JP3501029B2 - 概要情報表示装置 - Google Patents

概要情報表示装置

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JP3501029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は監視対象から発生す
る情報を表示機器に出力して監視する表示装置に関し、
特に多数の対象を一括して監視する場合に有効なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電力供給のための系統監視システムな
ど、監視情報を表示する従来の装置では、画面作成部に
おいて、あらかじめ用意された複数の表示画面形式の中
から一つを選択し、その形式に監視情報を変換した画面
を作成して出力部へ送出していた。複数の表示画面形式
の中から一つを選択する際には、文字及び座標入力部よ
り利用者の選択結果を入力し、それにもとづいて選択を
行っている。
【0003】また、あらかじめ用意された画面を表示す
る際には、一つのCRTに一つの画面形式を表示してい
る。よって、複数の画面を同時に見る場合には複数のC
RTを用意し、一人の利用者がこれら複数の画面を監視
する。
【0004】このような監視画面において、表示されて
いる内容を利用者の指示によって変形し全体の構成と局
所的な詳細情報を同時に表示する装置については、特開
平9−152953号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置において
は、複数用意された表示画面形式の中から必要なものを
選択する作業を利用者自身が行っていた。このため、全
体画面や詳細図など利用者の要求する画面を表示させる
までに時間がかかったり、誤った画面を表示させてしま
うことなどにより、監視・運用の効率を下げる場合があ
った。こういった傾向は、近年の電力自由化などによ
り、電力のディーリング情報など監視対象が増大するこ
とで、さらに強まっている。
【0006】また、監視システムの設計時には、監視の
ための表示画面形式を数多く作成しなければならないた
め、設計負担が増大する問題がある。
【0007】さらに、利用者が別の監視画面を見ていた
り、一時的に席を離れている場合など、利用者の監視状
況によっては重要な監視情報を見落とす可能性がある。
利用者の指示によって表示内容を変形する手法を用いれ
ば、重要な監視情報を見やすくすることは可能である
が、利用者あるいは監視対象における状況の動的な変化
には対応できない。
【0008】本発明では、これらの問題を解決するため
に、利用者の作業状況や監視対象の状況に応じて監視対
象の概要情報を作成し、これを表示することで、監視対
象の一括監視を促し、また利用者の画面選択作業を軽減
させる概要情報表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では、利用者の状態変化を検知し信号に変
換して送出する利用者行動検出部と、監視情報と利用者
行動の入力から出力部における情報表示の詳細度を監視
対象の単位ごとに定める詳細度決定部と、監視情報から
概要を抽出する際の判断基準を格納する概要抽出基準デ
ータベースと、概要抽出基準及び詳細度にもとづいて監
視情報を部分的に抽出して概要を作成する概要作成部と
を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における概要情報表示装置
のブロック図を図1に示す。
【0011】図1において利用者は、マウス及びキーボ
ードを備えた文字及び座標入力部101を用いて、監視
作業の指定や起動、及び監視対象指定のために必要な座
標の入力を行う。
【0012】監視情報入力部102は、監視対象の状態
変化を送出する機能を持つ。
【0013】利用者行動検出部103は、利用者の現在
の監視状態を検出し、送出する機能を持つ。
【0014】詳細度決定部104は、監視情報入力部1
02及び利用者行動検出部103の送出する内容をもと
に、表示する監視情報の詳細度を決定する。
【0015】概要抽出基準データベース105は、監視
対象の各部分に関して、どの詳細度においてどのような
情報を抽出しどの形式の表示を行うかについての基準を
保持している。
【0016】概要作成部106は、詳細度決定部104
から入力した詳細度にもとづき、概要抽出基準データベ
ース105より、該当する詳細度における情報の表示形
式を取得して、この表示形式にもとづいた監視情報の概
要を作成する。
【0017】画面作成部107は、文字及び座標入力部
101から入力する利用者の指示にもとづいて、監視情
報入力部102から入力する監視情報を選択し、情報ご
とに表示部品を用意して組み合わせることで画面を作成
する。また、概要作成部106から入力する監視情報の概
要を表示する画面を作成する。
【0018】出力部108は、画面作成部107の作成
した表示画面を表示する。
【0019】本発明では、利用者行動検出部103,詳
細度決定部104,概要抽出基準データベース105及
び概要作成部106を、従来の情報表示装置に付加して
いる。
【0020】ここで、本発明における詳細度決定部10
4が利用者行動検出部103の送出する内容から詳細度
を決定する流れを、図2を用いて示す。なお、ここでは
詳細度を数値で表し、数値が大きいほど、情報を詳細に
表示するものとする。
【0021】ステップ201において詳細度決定部10
4は、利用者行動検出部103の送出する複数の利用者
行動の中から一つを読み込む。次にステップ202にお
いて、読み込んだ利用者行動が前回処理時より変化して
いるかどうかを判定する。もし変化していれば処理をス
テップ203へ移し、変化していなければ処理をステッ
プ204へ移す。ステップ203では、読み込んだ利用
者行動をもとに詳細度を算出する。ステップ204で
は、これまでの処理でまだ扱われていない利用者行動が
あるかどうかを判定する。もしあれば処理をステップ2
01に移し、もしなければ処理をステップ205に移
す。ステップ205では、それまでの処理で算出された
詳細度を概要作成部106に送出する。
【0022】続いて、ステップ203において詳細度を
算出する処理の一例を、図3及び図4を用いて説明す
る。この例では、利用者行動検出部103への入力とし
て、本発明における概要情報表示装置の文字及び座標入
力部101及び出力部108の前にある利用者の座席に
設置した着座センサ301を用いる。着座センサ301
は、利用者が座席に着くとスイッチがオンになり、座席
を離れるとオフになる。図2において処理がステップ2
03に移ると、ステップ401の処理が行われる。ステ
ップ401において、着座センサ301の状態を検出
し、スイッチがオンであれば処理をステップ402に移
し、オフであればステップ403に移す。ステップ40
2では、現在の詳細度に1を加算したものを新しい詳細
度とし、処理を終了する。ステップ403では、現在の
詳細度から1を減じたものを新しい詳細度とし、処理を
終了する。
【0023】次に、別の手法を用いてステップ203に
おける詳細度の算出処理を行う例を、図5,図6及び図
7を用いて説明する。この例では、利用者行動検出部1
03の出力として、GPS(全地球測位システム)受信機
501による測位結果を用いる。GPS受信機501は
利用者の位置を検出し、測位結果を無線送信機502に
送出する。無線送信機502は電磁波を利用して測位結
果を無線受信機503に送出する。無線受信機503は
受信した測位結果を利用者行動検出部103の出力とす
る。図2における処理がステップ203に移ると、ステ
ップ601の処理が行われる。ステップ601におい
て、測位結果より利用者の位置を検出する。続いてステ
ップ602において、利用者と出力部108との相対的
な位置関係を算出する。その後、ステップ603におい
て、相対的な位置関係より、詳細度を決定する。
【0024】ここで、利用者と出力部108との相対的
な位置関係より詳細度を決定する手法について、図7を
用いて説明する。この例において、利用者と出力部10
8との間の距離をLとし、出力部108の表示方向ベク
トル701と、利用者から表示部108への方向ベクト
ル702のなす角度をθとする。
【0025】まず、利用者と出力部108との距離から
詳細度を算出する方法について説明する。ここでは、利
用者が出力部に最も近づいた場合に詳細度を最大
(Dmax)とし、逆に出力部108から一定距離(Lmax
以上離れている場合の詳細度を最小(Dmin)としてい
る。利用者と出力部108との距離Lからの詳細度算出
式を次の式1のように定義する。
【0026】
【数1】
【0027】続いて、出力部108の表示方向ベクトル
701と、利用者から出力部108への方向ベクトル7
02のなす角度θから詳細度を算出する方法について説
明する。ここでは、出力部108上の表示が最も見えづ
らくなる境の角度をθ1 とし、θの絶対値がこの角度以
下だった場合に詳細度最小(Dmin)となるようにしてい
る。また、出力部108上の表示が最もよく見える境の
角度をθ2 とし、θの絶対値がこの角度以上だった場合
に詳細度最大(Dmax)となるようにしている。θからの
詳細度算出式を次の式2のように定義する。
【0028】
【数2】
【0029】また、方位センサを利用した詳細度の算出
例を、図8及び図9を用いて説明する。ジャイロスコー
プ等を使用した方位センサ801を、図8に示すように
GPS受信機501に加えて利用者の頭部に設置するこ
とにより、図9に示すような利用者の視線方向ベクトル
901を検出する。このベクトルと、利用者から出力部
108への方向ベクトル702のなす角度をθとして次
の式3を用いることにより、詳細度を算出する。
【0030】
【数3】
【0031】これらの処理をステップ603にて行うこ
とにより、利用者と出力部108との相対的位置関係か
ら詳細度を算出する。
【0032】なお、詳細度を算出する際、図3から図9
において説明した処理を、単独あるいは複数の組み合わ
せで実行することが可能である。このとき詳細度は、各
処理が行われるごとに増減し、すべての処理が終了した
ときに算出されている詳細度が詳細度決定部104より
概要作成部106へ送出される。
【0033】上述の手法で算出された詳細度をもとに出
力部108に表示する概要情報を概要作成部106にて
作成する処理の流れについて、図10,図11及び図1
2を用いて示す。
【0034】詳細度決定部104より詳細度を取得する
と概要作成部106は処理を開始し、ステップ1001
において詳細度を読み込む。続いてステップ1002に
おいて、画面作成部107にて作成している画面を構成
する表示部品の種類,表示位置、及び現在の表示形式を
読み込む。図11は作成中の画面の一例であるが、ここ
に示している表示部品1101,1102,1103,
1104,1105、及び1106のそれぞれについ
て、ステップ1003以下の処理を行う。ステップ10
03では、表示部品に対応する概要抽出基準を概要抽出
基準データベース105より読み込む。概要抽出基準の
リストは図12に示すようになっている。ここで、P
,P2 等は表示部品の種類を示し、D1,D2等は詳
細度、E1,1,E1,2 等は概要抽出基準を表す。例え
ば、部品P1 の概要を作成する際、詳細度がDm であれ
ば、ステップ1003において概要抽出基準Em,1 が読
み込まれる。また、詳細度の同じ値が存在しない場合
は、最も近い値をもって概要抽出基準の読み出しを行
う。ステップ1004では、上述の概要抽出基準より該
当する表示部品の表示を作成する。ステップ1005で
は、画面作成部107にて作成している画面を構成する
表示部品の内、まだ処理していないものがあるかどうか
を調べる。もしあれば処理をステップ1002に移し、
なければ処理をステップ1006に移す。ステップ10
06では、上述の処理で作成した概要を画面作成部10
7に送出する。
【0035】ここで、概要を作成する具体例を、図1
3,図14,図15及び図16を用いて示す。図13
は、概要抽出基準データベース105に格納されている
概要抽出基準のリストである。このリストにおいて、P
1101,P1102,P1103,P1104,P1105、及びP
1106は、それぞれ図11における表示部品1101,1
102,1103,1104,1105、及び1106
を示す。またDmin 及びDmax は詳細度の最小値と最大
値を表し、D1 及びD2 はその中間に位置する詳細度を
表す。これらの組み合わせにより、概要作成部106
は、ある詳細度における特定の部品の概要抽出基準を取
得する。
【0036】通常の運用状態では詳細度は最大(Dmax
であり、その際出力部108の表示は図11に示すよう
な内容となる。これは配電設備系統図の例である。表示
部品1101は変電所を示し、表示部品1102,11
04、及び1106によって示される配電線によって変
電所より電力が供給されている。表示部品1103及び
1105は開閉器を示し、図形上に開閉状態が色別で表
示され、また電流等の数値が図形に隣接して表示されて
いる。これらの色,数値は実際の開閉器の状態に応じて
動的に変化する。次に、詳細度が変化してD2 となった
場合、図13のリストより、表示部品1101は通常表
示、表示部品1102,1104、及び1106は細線
表示、部品1103及び1105は数値非表示となり、
出力部108の表示は図14に示すような内容となる。
続いて、詳細度が変化してD1となった場合、図13の
リストより、表示部品1101は矩形表示、表示部品1
102,1104、及び1106は細線表示、部品11
03及び1105は拡大表示となり、出力部108の表
示は図15に示すような内容となる。さらに、詳細度が
変化してDmin となった場合、図13のリストより、表
示部品1101は矩形表示、表示部品1102,110
4、及び1106は非表示、部品1103及び1105は全
体を色別表示となり、出力部108の表示は図16に示
すような内容となる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したごとく、利用者の行動に応
じて詳細度を定め、詳細度にもとづいて画面の表示形式
を動的に変更することにより、効率的で誤りの少ない運
用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による概要情報表示装置のブロック図。
【図2】本発明において利用者の行動から詳細度を決定
する処理の流れ図。
【図3】本発明における着座センサを示す図。
【図4】本発明において着座センサの状態から詳細度を
決定する処理の流れ図。
【図5】本発明において利用者の位置を検出するGPS
と検出した情報を送受信する装置を示す図。
【図6】本発明において利用者と出力部との相対的な位
置関係から詳細度を決定する処理の流れ図。
【図7】本発明において利用者と出力部との間の距離や
方向ベクトルのなす角度を示す図。
【図8】本発明において利用者の視線方向を検出する方
向センサと検出した情報を送受信する装置を示す図。
【図9】本発明において利用者の視線方向と出力部の方
向ベクトルのなす角度を示す図。
【図10】本発明において詳細度から概要を作成する処
理の流れ図。
【図11】本発明における出力部の様子を示す図。
【図12】本発明において概要抽出基準データベースに
格納される概要抽出基準のリストを示す図。
【図13】本発明において概要抽出基準データベースに
格納される概要抽出基準のリストの例を示す図。
【図14】本発明における出力部の様子を示す図。
【図15】本発明における出力部の様子を示す図。
【図16】本発明における出力部の様子を示す図。
【符号の説明】
101…文字及び座標入力部、102…監視情報入力
部、103…利用者行動検出部、104…詳細度決定
部、105…概要抽出基準データベース、106…概要
作成部、107…画面作成部、108…出力部、301
…着座センサ、501…GPS受信機、502…無線送信
機、503…無線受信機、701…出力部の表示方向ベ
クトル、702…利用者から出力部への方向ベクトル、
801…方位センサ、901…利用者の視線方向ベクト
ル、1101,1102,1103,1104,110
5,1106…表示部品。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−348333(JP,A) 特開 平9−114430(JP,A) 特開 平5−19690(JP,A) 特開 平6−251272(JP,A) 特開 平9−152953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 23/02 G06F 3/00 H04Q 9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】座標及び文字入力を信号に変換して送出す
    る文字及び座標入力部と、 監視対象となる機器の情報を送出する監視情報入力部
    と、 指定された座標及び文字にもとづいて監視情報出力用の
    画面を作成する画面作成部と、 作成した画面を表示する出力部とを備える情報表示装置
    において、 利用者の状態変化を検知し信号に変換して送出する利用
    者行動検出部と、 監視情報と利用者行動の入力から前記出力部における情
    報表示の詳細度を監視対象の単位ごとに定める詳細度決
    定部と、 監視情報から概要を抽出する際の判断基準を格納する概
    要抽出基準データベースと、 概要抽出基準及び詳細度にもとづいて監視情報を部分的
    に抽出して概要を作成する概要作成部とを備えることを
    特徴とする概要情報表示装置。
  2. 【請求項2】出力部の操作場所に利用者が位置している
    かどうかを検知し信号に変換して送出する利用者行動検
    出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の概要情
    報表示装置。
  3. 【請求項3】出力部と利用者との相対的な距離を検知し
    信号に変換して送出する利用者行動検出部を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の概要情報表示装置。
  4. 【請求項4】出力部における表示面の方向と利用者から
    出力部への方向とのなす角度を検知し信号に変換して送
    出する利用者行動検出部を備えることを特徴とする請求
    項1に記載の概要情報表示装置。
  5. 【請求項5】利用者の視線方向と利用者から出力部への
    方向とのなす角度を検知し信号に変換して送出する利用
    者行動検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載
    の概要情報表示装置。
  6. 【請求項6】利用者の視線方向と出力部における表示面
    の方向とのなす角度を検知し信号に変換して送出する利
    用者行動検出部を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の概要情報表示装置。
  7. 【請求項7】監視対象全体について一つの詳細度を定め
    る詳細度決定部を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の概要情報表示装置。
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