JP3494985B2 - 養生ボード - Google Patents

養生ボード

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JP3494985B2 JP2000366198A JP2000366198A JP3494985B2 JP 3494985 B2 JP3494985 B2 JP 3494985B2 JP 2000366198 A JP2000366198 A JP 2000366198A JP 2000366198 A JP2000366198 A JP 2000366198A JP 3494985 B2 JP3494985 B2 JP 3494985B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築工事の際に用
いられる養生ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】一般の一戸建て住宅や集合住宅などの建
築においては、通常、柱、屋根、外壁の順に施工され、
次いで、床組みが行なわれる。この床組みの時点で、内
壁の施工に先立ち、仕上げ材の一つであるフローリング
が敷設される。内壁の施工に先立って、フローリングを
敷設する理由は、フローリングをその端部が内壁の下側
に潜り込んだ形で敷設する必要があるからである。フロ
ーリングの敷設が完了すると、内壁下地、内壁仕上げ、
天井張り、各種設備の設置、電気配線などの内装関係の
工事が順次進められる。
【0003】この内装工事では、内壁材などの切断によ
って切断粉が発生したり、塗装作業に伴ってペンキが滴
下したり、あるいは、設備取付け工事に使用する電気ド
リルなどの重量物を不用意に落下してしまったりといっ
た事態が生じる。このため、切断粉やペンキあるいは重
量物の落下からフローリングを保護する必要があり、そ
のため、従来、以下のような対策が講じられている。す
なわち、フローリングの上に厚さ3〜4mmのベニヤ板
を複数枚敷き詰め、さらにその上に、フィルム状のプラ
スチックシートを複数枚敷き詰めて、隣同士のプラスチ
ックシートをガムテープでつなぎ合わせるといったこと
が行なわれている。
【0004】これにより、一戸建て住宅で通常3〜4週
間を要する内装工事の間、切断粉の散乱やペンキの滴下
からはプラスチックシートにより、また、重量物の落下
からはベニヤ板によって、フローリングが保護されるこ
ととなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにベニヤ板を直接、フローリングに敷き詰めたので
は、フローリング上に砂などの硬い物が落ちていた場合
などには、人がベニヤ板上を歩くと、砂がフローリング
に押しつけられて、フローリングに圧痕が残ったり、あ
るいは、ベニヤ板がフローリングに押し付けられた状態
で引きずられた場合には、当該砂によって擦り傷がつく
おそれがある。フローリングがこういった損傷を受ける
と、張り替えなければならず、建築の工期と費用に多大
な損失が発生してしまう。
【0006】また、上記従来の方法では、ベニヤ板の敷
設とプラスチックシートの敷設といったように、2回の
敷設作業が必要となって、手間がかかり作業性が悪いと
いった欠点がある。本発明は、上記した課題に鑑み、フ
ローリングとの間に砂などが入り込んだとしても、当該
フローリングに傷がつきにくく、かつ、作業性のよい養
生ボードを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る養生ボードは、紙製品からなる板材の
一方の主表面にプラスチックシートを貼着してなる養生
ボードであって、前記プラスチックシートの端部の少な
くとも一部が、前記板材の少なくとも端面まで延設され
た状態で、当該板材と貼着されていることを特徴とす
る。
【0008】さらに、前記プラスチックシートの端部の
少なくとも一部が、前記板材の他方の主表面にまで回り
込んだ状態で、当該板材と貼着されていることを特徴と
する。さらに、また、前記板材は方形に形成されてお
り、前記プラスチックシートの端部の前記一部は、当該
方形における2組の対辺の内の一方の組の対辺に対応す
る部分であることを特徴とする。
【0009】また、前記板材は、25体積%以上97体
積%未満の古紙と、0体積%を超え50体積%以下の樹
脂成分と、3体積%以上25体積%以下のバージンパル
プとからなる再生紙層を含むことを特徴とする。また、
前記板材は、前記再生紙層の少なくとも前記プラスチッ
クシートが配される側の面にドライヤの表面温度に対し
耐熱性を有する紙、布、又は不織布のいずれかの保護層
を接合し各層を積層してなる積層体であり、当該積層体
のプラスチックシートの配されている側の表面が凹凸に
形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1(a)は、実施の
形態に係る養生ボード100の一例を示す外観斜視図で
ある。本図に示すように、当該養生ボード100は、縦
L×横Wの寸法が約1800×900[mm]または約
2000×1000[mm]で、厚みTが約5[mm]
の方形板状をしており、フローリング敷設後、内装工事
が終了するまでの間、当該フローリングの上に複数枚敷
き詰められ、当該フローリングの養生に使用される。な
お、養生ボードのサイズや形状は上記の2種類のものに
限らないことはもちろんであり、任意のサイズや形状が
考えられる。
【0011】同図(b)の縦断面図(A・A断面図)に
示すように、養生ボード100は、ラミネートフィルム
110と3枚の再生紙シート120,130,140を
積層した構造からなり、各部材間は接着剤で貼着接合さ
れている。3枚の再生紙シートの内、上部シート120
の厚みは約2mmで、残りの中部シート130と下部シ
ート140の厚みは共に約1.5mmである。以下、再
生紙シート120,130,140からなる積層体を積
層体ボード150と言う。
【0012】また、同図(c)の横断面図(B・B断面
図)に示すように、養生ボード100の短辺方向のラミ
ネートフィルム110端部(長辺に対応する端部)は、
積層体ボード150の下面に回り込んだ状態で貼着され
ている。回り込んでいる長さMは、40〜50mmであ
る。ラミネートフィルム(プラスチックシート)には、
ポリプロピレンやポリエチレンなどが用いられ、その厚
みは、50〜200[μm](好ましくは、50〜10
0[μm])の範囲から選択される。
【0013】さらに、積層体ボード150上面には、縦
横に一定の間隔で凹部151が形成されており、積層体
ボード150上面は、全体的に凹凸に形状に形成されて
いる。図2(a)に養生ボード100の一部を拡大した
斜視図を示す。本図に示すように、この凹部151は、
約5×1mm程度の長方形の開口部を有し、深さが約
1.5mmの形状をしており、縦横に約4mmの間隔で
設けられている。
【0014】再生紙シート120は、図2(b)に示す
ように、樹脂成分を含む再生紙層121の片面又は両面
に(本例では、両面)、ドライヤの表面温度に対して耐
熱性を有する紙、布、又は不織布いずれかの保護層12
2u,122dを接合し各層を積層してなるものであ
る。保護層の厚みは、約0.1mm程度である。なお、
他の再生紙シート130,140も厚みが異なる以外
は、再生紙シート120と同じ構成である。再生紙シー
トの製造方法は、特許公報(特許第2933824号)
に開示されており、後で簡単に説明するが、当該再生紙
シートを構成する上記再生紙層121は、例えば紙おむ
つ、衛生紙綿パットの製造不良品や製造過程で発生する
切断屑、ポリエチレン又はポリプロピレンのラミネート
紙あるいはペットボトルの使用済回収品、これらの製造
不良品や製造過程で発生する切断屑、不織布の裁屑など
の樹脂成分を含む様々な紙製品、すなわち古紙類を再生
原料として製造されるものである。
【0015】このように、再生紙層は、古紙を再生原料
として製造されるため紙特有の柔軟性を有しており、そ
のため、当該再生紙層を有する再生紙シートは、後述す
る理由から、一応養生ボードに適した素材なのである
が、本発明者は、さらに研究を重ね、再生紙層を構成す
る成分の最適な割合を見出した。すなわち、古紙と樹脂
とバージンパルプを原料として用いることとし、これら
の最適混合割合を以下のように設定することとした。
【0016】バージンパルプは、再生紙層に適度な弾力
性をもたせることを目的として配合されるものであり、
3体積%以上25体積%以下の割合で混合される。3体
積%未満であると、弾力性に欠けることとなり、電気ド
リルなどの想定される落下物に対する衝撃吸収性がほと
んど発揮されなくなる。25体積%を越えると、嵩密度
が低くなり、いわゆるフワフワの状態になって、やは
り、満足な衝撃吸収性が得られない。
【0017】上記最適範囲外となるいずれの場合にも、
再生紙層を分厚くすれば問題ないように思われるが、養
生ボードは、約4〜6mm程度(好ましくは5mm)の
厚みに形成する必要があり、この範囲内において最適な
バージンパルプの混合割合が上記の割合なのである。す
なわち、詳細なデータは省略するが、養生ボードの厚み
を4mm未満にした場合には、上記3種類の原料の混合
比率をいかに設定しても、従来使用されているベニヤ板
の有する対衝撃性(フローリングを想定される落下物か
ら保護する能力)と同等以上のものが得られないといっ
た試験結果が出されている。一方、養生ボードの厚みが
6mmを超えてしまうと、養生ボードをフローリングに
固定する作業がしにくくなるのである。後述するよう
に、複数枚敷き詰められた養生ボードの内、端に配され
たものについては、ガムテープでフローリングに固定さ
れるのであるが、このとき、養生ボードの厚みが6mm
を超えていると(養生ボード上面とフローリングの段差
が大きくなり)、市販されているスタンダードタイプの
ガムテープでの固定作業がしにくくなるからである。
【0018】古紙の混合割合は、25体積%以上97体
積%未満である。25体積%未満だと、バージンパルプ
と樹脂とで残りの75体積%以上を占めることとなり、
この場合、バージンパルプをその上限の25体積%とし
ても樹脂が50体積%を越えてしまうこととなる。樹脂
が多すぎると、抄紙して再生紙層を製造する場合の繊維
の絡みが悪くなり、シート状に成型しづらくなってしま
うのである。一方、古紙が、97体積%を越えると、バ
ージンパルプの混合割合が、3体積%未満となり上記し
た問題が生じてしまう。
【0019】樹脂の混合割合は、0体積%を越え50体
積%以下である。50体積%を越えると、上記の問題が
生じてしまう。一方、0体積%を越えることとし、再生
紙層に樹脂を含んでもよいこととしたのは、以下の理由
による。紙おむつの不良品などの樹脂成分を含んだ紙製
品は、製造上の理由によりシート状の紙製品として再生
できず、産業廃棄物として焼却あるいは埋め立て処理す
る以外にはなかったのであるが、前記した特許公報に記
載されている技術により、再生が可能となった。本願発
明者は、この樹脂を含んだ再生紙製品を養生ボードの構
成部材に用い、資源の有効利用を一層促進しようと考え
たからである。
【0020】なお、再生紙層に樹脂成分を含まなくても
養生ボードとしての性能は確保できるため、古紙やバー
ジンパルプのみを原料として再生紙層を形成するように
してもよい。この場合、古紙とバージンパルプの混合割
合は、古紙が75体積%以上97体積%以下、バージン
パルプが3体積%以上25体積%以下となる。また、こ
の場合、樹脂成分を含まない紙製品から再生紙層を抄造
することとなるため、上記した保護層は不要である。
【0021】上記のように構成された養生ボード100
の使用方法について説明する。建築工事の際、柱、屋
根、外壁の順に施工され、次いで、床組みが終了し、フ
ローリングが敷設されると、養生ボード100が、当該
建築中の室内に搬入される。搬入された養生ボード10
0は、ラミネートフィルム110の貼着面を上に向けた
状態で、図3(a)に示すように、フローリングFの上
に敷き詰められる。このとき、図3(b)に示すよう
に、端に配される養生ボード100aは、壁面から少し
離した状態で敷かれる。なお、図3(b)は、図3
(a)において、矢印の方向から見た図である。上記の
ように敷き詰められた養生ボード100の内、端に配さ
れた養生ボードは、ガムテープGTでフローリングFに
固定される。また、隣接する養生ボード同士も、ガムテ
ープGTで、つなぎ合わされる。ガムテープGTで隣接
する養生ボード同士をつなぎ合わせるのは、ペンキなど
の液体が、養生ボード間の隙間からフローリングへと漏
れるのを防止するためである。
【0022】このように、養生ボード100は、ラミネ
ートフィルム110が一体的に貼着された構成となって
いるため、1回の敷設作業で済み、従来のようにベニヤ
板の敷設とプラスチックシートの敷設といった2回の敷
設作業を必要とするものと比較して、作業効率が向上す
る。また、養生ボード100は、フローリングと直接接
触する積層体ボード150が紙製品でできているため、
たとえ、養生ボード100とフローリングの間に砂など
の硬いものが入り込んだ状態で当該養生ボード100の
上を歩いたとしても、紙製品特有の柔軟性のゆえに、砂
は、養生ボード100(積層体ボード150)へめり込
んでしまって、フローリングを傷つけることがない。
【0023】さらに、積層体ボード150上面に形成さ
れている凹凸がすべり止めとなり、内装作業中の作業者
がすべって転倒するのを防止することができる。内装工
事が終了すると、各養生ボード100は、上記ガムテー
プGTが剥がされて、単体に分離される。上記したよう
に、養生ボード100のラミネートフィルム110は、
その端部が、積層体ボード150の下面に回り込んだ状
態で貼着されているので、ガムテープGTが剥がされて
も、ラミネートフィルム110が積層体ボード150か
ら剥離しにくい。
【0024】ラミネートフィルム110を積層体ボード
150に貼着するに際しては、ラミネートフィルム11
0を、積層体ボード150の一方の主表面(上面)のみ
に貼着することも考えるが、このようにすると、ガムテ
ープGTを剥がす際に、ラミネートフィルム110が、
積層体ボード150から剥がれてしまうおそれがある。
こうなると、当該養生ボードをその本来の機能が発揮さ
れる状態で再使用できなくなってしまう。そこで、本実
施の形態では、上記のような構成とすることで、ラミネ
ートフィルムの剥離を防止し、養生ボードを再使用でき
るようにしたのである。
【0025】単体に分離された各養生ボード100は、
室外(建物外)へと搬出される。このとき、当該養生ボ
ード100は、紙製品できており軟質なため、誤って、
仕上がった内装部分にぶつけてしまったとしても、当該
内装部分に傷などの損傷を加えることが防止できる。ベ
ニヤ板を用いた従来の場合には、ベニヤ板を内装部分に
ぶつけてしまうと、当該内装部分に傷がついてしまうと
いった問題が生じている。
【0026】図4は、養生ボード100の製造装置の概
略構成を示す図である。ロール状に巻かれた3本のロー
ルシート1,2,3が各々巻出装置4,5,6にセット
されており、各巻出装置4,5,6からシートが繰り出
される。ロールシートは、再生紙シートをロール状に巻
き取ったものであり、その厚みは、ロールシート1が約
2mmでロールシート2,3が約1.5mmである。ま
た、各ロールシートの幅は、完成した養生ボードの幅W
(図1参照)よりも長めになっている。
【0027】このロールシートの製造方法は、前記した
特許公報(特許第2933824号公報)に開示されて
いるので、その詳細な説明は省略し、ここでは、概略を
述べるに留める。紙おむつ、衛生紙綿パットの製造不良
品や製造過程で発生する切断屑、ポリエチレン又はポリ
プロピレンのラミネート紙あるいはこれらとアルミ箔の
ラミネート紙から作られたミルクカンやペットボトルの
使用済回収品、これらの製造不良品や製造過程で発生す
る切断屑、不織布の裁屑など樹脂成分を含む様々な紙製
品を再生原料とし、これらの1種類または2種類以上の
ものとバージンパルプとを適宜混合し、少なくとも離解
および叩解処理をして紙料を作成する。ここで、再生原
料として使用される紙製品における、紙(古紙)や樹脂
の割合は予めわかっているので、この混合比率を参考に
することにより、前記した古紙と樹脂とバージンパルプ
の混合割合を調整するのである。この紙料をフローボッ
クスから長網に供給して抄紙する。抄紙された湿紙の表
裏面に、薄紙ロールから保護層となるクレープ紙を繰り
出して接合し、これをプレスした後、ヤンキンドライ
ヤ、多筒式ドライヤで乾燥させて巻き取り、ロールシー
トを得るのである。なお、保護層には、既述したよう
に、紙以外に布や不織布を用いてもよい。要は、100
℃〜200℃の蒸気で加熱される上記ヤンキンドライ
ヤ、多筒式ドライヤの表面温度に対する耐熱性を有し、
上記湿紙を乾燥させる際に溶融する樹脂成分からドライ
ヤを保護できるものであればよいのである。
【0028】巻出装置5と巻出装置6との間には、ロー
ルコーター方式で接着剤を塗布する接着剤コーター7が
配置されており、当該接着剤コータ7によって、巻出装
置5から繰り出されたシートの両面に均一に接着剤が塗
付される。なお、接着剤は、酢酸エマルジョンビニル系
が使用される。他に、ウレタン系やアクリル系を使用し
てもよい。
【0029】接着剤が塗布されたシート2と、巻出装置
4から繰り出されたシート1および巻出装置6から繰り
出されたシート3とは、幅方向が重ね合わされた状態
で、貼り合わせ装置8に導入される。貼り合わせ装置8
は、上下に配された2本のロール8a,8bを有してい
る。上部ロール8aは、上記シートを加熱・型押しする
ものであり、筒状をしており、その外表面には、直方体
状の突起(不図示)が複数個形成されている。下部ロー
ル8の表面はフラット(円柱側面状)に形成されてい
る。上部ロール8aは、その外表面が40度〜180度
(好ましくは、60度〜70度)になるように、中空部
が蒸気で加熱されており、また、エアーシリンダ(不図
示)によって下部ロールに1500kgf(14710
N)の力で押しつけられている。上記2本のロールで上
記3枚のシートを挟圧しながら繰り出すと、当該3枚の
シートは圧着され、3層に積層された板状体123にな
ると共に、当該板状体123の上面が前記上部ロール8
aの突起でへこまされて、前記凹部151が形成され
る。シートには、樹脂成分が含まれており、熱を加える
ことにより当該樹脂成分が軟化または溶融するので、容
易に前記凹部を形成することができる。また、クレープ
紙(保護層)は、上部ロール8aの表面温度に対しても
耐熱性を有することは明らかであり、上部ロール8a
は、当該クレープ紙を介して加熱することとなるので、
溶融した樹脂成分が当該上部ロール8aにこびり付い
て、製造不能となることを防止できる。
【0030】凹部151が形成された板状体123は、
スリッタ9によってその幅方向両端部がトリミングされ
て、その幅が養生ボード(完成品)の短辺の長さ(90
0mmまたは1000mm)に調整される。なお、スリ
ッタ9は、製造する養生ボードのサイズに合わせて、ト
リミング幅を変更できるようになっている。両端部がト
リミングされた板状体123は、巻出装置10から繰り
出されるラミネートフィルム11と共に、貼り合わせ装
置12に導入される。当該ラミネートフィルム11は、
トリミング後の板状体123よりも90〜110mm幅
広のフィルムが用いられる。
【0031】また、ラミネートフィルム11を繰り出す
巻出装置10と貼り合わせ装置12の間には、ロールコ
ーター方式で接着剤を塗布する接着剤コーター13が配
されており、当該接着剤コーター13によって、ラミネ
ートフィルム11の片面(前記板状体123との貼着
面)に接着剤が一様に塗布される。なお、接着剤は、上
記したものと同じである。
【0032】接着剤が塗布されたラミネートフィルム1
1は、その幅方向両端部が略均等に板状体123からは
み出すように板状体123に重ねられ、当該板状体12
3と共に、貼り合わせ装置12に導入される。貼り合わ
せ装置12では、上下に配されたロール12a,12b
によって、ラミネートフィルム11が板状体123の上
面に貼り合わせられ、貼り合わせられたラミネートフィ
ルム11と板状体123は、フィルム巻込み装置12へ
導入される。
【0033】フィルム巻込み装置14は、図5に示すよ
うに、板状体123(ラミネートフィルム11)の走行
路に、対向して配置された2枚の折り板14a(手前側
の折り板は、図示省略)備えている。当該折り板14a
は、ラミネートフィルム11が貼着された板状体123
の走行に伴って、ラミネートフィルム11端部を、徐々
に板状体123の下面へと巻込んでいくような形状に形
成されている。ラミネートフィルム11と板状体123
が、上記折り板14aを通過すると、ラミネート11の
端部が板状体123に下面へ巻込まれる。なお、2枚の
折り板14aの間隔は、製造される養生ボードのサイズ
に応じて変更できるようになっている。
【0034】板状体123の下面に巻込まれたラミネー
トフィルム11端部は、続く貼り合わせロール15a,
15bによって、板状体123の下面に貼着され、この
状態で、フィードロール16により、ロータリカッター
方式の切断機17に導入されて、走行方向(長手方向)
定寸(1800mmまたは2000mm)に切断され
て、養生ボード100の形状に仕上げられる。なお、切
断寸法は、フィードロール16の送り量(回転量)を監
視し、切断機17を動作させるタイミングを、送り量で
変更することにより調整することができるようになって
いる。
【0035】形状の仕上がった養生ボードは、ベルトコ
ンベア装置18によって搬送され、スタッカ19に積載
される。養生ボードは、接着剤が乾燥すると使用可能と
なり、完成品となる。以上、本発明に係る養生ボードを
実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記
実施の形態に限られないことは勿論であり、例えば、以
下のような形態としてもよい。 (1)上記実施の形態では、積層体ボードの一方の主表
面(上面)に貼着したラミネートフィルムの端部を他方
の主表面(下面)にまで回り込ませて貼着することとし
たが、ラミネートフィルムの端部は少なくとも積層体ボ
ードの端面まで延設された状態で貼着されていればよ
い。少なくともこうすることで、ガムテープを剥がす際
に、ラミネートフィルムが積層体ボードから剥離しにく
くなるといった効果が得られるからである。なお、「端
面まで延設」とは、ラミネートフィルムの端部が、端面
と他方の主表面(下面)との角まで達していることまで
を要求するものではなく(達していても良い)、ラミネ
ートフィルムの端部が積層体ボードの端面に少しでも掛
かっていればよいといった趣旨である。 (2)上記実施の形態では、2ミリ厚の再生紙シート一
枚と1.5ミリ厚の再生紙シート二枚をこの順で積層す
ることにより積層体ボードを形成することとしたが、積
層の順序はこれに限らず任意である。また、積層体ボー
ド部分を単層のボード(再生紙ボード)として形成する
こととしても良い。すなわち、樹脂成分を含む再生紙層
を所定以上の坪量としてボード層を形成し、その片面ま
たは両面にドライヤの表面温度に対して耐熱性を有する
紙、布、または不織布のいずれかの保護層を接合し各層
を積層してなる再生紙ボードとしてもよい。なお、再生
紙ボードの製造方法については、前記特許公報に開示さ
れているので、その説明については省略する。 (3)上記実施の形態では、積層体ボードに直方体状の
突起を押込むことにより、当該積層体ボード表面を所定
の形状をした凹凸に形成したが、凹凸の形状はこれに限
られないことは勿論であり、すべり止めの目的が達成で
きるような凹凸形状に形成されていればよいのである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る養生
ボードは、紙製品からなる板材の一方の主表面にプラス
チックシートを貼着してなる構成をしているので、1回
の敷設作業で済み、従来のようにベニヤ板の敷設とプラ
スチックシートの敷設といった2回の敷設作業を必要と
するものと比較して作業効率の向上が図れる。
【0037】また、紙製品特有の柔軟性により、養生ボ
ードとフローリングの間に砂などの硬いものが入り込ん
だとしても、砂は養生ボードへめり込んでしまい、当該
砂によってフローリングに傷がつくのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、養生ボードの一例を示す概観斜視図
である。(b)は、上記(a)におけるA・A断面図で
ある。(c)は、上記(a)におけるB・B断面図であ
る。
【図2】(a)は、上記養生ボードの一部を切断して拡
大した斜視図である。(b)は、上記養生ボードの構成
部材の一つである再生紙シートの概略断面図である。
【図3】(a)は、養生ボードの使用態様を示す図であ
る。(b)は、上記(a)において、矢印の方向から見
た図である。
【図4】養生ボードの製造装置(工程)を示す図であ
る。
【図5】上記製造装置におけるフィルム巻込み装置の一
部を示す概観斜視図である。
【符号の説明】
110 ラミネートフィルム 120,130,140 再生紙シート 121 再生紙層 121u,121d 保護層 150 積層体ボード 151 凹部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙製品からなる板材の一方の主表面にプ
    ラスチックシートを貼着してなる養生ボードであって、 前記プラスチックシートの端部の少なくとも一部が、前
    記板材の少なくとも端面まで延設された状態で、当該板
    材と貼着されていることを特徴とする養生ボード
  2. 【請求項2】 前記プラスチックシートの端部の少なく
    とも一部が、前記板材の他方の主表面にまで回り込んだ
    状態で、当該板材と貼着されていることを特徴とする請
    求項記載の養生ボード。
  3. 【請求項3】 前記板材は方形に形成されており、前記
    プラスチックシートの端部の前記一部は、当該方形にお
    ける2組の対辺の内の一方の組の対辺に対応する部分で
    あることを特徴とする請求項または記載の養生ボー
    ド。
  4. 【請求項4】 前記板材は、25体積%以上97体積%
    未満の古紙と、0体積%を超え50体積%以下の樹脂成
    分と、3体積%以上25体積%以下のバージンパルプと
    からなる再生紙層を含むことを特徴とする請求項1〜
    のいずれか1項に記載の養生ボード。
  5. 【請求項5】 前記板材は、前記再生紙層の少なくとも
    前記プラスチックシートが配される側の面にドライヤの
    表面温度に対し耐熱性を有する紙、布、又は不織布のい
    ずれかの保護層を接合し各層を積層してなる積層体であ
    り、当該積層体のプラスチックシートの配されている側
    の表面が凹凸に形成されていることを特徴とする請求項
    記載の養生ボード。
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