JP3497500B1 - 真空断熱材、及び真空断熱材を用いた冷蔵庫、並びに真空断熱材芯材の製造方法 - Google Patents
真空断熱材、及び真空断熱材を用いた冷蔵庫、並びに真空断熱材芯材の製造方法Info
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Abstract
維全体にわたって分散し、繊維成形体の内部も均一に結
着してしまう芯材では、芯材の固体熱伝導率が大きくな
り、真空断熱材の断熱性能が悪化するという問題があっ
た。 【解決手段】 真空断熱材の芯材の厚み方向において、
バインダーの濃度が異なることを特徴とする。バインダ
ーの濃度が小さい部分を設けることにより、固体熱伝導
を小さくすることができ、断熱性能が向上する。更に、
バインダー濃度が小さい部分の排気抵抗が小さくなるた
め、排気時の真空度を下がりやすくすることができ、真
空断熱材の生産性が向上する。
Description
の、例えば冷蔵庫、保温保冷容器、自動販売機、電気湯
沸かし器、車両、及び住宅等の断熱材として使用可能な
真空断熱材に関するものである。
ルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても
省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、冷蔵
庫、冷凍庫、自動販売機等の保温保冷機器では熱を効率
的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する
断熱材が求められている。
の繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられて
いる。しかし、これらの断熱材の断熱性を向上するため
には断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填でき
る空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が必
要な場合には適用することができない。
材が提案されている。これは、スペーサの役割を持つ芯
材を、ガスバリア性を有する外被材中に挿入し内部を減
圧にして封止した断熱材である。
187084号公報に開示されているように、プラスチ
ック層と金属層の多重層フィルム袋内にガラス繊維から
なる成形体を納入し、内部を真空排気したものがある。
成形体のガラス繊維の個々の繊維は、フェノール型等の
バインダーにより然るべく合着状態に互いに保持されて
いる。また、特開平9−138058号公報に開示され
ているように、芯材として、グラスウール等の繊維質材
を有機系バインダーを用いて固め成形したものを用いる
ことができる。
ル等の繊維とバインダーを用いて成形した際、バインダ
ーがガラス繊維全体にわたって分散し、繊維成形体の内
部まで個々の繊維を合着状態にしてしまうと、芯材の固
体熱伝導率が大きくなり、真空断熱材の断熱性能が悪化
するという問題があった。
り、真空断熱材内部の真空度が下がりにくいため、所定
の断熱性能を得るには排気時間が長くなり、真空断熱材
の生産性が悪化するという問題があった。
め、本発明は、繊維材料からなる芯材と、少なくともガ
スバリア層と熱融着層とを有するラミネートフィルムか
らなり前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とからなる
真空断熱材であって、前記芯材は、繊維材料を積層した
多層構造の成形体で、前記芯材の固体熱伝導率と排気抵
抗が低減でき真空断熱材にしたときの強度が良好になる
ように、前記芯材の表面層の繊維材料には無機バインダ
ーがついており、内側の層の繊維材料には無機バインダ
ーがついてないか前記表面層よりも濃度の小さい無機バ
インダーがついていることを特徴とする真空断熱材であ
る。
ことにより、固体熱伝導を小さくすることができ、断熱
性能が向上する。更に、バインダー濃度が小さい部分の
排気抵抗が小さくなって真空排気が短時間でできるよう
になり、真空断熱材の生産性が向上する。また、表面層
のバインダー濃度を内側の層よりも大きくすることによ
り、芯材剛性、表面の平面性が優れた芯材を得ることが
でき、外観的にも優れた真空断熱材を得ることができ
る。また、芯材に繊維材料を用いることにより、成形し
やすくかつ固体熱伝導率の小さいという、成形性及び断
熱性に優れた真空断熱材を得ることができる。また、バ
インダーに無機材料を用いることにより、バインダーか
らの経時的な発生ガスが少なくなり、真空断熱材の経時
的断熱性能が向上する。
ウ酸、ホウ酸塩、或いはリン酸、リン酸塩、或いはそれ
らの加熱生成物のうち少なくともひとつを含むことを特
徴とする真空断熱材である。
するものもあり、無機繊維、特にガラス繊維と親和性が
よくマイグレーションをおこしにくい。
え、前記外箱と前記内箱によって形成される空間の前記
外箱側または前記内箱側に、本発明の真空断熱材を貼付
し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填
してなる冷蔵庫である。
または前記内箱側に、本発明の断熱性能に優れた真空断
熱材を配置し、それ以外の空間に発泡断熱材を充填する
ことにより、断熱性能に優れた冷蔵庫を得ることができ
るのである。
層して積層繊維を作製する積層ステップと、前記積層繊
維の外面の少なくとも一面に水で希釈したバインダーを
塗布する塗布ステップと、バインダーを塗布した積層繊
維を100℃以下の温度で圧縮する第1の圧縮ステップ
と、圧縮した積層繊維を100℃以上の温度で加熱圧縮
する第2の圧縮ステップとを含むことを特徴とする真空
断熱材芯材の製造方法である。
塗布したバインダーが硬化し濃度の大きい層を形成し、
内部は浸透した少量のバインダーがマイグレーションを
おこさず表面層の内側で硬化する。したがって、厚み方
向にバインダー濃度が異なり、強度的にも優れた芯材を
得ることができるのである。
と、少なくともガスバリア層と熱融着層とを有するラミ
ネートフィルムからなり前記芯材を覆い内部を減圧した
外被材とからなる真空断熱材であって、前記芯材は、繊
維材料を積層した多層構造の成形体で、前記芯材の固体
熱伝導率と排気抵抗が低減でき真空断熱材にしたときの
強度が良好になるように、前記芯材の表面層の繊維材料
には無機バインダーがついており、内側の層の繊維材料
には無機バインダーがついてないか前記表面層よりも濃
度の小さい無機バインダーがついていることを特徴とす
る真空断熱材である。
スウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカア
ルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊
維等の無機繊維、或いは木綿等の天然繊維、ポリエステ
ル、ナイロン、アラミド等の合成繊維等の有機繊維な
ど、公知の材料を使用することができる。
コロイダルシリカ、アルミナゾル、水ガラス、セッコ
ウ、ホウ酸、酸化ホウ素、リン酸、ケイ酸ナトリウム、
アルキルシリケート等の無機バインダーであり、これら
を混合して使用したり、或いはこれらを希釈して使用す
ることも可能である。
ては、特に指定するものではないが、前記バインダー又
はその希釈液を塗布又は噴霧したりして付着させる。
後にバインダーを噴霧し、その後加熱圧縮することによ
り、ボード状成形体の厚み方向に対してバインダー濃度
の異なる成形体を得ることもできる。
インダーやその希釈液を噴霧し、ボードのある部分には
バインダー濃度の大きい繊維を、その他の部分にはバイ
ンダー濃度の小さい繊維或いはバインダーのない繊維を
配置し、その後繊維積層体を圧縮加熱等により固形化さ
せることにより、成形体の厚み方向に対しバインダー濃
度の異なるボードを得ることも可能である。
形体とバインダー濃度の小さいボード状成形体を2枚以
上組み合わせることにより、厚み方向に濃度の異なる芯
材を得ることも可能である。
の固形分が20wt%以下となるようにバインダーを付
着させることが望ましい。バインダー量が多くなると、
バインダーからの発生ガスの増加や固体熱伝導率の増加
が懸念され、真空断熱材の断熱性能に悪影響を及ぼすこ
とが考えられるからである。
て、少なくともある部分とある部分の濃度が異なってい
ればよく、バインダー濃度の小さい部分に固体熱伝導
率、排気抵抗の低減、大きい部分にボードの剛性を付与
するという効果をそれぞれもたせることを目的とするも
のである。
材の少なくとも一方の表面層、或いは両面の表面層であ
ることが好ましい。これは、真空断熱材にしたときに強
度的に優れ、表面の平面性も良好となるからである。
g/m3となるように成形することが望ましく、また内
部で密度が異なっていてもよい。
体としての形状を保持しにくくなり、400kg/m3
より大きくなると固体熱伝導率が大きくなり真空断熱材
の断熱性能が悪化するからである。
ア層及び熱融着層を有するものであり、必要に応じて表
面保護層等を設けてもよい。
は金属、或いは無機酸化物、或いはダイヤモンドライク
カーボン蒸着をしたプラスチックフィルム等を用いるこ
とができるが、気体透過を低減する目的で用いるもので
あれば、特に指定するものではない。
ンレス、鉄等の箔を用いることができるが、特に指定す
るものではない。
プラスチックフィルムの材料は特に指定するものではな
いが、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、
ナイロン、ポリアミド、ポリイミドなどへの蒸着が好ま
しい。
の材料は、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、
銅、銀、或いはそれらの混合物等特に指定するものでは
ない。また、前記プラスチックフィルム上への無機酸化
物蒸着の材料は、シリカ、アルミナ等特に指定するもの
ではない。
レンフィルム、鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密
度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リアクリロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重
合体フィルム、或いはそれらの混合体等を用いることが
できるが、特に指定するものではない。
設けることも可能である。
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレン
フィルムの延伸加工品などが利用でき、更に外側にナイ
ロンフィルムなどを設けると可とう性が向上し、耐折り
曲げ性などが向上する。
いる。
ガゼット袋、L字袋、ピロー袋、センターテープシール
袋等、特に限定するものでない。また、金属板を直方体
に成形して用いる等の方法がある。
る場合は、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター物質を
使用することも可能である。
外被材を作製し、その後外被材中に芯材を挿入し内部を
減圧し封止してもよく、或いは、減圧槽中に芯材とロー
ル状或いはシート状のラミネートフィルムからなる外被
材を設置し、ロール状或いはシート状の外被材を芯材に
沿わした状態にしてから外被材を熱融着することにより
真空断熱材を作製してもよく、或いは、芯材を挿入した
外被材内を直接減圧にして外被材開口部を封止すること
により真空断熱材を製造する、或いは金属板で成形した
容器にボード状の芯材を挿入し、真空ポンプと前記金属
容器とを管で結んで容器内を減圧とし、その後管を封止
し切ることにより真空断熱材とする等の方法があるが、
特に指定するものではない。
ってもよく、また外被材挿入時に吸着剤を一緒に挿入し
てもよい。
ことを特徴とする真空断熱材である。
縮加熱の際の耐熱性の点から、好ましくは無機繊維がよ
い。
バー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊
維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維を使用
できる。
ないが、好ましくは0.1μm〜10μmがよい。
ウ酸塩、或いはリン酸、リン酸塩、或いはそれらの加熱
生成物のうち少なくともひとつを含むことを特徴とする
真空断熱材である。
て、ホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素、四ホウ酸ナトリ
ウムの各水和物或いは無水物等のホウ酸ナトリウム類、
ホウ酸アンモニウム、ホウ酸リチウム類、ホウ酸マグネ
シウム類、ホウ酸カルシウム類、ホウ酸アルミニウム
類、ホウ酸亜鉛類、過ホウ酸塩類、アルキルホウ酸、ボ
ロキシン誘導体等がある。
五酸化二リン等の酸化リン、或いはリン酸塩として第一
リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、ピロリン酸
塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩等であり、それら
のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネ
シウム塩、アルミニウム塩等がある。
或いは水溶性物質であり、例えばホウ酸、メタホウ酸、
酸化ホウ素、ホウ砂、或いはリン酸、第一リン酸アルミ
ニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等である。
混合、或いはその他のバインダーを混合、或いはそれら
を希釈して成形体のバインダーとして用い、芯材を作製
する。
え、前記外箱と前記内箱によって形成される空間の前記
外箱側または前記内箱側に、本発明の真空断熱材を貼付
し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填
してなる冷蔵庫であり、断熱性能に優れている。
ンフォーム、フェノールフォームやスチレンフォームな
どを使用することができるが、特に指定するものではな
い。
する際に用いる発泡剤としては、特に指定するものでは
ないが、オゾン層保護、地球温暖化防止の観点から、シ
クロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン、イソブタ
ン、n−ブタン、水(炭酸ガス発泡)、アゾ化合物、ア
ルゴン等が望ましく、特に断熱性能の点からシクロペン
タンが特に望ましい。
134a、イソブタン、n−ブタン、プロパン、アンモ
ニア、二酸化炭素、水等、特に指定するものではない。
層して積層繊維を作製するするステップと、積層繊維の
外面の少なくとも一面に水で希釈したバインダーを塗布
する塗布ステップと、バインダーを塗布した積層繊維を
100℃以下の温度で圧縮する第1の圧縮ステップと、
圧縮した積層繊維を100℃以上の温度で加熱圧縮する
第2の圧縮ステップとを含むことを特徴とする真空断熱
材芯材の製造方法である。
うに積層し、積層した繊維の外面に水で希釈したバイン
ダーを塗布する。このとき、積層繊維の一面、或いは両
面、或いは全表面等任意の外面に水で希釈したバインダ
ーを塗布する。
100℃以下の温度で圧縮するが、これは水分の蒸発し
にくい常温圧縮の方が好ましい。
は、特に指定するものではないが、好ましくは、繊維材
料100重量部に対し50重量部以上300重量部以下
が好ましい。
積層繊維の内部に浸透しにくく、300重量部より多い
と、この後の加熱圧縮工程で余分な水分が液体状態で流
出し、それと共にバインダーも流出するためバインダー
にロスが発生するからである。
るが、これは水分を蒸発させること、及びバインダーを
硬化させることが目的であり、バインダー硬化温度以上
で加熱することが望ましい。
照しながら説明する。
態における真空断熱材の断面図、図2は本発明の実施の
形態1における真空断熱材の芯材の断面図である。
あり、芯材2を外被材3中に挿入し、内部を減圧として
密封し、真空断熱材1としている。4は成形体で、平均
繊維径5μmのグラスウールを所定形状になるまで積層
して成形したもので、5はバインダーである。
部に対し、水ガラス10重量部を水90重量部に溶解
し、水ガラス水溶液100重量部としたものを使用す
る。
4の両表面に噴霧し、その後450℃の熱風循環炉の中
で20分間プレスし、厚さが15mm、密度が200k
g/m3の芯材2を得た。
表面層に近いほど多量のバインダー5が硬化しているの
が確認できた。
三方シールにて製袋している。
1枚は熱融着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィル
ム(以下LLDPEと称す)が50μm、ガスバリア層
として厚み15μmのエチレン−ポリビニルアルコール
共重合体フィルム(以下EVOHと称す)に膜厚500
Åのアルミ蒸着を形成したフィルムと、厚み12μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETと称
す)に500Åのアルミ蒸着を形成したフィルムをアル
ミ蒸着面同士貼り合わせたフィルムからなり、熱融着層
のLLDPEとガスバリア層のEVOHをドライラミネ
ートしている。また、他の1枚は、熱融着層は厚み50
μmのLLDPE、その上にガスバリア層として厚み6
μmのアルミ箔、更に保護層として厚み12μmのナイ
ロン、最外層として厚み12μmのナイロンにより構成
されている。
の乾燥炉で1時間乾燥した後、外被材3中に挿入し、内
部を3Paまで減圧し封止した。
平均温度24℃にて0.0022W/mKであった。ま
た、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の
劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は平均
温度24℃にて0.016W/mKであった。
芯材のバインダー及び成形方法を変更した。その他の形
態は実施の形態1と同様である。
態2における真空断熱材の芯材の断面図である。図3に
おいて、バインダー5Aは、グラスウール100重量部
に対し、ホウ酸3重量部を水97重量部に溶解し、ホウ
酸水溶液100重量部としたものを使用する。
の両表面に噴霧し、それを一度常温でプレスする。その
後350℃の熱風循環炉の中で20分間プレスし、厚さ
が15mm、密度が200kg/m3の芯材2Aを得
た。
Aにより結着しており、表面層に向けてバインダー量が
増大していることが目視で確認できた。
平均温度24℃にて0.0020W/mKであり、厚み
は1mm圧縮されて14mmとなり、密度は214kg
/m 3となった。このとき、真空断熱材の状態での芯材
の各寸法を測定した後、真空断熱材を解体して芯材重量
を測定し、その結果から密度を計算してもよい。
による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での
熱伝導率は平均温度24℃にて0.012W/mKであ
った。
て、バインダーをホウ酸としたこと、及び加熱圧縮前に
常温プレスしていることから、芯材内部にもバインダー
が残留しているため芯材内部の剛性が向上するとともに
全体の強度が向上した。
度分布を分析した。
層を厚み方向に表裏1mmを分割してスキン層6とし、
内側の層までの残りを3分割して、そのうちの外側の2
層を中間層7、また最内の層を中心層8とする。
ぞれ1gずつ採取して細かくちぎり、各試料1gずつに
純水100mlを加え、軽く振り混ぜたのち、15分間
の超音波浴にてバインダーを溶出させ、その溶出液をろ
過する。そのろ液中のホウ素溶出量を、ICP発光分光
分析法(セイコーインスツルメンツ製シーケンシャル型
ICP発光分光分析装置SPS4000使用)にて求め
た。
らの溶出量は、スキン層6からは各3190μg、中間
層7からは各2050μg、中心層8からは995μg
となった。
くは焼成後の酸化ホウ素)分とすると、全バインダー量
に占める各層の割合は、上下のスキン層6にそれぞれ2
7.8%、上下の中間層7にそれぞれ17.9%、中心
層8には8.7%となる。
ウ素溶出量を求めるため同様の試験を行った結果、18
2μgとなった。
からのホウ素溶出量の値から差し引いて計算すると、各
層1gあたり、スキン層6には全バインダー量の28.
5%、中間層7には17.7%、中心層8には7.7
%、逆側の中間層7に17.7%、その表側のスキン層
にスキン層6に28.5%の割合でバインダーが含有さ
れている。
スウールがなければ、前者の方法のようにボードのみか
らのホウ素溶出量を求めてバインダー量としてもよい。
一例であり、この値が厚み方向に異なっていればよく、
更に好ましくは芯材の表面層のバインダー濃度が内側よ
りも大きい方がよい。
バインダー濃度よりも大きければよく、中間層7はスキ
ン層6の濃度よりも大きい、或いは中間層7は中心層8
の濃度よりも小さいというような分布でもよい。
でもない。
および作製後に真空断熱材を解体して取り出した芯材の
どちらにでも適用できる。
ンダー量の分布がわかれば特に分析方法を指定するもの
ではない。芯材の断面を目視でみたときにバインダーの
濃度が異なっていることがわかればそれでもよい。
芯材をボード状成形体の多層構造としたもので、その他
の形態は実施の形態2と同様である。
断熱材の芯材の断面図である。図5において、芯材2B
はほぼ同じ厚さの3枚のボード状成形体からなってい
る。
スウールを所定形状になるまで積層した成形体に、バイ
ンダー5Bとして、グラスウール100重量部に対し、
ホウ酸5重量部を水95重量部に溶解し、ホウ酸水溶液
100重量部としたものを使用する。
両表面に噴霧し、それを一度常温でプレスする。その後
350℃の熱風循環炉の中で20分間プレスし、厚さが
5mm、密度が230kg/m3の成形体4B1を得た。
ールをバインダーは使用せずに350℃にて圧縮加熱し
たもので、厚さが5mm、密度が220kg/m3の成
形体4B2を得た。
ウ酸を用いた成形体4B1、内側にグラスウールのみを
用いた成形体4B2を重ね、芯材2Bとする。
平均温度24℃にて0.0019W/mKであった。ま
た、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の
劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は平均
温度24℃にて0.014W/mKであった。
成形体を、中間層にグラスウールのみのボード状成形体
を用いたことにより、中間層にバインダーがないことか
ら固体熱伝導率が小さく断熱性能に優れた芯材を得るこ
とができた。
態4における冷蔵庫の断面図である。
箱体、1Aは真空断熱材である。真空断熱材1Aは実施
の形態2に示したものと同様の構成である。
箱11とABS樹脂を真空成形した内箱12とがフラン
ジを介して構成される箱体内部にあらかじめ真空断熱材
1Aを配設し、真空断熱材1A以外の空間部を、硬質ウ
レタンフォーム13にて発泡充填したものである。硬質
ウレタンフォーム13は、発泡剤としてシクロペンタン
を使用している。
ており、上部が冷蔵室16、下部が冷凍室17となって
いる。仕切板15にはダンパ18が取り付けられてい
る。
機20、凝縮器21、キャピラリチューブ22とを順次
環状に接続し、冷凍サイクルを形成する。冷凍サイクル
内には冷媒であるイソブタンが封入されている。
2カ所に設け、それらを直列にまた並列に繋ぎ冷凍サイ
クルを形成してもよい。
られており、ドア体14の内部に真空断熱材1Aが配設
され、真空断熱材以外の空間部は硬質ウレタンフォーム
13にて発泡充填されている。
を測定したところ、真空断熱材を装着しない冷蔵庫より
も25%低下しており、断熱効果を確認した。
る真空断熱材の断面図、図8は本発明の比較例における
真空断熱材の芯材の断面図である。
材33に挿入し、内部を減圧として密封し、真空断熱材
31としている。
使用した外被材3と同じであり、三方シールにて製袋
し、外被材33としている。
ール34の繊維化後に繊維表面にバインダー35が均一
に付着するように噴霧する。バインダー水溶液はグラス
ウール100重量部に対し、バインダーとしてフェノー
ル樹脂10重量部を水90重量部に溶解し、フェノール
水溶液100重量部としたものを使用する。
るように積層し、その後200℃の熱風循環炉の中で密
度が200kg/m3となるように20分間プレスす
る。
し、外被材32中に挿入し、内部を3Paまで10分間
減圧し封止した。
は、平均温度24℃にて0.0030W/mKであっ
た。
による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での
熱伝導率は平均温度24℃にて0.021W/mKであ
った。
てフェノール樹脂を用いたこと、及びボード内で均一硬
化していることから、初期、経時性能共に悪化する。
バインダーを変更して真空断熱材31を作製した。
ールの繊維化後に繊維表面にバインダーが均一に付着す
るように噴霧する。バインダーはグラスウール100重
量部に対し、バインダーとしてホウ酸3重量部を水97
重量部に溶解し、ホウ酸水溶液100重量部としたもの
を使用する。
るように積層し、その後350℃の熱風循環炉の中で密
度が200kg/m3となるように20分間プレスす
る。
し、外被材32中に挿入し、内部を3Paまで10分間
減圧し封止した。
は、平均温度24℃にて0.0025W/mKであっ
た。
による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での
熱伝導率は平均温度24℃にて0.015W/mKであ
った。
一硬化させたことから、初期性能が悪化すると共に、排
気時間も長時間必要になった。
なる芯材と、少なくともガスバリア層と熱融着層とを有
するラミネートフィルムからなり前記芯材を覆い内部を
減圧した外被材とからなる真空断熱材であって、前記芯
材は、繊維材料を積層した多層構造の成形体で、前記芯
材の固体熱伝導率と排気抵抗が低減でき真空断熱材にし
たときの強度が良好になるように、前記芯材の表面層の
繊維材料には無機バインダーがついており、内側の層の
繊維材料には無機バインダーがついてないか前記表面層
よりも濃度の小さい無機バインダーがついていることを
特徴とする真空断熱材である。
い部分に芯材の剛性をもたせるとともに、バインダーの
濃度が小さい部分を設けることにより、固体熱伝導を小
さくすることができ、断熱性能が向上する。更に、バイ
ンダー濃度が小さい部分の排気抵抗が少なくなって真空
排気が短時間でできるようになり、真空断熱材の生産性
が向上する。
インダー濃度を、内側の層よりも大きくすることによ
り、上記の効果に加え、表面の平面性に優れた芯材を得
ることができ、外観的にも優れた真空断熱材を得ること
ができる。
り、成形体を形成しやすくかつ固体熱伝導率の小さいと
いう、成型性、断熱性に優れた真空断熱材を得ることが
できる。
により、バインダーからの経時的な発生ガスが少なくな
り、真空断熱材の経時的断熱性能が向上する。
塩、或いはリン酸、リン酸塩、或いはそれらの加熱生成
物のうち少なくともひとつを含むものであり、上記物質
はそれ自身でガラス状物質を形成するもので、無機繊
維、特にガラス繊維と親和性がよくマイグレーションを
おこしにくい。
した後、表面にバインダーを塗布して圧縮加熱すること
により成形体を得る方法では、表面層においては、塗布
したバインダーが硬化し濃度の大きい層を形成し、内部
は浸透した少量のバインダーがあまりマイグレーション
をおこさず内部で硬化する。
濃度の異なる成形体を得ることができ、かつ成形体の内
側の層でも少量のバインダーが硬化した、強度的にも優
れた芯材を得ることができる。
え、前記外箱と前記内箱によって形成される空間の前記
外箱側または前記内箱側に、本発明の真空断熱材を貼付
し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填
してなる冷蔵庫であり、外箱と内箱とからなる空間の前
記外箱側または前記内箱側に、本発明の断熱性能に優れ
た真空断熱材を配置し、それ以外の空間に発泡断熱材を
充填することにより、断熱性能に優れた冷蔵庫を得るこ
とができるのである。
うに積層するステップと、積層した繊維の外面の少なく
とも一面に水で希釈したバインダーを塗布するステップ
と、バインダーを塗布した積層繊維を100℃以下の温
度で圧縮するステップと、圧縮した積層繊維を100℃
以上の温度で加熱圧縮するステップとを含むことを特徴
とする真空断熱材芯材の製造方法である。
積層し、その積層した繊維の少なくとも一面にバインダ
ーを塗布し、それを100℃以下すなわち水分蒸発以下
の温度にて一度圧縮することにより表面層はバインダー
濃度が大きく内部はバインダー濃度が小さい状態にし、
その後100℃以上の温度で圧縮加熱して水分を蒸発さ
せることにより、厚み方向にバインダー濃度が異なり、
しかも成形体内部でも少量のバインダーが結着した芯材
を得やすく、強度的にも優れた芯材を得ることができ
る。
図
断面図
材の断面図
材の断面図
材の断面図
面図
Claims (4)
- 【請求項1】 繊維材料からなる芯材と、少なくともガ
スバリア層と熱融着層とを有するラミネートフィルムか
らなり前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とからなる
真空断熱材であって、前記芯材は、繊維材料を積層した
多層構造の成形体で、前記芯材の固体熱伝導率と排気抵
抗が低減でき真空断熱材にしたときの強度が良好になる
ように、前記芯材の表面層の繊維材料には無機バインダ
ーがついており、内側の層の繊維材料には無機バインダ
ーがついてないか前記表面層よりも濃度の小さい無機バ
インダーがついていることを特徴とする真空断熱材。 - 【請求項2】 バインダーがホウ酸、ホウ酸塩、或いは
リン酸、リン酸塩、或いはそれらの加熱生成物のうち少
なくともひとつを含むことを特徴とする請求項1記載の
真空断熱材。 - 【請求項3】 外箱と、内箱とを備え、前記外箱と前記
内箱によって形成される空間の前記外箱側または前記内
箱側に真空断熱材を貼付し、前記真空断熱材以外の前記
空間に発泡断熱材を充填し、前記真空断熱材が、繊維材
料からなる芯材と、少なくともガスバリア層と熱融着層
とを有するラミネートフィルムからなり前記芯材を覆い
内部を減圧した外被材とからなる真空断熱材であって、
前記芯材は、繊維材料を積層した多層構造の成形体で、
前記芯材の固体熱伝導率と排気抵抗が低減でき真空断熱
材にしたときの強度が良好になるように、前記芯材の表
面層の繊維材料には無機バインダーがついており、内側
の層の繊維材料には無機バインダーがついてないか前記
表面層よりも濃度の小さい無機バインダーがついている
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 【請求項4】 繊維材料を所定形状に積層して積層繊維
を作製する積層ステップと、前記積層繊維の外面の少な
くとも一面に水で希釈したバインダーを塗布する塗布ス
テップと、バインダーを塗布した前記積層繊維を100
℃以下の温度で圧縮する第1の圧縮ステップと、圧縮し
た前記積層繊維を100℃以上の温度で加熱圧縮する第
2の圧縮ステップとを含むことを特徴とする真空断熱材
芯材の製造方法。
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