JP3500423B2 - ナノダイヤモンドとその製造方法 - Google Patents
ナノダイヤモンドとその製造方法Info
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- JP3500423B2 JP3500423B2 JP2000258567A JP2000258567A JP3500423B2 JP 3500423 B2 JP3500423 B2 JP 3500423B2 JP 2000258567 A JP2000258567 A JP 2000258567A JP 2000258567 A JP2000258567 A JP 2000258567A JP 3500423 B2 JP3500423 B2 JP 3500423B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ナノダイ
ヤモンドとその製造方法に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、ダイヤモンド焼結体や、ス
ラリー状研摩材等として有用な、ナノサイズの均一な粒
径を有するナノダイヤモンドとその製造方法に関するも
のである。
ヤモンドとその製造方法に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、ダイヤモンド焼結体や、ス
ラリー状研摩材等として有用な、ナノサイズの均一な粒
径を有するナノダイヤモンドとその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその課題】ダイヤモンドは、様々な産業
分野において、切削や研磨加工等に多用されている。例
えば、電子工業分野では、ハードディスクの大容量化が
急速に進められ、記録媒体の表面精度の向上や、磁気ヘ
ッドの信号の書込・読出用間隔の縮小さ等の点におい
て、研削加工による精度の向上が著しい。このような記
録媒体や磁気ヘッドの研削・研摩加工には、いわゆるミ
クロンサイズ以下の、極めて細かなダイヤモンド粒子が
使用されている。特に、ダイヤモンドスラリーあるいは
ダイヤモンドペーストとしては、分級によってD50値
をナノオーダーとした人工ダイヤモンドパウダーが使用
されている。
分野において、切削や研磨加工等に多用されている。例
えば、電子工業分野では、ハードディスクの大容量化が
急速に進められ、記録媒体の表面精度の向上や、磁気ヘ
ッドの信号の書込・読出用間隔の縮小さ等の点におい
て、研削加工による精度の向上が著しい。このような記
録媒体や磁気ヘッドの研削・研摩加工には、いわゆるミ
クロンサイズ以下の、極めて細かなダイヤモンド粒子が
使用されている。特に、ダイヤモンドスラリーあるいは
ダイヤモンドペーストとしては、分級によってD50値
をナノオーダーとした人工ダイヤモンドパウダーが使用
されている。
【0003】人工ダイヤモンドの合成については、化学
蒸着法(CVD)等に代表される気相(低圧)合成法に
よって膜状のダイヤモンドを合成する方法とともに、自
然界の生成条件を模した高圧合成法によって粒状のダイ
ヤモンドを合成する方法が知られている。そして、高圧
合成法は、更に衝撃法、フラックス法、高温高圧法の3
つの方法に分類される。
蒸着法(CVD)等に代表される気相(低圧)合成法に
よって膜状のダイヤモンドを合成する方法とともに、自
然界の生成条件を模した高圧合成法によって粒状のダイ
ヤモンドを合成する方法が知られている。そして、高圧
合成法は、更に衝撃法、フラックス法、高温高圧法の3
つの方法に分類される。
【0004】衝撃法は、例えば爆薬を爆発させる等によ
って動的な衝撃を加え、グラファイト構造の原料物質を
ダイヤモンド構造の粒子に直接変換し、顆粒状のダイヤ
モンドを得る方法である。ただ、この方法には、爆薬を
用いることから、製造工程に種々の制約が伴ったり、ア
モルファスカーボンやグラファイトといった未変換物質
の混入が多く、ダイヤモンドの単一相を得ることが難し
いという問題がある。
って動的な衝撃を加え、グラファイト構造の原料物質を
ダイヤモンド構造の粒子に直接変換し、顆粒状のダイヤ
モンドを得る方法である。ただ、この方法には、爆薬を
用いることから、製造工程に種々の制約が伴ったり、ア
モルファスカーボンやグラファイトといった未変換物質
の混入が多く、ダイヤモンドの単一相を得ることが難し
いという問題がある。
【0005】フラックス法は、例えば、鉄やコバルトと
いった金属触媒を使用し、原料粉末材料であるグラファ
イトを、4〜6GPaの静圧および1500〜2000
℃の温度で金属触媒中に溶解させた後、析出させる方法
である。この方法には、核生成を伴う合成法であるた
め、生成されるダイヤモンドのサイズを制御するのが困
難であるという欠点がある。
いった金属触媒を使用し、原料粉末材料であるグラファ
イトを、4〜6GPaの静圧および1500〜2000
℃の温度で金属触媒中に溶解させた後、析出させる方法
である。この方法には、核生成を伴う合成法であるた
め、生成されるダイヤモンドのサイズを制御するのが困
難であるという欠点がある。
【0006】高温高圧法は、例えば密閉された高圧容器
内で、13〜16GPaの高い静圧、および3000〜
4000℃の高温に原料グラファイト粉末を保持し、ダ
イヤモンドに対する安定条件を実現することによって、
グラファイト粉末をダイヤモンドへ直接相転移させる方
法である。
内で、13〜16GPaの高い静圧、および3000〜
4000℃の高温に原料グラファイト粉末を保持し、ダ
イヤモンドに対する安定条件を実現することによって、
グラファイト粉末をダイヤモンドへ直接相転移させる方
法である。
【0007】しかしながら、上記のいずれの方法によっ
ても、これまでは、ナノオーダーで、粒径の揃った、単
一相のダイヤモンド微粒子を得ることはできなかった。
ても、これまでは、ナノオーダーで、粒径の揃った、単
一相のダイヤモンド微粒子を得ることはできなかった。
【0008】一方で、天然に産出する高純度ダイヤモン
ド多結晶体であるバラスは、ダイヤモンド焼結粒子の粒
径が小さいために機械的強度が極めて高いことが知られ
ている。ダイヤモンド焼結体の研究においては、このバ
ラスに類似の、ナノサイズのダイヤモンドをランダムに
配向させたダイヤモンド焼結体の実現が求められてい
る。しかしながら、用いるダイヤモンドの粒径を小さく
すると結晶粒界が増加してしまうため、焼結助剤の量比
が増えてしまい、焼結助剤を全く含有しないバラストは
かけ離れてしまうという矛盾が生じてしまっていた。
ド多結晶体であるバラスは、ダイヤモンド焼結粒子の粒
径が小さいために機械的強度が極めて高いことが知られ
ている。ダイヤモンド焼結体の研究においては、このバ
ラスに類似の、ナノサイズのダイヤモンドをランダムに
配向させたダイヤモンド焼結体の実現が求められてい
る。しかしながら、用いるダイヤモンドの粒径を小さく
すると結晶粒界が増加してしまうため、焼結助剤の量比
が増えてしまい、焼結助剤を全く含有しないバラストは
かけ離れてしまうという矛盾が生じてしまっていた。
【0009】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、スラリー状研摩材等として有用な、単一相で、
ナノサイズの均一な粒径を有するナノダイヤモンドとそ
の製造方法を提供することを課題としている。
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、スラリー状研摩材等として有用な、単一相で、
ナノサイズの均一な粒径を有するナノダイヤモンドとそ
の製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0011】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、カーボンナノチューブを、10GPa以上の高圧で
1600℃以上に加熱して直接相転移させて合成したも
のであることを特徴とするナノダイヤモンドを提供す
る。
は、カーボンナノチューブを、10GPa以上の高圧で
1600℃以上に加熱して直接相転移させて合成したも
のであることを特徴とするナノダイヤモンドを提供す
る。
【0012】 そして第2には、上記第1の発明につい
て、カーボンナノチューブを、15GPa以上の高圧で
1800℃以上に加熱して直接相転移させて合成したも
のであることを特徴とするナノダイヤモンドを、第3に
は、粒径が20〜50nmで均一であることを特徴とす
るナノダイヤモンドを、第4には、八面体構造で自形で
あることを特徴とするナノダイヤモンドを提供する。
て、カーボンナノチューブを、15GPa以上の高圧で
1800℃以上に加熱して直接相転移させて合成したも
のであることを特徴とするナノダイヤモンドを、第3に
は、粒径が20〜50nmで均一であることを特徴とす
るナノダイヤモンドを、第4には、八面体構造で自形で
あることを特徴とするナノダイヤモンドを提供する。
【0013】また、第5には、上記第1ないし第4のい
ずれかの発明のナノダイヤモンドの製造方法であって、
カーボンナノチューブを10GPa以上に加圧し、16
00℃以上に加熱することを特徴とするナノダイヤモン
ドの製造方法を提供する。さらに第6には、上記第5の
発明において、カーボンナノチューブを10GPa以上
に加圧し、1600℃以上に加熱することを特徴とする
ナノダイヤモンドの製造方法をも提供する。
ずれかの発明のナノダイヤモンドの製造方法であって、
カーボンナノチューブを10GPa以上に加圧し、16
00℃以上に加熱することを特徴とするナノダイヤモン
ドの製造方法を提供する。さらに第6には、上記第5の
発明において、カーボンナノチューブを10GPa以上
に加圧し、1600℃以上に加熱することを特徴とする
ナノダイヤモンドの製造方法をも提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】この出願の発明は上記の通りの特
徴を持つものであるが、以下にその説明をする。
徴を持つものであるが、以下にその説明をする。
【0015】まず、この出願の発明のナノダイヤモンド
は、カーボンナノチューブを、10GPa以上の高圧で
1600℃以上に加熱して合成されたものであることを
特徴としている。
は、カーボンナノチューブを、10GPa以上の高圧で
1600℃以上に加熱して合成されたものであることを
特徴としている。
【0016】カーボンナノチューブは、炭素六角網面が
円筒状に閉じた構造あるいはこれらの円筒が入れ子状に
配置された多層構造を有し、その径は、数nm〜数十n
mと非常に細いものである。このようなカーボンナノチ
ューブは、一般に知られている各種の方法で製造された
ものを使用することができる。例えば、炭素電極間にア
ーク放電を発生させることで放電用炭素電極の陰極表面
に成長させる方法や、SiCにレーザビームを照射して
加熱し、昇華させて得る方法、さらにはCVD(化学蒸
着法)による合成方法等が例示される。
円筒状に閉じた構造あるいはこれらの円筒が入れ子状に
配置された多層構造を有し、その径は、数nm〜数十n
mと非常に細いものである。このようなカーボンナノチ
ューブは、一般に知られている各種の方法で製造された
ものを使用することができる。例えば、炭素電極間にア
ーク放電を発生させることで放電用炭素電極の陰極表面
に成長させる方法や、SiCにレーザビームを照射して
加熱し、昇華させて得る方法、さらにはCVD(化学蒸
着法)による合成方法等が例示される。
【0017】上記出発原料としてのカーボンナノチュー
ブを、例えば、ダイヤモンドアンビルセル装置等のよう
な密閉された高圧容器内に配置する等によって、10G
Pa以上の高い静圧を均等に加えて1600℃以上の高
温に保持する。さらには、15GPa以上の高圧で18
00℃以上の高温に保持することなどもできる。つま
り、ダイヤモンド構造の安定条件を実現することによっ
て、カーボンナノチューブをダイヤモンドへと直接相転
移させる。このような高温高圧での保持時間は、その温
度および圧力条件にもよるが、数十秒〜数分程度とする
ことができる。たとえば、カーボンナノチューブを約1
0GPaの高圧で約1600℃の高温に保持する場合に
は、保持時間を数分程度とすることができ、カーボンナ
ノチューブを約15GPaの高圧で約1800℃の高温
に保持する場合には、保持時間を数十秒程度とすること
ができる。
ブを、例えば、ダイヤモンドアンビルセル装置等のよう
な密閉された高圧容器内に配置する等によって、10G
Pa以上の高い静圧を均等に加えて1600℃以上の高
温に保持する。さらには、15GPa以上の高圧で18
00℃以上の高温に保持することなどもできる。つま
り、ダイヤモンド構造の安定条件を実現することによっ
て、カーボンナノチューブをダイヤモンドへと直接相転
移させる。このような高温高圧での保持時間は、その温
度および圧力条件にもよるが、数十秒〜数分程度とする
ことができる。たとえば、カーボンナノチューブを約1
0GPaの高圧で約1600℃の高温に保持する場合に
は、保持時間を数分程度とすることができ、カーボンナ
ノチューブを約15GPaの高圧で約1800℃の高温
に保持する場合には、保持時間を数十秒程度とすること
ができる。
【0018】これによって、原料として用いるナノチュ
ーブの直径とほぼ同一のサイズを有するナノダイヤモン
ドを集合体として得ることができる。
ーブの直径とほぼ同一のサイズを有するナノダイヤモン
ドを集合体として得ることができる。
【0019】また、上記の方法は固相での反応であるた
め、溶解反応に見られる核生成を伴わないことから、均
一なサイズのナノダイヤモンドを得ることができる。例
えば、20〜50nmの直径を有するカーボンナノチュ
ーブ集合体を出発材料として用いることで、粒径が20
〜50nmで均一なナノダイヤモンド集合体を得ること
ができる。
め、溶解反応に見られる核生成を伴わないことから、均
一なサイズのナノダイヤモンドを得ることができる。例
えば、20〜50nmの直径を有するカーボンナノチュ
ーブ集合体を出発材料として用いることで、粒径が20
〜50nmで均一なナノダイヤモンド集合体を得ること
ができる。
【0020】更には、この出願の発明では、静圧で合成
されるために歪の発生が少なく、八面体構造を有する自
形の結晶としてナノダイヤモンドを得ることができる。
されるために歪の発生が少なく、八面体構造を有する自
形の結晶としてナノダイヤモンドを得ることができる。
【0021】このようなナノダイヤモンドは、例えば、
ダイヤモンドスラリーやダイヤモンドペーストとして利
用することができる。また、この出願の発明のナノダイ
ヤモンドによって、天然に産出する高純度ダイヤモンド
多結晶体であるバラスに類似した、焼結助剤を全く含有
しないダイヤモンド焼結体の実現が期待される。
ダイヤモンドスラリーやダイヤモンドペーストとして利
用することができる。また、この出願の発明のナノダイ
ヤモンドによって、天然に産出する高純度ダイヤモンド
多結晶体であるバラスに類似した、焼結助剤を全く含有
しないダイヤモンド焼結体の実現が期待される。
【0022】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0023】
【実施例】出発原料としておよそ20〜50nmの直径
を有する多層型カーボンナノチューブを用い、高圧合成
によってナノダイヤモンドを製造した。合成に用いたダ
イヤモンドアンビルセル装置の概略を図1の斜視図に、
また、その試料室付近の拡大側面図を図2に示した。ま
た、出発原料として用いた多層型カーボンナノチューブ
の高分解能走査電子顕微鏡(HRSEM)像と電子エネ
ルギー損失スペクトルを、それぞれ図3並びに図6
(b)に示した。
を有する多層型カーボンナノチューブを用い、高圧合成
によってナノダイヤモンドを製造した。合成に用いたダ
イヤモンドアンビルセル装置の概略を図1の斜視図に、
また、その試料室付近の拡大側面図を図2に示した。ま
た、出発原料として用いた多層型カーボンナノチューブ
の高分解能走査電子顕微鏡(HRSEM)像と電子エネ
ルギー損失スペクトルを、それぞれ図3並びに図6
(b)に示した。
【0024】図1および図2に例示したように、まず、
多層型カーボンナノチューブを100ミクロン角×20
ミクロン厚に整形して試料(1)を作製し、圧力媒体
(6)としての臭化カリウムとともに、ダイヤモンドア
ンビル(2)の間の試料室(4)に入れた。圧力媒体
(6)は、試料(1)および圧力センサーとして用いる
ルビーの表面上に、均一に圧力を分配する機能を果た
す。次いで、スクリュー装置(図示せず)を使い、ダイ
ヤモンドアンビル(2)および圧力媒体(6)を介して
試料(1)に15GPaの均一な圧力を加えた。そし
て、出力100Wの炭酸ガスレーザーをレンズを通して
100ミクロンサイズに集光させたレーザービーム
(5)を試料(1)に照射して、試料(1)の表面に2
500Kの温度を発生させた。
多層型カーボンナノチューブを100ミクロン角×20
ミクロン厚に整形して試料(1)を作製し、圧力媒体
(6)としての臭化カリウムとともに、ダイヤモンドア
ンビル(2)の間の試料室(4)に入れた。圧力媒体
(6)は、試料(1)および圧力センサーとして用いる
ルビーの表面上に、均一に圧力を分配する機能を果た
す。次いで、スクリュー装置(図示せず)を使い、ダイ
ヤモンドアンビル(2)および圧力媒体(6)を介して
試料(1)に15GPaの均一な圧力を加えた。そし
て、出力100Wの炭酸ガスレーザーをレンズを通して
100ミクロンサイズに集光させたレーザービーム
(5)を試料(1)に照射して、試料(1)の表面に2
500Kの温度を発生させた。
【0025】このようにして得られた生成物試料を高分
解能走査電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡によって観察
し、電子エネルギー損失分光法によりその電子結合状態
を調べた。その結果を、それぞれ図4,図5および図6
(a)に示した。
解能走査電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡によって観察
し、電子エネルギー損失分光法によりその電子結合状態
を調べた。その結果を、それぞれ図4,図5および図6
(a)に示した。
【0026】図4および図5より、20〜50nm程度
の粒径のそろった八面体自形のナノダイヤモンド集合体
が形成されていることが確認された。図5の右上に示し
た電子線回折パターンは、立方晶ダイヤモンドの回折パ
ターンと一致していることがわかった。また、図6
(a)の電子エネルギー損失スペクトルも、立方晶ダイ
ヤモンドと一致することが確認された。
の粒径のそろった八面体自形のナノダイヤモンド集合体
が形成されていることが確認された。図5の右上に示し
た電子線回折パターンは、立方晶ダイヤモンドの回折パ
ターンと一致していることがわかった。また、図6
(a)の電子エネルギー損失スペクトルも、立方晶ダイ
ヤモンドと一致することが確認された。
【0027】以上のことから、この出願の発明によっ
て、20〜50nm程度の粒径のそろった八面体自形の
ナノダイヤモンド集合体が実現されることが確認され
た。
て、20〜50nm程度の粒径のそろった八面体自形の
ナノダイヤモンド集合体が実現されることが確認され
た。
【0028】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、ダイヤモンド焼結体や、スラリー状研摩材等とし
て有用な、ナノサイズの均一な粒径を有するナノダイヤ
モンドとその製造方法が提供される。
って、ダイヤモンド焼結体や、スラリー状研摩材等とし
て有用な、ナノサイズの均一な粒径を有するナノダイヤ
モンドとその製造方法が提供される。
【図1】実施例においてナノダイヤモンドの製造に用い
た装置の概略を示す斜視図である。
た装置の概略を示す斜視図である。
【図2】実施例においてナノダイヤモンドの製造に用い
た装置の試料室付近の概略を示す側断面図である。
た装置の試料室付近の概略を示す側断面図である。
【図3】出発原料として用いた多層型カーボンナノチュ
ーブの高分解能走査電子顕微鏡像を例示した図である。
ーブの高分解能走査電子顕微鏡像を例示した図である。
【図4】得られたナノダイヤモンドの高分解能走査電子
顕微鏡像を例示した図である。
顕微鏡像を例示した図である。
【図5】得られたナノダイヤモンドの透過型電子顕微鏡
像とその電子線回折パターンを例示した図である。
像とその電子線回折パターンを例示した図である。
【図6】(a)実施例において製造されたナノダイヤモ
ンドと、(b)出発原料として用いた多層型カーボンナ
ノチューブの、電子結合状態を示す電子線エネルギー損
失スペクトルを例示した図である。
ンドと、(b)出発原料として用いた多層型カーボンナ
ノチューブの、電子結合状態を示す電子線エネルギー損
失スペクトルを例示した図である。
【符号の説明】
1 試料
2 ダイヤモンドアンビル
3 ガスケット
4 試料室
5 レーザービーム
6 圧力媒体
Claims (6)
- 【請求項1】 カーボンナノチューブを、10GPa以
上の高圧で1600℃以上に加熱して直接相転移させて
合成したものであることを特徴とするナノダイヤモン
ド。 - 【請求項2】 カーボンナノチューブを、15GPa以
上の高圧で1800℃以上に加熱して直接相転移させて
合成したものであることを特徴とする請求項1記載のナ
ノダイヤモンド。 - 【請求項3】 粒径が20〜50nmであることを特徴
とする請求項1または2のナノダイヤモンド。 - 【請求項4】 八面体構造で自形であることを特徴とす
る請求項1ないし3いずれかのナノダイヤモンド。 - 【請求項5】 請求項1ないし4いずれかのナノダイヤ
モンドの製造方法であって、カーボンナノチューブを1
0GPa以上に加圧し、1600℃以上に加熱すること
を特徴とするナノダイヤモンドの製造方法。 - 【請求項6】 カーボンナノチューブを15GPa以上
に加圧し、1800℃以上に加熱することを特徴とする
請求項5記載のナノダイヤモンドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000258567A JP3500423B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | ナノダイヤモンドとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000258567A JP3500423B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | ナノダイヤモンドとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002066302A JP2002066302A (ja) | 2002-03-05 |
JP3500423B2 true JP3500423B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=18746863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000258567A Expired - Lifetime JP3500423B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | ナノダイヤモンドとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3500423B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
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---|---|---|---|---|
KR101268272B1 (ko) | 2004-05-27 | 2013-05-31 | 도쿠리츠교세이호징 붓시쯔 자이료 겐큐키코 | 나노 크리스탈 다이아몬드막, 그 제조 방법, 및 나노크리스탈 다이아몬드막을 이용한 장치 |
US20090285744A1 (en) * | 2005-06-29 | 2009-11-19 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Process For Producing Fine Diamond and Fine Diamond |
EP1921049B1 (en) | 2005-07-21 | 2016-10-12 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | High-hardness polycrystalline diamond |
JP5346427B2 (ja) * | 2006-03-10 | 2013-11-20 | 直樹 小松 | ナノダイヤモンド |
EP2127789B1 (en) | 2007-01-19 | 2013-04-03 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Cutting tool |
EP2647444B1 (en) | 2007-01-19 | 2017-03-29 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Wire drawing die |
JP2009007248A (ja) * | 2008-08-15 | 2009-01-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ダイヤモンド多結晶体 |
KR101181331B1 (ko) | 2010-11-29 | 2012-09-10 | 국방과학연구소 | 대칭형 다이아몬드 엔빌 셀 |
EP2788112A1 (en) * | 2011-12-05 | 2014-10-15 | Diamond Innovations, Inc. | Methods of improving sintering of pcd using graphene |
-
2000
- 2000-08-29 JP JP2000258567A patent/JP3500423B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002066302A (ja) | 2002-03-05 |
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