JP3494737B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸気制御装置

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JP3494737B2
JP3494737B2 JP3872995A JP3872995A JP3494737B2 JP 3494737 B2 JP3494737 B2 JP 3494737B2 JP 3872995 A JP3872995 A JP 3872995A JP 3872995 A JP3872995 A JP 3872995A JP 3494737 B2 JP3494737 B2 JP 3494737B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の吸気制御装置
に係り、詳しくは内燃機関のシリンダヘッドの吸気ポー
トに連通する吸気通路を開閉する弁が一体に組み込まれ
た吸気制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、内燃機関の燃費向上等を目的とし
て、燃焼室内の吸気流動(スワール)を運転状態に応じ
て可変制御する技術が種々提案されている。例えば、図
7に示すように、エンジン40の各気筒毎に2つの吸気
ポート41,42と、2つの排気ポート43,44とを
設け、各吸気ポート41,42に対応して吸気通路をサ
ージタンク45の下流にて第1の吸気通路46と第2の
吸気通路47とに分割したものがある(特開昭59−1
92825号公報)。各第2の吸気通路47の途中には
アクチュエータ48により開閉されるスワール制御弁4
9が介装されている。そして、スワール制御弁49の取
付けを容易にするために、図8に示すように、通路5
0,51を一体的に形成するとともに、スワール制御弁
49を組み込んだ短いバルブボディ(スペーサ)52を
設け、バルブボディ52を前記吸気通路46,47とシ
リンダヘッド53の吸気ポート41,42との間に組付
けるようにしている。各スワール制御弁49はアクチュ
エータ48の両側に配設されたシャフト54にそれぞれ
一体回動可能に固定されている。そして、シャフト54
はバルブボディ52に各通路50,51と直交するよう
に形成された孔を貫通した状態で組付けられ、孔の壁面
において回動可能に支承される。 【0003】一般に、バルブボディ52はアルミダイカ
スト等による金属製のため、シリンダヘッド53及びエ
ンジン冷却水通路からの熱がバルブボディ52を介して
サージタンク(吸気マニホールド)45に伝わり易い。
このためサージタンク45の温度上昇により吸気充填効
率等に悪影響を及ぼす虞があった。この問題点を解消す
るため、実開昭62−88875号公報には、前記バル
ブボディ52を熱硬化性樹脂にて形成した内燃機関の吸
気路装置が提案されている。 【0004】また、自動車においては軽量化及びコスト
低減のため、種々の部品の樹脂化が進められており、こ
の観点からもバルブボディ52を樹脂製にすることが望
ましい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】バルブボディ52をア
ルミダイカストで形成した場合は、スワール制御弁49
の作動に問題はない。しかし、バルブボディ52を樹脂
製とした場合は、スワール制御弁49の作動に問題が生
じる。即ち、樹脂、特に熱可塑性樹脂は成形時の収縮が
大きく、金型による成形で各孔を形成した場合は、シャ
フトが円滑に回動できる程度に各孔の真円度及び同軸度
を高めることができない。成形後に孔を機械加工すれば
この問題は解決するが、機械加工によって製造コストが
高くなり、樹脂製とするコストメリットがなくなる。 【0006】また、樹脂単独でバルブボディ52を形成
した場合は多くの樹脂において強度が不十分となるた
め、一般にガラス繊維で強化された樹脂がバルブボディ
52の材料として使用される。ガラス繊維強化樹脂を材
料とした場合は、繊維の配向方向により熱膨張量が異な
るため、温度変化が大きいときには孔の真円度が低下す
る。しかも、樹脂が孔側に膨張してシャフトと当接する
状態となり、シャフトが回動し難くなる。 【0007】熱膨張時にシャフトが孔の壁面に当接する
のを防止するため、シャフトと孔の壁面との間にクリア
ランスを設ける場合、シャフトの材料である金属の熱膨
張率に比較して樹脂の熱膨張率が大きいため、前記クリ
アランスを大きくする必要がある。例えば、ナイロンの
熱膨張率はアルミニウムの4倍程度であり、樹脂として
ナイロンを使用した場合は、アルミニウムのほぼ4倍の
クリアランスが必要となり、孔からのエア漏れ量が大き
くなってスワールが減衰する。 【0008】一方、シャフトを孔で直接支承する代わり
に、樹脂成形時に型内に軸受を配置して一体成形するこ
とが考えられる。しかし、成形時の収縮により各軸受の
同軸度を確保することが難しい。 【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は吸気通路が形成された本体に回
動可能に支持されたシャフトに対して前記吸気通路を開
閉する弁を一体回動可能に装着した吸気制御装置におい
て、本体を樹脂製とした場合に熱膨張により本体が変形
してもシャフトが円滑に回動できる内燃機関の吸気制御
装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明においては、内燃機関の吸気ポ
ートに吸入空気を導く吸気通路が形成された樹脂製の
体に回動可能に支持されたシャフトに対して前記吸気通
路を開閉する弁を一体回動可能に固定した吸気制御装置
であって、前記本体を前記シャフトの軸心を含む面にお
いて2分割し、前記シャフトを回動可能に支持する軸受
ブッシュを前記本体の分割面に形成された凹部に回動不
能に配置し、該軸受ブッシュの材料として前記本体を構
成する樹脂より硬くかつ前記シャフトの熱膨張率に近い
熱膨張率の材料を使用した。 【0011】 【作用】請求項1に記載の発明によれば、弁が一体回動
可能に固定されたシャフトは軸受ブッシュを介して本体
に支持される。本体はシャフトの軸心を含む面において
2分割された状態で別々に成形された後、分割面が当接
するように組付けられる。軸受ブッシュは分割面に形成
された凹部に配置された状態で挟持される。ブッシュと
凹部壁面との間には組付けを容易とするためのクリアラ
ンスが存在する。内燃機関の運転時には吸入空気が吸気
通路を通過して吸気ポートに導かれる。弁はシャフトと
一体に回動されて吸気通路を開閉する。 【0012】内燃機関の運転時にシリンダヘッドからの
熱伝達により吸気制御装置全体の温度が上昇する。温度
上昇に伴って本体、軸受ブッシュ及びシャフトが熱膨張
する。樹脂製の本体の熱膨張率は軸受ブッシュ及びシャ
フトの熱膨張率に比較して大きく、熱膨張の際、凹部壁
面の一部が軸受ブッシュ側に膨出し、当該膨出部は軸受
ブッシュと凹部壁面との間のクリアランスを埋めて軸受
ブッシュと当接する状態となる。この状態からさらに本
体が膨張すると、軸受ブッシュが本体より硬いため、膨
張に伴う変形が本体側で吸収されて軸受ブッシュの位置
はほとんど変化しない。また、軸受ブッシュの熱膨張率
はシャフトの熱膨張率に近いため、軸受ブッシュ及びシ
ャフトの遊嵌状態は殆ど変化しない。従って、内燃機関
の運転時に吸気制御装置全体の温度が上昇しても、シャ
フトは円滑に回動する。 【0013】 【実施例】以下、本発明をスワールコントロールバルブ
装置(以下、単にバルブ装置という)1に具体化した一
実施例を図1〜図6に従って説明する。図4は本発明に
係るバルブ装置1を装備した内燃機関としてのガソリン
エンジン(以下、単にエンジンという)2の一部と、吸
気マニホールド3とを示している。エンジン2は複数
(この実施例では4個)の気筒♯1,♯2,♯3,♯4
と、各気筒♯1〜♯4に対応して設けられた複数(気筒
数と同数)の燃焼室(図示せず)を備えている。シリン
ダヘッド4には各燃焼室に対応してそれぞれ第1及び第
2の吸気ポート5a,5bが形成されている。吸気ポー
ト5a,5bは連通部(図示せず)によって連通される
とともに、連通部に面して燃料噴射ノズル4aが設けら
れている。 【0014】吸気マニホールド3は1本の入口路3a
と、その下流側に位置するサージタンク3bと、サージ
タンク3bの下流側に位置する複数本(この実施例では
8本)の分岐路3cとから構成されている。バルブ装置
1には吸気ポート5a,5bと対応する吸気通路1a,
1bが4組形成されている。吸気マニホールド3は各分
岐路3cにおいて各吸気通路1a,1bに接続され、各
吸気通路1a,1bを介して吸気ポート5a,5bに連
通されている。 【0015】図2はバルブ装置1をシリンダヘッド4へ
の接続側から見た図を2つに分割して示した図であり、
(a)の右端と(b)の左端とが連続する。バルブ装置
1を構成する本体としてのバルブボディ6は、例えばガ
ラス繊維強化熱可塑性樹脂(ナイロン)にて形成されて
いる。図1〜図3に示すように、バルブボディ6は各吸
気通路1a,1bの各開口端が形成される両面が互いに
平行な平面となるように形成されている。バルブボディ
6はシリンダヘッド4への接続面と平行な平面、即ち4
組の吸気通路1a,1bの軸方向と交差する平面で2分
割された2個のボディ構成片6a,6bによって構成さ
れている。2個のボディ構成片6a,6bはその周縁に
形成されたねじ孔6cに螺合されるボルト(図示せず)
により互いに接合固定されるようになっている。シリン
ダヘッド4側となる第1のボディ構成片6aには4組の
吸気通路1a,1bの周縁に凹部7が形成され、凹部7
で位置決めされてシリンダヘッド4に取付けられるよう
になっている。 【0016】図1はバルブボディ6の断面図を2つに分
割して示した図であり、(a)の右端と(b)の左端と
が連続する。バルブボディ6の分割面8にはその長手方
向に沿って延びるとともに、各吸気通路1a,1bを貫
通するようにシャフト9が取付けられている。各ボディ
構成片6a,6bの対向面、即ち分割面8には軸受ブッ
シュ10a,10bを収容する凹部11a,11bと、
シャフト9の大径部9aを収容する凹部12とが形成さ
れている。凹部11a,11bは各吸気通路1a,1b
の間にそれぞれ形成されている。 【0017】シャフト9は各凹部11a,11bに回動
不能に収容された軸受ブッシュ10a,10bを貫通す
るとともに、その第1端部がバルブボディ6の第1端部
から突出する状態で軸受ブッシュ10a,10bに回動
可能に支持されている。シャフト9は吸気通路1bと対
応する部分が断面半円形に形成され、吸気通路1aと対
応する部分が他の部分より小径に形成されている。断面
半円形に形成された取付け部9bの平面部には吸気通路
1bの開口に対応した形状(この実施例ではほぼ円形
状)の弁13がねじ14により一体回動可能に固定され
ている。シャフト9の第1端部にはダストシール15が
嵌着されている。 【0018】図3(a)に示すように、各吸気通路1b
には弁13が鎖線で示す全閉位置に配置されたときに弁
13の周縁の一部と係合してその回動を規制する係合部
16が形成されている。また、図3(a),(b)に示
すように、第2のボディ構成片6bの分割面8には各吸
気通路1及び凹部11a,11b,12の近傍にそって
凹部17が形成されるとともに、凹部17にシール部材
18が収容されている。 【0019】軸受ブッシュ10a,10bはバルブボデ
ィ6の材料より硬くかつ前記シャフト9の熱膨張率に近
い熱膨張率の材料で形成されている。この実施例ではシ
ャフト9はスチールで形成され、軸受ブッシュ10a,
10bはアルミニウムで形成されている。熱膨張率が近
いとは両者の熱膨張率の差が、アルミニウムとスチール
の熱膨張率の差程度以内であることを意味する。軸受ブ
ッシュ10a,10bはシャフト9と連れ回りしないよ
うに、その断面が円形以外の形状に形成されている。軸
受ブッシュ10a,10bを収容する凹部11a,11
bは組付けを容易とするための適当なクリアランスが軸
受ブッシュ10a,10bとの間に存在するように形成
されている。シャフト9の大径部9aを収容する凹部1
2は熱膨張による変形が生じても、凹部12の壁面がシ
ャフト9に当接しないように大径部9aとの間に充分な
クリアランスが形成される大きさに形成されている。 【0020】図2,5,6に示すように、バルブボディ
6の第1端部にはブラケット19がシリンダヘッド4と
反対側へ延びるようにボルト20により固定されてい
る。ブラケット19には支持ブラケット21がボルト2
2及びナット23により固定され、支持ブラケット21
にはダイヤフラム(図示せず)を内蔵したアクチュエー
タ24が固定されている。シャフト9の第1端部にはレ
バー25が一体回動可能に固定されている。アクチュエ
ータ24からは基端がダイヤフラムに固定されたロッド
26がシャフト9と直交する方向に延び、その先端がレ
バー25にピン27を介して回動可能に連結されてい
る。レバー25にはシャフト9と平行に延びる係止片2
5a,25bが一体に形成されている。支持ブラケット
21には第1の係止片25aと係合してレバー25の回
動を規制する規制片21aが一体に形成されている。係
止片25aが規制片21aと係合する位置が弁13の全
開位置に設定されている。規制片21aにはねじ孔21
bが形成され、ねじ孔21bに調整ねじ28が取付けら
れている。規制片21aと調整ねじ28との間には緩み
止め用のスプリング29が介装されている。調整ねじ2
8は第2の係止片25bと当接してその回動を規制す
る。係止片25bが調整ねじ28と係合する位置が弁1
3の全閉位置に設定されている。 【0021】アクチュエータ24には負圧室(図示せ
ず)に連通する負圧供給口30が設けられている。負圧
供給口30は図4に示すように、負圧通路31を介して
サージタンク3bに接続されるようになっている。負圧
通路31の途中にはサージタンク3b内の負圧を一時蓄
えておくためのバキュームタンク32が設けられ、アク
チュエータ24及びバキュームタンク32間には三方式
電磁弁33が介在されている。そして、コンピュータ
(図示せず)によって電磁弁33が開閉制御され、アク
チュエータ24が作動されるようになっている。 【0022】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。バルブボディ6にシャフト9を組付ける場合
は、先ずシャフト9の所定位置に軸受ブッシュ10a,
10bを取付ける。次に凹部17にシール部材18を収
容した後、各軸受ブッシュ10a,10bを両ボディ構
成片6a,6bの各凹部11a,11bと対応する位置
に配置した状態で両ボディ構成片6a,6bをボルトに
より締付ける。両ボディ構成片6a,6bの成形時の収
縮により各凹部11a,11bの同軸度が低いため、締
付け時に一部の軸受ブッシュ10a,10bが凹部11
a,11bと強く当接する場合がある。しかし、軸受ブ
ッシュ10a,10bがバルブボディ6の材料である樹
脂より硬い材料で形成されているため、軸受ブッシュ1
0a,10bが変形せずに各凹部11a,11b側が変
形する。その結果、締付け後も全ての軸受ブッシュ10
a,10bはシャフト9が円滑に回転できる同軸度を保
った位置に保持される。その後、バルブボディ6の第1
端部にアクチュエータ24、レバー25等が組付けられ
る。 【0023】バルブ装置1は図4に示すように、エンジ
ン2のシリンダヘッド4と吸気マニホールド3との間に
組付けられる。バルブボディ6はシリンダヘッド4及び
吸気マニホールド3と対向する面が互いに平行に形成さ
れ、かつ分割面8が前記両面と平行に形成されているた
め、組付けが容易となる。 【0024】エンジン2の運転時、サージタンク3bか
らの吸気は分岐路3c、吸気通路1a,1b及び吸気ポ
ート5a,5bを通り、燃料噴射ノズル4aから噴射さ
れた燃料と混合されて燃焼室に吸入される。吸気通路1
bに配設された弁13はアクチュエータ24の作動によ
りその開閉が制御される。コンピュータからの信号によ
り電磁弁33が開かれると、バキュームタンク32内の
負圧がアクチュエータ24の負圧室に導入される。この
負圧導入によりダイヤフラムが撓んでロッド26が図6
の左方へ移動し、レバー25ともにシャフト9及び弁1
3が回動されて吸気通路1bが閉鎖される。コンピュー
タからの信号により電磁弁33が閉じられると、大気圧
がアクチュエータ24の負圧室へ導かれる。この大気圧
導入によりロッド26が突出側へ移動し、レバー25と
もにシャフト9及び弁13が回動されて吸気通路1bが
開放される。弁13の全開位置は係止片25aが規制片
21aと係合することにより規制され、全閉位置は係止
片25bが調整ねじ28と係合することにより規制され
る。エンジン2の低、中速域では弁13は閉じられ、エ
ンジン2の高速域では弁13が開かれる。 【0025】エンジン2の運転時にシリンダヘッド4か
らの熱伝達によりバルブボディ6、軸受ブッシュ10
a,10b及びシャフト9の温度が上昇し、温度上昇に
伴ってバルブボディ6、軸受ブッシュ10a,10b及
びシャフト9が熱膨張する。樹脂製のバルブボディ6の
熱膨張率は軸受ブッシュ10a,10b及びシャフト9
の熱膨張率に比較して大きく、しかもガラス繊維で強化
されているため膨張量がガラス繊維の配向方向によって
異なる。その結果、熱膨張の際、凹部11a,11bの
壁面の一部が軸受ブッシュ10a,10b側に膨出し、
当該膨出部は軸受ブッシュ10a,10bと凹部11
a,11bの壁面との間のクリアランスを埋めて軸受ブ
ッシュ10a,10bと当接する状態となる。この状態
からさらにバルブボディ6が膨張すると、軸受ブッシュ
10a,10bがバルブボディ6より硬いため、膨張に
伴う変形がバルブボディ6側で吸収されて軸受ブッシュ
10a,10bの位置はほとんど変化しない。また、軸
受ブッシュ10a,10bの熱膨張率はシャフト9の熱
膨張率に近いため、軸受ブッシュ10a,10b及びシ
ャフト9の遊嵌状態は殆ど変化しない。従って、エンジ
ン2の運転時にバルブ装置1の温度が上昇しても、シャ
フト9は弁13とともに円滑に回動し、バルブ装置1本
来の機能が達成される。 【0026】前記のようにシャフト9を支持する軸受ブ
ッシュ10a,10bの同軸度がバルブボディ6の熱変
形の前後でほとんど変化せず、精度良く配置された初期
の状態に保持されるため、シャフト9に加わる捩じり力
が小さくなる。従って、シャフト9の径を、弁13を設
けない吸気通路1aと対応する部分において部分的に小
さくしたり、弁13の固定を容易にするために偏平部分
を形成しても捩じり力に十分耐え得る。 【0027】この実施例においては、バルブボディ6を
形成する樹脂として熱可塑性樹脂であるナイロンを使用
しているため、熱硬化性樹脂を使用した場合と異なり、
リサイクルが可能となり資源の有効利用に役立つととも
に、より低コストとなる。また、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィンを使用した場合に比較して耐熱性が良く
なる。 【0028】また、この実施例においては、弁13は全
閉位置に配置された際に、係合部16と係合してその回
動が規制され、弁13に作用する吸気の力の大部分を係
合部16が受ける状態となる。従って、全閉状態におい
てはシャフト9に捩じり力がほとんど作用せず、シャフ
ト9のより細径化によって吸気抵抗をより減少させてエ
ンジン出力を向上させることが可能となる。 【0029】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば次に示す別の実施例に具体化しても
よい。 (1)バルブボディ6の材料として他の熱可塑性樹脂を
使用したり、熱硬化性樹脂を使用してもよい。また、樹
脂の強化材としてガラス繊維以外の強化材、例えば金属
繊維や炭素繊維あるいはアラミド繊維を使用したり、繊
維以外の強化材を使用してもよい。また、樹脂自身の強
度がバルブボディ6の要求性能を満たす場合は強化材は
混合する必要がない。 【0030】(2)軸受ブッシュ10a,10bの材料
はバルブボディ6の材料より硬く、熱膨張率がアルミニ
ウムと同等、即ちシャフト9の熱膨張率に近いものであ
ればよく、黄銅、ジュラルミン、ステンレス鋼等の合金
やセラミックスを使用してもよい。また。ポリイミドの
ように硬くて熱膨張率の小さな樹脂を使用してもよい。
軸受ブッシュ10a,10bは各吸気通路1a,1bの
両側にそれぞれ配設する必要はなく、シャフト9を円滑
に回転可能な状態で支持するのに必要な数だけあればよ
い。 【0031】(3)バルブボディ6を分割する場合、分
割面はシリンダヘッド4への取付け面と平行な平面に限
らず、取付け面と任意の角度で交差する平面で分割して
もよい。また、吸気通路1a,1bの軸線と交差する平
面で分割する代わりに、吸気通路1a,1bの軸線を含
む平面で分割してもよい。また、分割面は平面に限らず
波板状の面や曲面であってもよい。 【0032】(4)各吸気ポート5a,5bが完全に独
立して形成されたスワールコントロールバルブ装置1に
適用してもよい。この場合、バルブボディ6に燃料噴射
ノズルを一体に組付けてもよい。 【0033】(5)特開昭59−192825号公報に
開示された装置のように、バルブボディを長手方向の中
央で左右に分割するとともにシャフトを左右別個に配設
し、バルブボディの中央に配設したアクチュエータによ
り両シャフトを一体的に回動する構成の装置に適用して
もよい。 【0034】(6)スワールコントロールバルブ装置1
に限らず、エンジンの各気筒に吸気ポートが1個ずつ設
けられ、サージタンクの下流側に各吸気ポートと連通す
る分岐路が形成されるとともに、各分岐路毎にスロット
ルバルブが設けられた、所謂独立スロットルタイプのエ
ンジンに適用してもよい。この場合、弁としての各スロ
ットルバルブが固定されるシャフトが、2分割されたバ
ルブボディに前記実施例と同様に軸受ブッシュを介して
回動可能に支持される。また、シャフトに固定される弁
の数が複数の場合に限らず、単気筒のエンジンに適用し
てもよい。いずれの場合も前記実施例と同様に、エンジ
ンの運転時における温度上昇により、シャフトが装備さ
れているバルブボディが熱変形してもシャフトは常に円
滑に回動できる。 【0035】(7)シール部材18は必ずしも必要では
なく、ボディ構成片6a,6bの少なくとも一方に突条
を設け、組付け時に突条を潰すように押圧してシール部
を形成してもよい。 【0036】(8)アクチュエータはダイヤフラム式の
ものに限らず、モータでシャフトを駆動する構成、例え
ばシャフトの端部にウォームを設け、ウォームと噛合す
るウォームホイールをモータで駆動する構成としてもよ
い。この場合、弁13の開度を任意に調整できる。 【0037】前記実施例及び変更例から把握できる請求
項記載以外の発明について、以下にその効果とともに記
載する。 (1)請求項1に記載の発明において、樹脂として熱可
塑性樹脂を使用する。この場合、樹脂のリサイクルが可
能となり、資源の有効利用に役立つとともに、熱硬化性
樹脂を使用する場合より低コストとなる。 【0038】(2)請求項1に記載の発明及び上記
(1)において、各吸気通路の各開口端が形成される両
面を互いに平行な平面となるように本体を形成し、前記
本体を前記平面と平行な面で2分割する。この場合、吸
気制御装置自身の組付けと、エンジンに対する組付けと
が容易となる。 【0039】(3)請求項1に記載の発明及び上記
(1),(2)において、少なくとも一方の分割面に分
割面におけるシール作用をなす突条を一体に形成する。
この場合、独立したシール部材を使用する場合に比較し
て、吸気制御装置の組付けが容易となる。 【0040】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、樹脂製の本体がシャフトの軸心を含む面
において2分割され、その分割面に回動不能に配置され
た軸受ブッシュによりシャフトが回動可能に支持され、
しかも軸受ブッシュの材料として本体の樹脂より硬くか
つシャフトの熱膨張率に近い熱膨張率の材料を使用して
いる。そのため、樹脂製としたメリットを損なわず、し
かも熱膨張により本体が変形してもシャフトが円滑に回
動できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 一実施例のバルブ装置の断面図。 【図2】 バルブ装置の底面図。 【図3】 (a)は図2のA−A断面図、(b)は図2
のB−B断面図。 【図4】 バルブ装置を装備したエンジンの吸気系の概
略図。 【図5】 バルブ装置の部分正面図。 【図6】 バルブ装置の側面図。 【図7】 従来装置の概略底面図。 【図8】 同じくバルブボディの正面図。 【符号の説明】 1…吸気制御装置としてのバルブ装置、2…内燃機関と
してのエンジン、1a,1b…吸気通路、4…シリンダ
ヘッド、5a,5b…吸気ポート、6…本体としてのバ
ルブボディ、6a,6b…ボディ構成片、8…分割面、
9…シャフト、10a,10b…軸受ブッシュ、11
a,11b…凹部、13…弁。
フロントページの続き (72)発明者 藤田 進 神奈川県横浜市都筑区早渕2丁目2番1 号 デュポン 株式会社 中央技術研究 所 内 (56)参考文献 実開 昭63−118335(JP,U) 実開 昭60−72926(JP,U)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内燃機関の吸気ポートに吸入空気を導く
    吸気通路が形成された樹脂製の本体に回動可能に支持さ
    れたシャフトに対して前記吸気通路を開閉する弁を一体
    回動可能に固定した吸気制御装置であって、前記本体を
    前記シャフトの軸心を含む面において2分割し、前記シ
    ャフトを回動可能に支持する軸受ブッシュを前記本体の
    分割面に形成された凹部に回動不能に配置し、該軸受ブ
    ッシュの材料として前記本体を構成する樹脂より硬くか
    つ前記シャフトの熱膨張率に近い熱膨張率の材料を使用
    した内燃機関の吸気制御装置。
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