JP3507705B2 - 絶縁性接着フィルム - Google Patents

絶縁性接着フィルム

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JP3507705B2 JP21214298A JP21214298A JP3507705B2 JP 3507705 B2 JP3507705 B2 JP 3507705B2 JP 21214298 A JP21214298 A JP 21214298A JP 21214298 A JP21214298 A JP 21214298A JP 3507705 B2 JP3507705 B2 JP 3507705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶表示
装置(LCD)の表示パネル上にLSIチップを実装す
る際に用いられる絶縁性接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば小型のLCDパネルにおい
ては、ベアチップICを直接ガラス基板上に接続するC
OG(Chip On Glass)実装の実用化が進展している。この
COG実装の場合、例えば、絶縁性接着フィルムや、絶
縁性接着剤中に導電粒子を分散させた異方導電性接着フ
ィルムを用いてベアチップICをガラス基板上に固定し
て接続電極間を接続するようにしている。
【0003】ここで、ベアチップICの電極に接続用の
バンプが形成されていない場合には、異方導電性接着フ
ィルムを用いてベアチップICとガラス基板とを接続す
る必要があるが、ベアチップICの電極に接続用のバン
プが形成されている場合には、絶縁性接着フィルムを用
いてベアチップICをガラス基板上に固定することによ
り接続電極間を直接接続することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
絶縁性接着フィルムにあっては、熱圧着時において、絶
縁性接着フィルムと被着体との物性の相違によって熱的
及び機械的負荷が加わり、これによって絶縁性接着フィ
ルムに熱応力及び残留応力が発生するという問題があっ
た。
【0005】従来、このような絶縁性接着フィルムの内
部応力を低減するためには、バインダーに含まれるエポ
キシ樹脂やフェノキシ樹脂の配合量を変えることにより
行っていたが、この方法では熱圧着時の内部応力を十分
に低減させることができず、導通信頼性を向上させるこ
とが困難であった。
【0006】加えて、近年、ICチップが大型化する一
方で、ICチップを実装するガラス基板の厚さが薄くな
りつつある。このため、絶縁性接着フィルムを用いてベ
アチップICをガラス基板上に固定した場合には、上述
した内部応力によってガラス基板に反りが発生すること
があり、その結果、従来技術の場合はガラス基板におい
て表示部と実装部との間隔を十分に確保しなければなら
ず、また、ガラス基板に反りが生じない程度の十分な剛
性を確保しうる厚さにしなければならないという問題が
あった。
【0007】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、熱圧着の際の内部応力
を低減しうる絶縁性接着フィルムを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、絶縁性接着フ
ィルムの線膨張係数をICチップ等の被着体の線膨張係
数に対して近づけることによって当該絶縁性接着フィル
ムに生ずる内部応力を低減しうることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】かかる知見に基づいてなされた請求項1記
載の発明は、絶縁性接着剤中に無機粒子が混入されると
ともにゴム系の弾性粒子が分散され、前記無機粒子の平
均粒径が0.2〜2.0μmで、かつ、前記ゴム系の弾
性粒子が平均粒径が30〜500nmであり、当該絶縁
性接着剤によって接着される複数の被着体のうち、その
線膨張係数の小さい方と当該絶縁性接着フィルムとの線
膨張係数の差が、35×10-6・K-1以内であることを
特徴とする絶縁性接着フィルムである。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、無機粒子の添加量が、20〜70重
量%であることを特徴とする。
【0011】さらに、請求項3記載の発明は、絶縁性接
着剤によって接着され、かつ、電気的に接続される複数
の被着体からなる接続構造体であって、前記複数の被着
体の線膨張係数の小さい方と前記絶縁性接着剤との線膨
張係数の差が、35×10-6・K-1以内であり、前記絶
縁性接着剤中に平均粒径が0.2〜2.0μmの無機粒
子が混入されてなることを特徴とする接続構造体であ
る。
【0012】本発明によれば、熱圧着の際において、被
着体の伸びと絶縁性接着剤の伸びとがほぼ等しくなり、
その結果、絶縁性接着フィルムに生ずる内部応力を従来
技術の場合に比べて容易に小さくすることが可能にな
る。
【0013】そして、本発明によれば、接続電極間の確
実な電気的な接続を確保することが可能になる。
【0014】また、本発明によれば、熱圧着時に絶縁性
接着剤に外力が加わった場合に、ゴム系の弾性粒子が大
きく弾性変形することによって絶縁性接着剤の被着体と
の界面部分に生ずる熱応力及び残留応力が吸収されるた
め、絶縁性接着剤樹脂の弾性率の上昇を防ぐことができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る絶縁性接着フ
ィルムの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明に係る絶縁性接着フィル
ムの好ましい実施の形態を示すもので、図1(a)は、
熱圧着前の状態を示す構成図、図1(b)は、熱圧着後
の状態を示す構成図、図1(c)は、図1(b)の一点
鎖線Aで示す部分の作用を示す説明図である。
【0016】図1に示すように、本発明の絶縁性接着フ
ィルム1は、例えばLCDパネル2のITO(Indium T
in Oxide)電極3とLSIチップ(被着体)4のバンプ
5とを接続する際に用いられるもので、絶縁性接着剤樹
脂(絶縁性接着剤)6をフィルム状に形成してなるもの
である。
【0017】ここで、絶縁性接着剤樹脂6としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹
脂を主成分として、カップリング剤、硬化剤等を含むも
のなどを用いることができる。
【0018】ここで、絶縁性接着剤樹脂6の厚さは、接
続後の導通信頼性の確保及び製造工程における作業性の
観点から、10〜100μmとすることが好ましい。
【0019】また、絶縁性接着剤樹脂6は、硬化後の弾
性率が、後述するゴム粒子7の弾性率より大きいものを
用いるとよい。好ましい絶縁性接着剤樹脂6の弾性率
は、5×108〜1×1010Paである。
【0020】絶縁性接着剤樹脂6の弾性率が5×108
Paより小さいと、信頼性を確保するための耐熱性が劣
るという不都合があり、1×1010Paより大きいと、
絶縁性接着剤樹脂6の内部応力を十分に小さくすること
ができないという不都合がある。
【0021】また、絶縁性接着剤樹脂6のガラス転移温
度(Tg)は、100〜200℃であることが好まし
く、さらに好ましくは120〜190℃である。
【0022】絶縁性接着剤樹脂6のガラス転移温度が1
00℃より小さいと、絶縁性接着フィルム1の耐熱性が
低下するという不都合があり、200℃より大きいと、
絶縁性接着剤樹脂6に生ずる内部応力を十分に小さくす
ることが困難になるという不都合がある。
【0023】さらに、図示はしないが、この絶縁性接着
フィルム1は、剥離用の例えばポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム上に形成され、また、絶縁性接
着フィルム1の表面はカバーフィルムによって覆われて
いる。
【0024】一方、本発明においては、絶縁性接着フィ
ルム1と、被着体のうち線膨張係数が小さい方であるL
SIチップ4との間の線膨張係数の差が、35×10-6
・K-1以内となるように構成されている。
【0025】この場合、LSIチップ4との間の線膨張
係数の差を35×10-6・K-1以内とするためには、例
えば絶縁性接着剤樹脂6中に所定量の無機粒子8を混入
するとよい。
【0026】ここで、好ましい無機粒子8としては、例
えば、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ケイ素
(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ケイ素
(Si34)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム
(AlN)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)等か
らなるものがあげられる。
【0027】また、絶縁性接着剤中への無機粒子8の添
加量は、20〜70重量%であることが好ましく、さら
に好ましくは30〜60重量%である。
【0028】絶縁性接着剤中への無機粒子8の添加量が
20重量%より小さいと、被着体であるLSIチップ4
との間の線膨張係数の差を35×10-6・K-1以内とす
ることが困難になり、70重量%より大きいと、フィル
ムになりにくくなるという不都合がある。
【0029】一方、好ましい無機粒子8の平均粒径は、
0.2〜2.0μmであり、さらに好ましくは0.5〜
1.0μmである。
【0030】無機粒子8の平均粒径が0.2μmより小
さいと、絶縁性接着剤樹脂6への分散性が低下するとい
う不都合があり、2.0μmより大きいと、LSIチッ
プ4のバンプ5とLCDパネル2のITO電極3と間の
電気的な接続が低下するおそれがある。
【0031】また、本発明においてさらに絶縁性接着剤
樹脂6の内部応力を低下させるためには、絶縁性接着剤
樹脂6中にゴム系の弾性粒子(以下「ゴム粒子」とい
う。)8を所定量添加するとよい。
【0032】ここで、絶縁性接着剤樹脂6中へのゴム粒
子7の添加量は、1〜20重量%であることが好まし
く、さらに好ましくは2〜15重量%である。
【0033】絶縁性接着剤中へのゴム粒子7の添加量が
1重量%より小さいと、絶縁性接着剤樹脂6に生ずる内
部応力を十分に小さくすることができず、20重量%よ
り大きいと、粘度が上昇してフィルムになりにくくなる
という不都合がある。
【0034】ここで、ゴム粒子7としては、その弾性率
が硬化後の絶縁性接着剤樹脂6の弾性率より小さいもの
を用いるとよい。
【0035】好ましいゴム粒子7の弾性率は、1×10
7〜5×108Paであり、さらに好ましくは、5×10
7〜1×108Paである。
【0036】ゴム粒子7の弾性率が1×107より小さ
いと、接続信頼性が低下するという不都合があり、5×
108Paより大きいと、絶縁性接着剤樹脂6の内部応
力を十分に小さくすることができないという不都合があ
る。
【0037】また、ゴム粒子7のガラス転移温度は、−
100〜50℃であることが好ましく、さらに好ましく
は−80〜25℃である。
【0038】ゴム粒子7のガラス転移温度が−100℃
より低いと、絶縁性接着フィルム1の耐熱性が低下する
という不都合があり、50℃より高いと、絶縁性接着剤
樹脂6に生ずる内部応力を十分に小さくすることが困難
になるという不都合がある。
【0039】このようなゴム粒子7としては、例えば、
架橋ポリブタジエンゴム、カルボン酸変性アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、アクリルポリマーゴム、シリコ
ーンゴムからなるものがあげられる。
【0040】さらに、ゴム粒子7としては、核材に架橋
ポリブタジエンゴムやアクリルゴムを用い、この核材の
表面をアクリレート樹脂によって被覆したものを使用す
ることもできる。
【0041】また、好ましいゴム粒子7の平均粒径は、
30〜500nmであり、さらに好ましくは50〜30
0nmである。
【0042】絶縁性接着剤樹脂6の内部応力を小さくす
るためには添加するゴム粒子7の粒径が小さくその表面
積が大きい方が望ましいが、ゴム粒子7の平均粒径が3
0nmより小さいと、絶縁性接着剤樹脂6中において均
一に分散しにくくなるという不都合がある。
【0043】他方、ゴム粒子7の平均粒径が500nm
より大きいと、LSIチップ4のバンプ5とLCDパネ
ル2のITO電極3と間の電気的な接続が低下するおそ
れがある。
【0044】本発明の絶縁性接着フィルム1を作成する
には、まず、所定のエポキシ樹脂等を溶解させた溶液
に、ゴム粒子7、無機粒子8、硬化剤等を所定量加えて
混合し、バインダーペーストを調製する。
【0045】このバインダーペーストを例えばポリエス
テルフィルム等の剥離フィルム上にコーティングし、乾
燥後、カバーフィルムをラミネートして絶縁性接着フィ
ルム1を得る。
【0046】本発明の絶縁性接着フィルム1を用いて電
極間の接続を行う場合には、図1(a)(b)に示すよ
うに、例えばLCDパネル2側に絶縁性接着フィルム1
を貼付し、LSIチップ4の位置合わせ(仮接続)を行
った後に、所定の温度及び圧力で熱圧着を行い、LSI
チップ4のバンプ5とLCDパネル2のITO電極3と
を電気的に接続させた状態で絶縁性接着剤樹脂6を硬化
させる。
【0047】ところで、一般に、絶縁性接着フィルムの
接着界面に発生する内部応力σは、次の式(1)によって
算出しうることが知られている。
【0048】
【数1】
【0049】上述したように、本発明の絶縁性接着フィ
ルム1においては、絶縁性接着剤樹脂6中に無機粒子8
を混入することによって絶縁性接着フィルム1の線膨張
係数を低下させたことから、図1(c)及び式(1)から
明らかなように、熱圧着の際において、LSIチップ4
のひずみε1と絶縁性接着フィルム1のひずみε2とが
ほぼ等しくなり、その結果、絶縁性接着フィルム1に生
ずる内部応力σを従来技術の場合に比べて小さくするこ
とが可能になる。
【0050】さらに、絶縁性接着剤樹脂6中に絶縁性接
着剤樹脂6より弾性率の小さいゴム粒子7を分散すれ
ば、熱圧着の際にゴム粒子7が大きく弾性変形すること
によって絶縁性接着剤樹脂6の被着体との界面部分に生
ずる熱応力及び残留応力が吸収されるため、絶縁性接着
フィルム1の弾性率Eの上昇を防ぐことができる。
【0051】このように本発明によれば、熱圧着の際の
内部応力を小さくすることができることから、絶縁性接
着フィルム1の導通信頼性を向上させることができると
ともに、被着体として薄いガラス基板を用いた場合であ
っても、反りの発生を回避することができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明に係る絶縁性接着フィルムの実
施例を参考例及び比較例とともに詳細に説明する。
【0053】〔実施例1〕 まず、フェノキシ樹脂(東都化成社製 YP50)50
重量部、エポキシ樹脂(油化シェル社製 828)60
重量部、イミダゾール系硬化剤(旭化成社製HX394
1HP)70重量部、シランカップリング剤(日本ユニ
カー社製 A187)3.2重量部、無機粒子として平
均粒径1μmのSiO2粒子(龍森社製二酸化ケイ素)1
23.2重量部(40重量%)を、溶剤トルエンに溶解
して固形分50%の絶縁性接着剤樹脂、すなわち、バイ
ンダーペーストを調製する。
【0054】さらに、このバインダーペーストを剥離用
のPETフィルム上に乾燥後の厚みが40μmになるよ
うにコーティングし、絶縁性接着フィルムを得る。この
絶縁性接着フィルムを幅7.0mmのスリット状に切断
し、参考例のサンプルとした。
【0055】〔実施例2〕 SiO2粒子として平均粒径が0.2μmのものを用い、
ゴム粒子として平均粒径180nmの架橋ポリブタジエ
ン粒子(レジナス化成社製 RKB1003)3重量%
を加えた以外は実施例1と同様の方法によって絶縁性接
着フィルムのサンプルを作成した。
【0056】〔実施例3〕 架橋ポリブタジエン粒子として平均粒径が500nmの
ものを用い、その添加量を3重量%とした以外は実施例
2と同様の方法によって絶縁性接着フィルムのサンプル
を作成した。
【0057】〔実施例4〕 架橋ポリブタジエン粒子として平均粒径が180nmの
ものを用い、その添加量を10重量%とした以外は実施
例2と同様の方法によって絶縁性接着フィルムのサンプ
ルを作成した。
【0058】〔比較例1〕 SiO2粒子及びゴム粒子を添加せずにバインダー溶液を
調製した以外は参考例と同様の方法によって絶縁性接着
フィルムのサンプルを作成した。
【0059】〔比較例2〕 粒径5μmのSiO2粒子の添加量を50重量%とし、ゴ
ム粒子を添加せずにバインダー溶液を調製した以外は参
考例と同様の方法によって絶縁性接着フィルムのサンプ
ルを作成した。
【0060】〔参考例〕 SiO2粒子として平均粒径が0.2μmのものを10重
量%添加し、ゴム粒子を添加せずにバインダー溶液を調
製した以外は実施例2と同様の方法によって絶縁性接着
フィルムのサンプルを作成した。
【0061】〔比較例3〕 SiO2粒子を添加せず、平均粒径が180nmのゴム粒
子を2重量%添加した以外は実施例1と同様の方法によ
って絶縁性接着フィルムのサンプルを作成した。
【0062】〔比較例4〕 SiO2粒子を添加せず、平均粒径が180nmのゴム粒
子を12重量%添加した以外は実施例1と同様の方法に
よって絶縁性接着フィルムのサンプルを作成した。
【0063】<線膨張係数の測定> JIS K 7197に規定された方法により、上記実
施例及び比較例の絶縁性接着フィルム並びに後述するシ
リコンチップの線膨張係数を測定した。これにより得ら
れた実施例及び比較例の絶縁性接着フィルムとシリコン
チップとの線膨張係数の差を表1に示す。
【0064】<評価結果> 次に、上記実施例及び比較例を用い、以下の条件でピー
ル強度の測定及び温度サイクル試験並びに導通抵抗の評
価を行った。
【0065】〔ピール強度〕 ITO膜を蒸着によって形成したガラス基板(厚さ1m
m)と、幅12μm、ピッチ100μmの銅(Cu)パ
ターンを形成しパターン表面にニッケル−金(Ni−A
u)めっきを施したポリイミド基板(厚さ25μm)と
を、温度180℃、時間20秒、圧力30kgf/cm2
条件で熱圧着によって接続した。
【0066】そして、上記熱圧着したサンプルに対し、
引張速度50mm/minで上記パターンと水平方向に
引っ張り、その時の強度を引張試験機(オリエンテック
社製)で測定した。その結果を表1に示す。
【0067】〔温度サイクル試験〕 幅18μm、ピッチ150μmの銅(Cu)パターンを
形成しパターン表面にニッケル−金(Ni−Au)めっ
きを施したガラス−エポキシ基板(厚さ0.6mm)
と、サイズ110μm□、高さ20μmのめっきバンプ
を形成したサイズ6.3mm□のシリコンチップ(線膨
張係数=3×10-6・K-1)とを、温度180℃、時間
20秒、圧力250kgf/cm2の条件で熱圧着し、得ら
れたサンプルについて温度サイクル試験を行った。
【0068】この場合、温度サイクルは、−25℃/3
0分、125℃/30分を1サイクルとして、デイジー
テェーンでつないだ評価パターンの抵抗をリアルタイム
で記録し、50%の抵抗上昇が確認された回数を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0069】〔導通抵抗〕 ピール強度測定の際に、隣接する2つの端子間の抵抗を
4端子法で測定し、抵抗測定が問題なく行えるか否かで
端子間の接続が良好に行われているか否かを判断した。
また、温度サイクル試験の際に、デイジーテェーンでつ
ないだ評価パターンにおいて抵抗測定を問題なく行える
か否かで端部間の接続が良好に行われているか否かを判
断した。これらの結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1に示すように、SiO2粒子を40重量
%添加した実施例1は、シリコンチップとの線膨張係数
の差が35×10-6・K-1より小さく、ピール強度、耐
温度サイクル性ともに良好であり、また導通抵抗も問題
なかった。また、絶縁性接着剤樹脂にSiO2粒子及びゴ
ム粒子を添加した実施例2、実施例3及び実施例4は、
シリコンチップとの線膨張係数の差が35×10-6・K
-1より小さく、ピール強度、耐温度サイクル性ともに良
好であり、また導通抵抗も問題なかった。
【0072】一方、SiO2粒子及びゴム粒子を添加しな
い比較例1は、シリコンチップとの線膨張係数の差が3
5×10-6・K-1より大きくなり、耐温度サイクル性が
良くなかった。
【0073】また、粒径の大きな(5μm)SiO2粒子
を添加した比較例2は、シリコンチップとの線膨張係数
の差が35×10-6・K-1より小さかったが、ピール強
度測定の際に電極間の導通不良が発生した。
【0074】さらに、SiO2粒子を添加したがその添加
量が少ない(10重量%)参考例は、シリコンチップと
の線膨張係数の差が35×10-6・K-1より大きくな
り、耐温度サイクル性が良くなかった。
【0075】一方、SiO2粒子を添加せずゴム粒子のみ
を添加した比較例3及び比較例4についても、シリコン
チップとの線膨張係数の差が35×10-6・K-1以内に
ならなかった。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、熱圧
着の際の絶縁性接着剤の内部応力を小さくすることがで
き、これにより絶縁性接着フィルムの導通信頼性を向上
させることができる。また、本発明によれば、薄いガラ
ス基板等の被着体に対して反りの生じない絶縁性接着フ
ィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は、本発明に係る絶縁性接
着フィルムの好ましい実施の形態を示すもので、図1
(a)は、熱圧着前の状態を示す構成図、図1(b)
は、熱圧着後の状態を示す構成図、図1(c)は、図1
(b)の一点鎖線Aで示す部分の作用を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 絶縁性接着フィルム 2 LCDパネル(被着体) 3 ITO電極 4 LSIチップ(被着体) 5 バンプ 6 絶縁性接着剤樹脂(絶縁性接着剤) 7 ゴム系の弾性粒子 8 無機粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿久津 恭志 栃木県鹿沼市さつき町12−3 ソニーケ ミカル株式会社 第2工場内 (56)参考文献 特開 平10−50775(JP,A) 特開 平10−46114(JP,A) 特開 平8−127707(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/00 H01L 23/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性接着剤中に平均粒径が0.2〜2.
    0μmの無機粒子が混入され、 当該絶縁性接着剤によって接着され、かつ、電気的に接
    続される複数の被着体のうち、その線膨張係数の小さい
    方と当該絶縁性接着との線膨張係数の差が、35×10
    -6・K-1以内であることを特徴とする絶縁性接着フィル
    ム。
  2. 【請求項2】無機粒子の添加量が、20〜70重量%で
    あることを特徴とする請求項1記載の絶縁性接着フィル
    ム。
  3. 【請求項3】絶縁性接着剤によって接着され、かつ、電
    気的に接続される複数の被着体からなる接続構造体であ
    って、 前記複数の被着体の線膨張係数の小さい方と前記絶縁性
    接着剤との線膨張係数の差が、35×10-6・K-1以内
    であり、 前記絶縁性接着剤中に平均粒径が0.2〜2.0μmの
    無機粒子が混入されてなることを特徴とする接続構造
    体。
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