JP3496840B2 - 流体の通過量分布補正方法およびその装置 - Google Patents

流体の通過量分布補正方法およびその装置

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JP3496840B2 JP35372393A JP35372393A JP3496840B2 JP 3496840 B2 JP3496840 B2 JP 3496840B2 JP 35372393 A JP35372393 A JP 35372393A JP 35372393 A JP35372393 A JP 35372393A JP 3496840 B2 JP3496840 B2 JP 3496840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体粒子が充填された
固定層あるいは動層を通過する流体の通過量の分布を
補正する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体粒子を充填した固定層あるいは
層を流体が通過することによって固体粒子と流体との接
触を図る技術を利用したものとしては、例えば図15に
示す活性炭脱硝システムが挙げられる。この脱硝システ
ムは、ボイラー101からの排ガスに脱硝反応に必要な
アンモニアを一様に混合したガスを、脱硝塔102内の
カートリッジ内を流下する活性炭を横切るように流し、
排ガスが活性炭層を通過するときに、活性炭の表面で触
媒脱硝反応を起こさせるようにしたものである。この脱
硝システムには付帯設備として排ガス中のダストを捕集
するサイクロン108と電気集塵器110、廃熱を回収
する予熱器109並びに誘引ファン111を備えてい
る。そして、活性炭脱硝塔102のカートリッジは活性
炭を上方から供給する一方、底部から抜き取るようにし
て移動層を形成している。ここで、触媒脱硝反応の効率
を増加させるためには、排ガスと活性炭との接触を高め
る必要がある。そこで、活性炭脱硝塔102内に供給さ
れた活性炭の表面積が触媒として有効に利用されるため
には、活性炭層に対してできるだけ偏りを少なくして排
ガスを通過させる排ガス流動制御が不可欠となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
排ガスの流動は活性炭のダスト吸着の影響を受けるた
め、ダスト吸着量が増える活性炭カートリッジの下部よ
りもダスト吸着量の少ない上部の方が空間率が大きくな
り、活性炭カートリッジの上部に排ガスの流れが集中し
排ガスの流れに偏りが生じてしまう問題を有する。
【0004】即ち、従来の活性炭カートリッジを模擬的
に示すと、例えば図16に示すように、上方に位置する
排ガス供給口103から下方に位置する排ガス排出口1
04にかけて順に第1のカートリッジ、第2のカートリ
ッジ及び第3のカートリッジの3つの活性炭の層10
5,106,107を備えているものとして表せる。そ
して、このような3つの活性炭カートリッジ105,1
06,107において空間率に差が生じると、例えば下
のカートリッジほど空間率が小さくなると、空間率の高
い第1の活性炭カートリッジ105に優先的に排ガスが
流れ、空間率の低い第3の活性炭カートリッジ107に
は流れ難くなり、排ガスの均一な流動の形成が阻害さ
れ、活性炭層全体の触媒反応の効率が低下する。例え
ば、従来の脱硝システムによると、活性炭の20〜30
%しか触媒反応に使われていない。
【0005】一方、排ガスの供給口および排出口の活性
炭層に対する位置や方向も均一流動に影響を与えるの
で、それらの位置や方向を変えることによって均一流動
の改善を図ることも考えられる。しかしながら、実際の
設計では装置をできるだけコンパクトにするように配慮
しなければならない等の種々の制約が課せられるので、
供給口や排出口の形状を均一流動だけの目的で設計する
ことは好ましくない。
【0006】このような流動の不均一に起因する不具合
は活性炭脱硝システムに特に限られず、固定層や移動層
に対し流体を通過させる他の装置や機器類などにも発生
する問題である。
【0007】本発明は、固定層あるいは移動層を通過す
る流体の均一流動を達成することができる通過量分布を
補正する方法およびその装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、固体粒子が充填された移動層を通過する
流体の通過量分布補正方法において、移動層が固体粒子
を流体の流れと直交する一方向に移動させるものであ
り、流体の流れ方向に固体粒子の移動に関し互いに独立
させて複数層設けられるようにし、移動層内において流
体の流入口から流体の流れ方向の一部領域に周囲と圧力
的に遮断され且つ周囲と異なる空間率を持つと共に移動
層外の流体の流入口と移動層内とを連通させる制御空間
を、移動層内の流体の流れ難いところあるいは流体の通
過流量を変化させたいところに配置して移動層内に流れ
る流体の流速を部分的に変化させ、層内全域における通
過流量を空間率の分布差にかかわらず任意の通過流量分
布に補正し、且つ制御空間を制御空間形成手段によって
形成し、制御空間形成手段の移動層内における開口位置
を複数の移動層の最も流体流入口寄りの層を除く下流の
層内に設けるようにしている。
【0009】 また、本発明は、固体粒子が充填され流
体が通過可能とされた移動層に対する流体の通過量分布
を補正する装置であって、移動層が固体粒子を流体の流
れと直交する一方向に移動させるものであり、流体の流
れ方向に固体粒子の移動に関し互いに独立させて複数層
設けられると共に、移動層内において流体の流入口から
流体の流れ方向の一部領域に周囲と圧力的に遮断され且
つ周囲と異なる空間率を持つと共に移動層外の流体の流
入口と移動層内とを連通させる制御空間を形成する制御
空間形成手段が、移動層内の流体の流れ難いところある
いは流体の通過流量を変化させたいところに配置され、
移動層内に流れる流体の流速が部分的に変化させられ
て、層内全域における通過流量を空間率の分布差にかか
わらず任意の通過流量分布に補正し、且つ制御空間形成
手段の移動層内における開口位置が複数の移動層の最も
流体流入口寄りの層を除く下流の層内に設けられるよう
に制御空間形成手段が設置されるようにしている。
【0010】
【0011】また、本発明の流体の通過量分布補正装置
は、流体の流れ方向に固体粒子の移動に関し互いに独立
させて複数設けられる移動層に配置される制御空間形成
手段が、固体粒子の移動方向の下流側の部位に主に設置
されるようにしている。
【0012】また、本発明の流体の通過量分布補正装置
は、流体の流れ方向に固体粒子の移動に関し互いに独立
させて複数設けられる移動層に配置される制御空間形成
手段が、固体粒子の移動方向の下流側に向かうほど層内
における開口位置が流体の流れの下流側に設けられるよ
うにしている。
【0013】また、本発明において、流体の流れ方向に
互いに独立させて複数の移動層が設けられる場合に、最
も流体流入口寄りの層の固体粒子の移動速度が他の層の
固体粒子の移動速度よりも高速とすることが好ましい。
【0014】更に、本発明において、制御空間形成手段
は内部を貫通する空間が設けられた筒体あるいは棒状物
である。
【0015】
【作用】周囲と異なる空間率を有する制御空間形成手段
が層内に配置されている場合、流体は制御空間とそれ以
外の空間とを異なる速度にて通過する。したがって、制
御空間を通過する流体の通過流量は、制御空間形成手段
の周囲の通過流量と異なる。このため、移動層の空間率
が部分的に異なり分布差が生じていても、あるいは均一
であっても、制御空間形成手段の配置によってそこを通
過する流速を変えて層内を流れる流体の通過流量を変化
させ、層内全域における通過流量を空間率の分布差にか
かわらず均一とし、あるいは層内全域における空間率が
均一であるにもかかわらず通過流量を不均一とし任意の
通過量分布に補正できる。例えば、移動層の一部におい
て流体が流れ難い場合には、周囲より大きい空間率を有
する制御空間を形成する制御空間形成手段を流れ難い箇
所に設けて、層内と層外とを制御空間で導通させ、制御
空間内で流体の流速を上げることによって通過流量を増
やすようにできる。また、逆に制御空間形成手段の配置
によって層内全域における空間率が均一であるにもかか
わらず、意図的に通過流量を不均一とすることもでき
る。
【0016】 また、移動層が流体の流れ方向に固体粒
子の移動に関し互いに独立させて複数層設けられて
、最も流体流入口寄りの層の固体粒子の空間率は除塵
などによって流体が流れ難い箇所が生じる。そこで、
発明のように、制御空間形成手段の層内における開口位
置が複数の移動層の最も流体流入口寄りの層を除く下流
の層内に設けられるように制御空間形成手段が流体が流
れ難い箇所に設けられることによって、その部分の流体
の流速を上げて層内へ導入でき、移動層の一部において
流体が流れ難い箇所があっても流体の通過量分布を層全
体で均一にすることができる。
【0017】 また、請求項3の発明の場合、除塵など
により空間率が低下し流体が流れ難くなる固体粒子の流
れの下流側において流体の通過量を増やし、層内全域に
おいて均一な通過量を確保できる。
【0018】 更に、請求項4の発明の場合、空間率が
低下する固体粒子の流れの下流側に向かうほど制御空間
形成手段の開口位置が流体の流れの下流側に設けられる
ため、より均一な通過量分布の補正が為される。更に、
請求項5記載の発明の場合、最も流体流入口寄りの移動
層の固体粒子の移動速度が他の層の固体粒子の移動速度
よりも高速であるため、固体粒子の移動方向の上流と下
流との間で除塵による空間率の減少が少なくなる上に、
層底部付近での空間率の減少に起因する流体の通過量の
低下を制御空間形成手段の設置による流体の流速の増加
により通過量を増やし、特に固体粒子の移動方向の下流
側に向かうほど制御空間形成手段の設置を奥側(流体の
流れの方向の下流側)にまで伸ばすことによって流体の
流速の増加により通過量を増やし、層内全域において均
一な通過量を確保できる。更に、請求項6の発明のよう
に、制御空間形成手段は内部を貫通する空間が設けられ
た筒体あるいは棒状物であっても良い。
【0019】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。尚、本実施例では、活性炭脱硝
塔内の排ガスの流動分布の補正を例に挙げて説明する。
この場合、活性炭脱硝塔内に設けられた複数の活性炭層
7a,7b,7cが移動層、活性炭層を構成する活性炭
15が固体粒子、排ガスが流体に相当する。
【0020】図14に本発明の流体の通過量分布を補正
する方法を実施する活性炭脱硝塔の一例を示す。この活
性炭脱硝塔3は、排ガスを導入する入口側ダクト1と、
除塵・脱硝後の排ガスを取り出す出口側ダクト4と、こ
の出口側ダクト4に接続された煙突5とを備えている。
また、活性炭脱硝塔3の上方部には入口側ダクト1が、
また下方部には出口側ダクト4がそれぞれ接続されてい
る。入口側ダクト1には排ガス中にアンモニアを噴射混
合させるためのインジェクタ2が設けられている。
【0021】活性炭脱硝塔3内には、図13に示すよう
に、多数の活性炭カートリッジ6が縦横に配置され、入
口側ダクト1から導入された排ガスがいずれかの活性炭
カートリッジ6を通過してから出口側ダクト4より煙突
5へ排出されている。活性炭カートリッジ6は本実施例
の場合、図3および図4に示すように、2本1組となっ
て連結されている。1本のカートリッジ6は、図3に示
すように、矢印12で示す排ガスの流れ方向に複数の活
性炭層が固体粒子の移動に関し互いに独立して積層され
るように設けられている。例えば、本実施例の場合、層
厚さが比較的薄い第1の層7aと第2の層7b及びこれ
らより層厚さが厚い第3の層7cとに区画形成されてい
る。そして、活性炭カートリッジ6の上下端にはそれぞ
れ活性炭15の供給ホッパ8と集合ホッパ9とが設けら
れ、各層7a,7b,7c内を活性炭15が流下し得る
ように供給されている。ここで、排ガスの流れに関し最
も上流側となる第1の層7aでは、除塵による空間率の
減少が著しく排ガスが流れ難くなるので、そこにおける
活性炭移動速度を他の層7b,7cよりも高速化するこ
とが好ましい。そこで、斜めの板から成るメインルーバ
16と逆V字型のサブルーバ17とによって第1の層7
aが形成され、活性炭15が流れ落ち易いように設けら
れている。1組の活性炭カートリッジ6の入口側ダクト
1側(図2(A)参照)の前面の空間が排ガスの流入口
10に相当し、当該カートリッジ6と直交する方向に排
ガスが通過するように開口されている。したがって、供
給ホッパ8から供給された活性炭がそれぞれの活性炭層
7a,7b,7cを下方に流動し(活性炭15の流れを
矢印11で示す)、流入口10から流入した排ガスが第
1の活性炭層7a、第2の活性炭層7b及び第3の活性
炭層7cと通過して(排ガスの流れを矢印12で示
す)、それぞれの層7a,7b,7cにおいて触媒脱硫
・脱硝反応が行われると同時に除塵も行われる。尚、各
層7a,7b,7cは金属製の多孔板18,18で仕切
られ、流体は通過するが固体粒子は多孔板18の間で仕
切られた各層7a,7b,7c内を下方に流動するよう
に設けられている。
【0022】このように活性炭カートリッジ6の各活性
炭層7a,7b,7cを流下する活性炭15は除塵機能
を有しているので、下方に流動するにつれて塵埃量が増
加して空間率が減少していた。しかも、この空間率の減
少は、層厚さ方向即ち排ガスの流れの方向12に一様で
はなく、層厚さが比較的薄い第1の層7aと第2の層7
bに集中する傾向がある。したがって、第1の層7aに
おける活性炭移動速度を他の層7b,7cのそれよりも
高速化しても、排ガスの大半は空間率の高い活性炭カー
トリッジ6の上方を通過し、底部付近に流れなくなり、
触媒反応の効率が低下するという問題、換言すれば活性
炭カートリッジ6の長さが実質的に短くなってしまう問
題を生ずる。
【0023】この問題を解決するため、本発明者等が種
々実験検討した結果、排ガスの流れが活性炭カートリッ
ジ6を通過する際の1つの流動支配因子としてオイラ数
の一種と考えられる流配係数ηf を実験的に見い出し
た。そして、活性炭カートリッジ通過時の排ガス流の圧
損が位置によらずあまり変化しないとすれば、排ガス流
動の理想的な均一化とは、排ガスの活性炭カートリッジ
6の通過速度を活性炭カートリッジ内部のどの位置でも
一定に保持し排ガスと未接触の活性炭をなくすというこ
とである。つまり、流配係数ηf と排ガスV0 とが一定
の時、層の厚さLと空間率εとが図5のグラフに示すよ
うに常に次の数式1の関係にあれば流動は均一となる。
【数1】
【0024】そこで、本発明は、活性炭層内特に空間率
の差が大きく異なる第1の層7a更には第2の層7bに
おいて周囲と圧力的に遮断されかつ周囲と異なる空間率
を有すると共に活性炭層内と活性炭層の外の流入口10
とを連通させた制御空間14を部分的に設けるようにし
ている。例えば、本実施例では排ガス通過分布の補正手
段として、図1及び図2に示すような層内における空間
率を部分的に周囲と異ならせる制御空間形成手段13を
設けた。即ち、固体粒子たる活性炭15の流れにおいて
下流側となる領域、例えば活性炭カートリッジ6の底部
全般特に排ガス流入部直のデッドゾーン部分に、活性
炭層厚さを部分的に変化させるための制御空間14が適
宜設けられている。
【0025】制御空間14は、筒体から成る制御空間形
成手段(以下単に筒体という)13によって構成され
る。筒体13は、一端が活性炭層の外の流入口10に開
口し且つ他端が活性炭層内特に第2の層7b、第3の層
7c内に開口されるように排ガスの流れ方向12に配置
されて、層内と層外とを導通させる。この筒体13は縦
横に多数本配列されて設けられている。筒体13の長さ
は活性炭カートリッジ6の底部に向かう程長くすること
が好ましい。即ち、空間率が大きな活性炭カートリッジ
6の上部には筒体13の設置は必要ないが、第1の層7
a及び第2の層7bの空間率が小さくなる底部に近づく
程必要となり、かつカートリッジ6の底部に近づくほど
第2の層7bから更に第3の層7cへと順次深い位置に
開口するように設置されている。筒体13の中の制御空
間14は筒体13によって活性炭が存在する周囲から圧
力的に遮断され、また周囲に比較して空間率が大きく形
成されている(制御空間14は空洞だから空間率は最大
1である)。
【0026】活性炭層7内に制御空間14を設けること
は、要するに上記数式1の層の長さLを変化させようと
するものである。つまり、制御空間14の長さが長いほ
ど層7の長さLが短くなり、層7の長さが短くなるほど
排ガスの速度V0 が大きくなる。したがって、制御空間
14を必要に応じてその設置位置・長さや径・設置密度
等を適宜設計して活性炭層7に設けることによって空間
率の偏った分布を均一に是正することができる。
【0027】以上のように構成された活性炭カートリッ
ジは次のようにして排ガスの通過量分布が補正される。
【0028】各活性炭カートリッジ6において、矢印1
1で示すように、供給ホッパ8から供給された活性炭1
5がそれぞれの活性炭層7a,7b,7cを流下する。
これに対して、矢印12で示すように、流入口10から
活性炭カートリッジ6に流入した排ガスがそれぞれの活
性炭層7a,7b,7cをほぼ水平方向に通過し、それ
ぞれの活性炭層7a,7b,7cにおいて触媒脱硝反応
が行われると同時に除塵も行われる。
【0029】活性炭層7a,7b,7cの下方領域にお
いて、制御空間14が第1の層7aおよび第2の層7b
の範囲で下方のものほど順次長く奥まで延びて形成され
ているので、この第1の層7aおよび第2の層7bの空
間率が小さくなり排ガスが流れ難くなっていても、筒体
13内の制御空間14を経て第2の層7bあるいは第3
の層7cへ排ガスが流入する。このとき、制御空間14
によって層内と層外とを導通させる面積カートリッジ
6の上部に比べると少ないが、制御空間14では排ガス
の流速V0 が大きくなり通過流量としては活性炭カート
リッジ6の上部とほぼ同量となる。しかも、排ガスは制
御空間14から層内へ勢いよく噴出され層内へ良好に拡
散されるため、活性炭15と効率的に接触して触媒脱硝
反応が行われると同時に除塵も行われる。
【0030】制御空間14を設けないと、特に空間率が
低下しやすい第1の層7aおよび第2の層7bの底部付
近において下方に向かうほど排ガスの通過量分布が低減
するが、本実施例では制御空間14を設けることによっ
て空間率が低下しやすい部位ほど排ガス速度を増加させ
るようにしているので、排ガス通過量分布を均一化でき
る。したがって、排ガスが活性炭カートリッジ6の上方
部分も底部付近も変わりなく均一に排ガスが流れる。ま
た、底部付近において第1の層7aおよび第2の層7b
の空間率の減少が第3層以上の層7cと同じように抑制
され、除塵に寄与することができる。
【0031】ところで、制御空間14を用いて、一端開
口から流入した排ガスを他端開口から活性炭層7に噴出
する時の速度と方向とを任意に制御することもできる。
【0032】このことを図6に基づいて検討する。図6
に、厚さLの活性炭層の空間率εACに、厚さ1、空間率
εDCで周囲が固体面で遮断されている場合を示す。
ち、流体の流れ方向に圧力的に遮断されかつ周囲と異な
る空間率を持つ長さlの領域を形成した場合を示す。
の系において、活性炭層通過における全圧保存式はそれ
ぞれの通過速度をVAC、VDCとすると、次の数式2及び
数式3で表すことができる。
【数2】
【数3】 両式を等置して整理すると、
【数4】
【数5】 と表され、更に通過速度VAC、VDCの比で整理すると次
の数式6が得られる。
【数6】
【0033】この式から部分的に空間率の異なる層があ
る場合、その領域の通過速度は空間率によって増減する
ことがわかる。ここで、局部的な部分即ち制御空間の空
間率が仮に1.0つまり空洞の場合は次の数式7となる
ので常にその通過速度は他の領域より大きい。
【数7】
【0034】更に、制御空間の入口面積ADCを先端面積
N に絞った場合には、ノズルによる加速が加わるが、
連続の式より次のようになることがわかる。
【数8】
【数9】
【0035】例えば半径方向に高速で吹き出す場合に
は、図7に示すように、先端が閉塞されると共に側部に
噴出口が形成されている筒体13を用いればよい。ま
た、軸方向に噴出する場合には、図8に示すように、先
広がりの筒体13を用いればよい。このように筒体の形
状を適宜設計することにより、排ガスと活性炭との接触
効率を高めるために排ガスの好適な流動状態を必要な部
分に確実に形成することができる。
【0036】なお、上述の実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、移動層内に図1及び図2に示されるような
円筒体から成る制御空間形成手段13を設けると、場合
によっては活性炭15の移動を阻害する。そこで、この
ような場合には図9の(A)および(B)に示すよう
に、活性炭15の安息角よりも大きい角度θを底辺とし
た三角形の覆い19を円筒体の制御空間形成手段13の
上部に設置することが好ましい。また、図10に示すよ
うに、制御空間形成手段13の横断面輪郭形状を楔形に
し、その内部にガス流路としての制御空間14を設ける
ようにしても良い。この場合、制御空間14の形状は図
示の如き台形状に限定されず、図示していないが例えば
円形や楕円形、多角形状などさまざまの形状の空間であ
っても良い。また、図11に示すように、制御空間形成
手段13の横断面輪郭形状を流線形としても良い。この
場合にも、その内部に台形、円形、多角形などのさまざ
まの形状の制御空間14が設けられる。更に、この制御
空間形成手段13は、図12に示すように、層内に複数
個を一組として並べて設置しても良い。
【0037】また、上述した各実施例では制御空間14
が周囲より空間率が大きく且つ完全に空洞にしてその空
間率を1に形成された場合を挙げたが、これに限らず、
制御空間14の空間率が周囲より逆に小さくともよく、
また制御空間14の空間率が1未満でもよく、要するに
制御空間14の空間率が周囲の空間率と異なっていれば
よい。この場合の空間率εは、AC<εDC≦1.0の条
件にある。
【0038】また、上述した実施例では、流体の通過量
分布の補正をして流動が全体的に均一になるようにした
が、流体の通過量分布の補正をする目的は均一流動に限
らず、任意の流動分布とすることができる。例えば、温
度分布の影響などで反応量が位置により異なるために、
それに合わせて流体の通過量の多いところと少ないとこ
ろとが意図的に作りだされるように流量分布を在化さ
せる必要が生じた場合に好適である。
【0039】また、上述した実施例では、制御空間を形
成する手段13として筒体を用いたが、これに限らず、
流体の流れ方向に沿って延長し且つ周囲と異なる空間率
を部分的に形成するものならどのような構造物でもよ
い。
【0040】
【0041】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によると、移動層内において周囲と圧力的に遮断され且
つ周囲と異なる空間率を持つと共に移動層外の流体の流
入口と移動層内とを連通させる制御空間が部分的に移動
層内に設けられているので、移動層内を通過する流体は
制御空間とそれ以外の空間とを異なる速度にて通過し、
その通過量を異ならせる。このため、移動層の空間率が
部分的に異なり分布差が生じていても、あるいは均一で
あっても、制御空間形成手段の配置によってそこを通過
する流速を変えて移動層内を流れる流体の通過流量を変
化させ、層内全域における通過流量を空間率の分布差に
かかわらず均一とし、あるいは空間率が均一であるにも
かかわらず通過流量を不均一とし任意の通過量分布に補
正できる。
【0042】 また、本発明の場合、周囲より大きい空
間率を有する制御空間を形成する制御空間形成手段を流
体が流れ難い箇所に設けることによって、その部分の流
体の流速を上げて移動層内へ導入できるので、移動層の
一部において流体が流れ難い箇所があっても流体の通過
量分布を層全体で均一にすることができる。
【0043】 また、請求項3の発明の場合、除塵など
により空間率が低下し流体が流れ難くなる固体粒子の流
れの下流側において流体の通過量を増やすることができ
るので、層内全域において均一な通過量を確保できる。
更に、請求項4の発明の場合、空間率が低下する固体粒
子の流れの下流側に向かうほど通過量を増大させてより
均一な通過量分布の補正が為される。更に、請求項5の
発明のように、複数の移動層のうち、最も流体流入口寄
りの層の固体粒子の移動速度を他の層の固体粒子の移動
速度よりも高速としても良い。更に、請求項6の発明の
ように、制御空間形成手段は内部を貫通する空間が設け
られた筒体あるいは棒状物であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を活性炭脱硝塔に適用した一実施例を示
す要部拡大縦断面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】活性炭脱硝塔に組み込まれる活性炭カートリッ
ジの縦断面構造の一例を示す概略図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】空間率と活性炭層の厚さとの相関関係を示すグ
ラフである。
【図6】活性炭層および制御空間の説明図である。
【図7】制御空間形成手段の一例を示す縦断面図であ
る。
【図8】制御空間形成手段の他の実施例を示す縦断面図
である。
【図9】制御空間形成手段の変形例を示す図で、(A)
は縦断面図、(B)はIX−IX線断面図である。
【図10】楔形構造物を制御空間形成手段として用いた
例を示す横断面図である。
【図11】流線形構造物を制御空間形成手段として用い
た例を示す横断面図である。
【図12】制御空間形成手段を組み合わせて用いた例を
示す横断面図である。
【図13】活性炭脱硝塔の平面図である。
【図14】脱硝システムの正面図である。
【図15】脱硝システムの全体を示す系統図である。
【図16】従来の活性炭脱硝塔の原理図である。
【符号の説明】
7a,7b,7c 活性炭層(移動層) 10 流体の流入口 11 活性炭(固体粒子)の流れ方向 12 流体の流れ方向 13 制御空間形成手段 14 制御空間 15 活性炭(固体粒子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−96968(JP,A) 特開 昭53−72774(JP,A) 実開 昭61−120067(JP,U) 特公 昭47−36628(JP,B1) 特公 昭51−40546(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 8/00 B01D 53/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体粒子が充填された移動層を通過する
    流体の通過量分布補正方法において、前記移動層が前記
    固体粒子を前記流体の流れと直交する一方向に移動させ
    るものであり、流体の流れ方向に前記固体粒子の移動に
    関し互いに独立させて複数層設けられるようにし、前記
    移動層内において前記流体の流入口から流体の流れ方向
    の一部領域に周囲と圧力的に遮断され且つ周囲と異なる
    空間率を持つと共に前記移動層外の流体の流入口と前記
    移動層内とを連通させる制御空間を、前記移動層内の流
    体の流れ難いところあるいは流体の通過流量を変化させ
    たいところに配置して前記移動層内に流れる流体の流速
    を部分的に変化させ、層内全域における通過流量を空間
    率の分布差にかかわらず任意の通過流量分布に補正し、
    且つ前記制御空間を制御空間形成手段によって形成し、
    前記制御空間形成手段の前記移動層内における開口位置
    を複数の前記移動層の最も流体流入口寄りの層を除く下
    流の層内に設けることを特徴とする流体の通過量分布補
    正方法。
  2. 【請求項2】 固体粒子が充填され流体が通過可能とさ
    た移動層に対する前記流体の通過量分布を補正する装
    置であって、前記移動層が前記固体粒子を前記流体の流
    れと直交する一方向に移動させるものであり、流体の流
    れ方向に前記固体粒子の移動に関し互いに独立させて複
    数層設けられると共に、前記移動層内において前記流体
    の流入口から流体の流れ方向の一部領域に周囲と圧力的
    に遮断され且つ周囲と異なる空間率を持つと共に前記
    層外の流体の流入口と前記移動層内とを連通させる制
    御空間を形成する制御空間形成手段が、前記移動層内の
    流体の流れ難いところあるいは流体の通過流量を変化さ
    せたいところに配置され、前記移動層内に流れる流体の
    流速が部分的に変化させられて、層内全域における通過
    流量を空間率の分布差にかかわらず任意の通過流量分布
    に補正し、且つ前記制御空間形成手段の前記移動層内に
    おける開口位置が複数の前記移動層の最も流体流入口寄
    りの層を除く下流の層内に設けられるように前記制御空
    間形成手段が設置されていることを特徴とする流体の通
    過量分布補正装置。
  3. 【請求項3】 前記制御空間形成手段は前記固体粒子の
    移動方向の下流側の部位に主に設置されていることを特
    徴とする請求項2記載の流体の通過量分布補正装置。
  4. 【請求項4】 前記制御空間形成手段は前記固体粒子の
    移動方向の下流側に向かうほど前記移動層内における前
    記開口位置が前記流体の流れの下流側に設けられている
    ことを特徴とする請求項2または3記載の流体の通過量
    分布補正装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の移動層のうち、最も前記流体
    流入口寄りの層の前記固体粒子の移動速度が他の層の固
    体粒子の移動速度よりも高速としたことを特徴とする請
    求項2から4のいずれかに記載の流体の通過量分布補正
    装置。
  6. 【請求項6】 前記制御空間形成手段は内部を貫通する
    空間が設けられた筒体あるいは棒状物であることを特徴
    とする請求項2ないし5のいずれかに記載の流体の通過
    量分布補正装置。
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