JP3496017B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3496017B2
JP3496017B2 JP2003000573A JP2003000573A JP3496017B2 JP 3496017 B2 JP3496017 B2 JP 3496017B2 JP 2003000573 A JP2003000573 A JP 2003000573A JP 2003000573 A JP2003000573 A JP 2003000573A JP 3496017 B2 JP3496017 B2 JP 3496017B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体膜を有する
MISトランジスタ,メモリセルトランジスタなどとし
て機能する半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術分野】近年、半導体の微細化が進み、トラ
ンジスタのゲート絶縁膜やDRAMの容量膜等の材料と
して、従来から使用されてきたシリコン酸化膜等に代え
て、さらに高い誘電率を有する誘電体材料が使用されよ
うとしている。また、新しい不揮発性メモリとして、メ
モリセルの記憶容量部に強誘電体膜を備えた強誘電体メ
モリも実用化されている。
【0003】これらの半導体装置に用いられる高誘電率
誘電体や強誘電体の膜は、従来、以下のようにして形成
されていた。まず、下地層として、基板上にある程度の
結晶配向性を有する膜を形成する。次に、スパッタ法や
MOCVD法(有機金属錯体を用いた化学気相成長法)
等によって高誘電率誘電体や強誘電体膜を形成する。そ
の際、高い結晶性を有する膜を得るために、成膜中の基
板温度を650℃以上に保つか、製膜後に高速ランプ加
熱炉等内で650℃以上の熱処理を行う。この後、引き
続き上部電極のための金属膜を形成する。
【0004】また、近年、電池駆動による携帯情報端末
装置は広く使用されている。このような装置において
は、電池寿命を延ばすために、高速動作を犠牲にするこ
となく電源電圧を低減化することが強く望まれている。
低電源電圧においても高速動作を実現するためには、し
きい値電圧を下げることが有効であるが、この場合、ゲ
ートオフ時のリーク電流が大きくなるため、おのずとし
きい値電圧には下限が存在する。そこで、ゲート絶縁膜
として、従来のシリコン酸化膜に代えて、高誘電率誘電
体膜を用いたり、デバイス自体の構造の改善が提案され
ている。
【0005】例えば、非特許文献1に開示されているよ
うに、このような問題を解決し、低電圧時にもリーク電
流が小さくかつ、高駆動能力を有するデバイスとして、
DTMOSデバイス(Dynamic Threshold Voltage MOSF
ET)と呼ばれる素子が提案されている。
【0006】図21は、上記非特許文献1において提案
されている従来のDTMOSデバイスの構造を示す断面
図である。図21に示すように、従来のDTMOSデバ
イスは、n−DTMOSデバイスとp−DTMOSデバ
イスとにより構成されており、n−DTMOSデバイス
又はp−DTMOSデバイスは、半導体基板の活性領域
の上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート電極と、活性
領域のうちゲートの両側方に位置する領域に設けられた
ソース・ドレイン領域(n−DTMOSデバイスではn
型領域、p−DTMOSデバイスではp型領域)と、活
性領域のうちソース・ドレイン領域を除く領域である基
板領域(n−DTMOSデバイスではp + Si層、p−
DTMOSデバイスではn+ Si層)とを備え、基板領
域のうちゲート絶縁膜の直下方に位置する領域がチャネ
ル領域となっている。そして、基板領域(ボディ領域)
とゲート電極とが配線により電気的に短絡するように接
続されている。なお、図21に示す構造は、SOI基板
を用いているために、活性領域の下方には埋め込み酸化
膜が形成されている。
【0007】このように、ゲートとボディとが短絡され
た状態で、ゲートにバイアス電圧が印加されると、ボデ
ィを介してチャネル領域にゲートバイアス電圧と同じ大
きさの順方向バイアス電圧が印加されることになる。こ
れにより、ゲートバイアスオフ時には通常のMOSトラ
ンジスタと同じ状態となり、また、ゲートバイアスオン
時には、ゲートバイアス電圧の増大にともなってボディ
が順方向にバイアスされていくため、しきい値電圧が低
下していく。
【0008】このようなDTMOSデバイスは、SOI
基板に形成された通常のMOSトランジスタ(ゲートと
ボディーとが短絡されていないトランジスタ)と比較す
ると、ゲートバイアスオフ時には、そのリーク電流は通
常のトランジスタのリーク電流と同等となる。一方、ゲ
ートバイアスオン時には、前述したようにしきい値が減
少するので、ゲートオーバードライブ効果が増大し、駆
動力が著しく増大する。また、DTMOSデバイスで
は、ゲートとチャネル領域との電位差がほとんどないた
め、基板表面での縦方向電界が通常のトランジスタに比
べて著しく小さくなる。その結果、縦方向電界の増大に
ともなうキャリアの移動度の劣化が抑制されるので、駆
動力が著しく増大する。
【0009】このように、DTMOSデバイスは、n型
のゲート−p型のボディ(ベース)−n型のソース領域
(エミッタ)・ドレイン領域(コレクタ)間に発生する
横方向の寄生バイポーラトランジスタがオンしてボディ
電流が実用上問題となる程度に大きくなるまでの動作電
圧範囲においては、低しきい値電圧つまり低電源電圧で
高速動作が可能なトランジスタとして機能することにな
る。そして、DTMOSデバイスの構造は、通常のMO
Sとほぼ同じ構造であるため、製作が容易であり、ほぼ
同じ工程数で製作が可能である。
【0010】
【特許文献1】特開2000−164590号公報(要
約)
【特許文献2】特開平3−22430号公報(第2図)
【特許文献3】特開平10−41515号公報(要約)
【特許文献4】特開平11−283927号公報(要
約)
【特許文献5】特開平6−291253号公報(要約)
【特許文献6】特開平1−140632号公報(第1
図,第3頁右上第3〜7行目)
【非特許文献1】F. Assaderaghi et. al., "A Dynamic
Threshold Voltage MOSFET(DTMOSデバイス) for
Ultra-Low Voltage Operation," IEDM94 Ext. Abst. p.
809
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
誘電体膜や、これを用いたDTMOSデバイス,MIS
トランジスタ等においては、それぞれ以下のような不具
合があった。
【0012】一方、上記従来の高誘電率誘電体膜や強誘
電体膜の形成技術においては、以下のような不具合があ
った。
【0013】第1に、上述のように、高い結晶性を有す
る膜を得るためには、成膜中あるいは製膜後に650℃
以上の熱処理が必要であるために、材料や製造工程に大
きな制約がある。すなわち、この膜形成工程の前にすで
に基板及び基板上に形成されているデバイスは、650
℃以上の温度によって悪影響を受けないことが求められ
る。よって、例えばAlやCu等の金属配線形成後の半
導体基板上に高誘電率誘電体膜や強誘電体膜を形成した
り、ガラス基板上に高誘電率誘電体膜や強誘電体膜を形
成することは困難である。
【0014】第2に、誘電体膜が形成される下地層の特
性にも制約があった。従来の方法では、基板上に結晶の
配向性を有する膜を形成してから、この膜を下地層とし
て誘電体膜を形成することにより、高誘電率誘電体膜や
強誘電体膜が下地層の配向性を引き継いで高い結晶性を
示すのであって、配向性を有する下地層が必要であっ
た。よって、従来の方法では、結晶性を有しない材料の
上に高誘電率誘電体膜や強誘電体膜を形成することは困
難であった。
【0015】また、上記従来のDTMOSデバイスで
は、ゲートバイアス電圧の増大にともなってソース・ボ
ディ間が順方向にバイアスされていくため、ボディ電流
と呼ばれる電流がソース・ボディ間に流れる。そこで、
DTMOSデバイスにおいては、このボディ電流を抑制
しつつ、かつ、しきい値を下げることで、動作電圧範囲
を広く確保することが好ましい。ソース領域−ボディ領
域間は単純なPN接合ダイオードと考えることができる
ため、ボディ電流は、半導体の材料(バンドギャップ)
と接合部分の不純物濃度とによって決定される。一般的
に、ソース領域は不純物濃度が1x1020atoms ・cm
-3程度に高濃度にドーピングされているが、ボディ領域
の不純物濃度を高くすれば、ビルトインポテンシャルの
傾斜が強められるので、ボディ領域からチャネル領域へ
のキャリアの移動に対する障壁が大きくなる。これによ
り、ボディ電流を抑制することができる。
【0016】しかし、上記従来のDTMOSデバイスで
は、ボディ領域の不純物濃度の増加に伴い、しきい値も
高くなるため、実際には、ボディ領域の不純物濃度を高
めても、動作電圧範囲を広く確保することは困難であ
る。
【0017】本発明の目的は、高温の処理を施すことな
く、誘電体膜特に高誘電率誘電体膜や強誘電体膜の特性
を向上させる手段を講ずることにより、高性能の半導体
装置を実現しうる方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、誘電体膜を要素として含む半導体装置の製造
方法であって、基板の上方に上記誘電体膜を形成する工
程(a)と、上記工程(a)の後で、上記誘電体膜の上
方から、1GHz以上で100GHz以下の範囲にある
電磁波を照射する工程(b)と含み、上記工程(a)の
後で上記工程(b)の前に、上記誘電体膜の上に、上記
誘電体膜よりも誘電率又は誘電損失が大きいカバー膜を
形成する工程と、上記工程(b)の後で、上記カバー膜
を除去する工程とをさらに含み、上記工程(b)におい
ては、電磁波は上記誘電体膜および上記カバー膜に吸収
されて上記誘電体膜および上記カバー膜が加熱される方
法である
【0019】この方法により、誘電体膜へのミリ波照射
処理によって、誘電体膜のリーク電流が低減するなど、
誘電体膜の特性が改善される。しかも、ミリ波照射によ
って誘電体膜を局所的に加熱することが可能であるの
で、基板上にデバイスが存在していても、デバイスへの
悪影響を回避することができる。特に、ミリ波照射によ
ってカバー膜が加熱されるのを利用して、より効率的に
誘電体膜の加熱を行なうことができる。
【0020】上記工程(b)では、上記基板の温度を5
50℃以下に保持しつつ、上記電磁波を印加することに
より、基板上のデバイスなどへの悪影響をより確実に回
避することができる。
【0021】上記工程(a)の前に、下部導体膜を形成
する工程をさらに含むことができる。
【0022】上記下部導体膜を形成する工程では、上記
下部導体膜として、金属膜,IrO 2 及びRuO2 のう
ちから選ばれる1又は2以上の材料によって構成される
膜を形成することが好ましい。
【0023】上記下部導体膜を形成する工程の後で上記
工程(a)の前に、上記下部導体膜と上記誘電体膜との
間に介在する下部絶縁膜を形成する工程をさらに含むこ
とにより、誘電体膜のリーク電流をより低減することが
できる。
【0024】上記工程(a)の後で上記工程(b)の前
に、上記誘電体膜を覆う上部導体膜を形成する工程をさ
らに含み、上記工程(b)は、上記上部導体膜によって
上記誘電体膜を覆った状態で行なわれることができる。
【0025】上記工程(b)は、上記上部導体膜を電気
的にアースして行なわれることが好ましい。
【0026】上記工程(a)の後で上記工程(b)の前
に、上記誘電体膜を覆う上部導体膜を形成した後、上部
導体膜をパターニングして、上記誘電体膜のうち半導体
装置の要素となる部分を少なくとも含む領域上に、上記
上部導体膜の一部を残す工程をさらに含み、上記工程
(b)は、上記上部導体膜の上記一部を残した状態で、
上記誘電体膜の上記領域が局所的に加熱されるように行
なわれることもできる。
【0027】上記上部導体膜を形成する工程は、上記上
部導体膜として、金属膜,IrO2及びRuO2 のうち
から選ばれる1又は2以上の材料によって構成される膜
を形成することが好ましい。
【0028】上記工程(a)の後で、上記上部導体膜を
形成する工程の前に、上記上部導体膜と上記誘電体膜と
の間に介在する上部絶縁膜を形成する工程をさらに含む
ことにより、誘電体膜のリーク電流を低減することがで
きる。
【0029】上記工程(a)の前に、厚み10nm以下
の下部シード層を形成する工程をさらに備え、上記工程
(a)では、上記誘電体膜を上記下部シード層に接触さ
せるように形成し、上記工程(b)では、上記下部シー
ド層が上記誘電体膜の成長の種として機能させることに
より、誘電体膜の結晶粒の成長をより円滑に行なうこと
ができる。
【0030】上記工程(a)の後で上記工程(b)の前
に、厚み10nm以下の上部シード層を上記誘電体膜に
接触させて形成する工程をさらに備え、上記工程(b)
では、上記上部シード層を上記誘電体膜の成長の種とし
て機能させることによっても、誘電体膜の結晶粒の成長
をより円滑に行なうことができる。
【0031】上記工程(a)では、上記誘電体膜とし
て、PZT(Pb(Zr、Ti)O3),PLZT
((Pb、La)(Zr、Ti)O3 ),SBT(Sr
Bi2 Ta 29 ),(SrBi2 (Nb、Ta)2
9 ),STO(SrTiO3 ),BTO(BaTiO
3 ),BST((Ba、Sr)TiO3 )及びBIT
(Bi4Ti312)のうちから選ばれる1又は2以上
の材料によって構成される膜を形成することが好まし
い。
【0032】上記基板を構成する材料は、半導体,酸化
シリコン,ガラス及びセラミックのうちから選ばれる1
又は2以上の材料であることが好ましい。
【0033】上記工程(b)では、10GHz以上で8
0GHz以下の範囲にある電磁波を照射することがより
好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1(a)〜
図2(b)は、本発明の第1の実施形態における半導体
装置の製造工程を示す断面図である。
【0035】まず、図1(a)に示す工程で、熱酸化等
により、p型のSi基板101の上に厚みが100nm
のシリコン酸化膜102を形成した後、シリコン酸化膜
102の上に厚み200nmのPt膜103xを堆積す
る。
【0036】次に、図1(b)に示す工程で、スパッタ
法を用いて、Pt膜103x上に厚み6nmのTi膜1
04xを堆積し、続いて、基板温度600℃で、厚み5
00nmの強誘電体であるPZT(Pb(Zr、Ti)
3 )膜105xを堆積する。ここで、Pt膜103x
は下部電極として機能し、Ti膜104xはPZT膜1
04xの成長のためのシード層として機能する。
【0037】次に、図1(c)に示す工程で、Si基板
101をチャンバ106内に設置し、周波数が10GH
z以上で80GHz以下の範囲内にある(例えば28G
Hz)電磁波(以下、単に、「ミリ波108」という)
をミリ波導入口107からチャンバ106内に導入して
PZT膜105xに照射する。ミリ波108の出力を、
Si基板101の温度を熱電対などでモニタしながら、
基板温度が350℃以下に保持されるように制御する。
この状態で約30分間以上で90分間以下の範囲内の時
間(例えば60分間)ミリ波108を照射する。照射時
のチャンバ106内の雰囲気は、一般的には大気でよ
い。ただし、誘電体の種類,膜厚,下地の材料などによ
っては、窒素雰囲気中や酸素雰囲気中でミリ波の照射を
行なった方が誘電体膜の特性が向上する場合がある。
【0038】本実施形態では、誘電体膜に10GHz以
上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが、
本実施形態の製造工程において、1GHz以上で100
GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても、本発明
の効果を発揮することは可能である。ただし、特に、誘
電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミ
リ波)を照射することにより、確実に本発明の効果を得
ることができる。特に、通常波長の100倍程度の大き
さのチャンバを用いてミリ波処理を行なう必要がある
が、10GHzの電磁波を照射することにより、1GH
zの電磁波を照射する場合に比べて1/10の大きさの
チャンバを用いて、均一なミリ波照射処理を行なうこと
ができる利点がある。また、照射する電磁波の周波数が
高い方が誘電体膜による電磁波のエネルギを吸収する効
率が高いので、より効果的に誘電体膜を加熱することが
できる。
【0039】次に、図2(a)に示す工程で、スパッタ
法等を用いて、PZT膜105x上に厚み500nmの
IrO2 膜109xを堆積する。
【0040】次に、図2(b)に示す工程で、通常のフ
ォトリソグラフィとドライエッチングとを行なうことに
より、IrO2 膜109xと、PZT膜105xと、T
i膜104xと、Pt膜103xとを順にパターニング
して、下部電極103,シード層104,容量膜105
及び上部電極109からなる強誘電体キャパシタCfeを
形成する。
【0041】このようにして形成された強誘電体キャパ
シタCfeは残留分極が大きく、リーク電流が少ないとい
う優れた性能を示した。例えば、径0.1mmのPt電
極に対して、ミリ波照射のないものはリーク電流が9.
07×10-10 Aであったのが、ミリ波照射を行なった
ものではリーク電流が5.05×10-10 Aとなってお
り、ミリ波の照射によってリーク電流が約半分にまで低
減している。
【0042】また、ミリ波照射によって強誘電体膜の結
晶性に変化が生じるすることもわかっている。この実験
は、Si基板上にシリコン酸化膜とBIT(Bi4 Ti
3 12)膜とを積層したサンプルを作成して行なった。
その際、BIT膜の堆積は、BITターゲットを用いた
スパッタ法により行ない、基板は加熱していない。As
−grownの状態では、BIT膜はアモルファス構造
を有していることがX線回折によって確認されている。
そして、大気中でBIT膜を600℃で5分間ミリ波照
射によって加熱したサンプルと、BIT膜が形成された
サンプル全体を大気中で600℃で5分間、高速ランプ
加熱炉によって加熱したサンプルとを準備した。
【0043】図3(a),(b)は、それぞれ順に、ミ
リ波照射によって加熱されたBIT膜のX線回折写真
図、及び高速ランプ加熱炉によって加熱されたBIT膜
のX線回折写真図である。図3(a)に示すように、ミ
リ波照射によって加熱されたサンプルのX線回折強度幅
は大きく、図3(b)に示すように、高速ランプ加熱炉
によって加熱されたサンプルのX線回折強度幅は小さ
い。
【0044】つまり、図3(a),(b)から、強誘電
体膜であるBIT膜の結晶粒のサイズは、ミリ波照射に
よって加熱されたときの方が高速ランプ加熱炉によって
加熱されたときよりも小さいと考えられる。
【0045】また、ミリ波照射による処理が施された誘
電体膜と、高速ランプ加熱炉による処理が行なわれた誘
電体膜とでは、結晶の配向や結晶相が異なっていること
がわかった。つまり、ミリ波照射した誘電体膜において
は、通常の均一外部加熱による結晶化では生じ得ない結
晶成長が生じていることがわかった。
【0046】図4(a),(b)は、それぞれ順に、ミ
リ波照射によって加熱されたBIT膜の表面SEM写真
図、及び高速ランプ加熱炉によって加熱されたBIT膜
の表面SEM写真図である。図4(a)に示すように、
ミリ波照射によって加熱されたサンプルの結晶粒のサイ
ズは比較的小さく、図4(b)に示すように、高速ラン
プ加熱炉によって加熱されたサンプルの結晶粒のサイズ
は比較的大きい。また、ミリ波照射によって加熱された
誘電体膜の表面の凹凸は、高速ランプ加熱炉によって加
熱された誘電体膜の表面の凹凸よりも小さい。
【0047】以上のように、ミリ波照射によって、結晶
粒の小さい,つまり結晶粒が微細化された誘電体膜が得
られる理由は、以下の通りと考えられる。
【0048】一般に、ミリ波照射によって、誘電体は下
記式 P=2π・f・ε0 ・εr ・tan δ・E2 で表される吸収を生じる。ここで、Pはミリ波の吸収
率、fはミリ波の周波数、ε0 は誘電定数、εr は比誘
電率、tan δは誘電損失、Eは電界強度である。
【0049】以上のように、誘電体は、ミリ波の吸収に
よって自己発熱するが、そのとき、特にグレインバウン
ダリなどの誘電損失の大きい部分で吸収が大きい。そし
て、特にミリ波照射の場合、誘電体膜のみが効果的に加
熱され、誘電体膜の下方の基板はあまり加熱されない。
したがって、誘電体膜のグレインバウンダリにミリ波が
効果的に吸収されていると考えられる。そして、基板や
周囲の雰囲気がほとんど加熱されないことから、誘電体
膜と周囲の雰囲気との間の温度差が大きくなる結果、誘
電体膜の結晶粒の微細化が生じていると推測される。ま
た、ミリ波照射により、誘電体膜が選択的に過熱され、
ミリ波の振動方向に分極軸が揃いやすくなることも寄与
していると考えられる。
【0050】特に、PZTなどのPb系やBi系など、
基板からの再蒸発が生じやすい材料の場合、ミリ波照射
のごとく誘電体膜の周囲の雰囲気の温度が低い条件下で
は、誘電体膜の基板からの再蒸発が防げるだけでなく、
特に表面での結晶粒の抑制に効果があると考えられる。
【0051】そして、誘電体膜の結晶粒が微細化されて
いることにより、リーク電流が低減されていると考えら
れる。この現象は、ポリシリコン膜の結晶粒が小さいほ
ど抵抗が大きくなるのと同様と考えられる。また、誘電
体膜の配向性が向上することにより、比誘電率を高める
ことができる。
【0052】また、誘電体膜の結晶粒の微細化により、
キャパシタの容量のばらつきが抑制される。よって、本
実施形態のように、誘電体膜にミリ波照射による加熱を
行なうことにより、リーク電流の低減と相俟って、誘電
体膜が配置されるデバイスの信頼性の向上を図ることが
できる。
【0053】さらに、本実施形態のごとく、半導体装置
の要素として用いられる誘電体膜(特に、強誘電体膜や
高誘電率誘電体膜)にミリ波照射による処理を行なうこ
とにより、以下のような著効を発揮することができる。
【0054】半導体基板上の誘電体膜の加熱の場合、S
i,SiGe,GaAsなどは、金属波の熱伝導率を有
しているので、ミリ波照射時における誘電体膜と周囲の
雰囲気との温度差がより大きくなる。その結果、誘電体
膜の結晶粒をより微細化することができると考えられ
る。そして、誘電体膜のみを効果的に加熱することがで
きるので、半導体基板中に既に形成されている不純物拡
散層(MISトランジスタにおけるソース・ドレイン領
域など)のプロファイルに悪影響を及ぼすことがないと
いう大きな効果を発揮することができる。
【0055】また、半導体装置の場合、ゲート構造やメ
モリセルの記憶容量部の微細化が要求されるので、誘電
体膜中の結晶粒の微細化による信頼性の向上効果が大き
い。さらに、リーク電流の小さい誘電体膜が得られるこ
とにより、ゲート絶縁膜や記憶容量部の容量膜の厚みを
薄くできるので、誘電体膜の容量を小さな面積で大きく
確保することが可能になり、MISトランジスタの低電
圧化や、強誘電体メモリやDRAMのメモリセルの微細
化という効果を発揮することができる。
【0056】そして、デザインルールが0.1μmレベ
ルの微細なトランジスタを含む半導体装置や、ガラス基
板上に形成された膜トランジスタ(TFT)と強誘電体
膜とで構成されたメモリ機能内臓型の表示装置等を形成
することが可能となる。
【0057】なお、本実施形態においては、基板として
p型のSi基板を用いたが、n型のSi基板を用いても
よいし、GaAs等の他の半導体基板や石英やセラミク
スなどの絶縁体基板を用いてもよい。さらに、500℃
以上の熱に対して弱いガラス基板も用いることが可能と
なる。
【0058】本実施形態においては、PZTからなる容
量膜105の下方に設けられる下部電極103としてP
t膜を用いたが、他の金属材料、例えばCuやAgを用
いてもよいし、強誘電体キャパシタ用電極として通常用
いられるPtやIrO2 やRuO2 等を用いることもで
きる。
【0059】本実施形態においては、下部電極となるP
t膜103x,誘電体膜のシード層であるTi膜104
xの堆積に引き続いて、PZT膜105x(誘電体膜)
を堆積しているが、誘電体膜の堆積前に、Pt膜103
xのパターニングにより下部電極を形成しておいてもよ
い。この場合、通常のフォトエッチ工程や、ダマシン法
などにより形成することができる。
【0060】本実施形態においては、シード層104と
してTi膜を用いたが、PLT膜やZrO2 等を用いる
ことができる。また、シード層は必ずしも設ける必要が
ないし、誘電体膜の上下両側に設けてもよい。
【0061】本実施形態においては、上部電極109を
構成する材料として、PZT膜の還元を防止するために
IrO2 を用いたが、還元が生じにくい物質や条件下で
あれば、PtやRuO2 等他の材料を使用することもで
きる。
【0062】本実施形態では、容量膜105を構成する
材料としてPZTを用いたが、容量膜105を構成する
材料としては、PZT(Pb(Zr、Ti)O3 )にさ
らにLaを付加したPLZT((Pb、La)(Zr、
Ti)O3 )や、SBT(SrBi2 Ta29 ),
(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),STO(SrT
iO3 ),BTO(BaTiO3 ),BIT(Bi4
312)等の強誘電体材料や、BST((Ba、S
r)TiO3 )等の高誘電率誘電体材料を用いることが
できる。
【0063】本実施形態においては、PZT膜105x
を堆積した直後に、PZT膜105xにミリ波108を
照射したが、誘電体の種類や膜厚、構成によっては、上
部電極用の導体膜を形成した後にミリ波を照射した方が
よい場合もある。
【0064】本実施形態の図2(b)には、強誘電体キ
ャパシタCfeの下方には、シリコン酸化膜102と、S
i基板101だけが存在している構造が示されている
が、通常のMOSプロセスやバイポーラプロセスを用い
る場合には、トランジスタのソース・ドレイン領域やコ
レクタ領域,ベース領域,エミッタ領域などが形成され
ている。
【0065】(第2の実施形態)図5(a)〜図6
(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置
の製造工程を示す断面図である。
【0066】まず、図5(a)に示す工程で、熱酸化等
により、p型のSi基板201の上に厚みが300nm
のシリコン酸化膜202を形成した後、シリコン酸化膜
202の上に厚み800nmのAl膜203xを堆積す
る。
【0067】次に、図5(b)に示す工程で、スパッタ
法又はCVD法を用いて、Al膜203x上に厚み10
nmのSiO2 膜204xを堆積し、続いて、基板温度
600℃で、厚み300nmの強誘電体であるPZT
(Pb(Zr、Ti)O3 )膜205xを堆積する。こ
れらの工程において、Si基板201の温度は400℃
以下に保たれている。
【0068】次に、図5(c)に示す工程で、Si基板
201をチャンバ206内に設置し、周波数が10GH
z以上で80GHz以下の範囲内にある(例えば28G
Hz)電磁波(以下、単に、「ミリ波208」という)
をミリ波導入口207からチャンバ206内に導入して
Si基板201に照射する。ミリ波208の出力を、S
i基板201の温度を熱電対などでモニタしながら、基
板温度が350℃以下に保持されるように制御する。こ
の状態で約30分間以上で90分間以下の範囲内の時間
(例えば60分間)ミリ波208を照射する。照射時の
チャンバ206内の雰囲気は、一般的には大気でよい。
ただし、誘電体の種類,膜厚,下地の材料などによって
は、窒素雰囲気中や酸素雰囲気中でミリ波の照射を行な
った方が誘電体膜の特性が向上する場合がある。
【0069】本実施形態では、誘電体膜に10GHz以
上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが、
本実施形態の製造工程において、1GHz以上で100
GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても、本発明
の効果を発揮することは可能である。ただし、特に、誘
電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミ
リ波)を照射することにより、確実に本発明の効果を得
ることができる。
【0070】次に、図6(a)に示す工程で、スパッタ
法又はCVD法を用いて、PZT膜205xの上に厚み
10nmのSiO2 膜209xを堆積する。続いて、ス
パッタ法等を用いて、SiO2 膜209xの上に厚み5
00nmのIrO2 膜210xを堆積する。
【0071】次に、図6(b)に示す工程で、通常のフ
ォトリソグラフィとドライエッチングとを行なうことに
より、IrO2 膜210xと、SiO2 膜209xと、
PZT膜205xと、SiO2 膜204xと、Al膜2
03xとをパターニングして、下部電極203,下部絶
縁膜204,容量膜205,上部絶縁膜209及び上部
電極210からなる強誘電体キャパシタCfeを形成す
る。
【0072】本実施形態においては、PZTからなる容
量膜205と、下部電極203との間にSiO2 からな
る下部絶縁膜204を設けている。また、容量膜205
と、上部電極210との間にもSiO2 からなる上部絶
縁膜209を設けている。このように、PZTからなる
容量膜205を絶縁性の高いSiO2 からなる下部及び
上部絶縁膜204,209で挟むことにより、第1の実
施形態よりおさらに強誘電体キャパシタCfe全体のリー
ク電流を抑制することができ、強誘電体キャパシタCfe
の性能を向上させることができる。
【0073】特に、従来の方法では、基板温度を高くし
ても非晶質のSiO2 膜上には高品質の強誘電体膜は形
成することができなかったが、本実施形態を用いれば、
ミリ波208の照射効果により、PZT膜等の強誘電体
膜の形成時又は形成後の処理において、誘電体膜を高温
に加熱しても基板を500℃以上の高温にする必要がな
いので、基板に設けられたトランジスタ等のデバイスの
特性に悪影響を与えることなく、高品質の強誘電体膜を
形成することができる。
【0074】そして、デザインルールが0.1μmレベ
ルの微細なトランジスタを含む半導体装置や、ガラス基
板上に形成された膜トランジスタ(TFT)と強誘電体
膜とで構成されたメモリ機能内臓型の表示装置等を形成
することが可能となる。
【0075】なお、本実施形態では、絶縁膜としてSi
2 膜を用いたが、SiO2 膜204xやSiO2 膜2
09xに代えて、MISトランジスタのゲート絶縁膜と
して一般に用いられるSi34 膜やSiON膜、Ce
2 膜、Pr23 膜、ZrO2 膜、Al23 膜、A
lN膜等、あるいはこれらの絶縁膜を複数層積層した多
層膜を用いることもできる。
【0076】なお、本実施形態においては、基板として
p型のSi基板を用いたが、n型のSi基板を用いても
よいし、GaAs等の他の半導体基板や石英やセラミク
スなどの絶縁体基板を用いてもよい。さらに、500℃
以上の熱に対して弱いガラス基板も用いることが可能と
なる。
【0077】本実施形態においては、PZTからなる容
量膜205の下方に設けられる下部電極203としてP
t膜を用いたが、他の金属材料、例えばCuやAgを用
いてもよいし、強誘電体キャパシタ用電極として通常用
いられるPtやIrO2 やRuO2 等を用いることもで
きる。
【0078】本実施形態においては、下部電極となるP
t膜203x,絶縁膜であるSiO 2 膜204xの堆積
に引き続いて、PZT膜205x(誘電体膜)を堆積し
ているが、誘電体膜の堆積前に、Pt膜203xのパタ
ーニングにより下部電極を形成しておいてもよい。この
場合、通常のフォトエッチ工程や、ダマシン法などによ
り形成することができる。
【0079】本実施形態においては、上部電極210を
構成する材料として、PZT膜の還元を防止するために
IrO2 を用いたが、還元が生じにくい物質や条件下で
あれば、PtやRuO2 等他の材料を使用することもで
きる。
【0080】本実施形態では、容量膜205を構成する
材料としてPZTを用いたが、容量膜205を構成する
材料としては、PZT(Pb(Zr、Ti)O3 )にさ
らにLaを付加したPLZT((Pb、La)(Zr、
Ti)O3 )や、SBT(SrBi2 Ta29 ),
(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),STO(SrT
iO3 ),BTO(BaTiO3 ),BIT(Bi4
312)等の強誘電体材料や、BST((Ba、S
r)TiO3 )等の高誘電率誘電体材料を用いることが
できる。
【0081】本実施形態においては、PZT膜205x
を堆積した直後に、PZT膜205xにミリ波208を
照射したが、誘電体の種類や膜厚、構成によっては、上
部電極用の導体膜を形成した後にミリ波を照射した方が
よい場合もある。
【0082】本実施形態の図6(b)においては、強誘
電体キャパシタCfeの下方には、シリコン酸化膜202
と、Si基板201だけが存在している構造が示されて
いるが、通常のMOSプロセスやバイポーラプロセスを
用いる場合には、トランジスタのソース・ドレイン領域
やコレクタ領域,ベース領域,エミッタ領域などが形成
されている。
【0083】(第3の実施形態)図7(a)〜図8
(b)は、本発明の第3の実施形態における半導体装置
の製造工程を示す断面図である。
【0084】まず、図7(a)に示す工程で、Si基板
301上の一部に、選択酸化法等を用いて、厚みが約4
00nmのいわゆるLOCOS構造の素子分離酸化膜3
02を形成する。その後、トランジスタのしきい値を制
御するために、Si基板301中にボロンなどのp型不
純物イオンを注入する。また、Si基板301内の素子
分離酸化膜302に接する領域には、ボロンなどのp型
の不純物がドープされてなるチャネルストップ領域が形
成される。なお、場合によっては、pウエルを形成する
場合もある。その後、熱酸化法により、p型のSi基板
301の表面部分を酸化して、素子分離酸化膜302に
よって囲まれる活性領域の上に、厚みが約10nmのゲ
ート絶縁膜となるゲート酸化膜303を形成する。ま
た、本実施形態においては、nチャネル型MOSトラン
ジスタを形成する場合について説明するが、CMOSデ
バイスにおいては、pチャネル型MOSトランジスタも
形成される。pチャネル型MOSトランジスタを形成す
る場合には、Si基板301内に、しきい値制御用の不
純物(ゲート電極材料によりリン、ヒ素、ボロンなどを
使い分ける)のイオン注入、チャネルストッパー形成用
のn型不純物のイオン注入、nウエル形成用のn型不純
物のイオン注入などが行なわれる。次に、減圧CVD法
等を用い、基板上に厚みが約330nmのポリシリコン
膜を堆積し、POCl3 などを用いた固相拡散法によ
り、ポリシリコン膜中に1020cm-3程度の高濃度のリ
ンを拡散し、縮退した高濃度n型ポリシリコンにする。
さらに、フォトリソグラフィなどを用いてフォトレジス
トマスク(図示せず)を形成した後、フォトレジストマ
スクを用いてRIE等のドライエッチングにより、高濃
度n型ポリシリコン膜をパターニングし、ポリシリコン
ゲート電極304を形成する。次に、ポリシリコンゲー
ト電極304及び素子分離酸化膜302をマスクとして
砒素又はリンのイオン注入を行なった後、引き続いてR
Taなどによる不純物の活性化を行なって、ソース・ド
レイン領域となるn型拡散層305を形成する。
【0085】次に、図7(b)に示す工程で、基板上に
厚みが約800nmのシリコン酸化膜からなる層間絶縁
膜306を堆積し、通常のフォトリソグラフィとドライ
エッチングを用いて、層間絶縁膜306を貫通してn型
拡散層305に到達するコンタクトホール307を形成
する。なお、図7(b)中にはソース・ドレイン領域と
なるn型拡散層305上のコンタクトホール307のみ
が図示されているが、図7(b)に示す断面とは別の断
面において、層間絶縁膜306を貫通してポリシリコン
ゲート電極304に到達するコンタクトホールが形成さ
れている。次に、CVD法などにより、コンタクトホー
ル307中にタングステンを埋め込んでタングステンプ
ラグ308を形成し、さらに、タングステンプラグ30
8及び層間絶縁膜306の上に、厚みが約800nmの
アルミニウム合金膜(CuやSiを含有する場合が多
い)を堆積した後、通常のフォトリソグラフィとドライ
エッチングを用いてこれをパターニングすることによ
り、アルミニウム配線309を形成する。
【0086】次に、図7(c)に示す工程で、スパッタ
法もしくはプラズマCVD法により、アルミニウム配線
309上に厚み10nmのSiO2 膜314xを形成
し、続いて同じくスパッタ法やMO−CVD法により、
厚み300nmの強誘電体であるPZT(Pb(Zr、
Ti)O3 )膜315xを堆積する。これらの工程にお
いて、Si基板301の温度は400℃以下に保たれて
いる。
【0087】次に、図8(a)に示す工程で、Si基板
301をチャンバ326内に設置し、10GHz以上で
80GHz以下の範囲内の周波数(例えば28GHz)
を有するミリ波328を、ミリ波導入口327からチャ
ンバ326内に導入してPZT膜315xに照射する。
ミリ波328の出力を、Si基板301の温度を熱電対
などでモニタしながら、基板温度が350℃以下に保持
されるように制御する。この状態で約30分間以上で9
0分間以下の範囲内の時間(例えば60分間)ミリ波3
28を照射する。照射時のチャンバ326内の雰囲気
は、一般的には大気でよい。ただし、誘電体の種類,膜
厚,下地の材料などによっては、窒素雰囲気中や酸素雰
囲気中でミリ波の照射を行なった方が誘電体膜の特性が
向上する場合がある。
【0088】本実施形態では、誘電体膜に10GHz以
上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが、
本実施形態の製造工程において、1GHz以上で100
GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても、本発明
の効果を発揮することは可能である。ただし、特に、誘
電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミ
リ波)を照射することにより、確実に本発明の効果を得
ることができる。
【0089】次に、図8(b)に示す工程で、スパッタ
法もしくはプラズマCVD法等を用いて、PZT膜31
5x上に厚み10nmのSiO2 膜を形成する。続い
て、スパッタ法等を用いて、SiO2 膜の上に厚み50
0nmのIrO2 膜を堆積してから、通常のフォトリソ
グラフィとドライエッチングとを行なうことにより、I
rO2 膜と、PZT膜315xと、SiO2 膜314x
とをパターニングして、下部絶縁膜314,容量膜30
5,上部絶縁膜319及び上部電極320を備え、アル
ミニウム配線309を下部電極として有する強誘電体キ
ャパシタCfeを形成する。
【0090】その後、厚みが約200nmのプラズマ酸
化膜と厚みが約600nmのプラズマ窒化膜からなる表
面保護膜を形成し(図示せず)、ボンディングパッド
(図示せず)を開口する。
【0091】このようにして形成された強誘電体キャパ
シタは残留分極が大きく、リーク電流が少ない高い性能
を示した。ミリ波照射によってPZT膜315が選択的
に加熱され、第1の実施形態で説明したように、PZT
膜中の結晶粒の微細化とミリ波の振動方向に分極軸が揃
うことによる結晶性の改善があったのではないかと推察
される。
【0092】本実施形態においては、形成した強誘電体
キャパシタの基板主面下部にMOSトランジスタを形成
したが、バイポーラプロセスを用いてバイポーラトラン
ジスタを形成しておいても良い。本実施形態を用いれ
ば、強誘電体膜形成時及びその後に基板を500℃以上
の高温にする必要がないため、基板上にあらかじめ形成
されたトランジスタと特性が劣化することはなく、か
つ、トランジスタ直上に強誘電体キャパシタを形成する
ことができ、基板面積を縮小して高密度化を実現でき
る。よって、0.1μmレベルの微細なトランジスタを
含む半導体装置や、ガラス基板上に形成された膜トラン
ジスタ(TFT)と強誘電体膜とで構成されたメモリ機
能内臓型の表示装置等を形成することが可能となる。ま
た、強誘電体を記憶素子としたニューロン型デバイスに
も使用することができる。
【0093】本実施形態においては、アルミニウム配線
309と、容量膜315との間にSiO2 からなる下部
絶縁膜314を設けている。また、容量膜315と、I
rO 2 からなる上部電極320との間にも、SiO2
らなる上部絶縁膜319を設けている。このように、容
量膜315を絶縁性の高いSiO2 膜で挟むことによ
り、第1の実施形態よりもさらに強誘電体キャパシタC
fe全体のリーク電流を抑制することができ、強誘電体キ
ャパシタCfe全体の性能を向上させることができる。
【0094】特に、従来の方法では、基板温度を高くし
ても非晶質のSiO2 膜上には高品質の強誘電体膜は形
成することができなかったが、本実施形態を用いれば、
ミリ波308の照射効果により、PZT膜等の強誘電体
膜の形成した後の処理において、誘電体膜を高温に加熱
しても基板を500℃以上の高温にする必要がないの
で、基板に設けられたトランジスタ等のデバイスの特性
に悪影響を与えることなく、高品質の強誘電体膜を形成
することができる。
【0095】なお、本実施形態では、上部又は下部絶縁
膜319,314としてSiO2 膜を用いたが、SiO
2 膜に代えて、MISトランジスタのゲート絶縁膜とし
て一般に用いられるSi34 膜やSiON膜、CeO
2 膜、Pr23 膜、ZrO 2 膜、Al23 膜、Al
N膜等、あるいはこれらの絶縁膜を複数層積層した多層
膜を用いることもできる。
【0096】なお、本実施形態においては、基板として
p型のSi基板301を用いたが、n型のSi基板を用
いてもよいし、GaAs等の他の半導体基板や石英やセ
ラミクスなどの絶縁体基板を用いてもよい。さらに、5
00℃以上の熱に対して弱いガラス基板も用いることが
可能となる。
【0097】また、本実施形態においては、容量膜31
5の下部電極としてアルミニウム配線309を用いた
が、他の金属材料、例えばCuやAgからなる導体膜を
用いてもよいし、強誘電体キャパシタの電極用材料とし
て通常用いられるPtやIrO 2 やRuO2 等を用いる
こともできる。
【0098】本実施形態においては、パターニングによ
りアルミニウム配線309を形成するための加工とし
て、通常のフォトリソグラフィー工程及びエッチング工
程を用いたが、ダマシン法などにより形成することもで
きる。
【0099】本実施形態においては強誘電体膜を形成す
るための種となるシード層は形成していないが、Ti膜
や、PLT膜やZrO2 膜等を、アルミニウム配線30
9と容量膜315との間で容量膜315に接するように
設けたり、容量膜315と上部電極320との間で容量
膜に接するように設け、これをシード層として用いても
よい。
【0100】本実施形態においては、上部電極320を
構成する材料として、PZT膜の還元を防止するために
IrO2 を用いたが、還元が生じにくい物質や条件下で
あれば、PtやRuO2 等他の材料を使用することもで
きる。
【0101】本実施形態では、容量膜305を構成する
材料としてPZTを用いたが、容量膜305を構成する
材料としては、PZT(Pb(Zr、Ti)O3 )にさ
らにLaを付加したPLZT((Pb、La)(Zr、
Ti)O3 )や、SBT(SrBi2 Ta29 ),
(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),STO(SrT
iO3 ),BTO(BaTiO3 ),BIT(Bi4
312)等の強誘電体材料や、BST((Ba、S
r)TiO3 )等の高誘電率誘電体材料を用いることが
できる。
【0102】(第4の実施形態)図9(a)〜図10
(b)は、本発明の第4の実施形態における半導体装置
の製造工程を示す断面図である。
【0103】まず、図9(a)に示す工程で、熱酸化等
により、p型のSi基板401の上に厚みが300nm
のシリコン酸化膜402を形成した後、シリコン酸化膜
402の上に厚み800nmのAl膜403xを堆積す
る。
【0104】次に、図9(b)に示す工程で、スパッタ
法を用いて、Al膜403x上に厚み10nmのTi膜
404xを堆積し、続いて、厚み300nmの強誘電体
であるPZT(Pb(Zr、Ti)O3 )膜405xを
堆積する。ここで、Al膜403xは下部電極として機
能し、Ti膜404xはPZT膜404xの成長のため
のシード層として機能する。これらの工程において、基
板温度は400℃以下に保たれている。
【0105】次に、図9(c)に示す工程で、スパッタ
法等を用いて、PZT膜405x上に厚み500nmの
Ir膜409xを堆積する。
【0106】次に、図10(a)に示す工程で、Si基
板401をチャンバ406内に設置し、周波数が10G
Hz以上で80GHz以下の範囲内にある(例えば28
GHz)ミリ波408をミリ波導入口407からチャン
バ406内に導入して、Ir膜409x及びPZT膜4
05xに照射する。その際、ミリ波408を照射中に、
1r膜409xはアースに接続されている。また、ミリ
波408の出力を、Si基板401の温度を熱電対など
でモニタしながら、基板温度が350℃以下に保持され
るように制御する。この状態で約30分間以上で90分
間以下の範囲内の時間(例えば60分間)ミリ波408
を照射する。照射時のチャンバ406内の雰囲気は、一
般的には大気でよい。ただし、誘電体の種類,膜厚,下
地の材料などによっては、窒素雰囲気中や酸素雰囲気中
でミリ波の照射を行なった方が誘電体膜の特性が向上す
る場合がある。
【0107】本実施形態では、誘電体膜に10GHz以
上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが、
本実施形態の製造工程において、1GHz以上で100
GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても、本発明
の効果を発揮することは可能である。ただし、特に、誘
電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミ
リ波)を照射することにより、確実に本発明の効果を得
ることができる。
【0108】次に、図10(b)に示す工程で、通常の
フォトリソグラフィとドライエッチングとを行なうこと
により、IrO2 膜409xと、PZT膜405xと、
Ti膜404xと、Al膜403xとをパターニングし
て、下部電極403,シード層404,容量膜405及
び上部電極409からなる強誘電体キャパシタCfeを形
成する。
【0109】本実施形態によると、図10(a)に示す
工程で、Ir膜409xでPZT膜405xを覆った状
態で、ミリ波408を照射しているが、Ir膜409x
はアースに接続されているので、ミリ波408による誘
導電流がIr膜409xに疲閉ループ状に流れてあまり
にも高温に加熱されたり、誘導加熱による基板上のデバ
イスへのダメージを回避することができる。よって、本
実施形態においても、PZT膜405xを局所的に加熱
することができ、第1の実施形態と同じ効果を発揮する
ことができる。すなわち、誘電体膜の結晶粒の微細化等
によるリーク電流の低減などの特性の向上を図ることが
できる。
【0110】なお、図10(a)に示す工程は、Ir膜
409xなどをパターニングして上部電極409等を形
成してから行なってもよい。ただし、その場合には、P
ZT膜405xのうち実際に用いられる部分だけを効率
的に加熱しうる利点はあるものの、微細パターンを有す
る上部電極409をアースに接続するのが困難であるこ
とから放電電流がPZT膜を貫通しないように特別の配
慮が必要である。
【0111】本実施形態においては、上部電極409を
構成する材料として、PZT膜の還元を防止するために
Irを用いたが、還元が生じにくい物質や条件下であれ
ば、PtやRuO2 等他の材料を使用することもでき
る。
【0112】本実施形態では、容量膜405を構成する
材料としてPZTを用いたが、容量膜405を構成する
材料としては、PZT(Pb(Zr、Ti)O3 )にさ
らにLaを付加したPLZT((Pb、La)(Zr、
Ti)O3 )や、SBT(SrBi2 Ta29 ),
(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),STO(SrT
iO3 ),BTO(BaTiO3 ),BIT(Bi4
312)等の強誘電体材料や、BST((Ba、S
r)TiO3 )等の高誘電率誘電体材料を用いることが
できる。
【0113】本実施形態の図10(b)においては、強
誘電体キャパシタCfeの下方には、シリコン酸化膜40
2と、Si基板401だけが存在している構造が示され
ているが、通常のMOSプロセスやバイポーラプロセス
を用いる場合には、トランジスタのソース・ドレイン領
域やコレクタ領域,ベース領域,エミッタ領域などが形
成されている。
【0114】(第5の実施形態)図11(a)〜図12
(b)は、本発明の第5の実施形態における半導体装置
の製造工程を示す断面図である。
【0115】まず、図11(a)に示す工程で、熱酸化
等により、p型のSi基板501の上に厚みが300n
mのシリコン酸化膜502を形成した後、シリコン酸化
膜502の上に厚み800nmのIr膜503xを堆積
する。
【0116】次に、図11(b)に示す工程で、スパッ
タ法を用いて、厚み300nmの強誘電体膜であるBI
T(Bi4 Ti312)膜504xを堆積する。
【0117】次に、図11(c)に示す工程で、スパッ
タ法等を用いて、BIT膜504x上に高誘電損失性を
有する膜(例えばBST(Bax Sr1-x TiO3 ))
からなるカバー膜505xを堆積する。
【0118】次に、図12(a)に示す工程で、Si基
板501をチャンバ506内に設置し、周波数が10G
Hz以上で80GHz以下の範囲内にある(例えば28
GHz)ミリ波508をミリ波導入口507からチャン
バ506内に導入して、カバー膜505x及びBIT膜
504xに照射する。その際、ミリ波508を照射中
に、カバー膜505xをアースに接続する必要はない。
そして、ミリ波508の出力を、Si基板501の温度
を熱電対などでモニタしながら、基板温度が350℃以
下に保持されるように制御する。この状態で約30分間
以上で90分間以下の範囲内の時間(例えば60分間)
ミリ波508を照射する。照射時のチャンバ506内の
雰囲気は、一般的には大気でよい。ただし、誘電体の種
類,膜厚,下地の材料などによっては、窒素雰囲気中や
酸素雰囲気中でミリ波の照射を行なった方が誘電体膜の
特性が向上する場合がある。
【0119】本実施形態では、誘電体膜に10GHz以
上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが、
本実施形態の製造工程において、1GHz以上で100
GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても、本発明
の効果を発揮することは可能である。ただし、特に、誘
電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミ
リ波)を照射することにより、確実に本発明の効果を得
ることができる。
【0120】次に、図12(b)に示す工程で、カバー
膜505xを除去する。その後の工程の図示は省略する
が、BIT膜504xの上に、上部電極用の導体膜(例
えばPt膜又はIrO2 膜など)を堆積した後、通常の
フォトリソグラフィとドライエッチングとを行なうこと
により、導体膜と、BIT膜504xと、Ir膜503
xとをパターニングして、下部電極,容量膜及び上部電
極からなる強誘電体キャパシタを形成する。
【0121】本実施形態によると、図12(a)に示す
工程で、誘電損失の高いカバー膜505でBIT膜50
4xを覆った状態で、ミリ波508を照射しているの
で、カバー膜504xが効率よくミリ波を吸収して加熱
される。よって、カバー膜505xによる誘電体膜の加
熱効果を利用して、誘電体膜の結晶粒の微細化等による
リーク電流の低減などの特性の向上をより効果的に発揮
することができる。
【0122】本実施形態で用いられるカバー膜505x
は、ミリ波508による処理を受ける誘電体膜,本実施
形態ではBIT膜504xよりも誘電率あるいは誘電損
失の大きい材料が好ましい。通常、誘電体材料の誘電損
失は、温度上昇に伴い大きくなる傾向があるが、例えば
強誘電体材料のように、キュリー温度近傍で誘電率の極
大を示す材料もあるので、ミリ波処理の対象となる誘電
体膜の誘電特性との関係でカバー膜505xの材料を選
択することが好ましい。本実施形態では、容量膜を構成
する材料としてBITを採用している。BITは、キュ
リー温度が600℃付近にあって、常誘電体成分の比誘
電率は50〜100と比較的小さい。そこで、本実施形
態においては、BST膜のような高誘電率誘電体膜から
なるカバー膜505xをBIT膜504xの上に形成し
ている。
【0123】なお、。BST膜の除去は、反応性イオン
エッチングなどの通常用いられるドライエッチング法を
用いることで、容易に行なわれる。
【0124】本実施形態においては、上部電極を構成す
る材料として、Ir,IrO2 等の他、PtやRuO2
等他の材料を使用することができる。
【0125】本実施形態では、容量膜504を構成する
材料としてBITを用いたが、容量膜504を構成する
材料としては、PZT(Pb(Zr、Ti)O3 )にさ
らにLaを付加したPLZT((Pb、La)(Zr、
Ti)O3 )や、SBT(SrBi2 Ta29 ),
(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),STO(SrT
iO3 ),BTO(BaTiO3 ),BIT(Bi4
312)等の強誘電体材料や、BST((Ba、S
r)TiO3 )等の高誘電率誘電体材料を用いることが
できる。
【0126】本実施形態の図12(b)においては、強
誘電体キャパシタが形成される領域の下方には、シリコ
ン酸化膜502と、Si基板501だけが存在している
構造が示されているが、通常のMOSプロセスやバイポ
ーラプロセスを用いる場合には、トランジスタのソース
・ドレイン領域やコレクタ領域,ベース領域,エミッタ
領域などが形成されている。
【0127】(第6の実施形態)次に、SiC/SiG
e/Siヘテロ接合を有する相補型HDTMOSデバイ
ス(Heterojunction Dynamic Threshold Voltage MOSFE
T )の例である第6の実施形態について説明する。本実
施形態においては、nチャネル用のチャネル領域をSi
C/SiGeヘテロ接合部により構成し、pチャネル用
のチャネル領域をSiGe/Siヘテロ接合部により構
成する。なお、本発明では、ゲート絶縁膜がシリコン酸
化膜以外の絶縁膜、例えばシリコン窒化膜、シリコン酸
窒化膜、高誘電体膜等である場合にも、便宜上、「DT
MOSデバイス」という用語を用いる。したがって、本
発明におけるDTMOSデバイス中のMISトランジス
タは、窒化膜や酸窒化膜などによって構成されるゲート
絶縁膜を備えていてもよいものとする。
【0128】図13は、本発明の第6の実施形態の相補
型HDTMOSデバイス(以下、c−HDTMOSデバ
イスという)の構造を示す断面図である。同図に示すよ
うに、本実施形態のc−HDTMOSデバイスは、p型
のSi基板610と、Si基板に酸素イオンを注入する
などの方法により形成された埋め込み酸化膜611と、
埋め込み酸化膜611の上に設けられたnチャネル型H
DTMOSデバイス(n−HDTMOSデバイス)用の
半導体層630と、埋め込み酸化膜611の上に設けら
れたpチャネル型HDTMOSデバイス(p−HDTM
OSデバイス)用の半導体層680とを有している。半
導体層630,680は、それぞれ同時に形成された共
通の膜によって構成されている。
【0129】半導体層630,680は、SOI基板の
上部を構成する上部Si膜612と、上部Si膜612
の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル成長され
たSiGe(Si1-x Gex :x=0.40)膜614
aと、SiGe膜614aの上にUHV−CVD法によ
りエピタキシャル成長されたSiC(Si1-yy :y
≒0.020)膜614bとから構成されている。ここ
で、埋め込み酸化膜611の厚さは約100nmであ
り、上部Si膜612の厚みは約100nmであり、S
iGe膜614aの厚みは約10nmであり、SiC膜
614bの厚みは約10nmである。
【0130】さらに、n−HDTMOSデバイスは、S
i膜615の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲ
ート絶縁膜616と、ゲート絶縁膜616の上に設けら
れ高濃度のn型不純物(P,Asなど)を含むポリシリ
コンからなるゲート電極617とを備えている。そし
て、半導体層630のうちゲート電極617の両側方に
位置する領域には高濃度のn型不純物を含むソース領域
620a及びドレイン領域620bが設けられている。
また、上部Si膜612のうちソース領域620aとド
レイン領域620bとの間の領域は、高濃度(約1×1
19atoms ・cm -3)のp型不純物を含むSiボディ領
域622となっている。そして、SiGe膜614a,
SiC膜614bのうちソース領域620aとドレイン
領域620bとの間の領域は、比較的低濃度のp型不純
物を含むアンドープ層であるSiGe−pチャネル領域
624a,SiC−nチャネル領域624bとなってい
る。また、ゲート電極617とSiボディ領域622と
を電気的に接続する導体部材であるコンタクト618と
が設けられ、ゲート電極617の側面上にはシリコン酸
化膜からなるサイドウォール627が設けられている。
【0131】また、p−HDTMOSデバイスは、Si
膜615の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜656と、ゲート絶縁膜656の上に設けら
れ、高濃度のp型不純物(Bなど)を含むゲート電極6
57とを備えている。そして、半導体層680のうちゲ
ート電極657の両側方に位置する領域には高濃度のp
型不純物を含むソース領域660a及びドレイン領域6
60bが設けられている。また、上部Si膜612のう
ちソース領域660aとドレイン領域660bとの間の
領域は、高濃度(約1×1019atoms ・cm-3)のn型
不純物を含むSiボディ領域662となっている。そし
て、SiGe膜614a,SiC膜614bのうちソー
ス領域660aとドレイン領域660bとの間の領域
は、比較的低濃度のn型不純物を含むアンドープ層であ
るSiC−nチャネル領域624a,SiGe−pチャ
ネル領域624bとなっている。また、ゲート電極65
7とSiボディ領域662とを電気的に接続する導体部
材であるコンタクト658とが設けられ、ゲート電極6
57の側面上にはシリコン酸化膜からなるサイドウォー
ル667が設けられている。
【0132】さらに、基板上には、層間絶縁膜690
と、層間絶縁膜690を貫通してソース・ドレイン領域
620a,620b,660a,660bに接触するコ
ンタクト691と、コンタクト691に接続されて層間
絶縁膜690の上に延びるソース・ドレイン電極692
とが設けられている。
【0133】本実施形態の相補型HDTMOSデバイス
の製造工程においては、SOI基板の一部である上部S
i膜は、結晶成長前にあらかじめイオン注入により濃度
が約1×1019atoms ・cm-3の不純物がドープされた
+ Si層(n−HDTMOSデバイス領域)とn+
i層(p−HDTMOSデバイス領域)とになってお
り、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長された
Siバッファ層、SiC膜,SiGe膜、Siキャップ
層は、いずれもas−grownの状態では、不純物が
ドープされていないアンドープ層となっている。
【0134】図14(a),(b)は、それぞれ順に、
n−HDTMOSデバイス及びp−HDTMOSデバイ
スにおけるSiC/SiGe/Siヘテロ接合部のビル
トインポテンシャルを示すエネルギーバンド図である。
図14(a)に示すように、n−HDTMOSデバイス
において、SiC−nチャネル領域におけるSiC/S
iGeヘテロ接合部には、伝導帯端に大きなバンドオフ
セット(ヘテロ障壁)が形成されるので、SiC層をn
チャネル用のチャネル領域として利用することができ
る。図14(b)に示すように、SiGe−pチャネル
領域におけるSiC/SiGeヘテロ接合部には、価電
子帯端に大きなバンドオフセット(ヘテロ障壁)が形成
されるので、SiGe層をpチャネル用のチャネル領域
として利用することができる。このように、電子,正孔
それぞれに対して、最もバンドオフセット値(ヘテロ障
壁の高さ)が大きくなるヘテロ接合構造を用いることに
より、nチャネル,pチャネル両方において、以下のよ
うに、ヘテロ接合の特徴を十分に引き出すことができ
る。
【0135】Siホモ構造を有するDTMOSデバイス
に比べ、HDTMOSデバイスにおいては、基板のバン
ドギャップよりも小さなバンドギャップを有する半導体
層をチャネルとして用いることで、しきい値電圧を下げ
て動作電圧範囲を拡大することができる。つまり、ヘテ
ロ障壁によって形成されるポテンシャル井戸には、低電
界の状態においてもキャリアが蓄積されるため、しきい
値電圧の低減化が実現でき、しきい値電圧の低減化によ
り、ボディ領域の不純物濃度を高めることが可能とな
る。さらに、ボディ領域の不純物濃度の高濃度化により
ボディ抵抗が低減されるため、CR遅延を抑制すること
ができ、高速動作が可能となる。また、ボディ領域の不
純物濃度の高濃度化によりショートチャネル効果を抑制
することができる。
【0136】また、本実施形態の特徴は、n−HDTM
OSデバイス及びp−HDTMOSデバイスにおいて、
SiC層の上にSiキャップ層が設けられていない点で
ある。これにより、上述のHDTMOSデバイスの利点
に加えて、以下に述べるような格別の作用効果を発揮す
ることができる。
【0137】まず、n−HDTMOSデバイスにおいて
は、電子の閉じ込めに有利な伝導帯にヘテロ障壁を生じ
るため、通常のSi単独からなるトランジスタに比べ、
しきい値電圧の低減が可能になり、大きな動作電圧範囲
を確保できる。また、この構造では、Siキャップ層が
存在しないので、SiC―nチャネル層は表面チャネル
となる。その結果、n−HDTMOSデバイスにおいて
は、一般的なヘテロ構造MOSで問題とされている寄生
チャネルが生じることはない。
【0138】また、p−HDTMOSデバイスにおいて
も、正孔(ホール)の閉じ込めに有利な価電子帯にヘテ
ロ障壁を生じるため、通常のSi単独からなるトランジ
スタに比べ、しきい値電圧の低減が可能になり、大きな
動作電圧範囲を確保できる。
【0139】ここで、HDTMOSデバイスにおいて、
SiC層やSiGe層の上にSiキャップ層を設けた場
合と、本発明のようにSiキャップ層を設けない場合と
のトランジスタ特性の相違について説明する。
【0140】図19(a),(b)は、それぞれ順に、
本実施形態のc−HDTMOSデバイスにSiキャップ
層を設けたときのn−HDTMOSデバイス及びp−H
DTMOSデバイスにおけるSi/SiC/SiGe/
Siヘテロ接合部のビルトインポテンシャルを示すエネ
ルギーバンド図である。SiC層の上にSiキャップ層
を設けたヘテロ構造DTMOSデバイスでは、図19
(a)に示すごとくnチャネルがSiキャップ層の下方
に形成される埋め込みチャネルであるため、デバイスの
特性がSiキャップ層の厚さに大きく依存する。
【0141】図20は、pチャネルをSiGeにより構
成したSi/SiGeヘテロ構造DTMOSデバイスに
おいて、Siキャップ層の厚さを1nmから10nmま
で変化させた時のVg−Id特性図である。このよう
に、Siキャップ層の膜厚の増大に伴い、しきい値電圧
の増加が生じる。nチャネル層としてSiCを用いたヘ
テロ構造DTMOSデバイスにおいても同様のことが生
じる。これは、Siキャップ層の膜厚が厚くなることに
より、キャリアが蓄積されるチャネル層の位置がゲート
電極から遠くなるために、ゲート電極のポテンシャルの
変化がチャネル層に伝わりにくくなるためである。さら
に、Siキャップ層の膜厚が厚くなると、Siキャップ
層とゲート酸化膜の界面に発生する寄生チャネルが支配
的になるので、ヘテロ接合型のDTMOSデバイス(H
DTMOSデバイス)のしきい値電圧がSi層のみを用
いたDTMOSデバイスのしきい値電圧と等しくなり、
ヘテロ接合構造を採用したことの利点が損なわれるとい
う問題がある。従って、ヘテロ接合構造の利点を引き出
すには、Siキャップ層膜厚はできるだけ薄くすること
が好ましい。
【0142】しかし、Siキャップ層は、SiO2 から
なる熱酸化膜を形成する際や、製造工程における洗浄処
理の際に膜減りするため、加工による膜減りを考慮した
厚みのマージンを確保しておく必要がある。例えば、ゲ
ート絶縁膜をSiO2 からなる厚み8nmの熱酸化膜と
する場合、8nmの45%に相当する3.6nmのSi
キャップ層が消費される。洗浄工程においては、薬液の
濃度や温度によっても異なるが、1nm前後のSiキャ
ップ層が消費される。また、Siキャップ層が薄くなり
すぎ、熱酸化膜の形成する時に、SiCチャネル及びS
iGeチャネルまで熱酸化が進むと、SiCおよびSi
Geの熱酸化膜はSi熱酸化膜に比べて、絶縁性、耐圧
性などの信頼性が乏しいため、ゲートリーク電流やしき
い値変動の要因となる。
【0143】このように、Siキャップ層は、できるだ
け薄くする必要があるものの、実際には、加工の際のマ
ージンを確保しておく必要がある。しかし、熱酸化膜は
ゲート絶縁膜以外にも保護酸化膜として用いられるた
め、熱酸化工程は複数回行なわれる。さらに、洗浄工程
も複数回行なわれるため、Siキャップ層の加工マージ
ンの設定は難しく、実際には、Siキャップ層の膜厚を
正確に制御することはかなり困難である。さらに、各工
程においてSiキャップ層の消費にはバラツキが生じる
ことに加え、成膜時の膜厚バラツキも存在するため、こ
のSiキャップ層のバラツキがウェハ面内およびウェハ
間におけるデバイス特性のバラツキを生じさせる原因と
なる。
【0144】さらに、図19(a),(b)に示すよう
に、ヘテロ構造DTMOSデバイスを用いて相補型電界
効果トランジスタを製作する場合には、nチャネル層,
pチャネル層,キャップ層の3層構造になるため、各層
の膜厚を正確に制御する必要がある。そのため、設計お
よび製作が複雑になるという問題がある。
【0145】それに対し、本実施形態においては、Si
キャップ層を用いない構造であるため、製造が容易であ
るだけでなく、上述のようなキャップ層の膜厚変動に起
因した素子特性のバラツキを生じない。
【0146】なお、本実施形態ではSOI基板上に形成
されたDTMOSデバイスについて示したが、SOI基
板を用いず、バルク基板を用いた場合にも同様の効果が
得られることは言うまでもない。
【0147】また、本実施形態では、ゲート絶縁膜とし
てSiO2 を用いているが、SiO 2 よりも高い誘電率
を有する材料を用いることもできる。例えば、SiO
N、Si34 、ZrO2 、HfO2 ,Ta25 ,P
ZT(Pb(Zr、Ti)O3),PLZT((Pb、
La)(Zr、Ti)O3 ),SBT(SrBi2 Ta
29 ),(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),ST
O(SrTiO3 ),BTO(BaTiO3 ),BST
((Ba、Sr)TiO3 )及びBIT(Bi4Ti3
12)などが高誘電率材料として挙げられる。このよう
な高誘電率材料を用いた場合、高い駆動力と、低しきい
値化とが実現でき、著効を発揮することができる。
【0148】そして、SiON、Si34 、ZrO
2 、HfO2 ,Ta25 ,PZT(Pb(Zr、T
i)O3 ),PLZT((Pb、La)(Zr、Ti)
3 ),SBT(SrBi2 Ta29 ),(SrBi
2 (Nb、Ta)29 ),STO(SrTiO3 ),
BTO(BaTiO3 ),BST((Ba、Sr)Ti
3 )及びBIT(Bi4 Ti312)などの高誘電率
材料からなるゲート絶縁膜をCVD,スパッタ等により
堆積した後に、上記第1〜第5の実施形態で説明したよ
うに、ゲート絶縁膜にミリ波照射処理を行なうことによ
り、リーク特性や誘電率特性のよいゲート絶縁膜を形成
することができる。
【0149】以上、SiCおよびSiGeをボディ領域
との間でヘテロ接合を形成するチャネルの材料として用
いた場合を例にとって、本発明の実施形態を説明した
が、他の半導体材料を用いてヘテロ接合を形成した場合
にも同様の効果を発揮することができる。
【0150】(第7の実施形態)本実施形態において
は、SiGe/SiC/Siヘテロ接合を有する相補型
HDTMOSデバイスの例である第7の実施形態につい
て説明する。本実施形態においては、pチャネル用のチ
ャネル領域をSiGe/SiCヘテロ接合部により構成
し、nチャネル用のチャネル領域をSiC/Siヘテロ
接合部により構成する。
【0151】図15は、本実施形態の相補型HDTMO
Sデバイスの構造を示す断面図である。同図に示すよう
に、本実施形態のc−HDTMOSデバイスは、第6の
実施形態とは、SiC膜614bと、SiGe膜614
aとの上下関係が逆である点のみが異なる。
【0152】すなわち、本実施形態においては、第6実
施形態と同様に、SOI基板上に、nチャネル型HDT
MOSデバイス(n−HDTMOSデバイス)用の半導
体層630と、埋め込み酸化膜611の上に設けられた
pチャネル型HDTMOSデバイス(p−HDTMOS
デバイス)用の半導体層680とが設けられており、半
導体層630,680は、それぞれ同時に形成された共
通の膜によって構成されている。
【0153】そして、各半導体層630,680は、S
OI基板の上部を構成する上部Si膜612と、上部S
i膜612の上にUHV−CVD法によりエピタキシャ
ル成長されたSiC(Si1-yy :y≒0.020)
膜614bと、SiC膜614bの上にUHV−CVD
法によりエピタキシャル成長されたSiGe(Si1- x
Gex :x=0.40)膜614aとから構成されてい
る。ここで、埋め込み酸化膜611の厚さは約100n
mであり、上部Si膜612の厚みは約100nmであ
り、SiGe膜614aの厚みは約10nmであり、S
iC膜614bの厚みは約10nmである。
【0154】そして、n−HDTMOSデバイスは、第
6の実施形態とほぼ同様の,ゲート絶縁膜616と、ゲ
ート電極617と、ソース領域620a及びドレイン領
域620bと、Siボディ領域622と、コンタクト6
18と、サイドウォール627とを有している。そし
て、SiGe膜614a,SiC膜614bのうちソー
ス領域620aとドレイン領域620bとの間の領域
は、比較的低濃度のp型不純物を含むアンドープ層であ
るSiGe−pチャネル領域624a,SiC−nチャ
ネル領域624bとなっている。
【0155】また、p−HDTMOSデバイスは、第6
の実施形態とほぼ同様の,ゲート絶縁膜656と、ゲー
ト電極657と、ソース領域660a及びドレイン領域
660bと、Siボディ領域662と、コンタクト65
8と、サイドウォール667とを有している。そして、
SiGe膜614a,SiC膜614bのうちソース領
域660aとドレイン領域660bとの間の領域は、比
較的低濃度のn型不純物を含むアンドープ層であるSi
C−nチャネル領域664a,SiGe−pチャネル領
域664bとなっている。
【0156】本実施形態の相補型HDTMOSデバイス
の製造工程は、基本的に第6の実施形態の相補型DTM
OSデバイスの製造工程と同じである。
【0157】図16(a),(b)は、それぞれ順に、
n−HDTMOSデバイス及びp−HDTMOSデバイ
スにおけるSiGe/SiC/Siヘテロ接合部のビル
トインポテンシャルを示すエネルギーバンド図である。
図6(a)に示すように、n−HDTMOSデバイスに
おいて、SiC−nチャネル領域におけるSiGe/S
iCヘテロ接合部には、伝導帯端に大きなバンドオフセ
ット(ヘテロ障壁)が形成されるので、SiC層をnチ
ャネル用のチャネル領域として利用することができる。
図6(b)に示すように、SiGe−pチャネル領域に
おけるSiGe/SiCヘテロ接合部には、価電子帯端
に大きなバンドオフセット(ヘテロ障壁)が形成される
ので、SiGe層をpチャネル用のチャネル領域として
利用することができる。このように、電子,正孔それぞ
れに対して、最もバンドオフセット値(ヘテロ障壁の高
さ)が大きくなるヘテロ接合構造を用いることにより、
nチャネル,pチャネル両方において、以下のように、
ヘテロ接合の特徴を十分に引き出すことができる。
【0158】本実施形態においても、第6の実施形態と
同様に、Siホモ構造を有するDTMOSデバイスに比
べ、しきい値電圧の低減化により、ボディ領域の不純物
濃度を高めることが可能となる。さらに、ボディ領域の
不純物濃度の高濃度化によりボディ抵抗が低減されるた
め、CR遅延を抑制することができ、高速動作が可能と
なる。また、ボディ領域の不純物濃度の高濃度化により
ショートチャネル効果を抑制することができる。
【0159】また、本実施形態においては、n−HDT
MOSデバイス及びp−HDTMOSデバイスにおい
て、SiGe層の上にSiキャップ層が設けられていな
いので、SiGe−pチャネル層は表面チャネルとな
る。その結果、p−HDTMOSデバイスにおいては、
一般的なヘテロ構造MOSで問題とされている寄生チャ
ネルが生じることはない。
【0160】また、n−HDTMOSデバイスにおいて
も、電子の閉じ込めに有利な伝導帯にヘテロ障壁を生じ
るため、通常のSi単独からなるトランジスタに比べ、
しきい値電圧の低減が可能になり、大きな動作電圧範囲
を確保できる。
【0161】また、Siキャップ層を用いない構造であ
るため、製造が容易であるだけでなく、キャップ層の膜
厚変動に起因した素子特性のバラツキを生じない。
【0162】なお、本実施形態においては、SOI基板
上に形成したDTMOSデバイスについて示したが、S
OI基板を用いず、バルク基板を用いた場合にも同様の
効果が得られることは言うまでもない。
【0163】また、本実施形態では、ゲート絶縁膜とし
てSiO2 を用いているが、SiO 2 よりも高い誘電率
を有する材料を用いることもできる。例えば、SiO
N、Si34 、ZrO2 ,HfO2 ,Ta25 など
が高誘電率材料として挙げられる。このような高誘電率
材料を用いた場合、高い駆動力と、低しきい値化とが実
現でき、著効を発揮することができる。
【0164】そして、SiO2 ,SiON,Si3
4 ,ZrO2 ,HfO2 ,Ta25などの高誘電率材
料からなるゲート絶縁膜をCVD,スパッタ等により堆
積した後に、上記第1〜第5の実施形態で説明したよう
に、ゲート絶縁膜にミリ波照射処理を行なうことによ
り、リーク特性や誘電率特性のよいゲート絶縁膜を形成
することができる。
【0165】以上、SiCおよびSiGeをボディ領域
との間でヘテロ接合を形成するチャネルの材料として用
いた場合を例にとって、本発明の実施形態を説明した
が、他の半導体材料を用いてヘテロ接合を形成した場合
にも同様の効果を発揮することができる。
【0166】(第8の実施形態)次に、チャネル領域を
SiGeC(Si1-x-y Gexy )により構成した相
補型HDTMOSデバイスの例である第8の実施形態に
ついて説明する。
【0167】図17は、本実施形態のHDTMOSデバ
イスの構造を示す断面図である。同図に示すように、本
実施形態のHDTMOSデバイスは、p型のSi基板7
10と、Si基板に酸素イオンを注入するなどの方法に
より形成された埋め込み酸化膜711と、埋め込み酸化
膜711の上に設けられたnチャネル型HDTMOSデ
バイス(n−HDTMOSデバイス)用の半導体層73
0と、埋め込み酸化膜711の上に設けられたpチャネ
ル型HDTMOSデバイス(p−HDTMOSデバイ
ス)用の半導体層780とを有している。半導体層73
0,780は、それぞれ同時に形成された共通の膜によ
って構成されている。
【0168】半導体層730,780は、SOI基板の
上部を構成する上部Si膜712と、上部Si膜712
の上にUHV−CVD法によりエピタキシャル成長され
たSiバッファ層713と、Siバッファ層713の上
にUHV−CVD法によりエピタキシャル成長されたS
iGeC(Si1-x-y Gexy :x≒0.1,y≒
0.04)膜714とから構成されている。ここで、埋
め込み酸化膜711の厚さは約100nmであり、上部
Si膜712の厚みは約100nmであり、Siバッフ
ァ層713の厚みは約10nmであり、SiGeC膜7
14の厚みは約15nmである。
【0169】さらに、n−HDTMOSデバイスは、S
i膜715の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲ
ート絶縁膜716と、ゲート絶縁膜716の上に設けら
れた高濃度のn型不純物を含むポリシリコンからなるゲ
ート電極717とを備えている。そして、半導体層73
0のうちゲート電極717の両側方に位置する領域には
高濃度のn型不純物を含むソース領域720a及びドレ
イン領域720bが設けられている。また、上部Si膜
712のうちソース領域720aとドレイン領域720
bとの間の領域は、高濃度(約1×1019atoms ・cm
-3)のp型不純物を含むSiボディ領域722となって
おり、Siバッファ層713のうちSiボディ領域72
2の直上に位置する領域は、低濃度のp型不純物を含む
- Si領域723となっている。そして、SiGeC
膜714のうちソース領域720aとドレイン領域72
0bとの間の領域は、アンドープ層で低濃度のp型不純
物を含むSiGeCチャネル領域724となっている。
また、ゲート電極717とSiボディ領域722とを電
気的に接続する導体部材であるコンタクト718とが設
けられ、ゲート電極717の側面上にはシリコン酸化膜
からなるサイドウォール727が設けられている。
【0170】また、p−HDTMOSデバイスは、Si
膜715の上に設けられたシリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜756と、ゲート絶縁膜756の上に設けられ
た高濃度のp型不純物を含むポリシリコンからなるゲー
ト電極757とを備えている。そして、半導体層780
のうちゲート電極757の両側方に位置する領域には高
濃度のp型不純物を含むソース領域760a及びドレイ
ン領域760bが設けられている。また、上部Si膜7
12のうちソース領域760aとドレイン領域760b
との間の領域は、高濃度(約1×1019atoms ・c
-3)のn型不純物を含むSiボディ領域762となっ
ており、Siバッファ層713のうちSiボディ領域7
62の直上に位置する領域は、低濃度のn型不純物を含
むn- Si領域726となっている。そして、SiGe
C膜714のうちソース領域760aとドレイン領域7
60bとの間の領域は、アンドープ層で低濃度のn型不
純物を含むSiGeCチャネル領域764となってい
る。また、ゲート電極757とSiボディ領域762と
を電気的に接続する導体部材であるコンタクト758と
が設けられ、ゲート電極757の側面上にはシリコン酸
化膜からなるサイドウォール767が設けられている。
【0171】さらに、基板上には、層間絶縁膜790
と、層間絶縁膜790を貫通してソース・ドレイン領域
720a,720b,760a,760bに接触するコ
ンタクト791と、コンタクト791に接続されて層間
絶縁膜790の上に延びるソース・ドレイン電極792
とが設けられている。
【0172】本実施形態の相補型HDTMOSデバイス
の製造工程においては、SOI基板の一部である上部S
i膜は、結晶成長前にあらかじめイオン注入により濃度
が約1×1019atoms ・cm-3の不純物がドープされた
+ Si層(n−HDTMOSデバイス領域)とn+
i層(p−HDTMOSデバイス領域)とになってお
り、UHV−CVD法によりエピタキシャル成長された
Siバッファ層、SiGeC膜は、いずれもas−gr
ownの状態では、不純物がドープされていないアンド
ープ層となっている。そして、SiGeC膜の上にCV
D法によりシリコン酸化膜が堆積されており、このシリ
コン酸化膜がゲート絶縁膜となる。さらに、ゲート絶縁
膜の上に、高濃度のn型不純物がドープされたポリシリ
コンからなるn+ 型ゲート電極と、高濃度のp型不純物
がドープされたポリシリコンからなるp+ 型ゲート電極
とが形成される。その後、各ゲート電極の両側には、高
濃度のn型不純物がイオン注入されたn+ 型ソース・ド
レイン領域と、高濃度のp型不純物がドープされたp+
型ソース・ドレイン領域とが形成され、その上方にソー
ス電極・ドレイン電極がそれぞれ形成される。また、ゲ
ート電極とSiボディ領域とがコンタクトによって接続
されて、HDTMOSデバイス構造が得られる。
【0173】図18(a),(b)は、それぞれ順に、
n−HDTMOSデバイス及びp−HDTMOSデバイ
スにおけるSiGeC/Siヘテロ接合部のビルトイン
ポテンシャルを示すエネルギーバンド図である。図18
(a)に示すように、n−HDTMOSデバイスにおい
て、SiGeC−チャネル領域におけるSiGeC/S
iヘテロ接合部には、伝導帯端に大きなバンドオフセッ
ト(ヘテロ障壁)が形成されるので、SiGeC層をn
チャネル用のチャネル領域として利用することができ
る。また、図18(b)に示すように、SiGeC−チ
ャネル領域におけるSiGeC/Siヘテロ接合部に
は、価電子帯端にも大きなバンドオフセット(ヘテロ障
壁)が形成されるので、SiGeC層をpチャネル用の
チャネル領域として利用することができる。このよう
に、電子,正孔それぞれに対して、大きなバンドオフセ
ット値(ヘテロ障壁の高さ)を生じさせるヘテロ接合構
造を用いることにより、nチャネル,pチャネル両方に
おいて、以下のように、ヘテロ接合の特徴を十分に引き
出すことができる。つまり、SiGeC(Si1-x-y
xy )/Siヘテロ接合部においては、Ge,Cの
含有率x,yを適宜調整することにより、伝導帯端、価
電子帯端の両方にバンドオフセット(ヘテロ障壁)が形
成される。すなわち、単一のSiGeC(Si1-x-y
xy )層を利用して、電子がSiGeC層内に閉じ
込められてSiGeC層内を走行するnチャネルと、ホ
ールがSiGeC層内に閉じ込められてSiGeC層内
を走行するpチャネルとを形成することが可能となる。
【0174】本実施形態によると、チャネル領域をSi
GeC(Si1-x-y Gexy )によって構成すること
により、単一のSiGeC(Si1-x-y Gexy )層
を利用して、電子がSiGeC層内に閉じ込められてS
iGeC層内を走行するnチャネルと、ホールがSiG
eC層内に閉じ込められてSiGeC層内を走行するp
チャネルとを形成することが可能となり、SiGeC/
Siヘテロ接合を有する相補型のHDTMOSデバイス
を実現することができる。
【0175】また、第6〜第7の実施形態と同様に、S
iホモ構造を有するDTMOSデバイスに比べ、HDT
MOSデバイスにおいては、基板のバンドギャップより
も小さなバンドギャップを有する半導体層をチャネルと
して用いることで、しきい値電圧を下げて動作電圧範囲
を拡大することができる。つまり、ヘテロ障壁によって
形成されるポテンシャル井戸には、低電界の状態におい
てもキャリアが蓄積されるため、しきい値電圧の低減化
が実現でき、しきい値電圧の低減化により、ボディ領域
の不純物濃度を高めることが可能となる。さらに、ボデ
ィ領域の不純物濃度の高濃度化によりボディ抵抗が低減
されるため、CR遅延を抑制することができ、高速動作
が可能となる。また、ボディ領域の不純物濃度の高濃度
化によりショートチャネル効果を抑制することができ
る。
【0176】また、本実施形態の特徴は、n−HDTM
OSデバイス及びp−HDTMOSデバイスにおいて、
SiGeC層の上にSiキャップ層が設けられていない
点である。これにより、上述のHDTMOSデバイスの
利点に加えて、後述するような格別の作用効果を発揮す
ることができる。
【0177】まず、n−HDTMOSデバイスにおいて
は、伝導帯に電子の閉じ込めに有利なヘテロ障壁を生
じ、p−HDTMOSデバイスにおいては、価電子帯に
正孔(ホール)の閉じ込めに有利なヘテロ障壁を生じる
ため、通常のSi単独からなるトランジスタに比べ、し
きい値電圧の低減が可能になり、大きな動作電圧範囲を
確保できる。
【0178】また、この構造では、Siキャップ層が存
在しないので、SiGeC−nチャネル層及びSiGe
C−pチャネル層ともに表面チャネルとなる。その結
果、n−HDTMOSデバイス及びp−HDTMOSデ
バイスの双方において、一般的なヘテロ構造MOSで問
題とされている寄生チャネルが生じることはない。その
結果、電流駆動力の大きいトランジスタを得ることがで
きる。
【0179】また、Siキャップ層を用いない構造であ
るため、製造が容易であるだけでなく、キャップ層の膜
厚変動に起因した素子特性のバラツキを生じない。
【0180】なお、本実施形態ではSOI基板上に形成
したDTMOSデバイスについて示したが、SOI基板
を用いず、バルク基板を用いた場合にも同様の効果が得
られることは言うまでもない。
【0181】また、本実施形態では、ゲート絶縁膜とし
てSiO2 を用いているが、SiO 2 よりも高い誘電率
を有する材料を用いることもできる。例えば、SiO
N、Si34 、ZrO2 ,HfO2 ,Ta25 など
が高誘電率材料として挙げられる。このような高誘電率
材料を用いた場合、高い駆動力と、低しきい値化とが実
現できる。すなわち、高誘電率材料を用いることで、ビ
ルトインポテンシャルの曲がりがより急峻となることか
ら、しきい値電圧を低減し、ドレイン電流とボディ電流
の差をさらに拡大することができる。したがって、ボデ
ィ領域の不純物濃度をあげても、Siのみによって構成
されるMOSトランジスタと同程度のしきい値電圧に設
定することができる。その結果、本実施形態のHDTM
OSデバイスにより、ボディ抵抗が低減され、ボディ領
域の電位がチャネル領域に効果的に伝わるので、CR遅
延による動作速度の制限が緩和される。
【0182】そして、SiO2 ,SiON,Si3
4 ,ZrO2 ,HfO2 ,Ta25などの高誘電率材
料からなるゲート絶縁膜をCVD,スパッタ等により堆
積した後に、上記第1〜第5の実施形態で説明したよう
に、ゲート絶縁膜にミリ波照射処理を行なうことによ
り、リーク特性や誘電率特性のよいゲート絶縁膜を形成
することができる。
【0183】以上、SiGeCをボディ領域との間でヘ
テロ接合を形成するチャネルの材料として用いた場合を
例にとって、本発明の実施形態を説明したが、他の半導
体材料を用いてヘテロ接合を形成した場合にも同様の効
果を発揮することができる。
【0184】(その他の実施形態)上記第3,第6〜第
8の実施形態においては、本発明のミリ波照射を行なう
誘電体膜(特に強誘電体膜,高誘電率誘電体膜)を容量
膜として有するキャパシタを、強誘電体メモリやMIS
FETに配置する例について説明したが、本発明はかか
る実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明
のミリ波照射を受けた誘電体膜を、DRAMのストレー
ジノード−セルプレート間に介在する容量膜として、R
OM特にフラッシュメモリのフローティングゲート−コ
ントロールゲート間に介在する容量膜として、あるい
は、MIS型容量素子,MIM型容量素子等の容量素子
の容量膜として用いることができる。
【0185】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法によれ
ば、強誘電体膜,高誘電率誘電体膜等の誘電体膜を有す
る半導体装置の製造方法として、誘電体膜を形成した
後、1GHz以上で100GHz以下の電磁波を照射す
るようにしたので、基板上のデバイスに悪影響を与える
ことなく、リーク特性などの高い誘電体膜を有する半導
体装置の提供を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち前半部分を示す断面
図である。
【図2】(a),(b)は、本発明の第1の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち後半部分を示す断面
図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれ順に、ミリ波照射
によって加熱されたBIT膜のX線回折写真図、及び高
速ランプ加熱炉によって加熱されたBIT膜のX線回折
写真図である。
【図4】(a),(b)は、それぞれ順に、ミリ波照射
によって加熱されたBIT膜の表面SEM写真図、及び
高速ランプ加熱炉によって加熱されたBIT膜の表面S
EM写真図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち前半部分を示す断面
図である。
【図6】(a),(b)は、本発明の第2の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち後半部分を示す断面
図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち前半部分を示す断面
図である。
【図8】(a),(b)は、本発明の第3の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち後半部分を示す断面
図である。
【図9】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に
おける半導体装置の製造工程のうち前半部分を示す断面
図である。
【図10】(a),(b)は、本発明の第4の実施形態
における半導体装置の製造工程のうち後半部分を示す断
面図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の第5の実施形態
における半導体装置の製造工程のうち前半部分を示す断
面図である。
【図12】(a),(b)は、本発明の第5の実施形態
における半導体装置の製造工程のうち後半部分を示す断
面図である。
【図13】本発明の第6の実施形態の相補型HDTMO
Sデバイスの構造を示す断面図である。
【図14】(a),(b)は、それぞれ順に、n−HD
TMOSデバイス及びp−HDTMOSデバイスにおけ
るSiC/SiGe/Siヘテロ接合部のビルトインポ
テンシャルを示すエネルギーバンド図である。
【図15】本発明の第7の実施形態の相補型HDTMO
Sデバイスの構造を示す断面図である。
【図16】(a),(b)は、それぞれ順に、n−HD
TMOSデバイス及びp−HDTMOSデバイスにおけ
るSiGe/SiC/Siヘテロ接合部のビルトインポ
テンシャルを示すエネルギーバンド図である。
【図17】本発明の第8の実施形態のHDTMOSデバ
イスの構造を示す断面図である。
【図18】(a),(b)は、それぞれ順に、n−HD
TMOSデバイス及びp−HDTMOSデバイスにおけ
るSiGeC/Siヘテロ接合部のビルトインポテンシ
ャルを示すエネルギーバンド図である。
【図19】(a),(b)は、それぞれ順に、本発明の
第6の実施形態のc−HDTMOSデバイスにSiキャ
ップ層を設けたときのn−HDTMOSデバイス及びp
−HDTMOSデバイスにおけるSi/SiC/SiG
e/Siヘテロ接合部のビルトインポテンシャルを示す
エネルギーバンド図である。
【図20】pチャネルをSiGeにより構成したSi/
SiGeヘテロ構造DTMOSデバイスにおいて、Si
キャップ層の厚さを1nmから10nmまで変化させた
時のVg−Id特性図である。
【図21】非特許文献1において提案されている従来の
DTMOSデバイスの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
101 Si基板 102 シリコン酸化膜 103 下部電極 103x Pt膜 104 下部シード層 104x Ti膜 105 容量膜 105x PZT膜 106 チャンバ 107 ミリ波導入口 108 ミリ波 109 上部電極 109x IrO2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/8247 H01L 27/08 102C 27/04 27/04 C 27/088 29/78 617T 27/105 617V 27/108 301G 27/115 301B 29/78 29/786 29/788 29/792 (72)発明者 三宅 正司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 上田 路人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 井上 彰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高木 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 原 義博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 久保 実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−22430(JP,A) 特開 平10−41515(JP,A) 特開 平11−283927(JP,A) 特開 平6−291253(JP,A) 特開 平1−140632(JP,A) 特開 平11−233733(JP,A) 特開 平8−335676(JP,A) 特開2000−91576(JP,A) 特開2001−210831(JP,A) 国際公開00/32516(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/316 H01L 21/336 H01L 21/822 H01L 21/8234 H01L 21/8242 H01L 21/8247 H01L 27/04 H01L 27/088 H01L 27/105 H01L 27/108 H01L 27/115 H01L 29/78 H01L 29/786 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体膜を要素として含む半導体装置の
    製造方法であって、 基板の上方に上記誘電体膜を形成する工程(a)と、 上記工程(a)の後で、上記誘電体膜の上方から、1G
    Hz以上で100GHz以下の範囲にある電磁波を照射
    する工程(b)とを含み、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、上記誘電
    体膜の上に、上記誘電体膜よりも誘電率又は誘電損失が
    大きいカバー膜を形成する工程と、 上記工程(b)の後で、上記カバー膜を除去する工程と
    をさらに含み、 上記工程(b)においては、電磁波は上記誘電体膜およ
    び上記カバー膜に吸収されて上記誘電体膜および上記カ
    バー膜が加熱される 半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(b)では、上記基板の温度を550℃以下に
    保持しつつ、上記電磁波を印加することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(a)の前に、下部導体膜を形成する工程をさ
    らに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記下部導体膜を形成する工程では、上記下部導体膜と
    して、金属膜,IrO 2 及びRuO2 のうちから選ばれ
    る1又は2以上の材料によって構成される膜を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記下部導体膜を形成する工程の後で上記工程(a)の
    前に、上記下部導体膜と上記誘電体膜との間に介在する
    下部絶縁膜を形成する工程をさらに含むことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、上記誘電
    体膜を覆う上部導体膜を形成する工程をさらに含み、 上記工程(b)は、上記上部導体膜によって上記誘電体
    膜を覆った状態で行なわれることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(b)は、上記上部導体膜を電気的にアースし
    て行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、上記誘電
    体膜を覆う上部導体膜を形成した後、上部導体膜をパタ
    ーニングして、上記誘電体膜のうち半導体装置の要素と
    なる部分を少なくとも含む領域上に、上記上部導体膜の
    一部を残す工程をさらに含み、 上記工程(b)は、上記上部導体膜の上記一部を残した
    状態で、上記誘電体膜の上記領域が局所的に加熱される
    ように行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記上部導体膜を形成する工程は、上記上部導体膜とし
    て、金属膜,IrO2及びRuO2 のうちから選ばれる
    1又は2以上の材料によって構成される膜を形成するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(a)の後で、上記上部導体膜を形成する工程
    の前に、上記上部導体膜と上記誘電体膜との間に介在す
    る上部絶縁膜を形成する工程をさらに含むことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(a)の前に、厚み10nm以下の下部シード
    層を形成する工程をさらに備え、 上記工程(a)では、上記誘電体膜を上記下部シード層
    に接触させるように形成し、 上記工程(b)では、上記下部シード層を上記誘電体膜
    の成長の種として機能させることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、厚み10
    nm以下の上部シード層を上記誘電体膜に接触させて形
    成する工程をさらに備え、 上記工程(b)では、上記上部シード層が上記誘電体膜
    の成長の種として機能させることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(a)では、上記誘電体膜として、PZT(P
    b(Zr、Ti)O3),PLZT((Pb、La)
    (Zr、Ti)O3 ),SBT(SrBi2 Ta 2
    9 ),(SrBi2 (Nb、Ta)29 ),STO
    (SrTiO3 ),BTO(BaTiO3 ),BST
    ((Ba、Sr)TiO3 )及びBIT(Bi4Ti3
    12)のうちから選ばれる1又は2以上の材料によって
    構成される膜を形成することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記基板を構成する材料は、半導体,酸化シリコン,ガ
    ラス及びセラミックのうちから選ばれる1又は2以上の
    材料であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(b)では、10GHz以上で80GHz以下
    の範囲にある電磁波を照射することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
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