神経
線維束の分布パターンに基づき、眼底座標系を設定し、
影響部分抽出部が設定された眼底座標系に基づいて眼底
画像データから眼底疾患による影響部分を抽出し、解析
部が抽出された影響部分に基づいて眼底疾患を解析する
ようになっている。
【0017】また本発明は、特徴抽出部が被検者の眼底
画像データから黄斑部位置及び乳頭位置を決定し、視神
経線維束分布パターン形成部が、被検者の眼底画像デー
タから抽出された黄斑部位置及び乳頭位置に基づいて、
被検者の視神経線維束の分布パターンを形成し、影響部
分抽出部が形成された視神経線維束の分布パターンに基
づいて前記眼底画像データから眼底疾患による影響部分
を抽出し、解析部が抽出された影響部分に基づいて眼底
疾患を解析するようになっている。
【0018】更に本発明では、特徴抽出部が被検者の眼
底画像データから黄斑部位置及び乳頭位置を決定し、視
神経線維束分布パターン形成部が被検者の眼底画像デー
タから抽出された黄斑部位置及び乳頭位置に基づいて、
被検者の視神経線維束の分布パターンを形成し、眼底座
標系設定部が抽出された黄斑部位置及び乳頭位置並びに
所定の視神経線維束の分布パターンに基づき、眼底座標
系を設定し、影響部分抽出部が前記眼底画像データから
眼底疾患による影響部分を抽出し、解析部が前記影響部
分抽出部で抽出された複数の影響部分を前記眼底座標系
に基づいて関連づけて、眼底疾患を解析するようになっ
ている。
【0019】そして本発明は、特徴抽出部が被検者の眼
底画像データから黄斑部位置及び乳頭位置を決定し、視
神経線維束分布パターン形成部が被検者の眼底画像デー
タから抽出された黄斑部位置及び乳頭位置に基づいて、
被検者の視神経線維束の分布パターンを形成し、影響部
分抽出部が前記眼底画像データから眼底疾患による影響
部分を抽出し、解析部が前記影響部分抽出部で抽出され
た複数の影響部分を前記視神経線維束分布パターンに基
づいて関連づけて眼底疾患を解析するようになってい
る。
【0020】
【実施例】
【0021】本発明の実施例の緑内障解析装置1000
を図面に基づいて説明する。
【0022】本実施例の緑内障解析装置1000は、眼
底疾患に関する解析装置に該当するものであり、被検者
の眼底画像データや視野データを電算機により処理演算
を行い、眼科医の緑内障に対する総合判断を支援するも
のである。
【0023】緑内障解析装置1000は図1に示す様
に、演算処理装置100と、この演算処理装置100に
接続されるプログラム用メモリ200と、データ用メモ
リ300と、表示装置400とから構成されている。こ
の緑内障解析装置1000には、視野計2000と眼底
カメラ3000が接続されている。
【0024】演算処理手段100は図2に示す様に、眼
底画像から黄斑部位置及び乳頭位置を決定するための特
徴抽出部110と、所定の視神経線維束の分布パター
ン、抽出された黄斑部位置及び乳頭位置に基づき、眼底
座標系を設定するための眼底座標系設定部120と、与
えられる視野測定結果を眼底座標系に基づいて変換する
ための視野データ変換部130と、眼底画像データから
眼底疾患によって影響を受けた影響部分を抽出するため
の影響部分抽出部140と、視野データ及び特徴部分を
眼底座標系に基づいて関連づけ、眼底疾患を解析するた
めの解析部150とから構成されている。
【0025】(基本構成の原理)
【0026】次に本実施例の緑内障解析装置1000で
使用される基本構成の原理を詳細に説明する。
【0027】「A:眼底座標自動作成ブロック」
【0028】眼底座標自動作成ブロックは、視神経乳頭
の検出と黄斑部の検出と眼底座標の設定の3工程から構
成されている。
【0029】眼底座標自動作成ブロックは図3に示す様
に、まずステップ1(以下、S1と略する)で実行を開
始し、S2では視神経乳頭の検出(図4)を行い、次に
S3では黄斑部の検出(図14)を行う。更にS4では
眼底座標の設定を行い、S5で実行を終了する様になっ
ている。
【0030】(1)「視神経乳頭の検出(図3のS
2)」
【0031】次に上述の視神経乳頭の検出を図4に基づ
いて説明する。
【0032】まず、S1で検出を開始し、S2では、色
利用による視神経乳頭の検出を行う。次にS3では、縦
血管を用いた視神経乳頭の検出を行う。そしてS4で
は、S2による色利用による視神経乳頭の検出と、S3
による縦血管を用いた視神経乳頭の検出との結果を比較
し、誤認識がないか判定する。即ち、S2とS3で検出
された視神経乳頭の領域が一部分でも重なれば、S2の
色利用により検出された視神経乳頭を正しいものとして
保存する。またS2とS3で検出された視神経乳頭の領
域が、一部分も重ならない場合には、検者が画面上で確
認し、色利用による視神経乳頭の検出と、縦血管を用い
た視神経乳頭の検出との結果のいずれかが正しいかを決
定したり、また、検者がマニュアルで画面上で指定する
などして決定する。このS4で視神経乳頭の領域を判定
処理することにより、検出結果の信頼性を向上させるこ
とができる。そしてS5に進んで視神経乳頭の検出を終
了する。
【0033】「色利用による視神経乳頭の検出(図4
のS2)」
【0034】ここで色利用による視神経乳頭の検出を図
5に基づいて詳細に説明する。まずS1で検出を開始
し、S2では眼底画像データをRGB空間からHSI空
間に変換し、色相(H:hue)、彩度(S:satu
ration)、明度(I:intensity)成分
を得る。即ちHSI変換は、RGB(レッド、グリー
ン、ブルー)の三原色から、色相、彩度、明度のデータ
を得るものである。このHSI変換には、種々の変換方
式が存在するが、本実施例では双六角錐モデルを採用し
ている。この双六角錐モデルは、2つの六角錐を2つ貼
り合わせた構成となっており、六角錐の中心軸をなす明
度軸Iにおいて、片方の頂点をI=0の黒、他方の頂点
をI=1の白とし、
【0035】I=(max{R、G、B}+min
{R、G、B})/2
【0036】と定義する。
【0037】ここで、HSI変換は、
【0038】I=(Imax+Imin)/2
【0039】但し、Imax=max{R、G、B} Imin=min{R、G、B}
【0040】そして、Imax、Imin、R、G、B
を利用して、S及びHも定めることができる。
【0041】次にS3では、視神経乳頭部が他の部分よ
り明るいことから、探索対象となる眼底画像データから
明度Iの最大値を探索し、高明度点とする。次にS4で
は、明るい部分を領域として抽出するためのラベリング
の探索レンジを決定する。高明度点の周囲8画素の中か
ら明度が最小の値を選択し、高明度点と8画素中で明度
が最小の点との間をラベリング対象明度範囲としてい
る。
【0042】ここでラベリングとは、ラベリング探索レ
ンジを決定した高明度点に隣接する画素を同じグループ
とし、これにラベル(番号)を割当てる作業である。最
大値となる高明度点が、2点以上あれば、その数分のラ
ベリングが行われる。
【0043】そしてS5では、高明度点からラベリング
対象明度範囲に含まれる画素をラベリングする。更にS
6では8回繰り返しているか否かを判断し、8回繰り返
していない場合には、S3に戻る様になっている。この
際のS3での高明度点の探索は、ラベリングされた眼底
画像データをラベリング処理対象から除外して行われ
る。またS6で、8回繰り返していると判断した場合に
は、S7に進む。S7では視神経乳頭が、高明度かつ高
彩度であることに着目し、ラベル毎に平均彩度を求め、
その平均彩度の最も大きなラベルを視神経乳頭として選
択する。
【0044】更にS8では図6に示す様に、S7で選択
された各ラベルの内、平均彩度が最大ラベル中で最も明
度の高い点(高明度点)を視神経乳頭内点とする。
【0045】(視神経乳頭縁の決定)
【0046】次に視神経乳頭縁の決定処理について説明
する。まず視神経乳頭概略形状を抽出することにする。
S9では、S8で選択された視神経乳頭内点を中心とし
て360度を1度刻みに放射状のプロファイルを得る。
ここでプロファイルとは、連続した画像データの明度変
化を折れ線で表したものである。このプロファイルをR
(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)成分の内、
R成分を示すと図7の様になる。この図7を見るとR
(レッド)成分では、血管による落ち込みよりも視神経
乳頭の落ち込みの方が大きいので、このR成分を用いる
こととする。なお、落ち込み量を図8に示す様になって
いる。
【0047】そしてS10では、S9で得られた1度刻
みの各プロファイルから、最大落ち込み量の落ち始め位
置と落ち終わり位置とを検出し、これらの範囲を視神経
乳頭縁検出範囲として設定する。またS11では、S1
0で設定された視神経乳頭縁検出範囲内で微分値が最大
となる点を検出し、この点を視神経乳頭縁とする。更に
全てのプロファイルに対して検出された視神経乳頭縁を
直線的に繋げることにより、視神経乳頭縁概略形状とす
る。
【0048】S11により視神経乳頭縁概略形状が決定
されたので、これを利用して詳細視神経乳頭縁を定める
ことにする。詳細視神経乳頭縁を定めるには、視神経乳
頭部分のR成分の反射が特に大きいことに着目し、原則
的にはR画像を使用するが、R画像が露出過多等で使用
不能の場合には、G画像又はB画像を採用することもで
きる。
【0049】まずS12では、S11で得られた視神経
乳頭縁概略形状を膨張させ、詳細な視神経乳頭縁の探索
領域を設定する。ここでは眼底座標自動作成機能の情報
を利用することにより、探索領域を限定し、解析に悪影
響を与える他領域の余分情報が混入しない様にしてヒス
トグラム解析の精度を向上させている。
【0050】次にS13では二値化のしきい値を決定す
るために、ヒストグラム解析を行う。ヒストグラム解析
とは、画像の明度値の分布を調べるものであり、各明度
値をもつ画素が、画像中にいくつあるか計測することに
より解析することができる。視神経乳頭部のヒストグラ
ムは、領域を適切に設定すると明度の低い順に図9に示
す様に、視神経乳頭縁外側近辺を示すヒストグラムの峰
と、視神経乳頭縁内側近辺を示すヒストグラムの峰と、
蒼白部を示すヒストグラムの峰の3つの峰に分化する。
従って視神経乳頭縁外側近辺を示す峰と視神経乳頭縁内
側近辺を示す峰の中間に存在する谷底に対応する明度
を、二値化するためのしきい値として決定する。
【0051】次にS14では、S13で決定されたしき
い値を使用して画像データの二値化を行い、網膜や血管
の反射等により視神経乳頭の外側に出現するノイズを除
去する。本実施例のノイズの除去は面積を基準として行
い、200画素以下をノイズとして処理しているが、そ
の他の方式でノイズの除去を行ってもよい。
【0052】そしてS15では、S14で二値化された
画像データに対して、膨張、収縮処理を2回行うことに
より、視神経乳頭内部にある血管により起因する二値化
された視神経乳頭領域内の小穴を埋めることができる。
ここで収縮処理とは、与えられた連結成分の境界点を全
て取り除いて1層分小さくする処理であり、膨張とは、
逆に1層太らせる処理である。この膨張・収縮処理を組
み合わせることにより、二値化画像の中の小成分や小さ
な穴を検出し、消滅させたりすることができる。
【0053】更にS16では2値化された画像データの
縁のみを抽出し、S17に進んで、S16で抽出された
データに対してラベリングを施し、視神経乳頭縁と認識
する。
【0054】次にS18では、S17で認識された視神
経乳頭縁から中心を決定する。なお、本実施例の中心決
定は重心を利用して行っているが、視神経乳頭縁の最大
縦横径を持つ線分の交点等を採用することもできる。
【0055】そしてS19では、以上の処理により得ら
れた詳細視神経乳頭縁の形状及び座標情報を保存した
後、S20に進んで実行を終了する。
【0056】「血管を用いた視神経乳頭検出処理(図
4のS3)」
【0057】次に血管を用いた視神経乳頭検出処理を図
10に基づいて説明する。視神経乳頭では、視神経乳頭
から黄斑方向を横方向とすれば、血管が上下方向に分岐
してわかれて行く特徴がある。この視神経乳頭から上下
方向に分岐していく血管を縦血管と定義し、この縦血管
を利用して視神経乳頭を決定することにする。
【0058】まずS1で検出を開始し、S2では、RG
B画像から網膜より血管のレベルが高い画像に色変換を
行う。この色変換は例えば、R/G、r、255−g、
R−G、r−g等の画像である。本実施例では、R/G
を採用しているが、r、255−g、R−G、r−g等
を用いて処理を行うこともできる。ここで、r、g、b
とは、RGB画像データから明るさを除外したものであ
り、
【0059】r=R/(R+G+B)
【0060】g=G/(R+G+B)
【0061】b=B/(R+G+B)
【0062】と表すことができる。
【0063】次にS3では縦血管を抽出する。なお抽出
方法を後に詳細に説明する。
【0064】そしてS4では、S3で得られた縦血管を
図11に示す様に細線化する。
【0065】更にS5では、S4で細線化した縦血管に
対してラベリングする。このラベリングは、端点又は交
差点から、端点又は交差点までを1つのラベルとして実
行する。
【0066】そしてS6では、S5でラベリングされた
結果を最小自乗法等を使用して直線近似する。なお1ラ
ベルに含まれる画素数が多い場合には、直線ではなくな
る場合があり、直線近似が不可能となってしまう。即
ち、近似した直線が血管の配置から離れてしまい、視神
経乳頭上に近似した直線が通過しなくなる。このため、
高次の最小自乗法を採用する方法もあるが、本実施例で
は、ラベルを20画素に分割して直線近似することによ
り、近似した直線が小領域で血管の配置と合う様にし
て、近似した直線が視神経乳頭上を通過し易くしてい
る。なお、20画素以下のラベルはそのままとしてい
る。
【0067】次にS7では、S6で直線近似した結果の
直線を中心に幅を持たせ、太線化した結果を累積して加
算する。更にS8では、S7で累積加算した結果が最大
である直線が一番良く交わった箇所を上位とし、上位3
番目までを視神経乳頭領域候補とする。そしてS9で
は、S8で得られた視神経乳頭領域候補を保存する様に
なっている。S9で視神経乳頭領域候補を保存した後、
S10に進んで処理を終了する。
【0068】(縦血管抽出処理)
【0069】次に本実施例の縦血管抽出処理を図12に
基づいて説明する。
【0070】まずS1で検出を開始し、S2では縦線成
分を検出する。この縦線成分の検出は縦線検出フィルタ
のみを用いて、このフィルタに反応した全ての画素を抽
出する。次にS3では線追跡を行う。本実施例の線追跡
は、画像全体をスキャンして線要素を検索した場合に
は、検索部分を対象画素として線追跡を行う様になって
いる。線追跡は図13に示す様に、その対象画像から追
跡画像方向に線要素があれば、その線要素を次の対象画
素として線追跡を行う様になっている。仮に線追跡を行
った結果、該当線要素がない場合には線追跡を中止し、
線追跡した画素数をカウントして保存する。そして画像
の線追跡を開始した点からスキャンを開始し、画像を全
てスキャンした後、線追跡終了する。
【0071】そしてS4ではノイズ除去を行う様になっ
ている。画像中にはノイズが含まれているので、S3で
線追跡処理されて得られた画素数Piと、下記の式のP
nと比較し、S3で得られた画素数が少ない場合には、
ノイズと判定して除去する様になっている。本実施例で
は、a=4096となっている。
【0072】Pn=a/(20*(R/G)+1)
【0073】(2)「黄斑の検出(図3のS3)」
【0074】黄斑とは、眼底中央部の中心とその周囲の
半径約2乳頭径の範囲を意味するものである。黄斑は錐
体が密に配置し、明所での視力と色覚を受け持つもので
ある。この黄斑は、周囲の網膜より若干暗く、ある程度
の領域を有し、その形状が錐体であることに着目し、黄
斑部を検出することにする。
【0075】次に本実施例の黄斑の検出を図14に基づ
いて説明する。
【0076】まずS1で検出を開始し、S2では視神経
乳頭の中心から360度を1度刻みにプロファイルを作
成する。このプロファイルの範囲は図15に示す様に、
画像上で100〜270画素の間に設定する。これは黄
斑が視神経乳頭より約2乳頭径耳側(画像上、約170
画素)の領域にあることから、眼底画像データの全体か
ら検出するのでなく、範囲を限定して検出することがで
きる。なお、撮像された画像の倍率が変化すれば、範囲
も当然変化する。また撮像された眼の左右情報があれ
ば、検出範囲を更に検出範囲を狭めることができる。
【0077】次にS3では、S2で作成されたプロファ
イルおきに、明度勾配を直線近似する処理を行う。この
明度勾配の直線近似は、シェーディングの影響を取り除
くためである。なおシェーディングとは、画像の端の方
が暗くなる現象を呼んでおり、画像全体を一様な明るさ
になる様に濃度補正を行うことがシェーディング補正で
ある。また直線の傾きは、各プロファイル中の全ての点
の差分値を計算し、その差分値の平均値とする。なお明
度勾配の直線近似は、この差分値を利用する方式のみな
らず、最小自乗法を採用することもできる。
【0078】そしてS4では、S2で作成された各プロ
ファイルおきに、しきい値直線を求める処理を行う。こ
の処理はS3で得られたシェーディング直線と、元のデ
ータから標準偏差を求め、図16に示す様にシェーディ
ング直線を標準偏差の2.5倍した分だけ下げた直線
を、しきい値直線としている。この、しきい値曲線を利
用するのは、一定しきい値では比較が困難であるため、
明度の勾配に沿ったしきい値直線で比較を行う様になっ
ている。
【0079】更にS5では、比較処理・領域加算を行
う。黄斑を正確に検出するためには、網膜より暗い血管
を除去しなければならない。このためには、黄斑は丸
く、ある程度の領域を取るという特徴と、血管は細長い
という特徴を利用して、黄斑と血管を分離しなければな
らない。即ち、しきい値直線と、そのしきい値直線上に
乗っている画素と比較する場合には、比較する画素の周
囲11*11の領域の平均明度と比較する様になってい
る。また比較結果が、しきい値直線以下の場合には、比
較画素の周囲11*11の領域に1を加算する。この処
理は、S2で得られたプロファイル全てに行う様になっ
ている。
【0080】次にS6では、S5で累積加算された結果
に基づき、図17に示す様に、累積加算結果の最大とな
る点を黄斑中心部として決定する。最大となる点を利用
することにより、血管の交差部等の小領域の誤検出を防
止することができる。そしてS7に進み、S6で決定さ
れた黄斑の中心位置座標を保存し、S8に進んで処理を
終了する。
【0081】(3)「座標軸の決定(眼底座標設定)
(図3のS4)」
【0082】上述した視神経乳頭の検出と黄斑部の検出
の結果から、座標軸の決定を行うことにする。座標軸は
図18に示す様に、横軸を視神経乳頭の中心と黄斑部を
通る直線とし、縦軸は横軸に垂直で視神経乳頭の中心を
通る直線とする。また黄斑−視神経乳頭距離を単位距離
として直交座標軸を設定する。しかしながら、この直交
座標系は、画像に対して傾いている場合が殆どであり、
直交座標を画像に一致させる場合の画像の変換も処理に
含めることができる。
【0083】この座標軸に後述する「D:視神経線維束
欠損の自動解析ブロック」で述べるような視神経線維束
分布パターンと結びつけた曲線座標系が、眼底座標系に
相当する。
【0084】また同時に視神経乳頭中心を基準に、黄斑
と逆にある横軸を0度とし、縦軸上側を90度、黄斑側
横軸を180度、縦軸下側を270度とする様に座標の
角度を設定する。なお以後本明細書では、この座標系の
角度を「乳頭内角度」と呼ぶことにする。
【0085】「B:蒼白部自動解析ブロック」(影響部
分抽出部の一つに相当)
【0086】緑内障は視神経線維束が欠損することによ
り、視神経線維束が収束している視神経乳頭内部の形状
に対して、陥凹の拡大という影響を与える様になる。蒼
白部は直接陥凹を意味するものではないが、関連性は高
いことが知られており、臨床上も重要なファクターとさ
れている。
【0087】蒼白部は、視神経乳頭縁にあるので、眼底
座標自動作成ブロックで使用された視神経乳頭縁を抽出
する原理と同様な方法で、蒼白部縁を抽出することがで
きる。なお本実施例では、蒼白部の検出に使用する画像
を、明るい視神経乳頭内でも飽和しにくいG(グリー
ン)画像を使用している。
【0088】なお、G(グリーン)画像の他、HSI空
間に変換後の明度又は彩度の画像を利用することができ
る。
【0089】次に本実施例の蒼白部の検出を図19に基
づいて説明する。
【0090】まずS1で検出を開始し、S2では眼底画
像のG(グリーン)画像を呼び出す。次にS3では視神
経乳頭中心座標を前述の眼底座標の設定から読み取り、
S4で視神経乳頭縁座標も前述の眼底座標の設定から読
み取る。次にS5に進んで、視神経乳頭縁を蒼白部領域
の探索領域と設定し、ヒストグラム解析を行い、しきい
値を決定する。蒼白部領域のヒストグラムは、領域を適
当に設定すると、鼻側視神経乳頭縁近辺を表すヒストグ
ラムの峰と、主に視神経乳頭縁近辺を表す峰と、蒼白部
を表す峰との3峰に分化する。この点に鑑みて、濃淡値
が最大である蒼白部の峰と、中間に存在する主に視神経
乳頭縁近辺を表す峰の間に存在する谷底に相当する濃淡
値を、二値化のしきい値として決定する。
【0091】次にS6では、S5で決定された、しきい
値を使用して二値化を行い、S7に進む。S7では、血
管の反射等によって生じるノイズを面積を条件として除
去する処理を行う。本実施例では、200画素以下の二
値化小領域をノイズとしている。なお、この条件は適宜
変更設定することができる。
【0092】そしてS8では、蒼白部内部に存在する血
管に起因する二値化の穴を埋めるか否かを判断する。S
8で二値化の穴を埋めると判断した場合には、S9に進
み、膨張・収縮処理を行う。この膨張・収縮処理によ
り、二値化画像の穴を消滅させることができる。S9で
膨張・収縮処理が終了したならば、S10に進み、二値
化領域の縁のみを抽出する。またS8において、蒼白部
には血管領域を含まないという見地から二値化の穴を埋
めないと判断した場合には、S10に進んで、二値化領
域の縁のみを抽出する。
【0093】S10で二値化領域の縁のみを抽出した
後、S11に進み、ラベリングを行って蒼白部縁と認識
する。この結果、視神経乳頭中心、視神経乳頭縁、蒼白
部縁のデータを得ることができる。
【0094】次にS12で、視神経乳頭角度毎にDD
(θ)及びDP(θ)を計算する。ここでDD(θ)と
は、視神経乳頭中心から視神経乳頭縁までの距離であ
り、DP(θ)とは、視神経乳頭中心から蒼白部縁まで
の距離である。
【0095】次にS13では、蒼白部の拡大が視神経乳
頭部の陥凹に関連性があるという医学的見地に基づき、
蒼白部の視神経乳頭に対する形状の変化を計算すること
にする。即ち蒼白部の拡大が、視神経線維束の欠陥に関
連性があるとして、DD(θ)及びDP(θ)の値を基
に、蒼白部の視神経乳頭に対する形状の変化を表す量を
視神経乳頭角度θ毎に計算する。蒼白部の視神経乳頭に
対する形状の変化を表す量として、本実施例では、DD
(θ)−DP(θ)や、DP(θ)/DD(θ)等を視
神経乳頭角度θ毎に計算する。
【0096】更にS14では、蒼白部の面積、視神経乳
頭部の面積を、画素数をカウントすることにより計算
し、更に、蒼白部面積/視神経乳頭面積を演算する。そ
してS15に進んで、これまでの演算結果により緑内障
の解析が行える様に、各種の計算値を出力する。本実施
例では、DD(θ)−DP(θ)、DP(θ)/DD
(θ)、DD(θ)、DP(θ)等を視神経乳頭角度毎
に出力すると共に、緑内障を示唆する程度を示す示唆度
も出力する様になっている。更に、蒼白部面積/視神経
乳頭面積も出力することもできる。
【0097】そしてS16では、S15で出力したデー
タであるDD(θ)−DP(θ)、DP(θ)/DD
(θ)、DD(θ)、DP(θ)等を保存し、S17に
進んで終了する。
【0098】なお本実施例は、図20に示す様に、視神
経乳頭縁、蒼白部縁を自動抽出し、視神経乳頭内角度θ
毎の緑内障示唆度や蒼白部面積/視神経乳頭面積等を出
力することもできる。
【0099】「C:視神経乳頭縁血管屈曲度自動解析ブ
ロック」(影響部分抽出部の一つに相当)
【0100】緑内障は視神経線維層が欠損することによ
り、線維層が収束している視神経乳頭内部の形状に対し
ても、陥凹の拡大という影響を与える。陥凹の度合いが
高くなるに従い、視神経乳頭上に配置されている視神経
乳頭血管が視神経乳頭縁近辺にて大きく屈曲する場合が
多いとされている。
【0101】使用する画像は、血管部分はr成分が大き
く、g成分が小さいという特性を利用し、本実施例では
256階調のr−g成分を使用している。ここで、r、
g、bとは、RGB画像データから明るさを除外したも
のであり、
【0102】r=R/(R+G+B)
【0103】g=G/(R+G+B)
【0104】b=B/(R+G+B)
【0105】と表すことができる。従って、r成分、g
成分とは、色度座標での赤成分の割合、緑成分の割合を
表しており、r+g+b=1の関係がある。
【0106】次に本実施例の視神経乳頭縁血管屈曲度の
解析を図21に基づいて説明する。
【0107】まずS1で検出を開始し、S2では眼底座
標自動作成ブロックより、視神経乳頭座標を読み込む。
更にS3では眼底座標自動作成ブロックより、詳細視神
経乳頭縁座標を読み込む様になっている。次にS4で
は、血管を抽出し、上下左右の4方向(4近傍)で連結
している画素の集合に、ラベルを付ける。なお、血管の
抽出方法は後に詳述する。
【0108】そしてS5では、S4で抽出された血管の
ラベルと視神経乳頭縁とが交わる部分のr−g画像にお
けるプロファイルのピークを抽出し、1〜Nvdまでラ
ベルを付ける。ここで、Nvdは、抽出された視神経乳
頭縁血管の数である。ここでは視神経乳頭縁と交わるよ
うに欠陥としてラベル付けされた欠陥を、視神経乳頭血
管と決定する様になっている。
【0109】S6においては、S5で抽出した各画素
を、各々の視神経乳頭縁血管におけける図22に示した
中点Cの座標とする。そしてS7・S8では、1〜Nv
dまでの視神経乳頭縁血管のラベルについて、視神経乳
頭中心に対して、それぞれ内外に向けて、血管画素の追
跡を行い、一定距離を追跡して抽出された内外の各点
を、それぞれ点I・Oとする。本実施例では、r−g画
像のピークに沿って血管を追跡し、また、追跡する距離
は、乳頭よりの距離が中点Cより±5画素変化する範囲
としている。この範囲内で血管追跡に失敗したときは、
臨床上の知識から、極度の陥凹拡大のために、その視神
経乳頭縁血管が、網膜の裏側にまで回り込んでいる事が
考えられ、視神経乳頭縁血管の屈曲度と合わせて、緑内
障の診断支援にとって有効な情報とすることができる。
【0110】次にS9では、1〜Nvdまでの視神経乳
頭縁血管のラベルについて、中点Cと地点Iを結ぶ直線
である直線I−Cと、中点Cと地点Oを結ぶ直線である
直線O−Cの座標上の傾きを演算する。更にS10で
は、1〜Nvdまでの視神経乳頭縁血管のラベルについ
て、直線I−Cと直線O−Cの交わる角度である交角度
を、乳頭内角度θ方向の血管屈曲度VC(θ)として検
出する。この視神経乳頭縁屈曲度VC(θ)は、点C方
向の屈曲度として定義される。
【0111】そしてS10で得られた視神経乳頭縁屈曲
度VC(θ)は、S11で、緑内障の統合解析が容易と
なる様に保存され、S12で処理を終了する。
【0112】なおS10では、検出されたデータを単独
で活用させるため、乳頭内角度θ方向毎に視神経乳頭縁
屈曲度VC(θ)や、この視神経乳頭縁屈曲度VC
(θ)の平均値を演算し、出力表示することも可能であ
る。また本実施例は、視神経乳頭縁を基準とした視神経
乳頭縁血管屈曲度を求めたが、同様な手法を用いること
により、蒼白部縁を基準とした視神経乳頭縁血管屈曲度
を求めることも可能である。
【0113】「D:視神経線維束欠損の自動解析ブロッ
ク」(影響部分抽出部の一つに相当)
【0114】視神経線維層は緑内障等により欠損するに
従い、反射率が低下して色調が暗くなる。緑内障に関す
る専門医であれば、極めて微妙な変化を検出することが
できるが、一般的には極めて困難と言われている。この
視神経線維層は、線維束に沿って欠損するために視神経
線維束欠損とも呼ばれている。
【0115】次に本実施例の視神経線維束欠損の解析を
図23(a)に基づいて説明する。
【0116】まずS1で検出を開始し、S2では眼底座
標自動作成ブロックより、視神経乳頭中心座標を読み込
む。更にS3では眼底座標自動作成ブロックより、黄斑
中心座標を読み込み、視神経乳頭ー黄斑ラインを横軸と
し、視神経乳頭中心で横軸と直交するラインを縦軸と
し、座標軸を設定する。この座標軸は、視神経乳頭ー黄
斑距離を基準長として、図24に示す様なHoganに
より示された視神経分布パターンと結びつけられ、この
被検者の画像データに適合した視神経分布パターンに沿
った曲線座標系が形成される。従って、被検者の視神経
分布パターンとは、図24に示すような一般的な視神経
分布パターンを被検者の眼底画像データ中の黄斑部位置
と乳頭位置とから被検者の眼底画像データ上で縮尺、傾
きを補正して形成するものである。この部分は、眼底座
標自動作成ブロックとともに眼底座標系設定部に相当
し、またこれ単独で視神経線維束分布パターン形成部に
も相当する。
【0117】そして視神経乳頭中心から放射状に探索す
る従来の方法と比較して、直接的に視神経配置上を探索
することができる上、ノイズの混入も少なくなり、セン
シティブに視神経線維束の欠損を検出することができ
る。更に、例えば視野における緑内障暗点の出現確率等
の医学的情報を画像処理に積極的に導入することができ
る。また、視神経線維層の情報を、対応する乳頭内角度
θの情報へ投影することにより、視神経乳頭内情報との
突き合わせができ、統合的な緑内障解析システムの構築
を行うことができるという効果がある。
【0118】次にS4では、眼底座標自動作成ブロック
より、視神経乳頭縁形状を読み込み、視神経乳頭縁の内
部を視神経乳頭部としてラベル付けを行う。更にS5で
は、画像データから血管を抽出し、血管部としてラベル
付けを行う様になっている。血管部は色度座標でr成分
が大きく、g成分が小さいので、本実施例では、入力画
像信号をr−g成分を表す256階調の画像に変換し、
この変換画像に対して血管部抽出を行う様になってお
り、この場合には、網膜部と血管部との濃度差が約20
階調程度であることが判明している。
【0119】ここで図23(b)に基づいて、血管の抽
出を詳細に説明する。本実施例では、画像中の線成分を
血管部として定義する。即ち、画像濃度の暗い背景に描
かれた明るい線を形成する画素の集合を血管とするもの
である。
【0120】まずS1aで検出を開始し、S2aでは、
対象画素の全てに対してブリッジ・フィルタを操作し、
隆点を抽出する。ここで使用するブリッジ・フィルタ
は、資料e3に示す一般的なブリッジ・フィルタ(二方
向への操作)を拡張したものであり、血管の形状にかか
わらず抽出できるよう多方向へ操作し、また、しきい値
を設けて、正確さを向上している。本実施例では、対象
画素を中心とする直径7画素の円周上について(L=
3)、10方向へ操作し、しきい値を15として隆点を
抽出するようになっている。すなわち、10方向へ操作
した内、いづれかの方向で、2*f−(a+b)>15
を満たす時、この画素が隆点として抽出される。
【0121】そしてS3aでは、膨張・収縮操作を行っ
て隆点の画像の微細な穴を埋めて隆点画像を平滑化し、
S4aに進む。S4aでは、全ての隆点の方向成分を抽
出する様になっている。即ち、対象とする隆点を中心と
する直径20画素の範囲中で、20方向についての隆点
の分布を検索し、最も隆点分布の少ない方向に90度を
加えた方向の成分を抽出する様になっている。
【0122】次にS5aでは、全ての隆点を対象に、S
4aで抽出された方向成分と、直角に交わる方向の隆点
分布を検索し、各隆点が血管であるか否かを判断する。
即ち、この隆点分布の中央に分布している隆点が、血管
部の幅の断面を表しているので、予想される血管の幅に
適合しないものを除外する様になっている。本実施例で
は、一定画角で最大幅が12画素を超えるものは、除外
する様に構成されている。
【0123】更にS6aでは、再び、膨張・収縮操作を
行って隆点画像中の微細な穴を埋めて平滑化する。そし
てS7aに進み、S7aではS6aで平滑化された画像
を血管画像とし、血管部としてラベル付けを行う様にな
っている。そしてS8aに進んで、血管の抽出処理を終
了する。
【0124】以上の処理により、血管の抽出を行うこと
ができる。ここで再び、図23(a)の視神経線維束欠
損の解析に戻って説明する。S5で、画像データから血
管を抽出し、血管部としてラベル付けを行ったので、S
6に進み、血管ラベルの周辺部を血管周辺部としてラベ
ル付けを行う。本実施例の血管ラベルの周辺部とは、5
画素以内の距離にあるものとしている。
【0125】次にS7では、解析に悪影響を及ぼす要素
となる画素を除外する。本実施例では、S4、S5、S
6で抽出された視神経乳頭部、血管部、血管周辺部を除
外し、この後の処理が、網膜部を対象とする画素である
様にする。そしてS8では、入力画像を64階調のB+
G画像に変換する。このB+G画像は、一般的に使用さ
れる無赤色投影写真に相当するものであり、この写真
は、視神経線維束欠損部が強調され、脈絡膜血管の影響
も少ないものである。
【0126】更にS9では、画像座標上に視神経線維束
をシミレーションしつつ、その走査経路に沿って画像濃
度を走査し、線維束毎の平均画像濃度を求める様になっ
ている。図25は、横軸に乳頭内角度、縦軸に視神経線
維束に沿った距離を示す様に変換した原画像であり、左
側1/4の付近に矩形に変換された視神経線維束欠損が
表れている。
【0127】ここで、Hoganによる視神経図を基づ
き、視神経線維束をシミュレーションすることにする。
この視神経線維束のシミュレーションは、乳頭内角度θ
毎に、入力画像の座標を対応させる様にして実行され
る。
【0128】視神経線維束は図24に示す様に、A地点
が特異な点となっており、視神経線維束が反り返った形
状となっている。従って黄斑からA地点までは、比較的
簡単な運動方程式で視神経線維束を近似することができ
るが、A地点以降の視神経線維束までを近似して数式で
表現するには、やや複雑な方程式を使用しなければなら
ない。しかしながら、一般的な画角及び構図の眼底写真
では、黄斑からA地点までの領域しか撮影されないの
で、以下の2つの視神経線維束シミュレーションを必要
により使い分けることにする。
【0129】即ち、
【0130】(1)乳頭内角度θに関する運動方程式で
近似する。即ち、視神経線維束の配置が、すり鉢状に窪
んだ床にボールを転がした時のボールの軌道に似ている
ことから、運動方程式を作成することができる。この式
では何れの乳頭内角度θに対しても計算することができ
る。
【0131】(2)乳頭内角度θ毎の関数を各々、最小
自乗法により近似する。この場合では、A地点以降の視
神経線維束まで正確に近似することができる。
【0132】まず(1)の乳頭内角度θに関する運動方
程式を説明する。黄斑の位置が、すり鉢状に窪んだ抵抗
のある床面上で、初速V0、角度θで視神経乳頭中心か
らボールを転がした時のボールの軌跡は視神経線維束に
相当する。
【0133】その時のボールの軌跡は、下式の運動方程
式に基づいて求めることができる。
【0134】F=ma=mg/r2−μmV
【0135】また、乳頭部分をある面積を有する円とみ
なした時には、次の様な近似が行える。黄班部分に向か
って、G/R3 の加速度を生じる様なすり鉢状の床面
で、窪みから距離rの2乗に反比例する様な摩擦を有す
る床面で、初速度V0 で視神経乳頭からボールを転がし
た時のボールの軌跡が視神経線維束に相当する。
【0136】そのボールの軌跡は下記の運動方程式に基
づいて求める。
【0137】ma=mg/r3 −μ’mV/r2
【0138】ここで、mはボールの質量、μ、μ’は摩
擦係数、gは重力加速度、rは窪みの中心からの距離、
vは速度である。
【0139】次に(2)では、必要な乳頭内角度θ毎の
視神経線維束をHoganによる視神経図より読みだ
し、これに本実施例では8次の方程式に当てはめて、図
26に示す様に、各乳頭内角度θに対する関数の各係数
を最小自乗法により定める様になっている。なお、本来
は画像の全範囲を上述の式で表現することができるが、
照明ムラ等により、画質のよい画像であっても、周辺部
の画像の濃度情報は信頼性が低くなる。更に網膜自体に
も色の分布があり、例えば、黄斑付近は暗く、アーケー
ドに沿った部分は明るくなっている。このため、上述の
式を適用しようとする範囲を広くしたい場合には、照明
光の分布と、網膜の色の分布を予め測定し、補正を行う
必要がある。本実施例では、視神経乳頭中心から中心窩
までの距離の0.4倍まで、上述の式の適用を行ってい
る。
【0140】次にS9で、線維束毎の平均画像濃度を求
めた後、S10に進み、S10では乳頭内角度θと平均
画像濃度との関係を示すグラフを作成する。なお乳頭内
角度θによっては、配置されている経路上に網膜画像が
1つもない場合があり、この場合には、両端の平均画像
濃度から線形補完する様になっている。
【0141】更にS11では、S9で得られた乳頭内角
度θと平均画像濃度との関係を、乳頭内角度θと視神経
線維束欠損示唆度NFBD(θ)との関係に変換し、図
27に示す様なグラフに表示する様になってる。この変
換は、Aulhorn等の研究によって得られた視神経
線維束欠損場所の出現確率を、探索領域の制限や重率と
して導入するためのものである。
【0142】具体的な変換方法は、まず、乳頭内角度θ
と平均画像濃度との関係のグラフを反転する。更に幅4
0単位θの平均フィルターをかけて平滑化し、予想され
るグラフの形状との差分グラフの5時〜8時に相当する
部分と、10時〜1時に相当する部分の範囲を乳頭内角
度θと視神経線維束欠損示唆度NFBD(θ)との関係
を示すグラフとする。
【0143】そしてS12では、先に算出した、視神経
線維束欠損示唆度NFBD(θ)のグラフに対して、単
一方向のブリッジ・フィルタを操作し、しきい値以上の
濃度の落ち込みを示す線維束を視神経線維束欠損部とし
て抽出し、結果を図28に示す様な画像として出力する
様になっている。本実施例では、幅40単位θ、単一方
向のブリッジ・フィルタを操作し、しきい値を20階調
としている。
【0144】更にS13では、S11で得られた乳頭内
角度θと視神経線維束欠損示唆度NFBD(θ)との関
係を、緑内障統合解析に応用するために保存し、S14
で処理を終了する。
【0145】「E:視野の自動解析ブロック」
【0146】緑内障により視神経線維束が欠損すると、
その欠損形状に固有な視野の異常が認められる。視野測
定は自覚式の検査であるためノイズの混入が避けられ
ず、再現性にやや乏しい上、視野の読影が経験的である
という問題点もあるが、緑内障の臨床検査では、眼底写
真と共に、非常に重要な検査法である。
【0147】ここで、視野のデータは、図34(a)に
示すように、一般に視線位置(黄斑位置)を座標原点と
し、この視線位置を通る水平方向に横軸を、上下方向に
縦軸を取って経線、緯線で表示されている。
【0148】これに対して、眼底画像は、図34(b)
に示すように、一般に視神経乳頭中心と黄斑部の中間位
置あたりが画像中心となることが多く、視野のデータの
中心と相違することなどにより、眼底画像と視野のデー
タをそれぞれの位置を関連付けて判断することが難しい
点に鑑みて自動解析を試みた。
【0149】次に本実施例の視野の自動解析を図29に
基づいて説明する。
【0150】まずS1で処理を開始し、S2で視野デー
タを入力する。視野データは自動視野計から入力する
が、本実施例では自動視野計のスクリーニング・プログ
ラムを使用している。なお自動視野計は、スクリーニン
グ・プログラムに限らず、閾値測定である詳細測定プロ
グラム等を使用することができる。
【0151】S3において、眼底画像に基づいて設定し
た眼底座標系に視野のデータを合わせるために必要な単
位要素(視神経乳頭中心Ap、黄斑位置Bp及びその間
隔Lp)を抽出する。具体的には、盲点位置Apが視神
経乳頭中心に対応するものとし、視野中心位置Bpが黄
斑位置に対応するものとし、その間の間隔Lpを求め
る。
【0152】S4において、眼底画像と視野データの位
置の縮尺を合わせる。具体的には、視野データから求め
た単位要素の内、視神経乳頭中心と黄斑位置との間隔L
pが、眼底座標系を設定した眼底画像データにおける視
神経乳頭中心Aiと黄斑部位置Biとの間隔Liとが異
なっている場合には、視野のデータの相互位置を全体的
に拡大又は縮小して、間隔Liと一致させ縮尺を合わせ
る。例えば、視野データの位置が座標値(x,y)で、
表されていた場合に、その座標値を(x*(Li/L
p),y*(Li/Lp))として変換すると縮尺を合
わせることができる。
【0153】S5において、縮尺が一致した眼底画像デ
ータと視野データのそれぞれの位置を一致させる。ここ
で視野データは、眼底画像データに対して、上下反転さ
せた逆像に相当している。従って視野データを、視線位
置を通る横軸を中心として、回転対称に配置し直す様に
構成されている。
【0154】具体的には、まず、視野データを視線位置
を通る横軸を中心として回転対称に変換する。そして、
眼底画像データとこれに縮尺を合わせた視野データに関
し、眼底座標系の原点である視神経乳頭中心Apを一致
させ、眼底画像データにおける視神経乳頭中心Aiと黄
斑部位置Biと結ぶ線が、視野データにおける視神経乳
頭中心Apと黄斑位置Bpと結ぶ線とが一致するように
して合成する。これによって、眼底画像データと視野デ
ータとが、共通の眼底座標系上で表現されたこととな
る。
【0155】S6において、共通の眼底座標系上で、独
立に求められた眼底画像データと視野データとが位置を
対応させて、図35に示すよう合成されたデータを表示
する。
【0156】次にS8では、視神経線維束欠損の自動解
析ブロックで使用した視神経線維束シミュレーションを
呼出し、マリオット盲点中心と黄斑部とを結ぶ線を横軸
とし、マリオット盲点中心を中心に横軸と直交する線を
縦軸として、座標系を設定する。
【0157】そしてS8では図30に示す様に、各視神
経線維束乳頭内角度θ方向の視神経と視野データを対応
させる。更にS9では、視神経線維束の連続的欠損度を
計算する。ここで連続的欠損度を詳細に説明する。連続
的欠損度は、隣合う測定点の値が、どちらも視野欠損を
示す場合には、その相互の欠損の大きさに見合って正に
寄与する計算する計算式を採用し、視神経線維の配置に
沿って出現する測定点に対して順次計算して和を演算す
るものである。即ち、
【0158】連続的欠損度=シグマ(視野欠損(J、
θ)*視野欠損(J+1、θ)/((視野データ数−
1)*最大視野欠損*最大視野欠損))
【0159】但し、シグマは総和記号であり、θは各視
神経線維束乳頭内角度、Jは視神経線維に対応する視野
測定点の位置であり、視神経乳頭中心から遠方方向に順
に番号が付されている。また、連続的欠損度の他に平均
欠損度を用いても差し支えない。
【0160】以上の様に、視野から得られる視神経線維
の情報を対応する視神経線維束乳頭内角度θの情報に投
影することにより、視神経線維束乳頭内情報と突き合わ
せができ、統合的な緑内障解析を行うことができる。な
お視野測定は自覚検査であり、測定時間を要するため、
被測定者に対して長時間測定による苦痛を与える心配が
ある。そこで長時間測定からの苦痛を和らげるために測
定点の数を制限する場合が多くなっている。従って一つ
の視神経線維の配置に対する測定点は、更に小数にせざ
るを得ず、欠損が短い場合には、連続性の計算が荒くな
りすぎて対応が不可能となる場合がある。本実施例で
は、視神経線維をある程度まとめた「視神経線維バン
ド」モデルを導入し、このバンドに対応する視野測定点
数を増加させて密度を上げることにより、欠損が短い場
合にも対応可能な様に構成されている。
【0161】次にS10では、視神経視野欠損の解析で
使用した視神経線維束シミュレーションから、図30に
示す様な視神経線維束の配置を、バンドに予め区分した
設定を呼出し、更にS11では視野測定点を、S10で
呼び出されたバンド区分モデルに対して対応させる様に
なっている。
【0162】そしてS12では、S9と同様に視神経線
維束の連続的欠損度をバンド区分毎に計算する。なお連
続的欠損度は、隣合う測定点の値が、どちらも視野欠損
を示す場合には、その相互の欠損の大きさに見合って正
に寄与する計算する計算式を採用し、視神経線維の配置
に沿って出現する測定点に対して順次計算して和を演算
する様になっている。
【0163】連続的欠損度=シグマ(視野欠損(J、b
and)*視野欠損(J+1、band)/((視野デ
ータ数−1)*最大視野欠損*最大視野欠損))
【0164】但し、シグマは総和記号であり、band
は、視神経欠損の解析で使用した視神経線維束シミュレ
ーションの各視神経線維バンドを代表する視神経線維に
対応する視神経線維束乳頭内角度θに相当するものであ
る。そして、Jは視神経線維バンドに対応する視野測定
点の位置であり、視神経乳頭中心から遠方方向に順に番
号が付されている。また、連続的欠損度の他に平均欠損
度を用いても差し支えない。
【0165】以上の様にS12では、視神経線維束、視
神経線維バンドが連続的に欠損しているか否かの示唆度
を計算することができ、即ち、緑内障の示唆度を視野デ
ータから計算することができる。ここで視神経線維束等
の連続的な欠損の示唆度を連続欠損度VD(θ)とす
る。そしてS13では、S12で求めた視神経線維束、
視神経線維バンド毎の連続欠損情報や、この連続欠損情
報に対応する視神経線維束乳頭内角度θ等を緑内障の統
合解析を行うために保存し、S14に進んで処理を終了
する。
【0166】なおS9において、この視野の解析単独で
緑内障の解析が可能な様に、角度方向に離散的な視神経
線維束の連続的欠損度を、補間法を用いることにより角
度方向に連続的な視神経線維束の連続的欠損度に変換し
て出力することができる。
【0167】「F:自動統合解析ブロック」
【0168】次に本実施例の自動統合解析を図31に基
づいて説明する。
【0169】まずS1で処理を開始し、S2では蒼白部
自動解析ブロックから情報を入力する。即ち、視神経乳
頭角度θ毎の視神経乳頭中心ー視神経乳頭縁距離DD
(θ)、視神経乳頭中心ー蒼白部縁距離DP(θ)、D
D(θ)−DP(θ)、DP(θ)/DD(θ)を入力
する。
【0170】次にS3では、視神経乳頭縁血管屈曲度自
動解析ブロックから情報を入力する。即ち、視神経乳頭
縁に血管が存在する視神経乳頭角度θ毎の血管屈曲度V
C(θ)を呼び出して入力する様になっている。
【0171】更にS4では、視神経線維束欠損の自動解
析ブロックから情報を入力する。即ち、視神経乳頭角度
θ毎の視神経線維束欠損示唆度NFBD(θ)を呼び出
して入力する様になっている。
【0172】そしてS5では、視野の自動解析ブロック
から情報を入力する。即ち、視野測定点が存在する視神
経線維束の配置に対応する視神経乳頭角度θ毎の連続欠
損度や、呼び出される視神経線維束に対応する視神経乳
頭角度θ毎の連続欠損度VD(θ)を呼出し、入力する
様になっている。
【0173】次にS6では、S2からS5により入力さ
れた各種緑内障の示唆度データを図32に示す様に、視
神経乳頭角度θ毎に揃えて出力することにより、緑内障
示唆度のピーク方向の重なり程度から視神経線維束欠損
の方向を類推させることができる。図32では、緑内障
の症状が現れやすいビエルム領域(110度〜140
度、及び220度〜250度)近辺に視神経線維束欠損
があることが示されている。また、この重なったピーク
の広さから視神経線維束欠損の広がりの程度を類推させ
ることができる。更に、ピークの重なりの強度から視神
経線維束欠損の進行の程度を類推することができる。
【0174】即ち、多重でかつ、一般的に座標系の異な
る前述の示唆度データを、視神経乳頭角度θ毎の情報と
してコンピュータで一括処理して一元的に捉えることに
より、眼底写真では緑内障の可能性が若干見受けられる
が、視野検査では、ほどんど見受けられない場合でも、
視神経線維束欠損に代表される緑内障を統合的に把握す
ることができる。
【0175】また、眼科医が眼底写真を肉眼によって観
察した場合でも、視野検査結果のみによっても緑内障の
可能性が見受けられない場合であっても、眼底画像に画
像処理を施すことにより視神経線維束欠損に代表される
ような緑内障の影響を把握することができる場合があ
り、眼科医の緑内障の診断を支援することができる。な
お視野計は、一般的な自動視野計のみならず、緑内障の
検出用のフリッカー視野計や、青錐体視野計、コントラ
スト感度測定等と組み合わせたもの等を使用することが
できる。
【0176】そしてS7では、S6で得られた緑内障示
唆度のピーク方向の重なり程度、重なったピークの広さ
程度、ピークの重なりの強度程度を適宜の手法で自動的
に計算し、表示する様になっている。
【0177】(実施例の作用)
【0178】次に本実施例の緑内障解析装置1000の
作用を図33に基づいて説明する。まず緑内障解析装置
1000に、視野計2000と眼底カメラ3000を接
続する。
【0179】そしてS1で解析を開始し、演算処理装置
100はプログラム用メモリ200からプログラムを読
み込み、実行を開始する。次にS2では、眼底カメラ3
000から被検者の眼底画像を入力する。本実施例の眼
底カメラ3000は、CCDを使用した画像センサーが
採用されている。眼底カメラ3000の画像データは、
アナログ信号又はA/Dコンバータでディジタル化され
たディジタル信号により、緑内障解析装置1000に送
出される様に構成されている。
【0180】S2で画像データを入力した後、S3に進
み、S3では演算処理装置100が、眼底座標自動作成
ブロックを作動させる。眼底座標自動作成ブロックは、
図3に示す様に、視神経乳頭検出機能(図4)と黄斑検
出機能(図14)と眼底座標設定機能とを備えており、
演算処理装置100の特徴抽出部110を実行すること
により処理が行われる。そして演算結果は、データ用メ
モリ300に保存し記憶される様になっている。
【0181】次にS4では演算処理装置100が、蒼白
部自動解析ブロックを作動させる。蒼白部自動解析ブロ
ックは、図19に示す様な手法により蒼白部を検出し、
DD(θ)−DP(θ)、DP(θ)/DD(θ)、D
D(θ)、DP(θ)等をデータ用メモリ300に保存
し記憶する様になっている。
【0182】そしてS5では演算処理装置100が、視
神経乳頭縁血管屈曲度自動解析ブロックを作動させる。
視神経乳頭縁血管屈曲度自動解析ブロックは、図21に
示す様な手法により、視神経乳頭縁血管屈曲度を演算
し、視神経乳頭縁屈曲度VC(θ)等をデータ用メモリ
300に保存し記憶する様になっている。
【0183】更にS6では演算処理装置100が、視神
経線維束欠損の自動解析ブロックを作動させる。視神経
線維束欠損の自動解析ブロックは、図23に示す様な手
法により、視神経線維束欠損を検出する。視神経線維束
欠損の自動解析ブロックは、眼底座標自動作成ブロック
から視神経乳頭中心座標及び黄斑中心座標を読み込み、
視神経乳頭ー黄斑ラインを横軸とし、視神経乳頭中心で
横軸と直交するラインを縦軸とし、視神経乳頭ー黄斑距
離を基準長とする座標系を設定し、図24に示す様なH
oganにより示された視神経配置を座標上にシミュレ
ーションする様になっている。この座標系の設定は、所
定の視神経線維束の分布パターン、抽出された黄斑部位
置及び乳頭位置に基づき、眼底座標系を設定するための
眼底座標系設定部120により実行される。視神経線維
束欠損の自動解析ブロックで演算された視神経線維束欠
損示唆度NFBD(θ)等をデータ用メモリ300に保
存し記憶する様になっている。
【0184】そしてS7では、視野計2000から被検
者の視野データを入力する。本実施例の視野計2000
は自動視野計が採用されており、視野データが適宜のプ
ロトコルに従って緑内障解析装置1000と接続されて
いる。
【0185】次にS8では演算処理装置100が、視野
の自動解析ブロックを作動させる。視野の自動解析ブロ
ックは、図29に示す様な手法により、各視神経線維束
乳頭内角度θ方向の視神経と視野データを対応させ、視
神経線維束の連続的欠損度VD(θ)を演算する。演算
された連続的欠損度VD(θ)等は、データ用メモリ3
00に保存し記憶される。なお視野の自動解析ブロック
は、与えられる視野測定結果を眼底座標系に基づいて変
換するための視野データ変換部130に該当している。
【0186】なお、影響部分抽出部に相当する蒼白部自
動解析ブロックと視神経乳頭縁血管屈曲度自動解析ブロ
ックとが、眼底画像データから眼底疾患の影響による特
徴部分を抽出するための影響部分抽出部140に該当し
ている。
【0187】更にS9では演算処理装置100が、自動
統合解析ブロックを作動させる。自動統合解析ブロック
は、図31に示す様な手法により、各種緑内障の示唆度
データを図32に示す様に表示することができる。視神
経緑内障示唆度のピーク方向の重なり程度、重なったピ
ークの広さ程度、ピークの重なりの強度程度等を適宜の
手法で自動的に計算し、表示することもできるので、こ
れらの表示を読み取ることにより、眼科医は、緑内障の
状態、進行程度等を知ることができ、診断の支援を行う
ことができる。なお自動統合解析ブロックは、視野デー
タ及び特徴部分を眼底座標系に基づいて関連づけ、眼底
疾患を解析するための解析部150に該当するものであ
る。
【0188】そしてS10で緑内障解析装置1000で
の緑内障の解析を終了する。なお本発明は、緑内障の解
析に限定されるものでなく、その他の疾患や、緑内障と
の合併症等にも応用できる。
【0189】
【効果】以上の様に構成された本発明は、眼底座標系ま
たは被検者の視神経線維束の分布パターンに基づいて、
眼底疾患の影響部分(視神経線維束欠損)検出すること
ができるという効果がある。更に、眼底座標系または被
検者の視神経線維束の分布パターンに基づいて、複数の
眼底疾患の影響部分(蒼白部等のデータ、視神経乳頭縁
血管屈曲度、視神経線維束欠損など)と組み合わせて統
合的な緑内障に対する判断を行うことができ、眼科医の
緑内障診断を支援することができるという卓越した効果
がある。
【0190】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す図である。
【図2】本実施例の演算処理手段の構成を説明する図で
ある。
【図3】本実施例の眼底座標自動作成ブロックを説明す
る図である。
【図4】本実施例の視神経乳頭検出を説明する図であ
る。
【図5】本実施例の色利用による視神経乳頭の検出を説
明する図である。
【図6】本実施例で決定された視神経乳頭内を説明する
図である。
【図7】本実施例のプロファイルを説明する図である。
【図8】本実施例の乳頭縁による落ち込み量を説明する
図である。
【図9】本実施例のヒストグラムを説明する図である。
【図10】本実施例の血管を用いた視神経乳頭検出処理
を説明する図である。
【図11】縦血管を説明する図である。
【図12】本実施例の縦血管抽出処理を説明する図であ
る。
【図13】本実施例の線追跡を説明する図である。
【図14】本実施例の黄斑の検出を説明する図である。
【図15】本実施例の黄斑の検出におけるプロファイル
を説明する図である。
【図16】本実施例のしきい値直線を説明する図であ
る。
【図17】本実施例で検出された黄斑中央部を説明する
図である。
【図18】本実施例の眼底座標を説明する図である。
【図19】本実施例の蒼白部自動解析ブロックを説明す
る図である。
【図20】本実施例の蒼白部自動解析の結果出力を説明
する図である。
【図21】本実施例の視神経乳頭縁血管屈曲度自動解析
ブロックを説明する図である。
【図22】本実施例の視神経乳頭縁血管屈曲度を説明す
る図である。
【図23(a)】本実施例の視神経線維欠損の自動解析
ブロックを説明する図である。
【図23(b)】本実施例の視神経線維欠損の自動解析
ブロックを説明する図である。
【図24】本実施例の視神経配置のシミュレーションを
説明する図である。
【図25】縦軸に乳頭内角度、横軸に視神経線維束に沿
った距離を示す様に変換した原画像である。
【図26】本実施例の視神経配置のシミュレーションを
説明する図である。
【図27】乳頭内角度θと視神経線維束欠損示唆度NF
BD(θ)との関係を説明する図である。
【図28】視神経線維束欠損の解析結果を説明する図で
ある。
【図29】本実施例の視野の自動解析ブロックを説明す
る図である。
【図30】各視神経線維束乳頭内角度θ方向の視神経と
視野データとを対応させた状態を説明する図である。
【図31】本実施例の自動統合解析ブロックを説明する
図である。
【図32】本実施例の自動統合解析の結果出力を説明す
る図である。
【図33】本実施例の作用を説明する図である。
【図34(a)】視野データを示す図である。
【図34(b)】眼底画像を示す図である。
【図35】視野データと眼底画像とを合成して得られた
ものを説明する図である。 100 演算処理装置 110 特徴抽出部 120 眼底座標系設定部 130 視野データ変換部 140 影響部分抽出部 150 解析部 200 プログラム用メモリ 300 データ用メモリ 400 表示部 1000 緑内障解析装置 2000 視野計 3000 眼底カメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−257928(JP,A) 特開 平4−224730(JP,A) 特開 昭56−112223(JP,A) 特開 平6−154171(JP,A) 特開 平6−125876(JP,A) 特開 平5−3856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/10 - 3/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検者の眼底画像データから黄斑部位置
    及び乳頭位置を決定するための特徴抽出部と、抽出され
    た黄斑部位置及び乳頭位置に基づき、被検者の視神経線
    維束の分布パターンを形成するための視神経線維束の分
    布パターン形成部と、抽出された黄斑部位置及び乳頭位
    置並びに該視神経線維束の分布パターン形成部で求めら
    れた視神経線維束の分布パターンに基づき、眼底座標系
    を設定する眼底座標系設定部と、設定された眼底座標系
    に基づいて前記眼底画像データから眼底疾患による影響
    部分を抽出するための影響部分抽出部と、抽出された影
    響部分に基づいて眼底疾患を解析する解析部とから構成
    されている眼底疾患解析装置。
  2. 【請求項2】被検者の眼底画像データから黄斑部位置及
    び乳頭位置を決定するための特徴抽出部と、被検者の眼
    底画像データから抽出された黄斑部位置及び乳頭位置に
    基づいて、被検者の視神経線維束の分布パターンを形成
    する視神経線維束分布パターン形成部と、形成された視
    神経線維束の分布パターンに基づいて前記眼底画像デー
    タから眼底疾患による影響部分を抽出するための影響部
    分抽出部と、抽出された影響部分に基づいて眼底疾患を
    解析する解析部とから構成されている眼底疾患解析装
    置。
  3. 【請求項3】 前記影響部分抽出部は、視神経線維の方
    向に沿って前記眼底画像データを関連づけることによ
    り、視神経線維束欠損の影響部分を抽出するように構成
    されている請求項1又は2記載の眼底疾患解析装置。
  4. 【請求項4】 被検者の眼底画像データから黄斑部位置
    及び乳頭位置を決定するための特徴抽出部と、被検者の
    眼底画像データから抽出された黄斑部位置及び乳頭位置
    に基づいて、被検者の視神経線維束の分布パターンを形
    成する視神経線維束分布パターン形成部と、抽出された
    黄斑部位置及び乳頭位置並びに所定の視神経線維束の分
    布パターンに基づき、眼底座標系を設定する眼底座標系
    設定部と、前記眼底画像データから眼底疾患による影響
    部分を抽出するための影響部分抽出部と、前記影響部分
    抽出部で抽出された複数の影響部分を前記眼底座標系に
    基づいて関連づけて、眼底疾患を解析する解析部とから
    構成されている眼底疾患解析装置。
  5. 【請求項5】 被検者の眼底画像データから黄斑部位置
    及び乳頭位置を決定するための特徴抽出部と、被検者の
    眼底画像データから抽出された黄斑部位置及び乳頭位置
    に基づいて、被検者の視神経線維束の分布パターンを形
    成する視神経線維束分布パターン形成部と、前記眼底画
    像データから眼底疾患による影響部分を抽出するための
    影響部分抽出部と、前記影響部分抽出部で抽出された複
    数の影響部分を前記視神経線維束分布パターンに基づい
    て関連づけて眼底疾患を解析する解析部とから構成され
    ている眼底疾患解析装置。
  6. 【請求項6】 前記影響部分抽出部は、蒼白部の拡大方
    向、視神経乳頭縁血管屈曲度、視神経線維束の欠損部分
    を影響部分として抽出するもので、前記解析部は、これ
    らの影響部分についての関連づけを行うように構成され
    ている請求項1又は2記載の眼底疾患解析装置。
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