JP3499428B2 - 生体的特徴の認証装置及び記録媒体 - Google Patents
生体的特徴の認証装置及び記録媒体Info
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Description
技術に係り、特に、複数の異なる生体的特徴を表す照合
スコアを統合して認証精度を向上させる手法に関する。
における電子マネーやインタネット等の公衆網を用いた
インタネットバンキング等の多様な形態の提案に伴い、
利用者等を認証するための個人認証技術の研究開発が盛
んである。この個人認証技術は、人体における指紋や虹
彩等の生体的特徴に基づいて個人の識別を行うものであ
る。生体的特徴の中でも、特に、顔面及び声紋(音声)
における個人の特徴に着目した認証方式は、利用者側に
係る負荷や抵抗が少なく、また特殊な機材を必要としな
い点で、比較的容易に構築可能な認証方式として知られ
ている。一方、複数の異なる認証方式を統合することに
より認証性能を向上させる手法も知られている。この手
法は、複数の認証器毎の認証結果に対して論理和を用い
ることにより認証性能を向上させることを目的とするも
のである。
単一の認証装置(機器)で行う場合、例えば以下に示す
ような使用環境等に起因して、認証精度が変動してしま
うという問題があった。 (1)顔面認証器では、認証時における照明条件や、認
証対象者の表情変化に伴う特徴変動がある。 (2)声紋(音声)認証器では、自然な経時変化による
特徴変動がある。 (3)指紋認証器では、皮膚の乾燥等のような認証対象
者自身の状態に起因する特徴変動がある。 このような特徴変動が大きいほど認証精度が悪くなり、
また、セキュリティの観点からも満足な認証精度が得ら
れなくなる。
ら個人認証を行う場合には、単に論理和を用いているこ
とに起因して、本人排除率が上昇してしまい、利用者に
とって不便なものになってしまうという問題があった。
せることが可能な生体的特徴の認証方法を提供すること
にある。本発明の他の課題は、上記方法の実施に適した
装置を提供することにある。本発明の他の課題は、上記
方法または装置をコンピュータ装置上で実現するための
記録媒体を提供することにある。
明の認証方法は、それぞれ生体的特徴を表す複数の照合
データと前記生体的特徴毎の認証データとの類似度合い
を表す複数の照合スコアを生成するとともに、各照合ス
コアを統合してスコア個数を次元数としたベクトル表現
を行い、該ベクトル表現により形成される、照合スコア
の特徴空間における所定の識別規則に基づいて前記複数
の照合データに対する統合的な正当性を判定することを
特徴とする。
生体的特徴の認証装置及びこの認証装置を有する個人認
証装置を提供する。本発明の個人認証装置は、それぞれ
生体的特徴を表す複数の照合データと予め設定された前
記生体的特徴毎の認証データとの類似度合いを表す複数
の照合スコアを生成する手段と、各照合スコアを統合し
てスコア個数を次元数としたスコアベクトルを生成する
手段と、生成されたスコアベクトルにより形成されるス
コアベクトル空間における所定の識別規則に基づいて前
記照合スコア毎の正当性を識別する照合スコア識別手段
と、識別された照合スコア毎の正当性に基づいて前記複
数の照合データに対する統合的な正当性を判定する手段
と、を備えたことを特徴とする。
照合スコアが属すべきカテゴリを、「正当」または「不
当」のいずれかのカテゴリに分類することにより当該照
合スコアの正当性を識別するように構成される。
ば、所定の最近接規則に基づいて前記照合スコアが属す
べき「正当」または「不当」のいずれかのカテゴリにつ
いて、予め所定数設定された標準ベクトルと、分布する
前記照合スコアとの距離値を各々算出するとともに、算
出された距離値が最小となる場合の標準ベクトルに対応
するカテゴリに分類するように構成される。上記照合ス
コア照合手段は前記照合スコアが線形の場合であるが、
非線形な分布となる場合は、所定の二次形式識別関数に
基づいて前記標準ベクトルと分布する前記照合スコアと
の距離値を算出するように構成される。また、前記照合
スコアの分布に即して算出される統計的な確率に基づい
て、当該照合スコアが属すべき「正当」または「不当」
のいずれかのカテゴリに分類するように構成される。あ
るいは、例えば、所定の人工神経回路網に基づいて前記
照合スコアが属すべきカテゴリを「正当」または「不
当」のいずれかのカテゴリに対応するパターンを出力す
るように内部ニューロンを構成させて学習し、前記照合
スコアを入力パターンとして得られる出力パターンか
ら、当該照合スコアの属すべきカテゴリに分類するよう
に構成される。
が、認証対象者に関するヒトの生体的特徴毎の照合デー
タから、当該認証対象者に対する正当性を認証するよう
に構成されたものである。
は、下記の処理を、コンピュータ装置に実行させるプロ
グラムが前記コンピュータ装置が読みとり可能な形態で
記録された記録媒体である。 (1)それぞれ生体的特徴を表す複数の照合データと予
め設定された前記生体的特徴毎の認証データとの類似度
合いを表す複数の照合スコアを生成する処理、(2)
各照合スコアを統合してスコア個数を次元数としたスコ
アベクトルを生成する処理、(3) 生成されたスコア
ベクトルにより形成されるスコアベクトル空間における
所定の識別規則に基づいて前記照合スコア毎の正当性を
識別する処理、(4) 識別された照合スコア毎の正当
性に基づいて前記複数の照合データに対する統合的な正
当性を判定する処理。
施の形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明を適用した個人認証装
置の実施の形態を表す機能ブロック図である。図中、実
線は処理の流れ、破線はデータの流れを表す。この個人
認証装置1は、オペレーティングシステム(OS)を搭
載したコンピュータ装置によって実現されるもので、こ
のコンピュータ装置が所定のプログラムを読み込んで実
行することにより形成される、N個の生体特徴照合部1
1A〜11N(以下、11と略す)、照合スコア統合処
理部12、照合スコアベクトル識別処理部13、及び認
証結果処理部14を備えて構成される。
置の内部記憶装置あるいは外部記憶装置に格納され、随
時読み取られて実行されるようになっている。但し、コ
ンピュータ装置上で上記各機能ブロック11〜14を形
成できれば本発明を実施することができるので、その記
録形態は任意であってよい。例えばコンピュータ装置と
分離可能なCD−ROMやFD等の可搬性記録媒体、あ
るいは構内ネットワークに接続されたプログラムサーバ
等に記録され、使用時に読み込まれて上記内部記憶装置
または外部記憶装置にインストールされて随時実行に供
されるようにしてもよい。
者の生体的特徴を表す指紋や声紋等の照合データの照合
を行うもので、生体的特徴の種類に対応して設けられ
る。なお、図示を省略したが、各認証処理部11には、
対応する入力用インタフェースの組が備えられている。
この入力用インタフェースは公知のものである。照合デ
ータは、図示しない所定の入力用インタフェースを介し
てこの生体特徴照合部11に入力される。生体特徴照合
部11からは、照合スコアが照合スコア統合処理部12
に入力される。照合スコアとは、例えば、生体的特徴毎
に予め設定された認証対象者の認証データに対する照合
データの類似度合いを表すものである。
すべての照合スコアを統合して後述する照合スコアベク
トルを生成するとともに、すべての照合スコア及び照合
スコアベクトルを照合スコアベクトル識別処理部13に
入力する。
定の識別規則に基づいて照合スコア毎の識別を行うもの
である。この識別は、各照合スコアを、各々属すると判
定されるカテゴリ、即ち「正当」または「不当」のいず
れかのカテゴリに分類することにより行われる。当該識
別結果は認証結果処理部14に入力される。
ル識別処理部13における処理結果に基づいて認証対象
者の正当性を判定するものである。当該認証結果は、図
示しない所定の出力用インタフェースを介して出力され
る。
を、図2に従って説明する。認証対象となる個人即ち認
証対象者は、該当する入力用インタフェースを介して、
生体的特徴別の照合データを入力する(ステップS10
1)。入力された各照合データは、対応する生体特徴照
合部11において各々照合処理が行われる(ステップS
102)。個々の生体特徴照合部11からの照合スコア
は、照合スコア統合処理部12に入力される(ステップ
S103)。
すべての照合スコアを統合して照合スコアベクトルを生
成する(ステップS104)。具体的には、各照合スコ
アに対して、各生体特徴照合部11におけるN個の出力
を次元数としたベクトル表現、即ちN次元の照合スコア
ベクトルを生成する。また、照合スコア統合処理部12
は、照合スコアベクトル及びすべての照合スコアを、照
合スコアベクトル識別処理部13に入力する。
各照合スコアに対する識別処理を行う(ステップS10
5)。この識別処理における識別規則は、例えば、ユー
クリッド距離による最近接規則に基づいて、入力された
照合スコアの属すべきカテゴリを決定する処理である。
具体的には、対応する生体的特徴における照合スコアの
平均値等を用いて、照合スコアの属すべきカテゴリに係
る標準ベクトルを「正当」または「不当」の2つのカテ
ゴリについて各々生成しておき、照合スコアの「正当」
または「不当」のいずれかの標準ベクトルに対する距離
値を算出し、当該距離値に基づいて近接する標準ベクト
ルを特定してカテゴリの決定を行うものである。これら
の標準ベクトルは、カテゴリ決定の際のテンプレート的
な側面を有する指標となる。カテゴリが決定され識別さ
れた照合スコアは、認証結果処理部15に入力される。
このことから、該識別処理は、照合スコアベクトル空間
における「正当」または「不当」、即ち認証対象者本人
か否かの2カテゴリの識別問題として対処されるものと
なる。
照合スコアの識別に関する概念図を図3に示す。この図
は、照合スコア統合処理部12において生成される照合
スコアベクトル空間であり、図中の黒点で示される「入
力データ」が、生体特徴照合部11における照合スコア
を表している。照合スコアベクトル識別処理部13で
は、この「入力データ」が、複数の標準ベクトルである
正当または不当テンプレートのいずれかに近接するかを
判定して「入力データ」の属するカテゴリを決定する。
この図の場合、「入力データ」は、「正当テンプレー
ト」に対して近接しており、属すべきカテゴリは、「正
当」となる。
ベクトル識別処理部13において、カテゴリが決定され
た各照合スコアに基づいた統合的な認証を行う。認証結
果が「不当」の場合には(ステップS106:No)、認
証対象者を拒否する(ステップS107)。一方、認証
結果が「正当」の場合には(ステップS106:Ye
s)、認証対象者を受理する(ステップS108)。な
お、当該認証結果は、適宜図示しない出力インタフェー
スへ出力される。
理部13における識別規則に、ユークリッド距離による
最近接規則を適用した場合について説明したが、例え
ば、k−NN(k-Nearest Neibour:K−最近接規則)
法も同様に適用可能である。この場合、照合スコアが属
すべきカテゴリに関する上記標準ベクトルを「k個」
(kは自然数)即ち所定数設定しておき、これらの標準
ベクトルとの距離値が最小となる場合のカテゴリを特定
するように構成すればよい。また、照合スコアが上述の
ような線形な分布以外、即ち非線形な分布となる場合に
は、例えば、所定の二次形式の識別関数に基づいて上記
標準ベクトルと、照合スコアとの距離値を算出するよう
に構成すればよい。さらに本発明は、上記例に限定され
るものではなく、統計的手法及び人工神経回路網的手法
を用いて構成することも可能である。統計的手法の場合
は、例えば、照合スコアの分布に即して算出される確率
に基づいて、当該照合スコアが属すべき「正当」または
「不当」のカテゴリを特定するように構成すればよい。
人工神経回路網的手法の場合は、例えば、照合スコアが
属すべきカテゴリを「正当」または「不当」のいずれか
のカテゴリに対応するパターンを出力するように、内部
のニューラルネットワークユニットを構成して学習さ
せ、照合スコアを入力パターンとして対応する出力パタ
ーンから当該照合スコアの属すべきカテゴリを特定可能
なように適宜構成すればよい。
では、複数の異なる照合スコア及び認証結果を統合する
ようにしたので、従来手法のように単一の認証機器によ
る認証処理と比較して認証精度が向上する。
の照合データの特徴変動が大きく、認証結果が矛盾する
ような場合であっても、他の認証結果に即した統合的な
認証が可能となるので、信頼性も向上する。
果の統合を行うことにより、従来手法のように、単に論
理和を用いることに起因して本人排除率が上昇すること
なく、高い認証精度を得ることが可能となり、利用者に
対する利便性が向上する。
ステム等に組み込んだ形態でシステムを構築することに
より、当該システムの使用に係る信頼性及び機密性が大
幅に向上することが期待できる。
によれば、より認識精度の高い個人認証環境が実現可能
となるという、特有の効果がある。
ブロック図。
Claims (7)
- 【請求項1】それぞれ生体的特徴を表す複数の照合デー
タと予め設定された前記生体的特徴毎の認証データとの
類似度合いを表す複数の照合スコアを生成する手段と、 各照合スコアを統合してスコア個数を次元数としたスコ
アベクトルを生成する手段と、 生成されたスコアベクトルにより形成されるスコアベク
トル空間における所定の識別規則に基づいて前記照合ス
コア毎の正当性を識別する照合スコア識別手段と、 識別された照合スコア毎の正当性に基づいて前記複数の
照合データに対する統合的な正当性を判定する手段とを
備え、 前記照合スコア識別手段は、所定の最近接規則に基づい
て前記照合スコアが属すべき「正当」または「不当」の
いずれかのカテゴリについて、予め複数設定された標準
ベクトルと、分布する前記照合スコアとの距離値を各々
算出するとともに、算出された距離値が最小となる場合
の標準ベクトルに対応するカテゴリに分類するように構
成されていることを特徴とする、生体的特徴の認証装
置。 - 【請求項2】前記照合スコア識別手段は、前記照合スコ
アが属すべきカテゴリを、「正当」または「不当」のい
ずれかのカテゴリに分類することにより当該照合スコア
の正当性を識別するように構成されていることを特徴と
する、請求項1記載の認証装置。 - 【請求項3】前記照合スコア識別手段は、前記照合スコ
アが非線形な分布となる場合に、所定の二次形式識別関
数に基づいて前記標準ベクトルと分布する前記照合スコ
アとの距離値を算出するように構成されていることを特
徴とする、請求項1または2記載の認証装置。 - 【請求項4】前記照合スコア識別手段は、前記照合スコ
アの分布に即して算出される統計的な確率に基づいて、
当該照合スコアが属すべき「正当」または「不当」のい
ずれかのカテゴリに分類するように構成されていること
を特徴とする、請求項1または2記載の認証装置。 - 【請求項5】前記照合スコア識別手段は、所定の人工神
経回路網に基づいて前記照合スコアが属すべきカテゴリ
を「正当」または「不当」のいずれかのカテゴリに対応
するパターンを出力するように内部ニューロンを構成さ
せて学習し、前記照合スコアを入力パターンとして得ら
れる出力パターンから、当該照合スコアの属すべきカテ
ゴリに分類するように構成されていることを特徴とす
る、請求項1または2記載の認証装置。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載された認証
装置が、認証対象者に関するヒトの生体的特徴毎の照合
データから、当該認証対象者に対する正当性を認証する
ように構成されていることを特徴とする個人認証装置。 - 【請求項7】それぞれ生体的特徴を表す複数の照合デー
タと予め設定された前記生体的特徴毎の認証データとの
類似度合いを表す複数の照合スコアを生成する処理、 各照合スコアを統合してスコア個数を次元数としたスコ
アベクトルを生成する処理、 生成されたスコアベクトルにより形成されるスコアベク
トル空間における所定の識別規則に基づいて前記照合ス
コア毎の正当性を識別する処理、 識別された照合スコア毎の正当性に基づいて前記複数の
照合データに対する統合的な正当性を判定する処理、所定の最近接規則に基づいて前記照合スコアが属すべき
「正当」または「不当」のいずれかのカテゴリについ
て、予め複数設定された標準ベクトルと、分布する前記
照合スコアとの距離値を各々算出するとともに、算出さ
れた距離値が最小となる場合の標準ベクトルに対応する
カテゴリに分類する処理、 をコンピュータ装置に実行させるプログラムが前記コン
ピュータ装置が読みとり可能な形態で記録された記録媒
体。
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JP06518098A JP3499428B2 (ja) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | 生体的特徴の認証装置及び記録媒体 |
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JP06518098A Expired - Lifetime JP3499428B2 (ja) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | 生体的特徴の認証装置及び記録媒体 |
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1998
- 1998-03-16 JP JP06518098A patent/JP3499428B2/ja not_active Expired - Lifetime
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佐藤宏介,信号処理技術の応用(画像応用セキュリティシステム),システム/制御/情報,日本,システム制御情報学会,1998年 3月15日,第42巻/第3号,26−31 |
前田茂則(外5名),顔画像特徴,歩行画像特徴および音声特徴の統合による個人識別,電子情報通信学会論文誌,日本,社団法人電子情報通信学会,1996年 4月25日,第J79−D−II巻/第4号,600−607 |
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