JP3499496B2 - ガス化炉の供給空気量測定方法、ガス化炉の供給空気量制御方法及びガス化炉の供給空気量制御装置 - Google Patents

ガス化炉の供給空気量測定方法、ガス化炉の供給空気量制御方法及びガス化炉の供給空気量制御装置

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JP3499496B2
JP3499496B2 JP2000091598A JP2000091598A JP3499496B2 JP 3499496 B2 JP3499496 B2 JP 3499496B2 JP 2000091598 A JP2000091598 A JP 2000091598A JP 2000091598 A JP2000091598 A JP 2000091598A JP 3499496 B2 JP3499496 B2 JP 3499496B2
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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可燃物を熱分解ガ
ス化するガス化炉に対しての供給空気量を測定するガス
化炉の供給空気量測定方法、この測定方法で判明した供
給空気量に基づいて、供給空気量を調整するガス化炉の
供給空気量制御方法、及び、可燃物を熱分解ガス化する
ガス化炉に対しての供給空気量を制御するガス化炉の供
給空気量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般廃棄物や産業廃棄物等のごみ或いは
石炭(以下可燃物と記す)を熱分解ガス化して、有益な
ガスとして取り出すガス化炉が知られている。このガス
化炉では、空燃比1未満の条件で空気を供給し、この供
給空気により、可燃物を部分燃焼させて昇温することで
当該可燃物を熱分解ガス化する。従って、供給空気量
は、得られるガスのカロリーを左右する重要な因子であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来において
は、上記供給空気量を、流量計で連続測定しているが、
例えば大型プラント等での流量測定は、その精度が所定
の精度を満足しない。
【0004】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、ガス化炉に対する供給空気量を
高精度に測定するガス化炉の供給空気量測定方法、この
測定方法で判明した供給空気量に基づいて、供給空気量
を最適に調整するガス化炉の供給空気量制御方法、及
び、ガス化炉に対する供給空気量を高精度に測定し、こ
の供給空気量に基づいて、供給空気量を最適に制御する
ガス化炉の供給空気量制御装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるガス化炉の
供給空気量測定方法は、可燃物を熱分解ガス化するガス
化炉に対しての供給空気量を測定する方法であって、発
生ガス中の不活性ガスの濃度を測定し、これに基づいて
供給空気量を知ることを特徴としている。
【0006】このようなガス化炉の供給空気量測定方法
によれば、供給空気中の不活性ガスは燃焼されないた
め、発生ガス中の不活性ガスを指標ガスとしてその濃度
を測定すれば、空気を組成する不活性ガスの割合から供
給空気量を知ることが可能とされる。
【0007】ここで、ガス化炉では、当該ガス化炉内に
炉や計測系保護、シール、冷却等の目的で不活性ガスが
供給される場合があるため、この場合に供給空気量を高
精度に把握するには、濃度測定する不活性ガスを、上記
目的で供給される不活性ガスとは異なる不活性ガス、す
なわち空気としてだけ供給される不活性ガスとする必要
がある。
【0008】また、ガス化炉内に炉や計測系保護、シー
ル、冷却等の目的で供給される不活性ガスとしては、安
価な窒素が多いため、濃度測定する不活性ガスとして
は、具体的には、例えばアルゴンとするのが好ましい。
【0009】また、本発明によるガス化炉の供給空気量
制御方法は、上記ガス化炉の供給空気量測定方法で判明
した供給空気量に基づいて、供給空気量を調整するた
め、供給空気量が最適に制御可能とされる。
【0010】ここで、最適な供給空気量とするには、所
定の空燃比となるように供給空気量を調整すれば良い。
【0011】また、本発明によるガス化炉の供給空気量
制御装置は、可燃物を熱分解ガス化するガス化炉に対し
ての供給空気量を制御する装置であって、ガス化炉に対
する供給空気量を調整可能な流量調整手段と、発生ガス
中の不活性ガスの濃度を測定する不活性ガス濃度測定手
段と、この不活性ガス濃度測定手段の測定結果に基づい
て供給空気量を知り、この判明した供給空気量に基づい
て、流量調整手段を制御する制御手段と、を備えること
を特徴としている。
【0012】このように構成されたガス化炉の供給空気
量制御装置によれば、供給空気中の不活性ガスは燃焼さ
れないため、発生ガス中の不活性ガスを指標ガスとして
その濃度を測定することで、空気を組成する不活性ガス
の割合から供給空気量が把握され、これに基づいて、供
給空気量が調整される。このため、供給空気量が最適に
制御されるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガス化炉の供
給空気量測定方法、ガス化炉の供給空気量制御方法及び
ガス化炉の供給空気量制御装置の好適な実施形態につい
て添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の
ガス化炉の供給空気量測定方法及び供給空気量制御方法
を採用したガス化炉の供給空気量制御装置を示す概略構
成図である。
【0014】ガス化炉1は、投入口4から投入される可
燃物としての一般廃棄物や産業廃棄物等のごみAを、空
気供給経路2から導入される供給空気Xにより熱分解ガ
ス化する。ここで、供給空気量としては、ごみAを燃料
とした時の空燃比が0.2〜0.6に相当する最適な量
を導入する。
【0015】このガス化炉1は、熱分解ガス化により生
じた炉底灰等の固形物Bを底部から適宜排出すると共
に、ガス化炉1内で生成された可燃性の熱分解ガスを、
出口経路6を介して、付設されるサイクロン7に排出す
る。サイクロン7は、固体−気体(固気)分離装置であ
り、分離した固形物を、ダウンパイプ10を介して、ガ
ス化炉1内に戻す一方で、分離した熱分解ガスを、ガス
ライン11を介して、所定の排ガス処理系12に排出す
る。
【0016】ここで、特に、本実施形態においては、ガ
ス化炉1に対する供給空気量を制御する供給空気量制御
装置20を備えている。
【0017】この供給空気量制御装置20は、空気供給
経路2に配設され、ガス化炉1に対する供給空気量を調
整可能な流量調整弁(流量調整手段)17と、ガス化炉
1で生成された可燃性の熱分解ガス中の不活性ガス濃度
を、サイクロン7下流のガスライン11で測定する不活
性ガス濃度測定手段15と、この不活性ガス濃度測定手
段15の測定結果に基づいて供給空気量を知り、この判
明した供給空気量に基づいて、流量調整弁17を制御す
る制御手段16と、を備える。
【0018】不活性ガス濃度測定手段15は、本実施形
態では、アルゴン濃度を測定する。不活性ガス濃度の測
定としては、窒素の方が測定しやすいが、ガス化炉1で
は、炉や計測系保護、シール、冷却等の目的で、ガス化
炉1内に、安価な不活性ガスとして窒素を供給している
ため、窒素を濃度測定の対象にすると、供給空気に含ま
れる窒素以外の窒素も含むことになり、後述の正確な供
給空気量の把握が不可能となるためである。
【0019】この不活性ガス濃度測定手段15として
は、具体的には、ガスクロマトグラフィーが採用され
る。カラムには、モレキュラーシーブを充填し、カラム
の長さを通常のガス分析より長い5m程度として、例え
ばドライアイス等により−20°C程度の低温に冷却し
て用いることで、アルゴンの濃度測定が可能である。
【0020】また、制御手段16は、不活性ガス濃度測
定手段15で測定されたアルゴン濃度に基づいて、演算
若しくはデータテーブルにより、空気を組成するアルゴ
ンの割合から供給空気量を把握し、ごみAを燃料とした
時の空燃比が0.2〜0.6に相当する最適な空気量を
供給するように、流量調整弁17を制御する。
【0021】次に、このように構成された供給空気量制
御装置20の作用について説明する。投入口4から投入
されるごみAは、ガス化炉1内において、空気供給経路
2を介してガス化炉1内に導入される供給空気Xによ
り、流動すると共に空燃比に相当する量のごみが部分燃
焼する。この燃焼熱により、残りのごみ及び燃焼灰が昇
温し、熱分解反応により、CO、H2等の熱分解ガスが
生成される。
【0022】このガス化炉1で生成された可燃性の熱分
解ガスは、出口経路6、サイクロン7、ガスライン11
を経由して、排ガス処理系12に排出される。この時、
この可燃性の熱分解ガスのアルゴン濃度が、不活性ガス
濃度測定手段15で測定され、このアルゴン濃度に基づ
いて、制御手段16で供給空気量が把握され、ごみAを
燃料とした時の空燃比が0.2〜0.6に相当する最適
な空気量を供給するように、当該制御手段16により、
流量調整弁17が制御される。
【0023】このように、本実施形態においては、供給
空気中のアルゴン(不活性ガス)が燃焼されないことに
基づいて、発生ガス中のアルゴンを指標ガスとしてその
濃度を測定し、これに基づいて供給空気量を知るように
しているため、従来の流量計で連続測定する場合に比し
て、供給空気量を高精度に把握するのが可能となってい
る。
【0024】また、この高精度に把握した供給空気量に
基づいて、所定の空燃比となるように供給空気量を調整
するようにしているため、供給空気量を最適とするのが
可能となっている。
【0025】以上、本発明をその実施形態に基づき具体
的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、上記実施形態においては、濃度測
定する不活性ガスをアルゴンとしているが、アルゴンに
限定されるものではなく、例えば、ガス化炉1内に炉や
計測系保護、シール、冷却等の目的で供給している不活
性ガスをアルゴンとすれば、濃度測定する不活性ガスを
窒素とすることも可能であり、要は、濃度測定するにあ
たっては、炉や計測系保護、シール、冷却等の目的で供
給される不活性ガスとは異なる不活性ガス、すなわち空
気としてだけ供給される不活性ガスの濃度を測定すれば
良い。
【0026】また、上記実施形態においては、制御手段
16により、不活性ガス濃度に基づいて供給空気量を判
明する構成としているが、作業者(測定者)が、不活性
ガス濃度に基づいて供給空気量を計算等により知るよう
にしても良い。
【0027】また、上記実施形態においては、制御手段
16により、不活性ガス濃度に基づいて流量調整弁17
を自動制御するようにしているが、作業者が、手動で流
量調整弁を調整するようにしても良い。
【0028】また、上記実施形態においては、サイクロ
ン7に近い下流のガスライン11で濃度測定している
が、サイクロン7の後段に、排ガス処理系12として、
当該サイクロン7からの可燃性の熱分解ガスを冷却する
ガス冷却装置、この冷却された熱分解ガス中の塩素等の
有害物質と結合する消石灰を混入する消石灰混入装置、
有害物質を集塵するバグフィルタ(集塵器)をこの順に
並設して、これらを経ることで、脱有害物質、無塵とさ
れた清浄な可燃性ガスに対して、濃度測定するようにし
ても勿論良い。
【0029】また、上記実施形態においては、ごみAを
熱分解ガス化するガス化炉1に対する適用が述べられて
いるが、可燃物を石炭として当該石炭を熱分解ガス化す
るガス化炉に対しても同様に適用可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明によるガス化炉の供給空気量測定
方法は、供給空気中の不活性ガスが燃焼されないことに
基づいて、発生ガス中の不活性ガスを指標ガスとしてそ
の濃度を測定し、これに基づいて供給空気量を知るのを
可能としているため、供給空気量を高精度に把握するの
が可能となる。
【0031】また、本発明によるガス化炉の供給空気量
測定方法及び供給空気量制御装置は、供給空気中の不活
性ガスが燃焼されないことに基づいて、発生ガス中の不
活性ガスを指標ガスとしてその濃度を測定し、これに基
づいて供給空気量を高精度に把握するのを可能とし、こ
の把握された高精度の供給空気量に基づいて、供給空気
量を調整するようにしているため、供給空気量を最適と
するのが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス化炉の供給空気量測定方法及び供
給空気量制御方法を採用したガス化炉の供給空気量制御
装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…ガス化炉、2…空気供給経路、15…不活性ガス濃
度測定手段、16…制御手段、17…流量調整弁(流量
調整手段)、20…ガス化炉の供給空気量制御装置、A
…ごみ(可燃物)、X…供給空気。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−126627(JP,A) 特開 平11−14027(JP,A) 特開 昭63−314294(JP,A) 特開 平9−53078(JP,A) 特開 昭57−53832(JP,A) 特開2000−18545(JP,A) 特開 平11−72219(JP,A) 特開 平11−50055(JP,A) 特開 平7−126645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10B 49/02 - 49/12 C10B 45/00 - 45/02 C10B 53/00 B09B 3/00 F23G 5/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃物を熱分解ガス化するガス化炉に対
    しての供給空気量を測定する方法であって、 発生ガス中の不活性ガスの濃度を測定し、これに基づい
    て供給空気量を知ることを特徴とするガス化炉の供給空
    気量測定方法。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスは、前記ガス化炉内に空
    気としてだけ供給される不活性ガスであることを特徴と
    する請求項1記載のガス化炉の供給空気量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記不活性ガスは、アルゴンであること
    を特徴とする請求項1または2記載のガス化炉の供給空
    気量測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載のガス
    化炉の供給空気量測定方法で判明した供給空気量に基づ
    いて、供給空気量を調整することを特徴とするガス化炉
    の供給空気量制御方法。
  5. 【請求項5】 所定の空燃比となるように、前記供給空
    気量を調整することを特徴とする請求項4記載のガス化
    炉の供給空気量制御方法。
  6. 【請求項6】 可燃物を熱分解ガス化するガス化炉に対
    しての供給空気量を制御する装置であって、 前記ガス化炉に対する供給空気量を調整可能な流量調整
    手段と、 発生ガス中の不活性ガスの濃度を測定する不活性ガス濃
    度測定手段と、 この不活性ガス濃度測定手段の測定結果に基づいて供給
    空気量を知り、この判明した供給空気量に基づいて、前
    記流量調整手段を制御する制御手段と、を備えるガス化
    炉の供給空気量制御装置。
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