JP3492221B2 - 微小移動装置 - Google Patents

微小移動装置

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JP3492221B2
JP3492221B2 JP36500198A JP36500198A JP3492221B2 JP 3492221 B2 JP3492221 B2 JP 3492221B2 JP 36500198 A JP36500198 A JP 36500198A JP 36500198 A JP36500198 A JP 36500198A JP 3492221 B2 JP3492221 B2 JP 3492221B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小移動装置に係
わり、特に、衝撃力を用いて移動する微小移動装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】衝撃力を用いて移動する微小移動装置の
従来例としては、特願昭58−167512号及び特開
昭63−299785号が挙げられる。衝撃力を発生す
る手段として、前者は電磁反発力を、後者は圧電素子の
急速変形を利用した微小移動装置で、いわゆる「インパ
クト機構」と呼ばれている。
【0003】このインパクト機構は小型単純構造で微小
ステップ移動が可能であり、この長所に着目して、例え
ば、精密位置決めテーブルやマイクロマニピュレータ等
が提案されている。
【0004】図9を用いて、圧電素子の急速変形を利用
した従来の微小移動装置の構成及び動作について説明す
る。
【0005】この従来の微小移動装置は、移動体2と慣
性体3とを圧電素子4で結合したもので、移動体2をベ
ース1の上に置き、摩擦力で保持した構成となってい
る。そして、圧電素子4に電圧を印加して慣性体3を加
速すると、移動体2はその反力によって移動する。
【0006】特公平6−91753号によれば、圧電素
子の急速変形を利用したインパクト機構は単純な構造で
ありながら、10nm〜10μm程度の微動が可能であ
るとされている。その移動原理は、以下の通りである。
【0007】すなわち、移動体2を左方向に移動させる
場合には、図9(a)に示したように圧電素子4が縮ん
でいる状態から、図9(b)に示したように圧電素子4
を急激に延ばすと、移動体2と慣性体3が互いに離れる
方向に移動する。
【0008】次に、図9(c)に示したように圧電素子
4をゆっくりと引き戻し、図9(d)に示したように圧
電素子4が元の長さに戻ったところで急に止めると、慣
性体3が移動体2に衝突した形となり、図9(e)に示
したように移動体2は左方向に移動する。
【0009】また、移動体2を右方向に移動させる場合
には、図9(a)乃至(e)に示した圧電素子4の動
作、つまり、急速変形の動作とゆっくりとした動作を逆
のタイミングで行えば良い。
【0010】このように、圧電素子の急速変形を利用し
た従来の微小移動装置は、摩擦で保持された移動体に圧
電素子と慣性体とを取り付けただけの簡単な構造で、原
理上は無制限の移動範囲と高い位置決め能力を有してい
る。なお、電磁反発力を用いた従来の微小移動装置も同
様の効果が期待できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の微小
移動装置においては、電磁反発力を用いたもの及び圧電
素子の急速変形を利用したもののいずれも慣性体を付加
する必要があるために、例えば多自由度を有する移動テ
ーブルを構築する場合には、その軸数分の慣性体が必要
となって装置が複雑化するという問題があった。
【0012】さらに、従来の微小移動装置においては移
動体とベースとの間の摩擦力を活用した構成となってい
るので、移動特性がその摺動面の状態によって大きく変
化することになる。
【0013】その結果、安定した移動特性を得るために
は摺動面の管理が必要となる。十分な管理が実現できな
い環境下で使用する場合には、少なからず使用上の制約
が伴うことになる。
【0014】そこで、本発明の目的は、慣性体が不要で
摩擦の影響を受けにくい微小移動装置を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による微小移動装置は、ベース上に置かれる
移動体と、前記移動体と前記ベースとの間に衝撃力を発
生させる衝撃力発生手段と、を備え、前記衝撃力発生手
段は、前記移動体を前記ベースから浮かせると共にその
浮いた状態において移動体の重心回りに微少回転させる
衝撃力を発生させることを特徴とする。
【0016】また、前記衝撃力発生手段は、前記移動体
を複数の異なる方向へ回転させる複数の衝撃力を個別に
発生させることが望ましい。
【0017】また、前記衝撃力発生手段は、前記移動体
を互いに正反対の方向へ回転させることができる複数の
衝撃力を個別に発生させることが望ましい。
【0018】また、前記衝撃力発生手段は、圧電素子又
は磁歪素子の急速変形を利用して衝撃力を発生させるこ
とが望ましい。
【0019】また、前記ベースは導電性部材によって形
成され、前記衝撃力発生手段は、前記移動体と前記ベー
スとの間に衝撃的な電磁反発力を発生させるコイルを有
することが望ましい。
【0020】また、前記衝撃力発生手段は、互いに近接
して設けられた一対の前記コイルを有し、前記一対のコ
イルは、一方の前記コイルの発生磁界と他方の前記コイ
ルの発生磁界による誘導磁界とが相互に影響し合う程度
に近接していることが望ましい。
【0021】また、前記ベースは導電性部材によって形
成され、前記衝撃力発生手段は、前記移動体と前記ベー
スとの間に衝撃的な電磁反発力を発生させる、互いに近
接して設けられた一対のコイルを有し、前記一対のコイ
ルは、一方の前記コイルの発生磁界と他方の前記コイル
の発生磁界による誘導磁界とが相互に影響し合う程度に
近接していることが望ましい。
【0022】また、前記移動体を前記ベースに押し付け
る移動体与圧手段をさらに備えることが望ましい。
【0023】また、前記移動体与圧手段は、前記移動体
又は前記ベースに装着した磁気吸引力発生装置から成る
ことが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明の第1実施形態による微小移動装置につい
て、図1乃至図3を参照して説明する。なお、本実施形
態及び後述する第2乃至第5実施形態による微小移動装
置は、移動テーブルの精密位置決めやマイクロマニピュ
レータ等に使用することができる。
【0025】図1(a)乃至(d)は、本実施形態によ
る微小移動装置5の概略構成を示すと共にその動作方法
を説明するための縦断面図である。
【0026】図1に示したように本実施形態による微小
移動装置5は、導電性部材より成るベース6の平らな表
面上に載置された移動体7を備えており、移動体7は直
方体を成している。移動体7の底面部には、電磁反発力
発生用の2つの空芯コイル8、9が設けられている。こ
れらの空芯コイル8、9は衝撃力発生手段を構成する。
【0027】そして、空芯コイル8、9より成る衝撃力
発生手段は、移動体7とベース6との間に、移動体7を
ベース6から浮かせると共に回転させることができる衝
撃力を発生させる。換言すれば、衝撃力発生手段による
衝撃力は、ベース6の表面(載置面)に対して垂直で且
つ重心Gを通るような力以外の力であって、移動体7の
重心からずれた方向への力である。
【0028】2つの空芯コイル8、9は、移動体7の重
心Gを挟んで反対側に配置されている。つまり、2つの
空芯コイル8、9は、移動体7を互いに正反対の方向へ
回転させる衝撃力を個別に発生させることができる。
【0029】また、各空芯コイル8、9には、図示しな
いドライバによって瞬間的な大電流を個別に印加するこ
とができる。
【0030】次に、本実施形態による微小移動装置の動
作方法について説明する。
【0031】まず初めに、図1(a)に示したように、
一方の空芯コイル8に瞬間的な大電流を印加して、移動
体7とベース6との間に衝撃的な電磁反発力F1を発生
させる。
【0032】すると、図1(b)に示したように、電磁
反発力F1によって移動体7は図中左側の縁部を回転中
心として回転運動を行い、移動体7は重心Gを僅かに浮
上した位置に移動する。
【0033】次に、図1(b)に示したように、空芯コ
イル8への通電から時間的位相差をもって、他方の空芯
コイル9に瞬間的な大電流を印加して、移動体7とベー
ス6との間に衝撃的な電磁反発力F2を発生させる。
【0034】すると、ベース6と接した移動体7の縁部
が浮上し、移動体7はその重心Gの周りに回転運動を行
う。この状態を図1(c)に示す。
【0035】その後、移動体7は落下してベース6の上
に載置され、動作後の移動体7の位置は、図1(d)に
示したように、初期位置に対して微小ながら図中左方向
へX1のステップ移動を行うことができる。
【0036】なお、移動体7を逆方向、つまり図中右方
向へ移動させる場合には、空芯コイル8、9の動作タイ
ミングを前記と逆にすれば良い。
【0037】次に、上述した電磁反発力F1、F2の発
生原理について説明する。
【0038】空芯コイル8、9に瞬間的な大電流を印加
すると、時間的に変化する強磁界が発生する。ベース6
は導電性部材より成っており、このベース6には空芯コ
イル8、9が発生した強磁界の侵入を妨げる方向に電流
が誘導される。
【0039】この誘導電流と空芯コイル8、9の印加電
流の流れは互いに逆方向であり、電磁作用による反発力
が発生する。
【0040】また、上述したドライバとは、空芯コイル
8、9に瞬間的な大電流を印加する装置であるが、瞬間
的に大電流を印加する方法としてはコンデンサを用いた
方法を使用することができる。つまり、コンデンサに電
荷を充電してその放電電流を利用することにより、瞬間
的な大電流を作ることができる。
【0041】次に、本実施形態による微小移動装置の第
二の動作方法について、図2(a)乃至(d)を参照し
て説明する。
【0042】まず初めに、図2(a)に示したように、
図示しないドライバによって2つの空芯コイル8、9の
両方に、瞬間的な大電流を同時に印加して電磁反発力F
3及びF4を発生させる。
【0043】ここで、電磁反発力F3とF4とは略同じ
大きさであり、このため、図2(b)に示したように、
移動体7はベース6の表面に対して略平行に、つまり水
平状態で僅かながら浮上する。
【0044】次に、移動体7が僅かに浮上した図2
(b)の状態で、一方の空芯コイル9に再び瞬間的な大
電流を印加して電磁反発力F4’を発生させる。する
と、図2(c)に示したように、移動体7はその重心G
の周りに回転運動を行う。
【0045】その後、移動体7は落下してベース6の上
に載置され、動作後の移動体7は、図2(d)に示した
ように、初期位置に対して図中左方向に微小ながらX2
のステップ移動を行うことができる。
【0046】なお、移動体7を逆方向、つまり図中右方
向へ移動させる場合には、移動体7の浮上後に電磁反発
力を発生させる空芯コイルを前記と逆にすれば良い。
【0047】次に、本実施形態による微小移動装置の第
三の動作方法について、図3(a)乃至(c)を参照し
て説明する。
【0048】まず初めに、図3(a)に示したように、
図示しないドライバによって2つの空芯コイル8、9の
両方に、瞬間的な大電流を同時に印加して電磁反発力F
5及びF6を発生させる。
【0049】ここで、電磁反発力F6の大きさは電磁反
発力F5に比べて大きく、このため、移動体7はベース
6に対して僅かに浮上しながらその重心Gの周りに回転
運動を行う。この状態を図3(b)に示す。
【0050】その後、図3(c)に示したように、移動
体7は落下してベース6上に載置され、動作後の移動体
7の位置は初期位置に対して図中左方向へ微小ながらX
3のステップ移動を行うことができる。
【0051】なお、移動体7を逆方向、つまり図中右方
向へ移動させる場合には、空芯コイル8、9に発生させ
る電磁反発力の大きさを前記と逆にすれば良い。
【0052】以上述べたように本実施形態による微小移
動装置によれば、空芯コイル8、9より成る衝撃力発生
手段によってベース6と移動体7との間に電磁反発力を
発生させ、この電磁反発力を利用して移動体7を移動さ
せるようにしたので、従来の微小移動装置においては不
可欠であった慣性体を必要とせず、このため、装置のさ
らなる小型化と単純化を図ることができる。
【0053】さらに、本実施形態による微小移動装置
は、機械的な摺動を伴わない移動原理を採用しているの
で、摩擦力を利用する従来の微小移動装置に比べて移動
特性の安定化と装置の長寿命化を図ることができる。
【0054】また、本実施形態の一変形例としては、空
芯コイル8、9に代えて圧電素子又は磁歪素子を設けて
衝撃力発生手段を構成し、圧電素子又は磁歪素子の急速
変形を利用して衝撃力を発生させるようにすることもで
きる。
【0055】第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態による微小移動装置につい
て、図4を参照して説明する。なお、本実施形態は上述
した第1実施形態に対して構成を一部追加したものであ
り、上記第1実施形態と同一構成要素には図4において
同一符号を付すと共に、以下では、上記第1実施形態と
異なる部分について説明する。
【0056】図4(a)乃至(d)は、本実施形態によ
る微小移動装置10の概略構成を示すと共にその動作を
説明するための縦断面図である。
【0057】図4に示したように本実施形態による微小
移動装置10は、移動体7を磁気吸引力によってベース
11の平らな吸着面に吸着して押し付ける磁気吸引力発
生装置(移動体与圧手段)12を備えている。本実施形
態においては、ベース11は導電性で且つ磁性体の部材
により構成されており、また、その表面は垂直面を形成
している。
【0058】磁気吸引力発生装置12は、永久磁石13
と、この永久磁石13の両端に磁気的に連結されたヨー
ク14、15とから構成されている。そして、永久磁石
13→ヨーク14→ベース11→ヨーク15から成る閉
ループ磁束M1を形成している。磁気吸引力発生装置1
2による磁気吸引力はこの閉ループM1によって得られ
るものである。
【0059】本実施形態による微小移動装置10の動作
原理は、図1に示した第1実施形態による微小移動装置
5と同じである。
【0060】つまり、図4(a)に示したように、図示
しないドライバによって一方の空芯コイル8に瞬間的な
大電流を印加すると、移動体7には衝撃的な電磁反発力
F7が発生する。
【0061】この電磁反発力F7によって移動体11は
その上側縁部を回転中心として回転運動を行い、移動体
7の重心Gは僅かにベース11から離れた位置に移動す
る。この状態を図4(b)に示す。
【0062】次に、空芯コイル9に瞬間的な大電流を印
加して電磁反発力F8を発生させる。すると、ベース1
1と接した移動体7の上側縁部がベース11から離れ、
移動体7はその重心Gの周りに回転運動を行う。この状
態を図4(c)に示す。
【0063】その後、図4(d)に示したように、移動
体7は磁気吸引力発生装置12の磁気吸引力によってベ
ース11に吸着される。その結果、動作後の移動体7の
位置は、初期位置に対して上方に微小ながらX4のステ
ップ移動を行うことができる。
【0064】なお、移動体7を逆方向、つまり下方に移
動させる場合には、空芯コイル8、9の動作タイミング
を前記と逆にすれば良い。
【0065】以上述べたように本実施形態による微小移
動装置によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得ら
れるばかりでなく、磁気吸引力発生装置12の磁気吸引
力によって移動体7をベース11に吸着させることがで
きるので、ベース11の表面が垂直面、傾斜面、天井面
であっても、移動体7をベース11上で微小ステップ移
動させることができる。さらに、宇宙機器のような無重
力環境下においても、同様の動作を実現できる。
【0066】なお、本実施形態においては磁気吸引力発
生装置12は永久磁石13を用いる構成としたが、永久
磁石に代えて電磁石でも良く、又は、永久磁石と電磁石
とを併用した構成でも良い。
【0067】また、本実施形態においては移動体7に磁
気吸引力発生装置12を設けたが、移動体7ではなくベ
ース11側に磁気吸引力発生装置を設けることもでき
る。
【0068】また、本実施形態においても上記第1実施
形態と同様に、空芯コイル8、9に代えて圧電素子又は
磁歪素子を設けて衝撃力発生手段を構成し、圧電素子又
は磁歪素子の急速変形を利用して衝撃力を発生させるよ
うにすることもできる。
【0069】第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態による微小移動装置につい
て、図5を参照して説明する。
【0070】図5(a)、(b)に示したように、本実
施形態による微小移動装置20は直方体を成す移動体2
6を備えており、この移動体26の底面は図5(a)に
示したように正方形を成している。移動体26はベース
27の平らな表面上に載置されている。
【0071】移動体26の底面部には電磁反発力を発生
する4つの空芯コイル21、22、23、24が配設さ
れており、これらは移動体26の正方形の底面の4隅に
対称に配設されている。これらの空芯コイル21、2
2、23、24は、移動体26とベース27との間に、
移動体26をベース27から浮かせると共に回転させる
ことができる衝撃力を発生させる衝撃力発生手段を構成
している。
【0072】なお、空芯コイル21、22、23、24
には、上述した第1実施形態における空芯コイル8、9
(図1参照)と同じものを用いることができる。
【0073】また、移動体26の底面部の中央には、磁
気吸引力発生装置(移動体与圧手段)25が設けられて
いる。この磁気吸引力発生装置25は、円筒型電磁石に
より構成されている。
【0074】なお、本実施形態においては電磁石により
磁気吸引力発生装置25を構成したが、電磁石に代えて
永久磁石でも良く、又は、電磁石と永久磁石とを併用し
た構成でも良い。
【0075】また、本実施形態においては、ベース27
は導電性で電磁石が吸着し得る部材により構成されてお
り、また、その表面は水平面を形成している。なお、ベ
ース27の表面は、垂直面、傾斜面、天井面であっても
良い。
【0076】そして、本実施形態による微小移動装置2
0は、ベース27上での面内並進(x−y軸)の2自由
度移動が可能である。つまり、図5(a)においてx軸
方向に移動させる場合には、空芯コイル21、24を組
に、空芯コイル22、23を組にして、上述した第1実
施形態の場合と同様に、図1乃至図3に示した動作方法
に従って電流を印加し、x軸方向に移動させる。
【0077】同様に、y軸方向に移動させる場合には、
空芯コイル21、22を組に、空芯コイル23、24を
組にして、電流を印加すれば良い。
【0078】なお、例えば移動体26に対して何らかの
引張り力が付与されている場合には、磁気吸引力発生装
置25による保持力によって移動体26を所定の位置に
保持することができる。
【0079】以上述べたように本実施形態による微小移
動装置20によれば、上記第1及び第2実施形態と同様
の効果が得られるばかりでなく、4つの空芯コイル2
1、22、23、24を移動体26の底面部の4隅に設
けたので、ベース27上の面内並進(x−y軸)の2自
由度移動が可能である。
【0080】なお、本実施形態においては移動体26に
磁気吸引力発生装置25を設けたが、移動体26ではな
くベース27側に磁気吸引力発生装置を設けることもで
きる。
【0081】また、本実施形態の一変形例としては、空
芯コイル21、22、23、24に代えて圧電素子又は
磁歪素子を設けて衝撃力発生手段を構成し、圧電素子又
は磁歪素子の急速変形を利用して衝撃力を発生させるよ
うにすることもできる。
【0082】第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態による微小移動装置30に
ついて図6を参照して説明する。
【0083】図6(a)、(b)に示したように、本実
施形態による微小移動装置30は円盤形の移動体36を
備えている。移動体36は、ベース37の平らな表面上
に載置されている。
【0084】移動体36の底面部には電磁反発力を発生
する3つの空芯コイル31、32、33が同一円周上に
等角度間隔で配設されている。これらの空芯コイル3
1、32、33は、移動体36とベース37との間に、
移動体36をベース37から浮かせると共に回転させる
ことができる衝撃力を発生させる衝撃力発生手段を構成
している。
【0085】なお、空芯コイル31、32、33には、
上述した第1実施形態における空芯コイル8、9(図1
参照)と同じものを用いることができる。
【0086】また、移動体36の底面部の中央には、磁
気吸引力発生装置(移動体与圧手段)35が設けられて
いる。この磁気吸引力発生装置35は、円筒型電磁石に
より構成されている。
【0087】なお、本実施形態においては電磁石により
磁気吸引力発生装置35を構成したが、電磁石に代えて
永久磁石でも良く、又は、電磁石と永久磁石とを併用し
た構成でも良い。
【0088】また、本実施形態においては、ベース37
は導電性で電磁石が吸着し得る部材により構成されてお
り、また、その表面は水平面を形成している。なお、ベ
ース37の表面は、垂直面、傾斜面、天井面であっても
良い。
【0089】そして、本実施形態による微小移動装置3
0は、上述した第3実施形態と同様に、ベース37上で
の面内並進(x−y軸)の2自由度移動が可能である。
つまり、図6(a)においてy軸方向に移動させる場合
には、空芯コイル31と、2つの空芯コイル32、33
で一組を成すコイル群とに対して、上述した第1実施形
態の場合と同様に、図1乃至図3に示した動作方法に従
って電流を印加し、y軸方向に移動させる。
【0090】一方、x軸方向に移動させる場合には、ま
ず初めに、空芯コイル33と、2つの空芯コイル31、
32で一組を成すコイル群とに電流を印加して斜め移動
を行い、次に、空芯コイル32と、2つの空芯コイル3
1、33で一組を成すコイル群とに電流を印加して斜め
移動を行う2つの動作モードによってx軸方向移動を実
現できる。
【0091】このようにx軸方向への移動には2つの動
作モードが必要となるが、その理由は、3つの空芯コイ
ル31、32、33の配置が、x軸に関して線対称とな
っていないためである。
【0092】なお、上記第3実施形態の場合と同様に、
例えば移動体36に対して何らかの引張り力が付与され
ている場合には、磁気吸引力発生装置35による保持力
によって移動体36を所定の位置に保持することができ
る。
【0093】以上述べたように本実施形態による微小移
動装置30によれば、上記第1及び第2実施形態と同様
の効果が得られるばかりでなく、3つの空芯コイル3
1、32、33を移動体36の底面部に均等配列で設け
たので、ベース37上の面内並進(x−y軸)の2自由
度移動が可能である。
【0094】なお、本実施形態においては移動体36に
磁気吸引力発生装置35を設けたが、移動体36ではな
くベース37側に磁気吸引力発生装置を設けることもで
きる。
【0095】また、本実施形態の一変形例としては、空
芯コイル31、32、33に代えて圧電素子又は磁歪素
子を設けて衝撃力発生手段を構成し、圧電素子又は磁歪
素子の急速変形を利用して衝撃力を発生させるようにす
ることもできる。
【0096】第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態による微小移動装置につい
て、図7及び図8を参照して説明する。
【0097】図7(a)、(b)に示したように本実施
形態による微小移動装置40は、上記第4実施形態と同
様に、円盤形の移動体48を備えており、移動体48は
ベース49の平らな表面上に載置されている。
【0098】移動体48の底面部の中央には、磁気吸引
力発生装置(移動体与圧手段)47が設けられている。
この磁気吸引力発生装置47は円筒型電磁石により構成
されている。
【0099】なお、本実施形態においては電磁石により
磁気吸引力発生装置47を構成したが、電磁石に代えて
永久磁石でも良く、又は、電磁石と永久磁石とを併用し
た構成でも良い。
【0100】そして、本実施形態による微小移動装置4
0は、移動体48をベース49から浮かせると共に回転
させることができる衝撃力を発生させる衝撃力発生手段
として、同一円周上に配置された合計6つの空芯コイル
41、42、43、44、45、46を備えており、こ
れらを2つで一組として、上記第4実施形態における各
空芯コイル31、32、33(図6参照)の位置に一組
ずつ配置した構成となっている。
【0101】各組を成す一対の空芯コイル41及び4
2、43及び44、45及び46は、一方の空芯コイル
41、43、45の発生磁界と他方の空芯コイル42、
44、46の発生磁界による誘導磁界とが相互に影響し
合う程度に近接して設けられている。
【0102】なお、空芯コイル41、42、43、4
4、45、46には、上述した第1実施形態における空
芯コイル8、9(図1参照)と同じものを用いることが
できる。
【0103】また、本実施形態においては、ベース49
は導電性で電磁石が吸着し得る部材により構成されてお
り、また、その表面は水平面を形成している。なお、ベ
ース49の表面は、垂直面、傾斜面、天井面であっても
良い。
【0104】そして、上記構成よりなる微小移動装置4
0は、ベース49の面内の並進(x−y軸)と回転(θ
軸)の3自由度移動が可能である。
【0105】つまり、各組を成す一対の空芯コイル41
及び42、43及び44、45及び46に対して、各組
ごとに電流を印加すると、図6に示した第4実施形態に
よる微小移動装置30と等価となる。したがって、上記
第4実施形態における動作方法と同様の方法によってベ
ース49の面内並進(x−y軸)の2自由度移動が実現
できる。
【0106】次に、ベース49の面内回転(θ軸)の移
動原理について図8を参照して説明する。
【0107】図8(a)乃至(d)は本実施形態による
微小移動装置40の回転動作を説明するための図であ
る。この回転動作においては、各組を成す一対の空芯コ
イル41及び42、43及び44、45及び46に対し
て、同一の電流印加の操作となるので、以下では、空芯
コイル41及び42を例にとって説明する。
【0108】図8(a)の状態において、図示しないド
ライバによって空芯コイル41及び42に瞬間的な大電
流を同時に印加して電磁反発力F9及びF10を発生さ
せる。ここで、電磁反発力F10の大きさは電磁反発力
F9に比べて大きくなるようにする。
【0109】空芯コイル41及び42に電流を印加する
と、ベース49には空芯コイル41及び42と対面する
位置に誘導電流が生じる。この誘導電流は、図8(b)
に示したように誘導磁界U3及びU4を発生させる。
【0110】そして、空芯コイル41の発生磁界U1と
誘導磁界U3との間の磁気的な作用によって電磁反発力
F9が生成され、同様に、空芯コイル42の発生磁界U
2と誘導磁界U4との間の磁気的な作用によって電磁反
発力F10が生成される。
【0111】ここで、誘導磁界U3及びU4の強さは、
磁気的な抵抗によってそれぞれ対応する発生磁界U1及
びU2に比べて小さい。ゆえに、磁界U1〜U4の強さ
はいずれも異なるものである。
【0112】その結果、図8(b)に示したように、空
芯コイル41の発生磁界U1と誘導磁界U4との間の磁
気的な作用によって斜め方向に電磁反発力F11が発生
し、同様に、空芯コイル42の発生磁界U2と誘導磁界
U3との間の磁気的な作用によって斜め方向に電磁反発
力F12が発生する。
【0113】これらの電磁反発力F11及びF12はベ
ース49の面内方向に対して互いに逆向きのベクトルを
持った力となるが、それらの力の大きさは異なり、移動
体48を回転させる一方向の力を得ることができる。
【0114】すなわち、図8(b)に示したように、移
動体48は電磁反発力F9及びF10によってベース4
9と略垂直方向へ浮上する位置へ移動すると共に、電磁
反発力F11及びF12によってベース49の面内の回
転移動を行う。
【0115】その後、図8(c)に示したように、移動
体48は磁気吸引力発生装置47の磁気吸引力によって
ベース49に吸着される。その結果、動作後の移動体4
8は初期位置に対して微小ながらθのステップ回転移動
を行うことができる。
【0116】なお、逆回転の移動を行う場合には、空芯
コイル41及び42に印加する電流の大小を逆にすれば
良い。
【0117】以上述べたように本実施形態による微小移
動装置によれば、上記第1乃至第4実施形態と同様の効
果が得られるばかりでなく、移動体48の回転移動を行
うこともできる。
【0118】なお、本実施形態においては移動体48に
磁気吸引力発生装置47を設けたが、移動体48ではな
くベース49側に磁気吸引力発生装置を設けることもで
きる。
【0119】以上、本発明の第1乃至第5実施形態につ
いて説明したが、本発明による微小移動装置の衝撃力発
生手段を構成する空芯コイル(又は圧電素子、磁歪素
子)の数及び配置、並びに動作方法は、上述した各実施
形態に示したものに限定されるものではない。
【0120】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、従来
の微小移動装置において不可欠であった慣性体を不要と
し、しかも、摩擦の影響を受けにくい微小移動装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による微小移動装置の概
略構成を示すと共にその動作方法を説明するための縦断
面図。
【図2】本発明の第1実施形態による微小移動装置の概
略構成を示すと共にその第二の動作方法を説明するため
の縦断面図。
【図3】本発明の第1実施形態による微小移動装置の概
略構成を示すと共にその第三の動作方法を説明するため
の縦断面図。
【図4】本発明の第2実施形態による微小移動装置の概
略構成を示すと共にその動作方法を説明するための縦断
面図。
【図5】本発明の第3実施形態による微小移動装置の概
略構成を示した図であり、(a)は底面図、(b)は
(a)のA−A’断面図。
【図6】本発明の第4実施形態による微小移動装置の概
略構成を示した図であり、(a)は底面図、(b)は
(a)のB−B’断面図。
【図7】本発明の第5実施形態による微小移動装置の概
略構成を示した図であり、(a)は底面図、(b)は
(a)のC−C’断面図。
【図8】本発明の第5実施形態による微小移動装置の概
略構成を示すと共にその動作方法を説明するための図で
あり、(a)乃至(c)は縦断面図、(d)は底面図。
【図9】従来の微小移動装置の概略構成を示すと共にそ
の動作方法を説明するための図。
【符号の説明】
5、10、20、30、40 微小移動装置 7、26、36、48 移動体 8、9、21、22、23、24、31、32、33、
41、42、43、44、45、46 空芯コイル 12、25、35、47 磁気吸引力発生装置(移動体
与圧手段) 6、11、27、37、49 ベース F1、F2、F3、F4、F4’、F5、F6、F7、
F8、F9、F10、F11、F12 磁気反発力 G 移動体の重心 X1、X2、X3、X4、θ ステップ移動量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−246812(JP,A) 特開 平6−296379(JP,A) 特開 平4−369009(JP,A) 特開 昭60−60582(JP,A) 特開 昭63−299785(JP,A) 特開 平7−244529(JP,A) 特公 平6−91753(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 15/00 G05D 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース上に置かれる移動体と、前記移動体
    と前記ベースとの間に衝撃力を発生させる衝撃力発生手
    段と、を備え、前記衝撃力発生手段は、前記移動体を前
    記ベースから浮かせると共にその浮いた状態において移
    動体の重心回りに微少回転させる衝撃力を発生させるこ
    とを特徴とする微小移動装置。
  2. 【請求項2】前記衝撃力発生手段は、前記移動体を複数
    の異なる方向へ回転させる複数の衝撃力を個別に発生さ
    せることを特徴とする請求項1記載の微小移動装置。
  3. 【請求項3】前記衝撃力発生手段は、前記移動体を互い
    に正反対の方向へ回転させることができる複数の衝撃力
    を個別に発生させることを特徴とする請求項2記載の微
    小移動装置。
  4. 【請求項4】前記ベースは導電性部材によって形成さ
    れ、 前記衝撃力発生手段は、前記移動体と前記ベースとの間
    に衝撃的な電磁反発力を発生させる、互いに近接して設
    けられた一対のコイルを有し、前記一対のコイルは、一
    方の前記コイルの発生磁界と他方の前記コイルの発生磁
    界による誘導磁界とが相互に影響し合う程度に近接して
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    一項に記載の微小移動装置。
  5. 【請求項5】前記移動体を前記ベースに押し付ける移動
    体与圧手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれか一項に記載の微小移動装置。
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