JP3504184B2 - 毛髪保護剤 - Google Patents
毛髪保護剤Info
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Description
し、さらに詳しくは、ダメージ毛に対しても、べたつき
を与えることなく、かつ周囲の水分に対する抵抗力を高
め、かつ毛先の広がりに対する落ち着き効果を付与する
毛髪保護剤に関する。
ために毛髪をかみそりで削ぐ技術に加え、最近はヘアカ
ラーが一般化してきている。そのような処理を受けた毛
髪は手触りがパサツク状態になってしまうだけでなく、
毛先(毛髪の先端から2cmぐらいまでの部分)が広が
り、整髪しにくい状態に変化してしまう。
部分を電子顕微鏡で観察したところ、毛髪表面のキュー
ティクルが無い状態になっていることが判明した。この
ようにキューティクルが無い状態になった毛髪は、外気
中の水分の影響を受け、ねじれなどが生じて毛先が広が
り、整髪しにくい状況になってしまう。そのため、ヘア
リンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメントな
どの毛髪保護剤が使用されている。
分を多く配合して、毛髪全体に油性成分を付着させ、そ
の重さで毛先が広がるのを抑えるようにしているため、
毛髪がべたつくという問題があった。
な従来の毛髪保護剤の有する問題点を解決し、正常な毛
髪に対してはもとより、ダメージ毛に対しても、べたつ
きを与えることがなく、周囲の水分に対する抵抗力を高
め、かつ毛先の広がりに対する落ち着き効果を付与する
ことができる毛髪保護剤を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、毛髪保護剤にスク
ワランエマルションをスクワランとして0.02〜0.
3重量%含有させ、そのスクワランエマルションをスク
ワランとして0.02〜0.3重量%含有させて調製し
た毛髪保護剤で毛髪を処理するときは、正常な毛髪に対
してはもとより、ダメージ毛に対しても、べたつきを与
えることなく、周囲の水分に対する抵抗力を高め、かつ
毛先の広がりに対する落ち着き効果を付与できることを
見出し、本発明を完成するにいたった。
メカニズムについては、現在のところ必ずしも明確では
ないが、次のように推定される。すなわち、毛髪は、パ
ーマネントウエーブ処理やヘアカラーなどを繰り返す
と、ダメージを受け、そのダメージによって毛先部分の
キューティクルが無くなっている。その結果、毛先は根
元のようなキューティクルの存在する部分に比べて親水
性が強くなっている。そのため、毛髪処理剤全体として
は、毛髪に吸着されたシャンプーの活性剤に引き寄せら
れてキューティクルの存在する部分に吸着しようとする
が、スクワランエマルションは、それ自身に含まれてい
る活性剤の作用によって毛先の親水性部分にも吸着して
毛先部分の表面に水分の影響を受けにくい保護皮膜を形
成するので、それによって、ダメージ毛に対しても、周
囲の水分に対する抵抗力を高め、かつ毛先の広がりに対
する落ち着き効果を付与することができる。また、スク
ワランエマルションは流動パラフィンなどの油性成分に
比べてべたつきが少ないので、スクワランエマルション
量が適正な範囲内であれば、毛髪にべたつきを与えるこ
とがない。
有させるスクワランエマルションとしては、例えば、ス
クワランを10〜30重量%含有し、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテルなどのノニオン活性剤を用いて乳
化したものが好ましく、そのようなスクワランエマルシ
ョンの市販品としては、例えば、高松油脂(株)からマ
イルドフィニッシュ20Pなどの商品名で上市されてい
るものが挙げられる。このスクワランエマルションの毛
髪保護剤中の含有量(毛髪保護剤中へのスクワランエマ
ルションの配合量)としては、スクワランとして0.0
2〜0.3重量%であることが必要である。すなわち、
スクワランエマルションの毛髪保護剤中の含有量が上記
範囲より少ない場合は、毛髪の周囲の水分に対する抵抗
力を高める作用や毛先の広がりに対する落ち着き効果を
付与する作用が低下し、スクワランエマルションの毛髪
保護剤中の含有量が上記範囲より多い場合は、毛髪にべ
たつきを与えることになる。
ンを毛髪保護剤に含有させていることによって、毛髪、
特に毛先部分の周囲の水分に対する抵抗力を高め、かつ
毛先の広がりに対する落ち着き効果を付与することがで
きるが、スクワランをエマルションにせず、スクワラン
をそのまま投入して毛髪保護剤を調製した場合には、上
記のような効果を奏し得ない。これは、スクワランをそ
のまま投入して調製した毛髪保護剤では、毛髪に使用し
たときに、スクワランが毛髪、特に毛先部分の内部に浸
透して毛先部分の表面にスクワランによる保護皮膜を形
成することがないからである。これに対し、本発明の毛
髪保護剤のように、スクワランをエマルションにし、そ
のスクワランエマルションを用いて毛髪保護剤を調製し
た場合には、該毛髪保護剤で毛髪を処理したときにスク
ワランエマルションが(つまり、スクワランがエマルシ
ョン中の他の成分と共に)毛先部分の表面に保護皮膜を
形成し、それによって、上記のような効果を奏し得るよ
うになるものと考えられる。
ワランエマルションをスクワランとして0.02〜0.
3重量%含有させることによって調製されるが、その調
製は従来の毛髪保護剤の調製方法とほぼ同様の方法によ
って行うことができる。
た液に上記スクワランエマルションをスクワランとして
0.02〜0.3重量%を添加し混合することによって
調製されるが、それ以外にもそれらの効果を損なわない
範囲で他の成分を適宜添加できる。
チオン活性剤、ノニオン活性剤、油性成分、湿潤剤、防
腐剤、キレート剤、香料、着色料などが挙げられる。
れることはないが、上記カチオン活性剤としては、例え
ば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘ
ニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルア
ンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムなどの
アルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム
塩、あるいはアミン塩などが好適に用いられ、ノニオン
活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール
エーテル型非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコー
ルエステル型非イオン界面活性剤などが好適に用いら
れ、油性成分としては、例えば、油脂、炭化水素、エス
テル類、シリコーン、高級アルコールなどが好適に用い
られ、湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトー
ル、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン
酸などが好適に用いられ、防腐剤としては、例えば、パ
ラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピ
ル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどが
好適に用いられる。
柔軟性やすべり性を充分に付与できるようにするには、
上記スクワランエマルションと共に、塩化アルキルトリ
メチルアンモニウムとセタノールを含有させることが好
ましい。上記塩化アルキルトリメチルアンモニウムとし
ては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチル
トリメチルアンモニウムなどが挙げられ、この塩化アル
キルトリメチルアンモニウムの毛髪保護剤中の含有量
(毛髪保護剤中への塩化アルキルトリメチルアンモニウ
ムの配合量)としては純分で0.1〜6重量%、特に
0.5〜4重量%が好ましく、セタノールの毛髪保護剤
中の含有量(毛髪保護剤中へのセタノールの配合量)と
しては3〜10重量%、特に5〜8重量%が好ましい。
後の毛髪に対して使用されるが、そのシャンプーに関し
ては、特に制限はない。
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、以下の実施例などにおい
て、濃度を示す%は重量%である。
髪保護剤を調製した。なお、表中に示す各成分の配合量
を示す数値の単位は重量部である。また、配合する成分
で純分で無いものについては、その濃度を成分名の末尾
にカッコ(括弧)書きで示す。そして、精製水の配合量
を示す「残余」とはその精製水を加えることにより全体
の量を100重量部にする量をいう。これらは以後の組
成を示す表において同様である。
たって、スクワランエマルションを用いるが、そのスク
ワランエマルションは、スクワランを20%含有する高
松油脂(株)製のマイルドフィニッシュ20P(商品
名)である。
比較例1〜3の毛髪保護剤を用いて洗髪後の毛髪を処理
し、その処理後の毛髪の周囲の水分に対する抵抗力、毛
先の広がりに対する落ち着き効果、べたつきについて調
べた。毛髪の周囲に水分に対する抵抗力の評価結果を表
2に示し、毛先の広がりに対する落ち着き効果の評価結
果を表3に示し、べたつきの評価結果を表4に示す。な
お、上記処理にあたって毛髪は毛束にしたので、その使
用した毛束の詳細ならびに上記毛髪の周囲の水分に対す
る抵抗力の評価方法、毛先の広がりに対する落ち着き効
果の評価方法、べたつきの評価方法を以下に示す。
長さ25cm、重さ50gの毛束(この毛束は一端を糸
で縛り、他端を自由にしている関係で、自由端側が若干
広がっている)を5%ポリオキシエチレン(9E.
O.)ラウリルエーテル水溶液(ただし、EDTA−N
aを25mM含有させている)で洗浄した後、過酸化水
素系のブリーチ剤でブリーチ処理し、ついで、毛束をチ
オグリコール酸系のパーマネントウエーブ剤でウエーブ
処理した。
チ処理およびそれに続くウエーブ処理によってダメージ
を受け、例えば、周囲の水分の影響を受けて膨潤し、水
分量が増えやすくなり、また、上記ウエーブ処理によっ
て自由端の広がりが大きくなり、固定端から自由端に向
かってスカート状に広がっている。また、ブリーチ処理
およびそれに続くウエーブ処理を行わなかった毛束を
「未処理毛束」とし、その「未処理毛束」を構成する毛
髪を「未処理毛」とする。
束1本当たり5g用い、市販のシャンプーで洗髪後の毛
束に塗付し、毛束に充分なじませた後、水洗、乾燥す
る。また、毛髪保護剤による処理を行わなかった毛束を
「ダメージ毛束未施術」とし、その「ダメージ毛束未施
術」を構成する毛髪を「ダメージ毛未施術」とする。
剤による処理後の毛束の一部を一定の湿度に調整した雰
囲気中に保存した時の水分量と、同様に一定の湿度に調
整した雰囲気中に保存した未処理毛束(ブリーチ処理お
よびそれに続くウエーブ処理を行わなかった毛束)の水
分量とから水分変化率を求め、その水分変化率によっ
て、毛髪の周囲の水分の対する抵抗力を評価し、その結
果を表2に示す。
毛束の一部と未処理毛束の一部を25℃、相対湿度60
%の雰囲気中に72時間保存して調湿した後、カールフ
ィッシャー法により190℃で1分間加熱して気化させ
た水分量を測定し、下記の式により水分変化率を求め
る。
値が小さいほど、毛髪の「周囲の水分に対する抵抗力」
が優れている。
毛髪保護剤による処理後の毛束を、専門評価者10名に
より、毛先の広がりに対する落ち着き効果について評価
した。その結果を表3に示す。評価はダメージ毛未施術
の落ち着いていない状態を0とし、最も落ち着いている
ものを5とし、その間の状態のものを4、3、2、1の
いずれかに評価させ、その評価結果を10名の平均値
(ただし、小数点以下は四捨五入)で表示する。
毛束を、専門評価者10名により、べたつきについて評
価した。その結果を表4に示す。評価はダメージ毛未施
術を0とし、毛髪保護剤による処理によりべたつきが増
えたものは+(プラス)評価にし、その程度に応じて、
+2、+1とし、毛髪保護剤による処理によりべたつき
が少なくなったものを−(マイナス)評価にし、その程
度に応じて−2、−1として評価させ、その評価結果を
10名の平均値(ただし、小数点以下は四捨五入)で表
示する。
かなように、実施例1〜2の毛髪保護剤で処理した毛髪
は、周囲の水分に対する抵抗力および毛先の広がりに対
する落ち着き効果の評価値が高く、しかも処理によるべ
たつきの増加がなかった。すなわち、スクワランエマル
ションをスクワランとして0.02〜0.3重量%含有
させた実施例1〜2の毛髪保護剤は、ダメージ毛に対し
ても、べたつきを与えることなく、周囲の水分に対する
抵抗力を高めさせ、かつ毛先の広がりに対する落ち着き
効果を付与することができた。
スクワランエマルションを含有していないので、周囲の
水分に対する抵抗力を高める作用や毛先の広がりに対す
る落ち着き効果を付与する作用が小さかった。また、比
較例2の毛髪保護剤は、スクワランエマルションに代え
てスクワランそのものを含有させているが、そのスクワ
ランが毛髪の周囲の水分に対する抵抗力を高めたり、毛
先の広がりに対する落ち着き効果を付与するのに寄与せ
ず、比較例1と同様に毛髪の周囲の水分に対する抵抗力
を高める作用や毛先の広がりに対する落ち着き効果を付
与する作用が小さかった。
フィンを油性成分として含有させることにより、毛髪の
周囲の水分に対する抵抗力や毛先の広がりに対する落ち
着き効果を高めたものであるため、それらの点に関して
は、効果の向上がみられるものの、毛髪にべたつきを与
え、毛髪がべたつくようになった。
を調製した。上記実施例3の毛髪保護剤の調製にあたっ
てはスクワランエマルションを用いるが、そのスクワラ
ンエマルションは、実施例1で用いたものと同様に、ス
クワランを20重量%含有する高松油脂(株)製のマイ
ルドフィニッシュ20P(商品名)である。
例4の毛髪保護剤を用い、市販のシャンプーで洗浄後の
毛束(実施例1と同様のダメージ毛で構成される毛束)
に対して、実施例1の場合と同様に処理し、その処理後
の毛髪の周囲の水分に対する抵抗力、毛先の広がりに対
する落ち着き効果、べたつきについて実施例1と同様に
調べた。ただし、毛先の広がりに対する落ち着き効果、
べたつきに関しては、専門評価者10名に、実施例3と
比較例4を前記比較例1〜3との間で評価させた。毛髪
の周囲の水分に対する抵抗力の評価結果を表6に示し、
毛先の広がりに対する落ち着き効果の評価結果を表7に
示し、べたつきの評価結果を表8に示す。
髪の柔軟性、すべり性についても評価を行った。それら
の評価方法は次に示す通りである。
束を、専門評価者10名により、柔軟性について評価し
た。その結果を表8に示す。評価はダメージ毛未施術を
0とし、毛髪保護剤による処理により柔軟性が向上した
ものを+(プラス)評価にし、その程度に応じて、+
2、+1とし、毛髪保護剤による処理により柔軟性が低
下したものを−(マイナス)評価にし、その程度に応じ
て、−2、−1として評価させ、その評価結果を10名
の平均値(ただし、小数点以下は四捨五入)で表示す
る。
毛束を、専門評価者10名により、すべり性について評
価した。その結果を表8に示す。評価はダメージ毛未施
術を0とし、毛髪保護剤による処理によりすべり性が向
上したものを+(プラス)評価にし、その程度に応じ
て、+2、+1とし、毛髪保護剤による処理によりすべ
り性が低下したものを−(マイナス)評価にし、その程
度に応じて−2、−1として評価させ、その評価結果を
10名の平均値(ただし、小数点以下は四捨五入)で表
示する。
うに、実施例3の毛髪保護剤は、ダメージ毛に対して
も、周囲の水分に対する抵抗力を高め、かつ毛先の広が
りに対する落ち着き効果を付与することができた。ま
た、表8に示す結果から明らかなように、実施例3の毛
髪保護剤は、毛髪にべたつきを与えることなく、毛髪の
柔軟性やすべり性を向上させることができた。これに対
して、比較例4の毛髪保護剤は、実施例3の毛髪保護剤
と同様に塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムとセタノ
ールを含有させているので、毛髪の柔軟性やすべり性を
向上させることができるものの、スクワランエマルショ
ンを含有させていないので、毛髪の周囲の水分に対する
抵抗力を高める作用や毛先の広がりに対する落ち着き効
果を付与する作用が小さかった。
ージ毛に対しても、べたつきを与えることなく、周囲の
水分に対する抵抗力を高め、かつ毛先の広がりに対する
落ち着き効果を付与することができる毛髪保護剤を提供
することができた。
Claims (2)
- 【請求項1】 スクワランエマルションをスクワランと
して0.02〜0.3重量%含有することを特徴とする
毛髪保護剤。 - 【請求項2】 塩化アルキルトリメチルアンモニウムを
純分で0.1〜5重量%含有し、セタノールを3〜10
重量%含有する請求項1記載の毛髪保護剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13368099A JP3504184B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 毛髪保護剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13368099A JP3504184B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 毛髪保護剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000319141A JP2000319141A (ja) | 2000-11-21 |
JP3504184B2 true JP3504184B2 (ja) | 2004-03-08 |
Family
ID=15110380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13368099A Expired - Lifetime JP3504184B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 毛髪保護剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3504184B2 (ja) |
-
1999
- 1999-05-14 JP JP13368099A patent/JP3504184B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000319141A (ja) | 2000-11-21 |
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