【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピロリジン誘導体を工
業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコールを酸化させてアルデヒドを選
択的に合成する反応は、有機合成上極めて重要な反応で
あり数多くの方法が知られている。それらの中でも、水
及び水と相溶性のない有機溶媒中、ニトロキシル化合物
を触媒とし、次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤として用い
る方法が、重金属廃液或いは有毒ガスを排出することな
く、温和な条件下で反応が進行するため近年注目を集め
ている(テトラヘドロン・レターズ(Tetrahed
ron Letters)33巻、35号、5029−
5032貢、1992年)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、下記一般式(I)
【0004】
【化3】
【0005】で示されるアルコール化合物に、上記酸化
方法を適用したところ、下記一般式(II)
【0006】
【化4】
【0007】で示されるピロリジン誘導体を充分な収率
で得るには至らなかった。特に、反応時の液中の次亜塩
素酸ナトリウムの濃度が高くなると、副生成物の生成が
顕著となり収率の低下が激しくなった。
【0008】このため、例えば該酸化方法は、アルコー
ル化合物及びニトロキシル化合物を仕込んだ溶液に、次
亜塩素酸ナトリウムの水溶液を滴下することで反応を実
施するのが一般的であるが、この場合、滴下する次亜塩
素酸ナトリウム水溶液の濃度を3重量%以上に高める
と、滴下時の反応媒体中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度
が高くなり過ぎ、上記収率の低下が大きく発生する。従
って、かかる方法では、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は
低濃度のものを多量に用いなければならず、そのため1
回の反応あたりのアルコール化合物の仕込濃度も大きく
できない問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討した結果、上記酸化反応を、水
及び水と相溶性のある有機溶媒の混合溶媒中で行えば収
率が向上し、酸化剤として用いる次亜ハロゲン酸塩の濃
度を飛躍的に高めることが可能となることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、下記一般式(I)
【0011】
【化5】
【0012】(但し、R1は水酸基の保護基、R2はアミ
ノ基の保護基を示す。)で示されるアルコール化合物
を、水及び水と相溶性のある有機溶媒の混合溶媒中で、
次亜ハロゲン酸塩及びニトロキシル化合物の存在下で酸
化することを特徴とする下記一般式(II)
【0013】
【化6】
【0014】(但し、R1及びR2は上記と同じであ
る。)で示されるピロリジン誘導体の製造方法である。
【0015】上記一般式(I)中のR1で示される水酸
基の保護基は、一般に使用される水酸基の保護基を何等
制限なく用いることができる。具体的に例示すると、メ
チル基、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−
ブチル基等のアルキル基;メトキシメチル基、メチルチ
オメチル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロ
ピラニル基、1−エトキシエチル基等の置換アルキル
基;トリフェニルメチル基、ベンジル基、フェニル基、
トルイル基等のアリール基;トリメチルシリル基、t−
ブチルジメチルシリル基等の置換シリル基;カルボキシ
メチル基、カルボキシ−2−プロピル基等のカルボキシ
アルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカル
ボニル基等のアルコキシカルボニル基;ホルミル基、ア
セチル基、プロピオニル基等のアシル基等を挙げること
ができる。これらの中でも特に保護及び脱保護反応の容
易さから、置換シリル基、アルコキシカルボニル基、ア
リール基を好適に採用することができる。
【0016】上記一般式(I)中のR2で示されるアミ
ノ基の保護基は、一般に使用されるアミノ基の保護基を
何等制限なく用いることができる。具体的に例示する
と、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基等のアシ
ル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル
基等のアルコキシカルボニル基;メトキシアセチル基、
メトキシプロピオニル基等のアルコキシアルキルカルボ
ニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオ
キシカルボニル基;p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル基等の置換アラルキルオキシカルボニル基等を挙げる
ことができる。これらの中でも特に保護反応の簡便さ、
及び脱保護後の精製の容易さを考慮すると、アルコキシ
カルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等を好適
に採用することができる。
【0017】上記一般式(I)で示されるアルコール化
合物として、本発明において好適に使用される化合物を
具体的に例示すると、1−アセチル−4−メトキシ−2
−ヒドロキシメチルピロリジン、1−アセチル−4−エ
トキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−アセチ
ル−4−t−ブトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジ
ン、1−アセチル−4−メトキシメトキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−アセチル−4−トリフェニ
ルメチルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1
−アセチル−4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシメチ
ルピロリジン、1−アセチル−4−トリメチルシリルオ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−アセチル
−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヒドロキ
シメチルピロリジン、1−アセチル−4−カルボキシメ
チルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−ア
セチル−4−t−ブトキシカルボニルオキシ−2−ヒド
ロキシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル
−4−メトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1
−t−ブトキシカルボニル−4−エトキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−
4−n−ブトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、
1−t−ブトキシカルボニル−4−i−ブトキシ−2−
ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボ
ニル−4−t−ブトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリ
ジン、1−t−ブトキシカルボニル−4−メトキシメト
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−ブト
キシカルボニル−4−メチルチオメトキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−
4−トリフェニルメチルオキシ−2−ヒドロキシメチル
ピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−4−ベンジ
ルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−
ブトキシカルボニル−4−フェニルオキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−
4−トリメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチルピ
ロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリ
ジン、1−t−ブトキシカルボニル−4−カルボキシメ
チルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t
−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキシカルボニルオ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−ブト
キシカルボニル−4−メトキシカルボニルオキシ−2−
ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボ
ニル−4−エトキシカルボニルオキシ−2−ヒドロキシ
メチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−4−
ホルミルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1
−t−ブトキシカルボニル−4−アセトキシ−2−ヒド
ロキシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル
−4−プロピオニルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロ
リジン、1−メトキシカルボニル−4−メトキシ−2−
ヒドロキシメチルピロリジン、1−エトキシカルボニル
−4−t−ブトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジ
ン、1−メトキシカルボニル−4−トリメチルシリルオ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−メトキシ
カルボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2
−ヒドロキシメチルピロリジン、1−エトキシカルボニ
ル−4−トリメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチ
ルピロリジン、1−エトキシカルボニル−4−t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリ
ジン、1−i−プロポキシカルボニル−4−トリメチル
シリルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−
i−プロポキシカルボニル−4−t−ブチルジメチルシ
リルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−ベ
ンジルオキシカルボニル−4−メトキシ−2−ヒドロキ
シメチルピロリジン、1−ベンジルオキシカルボニル−
4−エトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−
ベンジルオキシカルボニル−4−t−ブトキシ−2−ヒ
ドロキシメチルピロリジン、1−ベンジルオキシカルボ
ニル−4−メトキシメトキシ−2−ヒドロキシメチルピ
ロリジン、1−ベンジルオキシカルボニル−4−トリフ
ェニルメチルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジ
ン、1−ベンジルオキシカルボニル−4−ベンジルオキ
シ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−ベンジルオ
キシカルボニル−4−トリメチルシリルオキシ−2−ヒ
ドロキシメチルピロリジン、1−ベンジルオキシカルボ
ニル−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヒド
ロキシメチルピロリジン、1−ベンジルオキシカルボニ
ル−4−カルボキシメチルオキシ−2−ヒドロキシメチ
ルピロリジン、1−p−ニトロベンジルオキシ−4−メ
トキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−p−ニ
トロベンジルオキシ−4−エトキシ−2−ヒドロキシメ
チルピロリジン、1−p−ニトロベンジルオキシ−4−
t−ブトキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−
p−ニトロベンジルオキシ−4−メトキシメトキシ−2
−ヒドロキシメチルピロリジン、1−p−ニトロベンジ
ルオキシ−4−トリフェニルメチルオキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−p−ニトロベンジルオキシ
−4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジ
ン、1−p−ニトロベンジルオキシ−4−トリメチルシ
リルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−p
−ニトロベンジルオキシ−4−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−p−
ニトロベンジルオキシ−4−カルボキシメチルオキシ−
2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−p−ニトロベン
ジルオキシ−4−メトキシアセチルオキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン等を挙げることができる。これら
の化合物の中でも特に、1−t−ブトキシカルボニル−
4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジ
ン、1−t−ブトキシカルボニル−4−トリメチルシリ
ルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−
ブトキシカルボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−ブト
キシカルボニル−4−t−ブトキシカルボニルオキシ−
2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカ
ルボニル−4−メトキシカルボニルオキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−t−ブトキシカルボニル−
4−エトキシカルボニルオキシ−2−ヒドロキシメチル
ピロリジン、1−メトキシカルボニル−4−トリメチル
シリルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−
メトキシカルボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−エトキシ
カルボニル−4−トリメチルシリルオキシ−2−ヒドロ
キシメチルピロリジン、1−エトキシカルボニル−4−
t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチ
ルピロリジン、1−ベンジルオキシカルボニル−4−ト
リフェニルメチルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロリ
ジン、1−ベンジルオキシカルボニル−4−ベンジルオ
キシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、1−ベンジル
オキシカルボニル−4−トリメチルシリルオキシ−2−
ヒドロキシメチルピロリジン、1−ベンジルオキシカル
ボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヒ
ドロキシメチルピロリジン等が、本発明において有効で
ある。また、これらの化合物は全てピロリジン環の2位
及び4位に不斉炭素を有するが、本発明は、立体配置に
は全く制限されることなく適用できる。
【0018】本発明に於いて使用される次亜ハロゲン酸
塩としては、通常の次亜ハロゲン酸塩が何等制限なく用
いることができる。その次亜ハロゲン酸塩を具体的に例
示すると、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ストロンチウ
ム、次亜塩素酸バリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜
臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、次亜臭素酸ス
トロンチウム、次亜臭素酸バリウム、亜臭素酸ナトリウ
ム等を挙げることができる。これらの中でも経済性等を
考慮すると次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウ
ムが好適に使用できる。
【0019】これらの次亜ハロゲン酸塩は、水と相溶性
のある有機溶媒と混合して反応系に加えてもよいが、水
溶液の状態で滴下するのが一般的である。その場合、次
亜ハロゲン酸塩の使用濃度としては、特に制限されるも
のではないが、本発明では、3重量%以上の濃度として
も良好な収率が維持できるため、該高い濃度で実施する
のが好ましい。1回の反応当たりのピロリジン誘導体の
生成量や副生成物の副生等を勘案すると、10〜70
%、更には15〜60%の範囲であることが好適であ
る。また、その使用量としては、一般式(I)で示され
るアルコール化合物に対して等量以上であれば何等制限
なく用いることができるが、一回の反応あたりの生成量
や副生成物の量を勘案すると、上記一般式(I)で示さ
れるアルコール化合物に対して1〜10倍等量、更には
1〜5倍当量の範囲であることが好ましい。
【0020】次に、本発明では、反応を円滑に進行させ
るため、ニトロキシル化合物を触媒として使用する。本
発明に於いて好適に使用されるニトロキシル化合物とし
ては、何等制限されるものではないが具体的に例示する
と、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オ
キシル(以下TEMPOと略す。)、2,2,6,6−
テトラメチル−4−メトキシピペリジン−1−オキシル
(以下TMMPOと略す。)、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−アセトアミドピペリジン−1−オキシル
(以下TMAPOと略す。)、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル(以下T
MOPOと略す。)、2,2,6,6−テトラメチル−
4−ベンジルピペリジン−1−オキシル(以下TMBP
Oと略す。)等を挙げることができる。
【0021】ニトロキシル化合物の使用量としては、反
応後のニトロキシル化合物の除去の手間と、十分な反応
速度を得ることを考慮すると、一般式(I)で示される
アルコール化合物に対して0.0001〜1倍当量、更
には0.0005〜0.8倍当量の範囲であることが好
ましい。
【0022】本発明は、上記反応を水及び水と相溶性の
ある有機溶媒の混合溶媒中で行うことが最大の特徴であ
る。ここで、上記水と相溶性のある有機溶媒は、水とい
かなる割合でも混合できるものをいう。こうした有機溶
媒を具体的に例示すると、アセトニトリル等のニトリル
類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類;t−ブチルアルコール、t−ア
シルアルコール等のアルコール類等を挙げることができ
る。これらの中でも、反応の進行の容易さ等から、アセ
トニトリル、及びアセトンが好適に使用される。混合溶
媒中における、水と相溶性のある有機溶媒の配合量は、
特に制限されるものではないが、通常は、30〜90重
量%の範囲から採択される。
【0023】本反応に於ける、反応系中pHとしては特
に制限されるものではないが、あまり酸性側に片寄ると
次亜ハロゲン酸塩が分解してハロゲンガスが発生し、塩
基性側に片寄ると反応速度が著しく低下するため、pH
を7.5〜11、更には8〜9.5に調整することが好
ましい。
【0024】本反応に於いて用いられるpH調整剤とし
ては、上記に示したpHに調整可能な有機塩、無機塩が
何等制限なく使用することができる。そのpH調整剤を
具体的に例示すると、有機塩類としては、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム等の酢酸塩を挙げることができる。無
機塩類としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
リチウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等のアルカリ
金属重炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物;リン酸水素二ナトリウム、リン
酸水素二カリウム等のリン酸塩を挙げることができる。
これらの有機塩、無機塩は上記に示したpHに調整可能
であれば単独で使用しても良いし、2種類以上の塩を混
合して用いても一向に差し支えない。
【0025】反応温度は、適当な反応速度を維持し、且
つ高温による副生成物の生成を防止するためには、−3
0〜70℃、更には−10〜50℃の範囲であることが
好ましい。反応は、常圧、加圧、減圧のいずれの場合も
実施可能であり、反応に要する時間は、反応温度、触媒
の量によっても異なるが、通常は0.1〜30時間で十
分である。なお、本発明において、各成分は、いかなる
方法、順序で仕込んでも良いが、一般にはアルコール化
合物及びニトロキシル化合物が溶解された水と相溶性の
ある有機溶媒、或いはこれと水との混合溶媒の溶液に、
次亜ハロゲン酸塩の水溶液を滴下する方法により実施す
るのが好適である。
【0026】本発明では上記に示した反応条件でも十分
な反応速度を得ることが可能であるが、更に反応速度を
速くするために臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭化
アルカリ金属類を添加することが有効である。
【0027】臭化アルカリ金属類の使用量としては、一
般式(I)で示される化合物に対して0.001倍当量
以上であれば何等制限なく用いることができるが、反応
後の臭化アルカリ金属の除去の手間を考慮すると0.0
01〜2倍当量の範囲であることが好ましい。
【0028】生成したアルデヒド化合物の単離精製方法
については従来の方法を何等制限なく用いることができ
る。例えば反応終了後、反応溶媒を留去した後、残留物
をクロロホルム、トルエン、エーテル等の有機溶媒で抽
出する。水洗後、該有機層は、無水硫酸マグネシウム、
塩化カルシウム等の乾燥剤で乾燥した後、有機溶媒を留
去し、残留物をカラムクロマトグラフィー等で分離精製
することにより目的物を得ることができる。
【0029】このようにして、下記一般式(II)
【0030】
【化7】
【0031】(但し、R1は水酸基の保護基、R2はアミ
ノ基の保護基を示す。)で示されるピロリジン誘導体を
製造するこができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、前記一般式(I)で示
されるアルコール化合物を酸化して前記一般式(II)で
示されるピロリジン誘導体を合成する反応において、水
及び水と相溶性のある有機溶媒を使用することで、副生
成物の生成量を抑え、酸化剤として用いる次亜ハロゲン
酸塩の濃度を飛躍的に高めることが可能となる。従っ
て、水と混合しない有機溶媒を用いて反応を行った場合
に比べて、1回の反応あたりの一般式(I)で示される
アルコール化合物の仕込量を大きく向上させることがで
きる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を揚げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1
100mL四つ口フラスコにアセトン50mL、(2
S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブ
チルジメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチルピロ
リジン5.52g(0.017mol)、2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.026
g(0.17mmol)を溶かし氷水で0℃に冷却し
た。次に、炭酸水素ナトリウム1.75gを加えpH
9.1に調整した29.4%次亜塩素酸ナトリウム水溶
液11.8mL(0.046mol)を滴下し攪拌を行
った。2時間で反応が終了した後、反応溶媒を留去し、
残留物はクロロホルム50mLで抽出した。次いで水4
0mLで2回洗浄し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥
した。有機溶媒を留去し残留物をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで単離精製すると(2S,4R)−1−t−ブ
トキシカルボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオキ
シ−2−ホルミルピロリジン4.03g(収率73.5
%)を得ることができた。
【0035】実施例2〜13
(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−t
−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ヒドロキシメチル
ピロリジンに代えて、表1に示したピロリジン誘導体を
使用した以外は実施例1と同様な操作を行った。その結
果を表1に示した。
【0036】
【表1】【0037】
【表2】
【0038】実施例14〜18
表2に示した次亜ハロゲン酸塩を使用し、表2に示した
反応条件で行った以外は実施例1と同様な操作を行っ
た。その結果を表2に示した。
【0039】
【表3】 【0040】実施例19
反応溶媒として、アセトンの代わりにアセトニトリルを
使用した以外は実施例1と同様な操作を行った。その結
果、目的生成物である(2S,4R)−1−t−ブトキ
シカルボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−
2−ホルミルピロリジンを3.97g(収率72.4
%)得た。
【0041】実施例20〜22
表3に示した触媒を使用し、表3に示した反応条件で行
った以外は実施例1と同様な操作を行った。その結果を
表3に示した。
【0042】
【表4】
【0043】実施例23〜25
表4に示したpH調整剤を使用し、pHを調整した以外
は実施例1と同様な操作を行った。その結果を表4に示
した。
【0044】
【表5】
【0045】比較例1
反応溶媒として、アセトンの代わりに水と相溶性のない
トルエンを使用した以外は実施例1と同様な操作を行っ
た。その結果、目的生成物である(2S,4R)−1−
t−ブトキシカルボニル−4−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−2−ホルミルピロリジンの収量は1.18g
(収率21.5%)にすぎなかった。
【0046】比較例2
反応溶媒として、アセトンの代わりに水と相溶性のない
トルエンを使用し、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を3重
量%にした以外は実施例1と同様な操作を行った。その
結果、目的生成物である(2S,4R)−1−t−ブト
キシカルボニル−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ
−2−ホルミルピロリジンの収量は3.23g(収率6
8.2%)にすぎなかった。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a method for industrially and advantageously producing a pyrrolidine derivative. [0002] A reaction for selectively synthesizing an aldehyde by oxidizing an alcohol is an extremely important reaction in organic synthesis, and many methods are known. Among them, a method using nitroxyl compound as a catalyst and sodium hypochlorite as an oxidizing agent in water and an organic solvent that is not compatible with water is used under mild conditions without discharging heavy metal waste liquid or toxic gas. The reaction progresses in recent years and has attracted attention in recent years (Tetrahedron Letters (Tetrahed
ron Letters) Vol. 33, No. 35, 5029-
5032 Tribute, 1992). [0003] Accordingly, the present inventors have made the following general formula (I): When the above oxidation method was applied to an alcohol compound represented by the following formula, the following general formula (II) was obtained. The pyrrolidine derivative represented by the formula (1) was not obtained in a sufficient yield. In particular, when the concentration of sodium hypochlorite in the liquid at the time of the reaction was high, the generation of by-products was remarkable, and the yield was greatly reduced. For this reason, for example, in the oxidation method, the reaction is generally carried out by dropping an aqueous solution of sodium hypochlorite into a solution charged with an alcohol compound and a nitroxyl compound. If the concentration of the aqueous sodium hypochlorite solution to be dropped is increased to 3% by weight or more, the concentration of sodium hypochlorite in the reaction medium at the time of dropping becomes too high, and the above-mentioned yield is greatly reduced. Therefore, in such a method, a large amount of an aqueous solution of sodium hypochlorite having a low concentration must be used.
There was a problem that the concentration of the charged alcohol compound per reaction could not be increased. Means for Solving the Problems The inventors of the present invention have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, carried out the oxidation reaction in a mixed solvent of water and an organic solvent compatible with water. For example, it is found that the yield is improved, and the concentration of hypohalite used as an oxidizing agent can be dramatically increased.
The present invention has been completed. That is, the present invention provides a compound represented by the following general formula (I): (Wherein R 1 represents a protecting group for a hydroxyl group and R 2 represents a protecting group for an amino group) in an aqueous solvent mixture of water and an organic solvent compatible with water.
Oxidation in the presence of a hypohalite and a nitroxyl compound, characterized by the following general formula (II): (Wherein R 1 and R 2 are the same as described above). As the hydroxyl-protecting group represented by R 1 in the general formula (I), any commonly used hydroxyl-protecting group can be used without any limitation. Specific examples include a methyl group, an ethyl group, an n-butyl group, an i-butyl group, and a t-
Alkyl groups such as butyl group; substituted alkyl groups such as methoxymethyl group, methylthiomethyl group, methoxyethoxymethyl group, tetrahydropyranyl group, 1-ethoxyethyl group; triphenylmethyl group, benzyl group, phenyl group,
Aryl group such as toluyl group; trimethylsilyl group, t-
Substituted silyl groups such as butyldimethylsilyl group; carboxyalkyl groups such as carboxymethyl group and carboxy-2-propyl group; alkoxycarbonyl groups such as methoxycarbonyl group, ethoxycarbonyl group, i-propoxycarbonyl group and t-butoxycarbonyl group An acyl group such as a formyl group, an acetyl group, and a propionyl group. Among these, a substituted silyl group, an alkoxycarbonyl group, and an aryl group can be suitably used particularly in view of ease of protection and deprotection reactions. As the amino-protecting group represented by R 2 in the general formula (I), any commonly used amino-protecting group can be used without any limitation. Specific examples include an acyl group such as a formyl group, an acetyl group, and a propionyl group; a methoxycarbonyl group, an ethoxycarbonyl group,
alkoxycarbonyl groups such as i-propoxycarbonyl group and t-butoxycarbonyl group; methoxyacetyl group;
Examples thereof include an alkoxyalkylcarbonyl group such as a methoxypropionyl group; an aralkyloxycarbonyl group such as a benzyloxycarbonyl group; and a substituted aralkyloxycarbonyl group such as a p-nitrobenzyloxycarbonyl group. Among these, the simplicity of the protection reaction,
Considering the ease of purification after deprotection, an alkoxycarbonyl group, an aralkyloxycarbonyl group and the like can be suitably employed. Specific examples of the alcohol compound represented by the above general formula (I) which are preferably used in the present invention include 1-acetyl-4-methoxy-2
-Hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-ethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-t-butoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-methoxymethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-triphenylmethyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1
-Acetyl-4-benzyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1- Acetyl-4-carboxymethyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-acetyl-4-t-butoxycarbonyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-methoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine,
-Tert-butoxycarbonyl-4-ethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-tert-butoxycarbonyl-
4-n-butoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine,
1-t-butoxycarbonyl-4-i-butoxy-2-
Hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-t-butoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-methoxymethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4- Methylthiomethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-
4-triphenylmethyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-benzyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-
Butoxycarbonyl-4-phenyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-
4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-carboxymethyloxy-2-hydroxymethyl Pyrrolidine, 1-t
-Butoxycarbonyl-4-t-butoxycarbonyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-methoxycarbonyloxy-2-
Hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-ethoxycarbonyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-
Formyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1
-T-butoxycarbonyl-4-acetoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-propionyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-methoxycarbonyl-4-methoxy-2-
Hydroxymethylpyrrolidine, 1-ethoxycarbonyl-4-t-butoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-methoxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-methoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy -2
-Hydroxymethylpyrrolidine, 1-ethoxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-ethoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-i-propoxycarbonyl-4- Trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-
i-propoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-methoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-
4-ethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-
Benzyloxycarbonyl-4-t-butoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-methoxymethoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-triphenylmethyloxy-2-hydroxymethyl Pyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-benzyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy -2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-carboxymethyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-p-nitrobenzyloxy-4-methoxy-2-hydro Shi-methylpyrrolidine, 1-p-nitrobenzyloxycarbonyl-4-ethoxy-2-hydroxymethyl-pyrrolidine, 1-p-nitrobenzyloxycarbonyl-4
t-butoxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-
p-nitrobenzyloxy-4-methoxymethoxy-2
-Hydroxymethylpyrrolidine, 1-p-nitrobenzyloxy-4-triphenylmethyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-p-nitrobenzyloxy-4-benzyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-p-nitro Benzyloxy-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-p
-Nitrobenzyloxy-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-p-
Nitrobenzyloxy-4-carboxymethyloxy-
Examples thereof include 2-hydroxymethylpyrrolidine and 1-p-nitrobenzyloxy-4-methoxyacetyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine. Among these compounds, in particular, 1-t-butoxycarbonyl-
4-benzyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-
Butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-t-butoxycarbonyloxy-
2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-4-methoxycarbonyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-t-butoxycarbonyl-
4-ethoxycarbonyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-methoxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-
Methoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-ethoxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-ethoxycarbonyl-4-
t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-triphenylmethyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-benzyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine, 1 -Benzyloxycarbonyl-4-trimethylsilyloxy-2-
Hydroxymethylpyrrolidine, 1-benzyloxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine and the like are effective in the present invention. In addition, these compounds all have asymmetric carbons at the 2- and 4-positions of the pyrrolidine ring, but the present invention can be applied without any restriction on the configuration. As the hypohalite used in the present invention, ordinary hypohalite can be used without any limitation. Specific examples of the hypohalite include sodium hypochlorite, potassium hypochlorite, calcium hypochlorite, strontium hypochlorite, barium hypochlorite, sodium hypobromite, and sodium hypochlorite. Examples include potassium hypobromite, calcium hypobromite, strontium hypobromite, barium hypobromite, sodium bromite and the like. Of these, sodium hypochlorite and sodium hypobromite can be suitably used in consideration of economy and the like. These hypohalites may be mixed with an organic solvent compatible with water and added to the reaction system, but are generally added dropwise in the form of an aqueous solution. In this case, the use concentration of the hypohalite is not particularly limited, but in the present invention, since the good yield can be maintained even at a concentration of 3% by weight or more, the use is performed at the high concentration. Is preferred. Taking into account the amount of pyrrolidine derivative produced per reaction and the by-products of by-products, 10-70
%, More preferably 15 to 60%. Any amount can be used without any limitation as long as it is equal to or more than the amount of the alcohol compound represented by the general formula (I). In consideration of the above, the amount is preferably 1 to 10 equivalents, more preferably 1 to 5 equivalents to the alcohol compound represented by the general formula (I). Next, in the present invention, a nitroxyl compound is used as a catalyst in order to make the reaction proceed smoothly. The nitroxyl compound suitably used in the present invention is not particularly limited, but is specifically exemplified by 2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl (hereinafter abbreviated as TEMPO). ), 2,2,6,6-
Tetramethyl-4-methoxypiperidine-1-oxyl (hereinafter abbreviated as TMPPO), 2,2,6,6-tetramethyl-4-acetamidopiperidine-1-oxyl (hereinafter abbreviated as TMAPO), 2,2,2 6,6-tetramethyl-4-oxopiperidine-1-oxyl (hereinafter T
Abbreviated as MOPO. ), 2,2,6,6-tetramethyl-
4-benzylpiperidine-1-oxyl (hereinafter referred to as TMBP
Abbreviated as O. ) And the like. The amount of the nitroxyl compound to be used is 0.0001 to 0.0001 with respect to the alcohol compound represented by the general formula (I) in consideration of the trouble of removing the nitroxyl compound after the reaction and obtaining a sufficient reaction rate. It is preferably in the range of 1 equivalent, more preferably 0.0005 to 0.8 equivalent. The greatest feature of the present invention is that the above reaction is carried out in a mixed solvent of water and an organic solvent compatible with water. Here, the organic solvent compatible with water refers to an organic solvent that can be mixed with water at any ratio. Specific examples of such an organic solvent include nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone; ethers such as dioxane and tetrahydrofuran; and alcohols such as t-butyl alcohol and t-acyl alcohol. Of these, acetonitrile and acetone are preferably used because of the ease of the progress of the reaction. The amount of the organic solvent compatible with water in the mixed solvent is
Although not particularly limited, it is usually selected from a range of 30 to 90% by weight. In the present reaction, the pH in the reaction system is not particularly limited. However, if the pH is too lean, the hypohalite is decomposed to generate a halogen gas, which is biased toward the basic side. And the reaction rate decreases significantly,
Is preferably adjusted to 7.5 to 11, more preferably 8 to 9.5. As the pH adjuster used in this reaction, the organic salts and inorganic salts which can be adjusted to the above-mentioned pH can be used without any limitation. Specific examples of the pH adjuster include organic salts such as acetates such as sodium acetate and potassium acetate. Examples of the inorganic salts include alkali metal carbonates such as sodium carbonate, potassium carbonate and lithium carbonate; alkali metal bicarbonates such as sodium hydrogen carbonate, potassium hydrogen carbonate and lithium hydrogen carbonate; alkali metals such as sodium hydroxide and potassium hydroxide Hydroxide: phosphates such as disodium hydrogen phosphate and dipotassium hydrogen phosphate;
These organic salts and inorganic salts may be used alone as long as they can be adjusted to the above-mentioned pH, or a mixture of two or more kinds of salts may be used. The reaction temperature is -3 in order to maintain an appropriate reaction rate and to prevent formation of by-products due to high temperature.
It is preferably in the range of 0 to 70 ° C, more preferably -10 to 50 ° C. The reaction can be carried out under any of normal pressure, increased pressure and reduced pressure. The time required for the reaction varies depending on the reaction temperature and the amount of catalyst, but usually 0.1 to 30 hours is sufficient. In the present invention, each component may be charged in any method and in any order, but generally, an organic solvent in which an alcohol compound and a nitroxyl compound are dissolved and which is compatible with water, or a solution of a mixed solvent of this and water. To
It is preferable to carry out the method by dropping an aqueous solution of a hypohalite. In the present invention, it is possible to obtain a sufficient reaction rate even under the above-mentioned reaction conditions, but in order to further increase the reaction rate, an alkali metal bromide such as sodium bromide or potassium bromide is added. It is effective to do. The amount of the alkali metal bromide can be used without any limitation as long as it is at least 0.001 equivalent to the compound represented by the general formula (I). Considering the labor of metal removal, 0.0
It is preferably in the range of 01 to 2 equivalents. As for the method of isolating and purifying the produced aldehyde compound, a conventional method can be used without any limitation. For example, after completion of the reaction, the reaction solvent is distilled off, and the residue is extracted with an organic solvent such as chloroform, toluene, and ether. After washing with water, the organic layer contains anhydrous magnesium sulfate,
After drying with a desiccant such as calcium chloride, the organic solvent is distilled off, and the residue is separated and purified by column chromatography or the like to obtain the desired product. Thus, the following general formula (II): (Wherein, R 1 represents a protecting group for a hydroxyl group, and R 2 represents a protecting group for an amino group). According to the present invention, in the reaction for oxidizing the alcohol compound represented by the general formula (I) to synthesize the pyrrolidine derivative represented by the general formula (II), water and water By using a compatible organic solvent, the amount of by-products can be suppressed, and the concentration of hypohalite used as an oxidizing agent can be dramatically increased. Therefore, the amount of the alcohol compound represented by the general formula (I) per reaction can be greatly improved as compared with the case where the reaction is performed using an organic solvent that does not mix with water. Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples.
The present invention is not limited to these examples. Example 1 A 100 mL four-necked flask was charged with 50 mL of acetone, (2
S, 4R) -1-t-butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine 5.52 g (0.017 mol), 2,2,6
6-tetramethylpiperidine-1-oxyl 0.026
g (0.17 mmol) was melted and cooled to 0 ° C. with ice water. Next, 1.75 g of sodium bicarbonate was added and pH was adjusted.
11.8 mL (0.046 mol) of a 29.4% aqueous sodium hypochlorite solution adjusted to 9.1 was added dropwise and stirred. After the reaction is completed in 2 hours, the reaction solvent is distilled off,
The residue was extracted with 50 mL of chloroform. Then water 4
After washing twice with 0 mL, the organic layer was dried over magnesium sulfate. The organic solvent was distilled off, and the residue was isolated and purified by silica gel chromatography to obtain (2S, 4R) -1-t-butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-formylpyrrolidine (4.03 g, yield 73). .5
%). Examples 2 to 13 (2S, 4R) -1-t-butoxycarbonyl-4-t
The same operation as in Example 1 was performed except that the pyrrolidine derivative shown in Table 1 was used instead of -butyldimethylsilyloxy-2-hydroxymethylpyrrolidine. The results are shown in Table 1. [Table 1] [Table 2] Examples 14 to 18 The same operation as in Example 1 was carried out except that the hypohalite shown in Table 2 was used and the reaction was carried out under the reaction conditions shown in Table 2. The results are shown in Table 2. [Table 3] Example 19 The same operation as in Example 1 was performed except that acetonitrile was used instead of acetone as a reaction solvent. As a result, the desired product (2S, 4R) -1-t-butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-
3.97 g of 2-formylpyrrolidine (yield 72.4)
%)Obtained. Examples 20 to 22 The same operations as in Example 1 were performed except that the catalysts shown in Table 3 were used and the reaction conditions shown in Table 3 were used. Table 3 shows the results. [Table 4] Examples 23 to 25 The same operation as in Example 1 was performed except that the pH was adjusted using the pH adjusters shown in Table 4. Table 4 shows the results. [Table 5] Comparative Example 1 The same operation as in Example 1 was carried out except that toluene having no compatibility with water was used instead of acetone as a reaction solvent. As a result, the desired product (2S, 4R) -1-
The yield of t-butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-formylpyrrolidine was 1.18 g.
(21.5% yield). Comparative Example 2 The same operation as in Example 1 was carried out except that toluene having no compatibility with water was used as the reaction solvent instead of acetone, and the concentration of sodium hypochlorite was 3% by weight. . As a result, the yield of the desired product (2S, 4R) -1-t-butoxycarbonyl-4-t-butyldimethylsilyloxy-2-formylpyrrolidine was 3.23 g (yield 6).
8.2%).