JP3501199B2 - 音響信号分離方法 - Google Patents

音響信号分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の音源から
の音が混在している音響信号をもとに、この音響信号に
含まれる個々の音源の音を分離抽出する音響信号の分離
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、音響信号分離方法に関しては、く
し型フィルタなど特定の周波数帯域のみを通過させるフ
ィルタ装置によって音源の分離を図る方法が知られてい
る。しかし、この方法では、複数の音源がある周波数帯
域を共有した場合には適切な分離処理が行えないため
に、一般に数多くの音源が存在した場合に分離が難しい
という欠点があった。
【0003】また、入力音響信号に対して周波数解析を
行った後、パワースペクトルの特徴に着目してクラスタ
リングの手法により音響信号を分離する方法が知られて
いる。しかし、この方法はボトムアップに処理が行われ
るため、雑音が混入した場合や数多くの音源が含まれて
いた場合には、適切に処理できないという欠点があっ
た。
【0004】また、音源のモデルをパワースペクトル等
の形で装置内に記憶しておき、入力音響信号に適合する
モデルを選択し照合することによって音響信号の分離を
行う方法が知られている。しかしながら、この方法で
は、モデルが固定的であるために、音源の多様性や変動
に対して対応できないという欠点があった。従って、上
記の各方法は、数多くの音源が存在し、それらの音源が
多様であり変動をもつ場合にあっては、十分な音響信号
分離処理が期待し難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、数多くの
音源が存在し、それらの音源が多様であり変動をもつ場
合であっても十分に分離することができ、つまり公知の
方法と比較して高い精度で音響信号を分離することがで
きる音響信号分離方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、入力
音響信号を時間的に区分し、その区分入力音響信号に含
まれている可能性のある全ての波形、波形記憶手段に
記憶された記憶波形中から選択して候補波形を得、これ
ら各候補波形にフィルタ処理を施した結果の和と当該区
分入力音響信号波形との平均自乗誤差を最小にするよう
に前記フィルタ処理の係数を求め、この求めたフィルタ
係数のフィルタ処理を各候補波形に対して行う。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態につい
て図面を用いて説明する。図1は、この発明方法を適用
した音響信号分離装置の機能構成を示す。なお、以下の
説明はこの装置の一応用例として音楽の演奏を楽器ごと
の演奏に分離する場合を例にとって説明する。
【0008】この音響信号分離装置10は、入力端子1
1からの混合音の音響信号波形を入力とし出力端子12
から音源ごとの音響信号波形を出力する。入力音響信号
(波形)は例えば48kHz、96kHzなどでサンプ
リングされ、その各サンプルのデジタル値の時系列とし
て入力される。入力端子11からの音響信号はこれに含
まれる音の立上り成分が波形区分手段13で検出され、
その音響信号が時間的に区分される。この区分は一定時
間ごとの区分としてもよい。
【0009】波形記憶手段14に、この装置10が対象
とする音源波形のテンプレートをあらかじめ記憶してあ
る。候補波形選択手段15で各区分ごとに、入力音響信
号波形に対し、基本周波数、パワー包絡など基本的な音
の特徴量を分析し、その結果を参照して、波形記憶手段
14に蓄えられている波形の中から、その入力音響信号
波形に含まれている可能性のある波形を選択する。
【0010】これら選択された波形のそれぞれに対して
フィルタ演算を適用した各波形の和と、入力音響信号波
形との自乗平均誤差が最小となるようなフィルタ演算の
係数が係数決定手段16で決定される。この決定された
フィルタ演算の係数をフィルタ演算手段17に設定し
て、候補波形選択手段15で選択された波形のそれぞれ
に対してフィルタ演算を行う。その各フィルタ演算の結
果を、各音源ごとに分離された出力として出力端子12
に出力される。
【0011】次に、上述した手段13,15,16,1
7における各処理を以下に具体的に説明する。波形区分
手段13では、図2に示すようにまず入力音響信号を読
み込み(ステップ101)、その入力音響信号のパワー
変動等に着目して、その入力音響信号に含まれる音の立
上りを検出する(ステップ102)。次に、前回の検出
立上りから今回検出された立上り時刻までを区分音響信
号として区分入力音響信号を出力する(ステップ10
3)。続いて入力音響信号が引続き入力されているかど
うかを調べ(ステップ104)、引続き入力されていれ
ばステップ102以降の処理を繰り返し、入力が終了し
ていれば処理を終わる。
【0012】候補波形選択手段15では、図3に示すよ
うにまず波形区分手段13で区分された区分入力音響信
号を読み込む(ステップ201)。次に、その各区分入
力音響信号に対して周波数成分を抽出し(ステップ20
2)、基本周波数およびパワー包絡等の音の特徴量を抽
出する(ステップ203)。この特徴量は、その区分入
力音響信号に含まれている可能性のある音の記憶波形を
選択するために用いられる。音の記憶波形は、波形記憶
手段14にあらかじめ蓄積されているので、これを順に
検査する(ステップ204〜208)。まず、未検査の
記憶波形があるかどうかを調べ(ステップ204)、も
しあれば未検査の記憶波形を一つ選択する(ステップ2
05)。次に、その記憶波形の基本周波数と、ステップ
202で抽出された周波数成分の周波数とを比較し、あ
る範囲内に収まっているかどうかを調べる(ステップ2
06)。もしある範囲に収まっていなければ、その記憶
波形は当該区分入力音響信号に含まれている可能性は低
いので、ステップ204に戻る。前記ある範囲は例えば
次のようにして決める。即ち記憶波形の基本周波数をそ
の大きさ順に並べた場合、ある基本周波数についてみる
と、そのすぐ下の基本周波数との間の半分だけ低い周波
数から、すぐ上の基本周波数との間の半分だけ高い周波
数までの範囲に入るものを候補とする。例えば半音ごと
の記憶波形を設ける場合は、半音は約6%ずつ周波数が
高くなっているから、基本周波数±3%の範囲にあるも
のを候補とする。ステップ206でもしある範囲に収ま
っていれば、さらに特徴量に矛盾(例えば発音不可能な
音域であるなど)があるかどうかを調べる(ステップ2
07)。もし矛盾があれば、その記憶波形は当該区分入
力音響信号に含まれている可能性は低いので、ステップ
204に戻る。もし矛盾がなければ、その記憶波形は当
該区分入力音響信号に含まれている可能性が高いので、
候補波形に追加して(ステップ208)ステップ204
に戻る。ステップ204において、未検査の記憶波形が
なければ、その時点までに見出された候補波形を出力し
て(ステップ209)終了する。
【0013】係数決定手段16では、まず波形区分手段
13で区分された区分入力音響信号を読み込む(ステッ
プ301)。次に、候補波形選択手段15で選択された
候補波形を読み込む(ステップ302)。続いて、各候
補波形にそれぞれフィルタ演算を適用した結果の各波形
を足し合わせた波形と、当該区分入力音響信号との平均
自乗誤差が最小となるようなフィルタ係数を求めるため
に、連立方程式を作成する(ステップ303)。フィル
タとしてFIR型を用いることにすれば、候補波形にフ
ィルタ演算を適用した結果の波形は yn (k)=Σm=0 M-1n (m)rn (k−m) (1) と書ける。ここで、kは標本化された時刻、nは候補波
形を数える添字、yn (k)はフィルタ演算を適用した
結果の時刻kの値、hはFIRフィルタのインパルス応
答、rは候補波形、Mはフィルタの次数である。各候補
波形にフィルタ演算を適用した結果の各波形を足し合わ
せた波形と、当該区分入力音響信号との平均自乗誤差は J=E〔{z(k)−Σn=0 N-1n (k)}2 〕 (2) と書ける。ここでz(k)は区分入力音響信号波形の時
刻kの値、Nは候補波形の数、Eは時間平均を表す。こ
れを最小化するための必要条件は、全てのnとmに関
て、偏微分∂J/∂hn (m)が0となることである。
この条件を用いると、N×M個の連立一次方程式 Σn=0 N-1 Σm=0 M-1 E〔ri (k−l)rj (k−m)〕hn (m) =E〔ri (k−m)z(k)〕 (3) を導くことができる。方程式(3)をステップ303に
おいて作成する。続いて、方程式(3)を解く(ステッ
プ304)。方程式(3)は、未知数の個数と方程式の
個数が等しいので、係数行列の逆行列を求めることによ
って解くことができる。求められた係数をステップ30
5において出力する。
【0014】フィルタ演算手段17では、図5に示すよ
うにまず係数決定手段16で求められたフィルタ係数を
読み込み(ステップ401)、次に候補波形選択手段1
5で選択された候補波形を読み込む(ステップ40
2)。続いて式(1)のフィルタ演算を行い(FIR型
フィルタの場合)(ステップ403)、演算結果の波形
を出力する(ステップ404)。この波形が、音源ごと
に分離された信号波形である。
【0015】以上のように、この発明では記憶波形から
候補を選択し、これら各候補記憶波形をフィルタ処理し
たものの和と区分入力音響信号との二乗誤差が最小にな
るようにフィルタ係数を決定しているため、つまり区分
入力音響信号の特性に近いフィルタ係数が決定され、選
択された候補記憶波形中の区分入力音響信号中に含まれ
ないものは、そのフィルタを通しても通過しないような
フィルタ特性となる。また前記のようなフィルタ係数の
決定は、ある候補記憶波形が区分入力音響信号中に存在
する音源波形と近い場合は、この候補記憶波形と音源波
形との波形の変形に応じたフィルタ係数が決定され、そ
の候補記憶波形をフィルタ処理した場合に区分入力音響
信号中のその対応音源波形に対する波形変形が吸収さ
れ、大きな出力が得られる。
【0016】例えばA社製ピアノとB社製ピアノで高さ
F4をほぼ同じ強さで弾いた場合の同じ時間部分(立上
がりから100ms〜130ms)の波形は図6A,B
に示すように、全体としては同様の波形であるが互いに
異なっている。図6Bの波形を40次のFIRフィルタ
で処理することにより、図6Cに示すように図6Aの波
形に可成り近づいたものとすることができる。
【0017】従って、各候補記憶波形についてそれぞれ
フィルタ演算手段17でフィルタ処理をすると、区分入
力音響信号中に含まれる音源波形と同一のものの出力平
均パワーが大となり、その平均パワーはその音源波形の
混合割合に応じた値となり、区分入力音響信号中に含ま
れていない候補記憶波形の出力はゼロとなり、かつ、候
補記憶波形が区分入力音響信号中の対応する音源波形に
対して波形が多少異なっていても、これが適応的に修正
され、フィルタ処理出力は大きなものとなる。
【0018】係数決定手段16における処理が有効にな
るためには、候補記憶波形rの基本周波数および位相
が、区分入力音響信号zに含まれている音源の基本周波
数および位相と一致していることが望ましい。これは係
数決定手段16でのフィルタでは信号の周波数を変える
ことができないからである。このため候補記憶波形rの
位相を、区分入力音響信号z中の対応する音源成分の位
相に時々刻々合わせ込む波形同期処理を行うとよい。こ
の波形同期処理は例えば次のように行う。
【0019】図7に示すように区分入力音響波形、すな
わち基準波形zを読み込んで(ステップ301)、帯域
フィルタバンクなどの方法で周波数解析を行う(ステッ
プ302)。次に、その周波数解析によって時間周波数
平面上でのパワー表現が得られるので、周波数方向でパ
ワーの極大点(ローカルピーク)を見出す(ステップ3
03)。続いて、時間的に連続するローカルピークを接
続して、一続きのローカルピークとする(ステップ30
4)。ローカルピークを時間的に接続したものは、周波
数成分と呼ばれ、もとの波形に存在する色々な周期性を
表現したものである。この周波数成分を周期性情報とし
て出力する(ステップ305)。候補記憶波形rについ
ても同様に処理して周期性情報を取得する。
【0020】次に図8に示すように区分入力音響信号波
形zと候補記憶波形rに存在する周期性の中で、ほぼ同
一の基本周波数を選択し、その周波数にバンドパスフィ
ルタの中心周波数を設定する。区分入力音響波形zにこ
のバンドパスフィルタを適用して出力波形を得て(ステ
ップ402)、この出力波形の位相の時系列を記憶する
(ステップ403)。つまりバンドパスフィルタの出力
は正弦波に近いので、その正弦波時系列の符号反点の前
後の時刻k、k+1のサンプル値からゼロクロス時刻を
求め、更に正弦波の周期を求め、各正弦波時系列の各時
刻での位相値(位相角)を求める。続いて候補記憶波形
にもステップ402で用いたものと同じバンドパスフィ
ルタを適用して出力波形を得て(ステップ404)、こ
の出力波形の位相の時系列を記憶する(ステップ40
5)。次に、ステップ403とステップ405とで記憶
した両位相の時系列の差を求めて、位相差の時系列を得
て出力する(ステップ406)。
【0021】この位相差の時系列を、時間差の時系列に
換算する。この換算は、式(4)によって行う。 δt(k)=(1/(2πf))δp(k) (4) ただし、kは時刻、δt(k)は時間差時刻kの時間
差、fはバンドパスフィルタの中心周波数、δp(k)
は位相差時系列の時刻kの位相差である。
【0022】時間差時系列の各時間差に応じて候補記憶
波形時系列rの対応サンプル値を遅らせ又は進める。こ
の結果、区分入力音響信号zの基本周波数と瞬時位相同
期した候補記憶波形が得られる。
【0023】
【発明の効果】次にこの発明を適用した認識精度を評価
する実験について述べる。図9に示すように3つの単音
が同時に鳴るパターンをテストパターンとし、パターン
はクラス2、つまり同時に発音する単音の少なくとも一
組が1.5の整数倍の関係にある基本周波数を持つよう
な単音パターンとした。パターンの作成においては、あ
らかじめフルート、ピアノ、およびバイオリンの自然楽
器の単音を半音ごとにスタジオで収録し(16bit、
48kHz)、この波形を計算機上に蓄積しておき、こ
れをクラス2およびMIDIノート番号60〜74とい
う制約の中でランダムに選択して加算することによって
パターンを作成した。
【0024】認識率Rの定義は次式(5)によった。 R=100・{((right-wrong)/total) ・(1/2) +1/2 } (5) rightは出力に含まれて音符のうち音高と音色の両
方が正しく認識された音符の数、wrongは出力に含
まれる音符のうち、音高と音色のどちらかまたは両方が
正しくない音符の数、totalは入力(正解)に含ま
れる総音符数である。予備実験の結果からテンプレート
フィルタリングONの条件においては、FIRフィルタ
の次数を40とした。なおテンプレートフィルタリング
は式(1)のフィルタリングのことであり、テンプレー
トフィルタリングOFFとはFIRフィルタの次数を1
としたという意味である。
【0025】この実験では、原テンプレートとしてテス
トパターンの生成に利用するのと同一の波形を用いた
り、同一個体の楽器を用いたりすると、波形の一致度が
高いために評価実験としては適切でない。そこで、テン
プレートの波形とテストパターンの波形は、互いに異な
る個体から収録したものを用いた。これを図10に示
す。
【0026】実験結果を図11に示す。この表では、右
下の欄の条件(テンプレートフィルタリングOff、位
相同期Off)が、単純なマッチドフィルタによる音源
同定に相当している。したがって、マッチドフィルタに
比較して、この発明の適応型テンプレートを用いる処理
の有効性が明確に示されていると見ることができる。特
に位相同期を行うと一層認識率が高くなっている。
【0027】ベンチマークテストに加え、音楽の生演奏
を対象とした音楽認識テストを行った。ここでは、図1
0とはまた別の楽器個体のバイオリン、フルート、ピア
ノを用いて演奏したテスト曲「蛍の光」を対象として、
音源同定処理についての認識率Rを調べた。図12にそ
の結果を示す。図中の値は音源同定処理だけに関する認
識率である。結果の定性的傾向はベンチマークテストと
同様であり、この発明の方法の有効性が示されている。
【0028】以上、説明したように、この発明によれ
ば、数多くの音源が存在し、それらの音源が多様であり
変動をもつ場合であっても、公知の方法に比較して高い
精度で音響信号分離処理を行うことができるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法を適用した音響信号分離装置の機
能構成例を示すブロック図。
【図2】波形区分手段13の処理手順を示す流れ図。
【図3】候補波形選択手段15の処理手順を示す流れ
図。
【図4】係数決定手段16の処理手順を示す流れ図。
【図5】フィルタ演算手段17の処理手順を示す流れ
図。
【図6】候補波形と区分入力音響信号波形と、適応化フ
ィルタ処理後の区分入力音響信号波形との例を示す図。
【図7】波形の同期性情報を取得する手順を示す流れ
図。
【図8】位相差時系列を取得する手順を示す流れ図。
【図9】ベンチマークテストに用いた単音パターンの例
を示す図。
【図10】実験に用いた楽器を示す図。
【図11】ベンチマークテストの結果を示す図。
【図12】音響認識テストの結果を示す図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−100660(JP,A) 特開 平5−181464(JP,A) 特開 平5−26722(JP,A) 特開 平6−75562(JP,A) 特開 平6−67654(JP,A) 特開 昭64−21498(JP,A) 特開 平5−80777(JP,A) 柏野, 村瀬,適応型混合テンプレー トを用いた音源同定 −複数楽器演奏へ の適用−,電子情報通信学会技術研究報 告[音声],日本,1997年 2月21日, Vol.96, No.540, SP96− 117, Pages 21−26 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 15/00 - 15/28 G10L 21/00 - 21/02 G10H 1/00 G10G 3/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音響信号を時間的に区分する過程
    と、 上記区分された各区分入力音響信号ごとにこれに含まれ
    ている可能性のあるすべての波形を、波形記憶手段に記
    憶されている記憶波形から選択して候補波形を得る過程
    と、上記各候補波形の基本周波数成分を、上記区分入力音響
    信号の基本周波数成分にそれぞれ位相同期させる過程
    と、 その位相同期した 候補波形にフィルタ演算した結果の和
    と上記区分入力音響信号との誤差が最小になるように、
    上記フィルタ演算のフィルタ係数を求める過程と、 上記各候補波形に対し、上記求めたフィルタ係数をもつ
    フィルタ演算を行う過程とを有する音響信号分離方法。
  2. 【請求項2】 上記候補波形を得る過程は、上記区分入
    力音響信号の基本周波数を抽出する過程と、その抽出さ
    れた基本周波数に対し、所定範囲に収まる基本周波数を
    もつ記憶波形を上記波形記憶手段から選択する過程を有
    することを特徴とする請求項1記載の音響信号分離方
    法。
  3. 【請求項3】 上記区分する過程は上記入力音響信号に
    含まれる音の立上りを検出し、隣接する検出立上りの間
    を区分とする過程であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の音響信号分離方法。
  4. 【請求項4】 上記位相同期は、各候補波形の基本周波
    数成分と上記区分入力音響信号の基本周波数成分との位
    相差の時系列を取得し、その位相差時系列の各位相差を
    極性を含む時間差に変換した時間移動量の時系列を求
    め、この時間移動量の時系列の各時間移動量に応じて、
    対応する候補波形の対応する時刻のサンプルを移動させ
    ることにより行うことを特徴とする請求項1乃至3の何
    れかに記載の音響信号分離方法。
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