JP3492496B2 - 燃焼排ガス循環量の調整を行うボイラ - Google Patents

燃焼排ガス循環量の調整を行うボイラ

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は燃焼排ガスを混合するこ
とで酸素濃度を低下させた燃焼用空気を用いて燃焼を行
い、NOx発生量を低減しているボイラに関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】ボイラにおいて、NOx発生量を低下さ
せるために燃焼排ガスを燃焼用空気に混合させて燃焼を
行う燃焼排ガスの循環燃焼が行われている。燃焼排ガス
を燃焼用空気に混合すると、燃焼用空気の酸素濃度が低
下し、酸素濃度が低下した燃焼用空気によって燃焼を行
った場合には燃焼火炎温度が低下するためNOx発生量
が減少する。燃焼排ガスの循環燃焼を行う場合、燃焼用
空気量に対する燃焼排ガスの循環量が変動すると、NO
x発生量が増加したり燃焼が不安定となるため、燃焼排
ガスの循環率は一定の値を保つ必要がある。ボイラの燃
焼量が高燃焼、低燃焼、停止の3位置燃焼制御が行われ
る場合などには、燃焼量によって使用される燃焼用空気
量が変動するため、排ガス循環路にダンパを設けるなど
して燃焼排ガスの循環量が調整されているが、排ガス循
環路の流路面積が一定であっても排ガス循環路を流れる
燃焼排ガス量は煙道の風圧変化により変動するため、燃
焼排ガスの循環率を一定に保つことはできなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、燃焼排ガスの循環燃焼を行っているボイラ
において、適正な量の燃焼排ガスを循環させることがで
きるようにすることにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】ボイラから排出された燃
焼排ガスを通す煙道、煙道とバーナの燃焼用空気取り入
れ口を結ぶ排ガス循環路、排ガス循環路の途中に排ガス
循環路の流路面積の変更を行うダンパをそれぞれ設けて
おき、排ガス循環路を通して燃焼排ガスをバーナに送り
込むことで燃焼時のNOx発生量を低減しているボイラ
において、排ガス循環路内の温度を検出する温度検出装
置と、前記温度検出装置によって検出された温度に基づ
いて前記ダンパの開度を調整する排ガス循環量調整装置
を設けておき、排ガス循環路内の温度によってダンパの
開度を調整することで燃焼排ガス循環量の調整を行う。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面を用いて
説明する。図1は複数台のボイラ1を多缶設置した場合
の一部を抜き出したフロー図である。ボイラ1は上部に
バーナ3を設けており、ボイラ1から排出された燃焼排
ガスから熱の回収が行われるエコノマイザ10が設けら
れている。エコノマイザ10で熱の回収が行われた燃焼
排ガスは、個別煙道部11と個別煙道部11からの燃焼
排ガスを集合させている集合煙道部12からなる煙道2
を通して外気中に排出している。個別煙道部11の途中
に個別煙道部11内を流れる燃焼排ガスの一部を取り出
す排ガス循環路5を接続しておき、排ガス循環路5の他
端はバーナ3の空気取り入れ口4に接続する。排ガス循
環路5の途中には排ガス循環路内の流路面積を調整する
ダンパ6と、排ガス循環路5内の温度を検出する温度検
出装置7を設けておき、ダンパ6と温度検出装置7に電
気的に接続されている排ガス循環量調整装置8を設け
る。また、個別煙道部11の排ガス循環路5接続部分よ
りも下流側に煙道縮径部9としてオリフィスを設ける。 【0006】ボイラ1はバーナ3の燃焼を行うことでボ
イラ1内に高温の燃焼ガスを発生し、燃焼ガスによって
ボイラ1内の水を加熱して蒸気を発生させる。燃焼ガス
は、ボイラ1内での熱交換後に燃焼排ガスとしてボイラ
から排出されるが、ボイラから排出された直後の燃焼排
ガスは多くの熱を保有しているため、エコノマイザ10
内へ送られて給水を加熱する。エコノマイザ10から取
り出される温度の低下した燃焼排ガスは、個別煙道部1
1、集合煙道部12を通して外気中へ排出される。個別
煙道部11の途中には排ガス循環路5を接続しているた
め、個別煙道部11を送られる燃焼排ガスの一部は排ガ
ス循環路5へ送られてバーナの空気取り入れ口4に達
し、新鮮な空気と循環させてきた燃焼排ガスを混合した
ものが燃焼用空気としてバーナ3へ送られる。 【0007】本実施例のように複数のボイラを設置して
いる場合、煙道2の集合煙道部12へ送られる燃焼排ガ
ス量および圧力は燃焼を行っているボイラの台数によっ
て変動し、集合煙道部12部分の圧力変動によって個別
煙道部11部分の圧力が変動する。新鮮な空気に対する
燃焼排ガスの循環量である循環率が変動するとNOx発
生量が増加したり燃焼が不安定となるため、燃焼排ガス
の循環率は所定の値に保つ必要があるが、個別煙道部1
1部分の圧力が変動すると、排ガス循環路5の流路面積
が同じであっても排ガス循環路5を送られる燃焼排ガス
量が変動するため、循環率が変動することとなる。 【0008】バーナ3へ送られる燃焼排ガス量はダンパ
6の開度を変更することによって調整され、ダンパ6の
開度はバーナの燃焼量と温度検出装置7にて検出される
温度によって変更される。バーナの燃焼量が大きい場合
は燃焼用空気量が多くなるため、ダンパ6の開度を大き
くし、バーナの燃焼量が小さい場合は燃焼用空気量が少
なくなるため、ダンパ6の開度を小さくすることで循環
する燃焼排ガス量の調整を行うが、個別煙道11部分の
圧力が変動すると、ダンパ6の開度が同じであっても循
環される燃焼排ガス量が異なる。そのため、温度検出装
置7にて検出される排ガス循環路5内温度が低い場合に
はダンパ6の開度を大きくし、排ガス循環路5内の温度
が上昇するとダンパ6の開度を小さくする調整を組み合
わせる。 【0009】個別煙道部11の圧力が低いと燃焼排ガス
の循環量が少なくなり、排ガス循環路5へ送られる燃焼
排ガスが保有する熱量が少なく、排ガス循環路5内を移
動する速度も遅いため、温度検出装置7部分の燃焼排ガ
スの温度は低くなる。逆に個別煙道部11の圧力が高い
と燃焼ガスの循環量が多くなり、排ガス循環路5へ送ら
れる燃焼排ガスが保有する熱量が多く、排ガス循環路5
内を移動する速度も速いので温度検出装置7部分の燃焼
排ガスの温度は高くなる。排ガス循環路5部分の温度を
検出することで排ガス循環路5を送られる燃焼排ガス量
の多寡を判断することができ、温度検出装置7によって
検出される温度に応じてダンパ6の開度を調整すること
で燃焼排ガス量が適正な量となるように調整することが
できる。 【0010】また、個別煙道部11の排ガス循環路5接
続部の下流側に煙道縮径部9を設けることによって、個
別煙道部11の煙道縮径部9よりも上流側は集合煙道部
12での圧力変動の影響を受けにくくなり、集合煙道部
12部分の圧力が大きく変動しても排ガス循環路5を送
られる燃焼排ガス量の変動幅を少なくすることができ
る。 【0011】 【発明の効果】本発明を実施することによって、煙道の
圧力が変動しても適正な量の燃焼排ガスを循環燃焼させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例のフロー図 【符号の説明】 1 ボイラ 2 煙道 3 バーナ 4 空気取り入れ口 5 排ガス循環路 6 ダンパ 7 温度検出装置 8 排ガス循環量調整装置 9 煙道縮径部 10 エコノマイザ 11 個別煙道部 12 集合煙道部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数台のボイラを設置し、各ボイラから
    排出される燃焼排ガスは、個別煙道部と個別煙道部から
    の燃焼排ガスを集合させている集合煙道部からなる煙道
    を通して排出している多缶設置ボイラであって、個別煙
    道部とバーナの燃焼用空気取り入れ口を結ぶ排ガス循環
    路と、排ガス循環路の途中に排ガス循環路の流路面積の
    変更を行うダンパをそれぞれ設けておき、排ガス循環路
    を通して燃焼排ガスをバーナに送り込むことで燃焼時の
    NOx発生量を低減しているボイラにおいて、排ガス循
    環路接続部よりも下流側の個別煙道部途中に煙道縮径部
    を設け排ガス循環内の温度を検出する温度検出装置
    と、前記温度検出装置によって検出された温度に基づい
    て前記ダンパの開度を調整する排ガス循環量調整装置を
    設けたことを特徴とする燃焼排ガス循環量の調整を行う
    ボイラ。
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