JP3505472B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

放射線測定装置

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JP3505472B2 JP2000144354A JP2000144354A JP3505472B2 JP 3505472 B2 JP3505472 B2 JP 3505472B2 JP 2000144354 A JP2000144354 A JP 2000144354A JP 2000144354 A JP2000144354 A JP 2000144354A JP 3505472 B2 JP3505472 B2 JP 3505472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線測定装置に関
し、特に複数の放射線測定ユニットを有し複数のサンプ
ルを測定可能な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体、動物、植物、排水、土壌などに含
まれる放射性物質の濃度や放射能を測定するために放射
線測定装置が利用される。例えば、容器内にサンプルが
収容された状態において、当該サンプルからの放射線を
検出する場合には、井戸型測定ユニット(ウエル型検出
器)が利用される。その井戸型測定ユニットは、サンプ
ル収容室としての空洞が形成された鉛遮蔽体や、サンプ
ル収容室内に収容されたサンプルからの放射線(あるい
はサンプルに混合されたシンチレータからの光)を検出
する検出器などを有する。井戸型測定ユニットの上部に
は受入口が形成され、その受入口を介してサンプルが挿
入され、また測定後のサンプルが取り出される。上記の
鉛遮蔽体は、環境放射線、宇宙線などのバックグランド
計数を低減するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の井戸型測定ユニットにおいては、上部の受
入口が特に隠蔽されておらず、外部に露出していた。こ
のため、その受入口を介した放射線の入射や漏洩という
問題が生じていた。
【0004】特に、複数の放射線測定ユニットを密集連
結し、所定シーケンスで順番にサンプルを個々の放射線
測定ユニットへ挿入して放射線の測定を遂行する場合に
は、サンプル測定中の放射線測定ユニットの上方を他の
サンプルが通過することになるので、クロストークの問
題を無視できない。
【0005】また、複数の受入口にそれぞれ個別的に開
閉遮蔽板を設けることも考えられるが、遮蔽板は一般に
重い鉛で構成されるために、駆動源の大型化、開閉機構
の重量化、更にはそれらを複数台設けることに伴う装置
規模の増大、装置コストの増大が危惧される。
【0006】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、複数の放射線測定ユニットの
測定精度を向上させることにある。
【0007】本発明の他の目的は、複数の放射線測定ユ
ニットの受入口を簡単な機構で選択的に遮蔽することに
ある。
【0008】本発明の他の目的は、十分な遮蔽と装置の
重量の軽減とを同時に達成することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、円周方向に沿って配列された複数の放射
線測定ユニットを含む放射線測定装置であって、前記各
放射線測定ユニットは、サンプルの受入口とそれに連通
するサンプル収容室とを有する遮蔽体と、前記サンプル
収容室に収容されたサンプルからの放射線を検出する検
出器と、を含み、前記複数の放射線測定ユニットの配列
中心を回転軸とする遮蔽円板が設けられ、前記遮蔽円板
は、前記複数の放射線測定ユニットの受入口の内で、当
該遮蔽円板の回転角度に従って選択された受入口だけを
露出させる開口部を有することを特徴とする。
【0010】上記構成によれば、複数の放射線測定ユニ
ットが円周方向に配列されてユニットアレイを構成し、
そのユニットアレイの上部に各放射線測定ユニット共通
の遮蔽円板が回転可能に設けられる。その遮蔽円板には
開口部が形成され、その開口部をいずれかのユニットの
受入口に合わせれば、その受入口を露出して、サンプル
収容室へのサンプルの挿入及びサンプル収容室からのサ
ンプルの取り出しを行える。遮蔽円板は各放射線測定ユ
ニット間で共用されているので、個別的に開閉遮蔽部材
を設ける場合に比べて、部品点数を少なくでき、また受
入口の開閉に伴う機構の複雑化を防止できる。サンプル
測定中の放射線ユニットについては、常に遮蔽円板によ
ってその受入口が覆われるので、当該放射線測定ユニッ
トの上方を他のサンプルが移動しても、クロストークに
よる問題を解消できる。よって、装置の機構を簡略化し
つつも測定精度を向上できる。
【0011】ちなみに、遮蔽体は各放射線測定ユニット
ごとに個別に設けることもできるが、望ましくは、各放
射線測定ユニット間に亘って一体化された遮蔽部材を利
用するのが望ましい。例えば、サンプル中に液体シンチ
レータが混入される場合には、それからの光を検出する
光電子増倍管で検出器を構成し、そうでない場合には固
体シンチレータと光電子増倍管とをもって検出器を構成
することができる。
【0012】望ましくは、前記開口部は、前記遮蔽円板
の縁から径方向に沿って形成されたU字型の溝である。
望ましくは、前記開口部は、前記遮蔽円盤の中央部まで
伸長している。かかる構成によれば、十分な遮蔽効果を
得つつも遮蔽材料の物量を削減し、コストダウン及び装
置の軽量化を図ることができる。
【0013】望ましくは、サンプル測定シーケンスに従
って前記遮蔽円盤の回転位置を制御する回転制御部を有
する。この構成によれば、例えば、1つの放射線測定ユ
ニットでサンプルの出し入れを行っている最中、他の複
数の放射線測定ユニットで同時に放射線の検出を行え
る。その場合、各放射線測定ユニットの測定開始時及び
測定終了時が段階的にずれることになる。
【0014】望ましくは、前記複数の放射線測定ユニッ
トは、特定方位を除く全方位にわたって均等配列され、
前記特定方位に前記開口部が位置決めされた場合に、前
記複数の放射線測定ユニットの受入口のすべてが前記遮
蔽円板によって隠蔽される。この構成によれば、特定方
位に開口部が位置する場合には、全放射線測定ユニット
で同時に放射線の測定が行われる。もちろん、そのよう
な特定方位を設定することなく、ユニットアレイを構成
することも可能である。測定時間やサンプル数などに応
じて、ユニットアレイの形態を適宜変更可能である。
【0015】望ましくは、前記各放射線測定ユニットが
有する遮蔽体がユニット間で一体化されて遮蔽部材を構
成し、前記遮蔽部材には前記特定方位に縦溝が形成され
る。この構成によれば、各放射線測定ユニットごとに遮
蔽体を設ける必要がなくなるので、製造時の組立工程を
簡略化できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0017】図1には、本発明に係る放射線測定装置の
好適な実施形態が示されており、図1はその要部構成を
示す斜視図である。
【0018】この放射線測定装置は、本実施形態におい
て、第1測定部10及び第2測定部11を有している。
それらの第1及び第2測定部10,11は互いに同一の
構成を有しており、以下、一方の測定部を代表して説明
することにする。
【0019】第1測定部10は、例えば図2に示される
ように、複数の測定ユニット18によって構成されてい
る。本実施形態では、5つの測定ユニット18によって
ユニットアレイが構成され、それが第1測定部10とさ
れている。各測定ユニット18ごとに遮蔽体を設けても
よいが、本実施形態においては、測定ユニット18間に
わたって遮蔽体が連結一体化されており、それが各図に
おいて遮蔽部材12,14として示されている。遮蔽部
材12は、図2に示すように、上面から見てC字型の形
態を有している。すなわち、その中央部が垂直方向に貫
通し、その貫通部分に連通した溝12A,14Aが形成
されている。
【0020】ここで、第1測定部においては、2つの遮
蔽部材12,14が用いられているが、さらにそれらを
一体化してもよい。
【0021】各測定ユニット18は、それぞれ個別的に
サンプルに対して放射線の測定を行うユニットである。
これについては後に詳述する。
【0022】第1測定部10における遮蔽部材12の上
側には遮蔽円板16が回転自在に設けられている。ちな
みに、図1〜図3においては、その遮蔽円板16を回転
駆動するための機構が図示省略されている。
【0023】この遮蔽円板16は、図示されるように、
縁から中央部まで伸長したU字型の開口部17を有して
いる。この開口部17がいずれかの測定ユニット18上
に位置決めされると、図2に示されるように、測定ユニ
ット18におけるサンプル受入口15がその開口部17
を介して露出する。よって、遮蔽円板16の回転角度に
よって、サンプルの出し入れを行うべき測定ユニット1
8を選択可能である。
【0024】本実施形態においては、上述のように遮蔽
円板16において、径方向に伸長した開口部17が形成
され、特に、遮蔽円板16の中央部を含めて開口部17
が形成されているため、外来放射線の遮蔽を十分に行い
つつも遮蔽部材の物量を削減できるという利点がある。
各遮蔽部材は鉛などによって構成されている。
【0025】ちなみに、図2の右側に示されるように、
開口部17が、測定部10に形成された縦溝の位置(特
定位置)に位置決めされると、遮蔽円板16によって全
ての測定ユニット18のサンプル受入口15が隠蔽され
る。すなわち、そのような角度においては、全測定ユニ
ット18において同時進行で放射線の測定が実行され
る。遮蔽円板16が段階的に回転しつつ測定ユニット1
8が選択され、その選択状態においてサンプルの交換が
行われるため、このようなシーケンスに則って、各測定
ユニット18における測定開始時間は段階的にずれる。
これに合わせて、後述のようにチューブ搬送機構や遮蔽
円板16の回転駆動機構が動作することになる。図1に
示されるように、各測定ユニット18の下側には遮蔽下
板30が設けられており、これによって、各測定ユニッ
ト18内のサンプル収容室がサンプル測定中に全方位的
に外部から遮蔽される。
【0026】図3には、そのようなサンプル収容室を具
体的に説明した図が示されている。この図3は図1に示
した第1測定部10及び第2測定部11を側面から見た
図である。サンプル収容室内には光電子増倍管(PM
T)26が設けられ、その上側にプラスチックなどで構
成されるホルダ22が設けられている。そのホルダ22
の内部には上方からサンプル容器24が差し込まれる。
ホルダ22にサンプル容器24がセットされた状態にお
いて測定ユニット18によってサンプル容器24内で発
生する放射線が検出される。具体的には、サンプル容器
24内で発生した放射線がウェル型シンチレータ25に
発光を生じさせ、その発光が光電子増倍管26にて受光
される。また、サンプル容器内に放射性液体と共に液体
シンチレータが混入されている場合には、放射性液体か
ら放射線が液体シンチレータに発光を生じさせ、その光
を光電子増倍管26にて受光し、放射線の検出を行うよ
うにしてもよい。もちろん、このような場合には、ウェ
ル型シンチレータ25は不要である。ちなみに、図1〜
図3には、いわゆる上方からサンプルを挿入するタイプ
の測定ユニットが示されていたが、下方からサンプルを
サンプル収容室内に挿入するタイプの放射線測定装置に
も本発明を適用可能である。その場合には図1などに示
した遮蔽円板16が測定部の下側に設けられることにな
る。
【0027】なお、図3において、符号12B及び14
Bはそれぞれ遮蔽部材12,14に設けられた貫通口を
示しており、それらによってサンプル収容室が形成され
ている。
【0028】図4には、本実施形態に係る放射線測定装
置の全体構成がブロック図で示されている。図1〜図3
には2つの測定部を表したが、図4には発明の説明ため
1つの測定部のみが概略的に表されている。
【0029】遮蔽部材12,14には、上述したように
縦溝12A及び14Aが形成されており、それらの縦溝
に回転軸40が挿通されている。この回転軸40は上端
及び下端がベアリング機構42,44によって回転自在
に保持されている。その回転軸40には支持板46が固
定されており、その支持板46上に図1等に示した遮蔽
円板16が固定的に配置されている。また、回転軸40
にはプーリ48が固定されており、そのプーリ48には
タイミングベルト50が巻回されている。また、そのタ
イミングベルト50は別のプーリ54にも巻回されてお
り、そのプーリ54はモータ軸52に連結されている。
よって、モーター56を動作させると、タイミングベル
ト50によってその回転が回転軸40の回転に転換され
ることになる。これによって遮蔽円板16を任意の角度
にて段階的に回転させることができる。
【0030】マニピュレータ58は、サンプル容器(チ
ューブ)24を掴んで搬送するための機構であり、その
マニピュレータ58はチューブ搬送機構60によって三
次元方向に自在に搬送される。ちなみに、サンプル収容
室はマニピュレータ58が有する複数のフィンガを差し
込むことができる程度の大きさを有している。
【0031】ラック搬送機構64は、図示されていない
テーブル上に載せられた複数のラックに対する搬送を行
うための機構である。各ラックには複数のサンプル容器
が起立保持されている。シーケンス制御部62は、放射
線測定装置の各構成の動作制御を行っているものであ
る。特に、モータ56、ラック搬送機構64、チューブ
搬送機構60の動作制御を行っている。更に後述する計
数部68及び演算部70の動作制御も行っている。信号
処理部66は、各測定ユニットから出力される検出信号
に対して増幅や波高弁別などの処理を行う回路である。
そこから出力される各測定ユニットごとの信号は計数部
68に入力され、各測定ユニットごとに放射線の計数値
が求められる。各計数値は演算部70に出力され、演算
部70においては放射線の線量や放射能などが各測定ユ
ニットごとに演算される。ちなみに、本実施形態におい
ては、放射線としてガンマ線が測定されているが、もち
ろん他の放射線の測定を行うようにしてもよい。測定結
果は表示部72に表示され、またこれと合わせて記憶部
74に記憶される。
【0032】上記の実施形態によれば、各測定部を構成
するユニットアレイに対して共通の遮蔽円板16を設け
てそれによって複数の測定ユニット間に跨ってサンプル
受入口の遮蔽を行ったので、シンプルな構成でありなが
ら各測定ユニットに対する確実な遮蔽を行うことができ
る。特に、ある測定ユニットにおいて測定を行っている
最中にその上方で他のサンプルを移動させてもクロスト
ークによる問題を効果的に防止できるという利点があ
る。また、各測定ユニットに対する有効な遮蔽を行いつ
つも、遮蔽部材としての鉛の使用量を極力削減したた
め、装置の軽量化を図れるという利点がある。
【0033】上記実施形態では、特定方位に縦溝12A
を形成するようにしたが、もちろん当該特定方位にも測
定ユニットを設けることが可能である。また、上記実施
形態ではユニットアレイが5つの測定ユニットで構成さ
れていたが、もちろんそれ以上あるいはそれ以下の測定
ユニットでユニットアレイを構成することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放射線の測定精度を向上できる。また、簡易な構成で効
果的な遮蔽を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る放射線測定装置の斜視図で
ある。
【図2】 本実施形態に係る放射線測定装置の上面図で
ある。
【図3】 本実施形態に係る放射線測定装置の側面図で
ある。
【図4】 本実施形態に係る放射線測定装置の全体構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
10 第1測定部、11 第2測定部、12,14 遮
蔽部材、15 サンプル受入口、16 遮蔽円板、17
開口部、18 測定ユニット、22 ホルダ、24
サンプル容器、26 光電子増倍管(PMT)、30
遮蔽下板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−62554(JP,A) 特開 昭63−144258(JP,A) 特開 昭62−44289(JP,A) 実開 平2−77668(JP,U) 実開 昭56−52282(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/00 G01T 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向に沿って配列された複数の放射
    線測定ユニットを含む放射線測定装置であって、 前記各放射線測定ユニットは、 サンプルの受入口とそれに連通するサンプル収容室とを
    有する遮蔽体と、 前記サンプル収容室に収容されたサンプルからの放射線
    を検出する検出器と、を含み、 前記複数の放射線測定ユニットの配列中心を回転軸とす
    る遮蔽円板が設けられ、 前記遮蔽円板は、前記複数の放射線測定ユニットの受入
    口の内で、当該遮蔽円板の回転角度に従って選択された
    受入口だけを露出させる開口部を有することを特徴とす
    る放射線測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記開口部は、前記遮蔽円板の縁から径方向に沿って形
    成されたU字型の溝であることを特徴とする放射線測定
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装置において、 前記開口部は、前記遮蔽円盤の中央部まで伸長している
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置において、 サンプル測定シーケンスに従って前記遮蔽円盤の回転位
    置を制御する回転制御部を有することを特徴とする放射
    線測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記複数の放射線測定ユニットは、特定方位を除く全方
    位にわたって均等配列され、 前記特定方位に前記開口部が位置決めされた場合に、前
    記複数の放射線測定ユニットの受入口のすべてが前記遮
    蔽円板によって隠蔽されることを特徴とする放射線測定
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の装置において、 前記各放射線測定ユニットの遮蔽体がユニット間で一体
    化されて遮蔽部材を構成し、 前記遮蔽部材には前記特定方位に縦溝が形成されたこと
    を特徴とする放射線測定装置。
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