JP3492241B2 - 重合体および有機エレクトロルミネセンス材料 - Google Patents

重合体および有機エレクトロルミネセンス材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン化ポテンシ
ャルが小さい重合体とその製造方法、および該重合体を
用いた有機エレクトロルミネセンス材料(以下「有機E
L材料」と称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL材料の合成開発研究が活
発に行われている。有機EL材料には、その用途に応じ
て、高輝度性、低駆動電圧、様々な色の発光などの特性
を有することが要求されており、その要求に応じた材料
を開発することが必要とされている。例えば、高効率で
高安定性の有機EL材料を提供するためには、イオン化
ポテンシャルが低い材料を使用することが望ましい。こ
のような観点から、これまでにもポリ(p−フェニレン
ビニレン)(PPV)、スターバースト(star-burst)
分子、銅フタロシアニン(CuPc)、ポリアニリン
(PANI)等のイオン化ポテンシャルが低いホール注
入材料(HIM)が開発されている。これらの分子を使
用すれば駆動電圧を低くすることができるため、デバイ
スの安定化を図ることができる。
【0003】しかしながら、これらの材料を薄膜化して
デバイスとして用いるには、幾つかの不便さや問題点が
ある。例えば、CuPcおよびスターバースト分子等の
低分子材料を用いて有機薄膜を作成するには、真空蒸着
法が用いられる。しかしながら、真空蒸着法は時間とコ
ストが掛かるという問題がある。また、真空蒸着法によ
り作成された有機薄膜は結晶化が起こり易く、デバイス
の劣化に繋がる。さらにCuPcにおいては可視領域に
吸収を有するため、エネルギー移動等により発光効率の
減少の可能性もある。
【0004】一方、主にポリマー材料においてはスピン
コート法による薄膜化が可能であるため、短時間に大容
量の薄膜化を容易且つ安価に行うことができる。また、
ポリマー材料を用いれば、結晶化が起こりにくいという
メリットもある。しかしながら、PPVにおいては、そ
れ自身が有機溶媒に不溶であるため、前駆体の薄膜を作
成した後にさらに加熱を行わなければならず、重合率や
脱離した塩酸等の影響が問題になっている。PANIも
単独で有機溶媒に溶解しないため、カンファースルホン
酸を使用しなければならない。このように、従来はイオ
ン化ポテンシャルが十分に低くて、スピンコート法によ
り容易に薄膜形成することができる重合体からなる有機
EL材料は提供されるに至っていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち
本発明は、イオン化ポテンシャルが低くて、スピンコー
トが可能な重合体からなる有機EL材料を提供すること
を解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに鋭意検討を進めた結果、本発明者らは特定の構造を
有するカルバゾール系重合体に有機EL材料として有用
な特性があることを見出して、本発明を提供するに至っ
た。すなわち本発明は、下記式(1):
【化2】 (上式において、Rは置換または無置換のアルキル基で
ある)で表される繰り返し単位から構成され、平均分子
量が100万以上である重合体を提供する。
【0007】 また本発明は、3,6−ジエチニル−9
−アルキルカルバゾールと3,6−ジハロゲノ−9−ア
ルキルカルバゾールとを反応させる工程を含むことを特
徴とする上記重合体の製造方法も提供する。さらに本発
明は、上記重合体を用いた有機EL材料も提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の重合体、
製造方法および有機EL材料について順に詳細に説明す
る。本発明の重合体は上記の式(1)で表される繰り返
し単位を有することを特徴とする。式(1)において、
Rは置換または無置換のアルキル基を表す。無置換のア
ルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル
基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル
基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペン
タデシル基、n−ヘキサデシル基などの直鎖アルキル基
や、これらの直鎖アルキル基の末端以外の1以上の水素
原子がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基などのアルキル基で置換された分枝状アルキル基
を例示することができる。Rのアルキル基の炭素数は特
に制限されない。
【0009】置換アルキル基としては、上で例示したア
ルキル基の1以上の水素原子が、本発明の所期の効果を
過度に阻害しない置換基で置換されたものを挙げること
ができる。例えば、アルキル基の1以上の水素原子がハ
ロゲン原子や置換又は無置換の芳香族基で置換されたも
のを例示することができる。また、本発明の重合体分子
に存在する複数のRは、すべて同一であっても互いに異
なっていてもよい。好ましいのは、複数のRがすべて同
一である重合体である。
【0010】Rを適宜選択することによって、本発明の
重合体の溶媒に対する溶解度を調節することができる。
このため、本発明の重合体を溶解する溶媒が特定されて
いる場合は、その溶媒に所望の濃度で溶解するようにR
を適宜選択することができる。なお、本発明の重合体は
いずれも、クロロホルム等のスピンコートに使用する溶
媒に対する溶解性が高い。したがって、本発明の重合体
は、スピンコート法によって容易かつ迅速に薄膜形成す
ることができ、時間とコストがかかる真空蒸着法などを
用いる必要がないという実際上の利点を有する。
【0011】本発明の重合体の平均分子量は100万以
上である。本発明の重合体は、いずれもホール注入材料
ないしホール輸送材料として有用であるが、イオン化ポ
テンシャルが比較的小さい場合はホール注入材料として
有用であり、イオン化ポテンシャルが比較的大きい場合
はホール輸送材料として有用である。本発明によれば、
所望のイオン化ポテンシャルになるように重合体を分子
設計することが比較的容易であり、使用目的に応じた有
機EL材料の提供が可能である。
【0012】本発明の重合体は、ガラス転移温度が比較
的高くて熱的安定性が高い。ガラス転移温度は、式
(1)のRと平均分子量の組み合わせにより変動する。
ガラス転移温度が高いために、本発明の重合体をEL素
子として利用したとき、駆動電圧をかけた際に発生する
熱量を抑えることができる。また、本発明の重合体は、
可視領域に吸収を持たない。このため、本発明の重合体
を用いた有機EL材料は、エネルギー移動等により発光
効率が低下することを有効に抑えることができる。
【0013】本発明の重合体の製造方法は特に制限され
ず、通常利用される合成法を適宜組み合わせることによ
って本発明の重合体を製造することができる。好ましい
合成法として、以下のスキームに示す合成法を例示する
ことができる。
【0014】
【化3】 (上のスキームにおいて、Rは置換または無置換のアル
キル基、Xはハロゲン原子、nは本発明の重合体を構成
する繰り返し単位の数である)
【0015】 この合成法では、3,6−ジエチニル
9−アルキルカルバゾール(2)と3,6−ジハロゲノ
−9−アルキルカルバゾール(3)をクロスカップリン
グして重合させる。化合物(2)および化合物(3)の
Rは、合成しようとしている重合体(1')のRに対応
させる。化合物(3)のXはハロゲン原子であるが、沃
素原子であることが好ましい。化合物(2)と化合物
(3)の混合割合(モル比)は、1:1にすることが好
ましい。この反応は、Pd(PPh3)Cl2/CuIな
どの適当な触媒の存在下で行うことが好ましい(Phは
フェニル基である)。また、反応溶媒としては、テトラ
ヒドロフラン、トリエチルアミンなどを使用することが
できる。反応は窒素などの不活性ガス下で行うことが好
ましい。反応温度や反応時間は特に制限されないが、例
えば50℃で4日間反応させることができる。目的とす
る重合体(1')は、当業者に公知の重合体精製法のい
ずれかを用いて精製することができる。
【0016】上述のように、本発明の重合体は有機EL
材料として極めて有用であるが、本発明の重合体をEL
素子に利用する形態は特に制限されない。
【0017】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実施例に示す材料、割合、操作等
は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更すること
ができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体
例に制限されるものではない。
【0018】 テトラヒドロフラン(8.4ml)/ト
リエチルアミン(4.2ml)の混合溶媒中で、3,6
ジエチニル−9−テトラデシルカルバゾール(0.3
40g,0.826mmol)および3,6−ジヨード
−9−テトラデシルカルバゾール(0.508g,0.
826mmol)をPd(PPh3)Cl2(0.027
g,0.0392mmol)/CuI(0.010g,
0.0525mmol)の触媒存在下で、窒素雰囲気下
にて50℃で4日間撹拌した。その後、反応混合物をメ
タノール250ml中に注ぎ込み、析出した沈澱をろ集
してジクロロメタンに溶解させ、ろ過した。ろ液をジク
ロロメタン/メタノールから3回再沈澱させると式
(1)で表される繰り返し単位を有する平均分子量10
0万以上の重合体(0.557g)が褐色固体として得
られた。δH (300 MHz, CDCl3, TMS) 0.85 (3H, m, C
H3), 1.23 (22H, m, CH3), 1.81 (2H, m, NCH2CH3), 4.
205 (2H, m, NCH2), 7.31 (2H, m, arom.H), 7.68 (2H,
m,arom.H), 8.31 (2H, m, arom.H); IR (KBr) ν(c
m-1) 2922, 2850, 2197, 1598,1490, 1382, 1350, 128
3, 1221, 1148, 1131, 880; Powder X-ray diffractio
n:アモルファス性を確認
【0019】得られた重合体について、クロロホルムに
対する溶解性を試験したところ溶解性が極めて高いこと
が確認された。重合体を石英ガラスまたはインジウムス
ズ酸化物の支持体上にスピンコートして薄膜を形成し
た。形成された薄膜に結晶は確認されなかった。また、
スピンコートした重合体について、吸収スペクトル測定
を行ったところ、可視領域に有意な吸収を持たないこと
が確認された。
【0020】スピンコートした重合体のイオン化ポテン
シャル(Ip)を、測定器(RIKENKEIKI AC-1)を用い
て測定した。また、重合体のエネルギーギャップ(Δ
E)を、415nmの吸収端から求めた。これらの測定
結果から、電子親和力(Ea)を算出した(Ip−Δ
E)。その結果、重合体のイオン化ポテンシャルは5.
24eV、電子親和力は2.29eV、エネルギーギャ
ップは2.95eVであることが確認された。このこと
は、当該重合体がホール注入材料またはホール輸送材料
として利用価値が高いものであることを示している。
【0021】
【発明の効果】本発明の重合体は、イオン化ポテンシャ
ルが低くて、スピンコートが可能である。また、本発明
の製造方法によれば、当該重合体を容易に得ることがで
きる。したがって、本発明の重合体は有機EL材料とし
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−32629(JP,A) 特開 昭58−24560(JP,A) 特開2000−344777(JP,A) 特開 昭56−86160(JP,A) 特開 平11−60701(JP,A) 特開 平3−42669(JP,A) 特開 平3−75659(JP,A) 特開 平2−264962(JP,A) 特開 平2−304454(JP,A) 特開 昭61−10865(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/00 - 61/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1): 【化1】 (上式において、Rは置換または無置換のアルキル基で
    ある)で表される繰り返し単位から構成され、平均分子
    量が100万以上である重合体。
  2. 【請求項2】 3,6−ジエチニル−9−アルキルカル
    バゾールと3,6−ジハロゲノ−9−アルキルカルバゾ
    ールとを反応させる工程を含むことを特徴とする請求項
    1に記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の重合体を用いた有機エ
    レクトロルミネセンス材料。
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