JP3497996B2 - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

光電変換装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP3497996B2
JP3497996B2 JP30489598A JP30489598A JP3497996B2 JP 3497996 B2 JP3497996 B2 JP 3497996B2 JP 30489598 A JP30489598 A JP 30489598A JP 30489598 A JP30489598 A JP 30489598A JP 3497996 B2 JP3497996 B2 JP 3497996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
silver
paste
aluminum
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30489598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000133826A (ja
Inventor
聡 田中
秀章 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP30489598A priority Critical patent/JP3497996B2/ja
Publication of JP2000133826A publication Critical patent/JP2000133826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3497996B2 publication Critical patent/JP3497996B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換装置の電
極に関するものであり、詳しくは結晶系太陽電池の裏面
電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体基板にPN接合が形成され
た太陽電池の裏面電極については、低コスト化の観点か
らスクリーン印刷法による金属ペーストの塗布および酸
化性雰囲気中での焼成が一般的であり、特に近年更なる
低コスト化の要請から、特開平5−326990号公報
あるいは特表平6−509910号公報に開示されるよ
うに、シリコン基板の裏面の一領域に銀ペーストを塗布
乾燥の後、その領域の一部に重なるようにアルミペース
トを塗布乾燥し、同時に焼成するという方法、すなわち
同時焼成法(1段階焼成)が用いられている。
【0003】従来の太陽電池の製造方法を図7に従って
説明する。P型シリコン基板1の受光面1aとなる表面
に、PTG液などPを含む拡散ソースを用いて熱拡散に
よりN型拡散層2とTiOxからなる反射防止膜3を同
時に形成する。次いで図7(b)に示すように、裏面1
b側にスクリーン印刷により銀ペーストを塗布して乾燥
し、その一部に重なるように裏面の大部分にアルミペー
ストを同様に塗布乾燥してから、同時に焼成することに
より銀電極4およびアルミ電極5からなる裏面電極を形
成する。この同時焼成時には、受光面側の電極として銀
ペーストが櫛歯状パターンに塗布乾燥されているので、
裏面電極と受光面電極6を同時に形成することができ
る。最後に、はんだ被覆(図示せず)して、一連のセル
化が終了する。また、アルミペーストを焼成することに
より、シリコン基板1への不純物拡散が起こってP+
からなるBSF層7が形成され、セルの電流ー電圧特性
を改善して、高変換効率となる。
【0004】このようにして製造された太陽電池では、
図8に示すように、複数のセル同士をタブ8、リード線
等の配線材を用いて直列に接続して、電圧を昇圧させて
使用するのが一般的である。このセル間接続には、はん
だが必要となるため、はんだコーティングを行ってい
る。しかしながら、アルミ電極5ははんだ付けが非常に
困難であるので、はんだ濡れ性の良好な銀電極4を形成
して、これに配線材のはんだ付けを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の裏面
電極の構造では、同時焼成によってシリコン基板1の裏
面1bにアルミ電極5と銀電極4が形成されており、シ
リコンやアルミニウム、銀といった材料の熱膨張率が異
なるため、図7中矢印で示すシリコン基板1上のアルミ
電極5と銀電極4との界面に残留応力による応力集中が
起こり、割れ強度が低下して、セル割れが多発するとい
う問題があった。
【0006】本発明は、上記に鑑み、金属ペーストを焼
成して電極を形成しているにもかかわらず、応力集中を
回避でき、大きな割れ強度を有する光電変換装置を製造
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、半導体基板の受光面とは異なる側面あるいは裏面
等の大部分に第1の金属ペースト、例えばアルミペース
トを塗布し、この塗布面の一部分にアルミペーストより
もはんだ濡れ性の良好な金属を主成分とする第2の金属
ペースト、例えば銀ペーストを塗布し、半導体基板の受
光面に金属ペーストを塗布して、その後焼成して両面に
電極を同時に形成するものである。
【0008】これにより、半導体基板の受光面に受光面
電極が設けられ、半導体基板の裏面の大部分に、焼成さ
れたアルミペーストからなるアルミ電極が設けられ、ア
ルミ電極の上面の一部に、焼成された銀ペーストからな
る銀電極が設けられたセルを製造できる。
【0009】したがって、半導体基板の裏面にはアルミ
ペーストのみが塗布され、裏面上にはアルミ電極と銀電
極との境界が存在しない構造となり、金属ペーストを焼
成して電極を形成しても応力集中が生じず、割れ強度が
低下することはない。
【0010】また、他の課題解決手段は、半導体基板の
裏面に、該裏面の一部を除いて第1の金属ペースト、例
えばアルミペーストを塗布し、この塗布面の一部分およ
びアルミペーストを塗布していない裏面上に、アルミペ
ーストよりもはんだ濡れ性の良好な金属を主成分とする
第2の金属ペースト、例えば銀ペーストを塗布し、半導
体基板の受光面に金属ペーストを塗布して、その後焼成
して両面に電極を同時に形成するものである。ここで、
アルミペーストを塗布していない裏面上において、銀ペ
ーストをアルミペーストに対して隙間をあけて塗布して
おく必要がある。
【0011】これにより、半導体基板の受光面に受光面
電極が設けられ、半導体基板の裏面の一部を除いた部分
に、焼成されたアルミペーストからなるアルミ電極が設
けられ、アルミ電極中に裏面が露出した露出部が形成さ
れ、アルミ電極の上面の一部および露出部内に、焼成さ
れた銀ペーストからなる銀電極がそれぞれ設けられたセ
ルを製造できる。このとき、露出部内の銀電極はアルミ
電極から離間して形成される。
【0012】したがって、半導体基板の裏面上にはアル
ミ電極と銀電極との境界が存在しない構造となり、金属
ペーストを焼成して電極を形成しても応力集中が生じ
ず、割れ強度が低下することはない。
【0013】上記のセルを複数接続してモジュール化す
る場合、隣接するセルの受光面電極に接続された配線材
が露出部内の銀電極に接続されるので、アルミペースト
による銀電極のはんだ濡れ性に対する悪影響を排除で
き、配線材と銀電極との接着強度が高くなる。
【0014】特に、銀ペーストとして、周期表第V族に
属する元素を含有させておくと、銀電極の部分剥離を防
止できる。また、平均粒径が0.2〜4μmの銀粉末を
主成分とすることにより、はんだ濡れ性がよくなって、
はんだコーティングのむらがなくなり、優れた外観が得
られる。しかも、はんだ付け性がよくなって、確実なセ
ル間接続を行える。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の太陽電池を
図1に示す。この結晶シリコン系太陽電池では、P型シ
リコン基板1の受光面1a側にN型拡散層2が形成さ
れ、この上に反射防止膜3と受光面電極6が設けられて
いる。シリコン基板1の裏面1b側にはP+層からなる
BSF層7が形成され、この裏面1b上にアルミ電極5
が設けられ、この上面の一部に銀電極4が設けられてい
る。
【0016】受光面電極6は、銀ペーストを焼成するこ
とにより櫛歯状に形成される。アルミ電極5は、アルミ
ペーストを焼成することにより形成され、裏面1bの周
縁を除く大部分を被覆している。銀電極4は、銀ペース
トを焼成することにより形成され、アルミ電極5の上面
の端部に近い位置の2カ所に配置される。
【0017】アルミペーストは、アルミ粉、ガラスフリ
ット、有機質ビヒクル、有機溶媒を含む金属ペーストで
ある。また、銀ペーストは、銀粉、ガラスフリット、有
機質ビヒクル、有機溶媒を含む金属ペーストであり、銀
はアルミよりもはんだ濡れ性が良い。
【0018】次に、上記構造の太陽電池の製造方法を図
2(a)の工程図に基づいて説明する。なお、同図
(b)は従来構造の工程図である。まず、シリコン基板
1をテクスチャエッチングして、受光面1aを凹凸にす
る。そして、シリコン基板1にN型不純物を熱拡散する
ことによって受光面1a側にN型拡散層2を形成し、裏
面1bおよび側面の不要なN型拡散層2を除去する。さ
らにN型拡散層2の上に、CVD法等によりTiO2
るいはSiO2からなる反射防止膜3を形成する。
【0019】次いで、シリコン基板1の裏面1bの大部
分を覆うようにアルミペーストをスクリーン印刷、ある
いはパッド印刷等により塗布して、乾燥する。その後、
銀ペーストを同様の方法でアルミペーストの塗布面上の
所定の位置に塗布して、乾燥する。また、受光面1a側
においても銀ペーストを同様の方法で反射防止膜3の上
面に所定のパターンに塗布して、乾燥する。
【0020】そして、表面に金属ペーストが塗布された
シリコン基板1をベルト炉等の焼成炉において焼成す
る。すると、受光面電極6およびアルミ電極5と銀電極
4とからなる裏面電極が同時に形成される。このとき、
受光面1a側では銀ペーストに添加されているガラスフ
リットの作用によって反射防止膜3が破られ、銀ペース
トの金属成分とN型拡散層2とでオーミックコンタクト
が形成される。また、裏面1b側ではアルミペーストを
焼成することにより、シリコン基板1への不純物拡散が
起こってBSF層7が形成される。
【0021】各電極が形成されたシリコン基板1をはん
だ槽に浸漬し、受光面電極6および銀電極4上にはんだ
をコーティングしてはんだ層を形成することにより、セ
ルが完成する。そして、この製造されたセルを複数枚並
べ、セルの裏面1bの銀電極4および受光面電極6にタ
ブ8等の配線材をはんだ付けして、セルの裏面電極とこ
のセルに隣接するセルの受光面電極6とを電気的に接続
する。このようにしてセルを順に直列に接続することに
より、モジュール化を行う。
【0022】ここで、各種構造の裏面電極を有するセル
に対して割れ強度の測定を行った。割れ強度測定は、図
3に示すように、セルを4分割した試験片を作成し、こ
れを市販の引張り強度試験機にて受光面側から強度をか
けていき、割れる際の強度を読取って行う。まず、図4
のAは従来構造である銀電極4の一部にアルミ電極5を
重ねた構造、Bはアルミ電極5と銀電極4を上下逆にし
た構造、Cはアルミ電極5単独の構造、Dは銀電極4単
独の構造、Eはアルミ電極5をほぼ全面に形成した構造
である。
【0023】これらのセル割れ強度を調べた結果、A,
Bどちらの構造においても割れ強度はEのものに比べ半
分程度である。そして、割れる箇所は必ず図中の矢印で
示すアルミ電極5のエッジ部である。また、C,Dのそ
れぞれ単独の構造では、Eのものと同等の強度を有する
ことを見出した。
【0024】以上のことから、1枚の基板1表面にアル
ミペーストと銀ペーストの境界を設けたまま同時に焼成
することにより、形成された両電極4,5のエッジ部に
応力が集中して、ここから割れが発生するため、異なる
材質の電極4,5が基板1の表面上に存在することが割
れ強度の低下を引き起こしていると推察できる。
【0025】そこで、本発明におけるアルミペーストの
上に銀ペーストを設ける構造とすることにより、1枚の
基板1表面にアルミペーストと銀ペーストとの境界が存
在しなくなるので、焼成しても応力集中を回避できる。
したがって、図4のEのものと同等の割れ強度を確保す
ることができる。さらに、基板1表面に対するアルミ電
極5の面積の割合は、銀電極4がない分高くなるので、
BSF層7が形成される領域が広くなり、その内部電界
による効果が高まって変換効率が向上する。
【0026】また、製造工程においては、図2に示すよ
うに、従来の工程と比べてアルミペーストと銀ペースト
のそれぞれの塗布の順序を入れ替えるという変更だけで
あり、何ら複雑なことは行っておらず、従来の製造設備
を全てそのまま使用することができる。
【0027】以下に、本発明の具体的な実施例を説明す
る。 (実施例1)テクスチャエッチングされた厚さ330μ
m、125mm角のP型シリコン基板1の受光面1aと
なる表面に、PTG液の塗布と900℃での熱拡散を行
うことにより、約50Ω/□の面抵抗値を有するN型拡
散層2と厚さ約60nmのTiOxからなる反射防止膜
3を形成する。裏面1bに表1の組成からなるアルミペ
ーストをスクリーン印刷法により約50μm厚に印刷
し、150℃で約4分乾燥の後、表2の組成からなる銀
ペーストを同様の方法により塗布面上の所定の位置に約
30μm厚に印刷し、150℃で約4分乾燥する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】そして、シリコン基板1の受光面1a側に
銀ペーストを同様の方法により所定のパターンに印刷、
乾燥後、800℃の酸化性雰囲気中で2分間焼成して、
受光面電極6および裏面電極を同時に形成する。最後
に、このセルをはんだ槽に浸して、はんだ層(図示せ
ず)を形成し、図1に示すセルが完成する。
【0031】ここで、セルの特性測定と割れ強度測定を
行った。表3に結果を示す。なお、試料数は20であ
る。
【0032】
【表3】
【0033】この結果から、本実施例のものによっても
従来と同等のセル特性が得られつつ、割れ強度は2倍強
と著しい向上が図られていることを確認できた。この割
れ強度値3.2kgは、図4のEに示すアルミ電極5の
みでの強度値3.3kgに匹敵する。すなわち、裏面1
bに銀電極4を形成しているにもかかわらず、何も形成
していないものと同じ強度がセル特性を低下させること
なしに得られる。しかも、銀電極4が設けられているこ
とにより、はんだ付け性がよくなり、モジュール化した
ときのセル間の接続の信頼性が高くなる。
【0034】(実施例2)実施例1では、完成したセル
の銀電極4の一部(エッジ)がめくれるという外観不良
が散見された。そこで、本実施例では、表4に示すよう
な周期表第V族に属するリンあるいはリン化合物を添加
剤として加えた銀ペーストを用いて、セル化を行う。は
んだ付け時のフラックスは、有機ハロゲンや無機酸を含
まず、わずか数%程度の有機酸を活性剤として含むマイ
ルドなものである。はんだは2%銀入りの6:4はんだ
を用いている。セル化および評価方法は実施例1と同じ
である。結果を表5に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】リン化合物としてのP25を添加した銀ペ
ーストを用いて銀電極4を形成することにより、銀電極
4の部分剥離が解消して、外観がよくなる。当然、セル
特性および割れ強度も低下していない。ここで、P25
の添加量は、0.5〜5wt%が好ましい。なぜなら
ば、0.5wt%以下では、添加剤の効果が少なく、銀
電極4のエッジでの部分剥離が多少発生してしまい、5
wt%以上では、はんだがほとんど濡れないからであ
る。このようなリン化合物等の添加は、焼成時の銀ペー
ストの収縮を緩和、低減すると推察される。なお、周期
表第V族の元素として、リン以外にバナジウム、ビスマ
ス等の元素あるいはこの化合物を使用することも可能で
ある。
【0038】(実施例3)実施例2では、完成したセル
の銀電極4のはんだコーティングが不充分、つまり部分
的にはんだが濡れないという外観不良が散見された。こ
れは次工程のセル間接続における歩留り低下の原因とな
る。そこで、1〜15μmと大きな粒径を有する銀粉か
ら、表6に示すような0.2〜0.4μmあるいは3〜
4μmと小さな平均粒径の銀粉に変更した銀ペーストを
使用して、セル化を行う。ここで、平均粒径とは、累積
重量比率が50%に対応する粒径を示す。セル化および
評価方法は実施例2と同じである。結果を表7に示す。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】小さな平均粒径の銀粉からなる銀ペースト
を銀電極4の形成に用いることにより、はんだ濡れ性が
よくなり、はんだ付け不良がセル特性および割れ強度を
低下させることなく解消できることがわかる。ここで、
小さな平均粒径の銀粉を使用する効果は、次のように推
察される。まず、アルミペースト上に銀ペーストが塗布
された状態で焼成を行うとき、アルミニウムが銀の内部
に拡散するのであって、その逆はないことがX線分析か
ら判明した。はんだ付け性の良、不良は、銀電極、特に
その表面に存在する銀の割合に支配される。同じ焼成条
件では、銀粒径が小さい場合には、大きい場合に比べて
当然、銀電極4の表面にまで拡散到達するアルミニウム
の量が少なく抑えられる。したがって、表面にははんだ
濡れ性が良好な銀が多く存在することになり、銀電極4
本来のはんだ濡れ性が保たれる。すなわち、はんだ外観
不良を解消できる。
【0042】なお、本実施例では、銀粉の平均粒径を2
通りのものにしているが、これらを混在させた平均粒径
が0.2〜4μmの銀粉を主成分とする銀ペーストにし
ても、同じように効果が得られる。
【0043】ところで、実施例3のセルにおいて、タブ
8等の配線材をはんだ付けしたときの接着強度の測定を
行った。接着強度測定は、3mm幅のタブ8を45°に
はんだこて付けして、市販の引張り強度試験機により引
っ張り、剥がれる際の強度を読取って行う。その結果、
セルの銀電極4の接着強度が弱いことがわかった。すな
わち、セル間接続に必要とされる強度である300gを
大幅に下回る90gの強度しか得られていない。接着強
度測定時に剥離する箇所は、全数がアルミペーストの焼
成残渣とシリコン基板1との界面であった。
【0044】そこで、上記の不具合を解消するための電
極構造として、図5に示すように、シリコン基板1の裏
面1bに設けられたアルミ電極5中に、裏面1bを露出
させた露出部10を形成し、この露出部10内に第2銀
電極11を直接形成する。第2銀電極11は、周囲のア
ルミ電極5に接触しないようにアルミ電極5から離間し
て形成される。すなわち、アルミ電極5上の銀電極4は
電気特性確保用の電極、露出部10内の第2銀電極11
は接着強度確保用の電極として、それぞれ機能する。そ
の他の構造は上記のものと同じであり、基板1表面にア
ルミペーストと銀ペーストとの境界は存在していない。
【0045】このような裏面電極を製造するには、シリ
コン基板1の裏面1bに一部を除いてアルミペーストを
スクリーン印刷法等により塗布、乾燥して、アルミペー
ストが塗布されていない部分、すなわち露出部10を設
ける。そして、この塗布面上の一部分にスクリーン印刷
法等により銀ペーストを塗布し、これと同時あるいは乾
燥後に、露出部10に銀ペーストを周囲のアルミペース
トと接触しないように隙間をあけて塗布し、乾燥して、
その後焼成して各電極を形成する。
【0046】本実施例のセルに対して、接着強度の測定
を行った。その結果を表8に示す。他の評価方法は実施
例3と同じである。
【0047】
【表8】
【0048】シリコン基板1の裏面1b内において、ア
ルミペーストの塗布面とシリコン基板1の露出部10を
設け、その両方の面上に銀ペーストを塗布することによ
り、セル特性を低下させることなく、セル間接続に必要
な基準値を大きく上回る約1100gもの接着強度を得
ることができ、タブ8が剥がれることを防止できる。こ
こで、一般に銀ペーストは、シリコンに対して十分な接
着強度が得られるよう、ガラスフリットの種類や組成が
決められており、アルミペーストの塗布面中にシリコン
基板1の露出部10を設けることが、1枚のセルとして
の接着強度の向上に寄与している。
【0049】そして、セル間の接続はタブ8を用いて行
い、図6に示すように、隣接するセルの受光面電極6に
タブ8を接続し、このタブ8を当セルの第2銀電極11
に直接接続し、そのタブ8のさらに先端側をアルミ電極
5上の銀電極4に接続する。これにより、充分な接着強
度と良好な特性をもったセル間接続ができる。ここで、
第2銀電極11をセルの端部に配置すると、接続作業を
容易に行える。なお、種々の形態の接続があり得るた
め、各銀電極4,11の個数や位置関係は本実施例に限
らず、種々選択できることは言うまでもない。
【0050】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、アルミペーストに代わる金属ペーストとして、ガリ
ウム、インジウムをベースとした金属ペーストを使用す
ることも可能である。また、銀ペーストに代わる金属ペ
ーストとして、銅、金、白金をベースとした金属ペース
トを使用することも可能である。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、半導体基板の裏面にアルミペーストといった第
1の金属ペーストを塗布し、この塗布面の一部分に銀ペ
ーストといった第2の金属ペーストを塗布し、その後焼
成して電極を同時に形成することにより、アルミ電極と
銀電極との界面への応力集中をなくすことができ、割れ
強度が高まって、割れの発生を防止でき、高品質なセル
が得られる。また、このような裏面電極の構造にして
も、セル特性は従来のものと変わらず、しかも製造工程
においても金属ペーストの塗布の順序を入れ替えるだけ
で済み、従来の製造設備をそのまま使用できる。
【0052】そして、複数のセルを接続してモジュール
化する際に、セル同士を接続するための配線材を各電極
にはんだ付けするが、基板上にアルミ電極とは別に直接
銀電極を設けることにより、十分な接着強度が得られ、
セル間接続の信頼性を高めることができる。しかも、こ
の銀電極をアルミ電極から離間させて設けると、割れ強
度も高めることができる。
【0053】また、銀ペーストに周期表第V族に属する
元素、例えばリン等を含有させると、銀電極の剥離、特
にエッジ部での剥離を防止することができる。さらに、
銀ペーストの主成分である銀粉末を平均粒径が0.2〜
4μmのものにすると、銀電極の表面のはんだ濡れ性が
良好となり、はんだコーティングを行ったときの外観不
良を防止できる。
【0054】したがって、従来と同等のセル特性が得ら
れつつ、割れ強度は2倍強、電極端部の剥離やはんだ外
観不良もなく、さらに確実なセル間接続によってモジュ
ール化できるセルを製造することができる。しかも、以
上のことが製造工程を大きく変更することなく達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の太陽電池を示し、(a)
は断面図、(b)は裏面図
【図2】(a)は本発明の太陽電池の製造工程を示す
図、(b)は従来の太陽電池の製造工程を示す図
【図3】(a)は割れ強度測定用試料の概略図、(b)
は割れ強度の測定方法を説明する図
【図4】割れ強度測定に用いた試料を示す図
【図5】他の実施形態の太陽電池を示し、(a)は部分
断面図、(b)は裏面図
【図6】セル間接続されたセルの断面図
【図7】従来の太陽電池を示し、(a)は断面図、
(b)は裏面図
【図8】直列に接続したセルの概略図
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 N型拡散層 3 反射防止膜 4 銀電極 5 アルミ電極 6 受光面電極 7 BSF層 8 タブ 10 露出部 11 第2銀電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−326990(JP,A) 特開 昭62−108579(JP,A) 特開 平6−13634(JP,A) 特開 平10−144943(JP,A) 特開 平4−11786(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の受光面とは異なる側の表面
    に、該表面の一部を除いて第1の金属ペーストを塗布
    し、この塗布面の一部分に第2の金属ペーストを塗布
    し、前記表面の前記第1の金属ペーストを塗布していな
    部分に、第2の金属ペーストを前記第1の金属ペース
    トに接触しないように隙間をあけて塗布し、その後焼成
    して電極を形成することを特徴とする光電変換装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 表面上の第1の金属ペーストを塗布して
    いない露出部を前記表面の端部に形成することを特徴と
    する請求項1記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の金属ペーストにアルミペーストが
    用いられ、第2の金属ペーストに前記第1の金属ペース
    トよりもはんだ濡れ性の良好な銀ペーストが用いられる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の光電変換装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 銀ペーストは、周期表第V族に属する元
    素を含有することを特徴とする請求項3記載の光電変換
    装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 銀ペーストは、平均粒径が0.2〜4μ
    mの銀粉末を主成分とすることを特徴とする請求項4記
    載の光電変換装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 半導体基板の受光面に受光面電極が設け
    られ、前記半導体基板の受光面とは異なる側の表面の一
    部を除いた部分に、焼成されたアルミペーストからなる
    アルミ電極が設けられ、該アルミ電極中に前記表面が露
    出した露出部が形成され、前記アルミ電極の上面の一部
    および前記露出部内に、焼成された銀ペーストからなる
    銀電極が設けられ、前記露出部内の銀電極は前記アルミ
    電極に接触しないように隙間をあけて形成されたことを
    特徴とする光電変換装置。
  7. 【請求項7】 露出部が半導体基板の端部に配置された
    ことを特徴とする請求項6記載の光電変換装置。
  8. 【請求項8】 隣接する光電変換装置の受光面電極に接
    続された配線材が露出部内の銀電極に接続され、前記配
    線材の先端側がアルミ電極上の銀電極に接続されたこと
    を特徴とする請求項6または7記載の光電変換装置。
JP30489598A 1998-10-27 1998-10-27 光電変換装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3497996B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30489598A JP3497996B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 光電変換装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30489598A JP3497996B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 光電変換装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000133826A JP2000133826A (ja) 2000-05-12
JP3497996B2 true JP3497996B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=17938588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30489598A Expired - Fee Related JP3497996B2 (ja) 1998-10-27 1998-10-27 光電変換装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3497996B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4753816B2 (ja) * 2001-06-13 2011-08-24 シャープ株式会社 太陽電池セルとその製造方法
JP2003133567A (ja) * 2001-10-24 2003-05-09 Kyocera Corp 太陽電池素子の製造方法およびそれに用いる電極材料
JP4074763B2 (ja) 2002-01-22 2008-04-09 シャープ株式会社 太陽電池の製造方法
JP2003224289A (ja) * 2002-01-28 2003-08-08 Sharp Corp 太陽電池、太陽電池の接続方法、及び太陽電池モジュール
JP4557622B2 (ja) * 2004-07-29 2010-10-06 京セラ株式会社 太陽電池素子の接続構造及びこれを含む太陽電池モジュール
US20060231802A1 (en) * 2005-04-14 2006-10-19 Takuya Konno Electroconductive thick film composition, electrode, and solar cell formed therefrom
JP4809018B2 (ja) * 2005-08-23 2011-11-02 信越半導体株式会社 太陽電池
TWI493605B (zh) * 2008-06-11 2015-07-21 Ind Tech Res Inst 背面電極層的製造方法
KR101661768B1 (ko) 2010-09-03 2016-09-30 엘지전자 주식회사 태양전지 및 이의 제조 방법
JP6224480B2 (ja) * 2013-07-30 2017-11-01 京セラ株式会社 太陽電池素子およびその製造方法並びに太陽電池モジュール
JP6189971B2 (ja) * 2013-10-30 2017-08-30 京セラ株式会社 太陽電池セルおよび太陽電池モジュール
JP2018037526A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 横浜ゴム株式会社 接続部付太陽電池セル及び太陽電池モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000133826A (ja) 2000-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3255921B2 (ja) 改良した太陽電池及びその製作方法
US8319096B2 (en) Semiconductor substrate, method for forming electrode, and method for fabricating solar cell
JP3050064B2 (ja) 導電性ペースト、この導電性ペーストからなるグリッド電極が形成された太陽電池及びその製造方法
JP2828341B2 (ja) 電気接触部及びその製造方法
JP3497996B2 (ja) 光電変換装置およびその製造方法
JP3625081B2 (ja) 太陽電池の製造方法
WO1993024961A9 (en) Improved solar cell and method of making same
JP2001118425A (ja) 導電性ペースト
KR101250139B1 (ko) 태양 전지 및 태양 전지의 제조 방법
TWI770032B (zh) 導電性膏及太陽電池
EP2474983A1 (en) Electrically conductive paste, electrode for semiconductor device, semiconductor device, and process for production of semiconductor device
JP4780953B2 (ja) 太陽電池素子及び、これを用いた太陽電池モジュール
JP4903444B2 (ja) 光電変換素子
JP6559244B2 (ja) 太陽電池の製造方法および太陽電池
JP2001044459A (ja) 太陽電池
JP2983746B2 (ja) 太陽電池の製造方法
JP2794141B2 (ja) 光電変換装置の製造方法
EP0597080A1 (en) Solar cells with thick aluminum contacts
JP3566901B2 (ja) 太陽電池の製造方法
JP3968000B2 (ja) 太陽電池素子の形成方法
JP2002353475A (ja) 太陽電池素子
JP3847188B2 (ja) 太陽電池素子
JP4272414B2 (ja) 太陽電池素子の形成方法
JP5205118B2 (ja) 太陽電池セル、タブ付き太陽電池セルおよびこれらの製造方法
JPS5885574A (ja) 太陽電池及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees